JP3784292B2 - 樹脂粒子の製造方法およびその方法により得られる樹脂粒子 - Google Patents

樹脂粒子の製造方法およびその方法により得られる樹脂粒子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安定剤・トナー等の電子工業分野、インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、液状またはパウダー状化粧品に含有される滑り剤・体質顔料等の化粧品分野、低収縮化剤・紙・歯科材料・樹脂改質剤等の一般工業分野に適した、特異な形状を有する樹脂粒子の製造方法およびその方法により得られる樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
樹脂粒子は、プラスチックの耐衝撃強度および引張り強度等の材料力学上の特性を向上させたり、現像剤の荷電性を維持したままでのクリーニング特性、塗料の艶消し性および隠蔽性を向上させたり、液状またはパウダー状の化粧品に配合して化粧品の肌への滑り性を向上させたりする等の多様な目的で使用されている。
【0003】
しかし、一般に樹脂粒子は、粉砕法あるいは乳化重合法、懸濁重合法、シード重合法、分散重合法等によって製造されるため、通常、不定形な樹脂粒子か、球状の樹脂粒子が得られやすく、このような樹脂粒子は化粧品の肌への滑り性、塗料の艶消し性、隠蔽性等の向上が求められている用途には利用することができなかった。
【0004】
このような問題に鑑み、特許第2723911号公報では、特定の条件下での乳化重合法により得られた窪みを有する扁平状樹脂粒子が開示されている。しかしながら、乳化重合法では、5μm以上の大きさの扁平状樹脂粒子を得ることが困難であり、樹脂粒子の用途が限られていた。
【0005】
また、特開平5−317688号公報では、疎水性の液状化合物の存在下で、懸濁重合法により得られたお椀状樹脂粒子およびその製造方法が開示されているが、樹脂粒子の構造上、疎水性の液状化合物の除去が困難であり、疎水性の液状化合物が樹脂粒子中に残存したままなので、樹脂粒子の形状がお椀状になり、滑り性や、光拡散性、集光性、光透過性等の光学特性の向上が達せられなかった。
【0006】
さらに、特許第2849146号公報では板状粒子およびその製造方法が、特公平6−53805号公報では円板状粒子およびその製造方法が、特開平7−157672号公報では中空非球状粒子およびその製造方法がそれぞれ開示されている。これらの樹脂粒子は、特異な形状ではあるものの、いずれも板状であるために、例えばタルク、マイカ等の従来の板状無機化合物と比較して、塗膜へ担持した場合の滑り性および光拡散性等の顕著な向上は見られない。また、樹脂粒子の製造方法が特殊なため、工業的規模で生産し、使用することはコスト上困難であった。
【0007】
以上のことから、様々な使用目的に適し、様々な特性を向上させた樹脂粒子、およびかかる樹脂粒子の工業的な製造方法の開発が望まれていた。
本発明は、このような要望に応えるべくなされたものであり、用途に応じて、光散乱性、集光性等の光学特性、樹脂粒子の塗膜担持時における滑り性等の摩擦特性、付着性、固着性、プラスチックの耐衝撃強度および引張り強度等の材料力学上における物性、現像剤の荷電性を維持したままでのクリーニング特性、塗料の艶消し性および隠蔽性等の様々な特性をもった樹脂粒子と、該樹脂粒子を低コストで得ることのできる製造方法とを提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、重合性ビニルモノマー100重量部と、重合性ビニルモノマーに対し共重合性を有さず、25℃における粘度が0.01〜10cStである疎水性の液状有機化合物1〜500重量部とを含むモノマー組成物に、重合性ビニルモノマーと重合反応しない亜燐酸モノエステル、亜燐酸ジエステル、燐酸モノエステルおよび燐酸ジエステルから選ばれる少なくとも1種以上をモノマー組成物100重量部に対して0.001〜5重量部溶解し、水系懸濁重合させ、得られる生成物から疎水性の液状有機化合物を除去させることを特徴とする樹脂粒子の製造方法、およびその方法より得られる樹脂粒子が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂粒子の製造方法について詳細に説明する。
本発明の方法で用いられる重合性ビニルモノマー(以下、「ビニルモノマー」という)は、後記の疎水性の液状有機化合物(以下、「液状化合物」という)と均一に混合溶解するものであれば、何ら限定されない。
【0010】
そのようなビニルモノマーとしては、例えば重合性単官能性ビニルモノマー、不飽和有機酸アリルエステルモノマー、加水分解性官能基を有する重合性多官能性ビニルモノマー等が挙げられる。
【0011】
