JP4528178B2 - 表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法 - Google Patents

表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、アミン由来の基を有するモノマーに由来するポリマーで表面が被覆された表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法に関する。本発明の方法により得られる表面被覆架橋ポリマー粒子は、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・艶消し剤等の塗料・インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、滑り剤・体質顔料等の化粧品分野、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等の一般工業分野へ好適に使用可能である。
従来、親水性ポリマーで表面が被覆された被覆樹脂粒子は、乳化重合を利用して製造されている。この乳化重合では、重合性ビニルモノマーが、水相を通じて核である樹脂粒子に付加されて重合反応が進行し、核としての樹脂粒子より大きな被覆樹脂粒子が生成する。そのため、乳化重合において、重合性ビニルモノマーを逐次添加すると、重合安定性を高めたり、反応熱を除去したりし易いという利点がある。そして、かかる乳化重合において、重合後期に親水性の重合性ビニルモノマーを重合系に添加すると、表面が親水性である樹脂粒子が容易に生成する。この重合方法を利用して、核である樹脂粒子と水との親和性を改善したり、核である樹脂粒子に反応性官能基を導入したりすることが行なわれている。
しかし、乳化重合では、光拡散剤、ブロッキング防止剤等に有用な1μm以上の粒子径を有する樹脂粒子を工業的に製造することは困難である。他方、懸濁重合においては、通常、全ての重合性ビニルモノマーを重合容器に仕込んで、重合性ビニルモノマーを水中で混合分散させ、生成した重合性ビニルモノマーの液滴を重合して被覆樹脂粒子を得る。そのため、親水性の重合性ビニルモノマーを含む重合性ビニルモノマーを懸濁重合すると、親水性の重合性ビニルモノマーが水相に移行して樹脂粒子表面での重合反応に関与しないので、親水性の強い被覆樹脂粒子を製造することは困難である。
例えば、特開平4−96902号公報(特許文献1)には、重合転化率90%未満(例えば、40〜80%)にまで重合性ビニルモノマーを懸濁重合した後、親水性の重合性ビニルモノマーを添加して重合する方法が開示されている。しかしながら、上にも記載したように、懸濁重合の後期に親水性の重合性ビニルモノマーを添加すると、親水性の重合性ビニルモノマー単独の樹脂粒子が生成したり、1μm以下の粉末状の前記樹脂粒子が多量に生成したりし、分散液から被覆樹脂粒子を得る際に、濾過効率及び脱水性が著しく低下するという問題がある。また、乾燥時に被覆樹脂粒子が凝集するため、解砕を充分に行なう必要があり、生産工程が煩雑となる。更には、親水性の重合性ビニルモノマーが単独で重合した水溶性樹脂が水相に溶解するので、多量の親水性の重合性ビニルモノマーを用いたとしても、親水性の強い被覆樹脂粒子を製造することは困難である。
また、特開平7−149993号公報(特許文献2)には、特定組成の架橋性ポリマーに対し、分子構造中に1個以上の二重結合を有する重合性ポリ(アルキレンオキシド)グリコール系モノマーを0.01〜25重量部、又は重合性スルホン酸塩を0.01〜10重量部配合後重合させ、該架橋性ポリマーの表面を被覆させて得られる帯電防止性微粒子が示されている。しかしながら、この製造法では水溶性の高い親水性モノマーを使用するために、架橋粒子表面を効果的に被覆することはできず、重合性ポリ(アルキレンオキシド)グリコール系モノマーを多量に必要とする及び水溶性の高い重合性スルホン酸塩を用いた場合には、重合が困難である等の点で、改良の余地があった。
また、特開平7−207105号公報(特許文献3)及び特開平7−261332号公報(特許文献4)には、架橋ポリマー粒子の表面を架橋性モノマーの含有量が10重量%未満の重合性モノマーを重合して得られる樹脂で被覆してなる複合重合体を得る方法が示されている。しかし、この方法は、重合性モノマーを一部又は全量を連続的又は間欠的に添加し、過硫酸ナトリウム等の水溶性重合開始剤を用い乳化重合する方法であって、重合時の安定性や目的以外の粒子の生成を抑制するためには、条件の設定が非常に難しかった。
特開平4−96902号公報 特開平7−149993号公報 特開平7−207105号公報 特開平7−261332号公報
かくして本発明によれば、イオン性基としてのアミン由来の基を有するモノマーを10〜50重量%含有し、更に重合開始剤を含むモノマー混合物を、両性イオン界面活性剤を含む水系分散媒体中に分散させて液滴化する工程と、得られた分散液に架橋ポリマー粒子を添加して、前記モノマー混合物を架橋ポリマー粒子表面に吸着させる工程と、次いで、前記吸着したモノマー混合物を重合させる工程とを含むことを特徴とする表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、表面が他のポリマーで被覆された表面被覆架橋ポリマー粒子を簡便に製造する方法が提供できる。
