JP2907343B2 - 生ビール自動注出装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、ジョッキ内に生ビールの液体及び泡を自動
注出するようにした生ビール自動注出装置に関するもの
である。

（従来の技術） 従来における生ビール自動注出装置の例を第６図、第
７図を参照して説明する。

上記の各図に示した生ビール自動注出装置50は、水平
配置の基台51上にジョッキ受台52を設けているととも
に、側片部53を介して前記ジョッキ受台52の上方に生ビ
ール注出部54を設け、当該生ビール注出部54から斜め下
方に向けて生ビールの液体及び泡注出用のノズル55を突
配する構成となっている。

尚、第６図中、56は操作パネルであり、この操作パネ
ル56には、電源スイッチ57、大ジョッキスイッチ58、小
ジョッキスイッチ59、注出スイッチ60、停止スイッチ61
等が設けられている。

（発明が解決しようとする課題） 上記構成に係る生ビール自動注出装置50によれば、ジ
ョッキ受台52上にジョッキＪを載置した状態で操作パネ
ル56の各スイッチを操作することにより前記ジョッキＪ
内に生ビールの液体と泡とを自動注出することができ
る。

しかしながら、前記ノズル55がジョッキＪの上端より
も更に上方が設けられているために、該ノズル55からジ
ョッキＪ内に生ビールの液体を注出した場合、この液体
がジョッキＪの内壁面に強くあたって必要以上に泡立っ
てしまうことから、本来、最適量とされる液体80％、泡
20％の状態の注出動作が不可能であるという問題があっ
た。

そこで、従来においても、ノズル55を上下方向に駆動
し、ノズル55の注出端をジョッキＪの底面に接近させて
液体の泡立ちを防止するような試みがなされているが、
この場合、各人のジョッキ内にノズル注出端が挿入接触
されるので衛生上の見地から良好でないと同時に、やは
り前記問題を解決するような性能を発揮できるものでは
なかった。

本発明は、上記事情に鑑みて開発されたものであり、
その目的とするところは、ジョッキ受台及びノズルの構
造を改良することによって、ジョッキ内に、常時、最適
量の液体と泡とを自動注出することが可能な生ビール自
動注出装置を提供することにある。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 本発明は、ギョッキ受台上にジョッキを載置した状態
で該ジョッキ内に各所定量の生ビールの液体及び泡を自
動注出する生ビール自動注出装置において、前記ジョッ
キ受台のジョッキ載置面を水平状態から所定角度に傾斜
駆動するジョッキ傾倒手段と、前記ジョッキ受台の上方
に配置した生ビールの液体供給源に接続されてジョッキ
内に液体を注出する液体用ノズル及び生ビールの泡供給
源に接続されて前記液体用ノズル近傍に泡注出端を有す
る泡用ノズルからなる複合ノズルと、該複合ノズルの内
の液体用ノズルを前記ジョッキ受台上に載置されるジョ
ッキの上方と該ジョッキの開口内との範囲にわたって上
下駆動する液体用ノズル駆動手段と、前記各手段の動作
制御を行う制御手段とを有するものである。

前記液体用ノズルは、先端が垂直方向に切断されてい
ると共に、該先端が所定角度に傾斜駆動したジョッキ受
台上のジョッキの装置内方に位置する開口内壁面に対抗
する状態で該ノズル端部が湾曲形成されている。

（作用） 以下、上記構成に係る生ビール自動注出装置の作用を
説明する。

本装置のジョッキ受台上にジョッキを載置すると、ジ
ョッキ傾倒手段がジョッキ受台とともにジョッキを所定
角度に傾ける。

次に、液体用ノズル駆動手段が制御手段の制御の基
に、液体用ノズルを傾いた状態のジョッキ開口内まで降
下させる。この時、先端が垂直方向に切断されている液
体用ノズルは、その先端が、所定角度に傾斜駆動したジ
ョッキ載置面上のジョッキの装置内方に位置する開口内
壁面に対向する状態となる。

