JP7419815B2 - 多孔質ポリイミドフィルム、二次電池用セパレータ、及び二次電池 - Google Patents

多孔質ポリイミドフィルム、二次電池用セパレータ、及び二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、多孔質ポリイミドフィルム、二次電池用セパレータ、及び二次電池に関する。
ポリイミド樹脂は、機械的強度、化学的安定性、耐熱性等に優れた特性を有する材料であり、これらの特性を有するポリイミドフィルムが注目されている。
特に、多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池の用途(リチウムイオン二次電池のセパレータ、全固体電池における固体電解質の保持体など)等に適用される場合がある。
例えば、特許文献1には、空孔率が60%以上で、空孔が三次元規則配列構造を有し、空孔が連通孔により互いに連通された多孔質ポリイミド樹脂膜からなる二次電池用セパレーターが記載されている。
また、特許文献2には、厚さ方向の距離より面方向の距離が長い複数の空孔を備え、複数の前記空孔が連なることにより表面と裏面との間が連通した状態に形成される、ポリイミド系樹脂による多孔質膜が開示されている。
特開2011-60539号公報 特開2017-128691号公報
多孔質ポリイミドフィルムにおいては、空孔の形状(具体的には扁平率)、近接した空孔間の距離の変動係数等によっては、高い空孔率としたときに、膜強度が低下してしまうこと、又は、透気度が低下してしまうことがある。
具体的に言えば、例えば、空孔が円形であって、空孔が規則的に配列している多孔質ポリイミドフィルムの場合には、膜強度が低下してしまうことがある。また、空孔が扁平であって、近接した空孔間の距離の変動係数が大き過ぎる多孔質ポリイミドフィルムの場合には、透気度が低下してしまうことがある。
本発明の課題は、平均扁平率が0.1未満であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.10未満である場合、又は、平均扁平率が0.1以上0.7以下であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.40超である場合に比べ、引張り破断強度及び透気度に優れる多孔質ポリイミドフィルムを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
<1>
複数の空孔を有し、前記複数の空孔の平均扁平率が0.1以上0.7以下であり、近接空孔間距離の変動係数が0.10以上0.40以下であり、前記複数の空孔の連なりにより表面と裏面とが連通している、多孔質ポリイミドフィルム。
<2>
前記平均扁平率が0.2以上0.7以下である、<1>に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<3>
空孔率が40%以上90%以下である、<1>又は<2>に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<4>
前記空孔率が45%以上85%以下である、<3>に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<5>
前記複数の空孔の平均長径が50nm以上1500nm以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<6>
前記平均長径が50nm以上1000nm以下である、<5>に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<7>
引張り破断強度が20MPa以上である、<1>~<6>のいずれか1つに記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<8>
透気度が300秒/100mL以下である、<1>~<7>のいずれか1つに記載の多孔質ポリイミドフィルム。
<9>
<1>~<8>のいずれか1つに記載の多孔質ポリイミドフィルムからなる二次電池用セパレータ。
<10>
<9>に記載の二次電池用セパレータを備える二次電池。
<1>、<2>、<7>、又は<8>に係る発明によれば、平均扁平率が0.1未満であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.10未満である場合、又は、平均扁平率が0.1以上0.7以下であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.40超である場合に比べ、引張り破断強度及び透気度に優れる多孔質ポリイミドフィルムが提供される。
<3>又は<4>に係る発明によれば、空孔率が40%未満又は90%超である場合に比べ、引張り破断強度及び透気度に優れる多孔質ポリイミドフィルムが提供される。
<5>又は<6>に係る発明によれば、複数の空孔の平均長径が50nm未満又は1500nm超である場合に比べ、引張り破断強度及び透気度に優れる多孔質ポリイミドフィルムが提供される。
<9>に係る発明によれば、平均扁平率が0.1未満であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.10未満である場合、又は、平均扁平率が0.1以上0.7以下であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.40超である多孔質ポリイミドフィルムを用いた場合と比べ、引張り破断強度及びサイクル特性に優れるリチウムイオン二次電池用セパレータが提供される。
<10>に係る発明によれば、平均扁平率が0.1未満であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.10未満である場合、又は、平均扁平率が0.1以上0.7以下であり且つ近接空孔間距離の変動係数が0.40超である多孔質ポリイミドフィルムを有するリチウムイオン二次電池用セパレータを備えた場合と比べ、引張り破断強度及びサイクル特性に優れる二次電池が提供される。
本実施形態の多孔質ポリイミドフィルムの断面の一例を示す模式図である。 近接空孔及び近接空孔間距離を説明するための模式図である。 近接空孔及び近接空孔間距離を説明するための模式図である。 リチウムイオン二次電池の一例を表す部分断面模式図である。 全固体電池の一例を示す部分断面模式図である。 実施例2の多孔質ポリイミドフィルムの断面写真である。 実施例10の多孔質ポリイミドフィルムの断面写真ある。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<多孔質ポリイミドフィルム>
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、複数の空孔を有し、前記空孔の平均扁平率が0.1以上0.7以下であり、近接空孔間距離の変動係数が0.10以上0.40以下であり、前記複数の空孔の連なりにより表面と裏面とが連通している、多孔質ポリイミドフィルムである。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、上記構成とすることで、引張り破断強度及び透気度に優れる。その理由は定かではないが、以下のように推測される。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、空孔の平均扁平率が0.1以上0.7以下であり、且つ、近接空孔間距離の変動係数が0.10以上0.40以下であることで、扁平な空孔が、適度な不規則性をもって配列していると考えられる。
空孔が上記のように配列されていることで、空孔と空孔との間に樹脂(即ちポリイミド)による太い骨格部が形成され、この太い骨格部が、多孔質ポリイミドフィルムの厚み方向において梁構造として機能すると考えられる。
その結果、高い空孔率としたときであっても、引張り破断強度に優れる多孔質ポリイミドフィルムになるものと推測される。
更に、空孔が上記のように配列されていると共に、複数の空孔の連なりにより表面と裏面とが連通していることで、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、表面と裏面との連通部が十分に得られ、透気度が高くなるものと推測される。
〔空孔〕
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、複数の空孔を有する。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムが有する空孔について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムの厚さ方向の断面を示す概略図である。
図1に示すように、多孔質ポリイミドフィルム100は、樹脂(即ちポリイミド)による骨格部10と、骨格部10中に分散して存在する複数の空孔20と、から構成されている。
そして、複数の空孔20の多くは互いに連なり、表面FAと裏面FBとが連通した状態を形成している。
[平均扁平率]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、複数の空孔の平均扁平率が0.1以上0.5以下である。
複数の空孔の平均扁平率は、膜の強度が向上する観点から、0.2以上0.7以下が好ましく、0.2以上0.6以下がより好ましい。
[近接空孔間距離の変動係数]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、近接空孔間距離の変動係数が0.10以上0.40以下である。
近接空孔間距離の変動係数は、膜の強度が向上する観点から、0.12以上0.40以下が好ましく、0.15以上0.40以下がより好ましい。
ここで、扁平率及び近接空孔間距離について、図面を参照して説明する。
扁平率及び近接空孔間距離は、図1に示すような、多孔質ポリイミドフィルムの厚さ方向の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察及び計測される値より求める。
また、多孔質ポリイミドフィルムにおける空孔は、図1に示すように、空孔同士が互いに連なっているが、各々の空孔が独立した空孔であるとみなし、扁平率及び近接空孔間距離を求める。
例えば、図2(A)に示すように、4つの空孔20a,20b,20c,20dが連なる態様である場合、図2(B)に示すように、各々の空孔の外縁から独立した4つの空孔20a,20b,20c,20dがあるとみなす。
近接空孔とは、ある空孔Xを基準としたとき、その空孔Xの中心からある空孔Yの中心に直線Lを引いたときに、この直線Lに他の空孔Zが接触せず且つ空孔Xの中心から空孔Yの中心までの距離が平均長径の3倍以内にある空孔Yを指し、近接空孔間距離とは、空孔Xの中心から空孔Yの中心までの距離を指す。