(1)本発明の方法では、まず、イオン性基としてアミン由来の基を有するモノマーを10〜50重量%含有し、更に重合開始剤を含むモノマー混合物を、両性イオン界面活性剤を含む水系分散媒体中に分散させて液滴化する。
上記モノマー混合物は、アミン由来の基を有するモノマー、それ以外の他のモノマー及び重合開始剤とからなる。
アミン由来の基を有するモノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーを使用できる。また、アミン由来の基を構成する窒素原子は、環中に存在していてもよくい。更に、この窒素原子は、1つ〜3つの置換基を有する、一級、二級あるいは三級の窒素原子であってもよい。この内、三級窒素原子を有するモノマーとしては、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の低級アルキル基で置換され、鎖中に窒素原子が位置する(メタ)アクリル系モノマー、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリラート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル=メタクリラート等の窒素原子がピペリジン環中に存在する(メタ)アクリル系モノマーが挙げられる。
上記のうち、三級窒素原子を有する(メタ)アクリル系モノマーが好ましい。
上記アミン由来の基を有するモノマーは、モノマー混合物中に、5〜50重量%含有されている。5重量%未満の場合は、最終的に得られる粒子を十分に正に帯電させることができないので好ましくなく、50重量%を超える場合は、量に見合った効果が認められないので好ましくない。より好ましい含有割合は、10〜40重量%である。
他のモノマーとしては、架橋性モノマー及び非架橋性モノマーが挙げられる。
架橋性モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーを使用できる。例えば、トリメチレンプロパントリメタクリレートに代表される多価アクリレート化合物のような2個以上の共重合性二重結合を有する化合物、ジビニルベンゼンに代表される非共役ビニル化合物等が挙げられる。具体例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、
エチレングコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のメタクリレート化合物、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物、
メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記架橋性モノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
上記のうち、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートが好ましく、特にエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
上記架橋性モノマーは、モノマー混合物中に、10〜50重量%含まれていることが好ましい。10重量%未満の場合、表面被覆架橋ポリマー粒子の強度や耐溶剤性が十分でないことがあるため好ましくない。50重量%を超える場合は、量に見合った効果が認められないので好ましくない。より好ましい含有割合は、20〜50重量%であり、更に好ましくは30〜40重量である。
非架橋性モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーを使用できる。具体的には、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、
2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、
シリコン変性モノマー、マクロモノマー、
ブタジエン、イソプレン等の共役二重結合化合物
酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、
4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。
上記非架橋性モノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
上記のうち、スチレン、エチルビニルベンゼン等のスチレン系モノマー、メチルメタクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル系モノマーが好ましい。
重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用できる。また、油溶性の重合開始剤が好ましい。具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系重合開始剤が挙げられる。