この状態で、液体供給源に接続された液体用ノズルか
ら所定量の液体がジョッキの内壁に向って注出される。

次に、制御手段の制御の基に、ジョッキ傾倒手段によ
るジョッキの初期位置への復帰動作と、液体用ノズル駆
動手段による液体用ノズルの上昇駆動が行われた後、制
御手段による制御の基に泡供給源に接続された泡用ノズ
ルから液体の注出完了後のジョッキ内に所定量の泡が注
出される。

（実施例） 以下に本発明の生ビール自動注出装置の一実施例を詳
細に説明する。

第１図に示す生ビール自動注出装置１は、基底台２上
に立設した支持体３の上部に箱型状に装置本体４を備え
ているとともに、該装置本体４の下方で、支持体３の側
方にジョッキ受台５を支持片６及び支軸７をもって第１
図に示すα１、α２方向に回動可能に支持している。

前記ジョッキ受台５は、水平板5aと該水平板5aの端部
から垂直方向に突設した垂直板5bとの一体構成となって
いる。

前記水平板5aの下面と、前記支持体３との間には第２
図に示すように、ジョッキ傾倒手段８として、例えば、
油圧シリンダ９及びシリンダロッド10が連結されてい
て、この油圧シリンダ９の動作でシリンダロッド10を伸
縮させることにより、前記ジョッキ受台５の水平板5aを
水平配置と、該水平配置から本実施例では例えば５度乃
至30度程度傾斜した配置との間で回動させるようになっ
ている。

前記装置本体４の下側部には、第２図に示すように、
液体用ノズル11及び泡用ノズル12からなる複合ノズル13
の内の液体用ノズル11のみが液体用ノズル駆動手段14を
もって垂直方向（Z1とZ2間方向）に上下駆動される状態
で配置されている。

前記液体用ノズル11は、具体的には図示しない液体供
給源に接続されているとともに、前記装置本体４の下端
面から下方に突設されている。この液体用ノズル11のノ
ズル端部11aは、ノズル端11bが、所定角度に傾斜駆動し
たジョッキ受台５上のジョッキＪの装置本体４内方に位
置する開口内壁面に対向する状態となるように、略45度
程度の傾斜に湾曲形成されている。また、該ノズル端11
bは、本実施例では第２図に示すように水平方向に対す
る角度θ＝90度となるように切断形成されている。

前記泡用ノズル12は、具体的には図示しない泡供給源
に接続されているとともに、前記装置本体４の下端面か
ら下方に突設されてその注出端12aは前記液体用ノズル1
1のノズル端部11aの近傍に配置されている。

前記液体用ノズル駆動手段14は、本実施例では例えば
次の如く構成とされている。即ち、本実施例における該
液体用ノズル駆動手段14は、前記両ノズル11、12を包囲
する状態のノズルカバー筒13a内に、Z1、Z2方向々い沿
って液体用ノズル11の側壁に取付けたラック15と、該ラ
ック15に噛合させたピニオン16と、該ピニオン16を回転
駆動するモータ17とを具備し、モータ17の回転力により
前記両ノズル11、12の内の液体用ノズル11のみをZ1、Z2
方向に上下動させて、前記液体用ノズル11のノズル端11
bを第２図に示す位置とジョッキＪの開口内に至る位置
との間を往復動させるようになっている。

但し、本発明における液体用ノズル駆動手段14は上記
構成のものに限定されるものでないことは勿論であり、
例えば、エアーシリンダ機構をもって該液体用ノズル11
を駆動するなど幅広い各種駆動構成のものを採用して実
施できることは勿論である。

前記装置本体４の正面には操作パネル35が配置されて
いて、該操作パネル35には、第３図に示すように液体
（実）スイッチ18、泡スイッチ19、停止スイッチ20、電
源スイッチ21、洗浄スイッチ22、大ジョッキスイッチ23
及び小ジョッキスイッチ24の各スイッチ類と、ビール切
ランプ28、ガス（CO2ガス）切ランプ29、正常ランプ2
5、大ジョッキランプ26及び小ジョッキランプ27の各ラ
ンプ類とがそれぞれ配置されている。

