JP2018123312A - 複合粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】展延性に優れ、付着性が高く、白色隠ぺい性が高い複合粒子を提供する。【解決手段】チタニアで樹脂粒子(A)が被覆された複合粒子であって、樹脂粒子(A)が、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体をカチオン性官能基を有するラジカル重合開始剤(B11)の存在下で重合させてなる重合体(P)を含む樹脂粒子であり、複合粒子の平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLである複合粒子を用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、複合粒子に関するものである。
従来より、化粧品用途の顔料としては、素肌のくすみやしみ、そばかす、赤味、目の回りのくま等の色彩的な欠陥を補正するために、隠ぺい性及び白色着色性が高い酸化チタンが使用されている。
近年、化粧品の展延性や付着性などの使用感などが多分に重視される一方、多様な要望機能との兼ね合いから、実際の製品処方も複雑化している。酸化チタン粒子は白色隠ぺい性などの光学的特性、耐薬品性に優れる一方で、粒子の製法上の理由から粒子形状が異形である、粒度分布が広いという性質があり、粒子自体の摩擦係数が高いため化粧品の展延性が乏しいという課題がある。
また、粒子比重が高く嵩比重も高くなることから、ファンデーション用途等ではコンパクトケーキからスポンジに粉を移し取る際に堅さを感じるなどの使用感が乏しいという問題があった。
これらの課題に対して、酸化チタン表面を低摩擦抵抗の材料で改質した方法(特許文献1)、四塩化チタンを気相中で酸素及び水素と接触させ酸化させる気相法により球形化させる方法(特許文献2)などが提案されている。しかしながら、摩擦抵抗においては、形状因子の影響が大きいため、酸化チタンの表面改質のみでは依然として摩擦抵抗が大きく、不十分である。また、特異な製法による形状制御も球形化に限界がある。また、そもそも酸化チタン自体の真比重が非常に大きいため、嵩密度は依然と大きいままで、付着性も十分発現できないという課題がある。
特開2014−84251号公報 特開2001−151509号公報
そこで本発明は、展延性に優れ、付着性が高く、白色隠ぺい性が高い複合粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、以下のことを見出した。
すなわち本発明は、
チタニアで樹脂粒子(A)が被覆された複合粒子であって、樹脂粒子(A)が、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体とする重合体(P)を含む樹脂粒子であり、複合粒子の平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLである複合粒子;並びにチタニアで樹脂粒子(A)が被覆された複合粒子の製造方法であって、樹脂粒子(A)が、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)をカチオン性官能基を有するラジカル重合開始剤(B11)の存在下で重合させてなる重合体(P)を含む樹脂粒子であり、複合粒子の平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLである複合粒子の製造方法である。
本発明の複合粒子は、展延性に優れ、付着性が高く、白色隠ぺい性が高いという効果を奏する。
本発明における複合粒子は、平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLであるチタニアが樹脂粒子(A)を被覆した複合粒子である。
本発明における複合粒子の平均円形度は0.8〜1.0である。平均円形度が0.8未満であると、展延性に問題がある。
複合粒子の平均円形度は、展延性の観点から、好ましくは0.85〜1.0である。
複合粒子の平均円形度は、50個の粒子について、画像解析ソフトウェアWIN−LOOFを用いて画像解析した値の平均値であり、画像は走査型電子顕微鏡(SEM(Scanning Electron Microscope))を用いて解析した粒子画像を5万倍拡大した画像である。
尚、平均円形度は、0<平均円形度≦1であり、真円は1となり、楕円や不規則形状の場合は平均円形度<1となる。
複合粒子の平均円形度は、使用する樹脂粒子(A)の平均円形度の選択、使用する樹脂粒子(A)のゼータ電位の選択、樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)に対するチタニアの体積比率、樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)の2次粒子径により調整することができる。
具体的には、平均円形度が大きい樹脂粒子(A)を使用する、使用する樹脂粒子(A)のゼータ電位を+側により高くする、樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)に対するチタニアの体積比率を低くする、樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)の2次粒子径を小さくすることで複合粒子の平均円形度を大きくすることができる。
本発明における複合粒子のタップ密度は0.25〜1.5g/mLである。この範囲を外れると、付着性に問題がある。0.25g/mL以上であれば、複合粒子の展延性が良好で、1.5g/mL以下であれば複合粒子の付着体積を増加することができる。
複合粒子のタップ密度は、展延性及び付着性の観点から、好ましくは0.25〜1.0g/mLである。
複合粒子のタップ密度は、50mLのガラス製メスシリンダーに複合粒子を5.0g量りとり、2mm厚のゴムシート上でタップ高さ4cmで100回タップした後の体積(V)から、次式で計算できる。
タップ密度(g/mL)=5.0/V
タップ密度は、複合粒子の平均円形度、複合粒子の真比重を調整することにより調整することができる。複合粒子の平均円形度は前項に記載の方法で調整できる。
複合粒子の真比重は樹脂粒子(A)の真比重の選択、及び樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)に対するチタニアの体積比率により調整することができる。
具体的には、樹脂粒子(A)の真比重を低くする、樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する際の樹脂粒子(A)に対するチタニアの体積比率を低くすることで複合粒子のタップ密度を小さくすることができる。
本発明における樹脂粒子(A)を被覆するチタニアとしては、特に限定は無いが、従来知られている次の反応を使用することで形成される二酸化チタンが含まれる。
なお、被覆物質としてチタニアを用いることにより光散乱力に優れ、白色隠ぺい性が良好となり、チタニア以外の例えば酸化ケイ素を用いるとチタニアよりも屈折率が低いために光散乱力が低下し、白色隠ぺい性が劣る。
樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する方法として具体的には、
(i)樹脂粒子(A)の存在下、液相中にチタンアルコキシドと水を溶解させ、ゾルゲル反応を行うことにより、ゾルゲル反応により生成した微小粒子が粒子表面に吸着し、層形成させることで、チタニアを樹脂粒子(A)に被覆する方法、
(ii)樹脂粒子(A)の存在下、液相中で加熱により金属塩の還元析出反応を行い、析出した微小粒子が粒子表面に吸着し層形成させることでチタニアを樹脂粒子(A)に被覆する方法等が挙げられる。
これらのうち、形成された層の機械強度の観点から、(i)の方法が好ましい。
なお、チタンアルコキシドとして好ましいものは、後述するチタンアルコキシド(G)と同様である。
本発明における樹脂粒子(A)としては、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体とする重合体(P)を含む樹脂粒子が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する単量体(a)としては例えば以下のものが挙げられ、一種を用いてもよく、二種類以上を併用しても良い。
エチレン性不飽和基を有する脂肪族炭化水素単量体(a1):
エチレン性不飽和を有する鎖状炭化水素:アルケン(例えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等);炭素数4〜30のアルカジエン(例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)。
エチレン性不飽和基を有する環状炭化水素:モノ又はジシクロアルケン(例えばシクロヘキセン、ビニルシクロヘキセン及びエチリデンビシクロヘプテン等)及びモノ又はジシクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン等]等。
エチレン性不飽和基を有する芳香族炭化水素単量体(a2):
スチレン;スチレンのハイドロカルビル(炭素数1〜30のアルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体(例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン及びトリビニルベンゼン等);及びビニルナフタレン等。
カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する単量体及びそれらの塩(a3):
不飽和モノカルボン酸{例えば(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等};不飽和ジカルボン酸(無水物)[例えば(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸及びメサコン酸等];及びの不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)等。
(a3)において、カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する単量体の塩において、塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩及びマグネシウム塩等)、アンモニウム塩、第1〜3級アミン塩及び第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
(a3)において、第1〜3級アミン塩としては、第1〜3級アミノ基含有化合物との塩であれば特に限定されないが、例えば、炭素数1〜18のアルキル基を有するものが含まれ、複数のアルキル基を有する場合、アルキル基は同じでも異なっていてもよく、具体的には、第1級アミン塩(エチルアミン塩、ブチルアミン塩及びオクチルアミン塩等)、第2級アミン(ジエチルアミン塩及びジブチルアミン塩等)、第3級アミン(トリエチルアミン塩及びトリブチルアミン塩等)が挙げられる。
第4級アンモニウム塩としては、炭素数1〜18のアルキル基を有するものが含まれ、アルキル基は同じでも異なっていてもよく、具体的には、テトラエチルアンモニウム塩、
トリエチルラウリルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩及びトリブチルラウリルアンモニウム塩等が挙げられる。
(a3)において、カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する単量体の塩として、具体的には、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、マレイン酸モノナトリウム、マレイン酸ジナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、マレイン酸モノカリウム、アクリル酸リチウム、アクリル酸セシウム、アクリル酸アンモニウム、アクリル酸カルシウム及びアクリル酸アルミニウム等が挙げられる。
リン酸基又はホスホノ基とエチレン性不飽和基を有する単量体及びその塩(a4):
(メタ)アクリロイルオキシアルキルリン酸モノエステル(例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート及びリン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホン酸(例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸等)。
なお、塩としては、カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有する単量体を構成する塩(a3)として例示したもの挙げられる。
ヒドロキシル基とエチレン性不飽和基を有する単量体(a5):
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル及び庶糖アリルエーテル等。
カチオン性官能基とエチレン性不飽和基を有する含窒素単量体(a6):
以下の(a61)〜(a63)が挙げられる。
(a61)アミノ基とエチレン性不飽和基を有する単量体:
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロール、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール及びこれらの塩等。
(a62)アミド基とエチレン性不飽和基を有する単量体:
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N’−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド及びN−ビニルピロリドン等。
(a63)アンモニウム基とエチレン性不飽和基を有する単量体