中でも、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好ましい。
重合開始剤は、モノマー混合物中の全モノマーに対して、通常0.1〜10重量%程度、好ましくは0.2〜5.0重量%程度用いられる。
モノマー混合物は、特に限定されず、上記アミン由来の基を有するモノマー、架橋性モノマー、非架橋性モノマー及び重合開始剤を適宜混合して得ることができる。
次に、水系分散媒体は、水性媒体と両性イオン界面活性剤とを含む。
水性媒体としては、水、水と水溶性有機溶媒(例えば、低級アルコール)との混合媒体等が挙げられる。水性媒体の使用量は、モノマー混合物に対し、好ましくは50〜500重量%、更に好ましくは100〜200重量%である。
本発明の特徴の1つは、両性イオン界面活性剤の存在下であれば、アミン由来の基を有するモノマーを含有するモノマー混合物を水系分散媒体中で液滴化することができることを見い出したことである。これに対して、両性イオン界面活性剤の不存在下においては、モノマー混合物の液滴を得ることができない。
両性イオン界面活性剤としては、公知の両性イオン界面活性剤をいずれも使用することができる。具体的には、ラウリルジメチルカルボキシベタイン、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシプロピルスルホアンモニウムべタイン等が挙げられる。
上記の両性イオン界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、水性媒体に対し、0.01〜3重量%であることが好ましい。0.01重量%を下回ると、安定的に懸濁を行うことが難しくなるので好ましくない。3重量%を上回ると、量に見合った効果が認められないので好ましくない。より好ましい使用量は、0.1〜2重量%である。
水系分散媒体中には、アニオン性界面活性剤加えてもよい。アニオン性界面活性剤と両性イオン界面活性剤とを併用すれば、モノマー混合物の液滴を更に安定させることができる。
アニオン性界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリウム等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤の使用量は、特に限定されないが、水性媒体に対し0.01〜3重量%であることが好ましい。
また、ノニオン性界面活性剤を使用してもよい。ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
水系分散媒体中には、懸濁安定剤を添加することが好ましい。懸濁安定剤としては、例えば第三リン酸カルシウムのようなリン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、コロイダルシリカ等の難水溶性無機化合物が挙げられる。
また、上記無機化合物以外に、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性高分子を使うことができる。
特に、本発明では水溶性高分子が好ましい。
懸濁安定剤は、得られる樹脂粒子の粒子径と重合時の分散安定性とを考慮して、その種類や使用量を適宜調節して使用できる。懸濁安定剤の使用量は、最終的に得られる粒子に対して0.5〜50重量%程度が好ましい。0.5重量%を下回ると、分散安定性が低下し、目的とする粒子径が得られ難くなり、50重量%を上回っても、使用量に見合った効果が得られないので好ましくない。より好ましい使用量は、0.6〜30重量%程度である。
特に、アニオン系界面活性剤と水溶性高分子の組み合わせを好ましく用いることができる。
更に、本発明の効果を妨げない範囲で、水系分散媒体中において乳化重合による1μm以下の微粒子が副次的に形成されるのを抑制する目的で、水溶性重合禁止剤を加えてもよい。水溶性重合禁止剤としては、例えば塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等の水溶性電解質や、亜硝酸ナトリウム、ハイドロキノン等が挙げられる。
架橋ポリマー粒子の表面を、部分的又は全面的に覆うポリマーの量は、架橋ポリマー粒子に対して1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%である。1重量%未満であると架橋ポリマー粒子(A)樹脂の被覆が十分でないため好ましくない。一方、20重量%を超えるとモノマー混合物中のモノマーが単独で重合するため好ましくない。
モノマー混合物の分散方法は、モノマー混合物を水系分散媒体中で液滴化できさえすれば特に限定されない。例えば、プロペラ翼等の撹拌力による方法、ローターとステーターから構成した高剪断力を利用する分散機である一般的なホモミキサー又は超音波分散機等を用いる方法、液滴同士の衝突力を利用したマイクロフルイダイザー、ナノマイザー等、機壁への衝突力を利用した高圧型分散機を用いる方法や、MPG(マイクロポーラスガラス)多孔膜を通してモノマーを水相に圧入する方法等が挙げられる。
