JP2548463Y2 - 飲料供給装置の注ぎ口 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、飲料供給装置の注ぎ口
に関し、特に、飲料を供給する容器の高さがまちまちで
ある場合に使用して好適な飲料供給装置の注ぎ口に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】注出管を介して移送される飲料を容器の
上方より流下して注ぐ場合、従来の注ぎ口は、単に容器
の上方に注出管を配置してその出口が容器の置き場所の
真上にくるように固定した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】ところで、容器の口が
大きい場合には、注ぎ口と容器との間の距離はさほど問
題にならないものの、容器の口が小さい場合、例えば徳
利のようなものに注ぐ場合には容器の高さに応じて高さ
調節をしなければならなくなる。図８は、本出願人が先
に考案した飲料供給装置の断面図を示しており、冷却筺
体２における前面扉１の前面側には、吸入管３を冷却筺
体２内に挿入されたポンプ４が備えられ、当該ポンプ４
の注出管５は開口５ａを下向きにして垂下されている。

【０００４】前面扉１の前面側下部には溢れ出る飲料を
捕捉するための受け皿６を設置するとともに、注出管５
の長さは一定であるので当該受け皿６と注出管５の開口
５ａとの間には上下動可能な受け台７をネジ８によって
固定している。そして、容器の高さが変化するときに
は、ネジ８を緩めた後、受け台７の高さを変更し、再び
ネジ８を締めて固定位置を調整していた。

【０００５】従って、こうように構成した場合の飲料供
給装置の注ぎ口においては、次のような課題があった。 受け台の高さを変更するときにネジ止めされたものを
緩めなければならず、変更がわずらわしい。 受け台上の容器から溢れ出たときには受け台から受け
皿まで滴下するので周囲に飛び散ることがある。 受け台を大きくしにくいので容器が倒れて壊れ易い。

【０００６】本考案は、上記課題にかんがみてなされた
もので、受け台の側で容器の高さに合わせるのでなく、
注ぎ口の側で容易に容器の高さに合わせることが可能な
飲料供給装置の注ぎ口の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項１の考案は、本体内に収容され
た飲料容器から注出管を介して移送される飲料を、前記
本体の外面に設けた受け台上に載置された小分け容器に
上方より流下して注ぐようにした飲料供給装置の注ぎ口
において、前記注出管の先端に連通する筒体を備えると
ともに、前記本体の外面に、前記小分け容器の載置位置
の上方に突出する一対の弾性挟持部材を設け、この一対
の弾性挟持部材により前記筒体を所定の抗力を与えつつ
上下動可能に挟持する構成としたところに特徴を有す
る。また請求項２の考案は、請求項１の考案において、
前記一対の弾性挟持部材における前記小分け容器の挟持
部分には、滑り止め用のコーティングが施されている構
成としたところに特徴を有する。

【０００８】

【考案の作用及び効果】＜請求項１の考案＞ 筒体が小分け容器の上方位置において一対の弾性挟持部
材により上下動可能に挟持されているので、利用者は適
宜に筒体を上下動させることで、その下端の開口を小分
け容器の高さに合わせる。また筒体の洗浄を行う場合
は、一対の弾性挟持部材を弾力に抗して広げることで筒
体が外される。すなわち請求項１の考案によれば、筒体
を適宜に上下させるだけで注ぎ口端を小分け容器の高さ
に合った最適の位置に調整することができる。また本体
の外面に一対の弾性挟持部材を取り付け、これに筒体を
挟持させるだけの構造であるから、構造が簡単であって
安価に対応することができる。さらに、洗浄等を行うべ
く筒体を外す場合には、一対の弾性挟持部材を弾力に抗
して広げるだけで簡単に外すことができ、使い勝手に優
れる効果が得られる。