具体的に言えば、近接空孔は、図2(B)において、例えば、空孔20c(上記空孔Xに相当)を基準とした場合、空孔20cの中心Ocから直線(上記直線Lに相当)を引いたときに、この直線に他の空孔(上記空孔Zに相当)が接触せずに、接触する空孔20a,20b,20c(いずれも上記空孔Yに相当)を指す。ここで、図2(B)においては、空孔20cと空孔20a,20b,20cとが接触しているが、空孔20cと空孔20a,20b,20cとの間に、樹脂による骨格部が存在していてもよい。空孔20cと空孔20a,20b,20cとの間に樹脂による骨格部が存在する場合、空孔20cの中心Ocから、空孔20a,20b,20cのそれぞれの中心Oa,Ob,Odまでの距離は、平均細孔径の3倍以内にあることを要する。
そして、近接空孔間距離は、例えば、空孔20cを基準とした場合、空孔20cの中心Ocと、近接空孔である空孔20a,20b,20cのそれぞれの中心Oa,Ob,Odと、の距離を指す。
なお、図2(B)において、空孔20aを基準とした場合、近接空孔は空孔20cのみであり、空孔20b及び20dは近接空孔に該当しない。
続いて、走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察及び計測について詳細に説明する。
まず、多孔質ポリイミドフィルムを厚さ方向に切り出し、切断面を測定面とする測定用試料を準備する。そして、この測定用試料をキーエンス(KEYENCE)社製のVE SEMにより、標準装備されている画像処理ソフトにて観察及び計測を実施する。空孔の長径及び短径の計測は、測定用試料の断面のうち空孔100個について行う。また、近接空孔間距離の計測は、測定用試料の断面のうち近接空孔200箇所分について行う。
ここで、空孔の長径は、空孔の外接長方形の長辺の長さを指し、空孔の短径は、空孔の外接長方形の短辺の長さをいう。
上記の計測により得られた長径及び短径の値に基づき、以下の式(I)から扁平率を求める。そして、空孔100個分の扁平率の平均値を、本実施形態における「平均扁平率」とする。
式(I) 扁平率=(長径-短径)/長径
また、上記の計測により得られた近接空孔間距離の値(n:200箇所分)と、ここから得られる近接空孔間距離の値の平均値と、に基づき、近接空孔間距離の変動係数を求める。具体的には、近接空孔間距離の値の平均値と、各近接空孔間距離の値(n:200箇所分)と、差(即ち「偏差」)を2乗し、得られた値の総和の平均値を出し、この平均値の正の平方根をとり(即ち「1/2乗する」)、得られた標準偏差を平均値で割ることで、近接空孔間距離の変動係数が求められる。
[空孔率]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池用セパレータへの適用容易性の観点から、空孔率が40%以上90%以下であることが好ましく、45%以上85%以下であることがより好ましい。
空孔率が上記の範囲であると、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムを二次電池用セパレータに適用した際、サイクル特性の低下が抑制される傾向にある。
ここで、多孔質ポリイミドフィルムにおける空孔率は、多孔質ポリイミドフィルムの見かけ密度及び真密度から求める。
見かけの密度dとは、多孔質ポリイミドフィルムの質量(g)を、空孔を含めた多孔質ポリイミドフィルムの体積(cm)で除した値である。見かけ密度dは、多孔質ポリイミドフィルムの単位面積当たりの質量(g/m)を、多孔質ポリイミドフィルムの厚み(μm)で除して求めてもよい。
は真密度ρとは、多孔質ポリイミドフィルムの質量(g)を、多孔質ポリイミドフィルムから空孔を除いた体積(即ち、樹脂による骨格部のみの体積)(cm)で除した値である。
多孔質ポリイミドフィルムの空孔率は、下記式(II)にて算出される。
・式(II) 空孔率(%)={1-(d/ρ)}×100=[1-{(w/t)/ρ)}]×100
d:多孔質ポリイミドフィルムの見かけ密度(g/cm
ρ:多孔質ポリイミドフィルムの真密度(g/cm
w:多孔質ポリイミドフィルムの単位面積当たりの質量(g/m
t:多孔質ポリイミドフィルムの厚み(μm)
[平均長径]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、二次電池用セパレータへの適用性(より具体的には、二次電池用セパレータに適用したときのリチウムイオン二次電池におけるリチウムデンドライト制)の観点から、複数の空孔の平均長径が50nm以上1500nm以下であることが好ましく、50nm以上1000nm以下であることがより好ましい。
ここで、複数の空孔の平均長径は、多孔質ポリイミドフィルムの厚さ方向の断面を、既述の走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察及び計測にて得られた、空孔100個分の長径の平均値とする
[引張り破断強度]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、引張り破断強度が、20MPa以上であることが好ましく、25MPa以上であることがより好ましく、30MPa以上であることが更に好ましい。
特に、上記引っ張り破断強度は、空孔率が50%以上85%以下の範囲である多孔質ポリイミドフィルムにおいて、達成されていることが好ましい。
引っ張り破断強度が上記の範囲であると、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムを二次電池用セパレータに適用した際、優れた機械的強度が得られる傾向にある。
ここで、引っ張り破断強度は、以下のようにして測定される。
まず、幅5mm、長さ100mm、厚み100μmの短冊状の測定用試料を作製する。
ストログラフVE-1D((株)東洋精機製作所)を使用し、短冊状の測定用試料を以下の条件で引張り、測定用試料の破断時の応力(荷重/断面積)から引張り破断強度を算出する。
・チャック間距離:50mm
・引張り速度:500mm/分
・温度23℃
・相対湿度55%
[透気度]
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、透気度が、300秒/100mL以下であることが好ましく、270秒/100mL以下であることがより好ましく、250秒/100mL以下であることが更に好ましい。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムを二次電池用セパレータに適用した際、透気度を上記の範囲とすることで、サイクル特性の低下が抑制される傾向にある。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムにおける透気度は、ガーレー方式(JIS P 8117:2009)の透気度試験方法にて測定される。
〔樹脂による骨格部〕
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、ポリイミドを含む骨格部を有する。
樹脂による骨格部に含まれるポリイミドとしては、特に制限はない。また、樹脂による骨格部には、引張り破断強度及び透気度に優れるといった効果を損なわない範囲で、ポリイミド以外に、他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、後述するポリイミド前駆体溶液に含まれるその他の添加剤が挙げられる。
〔平均膜厚〕
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムの平均膜厚は、特に限定されず、用途に応じて選択されるものある。
多孔質ポリイミドフィルムの平均膜厚としては、例えば、10μm以上1000μm以下であってもよい。多孔質ポリイミドフィルムの平均膜厚は、20μm以上であってもよく、30μm以上であってもよい。また、多孔質ポリイミドフィルムの平均膜厚は、500μm以下であってもよく、400μm以下であってもよい。
ここで、多孔質ポリイミドフィルムの平均膜厚は、厚さ方向の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で10箇所観察し、10枚のSEM像から各々の観察箇所の膜厚を計測し、得られた10個の計測値(膜厚)を平均することにより求められる。
<多孔質ポリイミドフィルムの製造方法>
以下、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムの製造方法について説明する。
本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムは、例えば、以下の工程を経て製造されることが好ましい。
即ち、ポリイミド前駆体、粒子、及び溶媒を含有するポリイミド前駆体溶液を、基板上に塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を乾燥して、前記ポリイミド前駆体及び前記樹脂粒子を含む皮膜を形成する工程(以下、第1工程ともいう)と、前記皮膜から前記粒子を除去する工程(以下、第2工程ともいう)と、前記皮膜を加熱して、当該皮膜中の前記ポリイミド前駆体をイミド化する工程(以下、第3工程ともいう)と、が挙げられる。
以下、各工程について説明する。
〔第1工程〕
第1工程では、ポリイミド前駆体、樹脂粒子、及び溶媒を含有するポリイミド前駆体溶液を、基板上に塗布して塗膜を形成した後、前記塗膜を乾燥して、前記ポリイミド前駆体及び前記樹脂粒子を含む皮膜を形成する。
[ポリイミド前駆体溶液]
(ポリイミド前駆体)
第1工程で用いられるポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド前駆体を含む。
ポリイミド前駆体は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
(一般式(I)中、Aは4価の有機基を示し、Bは2価の有機基を示す。)
ここで、一般式(I)中、Aが表す4価の有機基としては、原料となるテトラカルボン酸二無水物より4つのカルボキシル基を除いたその残基である。
一方、Bが表す2価の有機基としては、原料となるジアミン化合物から2つのアミノ基を除いたその残基である。
つまり、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重合体である。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、芳香族系の化合物であることがよい。つまり、一般式(I)中、Aが表す4価の有機基は、芳香族系有機基であることがよい。
