JP6094076B2 - 半円型粒子の製造方法及び複合粒子の製造方法 - Google Patents

半円型粒子の製造方法及び複合粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半円型粒子の製造方法及び半円型粒子を用いた複合粒子の製造方法に関する。
形状をコントロールして製造された重合体粒子は、各種溶媒やワニス、フィルムの添加剤として広く用いられている。例えば、特許文献1には、扁平な合成樹脂粒子であって、扁平面の少なくとも一方に凹部を有した粒子が、光沢性、平滑性、隠ぺい力、白色度等の優れた特性を満足していることが開示されている。また、特許文献2には、おわん状又はシェル状の有機粉体を下地化粧料に用いた場合、光を多方面に散乱する性質に優れ、肌上でファンデーションを透過した光を多方向に散乱させるため、マット感を演出する化粧効果に優れることが開示されている。
上述のような異形粒子の製造方法は各種提案されている。その具体例としては、ビニルモノマーと、ビニルモノマーと共重合しない疎水性の液状媒体と、リン酸エステル類と、を添加して懸濁重合する方法(特許文献3)及び、このような懸濁重合において、疎水性の液状媒体としてオルガノポリシロキサンを用いる方法(特許文献4)が挙げられる。また、シード重合により二段階で微粒子を合成し、二段階目のモノマーに一定量の架橋剤を入れる方法(特許文献5)及び、極性溶媒中に、極性溶媒と相溶しない非極性溶媒と合成した高分子微粒子とを分散させることによって、表面にくぼみを有する高分子微粒子を得る方法もある(特許文献6)。
特許第2723911号公報 特許第3677728号公報 特許第3827617号公報 特許第3821719号公報 特許第456728号公報 特開2007−217616号公報
上述した異形粒子の製造方法には、種々の問題がある。例えば、特許文献3又は4の方法では、粒径のバラつきが大きいという欠点がある。シード重合により二段階で異形粒子を合成する特許文献5等の方法は、二段階で製造するので工程が多くて煩雑であること又は、シード重合のため、小径の微粒子を製造することが難しいといった欠点がある。また、シード重合による製造方法は、粒子の形状のコントロールと架橋のコントロールを同時に行うことが難しく、微粒子特性の調整が困難である。さらに極性溶媒と非極性溶媒とを用いる特許文献6等の方法は、製造コストが高く、粒子の形状も限定される。
本発明は上記の課題を改善し、粒径のバラつきを抑えながら、製造コストが安価で粒子の形状を容易に制御可能である半円型粒子の製造方法及び半円型粒子を用いた複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記事情に鑑み、本発明の半円型粒子の製造方法は、重合性二重結合を有するアルコキシシランを含む単量体組成物を重合する重合工程を備える。このような製造方法によれば、重合性二重結合を有するアルコキシシランにより、得られる粒子の形状を容易に制御できる。よって、二段階で製造する場合又は極性溶媒と非極性溶媒とを用いる製造方法と比べて、製造コストが安価で粒子の形状を容易に制御可能である。
上記製造方法において、単量体組成物全量に対して上記アルコキシシランが、0.3モル%以上含まれることが好ましい。単量体組成物全量に対して重合性二重結合を有するアルコキシシランの量が多いほど半円型粒子の最大厚み(d)に対する最大粒径(D)の比(D/d)が大きくなる。よって、単量体組成物全量に対してアルコキシシランが0.3モル%以上であると、粒子の形状を球がつぶれた扁平に制御し易くなる。
また、上記製造方法では、重合工程において、単量体組成物を乳化重合することが好ましい。これによって、後の洗浄が不要で安価に粒子を合成できるとともに、粒子の形状を容易にコントロールすることができる。
単量体組成物が、架橋性単量体を含み、架橋性単量体1モルに対するアルコキシシランの含有比率が0.2モル以上であることが好ましい。架橋性単量体1モルに対するアルコキシシランの含有比率が大きいほど上述したD/dが大きくなる。よって、架橋性単量体1モルに対するアルコキシシランの含有比率が0.2モル以上であると、粒子の形状を扁平に制御し易くなる。
前記単量体組成物全量に対して、スチレン系単量体を50モル%以上含むことが好ましい。この場合、粒子の形状を扁平に制御し易くなる。
また、本発明は、上述した製造方法で得られた半円型粒子を子粒子として用いた複合粒子の製造方法を提供する。
複合粒子の製造方法は、平均粒径が半円型粒子の平均最大粒径の5倍以上である母粒子に、結着剤を介して半円型粒子を付着させることが好ましい。また、このような複合粒子の製造方法において、結着剤が高分子電解質であることが好ましい。これによって、母粒子の表面に半円型粒子を付着し易くなる。
本発明によれば、粒子のバラつきを抑えながら、容易に粒子の形状を調整可能な半円型粒子の製造方法及び複合粒子の製造方法を提供できる。
本実施形態の製造方法により得られた複合粒子の模式断面図である。 本実施形態の製造方法により得られた半円型粒子を示す図である。(a)が斜視図であり、(b)が断面図である。 本実施形態の製造方法により得られた半円型粒子のSEM写真であり、倍率は4.0万倍である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及びそれに対応する「メタクリレート」を意味する。
(半円型粒子の製造方法)
本実施形態の半円型粒子の製造方法は、重合性二重結合を有するアルコキシシランを含む単量体組成物を重合する重合工程を備える。
単量体組成物は、重合性二重結合を有するアルコキシシランを含む。重合性二重結合を有するアルコキシシランは、単量体組成物全量に対して0.3モル%以上を混合することが好ましく、1.0モル%以上を混合することがより好ましい。単量体組成物全量に対して上記アルコキシシランを0.3モル%以上含むと、粒子の形状を扁平に制御し易くなる。上記アルコキシシランの含有量の上限は、例えば単量体組成物全量に対して20.0モル%以下とすることができ、単量体組成物全量に対して5.0モル%以下とすることがより好ましい。アルコキシシランの含有量が単量体組成物全量に対して20.0モル%以下であると、架橋の制御がし易くなる。