重合性単官能性ビニルモノマーとしては、例えばスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル等のアクリル酸エステル系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロフルフリル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸エステル系単量体、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ネオデカン酸ビニル等のビニルエステル系単量体、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド等のN−アルキル置換アクリルアミド、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル系単量体等や、それらのハロゲン(フッ素、臭素、塩素)置換体が挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることからメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、スチレンが特に好ましい。
【0012】
不飽和有機酸アリルエステルモノマーとしては、例えばメタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、桂皮酸アリル、ソルビン酸アリル、マレイン酸ジアリル、フタル酸ジアリル、フマル酸ジアリル等が挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることから、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリルが特に好ましい。
【0013】
加水分解性官能基を有する重合性多官能性ビニルモノマーとしては、例えばメタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシジメチルエトキシシラン、γ−メタクリルオキシトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメチルジクロロシラン、メタクリルオキシプロピルジエチルエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン、メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シランなどが挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることから、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルジメチルクロロシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、メタクリルオキシプロピルジメチルメトキシシランが特に好ましい。
【0014】
これらのビニルモノマーは、得られる樹脂粒子の屈折率を調整するなどの目的に応じて適宜選択され、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
ビニルモノマーは、重合性単官能性ビニルモノマーを70重量部以上含むのが好ましく、具体的には、重合性単官能性ビニルモノマー70〜99重量部および不飽和有機酸アリルエステルモノマー1〜30重量部からなるものが好ましい。さらに好ましくは1〜20重量部である。また、ビニルモノマーは、重合性単官能性ビニルモノマー70〜99重量部および加水分解性官能基を有する重合性多官能性ビニルモノマー1〜30重量部からなるものが好ましい。さらに好ましくは、1〜20重量部である。
【0015】
重合性単官能性ビニルモノマーの配合割合が70重量部を下回ると、本発明の樹脂粒子は、得られる樹脂粒子の形状が不揃いとなり易く、液状化合物の表面をおおう厚い膜の形成により液状化合物の除去が難しくなるため好ましくない。
【0016】
ビニルモノマーには、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化クロム、水酸化クロム、群青、紺青、マンガンバイオレット、群青紫、チタンブラック、カーボンブラック、アルミニウム粉、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、酸化鉄処理雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、アルミナ、タルク、マイカ、ベントナイト、カオリン、セリサイト等の無機顔料や、タートラジン、サンセットエロFCF、ブリリアントブルーFCF等のアルミニウムレーキ、ジルコニウムレーキ、バリウムレーキ、へリンドンピンクCN、リソールルビンBCA、レーキレッドCBA、フタロシアニンブルー、パーマネントオレンジ等の有機顔料などを適宜添加してもよい。
【0017】
本発明の方法で用いられる液状化合物は、ビニルモノマーと共重合性を有さない。具体的には、液状化合物は、水系懸濁重合時に、ビニルモノマー中に存在する官能基と反応せず、媒体である水によって変質せず、かつ加水分解反応等の反応を起こさないものが好ましい。
【0018】
水系懸濁重合後、液状化合物は、樹脂粒子内に含有されたり、樹脂粒子に付着する。
