以下、図面を参照して、本発明に係るカラン、サーバ、注出部材、脱着工具、ガイド部及び飲料の実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一の符号を付すこととする。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のカラン10を備えた穀物性発泡飲料提供用の飲料提供装置1の全体構成を示している。ここで、穀物性発泡飲料とは、ビールや発泡酒等の穀物を原料とする発泡性の飲料であり、穀物には、例えば、大麦、小麦、米類、とうもろこし、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上が含まれる。なお、穀物性発泡飲料にはアルコール飲料の他、アルコールを含まない飲料も含まれる。本実施形態では、穀物性発泡飲料としてビールを提供するものとして説明する。飲料提供装置1は、例えば、飲食店に設けられるものであり顧客の注文等に応じてカラン10からビールを注出する装置である。まずは、飲料提供装置1の全体構成について説明する。飲料提供装置1は、本実施形態のカラン10の他、炭酸ガスボンベ2と、減圧弁3と、炭酸ガスホース4と、ビール樽5と、ヘッド6と、ビールホース7と、サーバ8と、冷却装置9とを備えている。
炭酸ガスボンベ2は、炭酸ガスが高圧で充填された略円柱状の容器である。炭酸ガスボンベ2は、ビール樽5の内部のビール液をサーバ8に押し出す機能を有すると共に、ビール樽5の内部のビール液に含まれる炭酸ガスの量を適正な量に保つ機能を有する。炭酸ガスボンベ2の内部において、炭酸ガスは、液体の状態で充填されており、例えば6〜8MPa程度の圧力で充填されている。炭酸ガスボンベ2は、炭酸ガスボンベ2内部の炭酸ガスの量を表示する残量表示計2aを備えている。残量表示計2aとしては、例えば、針状のものを用いることができ、この場合、当該針が上方を指しているときには炭酸ガスボンベ2内の炭酸ガスの量が比較的多いことを示し、当該針が下方を指しているときには炭酸ガスボンベ2内の炭酸ガスの量が少なくなってきたことを示す。このように、炭酸ガスボンベ2は、残量表示計2aを備えることにより、炭酸ガスボンベ2内の炭酸ガスの量を視認可能となっている。また、炭酸ガスボンベ2は、炭酸ガスボンベ2の上部に使用者が回転可能な開閉ハンドル(不図示)を備えており、この開閉ハンドルの回転により炭酸ガスボンベ2から減圧弁3への炭酸ガスの流路を開閉可能となっている。
減圧弁3は、ビール樽5内部のビール液にかかる炭酸ガスによる圧力(以下、ガス圧と称する)を調整するための装置である。減圧弁3は、炭酸ガスボンベ2内の炭酸ガスの残圧を表示する残圧表示計3aと、ガス圧を調整するための回転式の操作部3bとを備えている。使用者は、例えば、操作部3bを時計回り方向に回転させることによりガス圧を上げて、操作部3bを反時計回り方向に回転させることによりガス圧を下げることができる。ここで、炭酸ガスが液体に溶け込む量は、液体の温度が高いほど少なく、液体の温度が低いほど多くなっている。よって、ビール樽5内のビール液の温度に合わせて減圧弁3でガス圧を適切な値とすることにより、高温時にビール液から炭酸ガスが抜けるガス分離や、低温時にビール液が炭酸ガスを過大に吸収する過飽和を防止することができる。
ビール樽5は、ビール液が詰められた容器である。ビール樽5は、内部が密閉されているので、雑菌等がビール樽5の内部に入り込まないようになっている。また、ビール樽5の表面には、例えばカード状の液温検出部5aを貼り付けることが可能となっており、この液温検出部5aによってビール樽5内のビールの温度を検出することができる。液温検出部5aには、ビール樽5内のビールの温度のほか、検出したビールの温度に対応したガス圧の最適値が表示されるようになっている。よって、使用者は、減圧弁3の操作部3bを操作しながらガス圧を液温検出部5aに表示された値にすることによって、ビール樽5内のガス圧を最適な値にできるようになっている。また、ビール樽5は、内部にビールが流通するチューブ5bと口金(フィッティングバルブとも称される)5cとを備えている。ビール樽5のチューブ5bは、ビール樽5の内部で上下に延在しており、チューブ5bの上端に上記口金5cが設けられている。
ヘッド6は、炭酸ガスボンベ2内の炭酸ガスを減圧弁3及び炭酸ガスホース4を介してビール樽5内に送り込むと共に、ビール樽5内のビール液をサーバ8に送り出す機能を有する。ヘッド6は、上下に移動させることにより炭酸ガスとビール液の流路を開閉可能な操作ハンドル6aと、炭酸ガスホース4と接続されるガス継手6bと、ビールホース7と接続されるビール継手6cとを備えている。ヘッド6の下部はビール樽5の口金5cに接続されるようになっており、ヘッド6の下部を口金5cに接続させた状態でヘッド6の操作ハンドル6aを下げることにより炭酸ガスホース4及びビールホース7の流路が開き、ヘッド6の操作ハンドル6aを上げることにより炭酸ガスホース4及びビールホース7の流路が閉塞される。なお、ガス継手6b及びビール継手6cは、ヘッド6の中央部で上下に延在する本体部6dに対して脱着自在となっており、ガス継手6b、ビール継手6c及び本体部6dが分解可能となっていることにより、ヘッド6を洗浄しやすい構造となっている。
サーバ8は、ビールホース7を介してヘッド6と接続されており、ビール樽5からヘッド6及びビールホース7を介して送り出されたビール液を冷却する機能を有する。サーバ8は、いわゆる電気冷却式の瞬間冷却式サーバであり、サーバ8の内部には、ビールホース7からのビール液を冷却し、カラン10に飲料を供給する供給装置として機能する冷却装置9が設けられている。冷却装置9は、内部に冷却水を収容する冷却槽9aと、ビールホース7に接続されており冷却槽9aの内部で螺旋状に形成されたビールパイプ9bとを備えている。冷却槽9aの内側面には、冷却装置9の冷凍サイクル装置(不図示)に接続された冷媒管9cが上下に連設されており、冷凍サイクル装置内部の冷凍サイクルによって冷媒管9cに氷9dが形成されることにより、冷却槽9a内の水が冷却され、更にビールパイプ9b内部のビールが冷却される。また、ビールパイプ9bは螺旋状に形成されており、冷却槽9a内におけるビール液の流路を長く確保しているので、ビールパイプ9b内部のビール液は冷却装置9内部でより好適に瞬間冷却される。
なお、本実施形態では、ビール樽5がサーバ8の外部に設けられ、サーバ8が冷却装置9を備えた電気冷却式の瞬間冷却式サーバである例について説明している。しかしながら、この電気冷却式の瞬間冷却式サーバに代えて、氷冷却式の瞬間冷却式サーバ、又は、ビール樽5、ヘッド6及びビールホース7が冷蔵庫内部に設けられた樽格納式サーバを用いるようにしてもよい。ここで、氷冷却式の瞬間冷却式サーバとは、冷却槽の内部に氷が設けられており、ビールパイプがコールドプレート(不図示)を介して上記氷によって冷却されるサーバである。また、樽格納式サーバとは、ビール樽、ヘッド、ビールホースが冷蔵庫内に格納された構造を備えるサーバであり、ビールホースはこの冷蔵庫によって冷却される。
ここで、冷却装置9によって冷却されたビールを注出するカラン10についてより詳細に説明する。
図2〜図4に示されるように、カラン10は、手で握って移動操作が可能なレバー11と、レバー11の操作によってカラン10内部のビールの流路を開閉するスライド弁12と、スライド弁12を内部で移動可能に保持するカラン本体13と、カラン本体13から斜め下方に延在する液体用ノズル14及び発泡体用ノズル15とを備えている。
カラン10のレバー11は、使用者が図2(a)の紙面の手前側に位置する状態で、図2(a)の紙面の奥側及び手前側の両方に移動可能となっている。以下では、図2の紙面における手前側を単に手前側とし、図2の紙面における奥側を単に奥側と称する。レバー11は、カラン本体13から上方に延在する略円柱状に形成されている。レバー11は、上方に向かうに従って徐々に拡径する形状となっている。レバー11の下端11a(図3参照)は、スライド弁12の表面に形成された係合凹部12aに係合されている。
スライド弁12は、略円柱状に形成され表面に上記係合凹部12aを有する弁本体12bと、弁本体12bを手前側に移動自在に支持する軸部12cと、軸部12cの手前側の端部12dと弁本体12bとの間に設けられ弁本体12bを手前側及び奥側に付勢するスプリング12eと、軸部12cの奥側に固定されて軸部12cに対して拡径された拡径部12fとを備えている。
図3及び図4(b)に示されるように、スライド弁12の弁本体12b、軸部12c及び拡径部12fの内部には、ビール液(液体)L及びビール泡(発泡体)Bが流通する流路12gが設けられている。また、流路12gの手前側の端部には、ビール泡Bを吐出する泡付け穴12hが設けられている。泡付け穴12hは、弁本体12bが軸部12cに対して手前側に移動した場合にのみ開口するようになっており、開口したときにビール泡Bを発泡体用ノズル15に吐出する。カラン本体13は、カラン本体13の奥側の端部に位置し冷却装置9のビールパイプ9bと連通する第1のビール液流路13aと、ビール液流路13aの手前側で縮径された第2のビール液流路13bとを備えている。
液体用ノズル14は、カラン本体13から斜め下方に延在しており、液体用ノズル14の内部には、カラン本体13内の第2のビール液流路13bに連通されてビール液Lが流通する液体用流路14aを備えている。発泡体用ノズル15は、液体用ノズル14の手前側においてカラン本体13から斜め下方に延在しており、発泡体用ノズル15の内部には、泡付け穴12hから注出されたビール泡Bが流通する発泡体用流路15aが形成されている。なお、このビール泡Bは、液体の膜により気泡を包んだ液体発泡体である。
図2に示されるように、発泡体用ノズル15の発泡体用流路15aの先端部15bには、発泡体用流路15a内のビール泡Bを飲料容器Aに注出するチューブ状の注出部材20が設けられている。注出部材20は、発泡体用ノズル15の発泡体用流路15aの内側面に取り付けられ発泡体用ノズル15の先端部15bから下方に延在する第1の延在部20aと、第1の延在部20aの下端で折り曲げられた折り曲げ部20bと、折り曲げ部20bから略水平方向に延在する第2の延在部20cとを備えている。また、注出部材20の内側には、発泡体用ノズル15の発泡体用流路15aと連通するビール泡Bが通る流路20fが形成されている。第2の延在部20cの先端部には、ビール泡Bが外部に流出する流出口20dが形成されている。
また、注出部材20は、第1の延在部20aの下端に折り曲げ部20bを有することにより、ビール泡Bの通る流路20fの先端部が飲料容器A内のビール液Lの液面S(図6参照)に沿うように曲げられている。つまり、流路20fの先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっており、流路20fは、ビール泡Bの注出角度が液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている。また、ビール泡Bが通る流路20fにおけるビール泡Bを注出する先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、液面Sに沿う方向と水平方向に沿う方向とは同一の方向を示している。
ここで、流路20fの先端部とビール泡Bを注出する先端部とは、それぞれ上記折り曲げ部20b及び第2の延在部20cである。また、流路20fが液面Sに沿うように曲げられている場合としては、第2の延在部20cが水平方向に曲がっている場合のほか、第2の延在部20cが水平面に対して上方又は下方に曲がっている場合も含まれており、例えば、流路20fの先端部である折り曲げ部20b及び第2の延在部20cがビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように曲がっている場合をいう。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、図2では、第2の延在部20cが水平方向に曲がっている例を示している。
次に、図3〜図5を参照しながらカラン10を用いて飲料容器Aに穀物性発泡飲料であるビールを注出したときの各構成要素の動作について説明する。まず、飲料提供装置1の使用者がレバー11を操作していない状態では、スライド弁12における拡径部12fの手前側の端面12jがカラン本体13内の壁面13cに当接して、カラン本体13内の第1のビール液流路13aと第2のビール液流路13bとが遮断された状態となっている。
この状態で、飲料提供装置1の使用者は、図5(a)に示されるように、飲料容器Aの上端の開口A1が奥側に約45度傾くように飲料容器Aをカラン10の下部に配置する。そして、この状態で使用者がレバー11を手前側に移動させると、図4(a)に示されるように、スライド弁12が奥側に移動する。スライド弁12が奥側に移動すると、拡径部12fの端面12jがカラン本体13内の壁面13cから離れ、第1のビール液流路13aと第2のビール液流路13bとが連通する。第1のビール液流路13aと第2のビール液流路13bとが連通すると、ビール液Lは、第1のビール液流路13a及び第2のビール液流路13bを通って液体用ノズル14の液体用流路14aに導かれる。そして、液体用ノズル14の液体用流路14aに導かれたビール液Lは、液体用ノズル14の下端14b(図5(a)参照)から、45度奥側に傾いた飲料容器Aの内側面A2に向かって注出される。このように、飲料容器Aを傾けた状態でビール液Lを注出することにより、ビール液Lによる飲料容器Aの内側面A2への衝撃力を低減させることができ、ビール液Lの注出時における初期泡の発生を抑えることができる。
図3及び図5(b)に示されるように、飲料容器Aへのビール液Lの注出を終える際には、使用者は、飲料容器Aを開口A1が上方を向くように垂直に立ててレバー11を元の位置に戻す。このとき、スライド弁12における拡径部12fの端面12jがカラン本体13内の壁面13cに当接するので、第1のビール液流路13aと第2のビール液流路13bは遮断されることとなり、飲料容器Aへのビール液Lの注出は中止される。
そして、図4(b)及び図5(c)に示されるように、飲料提供装置1の使用者は、飲料容器Aを垂直に立てた状態で、ビール泡Bを飲料容器A内のビール液Lの液面S上に生成するために、カラン10のレバー11を奥側に押し込む。レバー11を奥側に押し込むと、スライド弁12の弁本体12bが軸部12cに対して手前側に移動し、泡付け穴12hが開口する。泡付け穴12hが開口すると、ビール液Lがカラン本体13の第1のビール液流路13aからスライド弁12の流路12gに入り込む。流路12gに入り込んだビール液Lは泡付け穴12hに達し、泡付け穴12hに達したビール液Lは、ビール泡Bに変換された状態で、泡付け穴12hから発泡体用ノズル15の発泡体用流路15aに向かって下方に吐出される。
ここで、図2及び図6に示されるように、ビール泡Bを飲料容器A内のビール液Lの液面S上に生成する際には、注出部材20の折り曲げ部20bによって第2の延在部20cが略水平方向に延在するように折り曲げられている。つまり、注出部材20は、第2の延在部20cが飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように曲げられているので、発泡体用ノズル15内のビール泡Bはビール液Lの液面Sに沿うように注出部材20の流出口20dから注出される。また、図6(b)に示されるように、ビール泡Bは、飲料容器Aの内側面A2に沿うように注出されるので、飲料容器A内で渦巻き状に移動させることが可能となる。
このように、本実施形態のカラン10及びサーバ8によれば、ビール泡Bが通る流路20fが飲料の液面Sに沿うように曲げられているので、ビール液Lの上にビール泡Bを注出してビール液Lの上部にビール泡Bを生成している際には、上記ビール泡Bは、液面Sに沿うように注出される。従って、ビール泡Bは、ビール液Lの液面Sに沿うように注出されビール液Lに混ざり込みにくくなるので、ビール泡Bがビール液Lに混ざり込むことを抑制させることができる。
また、本実施形態のビール泡Bを注出する注出部材20によれば、注出部材20におけるビール泡Bの流路20fの第2の延在部20cが、ビール液Lの液面Sに沿うように曲がっている。すなわち、注出部材20内の流路20fが液面Sに沿うように曲げられているので、ビール泡Bは液面Sに沿うように注出されることとなり、ビール泡Bがビール液Lに混ざらないようにすることができる。
また、ビール泡Bが通る流路20fは、ビール泡Bの注出角度が水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている。よって、ビール泡Bを液面S上に沿うように注出することが可能となるので、ビール泡Bがビール液Lに混ざり込みにくくなる。
また、カラン10は、ビール液Lの上にビール泡Bを注出し、ビール泡Bが通る流路20fにおけるビール泡Bを注出する先端部が、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。このようにビール泡Bを注出する流路20fの先端部が液面Sに対して0°以上45°以下の方向に向けられているので、ビール泡Bは液面Sに沿うように注出されることとなり、ビール泡Bをビール液Lに混ざりにくくすることが可能となる。
また、ビール泡Bが液面Sに沿うように注出されることにより、ビール泡Bが発泡体用ノズル15から注出されたときに発生するビール液Lへの衝撃力を低減させることができるので、ビール泡Bを注出する際における粗い泡の発生を抑制することができる。また、注出部材20は、飲料容器A内のビール液Lに沿うように折り曲げられたチューブ状となっているので、注出部材20を飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように折り曲げることにより、粗い泡の発生を抑制するための構成を簡易に実現させることができる。更に、ビール泡Bを飲料容器Aの内壁に沿うように飲料容器Aの内壁に当てながら注出すると、飲料容器Aの中でビール泡Bが円方向に動く力が大きくなる。よって、ビール泡Bがビール液Lに付与する力が相対的に小さくなるので、ビール泡Bがビール液Lに一層混ざりにくくなる。
(第2実施形態)
次に、図7〜図9を参照しながら第2実施形態のカラン、サーバ、及び注出部材について説明する。第2実施形態のカラン30は、第1実施形態のカラン10同様、飲料提供装置1に設けられており、炭酸ガス及びビール液Lの流路は第1実施形態と同様となっている。第2実施形態のカラン30が第1実施形態のカラン10と異なる点は、折り曲げ部20bによって折り曲げられたチューブ状の注出部材20に代えて、下方に直線状に延在する注出部材40を用いた点のみであり、その他の点は同一である。よって、第2実施形態では、下方に延びる直線状となっている注出部材40についてのみ詳細に説明し、その他の構成については説明を省略する。
図7及び図8に示されるように、第2実施形態の注出部材40は、発泡体用ノズル15の先端部15bに嵌め込まれる円柱状の嵌合突起部41と、嵌合突起部41の下部で拡径された円柱状の流路変換部42とを備えている。第2実施形態の注出部材40は、嵌合突起部41を発泡体用ノズル15の先端部15bに嵌め込むことにより発泡体用ノズル15に取り付けられている。また、注出部材40は、流路変換部42を下から引っ張ることにより発泡体用ノズル15から外すことができ、発泡体用ノズル15に対して脱着自在となっている。嵌合突起部41及び流路変換部42bの内部には、ビール泡Bが流通する流路43が形成されており、注出部材40の流路43は、嵌合突起部41の上端から下方に延在する第1の延在部43aと、第1の延在部43aの下端で折り曲げられた折り曲げ部43bと、折り曲げ部43bから略水平方向に延在する第2の延在部43cとを備えている。第2の延在部43cの先端部には、ビール泡Bが外部に流出する流出口43dが形成されている。
また、第2実施形態の注出部材40は、第1の延在部43aの下端に折り曲げ部43bを有することにより、ビール泡Bの通る流路43が飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように曲げられている。つまり、流路43の先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっており、流路43は、ビール泡Bの注出角度が水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている。また、ビール泡Bが通る流路43におけるビール泡Bを注出する先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。
