JP2017081577A - 飲料注出装置 - Google Patents

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【課題】飲料注出装置において、受台傾動装置の押動アームまたは装置本体の前部を破損しにくくする。【解決手段】受台傾動装置50は、装置本体の前部に設けた電動モータ51と、装置本体の前部に回動可能に軸支され、電動モータ51の駆動によって回動する回動軸52と、回動軸52に設けられた回動部53と、回動軸52に回動可能に軸支されて、起立姿勢の傾動基板の後面を傾斜姿勢となるように押動する押動アーム54とを備え、回動部53には押動アーム54に係合して、回動部53の回動を押動アーム54に伝達する伝達ピン53aを設けるとともに、押動アーム54には伝達ピン53aがその回動方向にて移動可能に係合され、伝達ピン53aが回動方向における一方の端部に係合した状態にて押動アーム54を前方に突き出るように回動させる伝達凹部54aを設けた。【選択図】図4

Description

本発明は、飲料を注出する飲料注出装置に関し、特に、受台傾動装置により傾動基板を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させることで、受台に載置したグラス等の容器を傾斜させた状態とし、傾斜させた容器に注出ノズルから飲料を注出する飲料注出装置に関する。
ビール等の発泡性飲料をグラス等の容器に注ぐときには、容器を斜めに傾けた状態としてその内周面に沿って発泡性飲料を注ぐようにして、発泡性飲料が容器内で過剰に泡立つのを抑えるように注ぐと、発泡性飲料の味が良好となることが知られている。特許文献1には、ビール等の発泡性飲料を自動注出するのに適した飲料注出装置が開示されている。この飲料注出装置は、装置本体の前面上部に設けた注出コックと、注出コックの操作レバーを傾動させるコック駆動装置と、注出コックの下側にてその上端部が装置本体の前面に傾動可能に軸架された傾動基板の前側に飲料を受けるジョッキ等の容器を載置する受台を有した容器受台装置と、電動モータの駆動によって前方に回動する押動アームによって傾動基板の後面を押動し、傾動基板の下端部を前方に押し上げて傾動基板を後側に傾動させる受台傾動装置とを備えている。この飲料注出装置で飲料を注出するときには、受台傾動装置により傾動基板の下端部を前方に押し上げることで受台に載置した容器を前後方向に傾斜させた状態とし、コック駆動装置により操作レバーを傾動させて注出ノズルから傾斜させた容器に飲料を注ぎ出すようにすると、注出ノズルから注ぎ出される飲料は傾斜させた容器の内周面上部から底部に沿って流下するように泡立つことなく注出される。
特許第4250313号公報
上記のような特許文献1に記載の飲料注出装置においては、受台傾動装置は、電動モータの駆動によって前方に突き出るように回動する押動アームを備えている。押動アームを前方に突き出るように回動させると、傾動基板はその下端部が装置本体の前部から前方に押し上げられて後側に傾動し、容器受台装置の受台に載置したジョッキ等の容器は傾動基板とともに起立姿勢から傾斜姿勢となる。押動アームを装置本体の前部に退避させるように逆方向に回動させると、傾動基板はその下端部が装置本体の前部に沿うように戻って起立し、受台に載置したジョッキ等の容器は傾斜姿勢から起立姿勢に戻る。受台傾動装置によって押動アームを前方に突き出るように回動させた後で、押動アームの後側にフォーク等の細長い食器が挟まった状態で、押動アームを装置本体の前部に退避させるように回動させると、押動アームが装置本体の前部に退避できず、押動アームまたは装置本体の前部が破損するおそれがあった。