第４図は生ビール自動注出装置１の制御系を示すもの
であり、この装置１は動作プログラムを格納したプログ
ラムメモリ31と、制御部32とから制御手段30を具備して
いる。上記制御部32に前記各スイッチ類及びランプ類を
接続している。また、前記制御部32により、前記ジョッ
キ傾倒手段８、液体用ノズル駆動手段14の動作制御等を
行うようになっている。

次に、第５図（ａ）乃至（ｆ）を参照して上記構成に
係る生ビール自動注出装置１の作用を説明する。

先ず、第５図（ａ）に示すように、ジョッキ受台５の
水平板5a上に側面を垂直板5bに当接させた状態でジョッ
キ（例えば大ジョッキとする）Ｊを載置する。

この状態から、操作パネル35の大ジョッキスイッチ23
を押下すると、制御部32を先ず動作プログラムに基きジ
ョッキ傾倒手段８を制御し油圧シリンダ９を動作させて
シリンダロッド10を伸ばすことにより、ジョッキ受大５
の水平板5a上のジョッキＪは第５図（ｂ）に示すように
矢印α１方向に回動して傾斜状態となる。

次に、制御部32の制御の基に、液体用乃至駆動手段14
のモータ17が回転してピニオン16及びラック15を介し前
記液体用ノズル11を第５図（ｃ）に示すように矢印Z1方
向に下降させて該液体用ノズル11をジョッキＪの開口内
壁面に臨ませる。この状態から、制御部32の制御の基に
液体供給源からの生ビールの液体が、液体用ノズル11の
ノズル端11bからジョッキＪの上方内壁面に向けて注出
されてジョッキＪ内に貯留されて行くことになる。

この時、液体用ノズル11のノズル端11bとジョッキＪ
の内壁面との間は第５図（ｃ）に示すように接近してい
て、しかも、該ノズル端11bが所定角度に傾斜駆動した
ジョッキ受台５上のジョッキＪの装置本体４内方に位置
する開口内壁面に対向するので、ノズル端11bから注出
される液体は泡立ちを生ずることなくジョッキＪ内に貯
留される。

上記の如く液体用ノズル11から所定量（ジョッキＪの
容量の80％程度）の液体を注出した後、制御部32は液体
用ノズル駆動手段14のモータ17を逆転駆動する。これに
より、第５図（ｄ）に示すように液体用ノズル11はジョ
ッキＪの上方の初期位置まで上昇する。この場合、該ノ
ズル端11bが水平方向に対する角度θ＝90度となるよう
に切断形成されているので表面張力作用を可吸的に解消
でき、初期位置に復帰した前記液体用ノズル11のノズル
端11b内への残留泡を無くすことができる。従って、液
体を次のジョッキＪへ注出する際に泡を排出することが
無くなる。

この後、制御部32の制御の基に前記油圧シリンダ８が
作動して、シリンダロッド10を初期位置まで縮小する。
これにより、ジョッキＪは第５図（ｅ）に示すように矢
印α２方向に回動して水平板5aは水平状態に復帰する。

次に、制御部32の制御の基に泡供給源からの泡が、第
５図（ｅ）に示すように泡用ノズル12の注出端12aから
ジョッキＪ内にその内容の20％程度注出される。

以上の動作により、第５図（ｆ）に示すように、水平
配置のジョッキＪ内には、80％程度の液体と20％程度の
泡とが正確に注出された状態となって顧客に供給され
る。

上述したジョッキＪへの生ビールの液体及び泡の注出
動作は、小ジョッキの場合、操作パネル35の小ジョッキ
スイッチ24を押下すると、全く同様に行われることは勿
論である。

尚、操作パネル35中の液体スイッチ18、泡スイッチ1
9、停止スイッチ20は本装置に具備された各手動用のも
のであり、この他の各スイッチ及びランプは文字通りの
各作用を発揮するためのものである。