ここで、流路43の先端部とビール泡Bを注出する先端部とは、それぞれ上記折り曲げ部43b及び第2の延在部43cである。また、流路43が液面Sに沿うように曲げられている場合としては、第1実施形態と同様に、第2の延在部43cが水平面に対して上方又は下方に曲がっている場合も含まれ、例えば、流路43の先端部である折り曲げ部43b及び第2の延在部43cがビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように曲がっている場合をいう。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、図8では、第2の延在部43cが水平方向に曲がっている例を示している。
ここで、図8及び図9に示されるように、注出部材40内部の折り曲げ部43bによって流路43の第2の延在部43cが折り曲げられているので、発泡体用ノズル15内のビール泡Bはビール液Lの液面Sに沿うように流出口43dから注出される。よって、第2実施形態のカラン30によれば、ビール泡Bは、ビール液Lに沿うように注出されビール液Lに混ざり込みにくくなっているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態の注出部材40は脱着自在となっているので、既存の発泡体用ノズルに上記注出部材40を取り付けて、ビール泡Bをビール液Lの液面Sに沿うように注出させることが可能となる。そして、注出部材40を発泡体用ノズル15から外して洗浄することもできるので、注出部材40をより衛生的に扱うことができる。
更に、第2実施形態では、注出部材40が下方に延びる直線状となっているので、注出部材40の形状を簡易にして注出部材40の製造を簡単に行うことが可能となる。また、注出部材40自体が折り曲がった形状となっていないので、発泡体用ノズル15全体の外観を従来のものに比してほとんど変えないようにすることが可能となる。
(第3実施形態)
以下では、第3実施形態のカラン、サーバ、及び注出部材について説明する。第3実施形態のカランは、液体発泡体を注出する第1実施形態の発泡体用ノズル15及び注出部材20に代えて、凍結発泡体(フローズン泡)を注出する発泡体用ノズル及び注出部材を用いている。第3実施形態のカランが第1実施形態のカラン10と異なる点は、上記のように発泡体が凍結発泡体である点のみであり、その他の点は同一である。
第3実施形態では、凍結発泡体が飲料提供装置本体で生成され、生成された凍結発泡体は発泡体用ノズルを通って飲料容器Aに注出される。この発泡体用ノズルの先端部には、第1実施形態のようなチューブ状の注出部材、又は第2実施形態のような直線状の注出部材が設けられており、注出部材内の流路は水平面に沿うように曲げられている。よって、飲料容器Aに注出されたビール液Lの上に発泡体用ノズルから凍結発泡体を注出してビール液Lの上部に凍結発泡体を生成している際には、上記凍結発泡体は、発泡体用ノズルの注出部材から液面Sに沿うように注出される。従って、第3実施形態でも第1及び第2実施形態と同様の効果が得られ、凍結発泡体をビール液Lに混ざり込みにくくすることができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、カランから注出された飲料について説明する。第4実施形態の飲料は、例えば図5(c)に示されるようなビールであり、飲料容器Aに注出されたビール液Lと、ビール液Lの上に注出されたビール泡Bとを有している。ここで、第4実施形態が第1〜第3実施形態と異なる点は、ビール液Lとビール泡Bの液種が異なる点と、例えば図19(d)に示されるように、ビール液Lの層である第1の層R1とビール泡Bの層である第3の層R3の間に、ビール泡Bが液体となって形成された第2の層R2が形成されている点のみである。
ビール泡Bが液体となって形成される第2の層R2は、注出したビール泡Bが徐々にビール液L上で液体に変化することにより形成される。ここで、ビール液Lの液種の比重がビール泡Bを成す液体の液種の比重よりも小さい場合には、液体となったビール泡Bが拡散しやすいので、ビール泡Bの注出直後に第2の層R2が形成されるが、その後時間の経過と共に第2の層R2が薄れていくこととなる。一方、ビール液Lの液種の比重がビール泡Bを成す液体の液種の比重よりも大きい場合には、ビール泡Bが液体となってもビール液L中に拡散しにくくなるため、時間の経過と共に第2の層R2がより顕著に形成される。また、ビール泡Bが液化した液体はビール泡Bの下方に下降するが、ビール泡Bの液化速度は小さく、ビール泡Bの下降速度も極めて小さい。このため、ビール液Lの比重がビール泡Bの比重よりも大きい場合には、ビール液Lの比重とビール泡Bの比重との差が極めて小さくても第2の層R2を形成することができる。一方、ビール液Lの比重がビール泡Bの比重よりも小さい場合には、長時間第2の層R2を保持することができないが、ビール泡Bを注出した直後に第2の層R2を形成することができる。
このように第4実施形態の飲料は、ビール液Lからなる第1の層R1と、ビール泡Bが液化されて形成された第2の層R2と、ビール泡Bからなる第3の層R3と、が形成されている。よって、ビール液Lの第1の層R1と、ビール泡Bが液体となって形成された第2の層R2と、ビール泡Bの第3の層R3とで綺麗な縞模様を形成することができるので、コントラストが明確となって見栄えが良く意匠性が高められた飲料となっている。
また、第4実施形態の飲料は、以下のように製造することができる。最初に、ビール液Lの上にビール泡Bを注ぐ。次に、この飲料を所定時間放置する。すると、ビール泡Bが液化されて、前述した第2の層R2に相当するものを形成することができる。ここで、放置する時間は、20秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、更には1分以上が好ましく、2分以上がより一層好ましい。このように、放置する時間を長くすることでビール泡Bを液化させ、第2の層R2を確実に形成することができる。また、放置する時間は、5分以下であることが好ましい。放置する時間を上記のように設定することで、ビール泡Bの層である第3の層R3を残しつつ、第2の層R2を形成することができる。
ここで、飲料容器Aとしては、第2の層R2の高さ位置における飲料容器Aの径が小さいものを用いることが好ましい。このような飲料容器を用いることによって、ビール泡Bが液化する量が少量であっても第2の層R2を厚くすることができ、更に、第2の層R2を短時間で形成することができる。
また、第4実施形態において、第1〜第3実施形態のいずれかのカラン、サーバ、及び注出部材を用いてビール泡Bを注出すると、ビール泡Bはビール液Lの液面Sに沿うように注出されてビール泡Bがビール液Lに混ざり込みにくくなるので、上記第1の層R1、第2の層R2、及び第3の層R3のコントラストをより明確にすることができる。なお、第4実施形態の飲料は、ビール泡Bが下方向に注出されるノズルを用いた場合でも実現可能であるが、前述の理由により、第1〜第3実施形態のカラン、サーバ、及び注出部材を用いて製造されるのがより好ましい。
また、第4実施形態では、第1の層R1を構成する液体として、ビール液Lの他に水やリキュール等の種々の液体を用いてもよく、単一種類の液体であってもよいし、複数種類の液体を混合したものであってもよい。更に、第3の層R3を構成する発泡体としても、ビール泡B以外の種々の発泡体を用いることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、例えば図1に示されるサーバ8に設けられ、飲料容器Aに発泡体を注出する際に、飲料容器Aを所定位置に配置させることを可能とするガイド部について、図15及び図16を参照して説明する。
図15(a)に示されるように、ガイド部71を備えたカラン75は、第1実施形態と同様に、レバー11及びカラン本体13を備えている。ガイド部71は、カラン本体13の下部に支持されており手前側に延在すると共に手前側の端部で下方に折り曲げられた支持部材74と、支持部材74から手前側に延在し飲料容器Aの高さを所定高さH以下に調整可能な高さ位置調整部材73と、支持部材74の下端から手前側に延在し飲料容器Aの水平方向における位置を調整可能な水平位置調整部材72とを備えている。
図15(b)及び図15(c)に示されるように、水平位置調整部材72は、平面視における飲料容器Aの外周に沿うように形成された湾曲部72aを有しており、この湾曲部72aに飲料容器Aの外周を押し当てることにより、飲料容器Aの水平方向の位置が定まる。高さ位置調整部材73は、上記のように飲料容器Aの外周を水平位置調整部材72の湾曲部72aに押し当てた状態で、飲料容器Aを上方に移動させると当接する当接部73aを下面に有している。飲料容器Aを高さ位置調整部材73の当接部73aに当接させることにより、飲料容器Aの高さ位置が定まる。
また、図16に示されるように、タワーTを有するタワー型のサーバにおけるガイド部81を備えたカラン90において、ガイド部81は、タワーTの手前側壁部Wから手前側に延在する延在部84と、延在部84の手前側端部に取り付けられた平板状の第1の位置調整部材(水平位置調整部材)83と、第1の位置調整部材83の一端から更に手前側に延在する平板状の第2の位置調整部材(水平位置調整部材)82と、を備えている。図16(b)に示されるように、飲料容器Aを第1の位置調整部材83に押し当てることにより飲料容器Aの前後方向の位置が定まり、飲料容器Aを第2の位置調整部材82に押し当てることにより飲料容器Aの左右方向の位置が定まる。なお、図16に示されるカラン90は、タワー型でないサーバに対しても用いることが可能である。
以上のようにガイド部81は、ビール液Lの上にビール泡Bを注出するカラン90に対して飲料容器Aを所定位置に配置させ、カラン90に対する飲料容器Aの水平位置を調整可能な位置調整部材82,83を備えている。よって、ビール泡Bを注出する際に飲料容器Aの水平位置を最適な位置とすることが可能となる。従って、ビール泡Bの注出をスムーズに行うことができると共に、常に飲料容器Aに対するビール泡Bの流れを一定にすることができる。
また、上述した図15に示されるガイド部71は、水平位置調整部材72の他に、カラン75に対する飲料容器Aの高さ位置を調整可能な高さ位置調整部材73を備えている。よって、ビール泡B注出時における飲料容器Aの高さ位置を最適な位置とすることが可能となるので、ビール泡Bの注出を一層スムーズに行うことができると共に、常にカラン75と飲料容器Aの落差を一定にすることができる。
また、ガイド部71又はガイド部81を用いて、ガイド部71,81が飲料容器Aの端の少なくとも一部と接することにより、発泡体用ノズル及び注出部材の少なくとも一方に対する飲料容器Aの位置を決定することができる。このように決定される飲料容器Aの位置は、飲料容器Aにビール泡Bを注出する際に、ビール泡Bが飲料容器Aの外に飛び散ることを防ぐことができる位置が望ましい。このようにガイド部を備えることにより、ビール泡Bの注出に最適な位置に飲料容器Aを配置させることが可能となるので、簡単な操作でビール泡Bを液面Sに沿うように注出することができる。
(第6実施形態)
次に、図21〜図29を参照しながら第6実施形態のカラン及び注出部材について説明する。第6実施形態のカラン100は、第2実施形態の注出部材40に対応する注出部材110を備えている。第6実施形態のカラン100が第2実施形態のカラン30と異なる点は、カラン100の形状がカラン30と異なっている点と、カラン100に付着した付着液体Cを流出口112から避けるように導く液体誘導部111が設けられた点のみであり、その他の点は第2実施形態と同一である。よって、以下では、第2実施形態と異なる点についてのみ説明し重複する説明を省略する。
図21〜図23に示されるように、第6実施形態のカラン100は、ノズル103にビール液Lが通る液体用流路104とビール泡Bが通る発泡体用流路105とが設けられている。液体用流路104と発泡体用流路105は互いに隣接し略平行に延在している。また、注出部材110は、発泡体用流路105に嵌め込まれており、発泡体用流路105を通るビール泡Bを外方に流出するための流出口112を有している。
注出部材110は、略円柱状に形成された嵌合部110d(図23参照)と、嵌合部110dに対して拡径されノズル103に注出部材110を装着したときに外方に露出する露出部110fとを有している。注出部材110は、嵌合部110dが発泡体用流路105に嵌め込まれることによりノズル103に取り付けられている。よって、注出部材110は、第2実施形態の注出部材40と同様、ノズル103に対して脱着自在となっている。そして、ノズル103に取り付けられた注出部材110とノズル103の間に上述した液体誘導部111が形成される。
ノズル103に取り付けられた注出部材110において、露出部110fは、ノズル103から発泡体用流路105に沿って延在する柱状となっている。また、図22に示されるように、注出部材110は、液体用流路104側に位置する第1の側面110aと、流出口112が形成された第2の側面110bと、平坦状の底面110cとを有している。液体用流路104側に位置する第1の側面110aは、円柱状の露出部110fにおける液体用流路104側に張り出した部分が切り欠かれた平坦状に形成されている。このように第1の側面110aは液体用流路104側に張り出した部分が切り欠かれた平坦状に形成されているので、露出部110fを円柱状とした場合と比較して、液体用流路104から注出されたビール液Lは注出部材110に当たりにくくなっている。
液体誘導部111は、流出口112の上方側で発泡体用流路105に対して略垂直な方向に延在する第1の溝部111aと、第1の溝部111aにおける液体用流路104側の端部で発泡体用流路105に対して略平行に延在する第2の溝部111bと、を有している。すなわち、第1の溝部111aは流出口112のノズル103側に形成されており、第2の溝部111bは流出口112から離れた位置で発泡体用流路105に沿う方向に延在している。
図23(a)及び図23(b)に示されるように、注出部材110は、上述した嵌合部110dと、嵌合部110dに対して拡径された拡径部110eと、嵌合部110dと拡径部110eの間に形成された階段状の段差部113とを有している。この段差部113と拡径部110eとで上述した露出部110fが構成されている。段差部113は、嵌合部110dの表面から垂直に延在する第1の面113aと、第1の面113aの先端縁から第1の面113aに対して垂直に延在する第2の面113bとを有している。このため、注出部材110の嵌合部110dが発泡体用流路105に嵌め込まれ、第1の面113aがノズル103の端面103aに接触することで第2の面113bを底面とした第1の溝部111aが形成される。
図21に示されるように、液体誘導部111の第1の溝部111aは、ノズル103の表面に生じた結露やビール液L等の付着液体Cが入り込むための溝である。すなわち、ノズル103の表面に沿って下方に移動した付着液体Cは第1の溝部111aに入り込む。また、図22に示されるように、第2の溝部111bは、付着液体Cを流出口112に到達しないように誘導すると共に、付着液体Cを注出部材110の下方に排出するための溝である。すなわち、第1の溝部111aに入り込んだ付着液体Cは、第1の溝部111aに沿って流れると共に第2の溝部111bに達し、第2の溝部111bに沿って流れた後に注出部材110の下方に排出される。
このように、ビール泡Bの流路の先端部を構成する注出部材110には、付着液体Cをビール泡Bの流出口112を避けるように誘導する液体誘導部111が設けられている。よって、付着液体Cを溝部111a,111bに入れ込むことによって付着液体Cを流出口112に向かわないように導くことが可能となるので、付着液体Cによって流出口112からのビール泡Bの注出が妨げられる事態を回避することができる。
ここで、液体誘導部111が無い場合は、付着液体Cが流出口112付近に溜まることとなり、この付着液体Cの表面張力によって付着液体Cとビール泡Bとが流出口112で接触し、これによりビール泡Bが分散して流れ出てしまうことがある。しかしながら、第6実施形態では、液体誘導部111を備えることによって、付着液体Cの流出口112への到達を防ぐ構成となっているので、付着液体Cによって流出口112からのビール泡Bの注出が妨げられる事態を回避することができ、ビール泡Bを確実に所望の方向へ注出させることができる。
また、第6実施形態では注出部材110に液体誘導部111が設けられているので、既存のカランに注出部材110を取り付けるだけで、付着液体Cを流出口112を避けるように導くための構成を簡易に実現させることができる。
なお、第1及び第2の溝部111a,111bが延在する方向は上記に限定されないが、注出部材110をノズル103に取り付けてビール泡Bを注出する際に第2の溝部111bが鉛直方向に延在していることが好ましい。このように第2の溝部111bが鉛直方向に延在していると、第2の溝部111bに入り込んだ付着液体Cが落下しやすくなるので付着液体Cをより効率的に排出させることができる。更に、図23に示されるように、段差部113の第1の面113aが嵌合部110dに対して垂直に延在し、第2の面113bが第1の面113aに対して垂直に延在している。しかし、注出部材110をノズル103に取り付けた際に液体誘導部111の第1の溝部111aが形成される形状であれば、段差部113の形状を適宜変更することが可能である。
図27又は図28に示されるように、注出部材110は、ヤットコ型の脱着工具136、又はスパナ型の脱着工具137を用いることによってノズル103から外すことができる。また、図30に示されるように、注出部材110は、本実施形態において注出部材脱着具130と称する脱着工具を用いてノズル103から外してもよい。
ヤットコ型の脱着工具136は、片側に切り欠き部136aを有する一対の平板状の挟み部136Aと、挟み部136A間の間隔を把持して調整するための把持部136Bと、を備えている。図27及び図29に示されるように、注出部材110の溝部111aに、挟み部136Aの切り欠き部136aを挿入すると共に、矢印Pに示されるように、把持部136Bを握って一対の挟み部136Aで注出部材110を挟み込み、この状態で脱着工具136を下方に移動させることにより、ノズル103から注出部材110を外すことができる。また、上記同様、一対の挟み部136Aで注出部材110を挟み込んだ状態で脱着工具136を上方移動させることにより、ノズル103に注出部材110を装着させることもできる。このように、挟み部136Aで注出部材110を挟み込むことによって注出部材110をノズル103に対して脱着することができ、付着液体Cを回収及び誘導するための溝部111aを注出部材110の脱着用の溝として兼用することができる。
また、図28及び図30に示されるように、スパナ型の脱着工具137は、一対の挟み部137Aと把持部137Bとを有している。注出部材110の溝部111aに挟み部137Aを挿入すると共に、矢印Pに示されるように一対の挟み部137Aで注出部材110を挟み込んだ状態で把持部137Bを握って脱着工具137を下方に移動させることにより、ノズル103から注出部材110を外すことができる。このように、挟み部137Aで注出部材110を挟み込むことによって注出部材110をノズル103から取り外すことができ、この場合も付着液体Cを回収及び誘導するための溝部111aを注出部材110の脱着用の溝として兼用することができる。
更に、図30に示される注出部材脱着具130を用いて、ノズル103に対して注出部材110を脱着することが可能となっている。注出部材脱着具130は直線状に延びており、上板部131と側板部132と下板部133とで注出部材脱着具130の断面がコの字状となっている。上板部131には、嵌合部110dが挿入されて露出部110fを注出部材脱着具130に係止するための切り欠き部131aが形成されている。注出部材脱着具130の材料は、金属等、簡単に曲がらないものであればよく、例えばステンレスとすることができる。また、注出部材脱着具130は、例えばステンレス等を板金加工することにより製造可能である。