本発明は、飲料注出装置において、受台傾動装置の押動アームまたは装置本体の前部を破損しにくくすることを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、装置本体の前部に設けられて、弁機構部を開放することにより注出ノズルから飲料を注出する注出コックと、注出コックの下側にて装置本体の前部に水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板と、この傾動基板の前側に取り付けられて注出コックから注出される飲料を受ける容器を載置する受台とを有する容器受台装置と、装置本体の前部に設けられて、傾動基板を起立した起立姿勢と傾斜した傾斜姿勢との間で傾動させる受台傾動装置とを備え、受台傾動装置によって傾動基板を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させることで受台に載置した容器を傾斜させ、この傾斜させた容器に弁機構部を開放することによって飲料を注出する飲料注出装置であって、受台傾動装置は、装置本体の前部に設けた電動モータと、装置本体の前部に回動可能に軸支され、電動モータの駆動によって回動する回動軸と、回動軸に設けられて、回動軸の回動によって回動する回動部と、回動軸に回動可能に軸支されて、回動部の回動を受けて装置本体の前部に退避した位置から前方に突き出るように回動することで、起立姿勢の傾動基板の後面を傾斜姿勢となるように押動する押動アームとを備え、回動部には押動アームに係合して、回動部の回動を押動アームに伝達する伝達ピンを設けるとともに、押動アームには伝達ピンがその回動方向にて移動可能に係合され、伝達ピンが回動方向における一方の端部に係合した状態にて押動アームを前方に突き出るように回動させる伝達凹部を設けたこと特徴とする飲料注出装置を提供するものである。
上記のように構成した飲料注出装置においては、受台傾動装置の電動モータを正回転で駆動させて回動軸を正回転で回動させると、回動軸とともに回動する回動部の伝達ピンが回動方向における押動アームの伝達凹部の一方の端部に係合して、押動アームは装置本体の前部に退避した位置から前方に突き出るように回動する。受台傾動装置の電動モータを逆回転で駆動させて回動軸を逆回転で回動させると、回動方向における伝達凹部の一方の端部に係合している伝達ピンが伝達凹部の他方に移動しようとし、押動アームは伝達凹部の一方の端部に係合している伝達ピンとともに自重によって装置本体の前部に退避する位置に戻る。このとき、押動アームと装置本体との間にフォーク等の細長い食器が挟まったとしても、伝達ピンが伝達凹部の一方の端部から他方に移動することで、押動アームは装置本体の前部に退避するように回動しないようになり、押動アームまたは装置本体の前部が破損しにくくなる。
上記のように構成した飲料注出装置においては、押動アームの先端部には錘を付設するのが好ましい。このようにしたときには、押動アームは先端部の錘の自重によって前方に突き出た位置から装置本体の前部に退避した位置に戻る力が付与されるので、押動アームを前方に突き出るように回動させた後で、電動モータを逆回転で駆動させて回動軸とともに回動部を逆回転で回動させたときに、押動アームが前方に突き出た位置に残ることなく装置本体の前部に退避するように戻りやすくなった。また、上記のように構成した飲料注出装置の他の実施形態においては、受台傾動装置は押動アームを装置本体の前部に退避するように付勢する付勢部材を設けるのが好ましい。このようにしたときにも、押動アームは付勢部材の付勢力によって前方に突き出た位置から装置本体の前部に退避した位置に戻る力が付与されるので、押動アームを前方に突き出るように回動させた後で、電動モータを逆回転で駆動させて回動軸とともに回動部を逆回転で回動させたときに、押動アームが前方に突き出た位置に残ることなく装置本体の前部に退避するように戻りやすくなった。
本発明による飲料注出装置の一実施形態の斜視図である。 図1の装置本体の前部に設けた各部品を分解した斜視図である。 図1の前後方向に沿った縦方向断面図である。 取付板と受台傾動装置の分解斜視図である。 装置本体の前部にて容器受台装置と受台傾動装置とを示す一部拡大縦方向断面図であり、押動アームが装置本体の前部に退避して傾動基板が起立姿勢にあるとき(a)、押動アームが前方に突出して傾動基板が傾斜姿勢にあるとき(b)の一部拡大縦方向断面図である。 押動アームの先端部に錘を付設した実施形態の図4に相当する分解斜視図である。 回動軸にねじりばねを設けた実施形態の図4に相当する分解斜視図である。