【０００９】＜請求項２の考案＞ 一対の弾性挟持部材の挟持部分に滑り止め用のコーティ
ングを施したので、筒体をより確実に挟持することが可
能となる。コーティングを施すといった簡単な構造でも
って筒体の滑り止めを期することができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面にもとづいて本考案の実施例を説
明する。図１は、本考案の一実施例にかかる注ぎ口が適
用された飲料供給装置の断面図である。同図において、
筺形の冷却筺１１は、断熱壁で囲まれた冷却室１１ａ
と、その奥側に配置された機械室１１ｂとを備えてお
り、冷却室１１ａ内には冷凍サイクル１２を構成するエ
バポレータ１２ａと庫内ファン１２ｂとが配置され、機
械室１１ｂには同冷凍サイクル１２を構成するコンプレ
ッサ１２ｃと送風ファン１２ｄとキャピラリチューブ１
２ｅと凝縮器１２ｆと温度制御部１２ｇなどが配設され
ている。なお、温度制御部１２ｇは検知部１２ｇ１を冷
却室１１ａ内に挿入され、コンプレッサ１２ｃなどの作
動を制御して冷却室１１ａ内を所定温度範囲内に冷却せ
しめる。

【００１１】冷却筺１１の前面側開口には開閉可能な断
熱扉１３が図示しないヒンジによって支持され、冷却筺
１１におけるこの断熱扉１３との当接面には断熱用のシ
ール部材１４が固着されている。また、断熱扉１３の前
面側上方にはポンプ１５が固定されており、このポンプ
１５の吸引チューブ１５ａは断熱扉１３の孔１３ａを介
して冷却室１１ａ内に挿入され、当該冷却室１１ａ内に
保持される貯留容器１６の吸引管１６ａに接続されてい
る。

【００１２】断熱扉１３の前面側におけるポンプ１５の
下方には注ぎ口２０がネジ止めされている。注ぎ口２０
は、図２に示すように、ホルダ２１と筒体２２とから構
成されている。ホルダ２１は、図３に示すように逆Ｔ字
状の弾性板材２１ａを屈曲せしめて構成されており、中
程の基部２１ａ１を中心として、下部の両翼辺２１ａ
２，２１ａ３を対面させるように屈曲するとともに、上
部の支持辺２１ａ４を手前側に約９０度屈曲させてい
る。ここにおいて、支持辺２１ａ４の先端側にはポンプ
１５の注出チューブ（注出管）１５ｂが挿入可能な支持
孔２１ａ４ａが形成され、両翼辺２１ａ２，２１ａ３の
先端は平行よりもやや内側に屈曲されるとともに図４に
示す押さえブロック２１ｂ１，２１ｂ２をネジ止め固定
するための孔が形成されている。

【００１３】押さえブロック２１ｂ１，２１ｂ２は相対
面するＵ字状の溝２１ｂ１ａ，２１ｂ２ａを形成されて
おり、溝２１ｂ１ａ，２１ｂ２ａを有しない側の平面に
はネジ止め用の孔を形成してある。なお、両翼辺２１ａ
２，２１ａ３に形成されたネジ止め孔とこれらの押さえ
ブロック２１ｂ１，２１ｂ２に形成されたネジ止め孔と
の位置は一致させてあり、両翼辺２１ａ２，２１ａ３の
それぞれにて押さえブロック２１ｂ１，２１ｂ２を挟み
込んだ状態でネジ止め固定してある。

【００１４】筒体２２は対面する押さえブロック２１ｂ
１，２１ｂ２の溝２１ｂ１ａ，２１ｂ２ａにて挟み込ま
れる円筒状に形成され、上端にはフランジ２２ａが形成
されている。また、筒体２２の内径は上記注出チューブ
１５ｂが挿入可能な径としてある。すなわち、注ぎ口２
０はホルダ２１の基部２１ａ１にて断熱扉１３の前面側
にネジ止め固定されており、筒体２２を押さえブロック
２１ｂ１，２１ｂ２で挟み込んで保持している。そし
て、注出チューブ１５ｂはホルダ２１の支持辺２１ａ４
の支持孔２１ａ４ａを貫通するとともに、先端は筒体２
２に挿入されている。

【００１５】これらのポンプ１５と注ぎ口２０を被覆す
るように断熱扉１３の前面側上部にはカバー１７が配設
されており、また、このカバー１７内には当該飲料供給
装置を作動させる制御部１８も備えられ、かつ同制御部
１８の操作スイッチ１８ａは当該カバー１７を貫通して
前面側に突出している。また、断熱扉１３の前面側下部
には小分け容器の置き台となる受け皿１９が固定されて
いる。