また、液状化合物は、25℃における粘度が0.01〜10cStであり、好ましくは0.1〜10cStである。液状化合物の25℃における粘度が10cStを上回ると、液状化合物の取り扱い性や重合後の樹脂粒子からの除去が難しくなり、しかも樹脂粒子製造後の重合反応設備の洗浄が困難となるため好ましくない。
【0019】
また、液状化合物は、1気圧下において−20〜200℃の沸点を有するのが好ましい。中でも、1気圧下における沸点が25℃〜200℃、特に50〜150℃である液状化合物は、高圧重合設備等を使用することなく樹脂粒子を製造でき、しかも、得られる樹脂粒子から液状化合物を容易に除去することができるので好ましい。
【0020】
液状化合物の沸点が−20℃を下回ると、特殊な高圧重合設備を必要とする上、分解温度の低い不安定な重合開始剤を用いなければならないなど、一般に重合が難しくなるため好ましくない。また、その沸点が200℃を上回ると、樹脂粒子から液状化合物を除去するのが難しくなるので好ましくない。
【0021】
このような液状化合物としては、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の飽和炭化水素類が挙げられる。飽和炭化水素類は、イソ、モノ単独またはイソ、モノ混合でもかまわない。また、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル等の酢酸エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の脂肪族ケトン類、または水素原子の一部もしくは全てがフッ素で置換された有機化合物(例えば、炭化水素類、フッ素以外のハロゲン化炭化水素類、ニトロ炭化水素類、アミン類、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、酸類)等が挙げられる。
【0022】
なお、エーテル類としては、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどの鎖状または環状のエーテルが挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることから、ジブチルエーテルが特に好ましい。
【0023】
液状化合物の中でも、飽和炭化水素、エーテル類、フッ素系化合物は、幅広い樹脂種について、特異な形状を有する樹脂粒子が得られやすいという点から特に好ましい。このような液状化合物としては、例えばヘプタン、シクロヘキサン、ジブチルエーテル、ハイドロフルオロエーテル、ヘプタフルオロシクロペンタン等が挙げられる。
【0024】
これらの液状化合物は、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
液状化合物の使用量は、ビニルモノマー100重量部に対して、1〜500重量部であり、10〜200重量部程度が好ましい。液状化合物の使用量が1重量部を下回ると、得られる樹脂粒子の形状が略球状となる。また、その使用量が500重量部を上回ると、樹脂粒子が硬化しないか、異なる形状の樹脂粒子が混じり合う。
【0025】
本発明の効果を妨げない範囲で水に不溶性で、ビニルモノマーや液状化合物に対して非反応性の一般的な有機溶剤、例えばペンタン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、またはジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤等と液状化合物とを併用してもよい。
【0026】
本発明の方法では、架橋剤の不存在下でビニルモノマーと液状化合物とを均一に混合し、モノマー組成物が調製される。
ビニルモノマーと液状化合物とを均一に混合するには、特に限定されないが、例えば、プロペラ翼、マグネチックスターラー、振とう機、超音波分散器等を用いて行われる。
【0027】
モノマー組成物には、ビニルモノマーと重合反応しない亜燐酸モノエステル、亜燐酸ジエステル、燐酸モノエステルまたは燐酸ジエステルから選ばれる少なくとも1種以上を添加し、溶解させる。
【0028】
これらのエステルとしては、特に限定されないが、例えばラウリルリン酸、ポリオキシエチレン(1)ラウリルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(2)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(4)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(6)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエチレン(8)アルキルエーテルリン酸、ジポリオキシエーテル(4)ノニルフェニルエーテルリン酸等が挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることからラウリルリン酸が特に好ましい。
【0029】