以下に、本発明による飲料注出装置の一実施形態を図面を参照して説明する。本発明の飲料注出装置10は注出コック20からグラスやジョッキ(容器)にビール(飲料)を自動注出するものであり、特に、グラスやジョッキ内でビールが過剰に泡立つのを防ぐように注出するものである。図1及び図2に示したように、この実施形態の飲料注出装置10は、注出コック20、コック操作装置30、容器受台装置40及び受台傾動装置50を含む自動注出ユニット12L,12Rを左右に2つ備えている。自動注出ユニット12L,12Rは左右同一のものであるので以後の説明では一方のみを説明する。
図3に示したように、飲料注出装置10は、装置本体11内の上部に冷却水槽13と、装置本体11の下部の機械室に冷却水槽13内の冷却水を冷却する冷凍装置14とを内蔵している。冷却水槽13内には飲料冷却管15が設けられており、飲料冷却管15の導入端部には装置本体11の外部に設けたビア樽(図示しない)が接続され、飲料冷却管15の導出端部15aには装置本体11の上部に設けた注出コック20が接続されている。なお、ビア樽にはガスボンベ(図示しない)が接続されており、ビア樽のビールはガスボンベの炭酸ガスの圧力によって飲料冷却管15に送られるようになっている。
図2及び図3に示したように、装置本体11の前部には注出コック20が取り付けられ、装置本体11の前部には装置本体11の前部に固定された取付板16を介してコック操作装置30と、容器受台装置40と、受台傾動装置50とが取り付けられている。また、装置本体11の前部には取付板16の前側にカバー17が設けられており、カバー17により受台傾動装置50が覆われている。カバー17には上下方向の中間部に上下に延びる貫通孔よりなるスリット17aが形成されており、このスリット17aから受台傾動装置50の押動アーム54が前方に突出可能となっている。
図3に示したように、注出コック20は、グラスまたはジョッキにビールを注出するものであり、弁機構部21aを内蔵した筒状の本体部21の上部に操作レバー22と、下部に注出ノズル23(23a,23b)とを備えている。本体部21の弁機構部21aは開放状態とすることによって注出ノズル23にビールを導くものである。また、弁機構部21aは、液用開放状態とすることで液用の注出ノズル23bに液状態のビールを導き、泡用開放状態とすることで泡用の注出ノズル23aに泡状態のビールを導くようになっている。操作レバー22は弁機構部21aを閉止状態と開放状態との開閉操作を行うためのものである。操作レバー22は、垂直に起立した起立位置にあるときには弁機構部21aを閉止状態とし、前方に傾動(前傾)させると弁機構部21aを液用開放状態とし、後方に傾動(後傾)させると弁機構部21aを泡用開放状態とする。注出ノズル23は弁機構部21aを通過したビールをグラスに注出するものであり、本体部21の下部の前部にビールを泡状態で注出する泡用の注出ノズル23aと、本体部21の下部の後部にビールを液状態で注出する液用の注出ノズル23bとを備えている。
図3に示したように、コック操作装置30は注出コック20の弁機構部21aを開閉操作させるためのものである。コック操作装置30の筐体31内には注出コック20の操作レバー22を前後に傾動させる操作機構部32が設けられており、操作機構部32は操作レバー22を前後に傾動させることによって弁機構部21aを開閉操作させる。操作機構部32はサーボモータ33と、前後に移動可能に支持されたスライダ34とを備えている。操作機構部32は、サーボモータ33の駆動によってスライダ34を前後に移動させ、前後に移動するスライダ34によって操作レバー22を前後に傾動させて、弁機構部21aを開閉操作させるものである。