芳香族系テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’-パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m-フェニレン-ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)-4,4’-ジフェニルメタン二無水物等を挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3-ジメチル-1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5-トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6-トリカルボキシノルボナン-2-酢酸二無水物、2,3,4,5-テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]-オクト-7-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等の脂肪族又は脂環式テトラカルボン酸二無水物;1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-8-メチル-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-c]フラン-1,3-ジオン等の芳香環を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
これらの中でも、テトラカルボン酸二無水物としては、芳香族系テトラカルボン酸二無水物がよく、具体的には、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、更に、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物がよく、特に、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がよい。
なお、テトラカルボン酸二無水物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。
また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は脂肪族テトラカルボン酸を各々併用しても、芳香族テトラカルボン酸二無水物と脂肪族テトラカルボン酸二無水物とを組み合わせてもよい。
一方、ジアミン化合物は、分子構造中に2つのアミノ基を有するジアミン化合物である。ジアミン化合物としては、芳香族系、脂肪族系いずれの化合物も挙げられるが、芳香族系の化合物であることがよい。つまり、一般式(I)中、Bが表す2価の有機基は、芳香族系有機基であることがよい。
ジアミン化合物としては、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,5-ジアミノナフタレン、3,3-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、5-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、6-アミノ-1-(4’-アミノフェニル)-1,3,3-トリメチルインダン、4,4’-ジアミノベンズアニリド、3,5-ジアミノ-3’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,5-ジアミノ-4’-トリフルオロメチルベンズアニリド、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、2,7-ジアミノフルオレン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’-メチレン-ビス(2-クロロアニリン)、2,2’,5,5’-テトラクロロ-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジクロロ-4,4’-ジアミノ-5,5’-ジメトキシビフェニル、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)-ビフェニル、1,3’-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、4,4’-(p-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’-(m-フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチル)フェノキシ]-オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン;ジアミノテトラフェニルチオフェン等の芳香環に結合された2個のアミノ基と当該アミノ基の窒素原子以外のヘテロ原子を有する芳香族ジアミン;1,1-メタキシリレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4-ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4-ジアミノシクロヘキサン、イソフォロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]-ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミン及び脂環式ジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、ジアミン化合物としては、芳香族系ジアミン化合物がよく、具体的には、例えば、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’-ジアミノジフェニルスルホンがよく、特に、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、p-フェニレンジアミンがよい。
なお、ジアミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて併用してもよい。また、2種以上を組み合わせて併用する場合、芳香族ジアミン化合物、又は脂肪族ジアミン化合物を各々併用しても、芳香族ジアミン化合物と脂肪族ジアミン化合物とを組み合わせてもよい。
本実施形態に用いられるポリイミド前駆体の重量平均分子量は、好ましくは5000以上300000以下であり、より好ましくは10000以上150000以下である。
ポリイミド前駆体の重量平均分子量は、下記測定条件のゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法で測定される。
・カラム:東ソーTSKgelα-M(7.8mm I.D×30cm)
・溶離液:DMF(ジメチルホルムアミド)/30mMLiBr/60mMリン酸
・流速:0.6mL/min
・注入量:60μL
・検出器:RI(示差屈折率検出器)
本実施形態においては、ポリイミド前駆体の含有量は、ポリイミド前駆体溶液の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは1質量%以上25質量%以下である。
(粒子)
第1工程で用いられるポリイミド前駆体溶液は粒子を含む。
空孔を形成する観点から、ポリイミド前駆体溶液中にて、粒子は溶解せず分散している状態であることが好ましい。
なお、ポリイミド前駆体溶液中にて溶解しない粒子であればよく、粒子の材質は特に限定されない。
ここで、本実施形態において、「粒子が溶解しない」とは、25℃において、粒子が、対象となる液体(具体的には、ポリイミド前駆体溶液に含まれる溶媒)に対して溶解しないことに加え、対象となる液体に対して3質量%以下の範囲内で溶解することも含む。
粒子としては、樹脂粒子及び無機粒子に大別され、これらのいずれを用いてもよいが、後述する第2工程にて、粒子の除去性に優れる観点からは、樹脂粒子が好ましい。
-樹脂粒子-
樹脂粒子としては、ポリイミド前駆体溶液(具体的には、ポリイミド前駆体溶液に含まれる溶媒)に溶解しないものであれば、特に限定されない。後述する第2工程における粒子の除去性を考慮して、ポリイミド以外の樹脂からなる樹脂粒子であることが好ましい。
樹脂粒子としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の、重合性単量体を重縮合して得られた樹脂粒子、ビニル樹脂、オレフィン樹脂、フッ素樹脂等の、重合性単量体を付加重合(具体的にはラジカル付加重合)して得られた樹脂粒子が挙げられる。
これらの中でも、樹脂粒子としては、ビニル樹脂が好ましく、具体的には、(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレン・(メタ)アクリル樹脂、及びポリスチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
また、樹脂粒子は、架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。
また、樹脂粒子は、ポリイミド前駆体溶液を製造する工程を簡略化する点で、例えば、乳化重合等によって得られた樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液として用いられることが好ましい。
ここで、本実施形態において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
樹脂粒子がビニル樹脂からなる場合、ビニル樹脂を得るために用いられる単量体としては、以下に示す単量体が挙げられる。
ビニル樹脂を得るために用いられる単量体としては、例えば、スチレン、アルキル置換スチレン(例えば、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2-エチルスチレン、3-エチルスチレン、4-エチルスチレン等)、ハロゲン置換スチレン(例えば、2-クロロスチレン、3-クロロスチレン、4-クロロスチレン等)、ビニルナフタレン等のスチレン骨格を有するスチレン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類((メタ)アクリル酸エステル類ともいう);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルホン酸等の酸類;エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミン等の塩基類;等が挙げられる。
上記の単量体の他、その他の単量体として、酢酸ビニルなどの単官能単量体、エチレングリコールジメタクリレート、ノナンジアクリレート、デカンジオールジアクリレートなどの二官能単量体、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等の多官能単量体を併用してもよい。
また、ビニル樹脂は、これらの単量体を単独で用いた樹脂でもよいし、2種以上の単量体を用いた共重合体である樹脂であってもよい。