また、モノマー混合物を、水系分散媒体に、一括して添加してもよく、徐々に添加してもよい。
液滴の径は、特に限定されないが、0.1〜5μmの範囲が好ましい。
(2)次に、得られた分散液に架橋ポリマー粒子を添加して、モノマー混合物を架橋ポリマー粒子表面に吸着させる。
架橋ポリマー粒子は、特に限定されず、架橋してさえいれば公知のポリマー粒子を使用できる。架橋ポリマー粒子は、架橋性モノマー、又は架橋性モノマーと非架橋性モノマーとのモノマー混合物を重合させて得ることができる。この内、後者のモノマー混合物を重合させて得られた粒子が好ましい。
架橋性モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーを使用できる。例えば、トリメチレンプロパントリメタクリレートに代表される多価アクリレート化合物のような2個以上の共重合性二重結合を有する化合物、ジビニルベンゼンに代表される非共役ビニル化合物等が挙げられる。具体例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジアクリレート化合物、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート等のトリアクリレート化合物、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等のテトラアクリレート化合物、
エチレングコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のメタクリレート化合物、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート等のトリメタクリレート化合物、
メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
上記架橋性モノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
非架橋性モノマーとしては、特に限定されず、公知のモノマーを使用できる。具体的には、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリン等の芳香族モノビニル化合物、
ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、β−メタクリロイルオキシエチルハイドロジエンフタレート、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステルモノマー、
2−エチルヘキシルメタクリレート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルモノマー、
シリコン変性モノマー、マクロモノマー、
ブタジエン、イソプレン等の共役二重結合化合物
酢酸ビニル等のビニルエステル化合物、
4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物が挙げられる。
上記非架橋性モノマーは、1種又は2種以上組み合わせて使用できる。
特に、非共役ビニル化合物と芳香族モノビニル化合物の組合せが好ましい。
架橋ポリマー粒子を形成する際のモノマー混合物中の架橋性モノマーの含有割合は30重量%以下であることが好ましい。30重量%を越える場合には、目的とする表面被覆粒子を得ることが困難であるため好ましくない。より好ましい含有割合は、25重量%以下であり、更に好ましくは20重量%以下である。
次に、架橋ポリマー粒子は、特に限定されず、公知の方法で得ることができる。例えば、架橋性モノマーを少なくとも含むモノマー混合物を懸濁重合法又はシード重合法で重合することで得ることができる。
架橋ポリマー粒子の平均粒子径は、特に限定するものでなく、最終的に得られる表面被覆架橋ポリマー粒子の平均粒子径が、目的の値となるように、架橋ポリマー粒子の平均粒子径を適宜決めることができる。架橋ポリマー粒子の平均粒子径のコントロールは乳化剤の量や撹拌条件の制御、その他公知の方法により行なうことができる。
架橋ポリマー粒子は、モノマー混合物の液滴を含む水系分散媒体中に添加することで、その表面にモノマー混合物を吸着させることができる。吸着は、特に限定されず、水系分散媒体をゆっくり攪拌しながら行うことができる。水系分散媒体中に、モノマー混合物の液滴が存在しなくなった時点を吸着の終点とする。
(3)次いで、吸着したモノマー混合物を重合させることにより表面被覆架橋ポリマー粒子が得られる。重合は、特に限定されず、例えば、水系分散媒体を加熱することにより行うことができる。また、重合は、攪拌下で行うことが好ましい。撹拌条件は、重合中の粒子の浮上や重合後の粒子の沈降を防止できる程度の条件であればよい。
重合温度は、重合転化率が約90%未満では、50〜90℃が好ましく、60〜80℃が更に好ましい。重合温度が50℃を下回ると、重合が進行し難く、重合時間が長くなるので好ましくない。また、重合温度が90℃を上回ると、重合を安定して行うことが難しくなるので好ましくない。重合反応の時間は、特に限定されないが、通常0.5〜15時間程度が好ましい。