注出部材脱着具130を用いて注出部材110をノズル103に装着する際には、まず、嵌合部110dを切り欠き部131aに挿入して注出部材110の露出部110fを上板部131と下板部133との間に嵌め込み、平坦状の側面110aを側板部132の内側に接触させ、嵌合部110dを切り欠き部131aから上方に突出させた状態とする。そして、この状態で注出部材脱着具130を把持すると共に、嵌合部110dを発泡体用流路105に挿入して、嵌合部110dの中心を通る軸線Xを中心として注出部材脱着具130を揺動させながら嵌合部110dを発泡体用流路105に押し込んでいくことにより、嵌合部110dを発泡体用流路105に嵌合させて注出部材110をノズル103に装着させることができる。
また、注出部材脱着具130を用いて注出部材110をノズル103から外す際には、まず、注出部材110の溝部111a(図29参照)に、切り欠き部131aの両側に位置する挟み部131cを挿入して一対の挟み部131cで注出部材110を挟み込む。そして、平坦状の側面110aを側板部132の内側に接触させ、露出部110fを上板部131と下板部133との間に嵌め込む。この状態で注出部材脱着具130を把持すると共に、軸線Xを中心として注出部材脱着具130を揺動させながら引き下げることにより、嵌合部110dが発泡体用流路105から外れて注出部材110をノズル103から取り外すことができる。
このように、注出部材脱着具130を用いることによって注出部材110をノズル103に対して脱着可能となっている。ここで、上述したように、注出部材脱着具130は直線状に延びているので、注出部材脱着具130を把持することによって容易に注出部材脱着具130を揺動できるようになっている。また、注出部材110を注出部材脱着具130で保持する際には、平坦状の側面110aが側板部132の内側面に接触するので、注出部材脱着具130に注出部材110を嵌め込みやすくなっていると共に、注出部材脱着具130から注出部材110に確実に力を伝達させることができる。よって、注出部材脱着具130を用いることにより、注出部材110をノズル103に対して簡単に脱着させることができる。なお、注出部材脱着具として、図30では上板部131と側板部132と下板部133とを有するものを挙げたが、下板部133を有さず上板部131と側板部132とを有するものを用いて注出部材110をノズル103から外すこともでき、注出部材脱着具の形状は適宜変更することが可能である。
以上のように、脱着工具136,137及び注出部材脱着具130は、それぞれ注出部材110を挟み込む一対の挟み部136A,137A,131cを備え、一対の挟み部136A,137A,131cで注出部材110を挟み込むことによって、注出部材110をカラン100に対して脱着させる。よって、注出部材110を挟み込んで注出部材110をカラン100の発泡体用流路105に押し込んだりカラン100から引き抜いたりすることが可能となるので、カラン100に対する注出部材110の脱着を容易に行うことができる。
(第7実施形態)
次に、図31〜図41を参照しながら第7実施形態のカランについて説明する。第7実施形態のカランは注出されるビール泡Bの形状を制御する注出部材を備えており、この点が第1実施形態と異なっている。第7実施形態では、注出部材の種々の態様について説明する。以下で説明する注出部材は、発泡体用ノズル15の先端に対して着脱自在となっており、発泡体用ノズル15から注出されたビール泡Bの形状を制御可能となっている。なお、注出部材は、発泡体用ノズル15に対して着脱自在になっていなくてもよく、発泡体用ノズル15と一体であってもよい。
図31に示されるように、注出部材160は、発泡体用ノズル15の先端に嵌められる。また、注出部材160は、発泡体用ノズル15から流下したビール泡Bを受け入れる有底円筒状の泡受入部161と、泡受入部161で受け入れられたビール泡Bを斜め下方向に誘導する第1の泡誘導部162及び第2の泡誘導部163と、を備えている。
泡受入部161の内径は発泡体用ノズル15の外径と同程度となっており、泡受入部161を発泡体用ノズル15の先端に嵌めることが可能となっている。泡受入部161は、発泡体用ノズル15から受け入れたビール泡Bを泡受入部161の外部に流出させる流出口161aを有している。流出口161aは、泡受入部161が発泡体用ノズル15に嵌められた状態において、泡受入部161の側面161cの下端に位置する。流出口161aは、泡受入部161の底面161bに沿うように横方向に延在しているので、泡受入部161が受け入れたビール泡Bは横方向に広がった状態で流出口161aから流出する。
第1の泡誘導部162は、泡受入部161の流出口161aから斜め下方向に延在する板状の部分であり、第2の泡誘導部163は、第1の泡誘導部162の先端から更に斜め下方向に延在する板状の部分である。泡受入部161の底面161bに対する第2の泡誘導部163の傾斜角度は、泡受入部161の底面161bに対する第1の泡誘導部162の傾斜角度よりも大きくなっている。第1の泡誘導部162は、流出口161aから流出したビール泡Bを第1の泡誘導部162の上面に沿って流下するようにビール泡Bを案内する。第2の泡誘導部163は、第1の泡誘導部162の上面に沿って流下するビール泡Bが更に斜め下方向に流下するようにビール泡Bを誘導する。
図32に示されるように、筒状の泡受入部161に上から入り込んだビール泡Bは、一旦泡受入部161の底面161bに接触し、底面161bに沿って広がりながら泡受入部161の流出口161aに到達し、第1及び第2の泡誘導部162,163に沿うように斜め下方向に流れていく。従って、注出部材160を発泡体用ノズル15の先端に取り付けることによって、ビール泡Bが第1及び第2の泡誘導部162,163に沿うように流れるので、ビール泡Bを滝のような形状として綺麗に流すことができる。よって、注出されるビール泡Bの意匠性が向上されている。
また、注出部材160を有しない場合と比較して、ビール泡Bの泡付けの方向が水平方向に近くなるので、ビール泡Bをビール液Lの液面に沿うように流すことができ、ビール泡Bがビール液Lに巻き込まれにくくなっている。よって、ビール液Lの液面上におけるビール泡Bの泡持ちが良くなる。
ここで、仮に、第2の泡誘導部163が無く第1の泡誘導部162が水平方向に延在しているとすると、ビール泡Bが表面張力によって第1の泡誘導部162の先端から第1の泡誘導部162の下側に回り込む。しかしながら、本実施形態では、第1及び第2の泡誘導部162,163が斜め下方向に折り曲げられているので、上記のようにビール泡Bが泡誘導部162の下側に回り込みにくくなっている。また、注出部材160が第1の泡誘導部162と第2の泡誘導部163とを備え2段階の傾斜面を有しているので、ビール泡Bがより滑らかに第1及び第2の泡誘導部162,163を流下する。よって、ビール泡Bが泡誘導部162,163の下側に回り込みにくくなっている。
なお、第1及び第2の泡誘導部162,163を斜め下方向に折り曲げる代わりに、ビール泡Bの流速を速くしてもビール泡Bが泡誘導部162,163の下側に回り込みにくくなる。また、注出部材160において、第1及び第2の泡誘導部162,163を斜め下方向に折り曲げる代わりに、注出部材160全体を斜めにしてもよい。更に、第2の泡誘導部163を省略してもよい。
図33に示されるように、注出部材165は、発泡体用ノズル15から注出されたビール泡Bを受け入れる円筒状の泡受入部166と、泡受入部166から枝分かれするビール泡Bの流路を備えた4本の枝部167と、泡受入部166の下端を封止する底部168と、を備えている。なお、円筒状の泡受入部166に代えて、有底円筒状の泡受入部を用いることによって、底部168を省略してもよい。
各枝部167は、泡受入部166の表面から略垂直に突出しており、注出部材160が発泡体用ノズル15に取り付けられたときに各枝部167の先端は略水平方向に開口している。また、各枝部167は、例えば90度の位相角度をもって等間隔に配置されている。
図34に示されるように、発泡体用ノズル15から泡受入部166に入り込んだビール泡Bは、泡受入部166内で溜められる。そして、各枝部167から放射状に注出される。このように、ビール泡Bは放射状に広がるように各枝部167から注出されるので、注出されるビール泡Bの意匠性が向上されている。また、注出部材165を有しない場合と比較してビール泡Bがビール液Lの液面に沿うように注出されるので、上述した注出部材160と同様、ビール泡Bがビール液Lに溶け込みにくくなっている。従って、注出されたビール泡Bがビール液Lに巻き込まれにくくなっているので、ビール液Lの液面上におけるビール泡Bの泡持ちが良くなる。なお、泡受入部166及び枝部167の形状、枝部167の配置間隔、及び枝部167の個数は適宜変更可能である。
図35(a)に示されるように、注出部材170は、有底円筒状の泡受入部171と、泡受入部171の底面に連通する流路を備えた3個のチューブ部材172と、を備えている。各チューブ部材172は、泡受入部171から下方に延びるチューブ部材172の基端部に対して先端側が種々の方向を向くように折り曲げ可能となっている。
この注出部材170において、泡受入部171が受け入れたビール泡Bは各チューブ部材172を通って注出されるので、上記の注出部材165と同様、ビール泡Bを放射状に広がるように注出可能となっている。また、注出部材170では、各チューブ部材172の折り曲げ角度を調整することによって注出されるビール泡Bの液面に対する注出角度を調整することが可能であり、上記同様ビール泡Bの泡持ちを良くすることも可能である。なお、チューブ部材172の個数は、3個に限らず、2個又は4個以上であってもよい。
図35(b)に示されるように、注出部材175は、円筒状の泡受入部176と、泡受入部176から下方に延びる3個の脚部178を介して泡受入部176の下部に接続された半球状の泡誘導部177と、を備えている。この注出部材175において、脚部178は、泡受入部176の周方向に沿うように等間隔に配置されている。そして、発泡体用ノズル15から泡受入部176が受け入れたビール泡Bは、脚部178の間に形成された空間179を通って泡誘導部177の球面に沿うように注出される。この注出部材175でも、注出部材175がない場合と比較してビール泡Bをビール液Lの液面に沿うように注出可能となるので、液面上におけるビール泡Bの泡持ちを良くすることができる。
なお、上記の注出部材175では、脚部178の数が3個であったが、脚部178の数は1個、2個又は4個以上であってもよい。また、泡誘導部177は半球状であったが、泡誘導部177の形状は、例えば円錐又は三角錐であってもよく、適宜変更可能である。
図36(a)に示されるように、注出部材180は、発泡体用ノズル15から注出されたビール泡Bを受け入れる有底円筒状の泡受入部181を備えている。泡受入部181の底面181aには、コの字状に切り欠かれて下方に折り曲げられた第1の切り欠き部182aと、逆コの字状に切り欠かれて下方に折り曲げられた第2の切り欠き部182bと、が設けられている。
図36(b)に示されるように、泡受入部181に発泡体用ノズル15からのビール泡Bが受け入れられると、ビール泡Bの表面張力によって、ビール泡Bがねじれたような形状となってビール液Lの液面上に注出される。このようにしてビール泡Bの形状を制御することができビール泡Bの意匠性が向上されている。また、注出部材180が無い場合と比較してビール泡Bをビール液Lの液面に沿うように注出することも可能となり、液面上におけるビール泡Bの泡持ちを良くすることが可能となる。なお、注出部材180において、切り欠き部の個数及び配置態様は適宜変更可能である。
例えば、図36(c)に示されるように、互いに異なる方向に切り欠かれて下方に折り曲げられた4個の切り欠き部184a,184b,184c,184dを有する注出部材183を用いることも可能である。この注出部材183を用いた場合、各切り欠き部184a,184b,184c,184dから注出されたビール泡Bは下方で合流し、ビール泡Bがねじれたような形状となってビール液Lの液面上に注出される。よって、注出部材180を用いた場合と同様の効果が得られる。
図37(a)に示されるように、注出部材185は、発泡体用ノズル15から注出されたビール泡Bを受け入れる有底円筒状の泡受入部186を備えている。泡受入部186の側面186bにおける底面186a側の端部には、泡注出部187が設けられている。泡注出部187は、泡受入部186の周方向で略等間隔に3個設けられている。各泡注出部187は、泡受入部186の周方向に並設される矩形状の切り欠き部187a,187bを有する。
図37(b)に示されるように、この注出部材185において、発泡体用ノズル15から泡受入部186が受け入れたビール泡Bは、泡受入部186の底面186a上で広がって各泡注出部187の切り欠き部187a,187bから注出される。切り欠き部187a,187bから注出されたビール泡Bは、再び下方で合流するような流れを形成する。このように、注出部材185を用いることによってビール泡Bの形状を制御することができビール泡Bの意匠性が向上されている。なお、注出部材185において、泡注出部187の個数及び配置態様、並びに切り欠き部187a,187bの個数及び配置態様は上記に限定されず適宜変更可能である。
また、図36に示される注出部材180及び図37に示される注出部材185において、ビール泡Bが注出される穴である上記切り欠き部の形状、数、配置態様、及び切り欠き部と他の切り欠き部との間の距離を調整することによって、注出部材から注出されるビール泡Bの形状を変更可能である。また、注出時におけるビール泡Bの流速を変えることによってビール泡Bの注出形状を変えることも可能であり、例えばビール泡Bの流速が遅いときには、図37(b)に示されるようなビール泡Bが下方で合流する現象が起こりやすい。ビール泡Bが注出される穴の直径は、例えば0.6mm、0.8mm又は1.0mmとすることができる。ビール泡Bが注出される穴の直径を小さくすることによって、きめ細かいビール泡Bの注出が可能となるので、穴の直径は小さい方が望ましい。
図38(a)に示されるように、注出部材190は、発泡体用ノズル15の先端に嵌められて発泡体用ノズル15から注出されたビール泡Bを受け入れる有底円筒状の泡受入部191と、ビール泡Bの第1の流路を形成する第1のチューブ状流路192aと、ビール泡Bの第2の流路を形成する第2のチューブ状流路192bと、を備えている。水平面上において、第1のチューブ状流路192aと第2のチューブ状流路192bとは、互いに逆方向を向いている。なお、第1及び第2のチューブ状流路192a,192bは、共に折り曲げ可能な材料で構成されていてもよい。また、各チューブ状流路192a,192bの折り曲げ角度を調整することによって、ビール液Lの液面に対するビール泡Bの注出角度を変更可能としてもよい。
図38(b)に示されるように、第1のチューブ状流路192aからのビール泡Bの注出方向と第2のチューブ状流路192bからのビール泡Bの注出方向とを互いに逆方向にする。また、第1のチューブ状流路192aからのビール泡Bと第2のチューブ状流路192bからのビール泡Bとを飲料容器Aの内壁に沿うように注出させる。ここで、「ビール泡Bを飲料容器Aの内壁に沿うように注出させる」とは、飲料容器Aの上端の開口が円形である場合には、ビール泡Bを上記開口の接線方向に注出させることが含まれる。
このように、第1のチューブ状流路192aからのビール泡Bの注出方向と第2のチューブ状流路192bからのビール泡Bの注出方向とを互いに逆方向にして、第1のチューブ状流路192aからのビール泡Bと第2のチューブ状流路192bからのビール泡Bとを飲料容器Aの内壁に沿うように注出させると、ビール液Lの液面上でビール泡Bを回転させることが可能となる。また、第1のチューブ状流路192aからのビール泡Bと第2のチューブ状流路192bからのビール泡Bとが互いに回転しながら押し合うので、ビール泡Bの回転を速めることができる。このようにビール泡Bの回転を速めると、相対的にビール泡Bの下方に向かう速度が小さくなるので、ビール泡Bがビール液Lに一層巻き込まれにくくなり、ビール泡Bの泡持ちをより良くすることが可能となる。
図39(a)に示されるように、注出部材195は、上記の泡受入部191と同様の泡受け部196と、ビール泡Bの第1の流路を形成する第3のチューブ状流路197aと、ビール泡Bの第2の流路を形成する第4のチューブ状流路197bと、を備えている。この注出部材195では、図39(b)に示されるように、水平面上における第3のチューブ状流路197aからのビール泡Bの注出方向と、水平面上における第4のチューブ状流路197bからのビール泡Bの注出方向とを異ならせている。そして、第3のチューブ状流路197aからのビール泡Bと、第4のチューブ状流路197bからのビール泡Bとを飲料容器Aの内壁に沿うように注出させる。
このように、水平面上において第3のチューブ状流路197aからのビール泡Bの注出方向と第4のチューブ状流路197bからのビール泡Bの注出方向とを異ならせ、第3のチューブ状流路197aからのビール泡Bと第4のチューブ状流路197bからのビール泡Bとを飲料容器Aの内壁に沿うように注出させているので、上記の注出部材190と同様、ビール液Lの液面上でビール泡Bを回転させることが可能となる。また、第3のチューブ状流路197aからのビール泡Bが第4のチューブ状流路197bからのビール泡Bを押すこととなるので、ビール泡Bが回転する流れをより速めることができる。従って、回転方向へのビール泡Bの流れが速まることによって、相対的にビール泡Bの下方に向かう速度が小さくなるので、ビール泡Bがビール液Lに一層巻き込まれにくくなり、ビール泡Bの泡持ちをより良くすることができる。
第7実施形態の注出部材では、ビール泡Bを様々な形状で注出させることができ、ビール泡Bをビール液Lの液面に沿うように注出させることが可能となるので、ビール泡Bがビール液Lに巻き込まれにくくなり、ビール泡Bの泡持ちを良くすることができる。また、注出部材によってビール泡Bの形状を制御できるので、ビール泡Bの見た目を面白くすることが可能となり、注出時におけるビール泡Bの意匠性が高まるのでビール泡Bを注出している人を楽しませることも可能となる。
第7実施形態では、ビール泡Bの注出形状を制御する注出部材を備えたカランについて説明したが、注出部材については、第7実施形態で説明した注出部材以外の態様に変形することも可能である。例えば図40に示されるように、発泡体用ノズル15の先端に嵌められる円筒状の泡受入部201と、泡受入部201から二股に分かれた第1及び第2のチューブ状流路202a,202bと、を備えた注出部材200を用いることも可能である。更に、第7実施形態では、第1の流路及び第2の流路としてチューブ状流路を用いたが、チューブ状流路に代えて例えば剛性が高くて容易に変形されない流路を用いることも可能であり、流路の材料は特に限定されない。
また、第7実施形態では、図38に示されるチューブ状流路192a,192b、図39に示されるチューブ状流路197a,197b、又は図40に示されるチューブ状流路202a,202bのそれぞれから注出されるビール泡Bの向きを工夫することにより、渦巻き状にビール泡Bを注出することが可能となっている。すなわち、第7実施形態において、ビール泡Bが通る流路は、第1の流路(例えば図39に示されるチューブ状流路197a)と第2の流路(例えば図39に示されるチューブ状流路197b)とを含む。
そして、第1の流路から飲料容器A内にビール泡Bを注出する場合におけるビール泡Bを注出する方向と、第2の流路から飲料容器A内にビール泡Bを注出する場合におけるビール泡Bを注出する方向とは、第1の流路から注出されたビール泡Bと第2の流路から注出されたビール泡Bとが飲料容器A内で渦巻き状となる方向とすることができる。以下では、例えば図39に示される注出部材195を用いて、綺麗な渦巻き状となるようにビール泡Bを注出するための条件について説明する。なお、以下では、チューブ状流路197aから注出されるビール泡Bをビール泡B1、チューブ状流路197bから注出されるビール泡Bをビール泡B2、として説明する。
図41(a)及び図41(b)は、それぞれ飲料容器A内におけるチューブ状流路197a,197bの先端における位置関係を示す平面図である。ここで、ビール泡B1が流出される流出口は、チューブ状流路197aの先端に位置するものとする。また、ビール泡B2が流出される流出口は、チューブ状流路197bの先端に位置するものとする。