これらのエステルは、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
これらのエステルの溶解量は、モノマー組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部であり、0.01〜3重量部が好ましい。
これらのエステルの溶解量が、0.001重量部を下回ると、充分な相分離効果が得られない。また、この溶解量が5重量部を上回ると、樹脂粒子表面に皮膜を形成し、得られる樹脂粒子から液状化合物を除去するのが難しい。
【0030】
モノマー組成物には、重合開始剤を添加してもよい。重合開始剤としては、モノマー組成物に可溶であり、懸濁重合に通常用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤あるいはアゾ系重合開始剤が挙げられる。中でも液状化合物に対して溶解度の低いものが好ましい。
【0031】
過酸化物系重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0032】
アゾ系重合開始剤としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等が挙げられる。
【0033】
これらの重合開始剤の中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイルなどを用いれば、本発明に適した水系懸濁重合の重合温度範囲において、重合開始剤の分解半減期が20時間以内であるので好ましい。
【0034】
重合開始剤の使用量は、ビニルモノマー100重量部に対して、0.05〜20重量部程度が好ましく、0.1〜15重量部程度がさらに好ましい。
モノマー組成物には、連鎖移動剤を添加してもよい。
連鎖移動剤としては、例えばメルカプタン、インデン、α−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が挙げられる。
【0035】
本発明の方法では、上記のモノマー組成物を水系懸濁重合する。
水系懸濁重合においては、モノマー滴の安定化を図るために、モノマー組成物100重量部に対して、水100〜1000重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
分散媒には懸濁安定剤を添加してもよい。
【0036】
懸濁安定剤としては、特に限定されないが、例えば第三リン酸カルシム等のリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物の懸濁安定剤等が挙げられる。中でも、第三リン酸カルシウムや複分解生成法により得られるピロリン酸マグネシウムあるいはピロリン酸カルシウム、コロイダルシリカを用いれば、目的とする樹脂粒子を安定して得ることができる。
【0037】
これら懸濁安定剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよく、得られる樹脂粒子の粒子径と重合時の分散安定性を考慮して、その種類が適宜選択される。
懸濁安定剤の添加量は、特に限定されないが、分散媒に対して、通常、0.5〜15重量%程度である。
【0038】
分散媒には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤が添加されていてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0039】
カチオン性界面活性剤としては、例えばラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、例えばラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
【0040】
これらの界面活性剤は、得られる樹脂粒子の粒子径と重合時の分散安定性を考慮して、適宜選択され、それぞれ単独で、または2種以上を組合わせて用いることができる。
界面活性剤の添加量は、特に限定されないが、分散媒に対して、通常、0.001〜0.1重量%程度である。
【0041】
分散媒には重合禁止剤が添加されていてもよい。
重合禁止剤としては、例えば亜硝酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸などの水に可溶なラジカル捕捉剤が挙げられる。中でも、本発明の効果が顕著であることから亜硝酸塩類が好ましい。
【0042】
亜硝酸塩類としては、例えば亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸アンモニウム等の水溶性を示す亜硝酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でも亜硝酸ナトリウムは、溶解性、水中での解離性などの点で好ましい。
重合禁止剤を分散媒に添加すると、重合禁止剤をビニルモノマーに添加する場合に比べ、分散媒中での重合が抑えられ易く、液状化合物側にできる樹脂粒子の皮膜の形成が抑制されるため好ましい。
【0043】