図3に示したように、容器受台装置40は、注出コック20から注出されるビールをグラスまたはジョッキ内にできるだけ泡立つことのないように注出するために、グラスまたはジョッキを前後方向に傾斜させるためのものである。容器受台装置40は、装置本体11の前部の取付板16に固定されたブラケット41と、ブラケット41にその上端部が水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板42と、傾動基板42に取り付けた受台43(43a,43b)とを備えている。ブラケット41の左右のアーム41aは取付板16からカバー17の前側に突出しており、傾動基板42はカバー17の前側にて水平軸線回りに傾動可能に軸架されている。傾動基板42は後述する受台傾動装置50の押動アーム54によって後面が押動されると下端部が斜め前方に押し上げられるように軸架されている。受台43は傾動基板42の上下方向の中間部と下部とに上下2段に取り付けた受台43a,43bを備えている。上段の受台43aは主としてグラス等の小型の容器を載置するものであり、下段の受台43bは主としてグラスよりも容量の多いジョッキ等の大型の容器を載置するものである。
上段の受台43aは傾動基板42に対して水平軸線回りに回動可能に支持されており、下段の受台43bにジョッキ等の大型の容器を載置するときには、上段の受台43aを前方に突出した使用位置から傾動基板42に沿う退避位置まで退避させる。装置本体11の前部には上段または下段の受台43a,43bが使用状態であることを検知する検知器44が設けられており、検知器44はこの実施形態ではリードスイッチ等の近接センサを用いている。上段の受台43aの側部には検知器44より検知される被検知部材として磁石45が設けられており、磁石45は上段の受台43aが退避位置に退避したときに検知器44に近接するようになっている。具体的には、グラスを載置するときのように、上段の受台43aが傾動基板42から前方に突出した使用位置にあるときには、磁石45は検知器44から離間しており、検知器44は磁石45が離間していることでオフ信号を出力し、上段の受台43aが使用状態であることを検知する。これに対し、下段の受台43bにジョッキを載置するときのように、上段の受台43aが傾動基板42に沿う退避位置にあるときには、磁石45は検知器44に近接しており、検知器44は磁石45が近接していることでオン信号を出力し、下段の受台43bが使用状態であることを検知する。
図2〜図5に示したように、受台傾動装置50は、傾動基板42を起立姿勢から傾斜姿勢に傾動させ、傾斜姿勢から起立姿勢に復帰させるものである。図4に示したように、受台傾動装置50は、装置本体11の前部の取付板16に設けた電動モータ51と、装置本体11の前部の取付板16に回動可能に軸支された回動軸52とを備えている。電動モータ51はこの実施形態では減速機構付のステッピングモータを採用しており、後述する制御装置60から出力されるパルス信号の信号数に応じた回動角度(回転角度)で回動するものである。電動モータ51を制御装置60の制御によって駆動させると、回動軸52は電動モータ51の駆動に応じて所定角度で回動する。
図4に示したように、回動軸52には円板形をした回動部53が固定されているとともに、押動アーム54が回動自在に軸支されている。回動部53は回動軸52と一体的に回動し、回動軸52の回動を押動アーム54に伝達するものである。回動部53には伝達ピン53aが突設されており、回動軸52及び回動部53の回転は伝達ピン53aによって押動アーム54に伝達される。押動アーム54は傾動基板42の後面を押動して、傾動基板42を起立姿勢と傾斜姿勢との間で傾動させるものである。押動アーム54は装置本体11の前部に退避した位置と前方に突き出る位置との間で回動可能となっており、傾動基板42は押動アーム54が装置本体11の前部に退避した位置にあるときに起立姿勢となり、前方に突き出る位置に回動すると傾斜位置に回動する。押動アーム54には伝達ピン53aがその回動方向にて移動可能に係合され、伝達ピン53aが回動方向における一方の端部(この実施形態では前側の端部)に係合した状態にて押動アーム54を前方に突き出るように回動させる伝達凹部54aが形成されている。伝達凹部54aはこの実施形態では伝達ピン53aの回動方向となる円弧形をしたスリット(長孔)よりなり、伝達凹部54aには伝達ピン53aが移動可能に挿通されている。伝達ピン53aは電動モータ51の駆動によって回動軸52と回動部53とともに回動し、押動アーム54は伝達凹部54aの前側の端部(回動方向における一方の端部)に係合する伝達ピン53aとともに回動する。