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド及びジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド及びジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの等)、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロキシ基とトリアルキルアンモニオ基を有する化合物{(メタ)アクリロキシエチルアミノカルボニルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトサルフェート塩}等。
これらのうち、樹脂粒子(A)のゼータ電位を適度にする観点から、(a61)アミノ基とエチレン性不飽和基を有する単量体、(a63)アンモニウム基とエチレン性不飽和基を有する単量体及びN−ビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
さらに好ましくは アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノスチレン、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシ2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム塩化物、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム塩化物及びN−ビニルピロリドンからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
エチレン性不飽和基を有するラクタム型単量体(a7):
N−ビニルカプロラクタム等。
エチレン性不飽和基を有するラクトン型単量体(a8):
γ−ブチロラクトン(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等。
エポキシ基とエチレン性不飽和基を有する単量体(a9):
グリシジル(メタ)アクリレート及びp−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
ハロゲン元素とエチレン性不飽和基を有する単量体(a10):
塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロロスチレン、ブロムスチレン、ジクロロスチレン、クロロメチルスチレン、テトラフルオロスチレン及びクロロプレン等。
エチレン性不飽和基を有するエステル、エチレン性不飽和基を有するエーテル、エチレン性不飽和基を有するケトン及びエチレン性不飽和基を有する含硫黄化合物(a11):
以下の(a111)〜(a114)が挙げられる。
(a111)エチレン性不飽和基を有するエステル:
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート及びエイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の直鎖、分枝鎖又は脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等、ポリアルキレングリコール鎖とエチレン性不飽和基を有する単量体[ポリエチレングリコール[Mn=300]モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn=500)モノアクリレート、メチルアルコールEO10モル付加物(メタ)アクリレート及びラウリルアルコールEO30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート及びポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等]等が挙げられる。
(a112)エチレン性不飽和基を有するエーテル:
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、アセトキシスチレン及びフェノキシスチレン等が挙げられる。
(a113)エチレン性不飽和基を有するケトン:
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン及びビニルフェニルケトン等が挙げられる。(a114)エチレン性不飽和基を有する含硫黄化合物:
ジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルホン、ジビニルスルホン及びジビニルスルホキサイド等が挙げられる。
スルホ基とエチレン性不飽和基を有する単量体及びそれらの塩(a12):
スルホ基とエチレン性不飽和基を有する単量体及びそれらの塩の具体例としては、アルケンスルホン酸(例えばビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸及びメチルビニルスルホン酸等);
スチレンスルホン酸及びこのアルキル誘導体(例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;
硫酸エステル及びこの塩(例えばポリ)オキシアルキレン(C2〜4)エーテル(EO1〜200モル付加物等)のモノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(C2〜4、p=2〜200)モノ(メタ)アクリレート硫酸エステル塩等)、(メタ)アリルエステル[アルキル(C8〜24)(メタ)アリルスルホコハク酸エステル塩]、メタクリル酸プロピレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、アリルオキシメチルポリオキシエチレンヒドロキシアルキルエーテルの硫酸エステルアンモニウム塩);
スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレート(例えばスルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸及び3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等);
スルホ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリルアミド及びその塩[例えば(メタ)アクリルアミドアルカン(C1〜24)スルホン酸塩、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及び3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸等];
アルキルアリルスルホコハク酸(例えばプロピルアリルスルホコハク酸、ブチルアリルスルホコハク酸、2−エチルヘキシル−アリルスルホコハク酸等);