上記のような組成からなるモノマー組成物は、所望の粒子径のモノマー滴となって分散媒に容易に分散し、本発明の樹脂粒子を簡便に製造することを可能とし、しかも樹脂粒子の形状を容易に制御することも可能とする。
【0044】
本発明の方法では、分散媒にモノマー組成物を加えて、水系懸濁重合が行われる。
モノマー組成物を加える方法としては、例えば、分散媒にモノマー組成物を直接加え、プロペラ翼等の撹拌力によりモノマー滴として分散させる方法、ローターとステーターから構成される高剪断力を利用する分散機であるホモミキサー、もしくは超音波分散機等を用いて分散させる方法等が挙げられる。このとき、マイクロフルイダイザー、ナノマイザー等のモノマー滴同士の衝突や器壁への衝突力を利用した高圧型分散機やMPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通してモノマー組成物を分散媒中に圧入させる等の方法によって分散させる方法は、粒子径をより均一に揃えられるので好ましい。
【0045】
次いで、モノマー組成物が球状のモノマー滴として分散媒に分散された分散液を加熱することにより、水系懸濁重合を開始する。重合反応中は、分散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は、例えば、モノマー滴の浮上や重合後の樹脂粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。重合反応温度は30〜100℃程度が好ましく、40〜80℃程度がさらに好ましい。反応温度を保持する時間は、0.1〜20時間程度が好ましい。
【0046】
なお、液状化合物またはビニルモノマーの沸点が重合温度付近あるいは重合温度以下である場合には、液状化合物またはビニルモノマーが揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下あるいは加圧下で重合させるのが好ましい。
【0047】
液状化合物を除去するには、重合反応終了後、所望により、懸濁安定剤を塩酸等により分解し、得られた生成物(樹脂粒子)を吸引濾過、遠心分離、遠心濾過等の操作により分散液から単離する。さらに、得られた樹脂粒子の含水ケーキを水洗し、乾燥して樹脂粒子を得る。このようにして得られる液状化合物を含有した樹脂粒子および液状化合物を付着した樹脂粒子は、液状化合物を常圧あるいは減圧下にて通常の乾燥機、オーブンによる乾燥において除去できる。
【0048】
または、重合反応終了後、常圧蒸留、減圧蒸留、水蒸気蒸留、気体バブリング処理、減圧処理、加熱処理等の簡単な蒸発操作によっても、液状化合物を容易に除去できる。具体的には、水系懸濁重合後のスラリーを常圧あるいは減圧下でそのまま蒸留する方法または水蒸気で蒸留する方法により、樹脂粒子から液状化合物を除去することができる。
【0049】
上記の樹脂粒子のうち、液状化合物を含有した樹脂粒子は、樹脂粒子に含有した液状化合物の外側に柔らかく非常に薄い膜が形成されており、その膜と樹脂粒子との間に液状化合物を含有している。上記乾燥または蒸留により、液状化合物は、この膜を通して樹脂粒子から除去される。このとき、膜は、非常に薄く柔らかいので、液状化合物が除去されると、膜が収縮し、樹脂粒子表面に貼り付く。そのため、液状化合物を含有する樹脂粒子と液状化合物を付着した樹脂粒子とは、液状化合物を除去すると、目的とする特異な形状となる。
【0050】
また、樹脂粒子に貼り付いた膜は、所望により、ジェットミル、ピンミル、パワーミル、ハンマーミルなどの粉砕機によって、除去することもできる。
本発明の方法で得られる樹脂粒子の形状は、ビニルモノマーおよび液状化合物の種類や比重、重合速度などによって調整することが可能であるが、液状化合物の使用量によって大きく左右される。
【0051】
本発明の方法により得られる樹脂粒子は、例えば半球状、碁石状、凸レンズ状あるいはそれらに準ずる非球状の形状を有する。具体的には、樹脂粒子は、二つの凸面または一つの凸面と一つの平面から形成される。したがって、本発明の樹脂粒子は、少なくとも一方の面が凸面であるから、通常の円板状粒子、偏平状粒子、板状粒子、お椀状粒子、断面馬蹄状粒子には見られない特性、例えば光散乱性、集光性等の光学特性や樹脂粒子の塗膜担持時の滑り性等の摩擦特性を有している。また、他方の面が平面あるいは曲率半径が一方の凸面より大きな凸面であるから、本発明の樹脂粒子は通常の球状粒子には見られない特性、例えば付着性または固着性をも有している。
【0052】
さらに、比表面積は粒子径が同じ球状粒子と比べて大きいため、表面反応性および機能性物質等の担持能力が増大している。また、樹脂粒子の形状が非球状であるため、本発明の方法による樹脂粒子は、従来の球状粒子、板状粒子、中空粒子および多孔質粒子ならびに球状粒子の集合体では期待できなかった独特の光学特性、例えば、集光性、光拡散性、高光透過性、高隠蔽性、艶消し性などを有するばかりでなく、表面改質等によるバインダー中や溶剤中での分散安定性および流動性等の物理的特性の向上を期待できる。
【0053】