図41(a)に示されるように、平面視において、ビール泡B1の流出口とビール泡B2の流出口とを結ぶ直線Zと、直線Zに垂直であって且つビール泡B1の流出口を通る直線Y1と、直線Zに垂直であって且つビール泡B2の流出口を通る直線Y2とを定め、平面視におけるビール泡B1の注出方向と直線Y1との角度をθ1、平面視におけるビール泡B2の注出方向と直線Y2との角度をθ2とする。ここで、ビール泡B1の注出方向及びビール泡B2の注出方向のそれぞれは、図中、矢印で示される方向である。また、θ1は直線Y1に対するビール泡B2の流出口側の角度である。ここで直線Y1はビール泡B1の流出口からビール泡B1の流出口に近い飲料容器A側に延びるものとする。θ2は直線Y2に対するビール泡B1の流出口の反対側の角度である。ここで直線Y2はビール泡B2の流出口からビール泡B2の流出口に近い飲料容器A側に延びるものとする。
このとき、θ1は45±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ1は45±10(°)の範囲内にあることが好ましい。更に、一層綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ1は45±5(°)の範囲内にあることが好ましい。また、θ2は130±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ2は130±10(°)の範囲内にあることが好ましい。更に、一層綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ2は130±5(°)の範囲内にあることが好ましい。
また、図41(b)に示されるように、平面視において、ビール泡B1の流出口と、ビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部とを結ぶ線分Y3と、ビール泡B2の流出口と、ビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部とを結ぶ線分Y4と、ビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部における飲料容器Aの接線である直線Y5と、ビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部における飲料容器Aの接線である直線Y6と、直線Y5に平行であって且つビール泡B1の流出口を通る直線Y7と、直線Y6に平行であって且つビール泡B2の流出口を通る直線Y8とを定める。ここで、ビール泡B1の注出方向及びビール泡B2の注出方向のそれぞれは、図中、矢印で示される方向である。また、直線Y7に対してビール泡B1の注出方向がなす角度をθ3、直線Y8に対してビール泡B2の注出方向がなす角度をθ4とする。
このとき、θ3は0±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻きとなるようにビール泡Bを注出するためには、θ3は0±10(°)の範囲内にあることが好ましい。更に、一層綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ3は0±5(°)の範囲内にあることが好ましい。また、θ4は0±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ4は0±10(°)の範囲内にあることが好ましい。更に、一層綺麗な渦巻きとなるようにビール泡B1,B2を注出するためには、θ4は0±5(°)の範囲内にあることが好ましい。
なお、θ3が0(°)である状態とは、ビール泡B1の注出方向が直線Y5と平行である状態のことをさす。また、θ4が0(°)である状態とは、ビール泡B2の注出方向が直線Y6と平行である状態のことをさす。また、θ3が0+y(°)である状態とは、ビール泡B1の注出方向が直線Y7,Y8から直線Y5,Y6の反対側にy(°)ずれている状態のことをさす。また、θ4が0−y(°)である状態とは、ビール泡B2の注出方向が直線Y7,Y8から直線Y5,Y6側にy(°)ずれている状態のことをさす。図41(b)では、θ3、θ4のそれぞれが0(°)から若干+側にずれた状態を示している。
また、ビール泡B1の流出口と、ビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部との距離K2(線分Y3の長さ/直線Y5と直線Y7との距離)、及び、ビール泡B2の流出口と、ビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部との距離K3(線分Y4の長さ/直線Y6と直線Y8との距離)は、共に2mm程度であることが好ましい。更に、飲料容器Aは、平面視において円形であることが好ましく、飲料容器Aの口径は60mm以上100mm以下であることが好ましい。そして、この場合、直線Y1と直線Y2との距離K1(ノズル間の距離)は30mm以上50mm以下であることが好ましい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明に係るカラン、サーバ、注出部材、ガイド部、及び飲料は、各請求項に記載した要旨を変更しないように上記実施形態に係るカラン、サーバ、注出部材、ガイド部、及び飲料を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、図10に示されるように、上述した発泡体用ノズル及び注出部材を備えたカランに代えて、注出部材を設けずに、発泡体が通る流路の先端部を曲げた発泡体用ノズル55を備えたカラン50を用いることができる。この変形例に係るカラン50では、カラン50の発泡体用ノズル55自体の先端部が、液面に沿うように、すなわち水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように、曲げられている。従って、上記実施形態のカランと同様の効果が得られる。
また、図11に示されるように、上述した発泡体用ノズル及び注出部材を備えたカランに代えて、注出部材を設けずに、流路が液面に沿うように延在する発泡体用ノズル65を備えたカラン60を用いることもできる。この変形例に係るカラン60では、発泡体用ノズル65自体が液面に沿っている。すなわち、発泡体用ノズル65内の流路は、水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となる方向を向いているので、上記実施形態と同様の効果が得られる。
更に、ビール泡Bが飛び散ることを防ぐ泡飛散防止部を有していてもよい。この泡飛散防止部として、図17及び図18を参照して下記で説明する。
図17に示されるように、泡飛散防止部141を備えたカラン150において、泡飛散防止部141は、カラン本体13に隣接する位置に取り付けられた支持部材143と、支持部材143に固定され支持部材143から手前側及び下方に延在する平板状の泡受け部142とを備えている。図17(a)に示されるように、注出時に飛び散ったビール泡Bは、泡受け部142の内側面に向かって飛散し、泡受け部142の内側面に飛散したビール泡Bは受け皿Dに落下する。
また、図18に示される泡飛散防止部211を備えたカラン220において、泡飛散防止部211は、上記の泡飛散防止部141と同様の支持部材213と泡受け部212とを備えており、泡受け部212の下端に内側に湾曲した湾曲部212aが設けられている。このような湾曲部212aを泡受け部212の下端に有することで、泡受け部212の内側面に飛散したビール泡を受け皿Dにより案内しやすくすることを可能としている。
以上のような泡飛散防止部141又は泡飛散防止部211を備えることにより、注出時にビール泡Bが装置外部に飛散することを防止することができる。なお、図17に示される泡飛散防止部141では、平板状の泡受け部142がカラン本体13に隣接する支持部材143から下方に延在していたが、この泡受け部142に代えて、受け皿Dに固定されると共に受け皿Dから上方に延在する泡受け部を用いてもよい。この受け皿Dから上方に延在する泡受け部を備えることにより、ビール泡Bがより下方に落下した場合でも確実にビール泡Bを受け皿Dに導くことができる。
また、図7及び図8に示されるように、発泡体用ノズル15に対して脱着自在となっている注出部材40は、発泡体用ノズル15の先端部15bに取り付けられたときに注出部材40の流出口43dが所望の位置に向けられることを可能とする位置決め手段を有していてもよい。この位置決め手段は、例えば、注出部材40と発泡体用ノズル15との嵌合構造を非円形として、注出部材40を発泡体用ノズル15に嵌合させたときに必然的に流出口43dの向きが定まるものであってもよい。また、位置決め手段は、注出部材40と発泡体用ノズル15のそれぞれに付けられた目印であってもよく、この場合、注出部材40の目印と発泡体用ノズル15の目印とを合わせることにより流出口43dの向きが自動的に定まるようになっている。このような位置決め手段を備えることにより、注出部材40をカラン10に取り付けるだけで必然的にビール泡Bを注出する向きが定まることとなるので、ビール泡Bをビール液Lに混ざりにくくするための構成を容易に実現させることができる。
また、上記実施形態では、カラン10が液体用ノズル14及び発泡体用ノズル15の両方を備える例について説明したが、液体用ノズル14は無くてもよい。
また、上記実施形態では、下方に延びる直線状となっている注出部材40が発泡体用ノズル15に対して脱着自在となっている例について説明したが、チューブ状の注出部材20が発泡体用ノズル15に対して脱着自在となっていてもよい。また、第2実施形態の注出部材40は脱着自在となっていなくてもよい。
また、上記実施形態では、カランが飲料提供装置1に設置されている例について説明したが、飲料提供装置1の装置構成は上記実施形態に限定されることはなく適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、カランがビールを提供する飲料提供装置1に設置されている例について説明したが、本発明のカランはビール以外の飲料を提供する飲料提供装置にも適用することができる。
また、第6実施形態において、流出口112を避けるように付着液体Cを誘導する液体誘導部としては、第1及び第2の溝部111a,111bを有する態様に限定されず、例えば、第1及び第2の溝部111a,111bのいずれかのみを有していてもよい。更に、溝部の形状を適宜変更することも可能である。
また、液体誘導部の変形例として、図24に示されるような傘状の突起部121aを備えた液体誘導部121が挙げられる。液体誘導部121は、注出部材110と同様の第1の側面120a、第2の側面120b、底面120c及び流出口122を有する注出部材120に設けられている。すなわち、液体誘導部121は、ノズル103に対して脱着自在な注出部材120に形成されている。注出部材120の第2の側面120bから突出する突起部121aは、流出口122の上方側で流出口122の外周に沿うように湾曲している。よって、上方から流出口122に向かう付着液体Cは、突起部121aに当たると共に湾曲した突起部121aに沿って流れていくので、流出口122に達しにくくなっている。このように、付着液体Cをビール泡Bの流出口122に到達しないように導くことが可能となるので、溝を有する液体誘導部111を設けた場合と同様に、付着液体Cによってビール泡Bの注出が妨げられる事態を回避することができ、ビール泡Bを確実に所望の方向に導くことができる。
また、別の変形例として、図25に示されるように、外側に突出する環状の液体誘導部125が挙げられる。液体誘導部125は、上記の液体誘導部121と同様、注出部材120に設けられている。この注出部材120では、液体誘導部125の内側が流出口122となっており、液体誘導部125が設けられることで流出口122が注出部材120の外側まで延びている。このような液体誘導部125を備えることによって、ビール泡Bを第2の側面120bに垂れにくくすることができる。また、ビール泡Bが注出部材120に付着し下方向に落下することを抑制可能となるので、ビール泡Bをより確実に横方向に注出することができる。なお、ビール泡Bを第2の側面120bに垂れにくくすることができれば、液体誘導部125の形状は、環状に限定されず、流出口122の下側のみが流出口122の外周に沿って注出部材120の外側まで延びる形状であってもよい。すなわち、流出口122の少なくとも下側が外側に突出していればよい。
また、更に別の変形例として、図26に示されるような撥水性材料で形成されたコーティング層123を液体誘導部として用いてもよい。このコーティング層123は、流出口122の上方側で流出口122の外周に沿うように形成されている。このようなコーティング層123が設けられることによって、上方から流出口122に向かう付着液体Cは、コーティング層123に達したときに弾かれるので流出口122に達しにくくなっている。よって、突起部121aを有する液体誘導部121を設けた場合と同様、付着液体Cによってビール泡Bの注出が妨げられる事態を回避することができる。なお、コーティング層123のように流出口122の上方側のみを撥水性材料で形成するのではなく、例えば注出部材120全体を撥水性の高い材料で構成してもよい。また、液体誘導部は、少なくともその一部が、注出部材をノズルに取り付けてビール泡Bを注出する際における流出口122の鉛直方向の上側に設けられていればよい。
更に、第6実施形態では、液体誘導部111を設けた注出部材110について説明したが、注出部材110の形状や材料は適宜変更可能である。例えば、図23に示されるように、第6実施形態の注出部材110では流出口112が図23の紙面の手前側に開口しているが、流出口112が開口する向きは適宜ずらしてもよい。また、第6実施形態においては注出部材が無くてもよく、例えば、ノズル103そのものがビール泡Bの注出口を有していてもよい。この場合でもビール泡Bの流路の先端部に液体誘導部を設けることによって第6実施形態の液体誘導部111と同様の効果が得られる。
(第1実施例)
次に、図12〜図14を参照しながら、第2実施形態の注出部材40を備えたカラン30の第1実施例について説明する。なお、本発明は、以下の第1実施例に限定されるものではない。この第1実施例の実験では、すりきり25mmまで水Mを入れた飲料容器Aを所定位置に配置させた状態でレバー11を倒して5秒間白色のビール泡Bを注出し、飲料容器A内の水Mの液面Sに対するビール泡Bの注出角度と、ビール泡Bの状態との関係について検証した。また、飲料容器Aとしては、口径が約77mmのハーフパイントグラスを用いた。そして、注出部材40の流出口43d(図8参照)の直径は5mmとし、流出口43dと水Mの液面Sとの距離は15mm、ビール樽5の温度は20℃、ガス圧は0.25MPaとした。
本実験では、図12(a)に示されるように、液面Sに対してビール泡BをX°下向きに注出する場合をX°とし、液面Sに対してビール泡BをX°上向きに注出する場合を−X°とした。そして、液面Sに対するビール泡Bの注出角度が0°の場合を実施例1、15°の場合を実施例2、30°の場合を実施例3、45°の場合を実施例4、−15°の場合を実施例5、−30°の場合を実施例6、−45°の場合を実施例7とし、60°の場合を比較例1、−60°の場合を比較例2とした。なお、−30°,−45°,−60°の実施例6,7及び比較例2では、ビール泡Bが外に飛び出てしまうのを防ぐため、注出部材40を飲料容器A外に出して流出口43dを飲料容器A外に約10mmずらすと共に液面Sと流出口43dとの距離を35mmとして実験を行った。
本実験では、図12(b)に示されるように、ビール泡Bを液面S上に注出した場合におけるビール泡Bの液面S上における注出開始5秒後の泡高さH1と、液面Sの下部における注出開始直後の泡深さH2を測定した。一般的に、ビール泡Bによるビール液Lの液面Sへの衝撃力が小さい場合には泡深さH2に比べて泡高さH1が高くなり、衝撃力が大きい場合には泡高さH1に比べて泡深さH2が深くなる。
図13(a)は実施例1、図13(b)は実施例2、図13(c)は実施例3、図13(d)は実施例4、図13(e)は実施例5、図13(f)は実施例6、図13(g)は実施例7、図13(h)は比較例1、図13(i)は比較例2、におけるビール泡B注出後の写真である。図13(a)〜図13(i)に示されるように、泡高さH1は、注出角度が0°である実施例1で最も高く、次に実施例5,2,3,6の順で高く、そして実施例4,7及び比較例1,2で最も低くなっている。
具体的には、図14のグラフ及び表1に示されるように、泡高さH1と泡深さH2の値は下記のようになった。
このように、ビール泡Bの注出角度が60°である比較例1の場合と比べて注出角度が45°である実施例4の場合は泡深さH2の値を小さくすることができ、注出角度が−60°である比較例2の場合と比べて注出角度が−45°である実施例7の場合も泡深さH2の値を小さくすることができる。よって、ビール泡Bの注出角度を−45°〜45°の間にすることで泡を液体に混ぜにくくすることができると考えられる。
そして、注出角度が30°である実施例3の場合及び注出角度が−30°である実施例6の場合は、実施例4,7と比較して泡深さH2の値がより小さくなると共に泡高さH1の値が大きくなり、注出角度が15°である実施例2の場合及び注出角度が−15°である実施例5の場合は、泡深さH2の値がより一層小さくなると共に泡高さH1の値がより一層大きくなっていた。よって、ビール泡Bの注出角度を−30°〜30°の間にすることで泡を液体に混ぜにくくする効果がより発揮され、−15°〜15°の間にすることで上記効果がより顕著に表れることが分かった。
更に、ビール泡Bの注出角度が0°である実施例1では、泡高さH1の値が最も大きいので、泡を混ぜにくくする効果と泡の意匠性向上の効果をより一層高めることができることが分かった。
(第2実施例)
次に、図19及び図20を参照しながら、第4実施形態の飲料を生成する第2実施例について説明する。なお、本発明は、以下の第2実施例に限定されるものではない。第2実施例では、図19に示す黒色の液体E1と、図20に示す液体E1よりも比重が小さい金色の液体E2と、液体E1と液体E2との混合液体から生成される発泡体Fとを用いた実験1及び実験2を行った。なお、黒色の液体E1の比重は金色の液体E2の比重よりも大きくなっており、黒色の液体E1の比重と金色の液体E2の比重との差は0.01未満であった。また、液体E1としては黒ビール、液体E2としてはピルスナービールのような淡色ビールを用いた。
実験1では、図19に示されるように、飲料容器A内の黒色の液体E1上に混合液体から生成される発泡体Fを注出し、その後の飲料容器A内の様子を観察した。図19(a)は発泡体Fを注出した直後、図19(b)は発泡体F注出から30秒後、図19(c)は発泡体F注出から1分後、図19(d)は発泡体F注出から2分後、の飲料容器A内の様子をそれぞれ示している。
図19(b)〜図19(d)に示されるように、発泡体F注出から30秒以上経過すると、飲料容器A内に、液体E1からなる第1の層R1と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R2と、発泡体Fからなる第3の層R3と、が形成されていた。また、発泡体F注出から時間が経過するに従って発泡体Fが液化することにより、第3の層R3の厚みが小さくなると共に第2の層R2の厚みが大きくなっていた。
実験2では、図20に示されるように、飲料容器A内の金色の液体E2上に混合液体から生成される発泡体Fを注出し、その後の飲料容器A内の様子を観察した。図20(a)は発泡体Fを注出した直後、図20(b)は発泡体F注出から30秒後、図20(c)は発泡体F注出から1分後、図20(d)は発泡体F注出から2分後、の飲料容器A内の様子をそれぞれ示している。
図20(a)に示されるように、実験2では、発泡体F注出後直ぐに、飲料容器A内に、液体E2からなる第1の層R4と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R5と、発泡体Fからなる第3の層R6と、が形成された。そして、時間の経過につれて第2の層R5がオーロラ状に拡散し、図20(d)に示されるように発泡体F注出から2分が経過した時点で第2の層R5は目立たなくなっていた。
以上のように、第2実施例では、液体E1,E2からなる第1の層R1,R4と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R2,R5と、発泡体Fからなる第3の層と、が形成されることを確認した。