図3に示したように、飲料注出装置10は、グラス等の容器にビールを自動注出するのを制御する制御装置60を備えており、制御装置60は、コック操作装置30(特にサーボモータ33)、検知器44及び受台傾動装置50(特に電動モータ51)に接続されている(図3では接続関係についての記載を省略している)。制御装置60は内蔵するマイクロコンピュータによりメモリに記憶させた自動注出プログラムを実行すると、コック操作装置30の作動を制御して操作レバー22を一定時間傾動させることで弁機構部21aを開放させて、注出コック20の注出ノズル23からグラスまたはジョッキに所定量のビールを注出させる。また、ビールを注出させるのに対応して、受台傾動装置50の電動モータ51の作動を制御して、容器受台装置40の傾動基板42及び受台43に載置したグラスまたはジョッキの姿勢を制御している。制御装置60は、電動モータ51の回転角度または回転の回数を制御するためのパルス信号を発信するパルス発生器を有した電動モータ制御部61を備えており、電動モータ制御部61によって電動モータ51の回転角度(回転の回数)が制御されている。
図1及び図2に示したように、コック操作装置30の筐体31の前面には飲料注出装置10の操作をするための操作パネル70が設けられている。操作パネル70には、各種操作ボタンとして、自動注出操作ボタン71と、注出停止ボタン72とを備えている。また、操作パネル70にはカバー73が開閉自在に設けられており、操作パネル70のカバー73に覆われた部分には他の操作ボタンと表示部(何れも図示省略)が配置されている。
上記のように構成した飲料注出装置10の自動注出プログラムの作動について説明する。装置本体11内の冷却水槽13内の冷却水は冷凍装置14により冷却されている。グラスにビールを注出するときには、上段の受台43aを使用位置にして、上段の受台43aにグラスを載置し、ジョッキにビールを注出するときには、上段の受台43aを退避位置にして下段の受台43bにジョッキを載置する。上段の受台43aが傾動基板42から前方に突出しているときには、上段の受台43aの側部の磁石45が検知器44から離間しており、検知器44は上段の受台43aが使用状態であることの検知であるオフ信号を制御装置60に出力している。これに対し、上段の受台43aが傾動基板42に沿って退避しているときには、上段の受台43aの側部の磁石45が検知器44に近接しており、検知器44は下段の受台43bが使用状態であることの検知であるオン信号を制御装置60に出力している。
制御装置60は、操作パネル70の自動注出操作ボタン71のオン操作の入力に基づいて自動注出プログラムを実行すると、制御装置60は電動モータ制御部61による制御に基づいて、図5(b)に示したように、受台傾動装置50の電動モータ51を正回転で駆動させて回動軸52と回動部53を正回転で回動させると、回動部53の回動は伝達凹部54aの前側の端部(一方側の端部)に係合した伝達ピン53aによって押動アーム54に伝達され、押動アーム54は装置本体11の前部に退避した位置から前方に突き出る位置に回動し、容器受台装置40の傾動基板42は起立姿勢から傾斜姿勢に傾動する。傾動基板42が傾斜姿勢になると、受台43a,43bに載置したグラスまたはジョッキは傾動基板42とともに傾斜して傾斜姿勢となる。制御装置60は、検知器44による検知に基づいてコック操作装置30によりグラスまたはジョッキに対応した時間で操作レバー22を前方に傾動させる。注出コック20の弁機構部21aはグラスまたはジョッキに対応した時間で液用に開放され、液用の注出ノズル23bから傾斜させたグラスまたはジョッキに液状態のビールが注出される。