更に、重合転化率が約90%以上に達した時点で、重合温度を95〜120℃程度にして、約0.1〜5時間程度で重合反応を完結させることが好ましい。
また、重合の終了後、水系分散媒体から表面被覆架橋ポリマー粒子を単離してもよい。単離方法としては、例えば、水系分散媒体を冷却し、吸引濾過、遠心分離、遠心濾過等の操作により、粒子を水相から分離し、分離した粒子を水洗し、乾燥する方法が挙げられる。
得られた表面被覆架橋ポリマー粒子は、架橋ポリマー粒子表面がアミン由来の基を有するモノマー由来のポリマーで被覆されている。被覆は、架橋ポリマー粒子全面にわたっていてもよく、一部のみであってもよい。
表面被覆架橋ポリマー粒子の平均粒子径は、該粒子の用途により異なるが、0.5〜100μmであることが好ましい。
本発明の方法により得られた表面被覆架橋ポリマー粒子は、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・艶消し剤等の塗料・インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、滑り剤・体質顔料等の化粧品分野、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、光拡散剤、樹脂改質剤等の一般工業分野へ好適に使用可能である。
更に、表面被覆架橋ポリマー粒子は、アミン由来の基を含むモノマー由来のポリマーの被膜を有しているため、粒子全体として正に帯電させることができるという特徴も有する。例えば、ゼータ電位で評価して、正に帯電させることができる。正に帯電していることで、上記用途の内、電子工業分野、医療分野、化粧品分野等に特に好適に使用できる。
次に、実施例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの記載によって拘束されるものではない。なお、以下の記載において「部」は重量部、「%」は「重量%」を表わす。
架橋ポリマー粒子及び表面被覆架橋ポリマー粒子の平均粒子径、ゼータ電位については以下の方法で測定した。
<平均粒子径の測定方法>
孔径50〜280μmの細孔に電解質溶液を満たし、当該電解質溶液を粒子が通過する際の電界質溶液の導電率変化から体積を求め、平均粒子径を計算する。具体的には、測定した平均粒子径は、ベックマンコールター社製のコールターマルチザイザーIIによって測定した体積平均粒子径である。なお、測定に際してはCoulter Electronics Limited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、測定する粒子の粒子径に適合したアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、市販のガラス製の試験管に粒子0.1gと0.1%ノニオン系界面活性剤溶液10mlを投入し、ヤマト科学社製タッチミキサー TOUCHMIXER MT−31で2秒間混合した後試験管を市販の超音洗浄機であるヴェルヴォクリーア社製ULTRASONIC CLEANER VS−150を用いて10秒間予備分散させ、これを本体備え付けの、ISOTON2(ベックマンコールター社製:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く攪拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にマルチサイザー2本体にアパチャーサイズ、Current,Gain,PolarityをCoulterElectronics Limited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って入力し、manualで測定する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した点で測定を終了する。
<ゼータ電位の特定方法>
マイクロテック・ニチオン社製ゼータ電位測定装置(ZEECOM ZC−2000型)を用い、以下の方法に基づいて測定する。
(測定液の調整)
50mlのねじ口ガラス瓶に粒子20mg及び0.01MのKCl水溶液30gを量り取り、そのガラス瓶を超音波洗浄器(ヴェルヴォクリーア社製VS−150)の槽内に移し、10分間超音波分散させる。分散後室温になるまで静置することで測定液を得る。
(ゼータ電位測定)
サンプルセル(テフロン(登録商標)製セル、電極間距離:9cm、プラス側電極:モリブデン、マイナス側電極:白金)に測定液を注入し、そのセルを上記測定装置にセットする。対物レンズの焦点を静止層に合わせて、電圧を40V印加し、静止面における粒子の移動度より、電位の値を粒子50個分測定し、その平均値をゼータ電位とする。
架橋ポリマー粒子の製造例1
イオン交換水3400gに、ノルマルオクチルメルカプタン(連鎖移動剤)5.6gを溶解したメタアクリル酸メチル(エチレン系モノマー)560gを混合した。混合液を攪拌しながら窒素気流中で70℃に昇温し、次いで混合液に、重合開始剤として過硫酸カリウム2.8gを投入し、70℃で4時間ソープフリーの重合反応を行った。その結果、平均粒子径が0.5μm、重量平均分子量が2.5万の単分散ポリメタクリル酸メチルの分散液(固形分14.3%)を得た。