そして、液体E1と液体E2の混合液体よりも比重が大きい液体E1上に上記混合液体からなる発泡体Fを注出した実験1では、図19に示されるように時間の経過に伴って第2の層R2,R5が形成されていき、綺麗な縞模様が形成されることが分かった。また、実験1では、発泡体F注出から時間が経過するに従って発泡体Fが液化することにより、第3の層R3の厚みが小さくなると共に第2の層R2の厚みが大きくなっていたが、完全に第2の層R2を作ってから飲料を提供したい場合には、発泡体F注出から2分が経過して第2の層R2の厚みを大きくした後に第3の層R3の上に更に発泡体Fを注出すれば、第2の層R2及び第3の層R3の両方を厚くした飲料を提供できると考えられる。
一方、液体E1と液体E2の混合液体よりも比重が小さい液体E2上に上記混合液体からなる発泡体Fを注出した実験2では、図20に示されるように発泡体Fの注出直後に第2の層R5が形成され、その後時間の経過と共に第2の層R2が目立たなくなっていくことが分かった。よって、注文を受けた後直ぐに飲料を提供できる場合、また比較的照明が明るい店内等で飲料を提供する場合には、第2の層R5が綺麗に形成されているので意匠性及び嗜好性が高い飲料の提供ができると考えられる。
(第3実施例)
次に、ビール泡Bを液面Sに沿うように注出する本実施形態のカラン(例えば図2に示されるカラン10)と、ビール泡を下向きに注出する従来のカランと、を用いて泡持ちを測定した第3実施例について説明する。第3実施例では、飲料容器Aを380mlのタンブラーとし、例えば図5(a)〜図5(c)に示されるように飲料容器Aにビール液Lの注出とビール泡Bの泡付けとを行った。そして、ビール泡Bの天面における所定時間経過後の泡下がり量を測定した。なお、ビール泡Bを注出してから1分経過した後におけるビール液Lとビール泡Bとの境目が飲料容器Aの所定の高さに位置するように、カラン毎にビール液Lの量を調整した。
上記のようにビール液L及びビール泡Bを注出してから80秒経過した後におけるビール泡Bの泡下がり量は、下記の表2に示されるようになった。表2は、上記のようなビール液L及びビール泡Bの注出を6回繰り返したときにおけるビール泡Bの泡下がり量の平均値(単位はmm)を示している。また、ビールA〜ビールEは、各ビールの液種を示している。
表2に示されるように、本実施形態のカランでは、従来のカランと比較して、ビールA〜ビールE全てのビールにおいて、ビール泡Bの泡下がり量が抑えられている。このように、ビール泡Bを液面Sに沿うように注出する本実施形態のカランでは、従来のカランと比較して、全ての液種においてビール泡Bの泡持ちが良くなっている。
(第4実施例)
次に、ビール泡Bを液面Sに沿うように注出する本実施形態のカランと、ビール泡を下向きに注出する従来のカランと、を用いて泡の再生量を測定した第4実施例について説明する。第4実施例では、飲料容器Aを380mlのタンブラーとし、例えば図5(a)〜図5(c)に示されるようにビール液Lの注出とビール泡Bの泡付けとを行った。そして、ビール泡Bの泡付けから60秒経過した後に、飲料容器Aの水平面に対する角度が65°となるように飲料容器Aを傾けて飲料容器Aからビール泡B及びビール液Lを注ぎ出し、2秒後に飲料容器Aの傾きを垂直に戻し、その直後に新たに作られたビール泡Bの厚み(ビール泡Bの再生量)を測定した。
なお、ビール泡Bを飲料容器Aに注出してから1分経過した後におけるビール泡Bの位置が飲料容器Aの所定の高さに位置するように、カラン毎に泡付けの調整を行った。また、ビール泡B及びビール液Lの飲料容器Aからの注ぎ出しは、口から飲用したことを想定するため切欠きを有する注ぎ出し用キャップに対して行い、このキャップを用いて注ぎ出したビール泡B及びビール液Lの流量制御を行った。
以上のような条件でビール泡Bの厚みを測定した結果、ビール泡Bの厚みは、下記の表3に示されるようになった。表3は、ビールBの厚みの測定を5回繰り返したときにおけるビール泡Bの再生量の平均値(単位はmm)を示している。また、ビールA〜ビールEは、第3実施例同様、各ビールの液種を示している。
表3に示されるように、本実施形態のカランでは、従来のカランと比較して、ビールA〜ビールE全てのビールにおいて、ビール泡Bの厚みが大きくなっている。このように、ビール泡Bを液面Sに沿うように注出する本実施形態のカランでは、従来のカランと比較して、全ての液種においてビール泡Bの再生量を増加させることができる。
(第8実施形態)
図42は、第8実施形態のサーバ308及びカランユニット330を備えた穀物性発泡飲料提供用の飲料提供装置301の全体構成を示している。ここで、穀物性発泡飲料とは、ビールや発泡酒等の穀物を原料とする発泡性の飲料であり、穀物には、例えば、大麦、小麦、米類、とうもろこし、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上が含まれる。なお、穀物性発泡飲料にはアルコール飲料の他、アルコールを含まない飲料も含まれる。本実施形態では、穀物性発泡飲料としてビールを提供するものとして説明する。飲料提供装置301は、例えば、飲食店に設けられるものであり顧客の注文等に応じてカランユニット330からビールを注出する装置である。カランユニット330は、第1のビール液(例えば、ピルスナービールのような淡色ビール。以下、淡色ビールの色を金色と呼ぶ)と、第2のビール液(例えば、黒ビール。以下、黒ビールの色を茶褐色又は黒色と呼ぶ)と、第1のビール液を泡状にした第1のビール泡(例えば白色のビール泡)と、第2のビール液を泡状にした第2のビール泡(例えば薄い茶褐色のビール泡)とを注出可能となっている。まずは、飲料提供装置301の全体構成について説明する。飲料提供装置301は、本実施形態のカランユニット330及びサーバ308の他、第1のビール液をカランユニット330に導く炭酸ガスボンベ302、減圧弁303、炭酸ガスホース304、ビール樽305、ヘッド306及びビールホース307と、第2のビール液をカランユニット330に導く炭酸ガスボンベ312、減圧弁313、炭酸ガスホース314、ビール樽315、ヘッド316及びビールホース317とを備えている。炭酸ガスボンベ302としては、第1実施形態の炭酸ガスボンベ2と同一のものを用いることができ、減圧弁303としては、第1実施形態の減圧弁3と同一のものを用いることができる。
ビール樽305は、第1のビール液が詰められた容器である。ビール樽305は、内部が密閉されているので、雑菌等がビール樽305の内部に入り込まないようになっている。また、ビール樽305の表面には、例えばカード状の液温検出部305aを貼り付けることが可能となっており、この液温検出部305aによってビール樽305内の第1のビール液の温度を検出することができる。液温検出部305aには、ビール樽305内の第1のビール液の温度のほか、検出した第1のビール液の温度に対応したガス圧の最適値が表示されるようになっている。よって、使用者は、減圧弁303の操作部303bを操作しながらガス圧を液温検出部305aに表示された値にすることによって、ビール樽305内のガス圧を最適な値にできるようになっている。また、ビール樽305は、内部に第1のビール液が流通するチューブ305bと口金(フィッティングバルブとも称される)305cとを備えている。ビール樽305のチューブ305bは、ビール樽305の内部で上下に延在しており、チューブ305bの上端に上記口金305cが設けられている。
ヘッド306は、炭酸ガスボンベ302内の炭酸ガスを減圧弁303及び炭酸ガスホース304を介してビール樽305内に送り込むと共に、ビール樽305内の第1のビール液をサーバ308に送り出す機能を有する。ヘッド306は、上下に移動させることにより炭酸ガスと第1のビール液の流路を開閉可能な操作ハンドル306aと、炭酸ガスホース304と接続されるガス継手306bと、ビールホース307と接続されるビール継手306cとを備えている。ヘッド306の下部はビール樽305の口金305cに接続されるようになっており、ヘッド306の下部を口金305cに接続させた状態でヘッド306の操作ハンドル306aを下げることにより炭酸ガスホース304及びビールホース307の流路が開き、ヘッド306の操作ハンドル306aを上げることにより炭酸ガスホース304及びビールホース307の流路が閉塞される。なお、ガス継手306b及びビール継手306cは、ヘッド306の中央部で上下に延在する本体部306dに対して脱着自在となっており、ガス継手306b、ビール継手306c及び本体部306dが分解可能となっていることにより、ヘッド306を洗浄しやすい構造となっている。
第2のビール液をサーバ308に導く炭酸ガスボンベ312、減圧弁313、炭酸ガスホース314、ビール樽315、ヘッド316及びビールホース317は、第1のビール液を導くための炭酸ガスボンベ302、減圧弁303、炭酸ガスホース304、ビール樽305、ヘッド306及びビールホース307と同様の構成となっており、異なる点は、ビール樽315に収容されているビール液が第2のビール液である点のみである。また、図42に示す残量表示計312a、残圧表示計313a、操作部313b、液温検出部315a、チューブ315b、口金315c、操作ハンドル316a、ガス継手316b、ビール継手316c及び本体部316dは、全て上記残量表示計302a、残圧表示計303a、操作部303b、液温検出部305a、チューブ305b、口金305c、操作ハンドル306a、ガス継手306b、ビール継手306c及び本体部306dと同一の機能を有する。
サーバ308は、第1のビール液が流通するビールホース307を介してヘッド306と接続されており、第2のビール液が流通するビールホース317を介してヘッド316と接続されている。サーバ308は、いわゆる電気冷却式の瞬間冷却式サーバである。サーバ308は、ビール樽305,315からヘッド306,316及びビールホース307,317を介して送り出された第1のビール液及び第2のビール液を冷却する冷却装置309と、カランユニット330とを備えている。冷却装置309は、カランユニット330を構成する第1のカラン340及び第2のカラン350(図43参照)に飲料を供給する供給装置として機能する。冷却装置309は、内部に冷却水を収容する冷却槽309aと、第1のビール液が流通するビールホース307に接続されており冷却槽309aの内部で螺旋状に形成されたビールパイプ309eと、第2のビール液が流通するビールホース317に接続されており冷却槽309aの内部で螺旋状に形成されたビールパイプ309fとを備えている。
冷却槽309aの内側面には、冷却装置309の冷凍サイクル装置(不図示)に接続された冷媒管309cが上下に連設されており、冷凍サイクル装置内部の冷凍サイクルによって冷媒管309cに氷309dが形成されることにより、冷却槽309a内の水が冷却され、更にビールパイプ309e,309f内部の第1及び第2のビール液が冷却される。ビールパイプ309e,309fは螺旋状に形成されており、冷却槽309a内における第1及び第2のビール液の流路を長く確保しているので、ビールパイプ309e,309f内部の第1及び第2のビール液は冷却装置309内部でより好適に瞬間冷却される。
なお、本実施形態では、ビール樽305,315が冷却装置309の外部に設けられ、サーバ308が電気冷却式の瞬間冷却式サーバである例について説明している。しかしながら、この電気冷却式の瞬間冷却式サーバに代えて、氷冷却式の瞬間冷却式サーバ、又は、ビール樽305,315、ヘッド306,316及びビールホース307,317が冷蔵庫内部に設けられた樽格納式サーバを用いるようにしてもよい。ここで、氷冷却式の瞬間冷却式サーバとは、冷却槽の内部に氷が設けられており、ビールパイプがコールドプレート(不図示)を介して上記氷によって冷却されるサーバである。また、樽格納式サーバとは、ビール樽、ヘッド、ビールホースが冷蔵庫内に格納された構造を備えるサーバであり、ビールホースはこの冷蔵庫によって冷却される。また、図42では、冷却装置309がカランユニット330と別体に設けられているが、冷却装置309をカランユニット330と一体としてもよい。
ここで、冷却装置309によって冷却されたビールを注出するカランユニット330についてより詳細に説明する。
図43に示されるように、カランユニット330は、第1のビールを注出する第1のカラン340と、第2のビールを注出する第2のカラン350とを備えており、第1のカラン340と第2のカラン350との距離は飲料容器A(図46参照)の開口A1の直径よりも小さくなっている。よって、飲料容器Aを第1及び第2のカラン340,350の下に配置して第1及び第2のカラン340,350を同時に操作することにより、第1及び第2のビールを同時に飲料容器Aに注出できる。なお、第1のカラン340及び第2のカラン350を単独で操作することも可能であり、この場合、飲料容器Aに第1のビール又は第2のビールのいずれかを注出することができる。
図43〜図45に示されるように、第1のカラン340は、手で握って移動操作が可能なレバー341と、レバー341の操作によって第1のカラン340内部の第1のビールの流路を開閉するスライド弁342と、スライド弁342を内部で移動可能に保持するカラン本体343と、カラン本体343から斜め下方に延在する液体用ノズル344及び発泡体用ノズル345とを備えている。また、第2のカラン350は、第1のカラン340と同様の構成を備えているので、第1のカラン340と重複する部分については説明を省略する。
第1のカラン340のレバー341は、使用者が図43(a)の紙面の手前側に位置する状態で、図43(a)の紙面の奥側及び手前側の両方に移動可能となっている。以下では、図43の紙面における手前側を単に手前側とし、図43の紙面における奥側を単に奥側と称する。第1のカラン340のレバー341は、第2のカラン350のレバー351と一体となる板状に形成されており、第1及び第2のカラン340,350を同時に押したり同時に引いたりしやすい形状となっている。
第1のレバー341の下端341a(図44参照)は、スライド弁342の表面に形成された係合凹部342aに係合されている。スライド弁342は、略円柱状に形成され表面に上記係合凹部342aを有する弁本体342bと、弁本体342bを手前側に移動自在に支持する軸部342cと、軸部342cの手前側の端部342dと弁本体342bとの間に設けられ弁本体342bを手前側及び奥側に付勢するスプリング342eと、軸部342cの奥側に固定されて軸部342cに対して拡径された拡径部342fとを備えている。
図44及び図45(b)に示されるように、スライド弁342の弁本体342b、軸部342c及び拡径部342fの内部には、第1のビール液L1及び第1のビール泡(第1の発泡体)B1が流通する流路342gが設けられている。また、流路342gの手前側の端部には、第1のビール泡B1を吐出する泡付け穴342hが設けられている。泡付け穴342hは、弁本体342bが軸部342cに対して手前側に移動した場合にのみ開口するようになっており、開口したときに第1のビール泡B1を発泡体用ノズル(第1の発泡体用ノズル)345に吐出する。カラン本体343は、カラン本体343の奥側の端部に位置し冷却装置309のビールパイプ309eと連通する第1のビール液流路343aと、ビール液流路343aの手前側で縮径された第2のビール液流路343bとを備えている。
液体用ノズル344は、カラン本体343から斜め下方に延在しており、液体用ノズル344の内部には、カラン本体343内の第2のビール液流路343bに連通されてビール液L1が流通する液体用流路344aを備えている。発泡体用ノズル345は、液体用ノズル344の手前側においてカラン本体343から斜め下方に延在しており、発泡体用ノズル345の内部には、泡付け穴342hから注出された第1のビール泡B1が流通する発泡体用流路345aが形成されている。なお、この第1のビール泡B1は、第1のビール液の膜により気泡を包んだ液体発泡体である。
第2のカラン350の発泡体用ノズル355(図43参照)の内部には第2のビール泡B2が流通しており、この第2のビール泡B2は、第2のビール液の膜により気泡を包んだ液体発泡体である。また、図43(a)に示されるように、第1のカラン340のカラン本体343と第2のカラン350のカラン本体353は、共に回転可能となっているので、液体用ノズルの先端の間の距離、及び発泡体用ノズルの先端の間の距離を適宜変更できるようになっている。
図43に示されるように、発泡体用ノズル345の発泡体用流路345aの先端部345bには、発泡体用流路345a内の第1のビール泡B1を飲料容器Aに注出するチューブ状の注出部材360が設けられている。注出部材(第1の注出部材)360は、発泡体用ノズル345の発泡体用流路345aの内側面に取り付けられ発泡体用ノズル345の先端部345bから下方に延在する第1の延在部360aと、第1の延在部360aの下端で折り曲げられた折り曲げ部360bと、折り曲げ部360bから水平方向に延在する第2の延在部360cとを備えている。また、注出部材360の内側には、発泡体用ノズル345の発泡体用流路345aと連通する第1のビール泡B1が通る流路360fが形成されている。第2の延在部360cの先端部には、第1のビール泡B1が外部に流出する流出口360dが形成されている。
また、注出部材360は、第1の延在部360aの下端に折り曲げ部360bを有することにより、第1のビール泡B1の通る流路360fの先端部が飲料容器A内のビール液Lの液面S(図47参照)に沿うように曲げられている。つまり、流路360fの先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっており、流路360fは、第1のビール泡B1の注出角度が液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている。また、第1のビール泡B1が通る流路360fにおけるビール泡B1を注出する先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、液面Sに沿う方向と水平方向に沿う方向とは同一の方向を示している。
ここで、流路360fの先端部とビール泡B1を注出する先端部とは、それぞれ上記折り曲げ部360b及び第2の延在部360cである。また、流路360fが液面Sに沿うように曲げられている場合としては、第2の延在部360cが水平方向に曲がっている場合のほか、第2の延在部360cが水平面に対して上方又は下方に曲がっている場合も含まれており、例えば、流路360fの先端部である折り曲げ部360b及び第2の延在部360cがビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように曲がっている場合をいう。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、図43では、第2の延在部360cが水平方向に曲がっている例を示している。
また、第2のビール泡B2が流通する発泡体用ノズル355の先端部には、第2のビール泡B2を飲料容器Aに注出するチューブ状の注出部材(第2の注出部材)370が設けられており、この注出部材370は、第1のビール泡B1を注出する注出部材360と同様の構成となっている。すなわち、注出部材370における第2のビール泡B2が通る流路は、飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように曲げられている。そして、注出部材360が第1のビール泡B1を注出する方向は、注出部材360(第1の延在部360a)と注出部材370(第1の延在部370a)とを結ぶ直線X(図47(b)参照)に対して、注出部材370が第2のビール泡B2を注出する方向の逆方向となっている。なお、図47では、平面視においてビール泡B1,B2が時計回りに注出されているが、反時計回りに注出されてもよい。
次に、図44〜図46を参照しながらカランユニット330を用いて飲料容器Aに穀物性発泡飲料であるビールを注出したときの各構成要素の動作について説明する。まず、飲料提供装置301の使用者がレバー341,351を操作していない状態では、スライド弁342における拡径部342fの手前側の端面342jがカラン本体343内の壁面343cに当接して、カラン本体343内の第1のビール液流路343aと第2のビール液流路343bとが遮断された状態となっている。