ポリ[n(重合度。以下同様。)=2〜200]オキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン等。オキシアルキレンは単独又は併用でもよく、併用する場合、付加形式はランダム付加でもブロック付加でもよい。)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[例えばポリ(n=5〜15)オキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステル及びポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]及びこれらの塩等が挙げられる。
これらの塩にはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、第1〜3級アミン塩及び第4級アンモニウム塩等が含まれる)等が挙げられる。
ニトリル基とエチレン性不飽和基を有する単量体(a13):
(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアクリレート等。
ニトロ基とエチレン性不飽和基を有する単量体(a14):
ニトロスチレン等。
これら単量体(a)のうち、粒子比重、粒子の造粒性、(A)へのチタニアの被覆効率及び被覆均質性の観点から、エチレン性不飽和基を有する脂肪族炭化水素単量体(a1)、エチレン性不飽和基を有する芳香族炭化水素単量体(a2)、カチオン性官能基とエチレン性不飽和基を有する含窒素単量体(a6)、及びこれらの併用が好ましく、さらに好ましくは(a2)、(a6)、これらの併用である。
特に、均質なチタニア被覆層を形成させる及び粒度分布を狭くする観点から、(a2)と(a6)を併用することが好ましい。
本発明において重合体(P)は、カチオン性官能基を有するラジカル重合開始剤(B11)の存在下でエチレン性不飽和基を有する単量体(a)を重合させてなる重合体であることが好ましい。
このような重合体(P)であることで、樹脂粒子(A)表面でチタンアルコキシドのゾルゲル反応を効率的に進めることができ、均質なチタニア被覆層を形成させることができるとともに、粒子間の凝集が抑制でき粒度分布が狭くなるので好ましい。
本発明で使用されるラジカル重合開始剤(B)としては、エチレン性不飽和単量体のラジカル重合開始剤として作用するものである限り、特に制限されないが、水溶性アゾ系重合開始剤(B1)、油溶性アゾ系重合開始剤(B2)、水溶性過酸化物系重合開始剤(B3)、有機過酸化物系重合開始剤(B4)が挙げられる。
水溶性アゾ系重合開始剤(B1):
カチオン性基を有する水溶性アゾ系重合開始剤(B11):
1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス[2−(N−フェニルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−[N−(4−クロロフェニル)アミジノ]プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−[N−(4−ヒドロキシフェニル)アミジノ]プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−ベンジルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(N−アリルアミジノ)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)アミジノ]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)二塩酸塩、2.2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミジド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミジド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミジド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジド)二水塩、4,4’−アゾビス−4−シアノバレイン酸、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミジド]等
アニオン性基を有する水溶性アゾ系重合開始剤(B12):
4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等。
ノニオン性基を有する水溶性アゾ系重合開始剤(B13):
2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]等。
油溶性アゾ系重合開始剤(B2):
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)及びジメチル2,2’−アゾビス(イソブチレート)等。
水溶性過酸化物系重合開始剤(B3):
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩、過酸化水素等の過酸化物等。
有機過酸化物系重合開始剤(B4):
ベンゾイルパーオキシド、クメンヒドロキシパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等。
これらのうち、樹脂粒子(A)の造粒性及びチタニア被覆層形成の均質性の観点から、カチオン性官能基を有するラジカル重合開始剤(B11)が好ましい。
樹脂粒子(A)を製造する方法としては、特に制限はないが、以下の〔1〕〜〔8〕が挙げられる。
〔1〕樹脂粒子(A)がエチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体とする重合体(P)を含む樹脂粒子である場合において、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応により媒体中で樹脂粒子(A)を製造する方法。
〔2〕樹脂粒子(A)がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はエポキシ樹脂等の重付加又は縮合系樹脂を含む樹脂粒子である場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして樹脂粒子(A)を作製する方法。
〔3〕樹脂粒子(A)がポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂又はエポキシ樹脂等の重付加又は縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましい。加熱により液状化してもよい)中に適当な乳化剤を溶解させた後、媒体を加えて転相乳化する方法。
〔4〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した重合体(P)を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することにより樹脂粒子(A)を得る方法。
〔5〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した重合体(P)を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂粒子(A)を得る方法。