次いで、得られた単分散ポリメタクリル酸メチルの分散液130gとイオン交換水3500gを混合し、攪拌しながら70℃に昇温したのち、過硫酸カリウム1.9gを投入した。その後、メタクリル酸メチル380gを1時間にわたって滴下し、70℃で5時間ソープフリーの重合反応を行い、平均粒子径が1.3μm、重量平均分子量が4万の単分散ポリメタクリル酸メチルの種粒子の分散液(固形分10%)を得た。
次に、メタクリル酸メチル(エチレン系モノマー)160gと、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性モノマー)40gとを用い、これに重合開始剤として2、2−アゾビス−(2、4−ジメチルバレロニトリル)0.6gを溶解した。得られたモノマー混合物をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)1.6gが含まれたイオン交換水400gと混合し、T.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて、8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
この乳化液を上で得た平均粒子径が1.3μmの種粒子の分散液(固形分10%)40gに加え、室温で2時間攪拌した。2時間後の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、乳化液中のモノマーは完全に種粒子に吸収されていることを認めた。この分散液にポリビニルアルコール(分散安定剤:日本合成化学社製、ゴーセノールGH−23)の5%水溶液300gを加え、その後55℃で8時間重合を行った。
加熱終了後、反応混合物を冷却し、重合後のスラリーを濾紙を設置したブフナー漏斗にて吸引濾過し、10Lのイオン交換水にてケーキを洗浄して懸濁安定剤を除去し、吸引濾過後の脱水ケーキを乾燥して架橋ポリマー粒子を得た。
得られた架橋ポリマー粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、平均粒子径が4.8μmで、粒子径が非常によく揃っていることを認めた。
架橋ポリマー粒子の製造例2
水400gに、複分解法により生成させたピロリン酸マグネシウム(懸濁安定剤)10gと、ラウリルサルフェート(アニオン性界面活性剤)0.16gと、亜硝酸ナトリウム(水溶性重合禁止剤)0.04gとを溶解し、水相を調製した。
別途、メチルメタクリレート(疎水性の重合性ビニルモノマー)160gに、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性モノマー)40gと、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(アゾ系重合開始剤)1.0gとを溶解してモノマー混合物を調製した。モノマー混合物を水相に加えて、ホモミキサー(製造例1と同じもの)にて5分間攪拌することで、中心径が約15μmのモノマー滴が微分散した懸濁液を得た。この懸濁液を1Lオートクレーブに入れ、充分に窒素置換した後、撹拌速度を200rpmに保持し、55℃で10時間懸濁重合させた。次いで、反応温度を55℃から100℃まで20分かけて上昇させ、100℃で1時間加熱した。
加熱終了後、反応混合物を冷却し、重合後のスラリーに、pHが2程度になるまで塩酸を添加して懸濁安定剤を分解した。濾紙を設置したブフナー漏斗にてスラリーを吸引濾過し、5Lのイオン交換水にてケーキを洗浄して懸濁安定剤を除去した。吸引濾過後の脱水ケーキを乾燥して架橋ポリマー粒子を得た。
得られた架橋ポリマー粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、平均粒子径が14.5μmで、粒子径が非常によく揃っていることを認めた。
実施例1
メタクリル酸メチル(非架橋性モノマー)60g、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性モノマー)60g、ジエチルアミノエチルメタクリレート(アミン由来の基を有するモノマー)80gとからなる混合物に、2、2−アゾビス−(2、4−ジメチルバレロニトリル)(重合開始剤)1gを溶解し、モノマー混合物を得た。
ラウリルジメチルカルボキシベタイン(両性イオン型界面活性剤)2g、及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(アニオン性界面活性剤)1gをイオン交換水200gに溶解して水系分散媒体を得た。
水系分散媒体に前述のモノマー混合物を添加し、これをT.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて8000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