液状態のビールを注出すると、制御装置60は、コック操作装置30により操作レバー22を起立位置に戻し、弁機構部21aを閉止状態とすることで、注出コック20からビールの注出を停止させる。また、制御装置60は電動モータ制御部61による制御に基づいて、図5(a)に示したように、受台傾動装置50の電動モータ51を逆回転で駆動させて回動軸52と回動部53を逆回転で回動させると、回動部53の伝達ピン53aは伝達凹部54aの前側の端部(回動方向における一方の端部)から後側(他方)に回動しようとし、押動アーム54は伝達凹部54aの前側の端部(回動方向における一方の端部)に係合している伝達ピン53aとともに自重によって装置本体11の前部に退避する位置まで回動し、容器受台装置40の傾動基板42は傾斜姿勢から起立姿勢に戻る。次に、制御装置60は、検知器44による検知に基づいてコック操作装置30によりグラスまたはジョッキに対応した時間で操作レバー22を後方に傾動させる。注出コック20の弁機構部21aはグラスまたはジョッキに対応した時間で泡用に開放され、泡用の注出ノズル23aからグラスまたはジョッキに泡状態のビールが注出される。グラスまたはジョッキに対応した時間での泡状態のビールの注出が終了すると、制御装置60は、コック操作装置30により操作レバ−22を起立位置に戻し、注出コック20の弁機構部21aを再び閉止状態とする。
上記のように構成した飲料注出装置10においては、受台傾動装置50の電動モータ51を正回転で駆動させて回動軸52を正回転で回動させると、回動軸52とともに回動する回動部53の伝達ピン53aが押動アーム54の伝達凹部54aの前側の端部(回動方向における一方の端部)に係合して、押動アーム54は装置本体11の前部に退避した位置から前方に突き出るように回動する。受台傾動装置50の電動モータ51を逆回転で駆動させて回動軸52を逆回転で回動させると、伝達凹部54aの前側の端部(回動方向における一方の端部)に係合している伝達ピン53aが伝達凹部54aの後側(回動方向の他方)に移動しようとし、押動アーム54は伝達凹部54aの前側の端部に係合している伝達ピン53aとともに自重(及びジョッキ等の容器を載置した容器受台装置40の重さ)によって装置本体11の前部に退避する位置に戻る。このとき、押動アーム54と装置本体11との間にフォーク等の細長い食器が挟まったとしても、伝達ピン53aが伝達凹部54aの前側の端部から後側(回動方向における一方の端部から他方)に移動することで、押動アーム54が無理に装置本体11の前部に退避するように回動せずに、押動アーム54または装置本体11の前部(特にカバー17)が破損しにくくなった。なお、伝達凹部54aは円弧形のスリット(長孔)としたが、本発明はこれに限られるものでなく、例えば円弧形の溝等であってもよいし、伝達ピン53aが回動方向にて退避できるように移動可能となっていれば他の形状であってもよい。
また、この飲料注出装置10においては、図6に示したように、押動アーム54の先端部には錘55を付設するのが好ましい。このようにしたことで、押動アーム54は先端部の錘55の自重によって前方に突き出た位置から装置本体11の前部に退避した位置に戻る力が付与される。これにより、受台43にジョッキ等の容器を載置してないような状態で、押動アーム54を前方に突き出るように回動させた後に、電動モータ51を逆回転で駆動させて回動軸52とともに回動部53を逆回転で回動させても、押動アーム54が前方に突き出た位置に残ることなく装置本体11の前部に退避するように戻りやすくなった。