樹脂粒子がビニル樹脂からなる場合、単量体としてスチレンを用いて得られたビニル樹脂であることが好ましい。スチレンを用いて得られたビニル樹脂としては、全単量体成分に占めるスチレンの割合は、20質量%以上100質量%以下が好ましく、40質量%以上100質量%以下が更に好ましい。
即ち、ビニル樹脂としては、スチレンに由来する構成単位を、ビニル樹脂の質量に対して、20質量%以上100質量%以下で含むことが好ましく、40質量%以上100質量%以下で含むことが好ましい。
樹脂粒子の平均粒径、形状等は、特に限定されず、目的とする空孔の大きさ及び/又は形状に応じて適宜決定されればよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば、0.05μm以上3.0μm以下の範囲が挙げられる。樹脂粒子の体積平均粒径は、0.07μm以上がよく、0.09μm以上が好ましく、0.10μm以上がより好ましい。また、樹脂粒子の体積平均粒径は、2.50μm以下がよく、2.45μm以下が好ましく、2.40μm以下がより好ましい。
樹脂粒子の平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、コールターカウンターLS13、ベックマン・コールター社)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。
-無機粒子-
無機粒子としては、例えば、具体的には、シリカ(二酸化ケイ素)粒子、酸化マグネシウム粒子、アルミナ粒子、ジルコニア粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化カルシウム粒子、二酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化セリウム粒子などの無機粒子が挙げられる。粒子の形状は、上述した通り、球状に近い粒子であることがよい。この観点で、無機粒子としては、シリカ粒子、酸化マグネシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化マグネシウム粒子、アルミナ粒子の無機粒子が好ましく、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子の無機粒子がより好ましく、シリカ粒子が更に好ましい。
これらの無機粒子は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、無機粒子のポリイミド前駆体溶液の溶媒への濡れ性及び分散性が不十分である場合は、必要により、無機粒子の表面を修飾してもよい。
無機粒子の表面修飾の方法としては、例えば、シランカップリング剤に代表される有機基を有するアルコキシシランで処理する方法;シュウ酸、クエン酸、乳酸などの有機酸でコーティングする方法;などが挙げられる。
無機粒子の平均粒径及び形状は、特に限定されず、目的とする空孔の大きさ及び形状のそれぞれに応じて適宜決定されればよい。
第1工程に用いられるポリイミド前駆体溶液に含まれる粒子の含有量は、ポリイミド前駆体溶液の全質量に対して、0.1質量%以上40質量%以下であることがよく、好ましくは0.5質量%以上30質量%以下、より好ましくは1質量%以上25質量%以下、更に好ましくは1質量%以上20質量%以下である。
(溶媒)
第1工程で用いられるポリイミド前駆体溶液は溶媒を含む。
溶媒は、ポリイミド前駆体を溶解し、且つ、粒子を溶解しない又は溶解し難い溶剤であることが好ましい。
溶媒としては、上記の性質を有していれば特に制限はないが、水溶性有機溶剤、水、及びこれらの混合溶媒であることが好ましく、水溶性有機溶剤と水との混合溶媒(水性溶剤ともいう)であることがより好ましい。
-水溶性有機溶剤-
水溶性有機溶剤における「水溶性」とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
水溶性有機溶剤として、非プロトン性極性溶剤、水溶性エーテル系溶剤、水溶性ケトン系溶剤、水溶性アルコール系溶剤が挙げられる。
非プロトン性極性溶剤は、具体的には、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、N,N-ジエチルアセトアミド(DEAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチレンホスホルアミド(HMPA)、N-メチルカプロラクタム、N-アセチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-イミダゾリドン等が挙げられるからなる群から選択される少なくとも一つを含むものである。これらの中でも、非プロトン性極性溶剤としては、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン(DMI)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)が好ましい。
水溶性エーテル系溶剤は、一分子中にエーテル結合を持つ水溶性の溶剤である。水溶性エーテル系溶剤としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、トリオキサン、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。これらの中でも、水溶性エーテル系溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンが好ましい。
水溶性ケトン系溶剤は、一分子中にケトン基を持つ水溶性の溶剤である。水溶性ケトン系溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの中でも、水溶性ケトン系溶剤としては、アセトンが好ましい。
水溶性アルコール系溶剤は、一分子中にアルコール性水酸基を持つ水溶性の溶剤である。水溶性アルコール系溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、tert-ブチルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールのモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールのモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールのモノアルキルエーテル、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、グリセリン、2-エチル-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール等が挙げられる。これらの中でも、水溶性アルコール系溶剤としては、メタノール、エタノール、2-プロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールのモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールのモノアルキルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールのモノアルキルエーテルが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、有機アミン化合物を含有することが好ましい。
以下、有機アミン化合物について説明する。
・有機アミン化合物
有機アミン化合物は、ポリイミド前駆体(そのカルボキシル基)をアミン塩化して、その水性溶剤に対する溶解性を高めると共に、イミド化促進剤としても機能する化合物である。具体的には、有機アミン化合物は、分子量170以下のアミン化合物であることがよい。有機アミン化合物は、ポリイミド前駆体の原料となるジアミン化合物を除く化合物であることがよい。
なお、有機アミン化合物は、水溶性の化合物であることがよい。水溶性とは、25℃において、対象物質が水に対して1質量%以上溶解することを意味する。
有機アミン化合物としては、1級アミン化合物、2級アミン化合物、3級アミン化合物が挙げられる。
これらの中でも、有機アミン化合物としては、2級アミン化合物、及び3級アミン化合物から選択される少なくとも一種(特に、3級アミン化合物)がよい。有機アミン化合物として、3級アミン化合物又は2級アミン化合物を適用すると(特に、3級アミン化合物)、ポリイミド前駆体の溶剤に対する溶解性が高まり易くなり、製膜性が向上し易くなり、また、ポリイミド前駆体溶液の保存安定性が向上し易くなる。
また、有機アミン化合物としては、1価のアミン化合物以外にも、2価以上の多価アミン化合物も挙げられる。2価以上の多価アミン化合物を適用すると、ポリイミド前駆体の分子間に疑似架橋構造を形成し易くなり、また、ポリイミド前駆体溶液の保存安定性が向上し易くなる。
1級アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、イソプロピルアミン、2-エタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、などが挙げられる。
2級アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、2-(メチルアミノ)エタノール、2-(エチルアミノ)エタノール、モルホリンなどが挙げられる。
3級アミン化合物としては、例えば、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N-アルキルピペリジン(例えば、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン等)などが挙げられる。
有機アミン化合物は、強度が高い膜を得る観点で、3級アミン化合物が好ましい。この点で、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノプロパノール、ピリジン、トリエチルアミン、ピコリン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジンからなる群から選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。特にN-アルキルモルホリンが好ましく用いられる。
ここで、有機アミン化合物としては、強度が高い膜を得る観点から、窒素を含有する複素環構造を有する脂肪族環状構造又は芳香族環状構造のアミン化合物(以下、「含窒素複素環アミン化合物」と称する)も好ましい。含窒素複素環アミン化合物としては、3級アミン化合物であることがより好ましい。すなわち、3級環状アミン化合物であることがより好ましい。