この状態で、飲料提供装置301の使用者は、図46(a)に示されるように、飲料容器Aの上端の開口A1が奥側に約45度傾くように飲料容器Aをカラン340,350の下部に配置する。そして、この状態で使用者がレバー341,351を手前側に移動させると、図45(a)に示されるように、スライド弁342が奥側に移動する。スライド弁342が奥側に移動すると、拡径部342fの端面342jがカラン本体343内の壁面343cから離れ、第1のビール液流路343aと第2のビール液流路343bとが連通する。第1のビール液流路343aと第2のビール液流路343bとが連通すると、第1のビール液L1及び第2のビール液L2は、それぞれ第1のビール液流路343a及び第2のビール液流路343bを通って液体用ノズル344の液体用流路344aに導かれる。そして、液体用ノズル344の液体用流路344aに導かれた第1のビール液L1及び第2のビール液L2は、液体用ノズル344の下端344b,354b(図46(a)参照)から、45度奥側に傾いた飲料容器Aの内側面A2に向かって注出される。こうして、第1のビール液L1と第2のビール液とが混合されたビール液Lが飲料容器Aに注出される。このように、飲料容器Aを傾けた状態でビール液Lを注出することにより、飲料容器Aの内側面A2への衝撃力を低減させることができ、ビール液Lの注出時における初期泡の発生を抑えることができる。
図44及び図46(b)に示されるように、飲料容器Aへのビール液Lの注出を終える際には、使用者は、飲料容器Aを開口A1が上方を向くように垂直に立ててレバー341,351を元の位置に戻す。このとき、スライド弁342における拡径部342fの端面342jがカラン本体343内の壁面343cに当接するので、第1のビール液流路343aと第2のビール液流路343bは遮断されることとなり、飲料容器Aへのビール液Lの注出は中止される。
そして、図45(b)及び図46(c)に示されるように、飲料提供装置301の使用者は、飲料容器Aを垂直に立てた状態で、第1のビール泡B1と第2のビール泡B2とで構成されるビール泡Bを飲料容器A内のビール液Lの液面S上に生成するために、カラン340,350のレバー341,351を奥側に押し込む。レバー341,351を奥側に押し込むと、スライド弁342の弁本体342bが軸部342cに対して手前側に移動し、泡付け穴342hが開口する。泡付け穴342hが開口すると、第1のビール液L1及び第2のビール液L2がそれぞれカラン本体343の第1のビール液流路343aからスライド弁342の流路342gに入り込む。流路342gに入り込んだ第1のビール液L1及び第2のビール液L2は泡付け穴342hに達し、泡付け穴342hに達した第1のビール液L1及び第2のビール液L2は、ビール泡B1及びB2に変換された状態で、泡付け穴342hから発泡体用ノズル345,355の発泡体用流路345aに向かって下方に吐出される。
ここで、図43及び図47に示されるように、ビール泡Bを飲料容器A内のビール液Lの液面S上に生成する際には、注出部材360,370の折り曲げ部によって第2の延在部が略水平方向に延在するように折り曲げられている。つまり、注出部材360,370は、第2の延在部が飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように曲げられているので、発泡体用ノズル345,355内の第1及び第2のビール泡B1,B2はビール液Lの液面Sに沿うように各注出部材360,370の流出口から注出される。
このように、本実施形態のカランユニット330及びサーバ308によれば、ビール泡B1,B2が通る流路の先端部がビール液Lの液面Sに沿うように曲がっている。よって、液体の上に互いに種類が異なる第1及び第2のビール泡B1,B2を注出してビール液Lの上部にビール泡B1,B2を生成している際には、第1及び第2のビール泡B1,B2は、液面Sに沿うように注出される。このように、各ビール泡B1,B2が液面Sに沿うように注出されることにより、異なる種類のビール泡B1,B2を注出する際にビール泡B1,B2がビール液Lに混ざり込みにくくなる。従って、各液種のビール泡B1,B2の混合状態を容易に制御することが可能となり、ビールの意匠性を高めると共に嗜好性を高めることができる。
また、ビール泡B1,B2が通る各流路の先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっており、更に、第1のカラン340にはビール泡B1を注出する注出部材360が設けられており、第2のカラン350にはビール泡B2を注出する注出部材370が設けられており、各注出部材360,370における発泡体が通る流路の先端部がビール液Lの液面Sに沿うように曲がっている。このように、各注出部材360,370内の流路が液面Sに沿うように曲げられているので、ビール泡B1,B2は、液面Sに沿うように注出されることとなり、ビール液Lに混ざり込まないようにすることができるので、各ビール泡B1,B2の混合状態を容易に制御して飲料の意匠性及び嗜好性を高めることができる。
また、本実施形態のカランユニット330では、ビール泡B1,B2の注出角度が水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように、各ビール泡B1,B2が通る流路が形成されている。このように、各ビール泡B1,B2の注出角度が水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように流路が形成されているので、ビール泡B1,B2は液面Sに沿うように注出され、ビール泡B1,B2の混合状態を容易に制御することができる。
また、カランユニット330では、ビール泡B1を注出する先端部と、ビール泡B2を注出する先端部とは、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。このように、ビール泡B1,B2の流路の先端部がそれぞれ液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられているので、ビール泡B1,B2は液面Sに沿うように注出されることとなり、ビール泡B1,B2の混合状態を容易に制御することができる。
また、第1のカラン340からビール泡B1を注出する方向と、第2のカラン350からビール泡B2を注出する方向とは、図51に示されるように、注出されたビール泡B1,B2が渦巻き状となる方向となっている。このように、ビール泡B1,B2が渦巻き状となるようにビール泡B1,B2の注出方向を定めている。よって、本実施形態の飲料では、上面視において、ビール泡B1とビール泡B2とが渦巻き模様を形成しているので、見栄えが良く意匠性が高まった飲料となっている。
また、ビール泡B1,B2は、発泡体用ノズル345,355の注出部材360,370からビール液Lに沿うように注出されるので、ビール泡B1,B2が発泡体用ノズル345,355から注出されたときに発生するビール液Lへの衝撃力を低減させることができる。よって、ビール泡B1,B2を注出する際における粗い泡の発生を抑制することができると共に、ビール泡B1,B2が不規則に撹拌される事態の発生を回避することができる。これにより、ビール泡B1,B2を粗い泡に覆われることなく綺麗に液面S上に注出することが可能となる。
また、注出部材360,370は、飲料容器A内のビール液Lに沿うように折り曲げられたチューブ状となっているので、注出部材360,370を飲料容器A内のビール液Lの液面Sに沿うように折り曲げることにより、粗い泡の発生を抑制するための構成を簡易に実現させることができる。
また、図47(b)に示されるように、注出部材360が第1のビール泡B1を注出する方向は、注出部材360(第1の延在部360a)と注出部材370(第1の延在部370a)とを結ぶ直線Xに対して、注出部材370が第2のビール泡B2を注出する方向の逆方向となっている。よって、注出部材360に第1のビール泡B1を飲料容器Aの内側面A2に沿う方向に注出させて、注出部材370に第2のビール泡B2を内側面A2に沿う方向であって且つ第1のビール泡B1が注出される方向とは異なる方向に注出させることが可能となり、このような注出を行うことにより、第1のビール泡B1と第2のビール泡B2とが飲料容器A内で渦巻き状に移動する。
更に、第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2を飲料容器Aの内壁に沿うように飲料容器Aの内壁に当てながら注出すると、飲料容器Aの中で第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2が円方向に動く力が大きくなる。よって、第1のビール泡B1と第2のビール泡B2とで渦巻き模様が形成されやすくなる。また、ビール泡B1,B2がビール液Lに付与する力が相対的に小さくなるので、ビール泡B1,B2がビール液Lに混ざりにくくなる。
ここで、第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2が飲料容器A内で渦巻き状に移動することにより、第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2が綺麗に混ざり合って移動すれば、第1及び第2のビール泡B1,B2によって図51に示されるような渦巻き模様が形成される。また、第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2が途中で渦巻き状に移動しなくなったとしても第1のビール泡B1と第2のビール泡B2とで大理石のようなマーブル状の模様を形成することができる。すなわち、第1及び第2のビール泡B1,B2によってラテアートのようなデザインを形成することが可能となっている。このように第1及び第2のビール泡B1,B2が渦巻き状に移動するように第1及び第2のビール泡B1,B2を注出することで、ビールの見栄えを良くして意匠性を高めることができる。
(第9実施形態)
次に、図48〜図50を参照しながら第9実施形態のカランユニット、サーバ、注出部材、及び飲料について説明する。第9実施形態のカランユニット375は、第8実施形態のカランユニット330同様、飲料提供装置301に設けられており、炭酸ガス及びビール液の流路は第8実施形態と同様となっている。第9実施形態のカランユニット375が第8実施形態のカランユニット330と異なる点は、折り曲げ部によって折り曲げられたチューブ状の注出部材360,370を有するカラン340,350に代えて、下方に直線状に延在する注出部材400,410を有するカラン380,390を用いた点のみであり、その他の点は同一である。よって、第9実施形態では、下方に延びる直線状となっている注出部材400,410についてのみ詳細に説明し、その他の構成については説明を省略する。また、第2のビール泡B2を注出する注出部材410は、第1のビール泡B1を注出する注出部材400と同様の構成であるため、重複する部分については注出部材410の説明を省略する。
図48及び図49に示されるように、第9実施形態の注出部材400は、発泡体用ノズル345の先端部345bに嵌め込まれる円柱状の嵌合突起部401と、嵌合突起部401の下部で拡径された円柱状の流路変換部402とを備えている。第9実施形態の注出部材400は、嵌合突起部401を発泡体用ノズル345の先端部345bに嵌め込むことにより発泡体用ノズル345に取り付けられている。また、注出部材400は、流路変換部402を下から引っ張ることにより発泡体用ノズル345から外すことができ、発泡体用ノズル345に対して脱着自在となっている。嵌合突起部401及び流路変換部402の内部には、第1のビール泡B1が流通する流路403が形成されており、注出部材400の流路403は、嵌合突起部401の上端から下方に延在する第1の延在部403aと、第1の延在部403aの下端で折り曲げられた折り曲げ部403bと、折り曲げ部403bから略水平方向に延在する第2の延在部403cとを備えている。第2の延在部403cの端部には、第1のビール泡B1が外部に流出する流出口403dが形成されている。
また、第9実施形態の注出部材400は、第1の延在部403aの下端に折り曲げ部403bを有することにより、第1のビール泡B1の通る流路403の先端部が飲料容器A内のビール液Lの液面S(図47参照)に沿うように曲げられている。つまり、流路403の先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっており、流路403は、ビール泡B1の注出角度が水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている。また、ビール泡B1が通る流路403におけるビール泡B1を注出する先端部は、ビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。
ここで、流路403の先端部とビール泡B1を注出する先端部とは、それぞれ上記折り曲げ部403b及び第2の延在部403cである。また、流路403が液面Sに沿うように曲げられている場合としては、第8実施形態と同様に、第2の延在部403cが水平面に対して上方又は下方に曲がっている場合も含まれ、例えば、流路403の先端部である折り曲げ部403b及び第2の延在部403cがビール液Lの液面Sに対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように曲がっている場合をいう。ここで、上記角度は、液面Sに対して上に0°以上30°以下、又は液面Sに対して下に0°以上30°以下であることが好ましく、更には、液面Sに対して上に0°以上15°以下、又は液面Sに対して下に0°以上15°以下であることがより好ましい。なお、図49では、第2の延在部403cが水平方向に曲がっている例を示している。
ここで、図49及び図50に示されるように、注出部材400,410内部の折り曲げ部によって流路の第2の延在部が折り曲げられているので、第1及び第2のビール泡B1,B2はビール液Lの液面Sに沿うように流出口から注出される。よって、第9実施形態のカランユニット375及びサーバによれば、各ビール泡B1,B2が液面Sに沿うように注出されることとなり、異なる種類のビール泡B1,B2を注出する際にビール泡B1,B2がビール液Lに混ざり込みにくくなる。よって、各液種のビール泡B1,B2の混合状態を容易に制御することが可能となり、第9実施形態のカランユニット、サーバ、注出部材及び飲料では、意匠性を高めると共に嗜好性を高めることができ、第8実施形態と同様の効果が得られる。
また、第9実施形態の注出部材400,410は脱着自在となっているので、既存の発泡体用ノズルに上記注出部材400,410を取り付けて、ビール泡B1,B2をビール液Lの液面Sに沿うように注出させることが可能となる。そして、注出部材400,410を発泡体用ノズル345,355から外して洗浄することもできるので、注出部材400,410をより衛生的に扱うことができる。
更に、各ビール泡B1,B2が液面Sに沿うように注出されることにより、ビール泡B1,B2が発泡体用ノズル345,355から注出されたときに発生する液面Sへの衝撃力を低減させることができる。よって、ビール泡B1,B2を注出する際における粗い泡の発生を抑制することができると共に、ビール泡B1,B2が不規則に撹拌される事態の発生を回避することができる。従って、ビール泡B1,B2を粗い泡に覆われることなく綺麗に液面S上に注出することが可能となり、更には、ビール泡B1,B2の混合状態を制御することが可能となるため、ビールの意匠性を高めて嗜好性を高めることができる。
また、注出部材400,410を下方に延びる直線状とすることにより、注出部材400,410の形状を簡易にして注出部材400,410の製造を簡単に行うことが可能となる。また、注出部材400,410自体が折り曲がった形状となっていないので、発泡体用ノズル345,355全体の外観を従来のものに比してほとんど変えないようにすることが可能となる。
(第10実施形態)
以下では、第10実施形態のカランユニット、サーバ、注出部材、及び飲料について説明する。第10実施形態のカランユニットは、液体発泡体を注出する第8実施形態の発泡体用ノズル345,355及び注出部材360,370に代えて、複数種類の凍結発泡体(フローズン泡)を注出する発泡体用ノズル及び注出部材を用いている。第10実施形態のカランユニットが第8実施形態のカランユニット330と異なる点は、上記のように発泡体が凍結発泡体である点のみであり、その他の点は同一である。
第10実施形態では、複数種類の凍結発泡体が飲料提供装置本体で生成され、生成されたそれぞれの凍結発泡体は発泡体用ノズルを通って飲料容器Aに注出される。この発泡体用ノズルの先端部には、それぞれ、第8実施形態のようなチューブ状の注出部材、又は第9実施形態のような直線状の注出部材が設けられており、注出部材内の流路は水平面に沿うように曲げられている。よって、飲料容器Aに注出されたビール液Lの上に発泡体用ノズルから複数種類の凍結発泡体を注出してビール液Lの上部に凍結発泡体を生成している際には、上記凍結発泡体は、発泡体用ノズルの注出部材から液面Sに沿うように注出される。従って、複数種類の凍結発泡体を注出する際に、これらの凍結発泡体がビール液Lに混ざり込みにくくなる。よって、各凍結発泡体の混合状態を容易に制御することが可能となり、第10実施形態のカランユニット、サーバ、注出部材及び飲料では、意匠性を高めると共に嗜好性を高めることができ、第8実施形態と同様の効果が得られる。
更に、第10実施形態では、凍結発泡体が液面Sに沿うように注出されるので、凍結発泡体が発泡体用ノズルから注出されたときに発生する液面Sへの衝撃力を低減させることができ、凍結発泡体を注出する際の粗い泡の発生を抑制することができ、複数種の凍結発泡体が不規則に撹拌される事態の発生を回避することができる。これにより、複数種類の凍結発泡体を粗い泡に覆われることなく綺麗に液面S上に注出することが可能となり、更には、凍結発泡体の混合状態を制御することが可能となるため、飲料の意匠性を高めると共に嗜好性を高めることが可能である。
(第11実施形態)
第11実施形態では、カランユニットから注出された飲料について説明する。第11実施形態の飲料は、例えば図46(c)に示されるようなビールであり、飲料容器Aに注出されたビール液Lと、ビール液Lの上に注出された第1及び第2のビール泡B1,B2からなるビール泡Bとを有している。ここで、第11実施形態が第8〜第10実施形態と異なる点は、ビール液Lとビール泡Bの液種が異なる点と、例えば図61(d)に示されるように、ビール液Lの層である第1の層R1とビール泡Bの層である第3の層R3の間に、ビール泡Bが液体となって形成された第2の層R2が形成されている点のみである。
ビール泡Bが液体となって形成される第2の層R2は、注出したビール泡Bが徐々にビール液L上で液体に変化することにより形成される。ここで、ビール液Lの液種の比重がビール泡Bを成す液体の液種の比重よりも小さい場合には、液体となったビール泡Bが拡散しやすいので、ビール泡Bの注出直後に第2の層R2が形成されるが、その後時間の経過と共に第2の層R2が薄れていくこととなる。一方、ビール液Lの液種の比重がビール泡Bを成す液体の液種の比重よりも大きい場合には、ビール泡Bが液体となってもビール液L中に拡散しにくくなるため、時間の経過と共に第2の層R2がより顕著に形成される。また、ビール泡Bが液化した液体はビール泡Bの下方に下降するが、ビール泡Bの液化速度は小さく、ビール泡Bの下降速度も極めて小さい。このため、ビール液Lの比重がビール泡Bの比重よりも大きい場合には、ビール液Lの比重とビール泡Bの比重との差が極めて小さくても第2の層R2を形成することができる。一方、ビール液Lの比重がビール泡Bの比重よりも小さい場合には、長時間第2の層R2を保持することができないが、ビール泡Bを注出した直後に第2の層R2を形成することができる。
このように第11実施形態の飲料は、ビール液Lからなる第1の層R1と、ビール泡Bが液化されて形成された第2の層R2と、ビール泡Bからなる第3の層R3と、が形成されている。よって、ビール液Lの第1の層R1と、ビール泡Bが液体となって形成された第2の層R2と、ビール泡Bの第3の層R3とで綺麗な縞模様を形成することができるので、コントラストが明確となって見栄えが良く意匠性が高められた飲料となっている。