製造例1により得られた架橋粒子95gを、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6gを溶解したイオン交換水300gに分散させた水系媒体中に、前述の乳化液10gを添加し、ゆっくりと室温にて1時間攪拌した。この分散液に分散安定剤としてポリビニルアルコール(日本合成化学社製、ゴーセノールGH−17)の5%水溶液60gを加え、その後55℃で8時間重合を行った。
加熱終了後、反応混合物を冷却し、重合後のスラリーを濾紙を設置したブフナー漏斗にて吸引濾過し、10Lのイオン交換水にてケーキを洗浄して懸濁安定剤を除去し、吸引濾過後の脱水ケーキを乾燥して表面被覆架橋ポリマー粒子を得た。
得られた粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定した。粒度分布及び電子顕微鏡による観察から、微小粒子の発生はなく、粒子径が非常によく揃っていることを認めた。なお、平均粒子径が5.0μmであった。また、ゼータ電位は42mVであり、正帯電を有していた。
実施例2
ジエチルアミノエチルメタリレートに変え、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリラートを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件にて表面被覆架橋ポリマー粒子を得た。
得られた粒子は、平均粒子径が5.0μmで、実施例1と同様に粒子径が非常によく揃っていることを認めた。また、ゼータ電位は52mVであり、正帯電を有していた。
実施例3
製造例2により得られた架橋ポリマー粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件にて表面被覆架橋ポリマー粒子を得た。得られた粒子は、平均粒子径14.9μであり、1μm以下の微小粒子は発生していなかった。また、ゼータ電位は48mVであり、正帯電を有していた。
実施例4
メタクリル酸メチル120g(非架橋性モノマー)、エチレングリコールジメタクリレート(架橋性モノマー)60g、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリラート(アミン由来の基を有するモノマー)20gを用いたこと以外は、実施例1と同様の条件にて表面被覆架橋ポリマー粒子を得た。
得られた粒子は、平均粒子径が5.0μmで、実施例1と同様に粒子径が非常によく揃っていることを認めた。また、ゼータ電位は28mVであり、正帯電を有していた。
比較例1
両性イオン型界面活性剤としてラウリルジメチルカルボキシベタインを使用しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて、表面被覆架橋ポリマー粒子の製造を試みたが、アミン由来の基を含むモノマー混合物を水系媒体中に懸濁しても液滴とすることができず、架橋ポリマー粒子表面に吸着できなかったため、目的の粒子を得ることができなかった。
比較例2
ジエチルアミノエチルメタクリレートを使用しないこと以外は、実施例1と同様の条件にて表面被覆架橋ポリマー粒子を得た。
得られた粒子は、平均粒子径が5.0μmで、実施例1と同様に粒子径が非常によく揃っていることを認めた。しかし、ゼータ電位は−15mVであり、負帯電を有していた。
下記表1に、使用する架橋ポリマー粒子種、モノマー量、両性イオン界面活性剤量、平均粒子径及びゼータ電位をまとめて示す。
Figure 0004528178
表1から、アミン由来の基を有するモノマー及び両性イオン界面活性剤を両方使用することで、架橋ポリマーの表面が他のポリマーで被覆された表面被覆架橋ポリマー粒子が得られることがわかる。

Claims (3)

  1. イオン性基としてのアミン由来の基を有するモノマーを10〜50重量%含有し、更に重合開始剤を含むモノマー混合物を、両性イオン界面活性剤を含む水系分散媒体中に分散させて液滴化する工程と、得られた分散液に架橋ポリマー粒子を添加して、前記モノマー混合物を架橋ポリマー粒子表面に吸着させる工程と、次いで、前記吸着したモノマー混合物を重合させる工程とを含むことを特徴とする表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法。
  2. 前記モノマー混合物が、架橋性モノマーを10〜50重量%含み、前記架橋ポリマー粒子が、架橋性モノマーを10〜30重量%含むモノマーを重合させて得られた粒子である請求項1に記載の表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法。
  3. 前記アミン由来の基を有するモノマーが、ジエチルアミノエチルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル=メタクリラート及び2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル=メタクリラートからなる群から選択される請求項1又は2に記載の表面被覆架橋ポリマー粒子の製造方法。
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