また、この飲料注出装置10の他の実施形態においては、図7に示したように、受台傾動装置50は押動アーム54を装置本体11の前部に退避するように付勢する付勢部材としてねじりばね56を回動軸52に設けるのが好ましい。このようにしたことで、押動アーム54はねじりばね56の付勢力によって前方に突き出た位置から装置本体11の前部に退避した位置に戻る力が付与される。これにより、受台43にジョッキ等の容器を載置してないような状態で、押動アーム54を前方に突き出るように回動させた後に、電動モータ51を逆回転で駆動させて回動軸52とともに回動部53を逆回転で回動させても、押動アーム54が前方に突き出た位置に残ることなく装置本体11の前部に退避するように戻りやすくなった。なお、付勢部材としてねじりばね56を採用したが、これに限られるものでなく、例えば装置本体11の前部と押動アーム54の先端部との間にゴムやコイルスプリング等の付勢部材を設け、押動アーム54を装置本体11の前部に戻るように付勢するようにしたものであってもよい。
上記のように構成した飲料注出装置10は、飲料としてビールのような発泡性飲料を注出するものに適したものであるが、本発明の飲料注出装置は発泡性飲料を注出するのに限られるものでなく、酎ハイ、炭酸飲料、ソフトドリンク等の他の非発泡性の飲料にも適用できるものであり、これらの飲料を注出するものであっても上述したのと同様の作用効果を得ることができる。
上記のように構成した飲料注出装置10においては、注出ノズル23は泡用の注出ノズル23aと液用の注出ノズル23bとからなるが、本発明はこれに限られるものでなく、1つの注出ノズル23から液状態及び泡状態の発泡性飲料を注出するようにしたものであってもよく、このようにしたときにも上述したのと同様の作用効果を得ることができる。また、ソフトドリンクのように発泡性のない飲料を注出するときであれば、注出ノズル23の弁機構部21aを液用にのみ開放させるようするのが好ましい。
10…飲料注出装置、11…装置本体、20…注出コック、21a…弁機構部、40…容器受台装置、42…傾動基板、43(43a,43b)…受台、50…受台傾動装置、51…電動モータ、52…回動軸、53…回動部、53a…伝達ピン、54…押動アーム、54a…伝達凹部、55…錘、56…付勢部材(ねじりばね)。

Claims (3)

  1. 装置本体の前部に設けられて、弁機構部を開放することにより注出ノズルから飲料を注出する注出コックと、
    前記注出コックの下側にて前記装置本体の前部に水平軸線回りに傾動可能に軸架された傾動基板と、この傾動基板の前側に取り付けられて前記注出コックから注出される飲料を受ける容器を載置する受台とを有する容器受台装置と、
    前記装置本体の前部に設けられて、前記傾動基板を起立した起立姿勢と傾斜した傾斜姿勢との間で傾動させる受台傾動装置とを備え、
    前記受台傾動装置によって前記傾動基板を前記起立姿勢から前記傾斜姿勢に傾動させることで前記受台に載置した容器を傾斜させ、この傾斜させた容器に前記弁機構部を開放することによって飲料を注出する飲料注出装置であって、
    前記受台傾動装置は、前記装置本体の前部に設けた電動モータと、前記装置本体の前部に回動可能に軸支され、前記電動モータの駆動によって回動する回動軸と、前記回動軸に設けられて、前記回動軸の回動によって回動する回動部と、前記回動軸に回動可能に軸支されて、前記回動部の回動を受けて前記装置本体の前部に退避した位置から前方に突き出るように回動することで、前記起立姿勢の前記傾動基板の後面を前記傾斜姿勢となるように押動する押動アームとを備え、
    前記回動部には前記押動アームに係合して、前記回動部の回動を前記押動アームに伝達する伝達ピンを設けるとともに、前記押動アームには前記伝達ピンがその回動方向にて移動可能に係合され、前記伝達ピンが前記回動方向における一方の端部に係合した状態にて前記押動アームを前方に突き出るように回動させる伝達凹部を設けたことを特徴とする飲料注出装置。
  2. 請求項1に記載の飲料注出装置において、
    前記押動アームの先端部には錘を付設したことを特徴とする飲料注出装置。
  3. 請求項1に記載の飲料注出装置において、
    前記受台傾動装置は前記押動アームを前記装置本体の前部に退避するように付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする飲料注出装置。
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