3級環状アミン化合物としては、例えば、イソキノリン類(イソキノリン骨格を有するアミン化合物)、ピリジン類(ピリジン骨格を有するアミン化合物)、ピリミジン類(ピリミジン骨格を有するアミン化合物)、ピラジン類(ピラジン骨格を有するアミン化合物)、ピペラジン類(ピペラジン骨格を有するアミン化合物)、トリアジン類(トリアジン骨格を有するアミン化合物)、イミダゾール類(イミダゾール骨格を有するアミン化合物)、モルホリン類(モルホリン骨格を有するアミン化合物)、ポリアニリン、ポリピリジンなどが挙げられる。
3級環状アミン化合物としては、膜厚のばらつきが抑制されたポリイミド膜を得る観点から、モルホリン類、ピリジン類、ピペリジン類、及びイミダゾール類よりなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましく、モルホリン類(モルホリン骨格を有するアミン化合物)であること(すなわち、モルホリン系化合物であること)がより好ましい。これらの中でも、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ピリジン、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、及びピコリンよりなる群から選択される少なくとも一種であることがより好ましく、N-メチルモルホリンであることがより好ましい。
有機アミン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本実施形態に用いられる有機アミン化合物の含有割合は、ポリイミド前駆体溶液の全質量に対して、30%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。また、有機アミン化合物の含有割合の下限値は特に限定されるものではないが、例えば、ポリイミド前駆体溶液の全質量に対して1%以上であることが挙げられる。
水溶性有機溶剤は、1種単独で用いてもよいが、2種以上併用してもよい。
なお、水溶性有機溶剤は、多孔質ポリイミドフィルムへの残存を抑制する観点、及び機械的強度の高い多孔質ポリイミドフィルムを得る観点から、沸点が270℃以下であることが好ましく、60℃以上250℃以下がより好ましく、80℃以上230℃以下であることが更に好ましい。
本実施形態に用いられる水溶性有機溶剤の含有割合は、ポリイミド前駆体溶液に含まれる水性溶剤の全質量に対して、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。
また、水溶性有機溶剤の含有割合の下限値は特に限定されるものではないが、例えばポリイミド前駆体溶液の全質量に対して1%以上であることが挙げられる。
-水-
水としては、例えば、蒸留水、イオン交換水、限外濾過水、純水等が挙げられる。
本実施形態に用いられる水の含有割合は、ポリイミド前駆体溶液に含まれる水性溶剤の全質量に対して、50質量%以上90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上80質量%以下であることが更に好ましい。
第1工程に用いられるポリイミド前駆体溶液に含まれる水性溶剤の含有量は、ポリイミド前駆体溶液の全質量に対して、50質量%以上99質量%以下であることがよく、好ましくは40質量%以上99質量%以下である。
(その他の添加剤)
第1工程に用いられるポリイミド前駆体溶液は、イミド化反応促進のための触媒、製膜品質向上のためのレベリング材等を含んでもよい。
イミド化反応促進のための触媒には、酸無水物などの脱水剤、フェノール誘導体、スルホン酸誘導体、安息香酸誘導体などの酸触媒などを使用してもよい。
また、ポリイミド前駆体溶液は、ポリイミド膜の使用目的に応じて、例えば、導電性付与のために、導電剤(例えば、導電性が体積抵抗率10Ω・cm未満のもの)もしくは半導電剤(例えば、導電性が体積抵抗率10Ω・cm以上1013Ω・cm以下のもの)を含んでいてもよい。
導電剤としては、例えば、カーボンブラック(例えば、pH5.0以下の酸性カーボンブラック);金属(例えば、アルミニウム、ニッケル等);金属酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化錫等);イオン導電性物質(例えば、チタン酸カリウム、LiCl等);等が挙げられる。
これら導電剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
また、ポリイミド前駆体溶液には、ポリイミド膜の使用目的に応じて、機械強度向上のため添加される無機粒子を含有していてもよい。
無機粒子としては、シリカ粉、アルミナ粉、硫酸バリウム粉、酸化チタン粉、マイカ、タルクなどの粒子状材料が挙げられる。
また、リチウムイオン電池の電極として用いられるLiCoO、LiMnOなどを含んでもよい。
[ポリイミド前駆体溶液の調製方法]
第1工程に用いられるポリイミド前駆体溶液の調製方法としては、特に限定されるものではない。
工程簡略化の観点からは、水性溶剤中に粒子を分散させた分散液中で、ポリイミド前駆体を合成することで、ポリイミド前駆体溶液を調製する方法が好ましい。なお、粒子が樹脂粒子の場合には、水性溶剤中にて樹脂粒子を造粒して、上記分散液を得てもよい。
ポリイミド前駆体溶液の調製方法の一例としては、具体的には、以下の方法が挙げられる。
まず、水性溶剤中で樹脂粒子を造粒し、樹脂粒子分散液を得る。続いて、樹脂粒子分散液中で、有機アミン化合物の存在下、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重合して樹脂(ポリイミド前駆体)を生成させて、ポリイミド前駆体溶液とする。
ポリイミド前駆体溶液の調製方法の別の例としては、ポリイミド前駆体を水性溶剤に溶解した溶液と乾燥状態の樹脂粒子とを混合する方法、ポリイミド前駆体を水性溶剤に溶解した溶液と、樹脂粒子が予め水性溶剤に分散されている分散液と、を混合する方法等が挙げられる。
[ポリイミド前駆体溶液の塗布及び乾燥]
第1工程では、既述の方法で得られたポリイミド前駆体溶液を基板上に塗布して塗膜を形成する。この塗膜は、ポリイミド前駆体を含む溶液と粒子とを含んでいる。そして、この塗膜中の粒子は、凝集が抑制された状態で分布している。
その後、基板上に形成された塗膜を乾燥して、ポリイミド前駆体及び粒子を含む皮膜を形成する。
ポリイミド前駆体溶液が塗布される基板としては、特に制限されない。
基盤としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製基板;ガラス製基板;セラミック製基板;鉄、ステンレス鋼(SUS)等の金属基板;これらの材料が組み合わされた複合材料基板等が挙げられる。
また、基板には、必要に応じて、例えば、シリコーン系、フッ素系の剥離剤等による剥離処理を行って剥離層を設けてもよい。また、基材の表面を粒子の粒径程度の大きさに粗面化し、基材接触面での粒子の露出を促進することも効果的である。
基板上にポリイミド前駆体溶液を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー塗布法、回転塗布法、ロール塗布法、バー塗布法、スリットダイ塗布法、インクジェット塗布法等の各種の方法が挙げられる。
基板上に形成された塗膜を乾燥させる方法としては、特に制限されないが、例えば、加熱乾燥、自然乾燥、真空乾燥等の各種の方法が挙げられる。
より具体的には、皮膜に残留する溶剤が、皮膜の固形分に対して50%以下(好ましくは30%以下)となるように、塗膜を乾燥させて、皮膜を形成することが好ましい。
なお、乾燥速度により粒子の分散状態が変化するため、製造される多孔質ポリイミドフィルムにおける空孔の分散状態の不規則性は、乾燥速度にて制御される。
具体的にいえば、乾燥速度をゆっくりとすると、塗膜中で粒子が移動しやすいため、塗膜中の粒子の分散性が高まり、多孔質ポリイミドフィルムにおける空孔の分散状態の不規則性は低くなる傾向にある。一方で、乾燥速度を速めると、塗膜中で粒子が偏在化した状態のまま固定化されやすいため、多孔質ポリイミドフィルムにおける空孔の分散状態の不規則性は高くなる傾向にある。
乾燥速度の制御は、乾燥温度の調整、乾燥時間の調整等により行えばよい。
第1工程では、塗膜を得た後、乾燥して皮膜を形成する過程で、粒子を露出させる処理を行ってもよい。この粒子を露出させる処理を行うことによって、多孔質ポリイミドフィルムの開孔率が高められる。
粒子を露出させる処理としては、具体的には、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
ポリイミド前駆体及び粒子を含む塗膜を得た後、塗膜を乾燥して、ポリイミド前駆体及び粒子を含む皮膜を形成する過程において、形成された皮膜中のポリイミド前駆体は、上述のように、水に溶解しうる状態である。そのため、皮膜に対し、例えば、水にて拭き取る処理、又は水に浸漬する処理等を行うことで、皮膜から粒子を露出させることができる。具体的には、例えば、皮膜表面を水で拭き取ることにより粒子を露出させる処理を行うことで、粒子を被覆しているポリイミド前駆体(及び溶剤)が除去される。その結果、処理された皮膜の表面では、粒子が露出する。
特に、粒子が埋没した皮膜が形成された場合には、皮膜に埋没している粒子を露出させる処理として、上記の処理を採用することが好ましい。
〔第2工程及び第3工程〕
第2工程では、第1工程で得られた皮膜から粒子を除去する。皮膜から粒子を除去することで、多孔質の皮膜が形成される。
また、第3工程では、皮膜を加熱して、皮膜中のポリイミド前駆体をイミド化する。
第2工程及び第3工程を経ることで、多孔質ポリイミドフィルムが製造される。
[粒子の除去]
第2工程における、皮膜から粒子を除去する方法としては、皮膜中の粒子に応じて、適宜、決定されればよい。
皮膜から粒子を除去する方法として、例えば、粒子(好ましくは樹脂粒子)を加熱により分解除去する方法、粒子を有機溶剤により溶解して除去する方法、樹脂粒子をレーザ等による分解により除去する方法等が挙げられる。
これらの方法は、1種のみで行ってもよいし、2種以上を併用してもよい。皮膜から粒子を除去する方法を2種以上併用して、粒子の除去率を調整することで、空孔の形状(具体的には、扁平率)を制御してもよい。
粒子を加熱により分解除去する方法を用いる場合、後述する第3工程と兼ねる方法もあるが、空孔の形状(具体的には、扁平率)の制御し易さの観点からは、第2工程により皮膜から粒子を除去した後に、第3工程(イミド化)を行うことが好ましい。
第2工程において、樹脂粒子を加熱により分解除去する方法の場合、加熱条件としては、以下の条件が挙げられる。
加熱温度としては、例えば、150℃以上350℃以下が好ましく、170℃以上350℃以下がより好ましく、200℃以上350℃以下が更に好ましい。
また、加熱時間としては、例えば、1分間以上60分以下が好ましく、1分間以上45分以下がより好ましく、1分間以上30分以下が更に好ましい。
樹脂粒子を有機溶剤により溶解して除去する方法を用いる場合、具体的には、皮膜を有機溶剤と接触させて、樹脂粒子を有機溶剤に溶解して除去する方法が挙げられる。