【００１６】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。冷凍サイクル１２が作動すると、温度制御部
１２ｇの制御のもとで冷却室１１ａ内は所定の温度範囲
内に保持される。受け皿１９上に徳利などの小分け容器
を載置し、上記筒体２２を上下動させてその先端が小分
け容器よりもわずかに高い位置となるようにする。ここ
において、図２に示すように、押さえブロック２１ｂ
１，２１ｂ２の上面と支持辺２１ａ４との間の長さはＬ
となっており、筒体２２のフランジ２２ａは当該範囲内
で上下動可能となっている。従って、小分け容器の高さ
がＨ１〜Ｈ２というように変動しても長さＬの範囲内で
高さ合わせをすることができる。

【００１７】その後、操作スイッチ１８ａを操作すれば
ポンプ１５が作動し、同ポンプ１５は貯留容器１６内の
飲料を吸引管１６ａと吸引チューブ１５ａを介して吸引
して注出チューブ１５ｂの側に注出する。同注出チュー
ブ１５ｂの先端は筒体２２に挿入されているので、注出
チューブ１５ｂから排出される飲料は当該筒体２２内を
流下し、筒体２２の下方に置かれた小分け容器内に注が
れる。

【００１８】図５は本考案の他の実施例を示す斜視図で
ある。本実施例においては、筒体２２の表面に図６に示
す断面となるような小突起２２ｂを形成し、押さえブロ
ック２１ｂ１，２１ｂ２における溝２１ｂ１ａ，２１ｂ
２ａには水平方向の水平溝２２ｃを多数形成してある。
かかる構成とした場合には、筒体２２表面の小突起２２
ｂが水平溝２２ｃと係合し、上下方向の滑り止めとなる
とともに適度なクリック感が生じる。また、溝の間隔を
１ｃｍぐらいづつとして筒体２２から受け皿１９までの
高さを１ｃｍ単位で計測できるようにしても良い。

【００１９】図７は本考案の更なる他の実施例を示す斜
視図である。本実施例においては、ホルダ２１における
両翼辺２１ａ２，２１ａ３の先端部分を湾曲させて相対
面するＵ字溝部分を形成するとともに、押さえブロック
２１ｂ１，２１ｂ２の代わりに当該湾曲部分にナイロン
コーティング部（あるいはゴムコーティング部）２２ｄ
１，２２ｄ２を施してある。かかる構成とすることによ
り、筒体２２の滑り止めを図ることができるとともに、
押さえブロック２１ｂ１，２１ｂ２よりも安価に構成す
ることができる。なお、上述した実施例においては、冷
却飲料の飲料供給装置に適用したが、暖かな飲料を供給
するものなどについても同様に適用することができる。
また、注出チューブ１５ｂを筒体２２内に挿入するだけ
としているが、筒体２２の上部に接続するようにしても
良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例にかかる注ぎ口を適用した飲
料供給装置の断面図である。

【図２】注ぎ口を示す斜視図である。

【図３】ホルダの弾性板材を示す斜視図である。

【図４】押さえブロックを示す斜視図である。

【図５】注ぎ口の変形例を示す斜視図である。

【図６】変形例の断面図である。

【図７】注ぎ口の変形例を示す斜視図である。

【図８】従来の注ぎ口を適用した飲料供給装置の断面図
である。

【符号の説明】

１５ｂ…注出チューブ（注出管） ２０…注ぎ口 ２１…ホルダ ２１ａ…弾性板材 ２１ｂ１，２１ｂ２…押さえブロック ２２…筒体

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体内に収容された飲料容器から注出管
   を介して移送される飲料を、前記本体の外面に設けた受
   け台上に載置された小分け容器に上方より流下して注ぐ
   ようにした飲料供給装置の注ぎ口において、 前記注出管の先端に連通する筒体を備えるとともに、前
   記本体の外面に、前記小分け容器の載置位置の上方に突
   出する一対の弾性挟持部材を設け、この一対の弾性挟持
   部材により前記筒体を所定の抗力を与えつつ上下動可能
   に挟持する構成としたことを特徴とする飲料供給装置の
   注ぎ口。
2. 【請求項２】 前記一対の弾性挟持部材における前記小
   分け容器の挟持部分には、滑り止め用のコーティングが
   施されていることを特徴とする請求項１記載の飲料供給
   装置の注ぎ口。