また、第11実施形態の飲料は、以下のように製造することができる。最初に、ビール液Lの上に第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2を注ぐ。次に、この飲料を所定時間放置する。すると、第1のビール泡B1と第2のビール泡B2とが液化されて、前述した第2の層R2に相当するものを形成することができる。ここで、放置する時間は、20秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましく、更には1分以上が好ましく、2分以上がより一層好ましい。このように、放置する時間を長くすることでビール泡B(第1及び第2のビール泡B1,B2)を液化させ、第2の層R2を確実に形成することができる。また、放置する時間は、5分以下であることが好ましい。放置する時間を上記のように設定することで、ビール泡Bの層である第3の層R3を残しつつ、第2の層R2を形成することができる。
また、飲料容器Aとしては、第2の層R2の高さ位置における飲料容器Aの径が小さいものを用いることが好ましい。このような飲料容器を用いることによって、ビール泡Bが液化する量が少量であっても第2の層R2を厚くすることができ、更に、第2の層R2を短時間で形成することができる。
また、第11実施形態において、第8〜第10実施形態のいずれかのカランユニット、サーバ、及び注出部材を用いてビール泡Bを注出すると、ビール泡Bはビール液Lの液面Sに沿うように注出されてビール泡Bがビール液Lに混ざり込みにくくなるので、上記第1の層R1、第2の層R2、及び第3の層R3のコントラストをより明確にすることができる。なお、第11実施形態の飲料は、ビール泡Bが下方向に注出されるノズルを用いた場合でも実現可能であるが、前述の理由により、第8〜第10実施形態のカランユニット、サーバ、及び注出部材を用いて製造されるのがより好ましい。
また、第11実施形態では、第1の層R1を構成する液体として、ビール液Lの他に水やリキュール等の種々の液体を用いてもよく、単一種類の液体であってもよいし、複数種類の液体を混合したものであってもよい。更に、第3の層R3を構成する発泡体としても、ビール泡B以外の種々の発泡体を用いることができる。
(第12実施形態)
第12実施形態では、例えば図42に示されるサーバ308に設けられ、飲料容器Aに発泡体を注出する際に、飲料容器Aを所定位置に配置させることを可能とするガイド部について、図57及び図58を参照して説明する。
図57(a)に示されるように、ガイド部501を備えたカランユニット575の各カランは、第8実施形態と同様に、レバー341(351)及びカラン本体343(353)を備えている。ガイド部501は、カラン本体343(353)の下部に支持されており手前側に延在すると共に手前側の端部で下方に折り曲げられた支持部材504と、支持部材504から手前側に延在し飲料容器Aの高さを所定高さH以下に調整可能な高さ位置調整部材503と、支持部材504の下端から手前側に延在し飲料容器Aの水平方向における位置を調整可能な水平位置調整部材502とを備えている。
図57(b)及び図57(c)に示されるように、水平位置調整部材502は、平面視における飲料容器Aの外周に沿うように形成された湾曲部502aを有しており、この湾曲部502aに飲料容器Aの外周を押し当てることにより、飲料容器Aの水平方向の位置が定まる。高さ位置調整部材503は、上記のように飲料容器Aの外周を水平位置調整部材502の湾曲部502aに押し当てた状態で、飲料容器Aを上方に移動させると当接する当接部503aを下面に有している。飲料容器Aを高さ位置調整部材503の当接部503aに当接させることにより、飲料容器Aの高さ位置が定まる。
また、図58に示されるように、タワーTを有するタワー型のサーバにおけるガイド部601を備えたカランユニット675において、ガイド部601は、タワーTの手前側壁部Wから手前側に延在する延在部604と、延在部604の手前側端部に取り付けられた平板状の第1の位置調整部材(水平位置調整部材)603と、第1の位置調整部材603の一端から更に手前側に延在する平板状の第2の位置調整部材(水平位置調整部材)602と、を備えている。図58(b)に示されるように、飲料容器Aを第1の位置調整部材603に押し当てることにより飲料容器Aの前後方向の位置が定まり、飲料容器Aを第2の位置調整部材602に押し当てることにより飲料容器Aの左右方向の位置が定まる。なお、図58に示されるカランユニット675は、タワー型でないサーバに対しても用いることが可能である。
以上のようにガイド部601は、ビール液Lの上にビール泡B1及びB2を注出するカランユニット675の各カランに対して飲料容器Aを所定位置に配置させ、カランユニット675の各カランに対する飲料容器Aの水平位置を調整可能な位置調整部材602,603を備えている。よって、ビール泡B1及びB2を注出する際に飲料容器Aの水平位置を最適な位置とすることが可能となる。従って、ビール泡B1及びB2の注出をスムーズに行うことができると共に、常に飲料容器Aに対するビール泡B1及びB2の流れを一定にすることができる。
また、上述した図57に示されるガイド部501は、水平位置調整部材502の他に、カランユニット575の各カランに対する飲料容器Aの高さ位置を調整可能な高さ位置調整部材503を備えている。よって、ビール泡B1及びB2の注出時における飲料容器Aの高さ位置を最適な位置とすることが可能となるので、ビール泡B1及びB2の注出を一層スムーズに行うことができると共に、常にカランユニット575のカランと飲料容器Aの落差を一定にすることができる。
また、ガイド部501又はガイド部601を用いて、ガイド部501,601が飲料容器Aの端の少なくとも一部と接することにより、発泡体用ノズル及び注出部材の少なくとも一方に対する飲料容器Aの位置を決定することができる。このように決定される飲料容器Aの位置は、飲料容器Aにビール泡B1,B2を注出する際に、ビール泡B1,B2が飲料容器Aの外に飛び散ることを防ぐことができる位置であることが望ましい。このようにガイド部を備えることにより、ビール泡B1,B2の注出にあたって飲料容器Aを最適な位置に配置させることが可能となるので、簡単な操作でビール泡B1,B2を綺麗に形成することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明に係るカランユニット、サーバ、注出部材、ガイド部、及び飲料は、各請求項に記載した要旨を変更しないように上記実施形態に係るカランユニット、サーバ、注出部材、ガイド部、及び飲料を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、図52に示されるように、上述した発泡体用ノズル及び注出部材を備えたカランに代えて、注出部材を設けずに、発泡体が通る流路の先端部を曲げた発泡体用ノズル445,455を備えたカラン440,450を用いることができる。この変形例に係るカラン440,450を備えたカランユニット430では、カラン440,450の発泡体用ノズル445,455自体の先端部が、液面に沿うように、すなわち水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように、曲げられている。従って、上記実施形態のカランユニットと同様の効果が得られる。
また、図53に示されるように、上述した発泡体用ノズル及び注出部材を備えたカランに代えて、注出部材を設けずに、流路が液面に沿うように延在する発泡体用ノズル475,485を備えたカラン470,480を用いることもできる。この変形例に係るカラン470,480を備えたカランユニット460では、発泡体用ノズル475,485自体が液面に沿っている。すなわち、発泡体用ノズル475,485内の流路は、水平方向に対して上下に0°以上45°以下の角度となる方向を向いているので、上記実施形態と同様の効果が得られる。
更に、ビール泡B1,B2が飛び散ることを防ぐ泡飛散防止部を有していてもよい。この泡飛散防止部として、図59及び図60を参照して下記で説明する。
図59に示されるように、泡飛散防止部701を備えたカランユニット775において、泡飛散防止部701は、カラン本体353に隣接する位置に取り付けられた支持部材703と、支持部材703に固定され支持部材703から手前側及び下方に延在する平板状の泡受け部702とを備えている。図59(a)に示されるように、注出時に飛び散ったビール泡B1,B2は、泡受け部702の内側面に向かって飛散し、泡受け部702の内側面に飛散したビール泡B1,B2は受け皿Dに落下する。
また、図60に示される泡飛散防止部801を備えたカランユニット875において、泡飛散防止部801は、上記の泡飛散防止部701と同様の支持部材803と泡受け部802とを備えており、泡受け部802の下端に内側に湾曲した湾曲部802aが設けられている。このような湾曲部802aを泡受け部802の下端に有することで、泡受け部802の内側面に飛散したビール泡B1,B2を受け皿Dにより案内しやすくすることを可能としている。
以上のような泡飛散防止部701又は泡飛散防止部801を備えることにより、注出時にビール泡B1,B2が装置外部に飛散することを防止することができる。なお、図59に示される泡飛散防止部701では、平板状の泡受け部702がカラン本体353に隣接する支持部材703から下方に延在していたが、この泡受け部702に代えて、受け皿Dに固定されると共に受け皿Dから上方に延在する泡受け部を用いてもよい。この受け皿Dから上方に延在する泡受け部を備えることにより、ビール泡B1,B2がより下方に落下した場合でも確実にビール泡B1,B2を受け皿Dに導くことができる。
また、図48及び図49に示されるように、発泡体用ノズル345,355に対して脱着自在となっている注出部材400,410は、発泡体用ノズル345,355の先端部に取り付けられたときに注出部材400,410の流出口が所望の位置に向けられることを可能とする位置決め手段を有していてもよい。この位置決め手段は、例えば、注出部材400,410と発泡体用ノズル345,355との嵌合構造を非円形として、注出部材400,410を発泡体用ノズル345,355に嵌合させたときに必然的に流出口の向きが定まるものであってもよい。また、位置決め手段は、注出部材400,410と発泡体用ノズル345,355のそれぞれに付けられた目印であってもよく、この場合、注出部材400,410の目印と発泡体用ノズル345,355の目印とを合わせることにより流出口の向きが自動的に定まるようになっている。このような位置決め手段を備えることにより、注出部材400,410をカラン380,390に取り付けるだけで必然的にビール泡B1,B2を注出する向きが定まることとなるので、ビール泡B1,B2を綺麗に注出するための構成を簡易に実現させることができる。
また、上記実施形態では、第1のビール泡B1を注出する発泡体用ノズル345と、第2のビール泡B2を注出する発泡体用ノズル355とを備え、2種の液体を注出するカランユニット330について説明した。しかし、3種類以上の液体を注出するカランユニットに対しても本発明は適用可能である。
また、上記実施形態では、カラン340が液体用ノズル344及び発泡体用ノズル345の両方を備える例について説明したが、液体用ノズル344は無くてもよい。
また、上記実施形態では、下方に延びる直線状となっている注出部材400,410が発泡体用ノズル345,355に対して脱着自在となっている例について説明したが、チューブ状の注出部材360,370が発泡体用ノズル345,355に対して脱着自在となっていてもよい。また、第9実施形態の注出部材400,410は脱着自在となっていなくてもよい。
また、上記実施形態では、カランが飲料提供装置301に設置されている例について説明したが、飲料提供装置301の装置構成は上記実施形態に限定されることはなく適宜変更可能である。
また、上記実施形態では、カランユニット330がビールを提供する飲料提供装置301に設置されている例について説明したが、本発明のカランユニットはビール以外の飲料を提供する飲料提供装置にも適用することができる。
また、上記実施形態では、発泡体用ノズルが2つ設けられていたが、発泡体用ノズルが3つ以上設けられていてもよい。また、複数のノズルにおける先端部の高さは、互いに同一であっても、異なっていてもよい。しかし、比重が異なる2種以上の液体を飲料容器の上から注出する場合には、比重が小さい液体を注出するノズルの高さを比重が大きい液体を注出するノズルよりも高くすることが好ましい。このように、比重が小さい液体を注出するノズルの先端部をより上方に配置することにより、比重が小さい液体が注出された際に落差分の力がかかるので、比重が小さい液体が注出されたときの力の大きさと比重が大きい液体が注出されたときの力の大きさとが同程度となる。よって、互いに比重が異なる液体を注出したときに、比重が小さい液体が比重が大きい液体に対して浮き上がりにくくなるので、これらの比重が異なる複数の液体でより一層綺麗な渦巻き状の模様やマーブル状の模様を描くことが可能となる。
また、上記実施形態では、発泡体用ノズルによって注出される第1のビール泡B1及び第2のビール泡B2の向きを工夫することにより渦巻き状の模様やマーブル状の模様が形成される飲料について説明した。以下では、例えば第9実施形態の注出部材400,410(図48〜図50参照)を用いて綺麗な渦巻き状の模様を形成するための条件について説明する。
図63(a)、(b)のそれぞれは、飲料容器内における注出部材の位置関係を示す平面図である。ここで、第1のビール泡B1が流出される流出口は、注出部材400の中心に位置するものとする。また、第2のビール泡B1が流出される流出口は、注出部材410の中心に位置するものとする。
まず、図63(a)に示されるように、平面視において、第1のビール泡B1の流出口と第2のビール泡B2の流出口とを結ぶ直線Xと、直線Xに垂直であって且つ第1のビール泡B1の流出口を通る直線Y1と、直線Xに垂直であって且つ第2のビール泡B2の流出口を通る直線Y2とを定め、平面視における第1のビール泡B1の注出方向と直線Y1との角度をθ1、平面視における第2のビール泡B2の注出方向と直線Y2との角度をθ2とする。ここで、第1のビール泡B1の注出方向及び第2のビール泡B2の注出方向のそれぞれは、図中、矢印で示される方向である。また、θ1は直線Y1に対するビール泡B2の流出口側の角度である。ここで直線Y1はビール泡B1の流出口からビール泡B1の流出口に近い飲料容器A側に延びるものとする。θ2は直線Y2に対するビール泡B1の流出口の反対側の角度である。ここで直線Y2はビール泡B2の流出口からビール泡B2の流出口に近い飲料容器A側に延びるものとする。
このとき、θ1は45±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻き模様を形成するためには、θ1は45±10(°)の範囲内にあることが好ましい。更に、より綺麗な渦巻き模様を確実に形成するためには、θ1は45±5(°)の範囲内にあることが好ましい。また、θ2は130±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻き模様を形成するためには、θ2は130±10(°)の範囲内にあることがより好ましい。更に、より綺麗な渦巻き模様を確実に形成するためには、θ2は130±5(°)の範囲内にあることがより好ましい。
また、図63(b)に示されるように、平面視において、第1のビール泡B1の流出口と、第1のビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部とを結ぶ線分Y3と、第2のビール泡B2の流出口と、第2のビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部とを結ぶ線分Y4と、第1のビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部における飲料容器Aの接線である直線Y5と、第2のビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部における飲料容器Aの接線である直線Y6と、直線Y5に平行であって且つ第1のビール泡B1の流出口を通る直線Y7と、直線Y6に平行であって且つ第2のビール泡B2の流出口を通る直線Y8とを定める。ここで、第1のビール泡B1の注出方向及び第2のビール泡B2の注出方向のそれぞれは、図中、矢印で示される方向である。また、直線Y7に対して第1のビール泡B1の注出方向がなす角度をθ3、直線Y8に対して第2のビール泡B2の注出方向がなす角度をθ4とする。
このとき、θ3は0±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻き模様を形成するためには、θ3は0±10(°)の範囲内にあることがより好ましい。更に、より綺麗な渦巻き模様を確実に形成するためには、θ3は0±5(°)の範囲内にあることが好ましい。また、θ4は0±20(°)の範囲内にあることが好ましく、より綺麗な渦巻き模様を形成するためには、θ4は0±10(°)の範囲内にあることがより好ましい。更に、より綺麗な渦巻き模様を確実に形成するためには、θ4は0±5(°)の範囲内にあることが好ましい。なお、θ3が0(°)である状態とは、第1のビール泡B1の注出方向が直線Y5と平行である状態のことをさす。また、θ4が0(°)である状態とは、第2のビール泡B2の注出方向が直線Y6と平行である状態のことをさす。また、θ3が0+y(°)である状態とは、第1のビール泡B1の注出方向が直線Y7,Y8から直線Y5,Y6の反対側にy(°)ずれている状態のことをさす。また、θ4が0−y(°)である状態とは、第2のビール泡B2の注出方向が直線Y7,Y8から直線Y5,Y6側にy(°)ずれている状態のことをさす。図63(b)では、θ3、θ4のそれぞれが0(°)から若干+側にずれた状態を示している。
また、第1のビール泡B1の流出口と、第1のビール泡B1の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部との距離K2(線分Y3の長さ/直線Y5と直線Y7との距離)、及び、第2のビール泡B2の流出口と、第2のビール泡B2の流出口から最も近い飲料容器Aの壁部との距離K3(線分Y4の長さ/直線Y6と直線Y8との距離)は、共に2mm程度であることが好ましい。更に、飲料容器Aは、平面視において円形であることが好ましく、飲料容器Aの口径は60mm以上100mm以下であることが好ましい。そして、この場合、直線Y1と直線Y2との距離K1(ノズル間の距離)は30mm以上50mm以下であることが好ましい。
(第5実施例)
次に、図54〜図56を参照しながら、第9実施形態の注出部材400(410)を備えたカランユニット375の第5実施例について説明する。なお、本発明は、以下の第5実施例に限定されるものではない。この第5実施例の実験では、すりきり25mmまで水Mを入れた飲料容器Aを所定位置に配置させた状態でレバー341(351)を倒して5秒間ビール泡Bを注出し、飲料容器A内の水Mの液面Sに対するビール泡Bの注出角度と、ビール泡Bの状態との関係について検証した。また、飲料容器Aとしては、口径が約77mmのハーフパイントグラスを用いた。そして、注出部材400(410)の流出口403d(図49参照)の直径は5mmとし、流出口403dと水Mの液面Sとの距離は15mm、ビール樽の温度は20℃、ガス圧は0.25MPaとした。
本実験では、図54(a)に示されるように、液面Sに対してビール泡BをX°下向きに注出する場合をX°とし、液面Sに対してビール泡BをX°上向きに注出する場合を−X°とした。そして、液面Sに対するビール泡Bの注出角度が0°の場合を実施例8、15°の場合を実施例9、30°の場合を実施例10、45°の場合を実施例11、−15°の場合を実施例12、−30°の場合を実施例13、−45°の場合を実施例14とし、60°の場合を比較例3、−60°の場合を比較例4とした。なお、−30°,−45°,−60°の実施例13,14及び比較例4では、ビール泡Bが外に飛び出てしまうのを防ぐため、注出部材400(410)を飲料容器A外に出して流出口403dを飲料容器A外に約10mmずらすと共に液面Sと流出口403dとの距離を35mmとして実験を行った。