皮膜を有機溶剤と接触させる方法としては、例えば、皮膜を有機溶剤中に浸漬させる方法、皮膜に有機溶剤を塗布する方法、皮膜を有機溶剤蒸気と接触させる方法等が挙げられる。
樹脂粒子を溶解するために用いる有機溶剤としては、ポリイミド前駆体及びポリイミドを溶解させず、且つ、樹脂粒子を溶解しうる有機溶剤であれば、特に限定されるものではない。
粒子が樹脂粒子である場合には、有機溶剤として、例えば、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類;が用いられる。
これらの中でも、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等のエーテル類;又は、ベンゼン、トルエン等の芳香族類が好ましく、テトラヒドロフラン、又はトルエンを用いることが更に好ましい。
粒子を有機溶剤により溶解して除去する方法を用いる場合、粒子の除去性、及び、皮膜自身が有機溶剤に溶解してしまうことを抑制する観点から、皮膜中のポリイミド前駆体のイミド化率が10%以上であるときに行うことが好ましい。
イミド化率を10%以上とする方法としては、例えば、後述する第1段階の加熱条件が挙げられる。
つまり、後述する第1段階の加熱を行った後、皮膜中の粒子を有機溶剤により溶解して除去することが好ましい。
[イミド化]
第3工程において、皮膜中のポリイミド前駆体をイミド化するための加熱には、例えば、2段階以上の多段階での加熱が好ましく用いられる。
例えば、粒子が樹脂粒子であって、2段階で加熱する場合、具体的には、以下に示す加熱条件が採用される。
なお、ポリイミド前駆体をイミド化する際の加熱条件により、空孔の形状(具体的には、扁平率)が制御される。加熱条件(即ち、加熱温度及び加熱時間)を適宜制御することで、皮膜の収縮率(特に厚み方向)が変化することから、空孔の形状(具体的には、扁平率)が制御される。
第1段階の加熱条件としては、樹脂粒子の形状が保持される温度であることが望ましい。具体的には、例えば、50℃以上250℃未満の範囲がよく、100℃以上230℃以下の範囲が好ましい。また、加熱時間としては、10分間以上120分間以下の範囲がよい。加熱温度が高いほど加熱時間は短くてよい。
なお、上記第1段階の加熱条件において、それぞれ、加熱温度をプレイミド化温度、加熱時間をプレイミド化時間ともいう。
第2段階の加熱条件としては、例えば、250℃以上500℃以下(好ましくは300℃以上450℃以下)で、20分間以上120分間以下の条件で加熱することが挙げられる。この範囲の加熱条件とすることで、イミド化反応が更に進行する。加熱反応の際、加熱の最終温度に達する前に、温度を段階的、又は一定速度で徐々に上昇させて加熱することがよい。
なお、上記第2段階の加熱条件において、それぞれ、加熱温度を焼成温度、加熱時間を焼成時間ともいう。
なお、加熱条件は上記の2段階の加熱方法に限らず、例えば、1段階で加熱する方法を採用してもよい。1段階で加熱する方法の場合、例えば、上記の第2段階で示した加熱条件のみによってイミド化を完了させてもよい。
ここで、ポリイミド前駆体のイミド化率について説明する。
一部がイミド化したポリイミド前駆体は、例えば、下記一般式(I-1)、下記一般式(I-2)、及び下記一般式(I-3)で表される繰り返し単位を有する構造の前駆体が挙げられる。
一般式(I-1)、一般式(I-2)、及び一般式(I-3)中、Aは4価の有機基を示し、Bは2価の有機基を示す。lは1以上の整数を示し、m及びnは、各々独立に0又は1以上の整数を示す。
なお、A及びBは、後述の一般式(I)中のA及びBと同義である。
ポリイミド前駆体のイミド化率は、ポリイミド前駆体の結合部(テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との反応部)において、イミド閉環している結合部数(2n+m)の全結合部数(2l+2m+2n)に対する割合を表す。つまり、ポリイミド前駆体のイミド化率は、「(2n+m)/(2l+2m+2n)」で示される。
なお、ポリイミド前駆体のイミド化率(「(2n+m)/(2l+2m+2n)」の値)は、次の方法により測定される。
-ポリイミド前駆体のイミド化率の測定-
・ポリイミド前駆体試料の作製
(i)測定対象となるポリイミド前駆体溶液を、シリコーンウェハー上に、膜厚1μm以上10μm以下の範囲で塗布して、塗膜試料を作製する。
(ii)塗膜試料をテトラヒドロフラン(THF)中に20分間浸漬させて、塗膜試料中の溶剤をテトラヒドロフラン(THF)に置換する。浸漬させる溶剤は、THFに限定されることなく、ポリイミド前駆体を溶解せず、ポリイミド前駆体溶液に含まれている溶剤成分と混和し得る溶剤より選択される。具体的には、メタノール、エタノールなどのアルコール溶剤、ジオキサンなどのエーテル化合物が使用される。
(iii)塗膜試料を、THF中より取り出し、塗膜試料表面に付着しているTHFにNガスを吹き付け、取り除く。10mmHg以下の減圧下、5℃以上25℃以下の範囲にて12時間以上処理して塗膜試料を乾燥させ、ポリイミド前駆体試料を作製する。
・100%イミド化標準試料の作製
(iv)上記(i)と同様に、測定対象となるポリイミド前駆体溶液をシリコーンウェハー上に塗布して、塗膜試料を作製する。
(v)塗膜試料を380℃にて60分間加熱してイミド化反応を行い、100%イミド化標準試料を作製する。
・測定と解析
(vi)フーリエ変換赤外分光光度計(堀場製作所製、FT-730)を用いて、100%イミド化標準試料、ポリイミド前駆体試料の赤外吸光スペクトルを測定する。100%イミド化標準試料の1500cm-1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab’(1500cm-1))に対する、1780cm-1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab’(1780cm-1))の比I’(100)を求める。
(vii)同様にして、ポリイミド前駆体試料について測定を行い、1500cm-1付近の芳香環由来吸光ピーク(Ab(1500cm-1))に対する、1780cm-1付近のイミド結合由来の吸光ピーク(Ab(1780cm-1))の比I(x)を求める。
そして、測定した各吸光ピークI’(100)、I(x)を使用し、下記式に基づき、ポリイミド前駆体のイミド化率を算出する。
・式: ポリイミド前駆体のイミド化率=I(x)/I’(100)
・式: I’(100)=(Ab’(1780cm-1))/(Ab’(1500cm-1))
・式: I(x)=(Ab(1780cm-1))/(Ab(1500cm-1))
なお、このポリイミド前駆体のイミド化率の測定は、芳香族系ポリイミド前駆体のイミド化率の測定に適用される。脂肪族ポリイミド前駆体のイミド化率を測定する場合、芳香環の吸収ピークに代えて、イミド化反応前後で変化のない構造由来のピークを内部標準ピークとして使用する。
第1工程にて用いた基板は、第1工程後に皮膜から剥離してもよく、第2工程後に皮膜から剥離してもよいし、第3工程後に得られた多孔質ポリイミドフィルムから剥離してもよい。
<リチウムイオン二次電池用セパレータ及び二次電池>
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用セパレータ、及び、本実施形態に係る二次電池について説明する。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用セパレータは、既述の、本実施形態に係る多孔質ポリイミドフィルムを含む。
また、本実施形態に係る二次電池は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用セパレータを備える。
以下、図2を参照して、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池用セパレータ、及び、本実施形態に係る二次電池について説明する。
図3は、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池の一例を表す部分断面模式図である。
図3に示すように、リチウムイオン二次電池100は、図示しない外装部材の内部に収容された、正極活物質層110と、セパレータ層510と、負極活物質層310と、を備えている。正極活物質層110は、正極集電体130上に設けられており、負極活物質層310は、負極集電体330上に設けられている。セパレータ層510は、正極活物質層110と負極活物質層310とを隔てるように設けられており、正極活物質層110及び負極活物質層310が互いに対向するように、正極活物質層110と負極活物質層310との間に配置されている。セパレータ層510は、セパレータ511とセパレータ511の空孔の内部に充填された電解液513とを備える。セパレータ511は、本実施形態に係る多孔質ポリイミド膜が適用されている。なお、正極集電体130及び負極集電体330は、必要に応じて設けられる部材である。
(正極集電体130及び負極集電体330)
正極集電体130及び負極集電体330に用いられる材料としては、特に限定されず、公知の導電性の材料であればよい。例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン等の金属を用いることができる。
(正極活物質層110)
正極活物質層110は、正極活物質を含む層である。必要に応じて、導電助剤、結着樹脂等の公知の添加剤を含んでいてもよい。正極活物質としては、特に限定されず、公知の正極活物質が用いられる。例えば、リチウムを含む複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFeMnO、LiV等)、リチウムを含む燐酸塩(LiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO等)、導電性高分子(ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等)などが挙げられる。正極活物質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(負極活物質層310)
負極活物質層310は、負極活物質を含む層である。必要に応じて、結着樹脂等の公知の添加剤を含んでいてもよい。負極活物質としては、特に限定されず、公知の正極活物質が用いられる。例えば、炭素材料(黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛)、カーボンナノチューブ、黒鉛化炭素、低温度焼成炭素等)、金属(アルミニウム、シリコン、ジルコニウム、チタン等)、金属酸化物(二酸化スズ、チタン酸リチウム等)などが挙げられる。負極活物質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(電解液513)