〔6〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した重合体(P)を溶剤に溶解した樹脂溶液に貧溶剤を添加する又はあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂粒子(A)を析出させる方法。
〔7〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した重合体(P)を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で媒体中に分散させ、加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
〔8〕あらかじめ重合反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい)により作製した重合体(P)を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、媒体を加えて転相乳化する方法。
これらのうち、樹脂粒子(A)の粒子径及び粒度分布制御の観点から、〔1〕の方法が好ましい。
樹脂粒子(A)のゼータ電位は、チタニア被覆層の均質性の観点から、正であることが好ましく、さらに好ましくは+1〜+90mVである。
樹脂粒子(A)のゼータ電位は、ゼータ電位計(例えば大塚電子製「ELS−Z2」)で測定でき、エタノールを測定用媒質とした時のゼータ電位である。
樹脂粒子(A)の体積平均粒子径は、白色隠ぺい性の観点から、0.06〜2μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1μm、最も好ましい範囲は0.2〜0.5μmである。
樹脂粒子(A)の体積平均粒子径は、動的光散乱法(例えば堀場製作所製粒径測定装置LB−550など)により測定することができる。
樹脂粒子(A)の平均円形度は、展延性の観点から、0.8〜1.0が好ましく、さら
に好ましくは0.85〜1.0である。
樹脂粒子(A)の平均円形度は、上記複合粒子の平均円形度と同様の方法で測定することができる。
樹脂粒子(A)の平均円形度を上記範囲にする方法としては、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体とする重合体(P)を含む樹脂粒子を、媒体中で樹脂粒子(A)として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法又は分散重合法等の重合反応がある。
本発明の複合粒子は、チタニアが上記樹脂粒子(A)に被覆されたものである。
本発明の複合粒子において、チタニアを樹脂粒子(A)に被覆させる方法としては、特に限定は無いが、従来知られている次の反応を使用することができる。
樹脂粒子(A)をチタニアで被覆する方法として具体的には、(i)樹脂粒子(A)の存在下、液相中にチタンアルコキシドと水を溶解させ、ゾルゲル反応を行うことにより、ゾルゲル反応により生成した微小粒子が粒子表面に吸着し、層形成させることで、チタニアを樹脂粒子(A)に被覆する方法、(ii)樹脂粒子(A)の存在下、液相中で加熱により金属塩の還元析出反応を行い、析出した微小粒子が粒子表面に吸着し層形成させることでチタニアを樹脂粒子(A)に被覆する方法等が挙げられる。
これらのうち、形成された層の機械強度の観点から、(i)の方法が好ましい。
具体的には、樹脂粒子(A)が分散したチタンアルコキシドの有機溶剤(E)溶液中で、該チタンアルコキシドをゾルゲル反応により該樹脂粒子(A)の表面においてチタニアを生成させてチタニアを被覆させることができる。
ゾルゲル反応によりチタニアを被覆させる場合は、樹脂粒子(A)又は樹脂粒子(A)分散体を有機溶剤(E)中に分散させた溶液(F)に、チタンアルコキシド(G)、溶剤(J)及び必要により分散剤(H)を溶液(F)に添加して溶液(I)とし、ゾルゲル反応により樹脂粒子(A)にチタニアを被覆することができる。
有機溶剤(E)としては、従来用いられる有機溶剤を制限なく用いることができる。また、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶剤(E)としては、被覆層形成過程における樹脂粒子(A)及び複合粒子の分散性並びにチタニア被覆層形成の均質性の観点から、水を0.1重量%以上の濃度で溶解させることが可能な溶剤が好ましく、さらに好ましくはジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ニトロメタン、N−メチルピロリドン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、メタノール、エタノール、2−ブタノール、イソブタノール、酢酸及びジエチレングリコールジメチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、特に好ましくはエチレングリコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール及び2−メトキシエタノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
チタンアルコキシド(G)としては、4価のチタンにアルコキシド(RO-:Rは炭化
水素基を表す。)が4つ結合したものが含まれる。アルコキシドとしては、反応性及び生産性の観点から、炭素数1〜8の炭化水素基を有するアルコキシドが好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基を有するアルコキシドである。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくは分岐又は直鎖の脂肪族炭化水素基である。
炭素数1〜8の炭化水素基を有するアルコキシドとして具体的には、n−ブトキシド、t−ブトキシド、エトキシド、2−エチルヘキサオキシド、イソブトキシド、イソプロポキシド、メトキシド、n−プロポキシド等が挙げられる。
チタンアルコキシド(G)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、チタンアルコキシド(G)において、アルコキシドは全て同じでもよく、異なっていてもよい。
チタンアルコキシド(G)としては、反応性及び汎用性の観点から、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド及びチタンテトラエトキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、さらに好ましくはチタンテトライソプロポキシド及び/又はチタンテトラブトキシドである。
分散剤(H)としては、高分子系の分散安定剤を例示することができ、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシアルキレングリコール及びポリカルボン酸(塩)(ポリアクリル酸(塩)等)等が挙げられる。