本発明の方法により得られる樹脂粒子の形状は、通常、円形度が0.3〜0.8、好ましくは0.5〜0.8であり、縦横比が1.2〜2.0、好ましくは1.2〜1.7であり、凹凸度が1.1〜1.6、好ましくは1.1〜1.5である。
樹脂粒子の円形度が0.8を上回り、かつ縦横比が1.2を下回り、かつ凹凸度が1.1を下回ると、樹脂粒子の形状は球状または略球状になり易く、滑り性や塗料の艶消し性、隠蔽性等の機能性が向上し難いので好ましくない。また、円形度が0.3を下回り、かつ縦横比が2.0を上回り、かつ凹凸度が1.6を上回ると、樹脂粒子の形状は複雑な不定形形状または板状になり易く、塗膜に担持した場合の滑り性や塗料の艶消し性、隠蔽性等の特性が向上し難くなるので好ましくない。
【0054】
なお、円形度、縦横比、凹凸度は、画像解析手法により測定ないしは算出して得られたものである。すなわち、図1に示すように、樹脂粒子の最小投影面積図から、投影樹脂粒子像の面積(S)と、投影樹脂粒子像の最大幅(Lmax)と、投影樹脂粒子像の最大幅に対する最大垂直長(Lver)と、投影樹脂粒子像の周囲長(P)とをそれぞれ測定し、得られた各数値を次の式に代入することにより、円形度、縦横比、凹凸度をそれぞれ算出した。なお、その平均値は数平均値を意味する。
【0055】
円形度=4×S/(Lmax 2×π)
縦横比=Lmax/Lver
凹凸度=P2/(4×S×π)
【0056】
本発明の方法により得られる樹脂粒子は、通常、0.1〜500μm程度の最大幅を有する。樹脂粒子の最大幅の調整は、樹脂粒子の製造工程において、モノマー組成物と分散媒との混合条件、懸濁安定剤等の添加量および分散液の攪拌条件やモノマー組成物の分散媒体中への分散条件を変更することにより可能である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0058】
実施例1
水200gに対し、懸濁安定剤として複分解法でピロリン酸マグネシウム5gを生成させた分散媒を500mlセパラブルフラスコに加え、この分散媒に重合禁止剤として亜硝酸塩0.10gを溶解させた。これとは別に、重合性ビニルモノマーとしてメタクリル酸メチル80g、疎水性の液状有機化合物としてn−ヘプタン(25℃における粘度:0.6cSt)20g、燐酸モノエステルとしてラウリルリン酸0.05g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3gを均一に混合溶解してなるモノマー組成物を調製した。
【0059】
このモノマー組成物を上記の分散媒に加えてホモミキサー(IKA社製、商品名:ULTRA TURRAX T−25)にて8000rpmで約10秒間攪拌して、微分散させた。上記のセパラブルフラスコに撹拌翼、温度計および還流冷却器を取り付け、窒素置換後、70℃の恒温水槽中にフラスコを設置した。このフラスコ内の分散液を、撹拌速度200rpmで攪拌を継続し、分散媒の温度が70℃になってから10時間懸濁重合を行った。
【0060】
次いで、フラスコを恒温水槽から取り出し、フラスコ内を攪拌しながらフラスコ内の反応液を室温まで冷却し、スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解して、樹脂粒子を単離した。得られた樹脂粒子を、濾紙を用いたブフナー漏斗で吸引濾過し、1.2リットルのイオン交換水で樹脂粒子を洗浄して懸濁安定剤を除去した。吸引濾過後の脱水ケーキを乾燥用オーブンを用いて60℃で24時間乾燥し、目的の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の形状を、電子顕微鏡写真および画像解析装置にて観察した。電子顕微鏡写真を図2に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0061】
なお、樹脂粒子の円形度、縦横比および凹凸度の測定は、マルチイメージアナライザー(ベックマン・コールター株式会社製)を用いて行った。図8に示すように、マルチイメージアナライザーは、樹脂粒子がアパチャーを通過するとき、アパチャーチューブ後方のストロボにより光線を照射し、アパチャーを通過する個々の樹脂粒子の投影画像をCCDカメラにより撮影するものであり、円形度、縦横比、凹凸度等を数平均値として算出する装置である。樹脂粒子の投影画像と各パラメーターの計算式を図1に示す。なお、各実施例および比較例の樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度の値は、樹脂粒子1000個の測定値の数平均値である。
【0062】
実施例2
実施例1と同様にして10時間懸濁重合を行った後、スラリーを減圧蒸留機であるエバポレーターに移して、60℃の温度下で0.02Mpaに減圧し蒸発操作を行い、疎水性の液状有機化合物を除去した。
【0063】
次いで、エバポレーターよりスラリーを取り出し、スラリーを室温まで冷却した。スラリーのpHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解して、樹脂粒子を単離した。得られた樹脂粒子を、濾紙を用いたブフナー漏斗で吸引濾過し、1.2リットルのイオン交換水で樹脂粒子を洗浄して懸濁安定剤を除去した。吸引濾過後の脱水ケーキを乾燥し、目的の樹脂粒子を得た。