本実験では、図54(b)に示されるように、ビール泡Bを液面S上に注出した場合におけるビール泡Bの液面S上における注出開始5秒後の泡高さH1と、液面Sの下部における注出開始直後の泡深さH2を測定した。一般的に、ビール泡Bによるビール液Lの液面Sへの衝撃力が小さい場合には泡深さH2に比べて泡高さH1が高くなり、衝撃力が大きい場合には泡高さH1に比べて泡深さH2が深くなる。
図55(a)は実施例8、図55(b)は実施例9、図55(c)は実施例10、図55(d)は実施例11、図55(e)は実施例12、図55(f)は実施例13、図55(g)は実施例14、図55(h)は比較例3、図55(i)は比較例4、におけるビール泡B注出後の写真である。図55(a)〜図55(i)に示されるように、泡高さH1は、注出角度が0°である実施例8で最も高く、次に実施例12,9,10,13の順で高く、そして実施例11,14及び比較例3,4で最も低くなっている。
具体的には、図56のグラフ及び表4に示されるように、泡高さH1と泡深さH2の値は下記のようになった。
このように、ビール泡Bの注出角度が60°である比較例3の場合と比べて注出角度が45°である実施例11の場合は泡深さH2の値を小さくすることができ、注出角度が−60°である比較例4の場合と比べて注出角度が−45°である実施例14の場合も泡深さH2の値を小さくすることができる。よって、ビール泡Bの注出角度を−45°〜45°の間にすることで泡を液体に混ぜにくくすることができると考えられる。
そして、注出角度が30°である実施例10の場合及び注出角度が−30°である実施例13の場合は、実施例11,14と比較して泡深さH2の値がより小さくなると共に泡高さH1の値が大きくなり、注出角度が15°である実施例9の場合及び注出角度が−15°である実施例12の場合は、泡深さH2の値がより一層小さくなると共に泡高さH1の値がより一層大きくなっていた。よって、ビール泡Bの注出角度を−30°〜30°の間にすることで泡を液体に混ぜにくくする効果がより発揮され、−15°〜15°の間にすることで上記効果がより顕著に表れることが分かった。
更に、ビール泡Bの注出角度が0°である実施例8では、泡高さH1の値が最も大きいので、泡を混ぜにくくする効果と泡の意匠性向上の効果をより一層高めることができることが分かった。
(第6実施例)
次に、図61及び図62を参照しながら、第11実施形態の飲料を生成する第6実施例について説明する。なお、本発明は、以下の第6実施例に限定されるものではない。第6実施例では、図61に示す黒色の液体E1と、図62に示す液体E1よりも比重が小さい金色の液体E2と、液体E1と液体E2との混合液体から生成される発泡体Fとを用いた実験3及び実験4を行った。なお、黒色の液体E1の比重は金色の液体E2の比重よりも大きくなっており、黒色の液体E1の比重と金色の液体E2の比重の差は0.01未満であった。また、液体E1としては黒ビール、液体E2としてはピルスナービールのような淡色ビールを用いた。
実験3では、図61に示されるように、飲料容器A内の黒色の液体E1上に混合液体から生成される発泡体Fを注出し、その後の飲料容器A内の様子を観察した。図61(a)は発泡体Fを注出した直後、図61(b)は発泡体F注出から30秒後、図61(c)は発泡体F注出から1分後、図61(d)は発泡体F注出から2分後、の飲料容器A内の様子をそれぞれ示している。
図61(b)〜図61(d)に示されるように、発泡体F注出から30秒以上経過すると、飲料容器A内に、液体E1からなる第1の層R1と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R2と、発泡体Fからなる第3の層R3と、が形成されていた。また、発泡体F注出から時間が経過するに従って発泡体Fが液化することにより、第3の層R3の厚みが小さくなると共に第2の層R2の厚みが大きくなっていた。
実験4では、図62に示されるように、飲料容器A内の金色の液体E2上に混合液体から生成される発泡体Fを注出し、その後の飲料容器A内の様子を観察した。図62(a)は発泡体Fを注出した直後、図62(b)は発泡体F注出から30秒後、図62(c)は発泡体F注出から1分後、図62(d)は発泡体F注出から2分後、の飲料容器A内の様子をそれぞれ示している。
図62(a)に示されるように、実験4では、発泡体F注出後直ぐに、飲料容器A内に、液体E2からなる第1の層R4と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R5と、発泡体Fからなる第3の層R6と、が形成された。そして、時間の経過につれて第2の層R5がオーロラ状に拡散し、図62(d)に示されるように発泡体F注出から2分が経過した時点で第2の層R5は目立たなくなっていた。
以上のように、第6実施例では、液体E1,E2からなる第1の層R1,R4と、発泡体Fが液体となって形成された第2の層R2,R5と、発泡体Fからなる第3の層と、が形成されることを確認した。
そして、液体E1と液体E2の混合液体よりも比重が大きい液体E1上に上記混合液体からなる発泡体Fを注出した実験3では、図61に示されるように時間の経過に伴って第2の層R2,R5が形成されていき、綺麗な縞模様が形成されることが分かった。また、実験3では、発泡体F注出から時間が経過するに従って発泡体Fが液化することにより、第3の層R3の厚みが小さくなると共に第2の層R2の厚みが大きくなっていたが、完全に第2の層R2を作ってから飲料を提供したい場合には、発泡体F注出から2分が経過して第2の層R2の厚みを大きくした後に第3の層R3の上に更に発泡体Fを注出すれば、第2の層R2及び第3の層R3の両方を厚くした飲料を提供できると考えられる。
一方、液体E1と液体E2の混合液体よりも比重が小さい液体E2上に上記混合液体からなる発泡体Fを注出した実験4では、図62に示されるように発泡体Fの注出直後に第2の層R5が形成され、その後時間の経過と共に第2の層R2が目立たなくなっていくことが分かった。よって、注文を受けた後直ぐに飲料を提供できる場合、また比較的照明が明るい店内等で飲料を提供する場合には、第2の層R5が綺麗に形成されているので意匠性及び嗜好性が高い飲料の提供ができると考えられる。
上述した実施形態及び実施例の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記38)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
(付記1)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランであって、
前記カランは前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路の先端部が、前記液体の液面に沿うように曲がっている、
カラン。
(付記2)
前記流路の先端部は、前記液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度を成すように曲がっている、
付記1に記載のカラン。
(付記3)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランであって、
前記カランは前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路は、前記発泡体の注出角度が前記液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている、
カラン。
(付記4)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランであって、
前記カランは前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路の先端部が、前記液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている、
カラン。
(付記5)
前記カランに付着した付着液体を前記発泡体の流出口を避けるように誘導する液体誘導部が設けられていることを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載のカラン。
(付記6)
前記流路の先端部を形成するノズルを有する、
付記1〜5のいずれかに記載のカラン。
(付記7)
前記流路の少なくとも一部を形成するノズルと、前記流路の先端部を形成する注出部材とを有する、
付記1〜5のいずれかに記載のカラン。
(付記8)
前記注出部材は、前記ノズルに脱着自在である、
付記7に記載のカラン。
(付記9)
前記注出部材は、前記発泡体を注出する向きが所望の向きとなるように取り付けられることを可能とする位置決め手段を備える、
付記8に記載のカラン。
(付記10)
前記飲料は、穀物性発泡飲料である、
付記1〜9のいずれかに記載のカラン。
(付記11)
前記流路は、第1の流路と第2の流路とを含んでおり、
前記第1の流路から飲料容器内に前記発泡体を注出する場合における前記発泡体を注出する方向と、前記第2の流路から前記飲料容器内に前記発泡体を注出する場合における前記発泡体を注出する方向とは、前記第1の流路から注出された前記発泡体と前記第2の流路から注出された前記発泡体とが前記飲料容器内で渦巻き状となる方向である、
付記1〜10のいずれかに記載のカラン。
(付記12)
付記1〜11のいずれかに記載のカランと、
前記カランに前記飲料を供給する供給装置と、
を備えるサーバ。
(付記13)
前記カランから飲料容器に前記発泡体を注出する際に、前記飲料容器を所定位置に配置させるガイド部を更に備える、
付記12に記載のサーバ。
(付記14)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランに取り付けられ、前記発泡体を注出する注出部材であって、
前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路の先端部が、前記液体の液面に沿うように曲がっている、
注出部材。
(付記15)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランに取り付けられ、前記発泡体を注出する注出部材であって、
前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路は、前記発泡体の注出角度が前記液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている、
注出部材。
(付記16)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランに取り付けられ、前記発泡体を注出する注出部材であって、
前記発泡体が通る流路を有し、
前記流路の先端部が、前記液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている、
注出部材。
(付記17)
前記カランに付着した付着液体を前記発泡体の流出口を避けるように誘導する液体誘導部が設けられている、
付記14〜16のいずれかに記載の注出部材。
(付記18)
液体の上に飲料の発泡体を注出するカランに取り付けられた注出部材を挟み込む一対の挟み部を備え、
一対の前記挟み部で前記注出部材を挟み込んで前記注出部材を前記カランに対して脱着させる、
脱着工具。
(付記19)
液体の上に発泡体を注出するカランに対して飲料容器を所定位置に配置させるガイド部であって、
前記カランに対する前記飲料容器の水平位置を調整可能な水平位置調整部材を備えている、
ガイド部。
(付記20)
前記カランに対する前記飲料容器の高さ位置を調整可能な高さ位置調整部材を備える、
付記19に記載のガイド部。
(付記21)
飲料容器に注出された液体と、
前記液体の上に注出された発泡体と、
を有し、
前記液体からなる第1の層と、前記第1の層の上に前記発泡体が液化されて形成された第2の層と、前記第2の層の上の前記発泡体からなる第3の層と、が形成されている、
飲料。
(付記22)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出する第1のカランと、第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出する第2のカランと、を備えるカランユニットであって、
前記第1のカランは、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路と、を有し、
前記第2のカランは、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路と、を有し、
前記第1の発泡体用流路の先端部と前記第2の発泡体用流路の先端部が、前記第3の液体の液面に沿うように曲がっている、
カランユニット。
(付記23)
前記第1の発泡体用流路及び前記第2の発泡体用流路の先端部は、前記第3の液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度をなすように曲がっている、
付記22に記載のカランユニット。
(付記24)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出する第1のカランと、第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出する第2のカランと、を備えるカランユニットであって、
前記第1のカランは、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路と、を有し、
前記第2のカランは、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路と、を有し、
前記第1の発泡体用流路と前記第2の発泡体用流路とは、前記第1の発泡体及び前記第2の発泡体の注出角度が前記第3の液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている、
カランユニット。
(付記25)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出する第1のカランと、第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出する第2のカランと、を備えるカランユニットであって、
前記第1のカランは、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路と、を有し、
前記第2のカランは、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路と、を有し、
前記第1の発泡体用流路の先端部と前記第2の発泡体用流路の先端部が、前記第3の液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている、
カランユニット。
(付記26)
前記第1の発泡体用流路の先端部を形成する第1のノズルと、前記第2の発泡体用流路の先端部を形成する第2のノズルと、を有する、
付記22〜25のいずれかに記載のカランユニット。
(付記27)
前記第1の発泡体用流路の少なくとも一部を形成する第1のノズルと、
前記第2の発泡体用流路の少なくとも一部を形成する第2のノズルと、
前記第1の発泡体用流路の先端部を形成する第1の注出部材と、
前記第2の発泡体用流路の先端部を形成する第2の注出部材と、を有する、
付記22〜25のいずれかに記載のカランユニット。
(付記28)
前記第1の注出部材は、前記第1のノズルに脱着自在であり、
前記第2の注出部材は、前記第2のノズルに脱着自在である、
付記27に記載のカランユニット。
(付記29)
前記第1の注出部材は、前記第1の発泡体を注出する方向が所望の方向となるように取り付けられることを可能とする第1の位置決め手段を備え、
前記第2の注出部材は、前記第2の発泡体を注出する方向が所望の方向となるように取り付けられることを可能とする第2の位置決め手段を備える、
付記28に記載のカランユニット。
(付記30)
前記第1のカランから前記第1の発泡体を注出する方向と、前記第2のカランから前記第2の発泡体を注出する方向とは、注出された前記第1の発泡体と前記第2の発泡体が飲料容器内で渦巻き状となる方向である、
付記22〜29のいずれかに記載のカランユニット。
(付記31)
前記第1の液体及び前記第2の液体は、穀物性発泡飲料である、
付記22〜30のいずれかに記載のカランユニット。
(付記32)
付記22〜31のいずれかに記載の第1のカランと、
付記22〜31のいずれかに記載の第2のカランと、
前記第1のカラン及び前記第2のカランに飲料を供給する供給装置と、
を備えるサーバ。
(付記33)
前記第1のカラン及び前記第2のカランから飲料容器に前記第1の発泡体及び前記第2の発泡体を注出する際に、前記飲料容器を所定位置に配置させるガイド部を更に備える、
付記32に記載のサーバ。
(付記34)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出し、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路とを有する第1のカランと、
第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出し、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路とを有する第2のカランと、
を備えるカランユニットの前記第1の発泡体用流路及び前記第2の発泡体用流路の少なくとも一方に取り付けられる注出部材であって、
前記注出部材は、前記第1の発泡体又は前記第2の発泡体が注出される第3の発泡体用流路を有し、
前記第3の発泡体用流路の先端部が、前記第3の液体の液面に沿うように曲がっている、
注出部材。
(付記35)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出し、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路とを有する第1のカランと、
第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出し、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路とを有する第2のカランと、
を備えるカランユニットの前記第1の発泡体用流路及び前記第2の発泡体用流路の少なくとも一方に取り付けられる注出部材であって、
前記注出部材は、前記第1の発泡体又は前記第2の発泡体が注出される第3の発泡体用流路を有し、
前記第3の発泡体用流路は、前記第1の発泡体及び前記第2の発泡体の注出角度が前記第3の液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の角度となるように形成されている、
注出部材。
(付記36)
第1の液体と第3の液体の上に前記第1の液体からなる第1の発泡体とを注出し、前記第1の液体が注出される第1の液体用流路と、前記第1の発泡体が注出される第1の発泡体用流路とを有する第1のカランと、
第2の液体と前記第3の液体の上に前記第2の液体からなる第2の発泡体とを注出し、前記第2の液体が注出される第2の液体用流路と、前記第2の発泡体が注出される第2の発泡体用流路とを有する第2のカランと、
を備えるカランユニットの前記第1の発泡体用流路及び前記第2の発泡体用流路の少なくとも一方に取り付けられる注出部材であって、
前記注出部材は、前記第1の発泡体又は前記第2の発泡体が注出される第3の発泡体用流路を有し、
前記第3の発泡体用流路の先端部が、前記第3の液体の液面に対して上下に0°以上45°以下の方向に向けられている、
注出部材。
(付記37)
液体の上に第1の発泡体を注出する第1のカラン、及び液体の上に第2の発泡体を注出する第2のカランに対して飲料容器を所定位置に配置させるガイド部であって、
前記第1のカラン及び前記第2のカランに対する前記飲料容器の水平位置を調整可能な水平位置調整部材を備え、
前記水平位置調整部材は、前記第1のカランから注出される前記第1の発泡体と前記第2のカランから注出される前記第2の発泡体とが前記飲料容器内の前記液体の上に注出されるように、前記飲料容器の水平位置を調整する、
ガイド部。
(付記38)
前記第1のカラン及び前記第2のカランに対する前記飲料容器の高さ位置を調整可能な高さ位置調整部材を備え、
前記高さ位置調整部材は、前記飲料容器を当接させる当接部を有する、
付記37に記載のガイド部。