これらのうち、分散安定性及び樹脂粒子(A)のゼータ電位の観点から、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリオキシアルキレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
さらに、分散剤(H)としては、樹脂粒子(A)の濡れ性を制御する観点から、ノニオン界面活性剤及び/又はカチオン界面活性剤を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系界面活性剤。
カチオン界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤及びアミン塩型カチオン界面活性剤等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムカチオン(各アルキル基の炭素数は好ましくは1〜18);ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(塩化ベンザルコニウム)等のベンジル基とアルキル基(炭素数は好ましくは1〜18)とを有するアンモニウムカチオン;セチルピリジニウムクロライド、オレイルピリジニウムクロライド等のピリジニウムカチオン;ポリオキシアルキレン基とアルキル基(炭素数は好ましくは1〜18)とを有するアンモニウムカチオンからなる第4級アンモニウム塩等が挙げられる。これらの第4級アンモニウム塩を構成するアニオンとしては、水酸イオン、ハロゲンイオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン)、硝酸イオン、亜硝酸イオン、メトサルフェートイオン、炭素数1〜8のカルボキシルアニオン(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘサキサン酸、乳酸、りんご酸又はグルコン酸等から誘導されるアニオン)等が使用できる。
アミン塩型カチオン界面活性剤としては、ラウリルアミンクロライド、ステアリルアミンブロマイド、セチルアミンメトサルフェート等の第1級アミン塩;ラウリルメチルアミンクロライド、ステアリルエチルアミンブロマイド、ジラウリルアミンメトサルフェート、ラウリルプロピルアミンアセテート等の第2級アミン塩;ラウリルジエチルアミンクロライド、ラウリルエチルメチルアミンブロマイド等の第3級アミン塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤のうち、樹脂粒子(A)の有機溶剤(E)への濡れ性、及び活性剤の有機溶剤(E)への溶解性の観点から、ノニオン界面活性剤が好ましい。
溶剤(J)としては、チタンアルコキシド(G)の溶解性に応じて適宜選択されるが、水及び有機溶剤(E)等が挙げられる。
溶液(I)において、チタンアルコキシド(G)と樹脂粒子(A)との重量比((G)/(A))は、目標とするチタニア被膜の厚さにより適宜選択されるが、白色隠ぺい性及び展延性の観点から、好ましくは0.01〜5であり、さらに好ましくは0.01〜1である。
溶液(I)において、樹脂粒子(A)の含有量は、複合粒子の平均円形度及び生産性の観点から、溶液(I)の重量を基準として、0.1〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.3〜25重量%である。
溶液(I)において、チタンアルコキシド(G)の含有量は、複合粒子の平均円形度及び白色隠ぺい性の観点から、溶液(I)の重量を基準として、0.1〜30重量%が好ましく、さらに好ましくは0.2〜15重量%である。
溶液(I)において、分散剤(H)の含有量は、複合粒子の平均円形度の観点から、溶液(I)の重量を基準として、0〜15重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜10重量%である。
複合粒子の体積平均粒子径は、白色隠ぺい性の観点から、0.07〜3μmが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.5μmである。
複合粒子の体積平均粒子径とは、23℃、55%RHの環境下において、堀場製作所製粒径測定装置LB−550で動的光散乱法により測定した50%体積平均粒子径の値である。
上記の複合粒子の製造方法で得られた複合粒子は、水、非水溶性有機溶媒、水溶性有機溶媒及び単量体(a)からなる群より選ばれる少なくとも1種に分散させることにより複合粒子分散液を得ることができる。
非水溶性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。
非水溶性有機溶媒としては、飽和又は不飽和の炭化水素系化合物とその環状化合物、長鎖のモノアルコールや多価アルコール、及び芳香族系化合物等に代表される水と相溶しない有機溶媒を用いることができる。
水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択できる。
例えば、モノアルコール、多価アルコール、ケトン、エステル、アミン、チオール及びピロリドン系等で水と相溶できる溶媒を用いることができる。
得られた複合粒子又は複合粒子分散液は、展延性に優れ、付着性が高く、白色隠ぺい性に優れるので、化粧品用添加剤、粉体塗料、スラッシュ成形用材料、塗料用添加剤、又は紙塗工用添加剤として使用することができる。
以下実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定するものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
製造例1 <複合粒子(C−1)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水塩(和光純薬工業(株)製;V−50)を0.02部、スチレンを6.5部、ジビニルベンゼンを0.1部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A−1)分散体を得た。樹脂粒子(A−1)の体積平均粒径は0.26μm、エタノール中でのゼータ電位は+35mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A−1)分散体を1.7部、エタノールを50.0部、チタンテトラブトキシドを0.27部、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、樹脂粒子(C−21)分散体を得た。複合粒子(C−1)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C−1)を得た。複合粒子(C−1)の体積平均粒径は0.30μm、平均円形度は0.98、タップ密度は0.3g/mLであった。
製造例2 <複合粒子(C−2)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.02部、スチレンを5.5部、ジビニルベンゼンを0.9部、メタクロイルオキシエチルチリメチルアンモニウム塩化物を0.1部、ポリビニル
ピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を1部、エタノールを37.3部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、70℃で20時間反応した後に80℃で更に4時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A−2)分散体を得た。樹脂粒子(A−2)の体積平均粒径は0.30μm、エタノール中でのゼータ電位は+50mV、平均円形度は0.98あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A−2)分散体を50部仕込み、チタンテトラブトキシド5部とイオン交換水3部をそれぞれ1時間かけて室温で同時に滴下した後に、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C−2)分散体を得た。複合粒子(C−2)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C−2)を得た。複合粒子(C−2)の体積平均粒径は0.32μm、平均円形度は0.99、タップ密度は0.3g/mLであった。
製造例3 <複合粒子(C−3)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)を0.02部、スチレンを3.5部、ジビニルベンゼンを3.0部、メタクロイルオキシエチルチリメチルアンモニウム塩化物を0.1部、ポリビニル
ピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を1部、エタノールを37.3部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、70℃で20時間反応した後に80℃で更に4時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A−3)分散体を得た。樹脂粒子(A−3)の体積平均粒径は0.30μm、エタノール中でのゼータ電位は+50mV、平均円形度は0.91あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A−3)分散体を50部仕込み、チタンテトラブトキシド5部とイオン交換水3部をそれぞれ1時間かけて室温で同時に滴下した後に、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C−3)分散体を得た。複合粒子(C−3)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C−3)を得た。複合粒子(C−3)の体積平均粒径は0.32μm、平均円形度は0.85、タップ密度は0.2g/mLであった。
製造例4 <複合粒子(C−4)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水塩(和光純薬工業(株)製;V−50)を0.02部、スチレンを6.0部、ジビニルベンゼンを0.5部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A−4)分散体を得た。樹脂粒子(A−4)の体積平均粒径は0.23μm、エタノール中でのゼータ電位は+35mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A−4)分散体を1.7部、エタノールを50.0部、チタンテトラブトキシドを0.54部、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、樹脂粒子(C−6)分散体を得た。複合粒子(C−4)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C−4)を得た。複合粒子(C−4)の体積平均粒径は0.30μm、平均円形度は0.99、タップ密度は1.0g/mLであった。
製造例5 <複合粒子(C−5)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として過硫酸カリウムを0.01部、スチレンを6.0部、ジメチルアミノエチルメタクリレートを0.5部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A−5)分散体を得た。樹脂粒子(A−5)の体積平均粒径は0.23μm、エタノール中でのゼータ電位は+28mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A−5)分散体を1.7部、エタノールを50.0部、チタンテトラブトキシドを0.27部、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C−5)分散体を得た。複合粒子(C−5)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C−5)を得た。複合粒子(C−5)の体積平均粒径は0.25μm、平均円形度は0.98、タップ密度は0.3g/mLであった。
比較製造例1 <複合粒子(C’−1)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として過硫酸カリウムを0.02部、スチレンを6.5部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A’−1)分散体を得た。樹脂粒子(A’−1)の体積平均粒径は0.25μm、エタノール中でのゼータ電位は−28mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A’−1)分散体を1.7部、エタノールを50.0部、チタンテトラブトキシドを0.27部、ポリビニルピロリドン((株)日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C’−1)分散体を得た。複合粒子(C’−1)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C’−1)を得た。複合粒子(C’−1)の体積平均粒径は0.38μm、平均円形度は0.68、タップ密度は0.2g/mLであった。
比較製造例2 <複合粒子(C’−2)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水塩(和光純薬工業(株)製;V−50)を0.02部、スチレンを6.5部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A’−2)分散体を得た。樹脂粒子(A’−2)の体積平均粒径は0.28μm、エタノール中でのゼータ電位は+40mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A)分散体を1.7部、イオン交換水を50.0部、オルトケイ酸テトラエチルを0.5部、ポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、攪拌(400rpm)下、100℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C’−2)分散体を得た。複合粒子(C’−2)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C’−2)を得た。複合粒子(C’−2)の体積平均粒径は0.31μm、平均円形度は0.95、タップ密度は0.3g/mLであった。