得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真を図2に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0064】
実施例3
重合性ビニルモノマーをメタクリル酸メチル66.5gとメタクリル酸アリル3.5gに、疎水性の液状有機化合物をn−ヘプタン(25℃における粘度:0.6cSt)10gとシクロヘキサン(25℃における粘度:1.2cSt)20gに、重合開始剤を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7gに代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
電子顕微鏡写真を図3に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0065】
実施例4
重合性ビニルモノマーをメタクリル酸メチル66.5gとメタクリル酸アリル3.5gに、疎水性の液状有機化合物をハイドロフルオロエーテル(25℃における粘度:0.4cSt)25gとヘプタフルオロシクロペンタン5gに、重合開始剤を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7gに代え、重合反応の温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
電子顕微鏡写真を図4に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0066】
実施例5
重合性ビニルモノマーをメタクリル酸メチル57gとγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン3gに、疎水性の液状有機化合物をハイドロフルオロエーテル(25℃における粘度:0.4cSt)40gに、重合開始剤を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7gに代え、重合反応の温度を65℃に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
電子顕微鏡写真を図5に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0067】
実施例6
重合性ビニルモノマーをメタクリル酸メチル66.5gとγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン3.5gに、疎水性の液状有機化合物をn−ヘプタン30gに、重合開始剤を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.7gに代えた以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
電子顕微鏡写真を図6に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0068】
実施例7
下記の成分からなる塗布用組成物を調製し、この組成物を、ポリエステル基板上に、ギャップ高さ100μmのアプリケーターを用いて塗布し、熱風乾燥して、光学特性測定用シートを製作した。
バインダー:ポリエステル樹脂(商品名「バイロナールMD−1200」バインダー分34%、東洋紡績株式会社製)・・・100重量部
実施例1の樹脂粒子・・・30重量部
このシートの光学特性(全光線透過率(%)および拡散光透過率(%))を表2に示す。
【0069】
なお、光学特性測定用シートの全光線透過率および拡散光透過率は、ヘイズメーター(日本電色株式会社製のヘイズメーター「NDH2000」)により測定した(JIS K7105に準拠)。
【0070】
実施例8
実施例1の樹脂粒子に代えて実施例3の樹脂粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学特性測定用シートを製作した。
このシートの光学特性を表2に示す。
【0071】
実施例9
実施例1の樹脂粒子に代えて実施例4の樹脂粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学特性測定用シートを製作した。
このシートの光学特性を表2に示す。
【0072】
実施例10
実施例1の樹脂粒子に代えて実施例5の樹脂粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学特性測定用シートを製作した。
このシートの光学特性を表2に示す。
【0073】
実施例11
実施例1の樹脂粒子に代えて実施例6の樹脂粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学特性測定用シートを製作した。
このシートの光学特性を表2に示す。
【0074】
比較例1