電解液513は、例えば、電解質及び非水溶媒を含有する非水電解質溶液を挙げることができる。
電解質としては、例えば、リチウム塩の電解質(LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF、LiClO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO)、LiC(CFSO等)が挙げられる。電解質は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水溶媒としては、環状カーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びブチレンカーボネート等)、鎖状カーボネート(ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等)などが挙げられる。非水溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(リチウムイオン二次電池100の製造方法)
リチウムイオン二次電池100を製造する方法の一例について説明する。
正極活物質を含む正極活物質層110形成用塗布液を、正極集電体130に塗布及び乾燥して、正極集電体130上に設けられた正極活物質層110を備える正極を得る。
同様に、負極活物質を含む負極活物質層310形成用塗布液を、負極集電体330に塗布及び乾燥して、負極集電体330上に設けられた負極活物質層310を備える負極を得る。正極と負極とは、それぞれ必要に応じて圧縮加工を行ってもよい。
次に、正極の正極活物質層110と、負極の負極活物質層310とが、互いに対向するように、正極活物質層110と、負極の負極活物質層310との間にセパレータ511を配置して、積層構造体を得る。積層体構造は、正極(正極集電体130、正極活物質層110)、セパレータ層510、負極(負極活物質層310、負極集電体330)が、この順で積層されている。このとき、必要に応じて圧縮加工を行ってもよい。
次に、積層構造体を外装部材に収容した後、積層構造体の内部に、電解液513が注入される。注入された電解液513は、セパレータ511の空孔にも浸透する。
このようにして、リチウムイオン二次電池100が得られる。
以上、図3を参照して、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池を説明したが、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池は、これに限定されるものではない。本実施形態に係る多孔質ポリイミド膜が適用されるのであれば、その形態は特に限定されない。
<全固体電池>
次に、本実施形態に係る多孔質ポリイミド膜を適用した、全固体電池について説明する。以下、図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る全固体電池の一例を表す部分断面模式図である。図3に示すように、全固体電池200は、図示しない外装部材の内部に収容された、正極活物質層220と、固体電解質層620と、負極活物質層420と、を備えている。正極活物質層220は、正極集電体240上に設けられており、負極活物質層420は、負極集電体440上に設けられている。固体電解質層620は、正極活物質層220及び負極活物質層420が互いに対向するように、正極活物質層220と負極活物質層420との間に配置されている。固体電解質層620は、固体電解質624と、固体電解質624を保持する保持体622とを備えており、保持体622の空孔の内部に、固体電解質624が充填されている。固体電解質624を保持する保持体622は、本実施形態に係る多孔質ポリイミド膜が適用されている。なお、正極集電体240及び負極集電体440は、必要に応じて設けられる部材である。
(正極集電体240及び負極集電体440)
正極集電体240及び負極集電体440に用いられる材料としては、前述のリチウムイオン二次電池で説明した材料と同様の材料が挙げられる。
(正極活物質層220及び負極活物質層420)
正極活物質層220及び負極活物質層420に用いられる材料としては、前述のリチウムイオン二次電池で説明した材料と同様の材料が挙げられる。
(固体電解質624)
固体電解質624は、特に限定されず、公知の固体電解質が挙げられる。例えば、高分子固体電解質、酸化物固体電解質、硫化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質、窒化物固体電解質などが挙げられる。
高分子固体電解質としては、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の単独重合体、これらを構成単位として持つ共重合体等)、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアクリレート樹脂などが挙げられる。リチウムイオン伝導性に優れる点で、硫化物固体電解質を含むことが好ましい。同様の点で、硫黄と、リチウム及びリンの少なくとも一方とを構成元素として含む硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
酸化物固体電解質としては、リチウムを含む酸化物固体電解質粒子が挙げられる。例えば、LiO-B-P、LiO-SiOなどが挙げられる。
硫化物固体電解質としては、硫黄と、リチウム及びリンの少なくとも一方とを構成元素として含む硫化物固体電解質が挙げられる。例えば、8LiO・67LiS・25P、LiS、P、LiS-SiS、LiI-LiS-SiS、LiI-LiS-P、LiI-LiPO-P、LiI-LiS-P、LiI-LiS-Bなどが挙げられる。
ハロゲン化物固体電解質は、例えば、LiI等が挙げられる。
窒化物固体電解質は、例えば、LiN等が挙げられる。
(全固体電池200の製造方法)
全固体電池200を製造する方法の一例について説明する。
正極活物質を含む正極活物質層220形成用塗布液を、正極集電体240に塗布及び乾燥して、正極集電体240上に設けられた正極活物質層220を備える正極を得る。
同様に、負極活物質を含む負極活物質層420形成用塗布液を、負極集電体440に塗布及び乾燥して、負極集電体440上に設けられた負極活物質層420を備える負極を得る。
正極と負極とは、それぞれ必要に応じて圧縮加工を行ってもよい。
次に、固体電解質層620形成用の固体電解質624を含む塗布液を基材上に塗布、乾燥して、層状の固体電解質を形成する。
次に、正極の正極活物質層220上に、固体電解質層620形成用材料として、保持体622としての多孔質ポリイミド膜と、層状の固体電解質624とを重ね合わせる。さらに、固体電解質層620形成用材料上に、負極の負極活物質層420が、正極活物質層220側になるように、負極を重ね合わせて、積層構造体とする。積層体構造は、正極(正極集電体240、正極活物質層220)、固体電解質層620、負極(負極活物質層420、負極集電体440)が、この順で積層されている。
次に、積層構造体に圧縮加工を施して、保持体622である多孔質ポリイミド膜の空孔内に、固体電解質624を含浸させ、固体電解質624を保持させる。
次に、積層構造体を外装部材に収容する。
このようにして、全固体電池200が得られる。
以上、図4を参照して、本実施形態に係る全固体電池を説明したが、本実施形態に係る全固体電池は、これに限定されるものではない。本実施形態に係る多孔質ポリイミド膜が適用されるのであれば、その形態は特に限定されない。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<粒子の準備>
-樹脂粒子分散液(1)-
スチレン300質量部、界面活性剤Dowfax2A1(47%溶液、ダウ・ケミカル社)11.9質量部、脱イオン水150質量部を混合し、ディゾルバーにより、1,500回転で30分間攪拌、乳化を行い、単量体乳化液を作製した。続いて、Dowfax2A1(47%溶液、ダウ・ケミカル社)0.9質量部、脱イオン水446.8質量部を反応容器に投入した。窒素気流下、75℃に加熱した後、モノマー乳化液のうち24質量部を添加した。その後、過硫酸アンモニウム5.4質量部を脱イオン水25質量部に溶解させた重合開始剤溶液を10分かけて滴下した。滴下後50分間反応させた後に、残りの単量体乳化液を180分かけて滴下し、さらに180分間反応させたのち、冷却して、樹脂粒子分散液(1)を得た。樹脂粒子分散液(1)の固形分濃度は36.0質量%であった。また、この樹脂粒子の平均粒径は0.38μmであった。
-樹脂粒子分散液(2)-
スチレン770質量部、アクリル酸ブチル230質量部、界面活性剤Dowfax2A1(47%溶液、ダウ・ケミカル社)5.0質量部、イオン交換水576質量部を混合し、ディゾルバーにより、1,500回転で30分間攪拌、乳化を行い、モノマー乳化液を作製した。続いて、イオン交換水1270質量部を反応容器に投入した。窒素気流下、75℃に加熱した後、モノマー乳化液のうち25質量部を添加した。その後、過硫酸アンモニウム15質量部をイオン交換水98質量部に溶解させた重合開始剤溶液を10分かけて滴下した。滴下後50分間反応させた後に、残りのモノマー乳化液を220分かけて滴下し、さらに50分間反応させた。次いで、マレイン酸5質量部、イオン交換水10質量部混合した液を5分かけて滴下し、150分反応した後、冷却して、表面に酸性基を有するスチレン・アクリル樹脂粒子の分散液である樹脂粒子分散液(2)を得た。この樹脂粒子分散液(2)の固形分濃度は34.0質量%であった。また、この樹脂粒子の平均粒径は0.80μmであった。
<ポリイミド前駆体含有液の調製>
-ポリイミド前駆体含有液(A)の作製-
イオン交換水560.0質量部を窒素気流下で50℃に加熱し、撹拌しながら、p-フェニレンジアミン53.75質量部、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物146.25質量部を添加した。N-メチルモルホリン(以下、「MMO」とも称す。)150.84質量部とイオン交換水89.16質量部の混合物を窒素気流下、50℃で、撹拌しながら20分かけて添加した。50℃で15時間反応させることで、ポリイミド前駆体(A)を固形分濃度が20質量%で含む、ポリイミド前駆体含有液(A)を得た。
-ポリイミド前駆体含有液(B)の作製-
ピロメリット酸二無水物109.06質量部と4,4’-ジアミノジフェニルエーテル100.12質量部とをジメチルアセトアミド中で反応させ、ポリイミド前駆体(B)を固形分濃度が10質量%で含む、ポリイミド前駆体含有液(B)を得た。
<実施例1>
ポリイミド前駆体含有液(A):169.85部、樹脂粒子分散液(1):238.97部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=17.83:173.35):191.18部を混合した。