比較製造例3 <複合粒子(C’−3)分散体の製造>
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)二水塩(和光純薬工業(株)製;V−50)を0.02部、スチレ
ンを6.5部、イオン交換水を37.3部、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(三洋化成工業(株)製;エレミノールMON−7)を0.1部仕込み、密閉して内部の空気を窒素で置換後、攪拌(400rpm)下、80℃で2時間反応した後に90℃で更に1.5時間重合反応を行い、ポリスチレンの樹脂粒子(A’−3)分散体を得た。樹脂粒子(A’−3)の体積平均粒径は0.28μm、エタノール中でのゼータ電位は+40mV、平均円形度は0.99あった。
撹拌棒及び温度計を備えた反応用容器に、得られたポリスチレンの樹脂粒子(A’−3)分散体を1.7部、エタノールを50.0部、チタンテトラブトキシドを3部、ポリビニルピロリドン(株式会社日本触媒製;ポリビニルピロリドンK−85)を0.5部仕込み、攪拌(400rpm)下、80℃で1.5時間ゾルゲル反応を行ない、複合粒子(C’−2)分散体を得た。複合粒子(C’−2)分散体をイオン交換水で洗浄・固液分離し、40℃で12時間乾燥させて複合粒子(C’−2)を得た。複合粒子(C’−2)の体積平均粒径は0.49μm、平均円形度は0.88、タップ密度は1.6g/mLであった。
製造例1〜5及び比較製造例1〜3で用いた単量体(a)、ラジカル重合開始剤及び分散剤の種類及び量、樹脂粒子(A)の体積平均粒子径、ゼータ電位及び平均円経度と、複合粒子(C)の平均円形度、タップ密度及び体積平均粒子径を表1にまとめる。
実施例1〜5及び比較例1〜4
複合粒子(C−1)〜(C−5)、(C’−1)〜(C’−3)及び酸化チタンの白色
隠ぺい性、展延性及び付着性の評価結果を表2に示す。
尚、表中の酸化チタンは有機物で表面処理された酸化チタン(石原産業(株)製、「PFC105」、体積平均粒子径0.28μm)を使用した。
<白色隠ぺい性の評価>
白色隠ぺい性の評価は以下に示す方法で行った。
複合粒子(C−1)〜(C−5)、(C’−1)〜(C’−3)及び比較標準用の酸化チタンを各10部、イオン交換水30部、ウレタンエマルジョン(三洋化成工業(株)製;ユーコートUWS−145)を10部配合して粒子分散液を調整した。
黒色にベタ印刷されたコート紙上に乾燥後の塗膜の厚みが10μmとなるように粒子分散液を塗布して乾燥させ、形成した塗膜を観察して白色隠ぺい性を確認した。
白色隠ぺい性は分光測色計(X−Rite938;X−Rite社製)で用いてL値を計測することで評価した。
尚、上記において酸化チタンを用いた結果を標準品の結果として、下記基準により評価した。
○:(複合粒子のL値/標準品のL値 )が80%以上
△:(複合粒子のL値/標準品のL値 )が60%以上、80%未満
×:(複合粒子のL値/標準品のL値 )が60%未満
<展延性の評価>
ボール・オン・ディスクタイプの摩擦摩耗試験器((株)レスカ製「フリクションプレーヤーFPR−2000」)を用い、鋼球(SUJ−2)と0.01g/cmの割合で
粒子を散布した平面の鋼板との点接触(荷重50g)における試験液の摩擦係数を測定することにより評価した。試験条件は以下の通りである。
回転数:20rpm
回転半径:15mm
温度:30℃
時間:2分間
摩擦係数(μ):2分間の平均値
○:摩擦係数が0.3未満
△:摩擦係数が0.3〜0.5
×:摩擦係数が0.5超
<付着性の評価>
複合粒子(C−1)〜(C−5)、(C’−1)〜(C’−3)及び比較標準用の酸化チタンをそれぞれ85部とジメチルシリコーンオイル(東レダウコーニング(株)製、「SH200 C Fruid 6cs」)15部を混合した後に、40kNの圧力で円柱状の成形体(半径1cm、高さ0.5cm)を形成した。成形体の平面部を綿金巾で3Nの圧力で1回擦り、綿金巾への付着性を評価した。
尚、上記において酸化チタンを用いた結果を標準品の結果として、下記基準により評価した。
○;標準品よりも付着性が高い
△;標準品と付着性が同等以下
×;成形体が割れる又は崩れる
表2に示したように、実施例に記載の本発明の複合粒子(A)は、比較例のそれらと比べて、白色隠ぺい性、展延性及び付着性に優れることが明らかである。
本発明の複合粒子は、展延性に優れ、付着性が高く、白色隠ぺい性が高いことから、化粧品用添加剤、粉体塗料、スラッシュ成形用材料、塗料用添加剤、又は紙塗工用添加剤として有用である。さらに粒子比重が小さいことから沈降性が低く、インクジェット用白色顔料、塗料用顔料として好適に使用できる。また、本発明の複合粒子は反射率が高く、且つ小粒子径であるため、タッチパネル用ベゼルなどの不透明なタッチパネル用部材や、ディスプレイに使用する反射板などのバックライト用部材として有用であり、紫外線や赤外線などの特定波長の反射用粒子としても活用できる。
また、酸化還元触媒又は担体、紫外線の遮蔽力を利用した化粧材料又はプラスチックの表面コート剤、さらには高屈折を利用した反射防止コート材、導電性を利用した帯電防止剤、機能性ハードコート剤、さらに光触媒作用を使用した防菌剤、防汚剤、超親水性被膜等への添加剤としても有用である。

Claims (6)

  1. チタニアで樹脂粒子(A)が被覆された複合粒子であって、樹脂粒子(A)が、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)を構成単量体とする重合体(P)を含む樹脂粒子であり、複合粒子の平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLである複合粒子。
  2. 体積平均粒子径が0.07〜3μmである請求項1に記載の複合粒子。
  3. 単量体(a)がエチレン性不飽和基を有する芳香族炭化水素単量体(a2)及び/又はカチオン性官能基とエチレン性不飽和基を有する含窒素単量体(a6)である請求項1又は2に記載の複合粒子。
  4. 樹脂粒子(A)のゼータ電位が正である請求項1〜3のいずれかに記載の複合粒子。
  5. 化粧品用添加剤、粉体塗料、スラッシュ成形用材料、塗料用添加剤、又は紙塗工用添加剤である請求項1〜4のいずれかに記載の複合粒子。
  6. チタニアで樹脂粒子(A)が被覆された複合粒子の製造方法であって、樹脂粒子(A)が、エチレン性不飽和基を有する単量体(a)をカチオン性官能基を有するラジカル重合開始剤(B11)の存在下で重合させてなる重合体(P)を含む樹脂粒子であり、複合粒子の平均円形度が0.8〜1.0であり、タップ密度が0.25〜1.5g/mLである複合粒子の製造方法。
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