重合性ビニルモノマーをメタクリル酸メチル13.5gとメタクリル酸アリル1.5gに、疎水性の液状有機化合物をn−ヘプタン(25℃における粘度:0.6cSt)85gに、重合開始剤を2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.15gに代え、懸濁重合時間を20時間に変更した以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得ようとしたが、樹脂粒子は硬化せず、樹脂粒子を得ることができなかった。
【0075】
比較例2
燐酸モノエステルとしてラウリルリン酸を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂粒子を得た。
電子顕微鏡写真を図7に示し、樹脂粒子の円形度、縦横比、凹凸度を表1に示す。
【0076】
比較例3
実施例1の樹脂粒子に代えて比較例2の樹脂粒子を用いた以外は、実施例7と同様にして、光学特性測定用シートを製作した。
このシートの光学特性を表2に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0003784292
【0078】
【表2】
Figure 0003784292
【0079】
【発明の効果】
本発明の方法により得られる樹脂粒子は、光散乱性、集光性等の光学特性、滑り性等の摩擦特性、付着性、固着性、プラスチックの耐衝撃強度や引張り強度等の材料力学上の物性、クリーニング特性、塗料の艶消し性、隠蔽性等の様々な特性の向上が期待される分野に好適に使用される樹脂粒子の製造が可能である。
また、本発明の製造方法によれば、上記の樹脂粒子を安価で容易に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂粒子の投影画像を示す図である。
【図2】実施例1および2で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図3】実施例3で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図4】実施例4で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図5】実施例5で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図6】実施例6で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図7】比較例2で得られた樹脂粒子の電子顕微鏡写真と最小投影面積図および上部投影図である。
【図8】マルチイメージアナライザーの構成図である。

Claims (11)

  1. 重合性ビニルモノマー100重量部と、重合性ビニルモノマーに対し共重合性を有さず、25℃における粘度が0.01〜10cStである疎水性の液状有機化合物1〜500重量部とを含むモノマー組成物に、重合性ビニルモノマーと重合反応しない亜燐酸モノエステル、亜燐酸ジエステル、燐酸モノエステルおよび燐酸ジエステルから選ばれる少なくとも1種以上をモノマー組成物100重量部に対して0.001〜5重量部溶解し、水系懸濁重合させ、得られる生成物から疎水性の液状有機化合物を除去させることを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  2. 重合性ビニルモノマーが、重合性単官能性ビニルモノマー70〜99重量部および不飽和有機酸アリルエステルモノマー1〜30重量部からなる請求項1に記載の製造方法。
  3. 重合性ビニルモノマーが、重合性単官能性ビニルモノマー70〜99重量部および加水分解性官能基を有する重合性多官能性ビニルモノマー1〜30重量部からなる請求項1に記載の製造方法。
  4. 疎水性の液状有機化合物が、1気圧下において、−20〜200℃の沸点を有する請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 疎水性の液状有機化合物が、飽和炭化水素、エーテル類およびフッ素系化合物から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 疎水性の液状有機化合物の除去が、乾燥または蒸発操作による請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 水系懸濁重合において、水系に重合禁止剤が用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 重合禁止剤が亜硝酸塩である請求項7に記載の製造方法。
  9. 水系懸濁重合において、懸濁安定剤として難水溶性無機化合物が用いられる請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法により得られる樹脂粒子。
  11. 円形度が0.3〜0.8であり、縦横比が1.2〜2.0であり、凹凸度が1.1〜1.6である請求項10に記載の樹脂粒子。
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