混合は50℃にて30分間、超音波分散することにより、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。また、得られたポリイミド前駆体溶液を用いて、以下のようにして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
ポリイミド前駆体溶液の塗膜を形成するための、厚み1.0mmのステンレス基板を準備した。ステンレス基板上に、アプリケーターを用いて、10cm×10cmの面積で、塗布乾燥後の膜厚が400μmになるようにポリイミド前駆体溶液を塗布し、塗膜を得た。得られた塗膜を、50℃で120分加熱乾燥した(第1工程)。
その後、10℃/分の速度で昇温し、200℃で60分間保持した後、室温に冷却して樹脂粒子を取り除くためにテトラヒドロフランに30分浸漬させた(第2工程)。
続いて、室温(25℃、以下同じ)から10℃/分の速度で昇温し、350℃まで到達したところで60分間保持した(第3工程)。
その後、室温に冷却して膜厚20μmである、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例2>
第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
得られた、実施例2の多孔質ポリイミドフィルムの断面写真を図5に示す。
<実施例3>
第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第2工程にて200℃で60分間保持した後に350℃で60分間保持することで粒子を加熱除去し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例4>
ポリイミド前駆体含有液(A):289.65部、樹脂粒子分散液(1):172.41部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=30.41:107.53):137.94部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例5>
ポリイミド前駆体含有液(A):289.65部、樹脂粒子分散液(1):172.41部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=30.41:107.53):137.94部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例6>
ポリイミド前駆体含有液(A):289.65部、樹脂粒子分散液(1):172.41部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=30.41:107.53):137.94部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第2工程にて200℃で10分間保持した後に粒子を除去し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例7>
ポリイミド前駆体含有液(A):289.65部、樹脂粒子分散液(1):172.41部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=30.41:107.53):137.94部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第2工程にて200℃で60分間保持した後に350℃で60分間保持することで粒子を加熱除去し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例8>
ポリイミド前駆体含有液(A):350.0部、樹脂粒子分散液(2):147.1部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=36.75:66.15):102.9部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例9>
ポリイミド前駆体含有液(A):350.0部、樹脂粒子分散液(2):147.1部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=36.75:66.15):102.9部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<実施例10>
ポリイミド前駆体含有液(A):350.0部、樹脂粒子分散液(2):147.1部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=36.75:66.15):102.9部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第2工程にて200℃で10分間保持した後に粒子を除去し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
得られた、実施例10の多孔質ポリイミドフィルムの断面写真を図6に示す。
<実施例11>
ポリイミド前駆体含有液(A):350.0部、樹脂粒子分散液(2):147.1部、及び水性溶剤(NMPと水との混合溶液、質量比=36.75:66.15):102.9部を混合した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。更に、得られた樹脂粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を用い、第1工程にて80℃で加熱乾燥し、第2工程にて200℃で60分間保持した後に350℃で60分間保持することで粒子を加熱除去し、第3工程にて400℃まで到達したところで60分間保持した以外は、実施例1と同様にして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
実施例1~実施例11の各種条件を、下記表1にまとめた。
<比較例1>
以下のようにして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
日本触媒製の直径400nmシリカ単分散球状粒子0.3質量部を純水10質量部に分散させ、懸濁液とした。この懸濁液を、100μmメンブレンフィルターを用いて減圧濾過し、フィルタ上に200μmの厚みで最密充填体積させた。次いでシリカを乾燥し、フィルタから取り外したのち、1100℃で3時間焼成した。得られたシリカシートにポリイミド前駆体含有液(B)を充填し、室温から380℃まで10℃/分の速度で昇温し、380℃で1時間保持したのち、室温に冷却した。得られたシリカ含有ポリイミド膜を10%フッ化水素水溶液に12時間浸漬し、シリカを溶解・溶出させ、膜厚20μmである多孔質ポリイミドフィルムを得た。
<比較例2>
以下のようにして、多孔質ポリイミドフィルムを得た。
ポリイミド前駆体含有液(B)59.02質量部と、日本触媒製の直径600nmシリカ単分散球状粒子40.98質量部と、を混合した。混合は50℃にて30分間、超音波分散することにより、シリカ粒子が分散したポリイミド前駆体溶液を得た。
ステンレス基板上に、アプリケーターを用いて、10cm×10cmの面積で、塗布乾燥後の膜厚が400μmになるように上記のポリイミド前駆体溶液を塗布し、塗膜を得た。得られた塗膜を、100℃で1時間加熱乾燥し、380℃まで10℃/分の速度で昇温し、380℃で1時間保持した後、室温に冷却した。得られたシリカ含有ポリイミド膜を10%フッ化水素水溶液に12時間浸漬し、シリカを溶解・溶出させ、膜厚20μmである多孔質ポリイミドフィルムを得た。得られた多孔質ポリイミドフィルムを厚さ方向に押しつぶし、膜厚10μmの多孔質ポリイミドフィルムを得た。
[測定及び算出]
得られた多孔質ポリイミドフィルムについて、既述の方法で、平均扁平率、近接空孔間距離の変動係数、空孔率、及び平均長径を求めた。
結果を表2に示す。
[評価]
(1)引張り破断強度の評価
得られた多孔質ポリイミドフィルムを用い、既述の方法で、引張り破断強度を測定し、下記の基準で評価した。結果を表2に示す。
-評価基準-
A:引張り破断強度が30MPa以上
B:引張り破断強度が20MPa以上30MPa未満
C:引張り破断強度が20MPa未満
(2)透気度の評価
得られた多孔質ポリイミドフィルムから、ガーレー方式(JIS P 8117:2009)の透気度試験方法に準じて、透気度の測定用試料とした。得られた測定用試料を用い、既述の方法で、透気度を測定した。結果を表2に示す。
(3)サイクル特性の評価
多孔質ポリイミドフィルムをセパレータとして用い、リチウムイオン二次電池を作製した。得られた二次電池を用い、500回繰り返し充放電(25℃における1C充電と1C放電)したときの電池容量の低減率を調べた。電池容量の低減率が小さいほど、サイクル特性は良好であるといえる。結果を表2に示す。
-評価基準-
A:電池容量の低減率が低減率20%未満(良好)
B:電池容量の低減率20%以上(不良)
表2に示す結果から、本実施例で得られた多孔質ポリイミドフィルムは、引張り破断強度が高く、且つ、透気度も高いことが分かる。
更に、本実施例で得られた多孔質ポリイミドフィルムは、サイクル特性にも優れることが分かる。
10 樹脂による骨格部
20 空孔
100 多孔質ポリイミドフィルム
100 リチウムイオン二次電池
200 全固体電池

Claims (7)

  1. 複数の空孔を有し、前記複数の空孔の平均扁平率が0.以上0.7以下であり、近接空孔間距離の変動係数が0.10以上0.40以下であり、前記複数の空孔の連なりにより表面と裏面とが連通しており、
    引張り破断強度が20MPa以上であり、透気度が300秒/100mL以下である、多孔質ポリイミドフィルム。
  2. 空孔率が40%以上90%以下である、請求項1に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
  3. 前記空孔率が45%以上85%以下である、請求項に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
  4. 前記複数の空孔の平均長径が50nm以上1500nm以下である、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
  5. 前記平均長径が50nm以上1000nm以下である、請求項に記載の多孔質ポリイミドフィルム。
  6. 請求項1~請求項のいずれか1項に記載の多孔質ポリイミドフィルムからなる二次電池用セパレータ。
  7. 請求項に記載の二次電池用セパレータを備える二次電池。
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