本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、
その要旨の範囲内で種々の変形が可能である。

例えば、本発明のジョッキ傾倒手段８は、第２図に示
すような油圧シリンダ９の動作でシリンダロッド10を伸
縮させる構成のもに限定されることなく、これ以外の各
種構成のものを幅広く採用して実施できる。また、本発
明における液体用ノズル駆動手段14が本実施例の前記構
成のものに限定されることなく、エアーシリンダ機構等
を始めとして幅広い各種駆動構成のものをもって液体用
ノズル11を駆動しても良いことは前述した通りである。

更に、本実施例においては、液体用ノズル11のノズル
端部11aの湾曲を略45度程度の傾斜に湾曲形成し、また
液体用ノズル11のノズル端11bの切断角度を水平方向に
対する角度θ＝90度に切断形成し、更にまたジョッキ受
台５の水平板5aの回動範囲を水平配置と該水平配置から
例えば５度乃至30度程度傾斜した配置との間で回動させ
るようになっているが、上記ノズル端部11aの湾曲角
度、ノズル端11bの切断角度、ジョッキ受台５の水平板5
aの回動傾斜角度は本実施例のものに限定されるもので
はなく、当該夫々の角度を自在に変更して本発明を実施
できることは勿論である。

〔発明の効果〕

以上詳述した本発明によれば、生ビールの液体の注出
に際して、ジョッキを傾ける構成であると共にノズル端
が垂直切断されて且つノズル端部が湾曲形状の液体用ノ
ズルを用いる構成のものであるから、前記従来例の如く
液体の泡立ちを伴なうことなく正確に各所定量の液体と
泡とをジョッキ内に注出することが可能な生ビール自動
注出装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る実施例装置の斜視図、第２図は同
装置のジョッキ傾倒手段及び液体用ノズル駆動手段の拡
大側面図、第３図は同装置の操作パネルの正面図、第４
図は同装置の制御系のブロック図、第５図（ａ）乃至
（ｆ）は同装置の動作説明図、第６図は従来装置の正面
図、第７図は同上の側面図である。 図中の主な符号 １……生ビール自動注出装置 ４……装置本体 ５……ジョッキ受台 ８……ジョッキ傾倒手段 14……液体用ノズル駆動手段 30……制御手段 Ｊ……ジョッキ

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ジョッキ受台上にジョッキを載置した状態
   で該ジョッキ内に各所定量の生ビールの液体及び泡を自
   動注出する生ビール自動注出装置において、 前記ジョッキ受台のジョッキ載置面を水平状態から所定
   角度に傾斜駆動するジョッキ傾倒手段と、 前記ジョッキ受台の上方に配置した生ビールの液体供給
   源に接続されてジョッキ内に液体を注出する液体用ノズ
   ル、及び泡供給源に接続されて前記液体用ノズル近傍に
   泡注出端を有する泡用ノズルからなる複合ノズルと、 前記複合ノズルの内の液体用ノズルを、前記ジョッキ受
   台上に載置されるジョッキの上方と該ジョッキの開口内
   との範囲にわたって上下駆動する液体用ノズル駆動手段
   と、 前記ジョッキ受台５に載置したジョッキはジョッキ受台
   ５の垂直板5b方向に傾斜状態となり、次に、前記液体用
   ノズル11が前記傾斜状態のジョッキの開口近傍に降下
   し、この液体用ノズルからジョッキ内に生ビールの液体
   が注出、貯留され、ジョッキ内への所定量の液体注出の
   完了後、前記液体用ノズルは初期位置に上昇復帰し、こ
   の状態で、前記傾斜状態のジョッキが初期の水平状態に
   復帰した後、前記泡用ノズル12から当該ジョッキ内に泡
   が注出されるように動作制御を行う制御手段と、 を有することを特徴とする生ビール自動注出装置。
2. 【請求項２】前記液体用ノズルは、先端が垂直方向に切
   断されていると共に、該先端が所定角度に傾斜駆動した
   ジョッキ受台上のジョッキの装置内方に位置する開口内
   壁面に対抗する状態で該ノズル端部が湾曲形成されてい
   る請求項１記載の生ビール自動注出装置。