重合性二重結合を有するアルコキシシランは、Si原子上に、少なくとも一つの重合性二重結合を含む基と、少なくとも一つのアルコキシ基とを有するものである。当該アルコキシシランは、これらの基以外に、Si原子上に、アルキル基等の基を有していてもよい。
重合性二重結合としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。また、重合性二重結合を有する基としては、これらの基がアルキル基上に置換された基等が挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。
重合性二重結合を有するアルコキシシランの具体例としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
単量体組成物は、重合性二重結合を有するアルコキシシラン以外に、例えば、重合性のビニル基を1つ有する単量体を含むことが好ましい。重合性のビニル基を1つ有する単量体としては、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン単量体、ジオレフィン等が挙げられる。
上記単量体組成物の具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、エチレン不飽和モノオレフィン類、ハロゲン化ビニル類、ビニルエステル類、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、アクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体などが挙げられる。また、単量体組成物として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を含ませることができる。
スチレン誘導体としては、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
エチレン不飽和モノオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等が挙げられる。
ハロゲン化ビニル類としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等が挙げられる。
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、及び、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
アクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
また、上記単量体組成物には、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物なども含めることができる。
上述した単量体の中でも、重合のしやすさ又は半円型粒子の形状のコントロールの観点から、スチレン及びその誘導体、アクリル酸エステル及びその誘導体、並びにビニルエステル類が好ましく、スチレン及びその誘導体が特に好ましい。また、上記単量体組成物は2種類以上の単量体を含んでいても構わない。
また、半円型粒子の形状のコントロールの観点から、単量体組成物は、単量体組成物全量に対して、スチレン及びその誘導体であるスチレン系単量体を50モル%以上含むことが好ましい。
得られる半円型粒子に対して耐候性、耐湿性、耐溶剤性、破壊強度、及び、絶縁性を持たせるために、単量体組成物は、重合性のビニル基を複数有する架橋性単量体を含むことが好ましい。このような架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
架橋性単量体1モルに対するアルコキシシランの含有比率が0.2〜20.0モルであることが好ましい。架橋性単量体1モルに対するアルコキシシランの含有比率が0.2モル以上であると、粒子の形状を扁平に制御し易くなる。一方、上記含有比率が20.0モル以下であると、単量体組成物全量に対して0.3モル%以上の重合性二重結合を有するアルコキシシランを入れた場合に、所望の形状に制御しながら半円型粒子をより製造しやすい。
重合開始剤としては、通常の乳化重合に使用されているものであればよく、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類などである。必要に応じて還元剤と組合せて、レドックス系開始剤として使用することもできる。種粒子エマルションを製造するには通常、界面活性剤(あるいは、重合開始剤)の存在下に、各種の単量体組成物を一括、分割、又は、連続的に滴下して重合を行う。なお、ソープフリー乳化重合を行う際には親水性の重合性モノマーを入れることで、安定的に粒子を合成でき、粒径制御も容易になる。具体的にはスチレンスルホン酸ナトリウム、メタクリル酸、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。親水性の反応性モノマーの量を多くすると粒径が小さくなり、親水性の反応性モノマーの量を少なくすると粒径が大きくなる。親水性の重合性モノマーの含有量は、単量体組成物全量に対して、0.1〜10.0モル%であることが好ましい。
重合工程において、単量体組成物を乳化重合することが好ましく、中でも後の洗浄が不要で安価に粒子を合成できる点からソープフリー乳化重合を用いることが好ましい。ソープフリー乳化重合は、例えば、上述した単量体組成物、水及び重合開始剤をフラスコに入れて、窒素雰囲気下において100〜500rpm(min-1)の攪拌速度で撹拌しながら行う。単量体組成物は、一括、分割、又は連続滴下し、プロペラ攪拌機等で攪拌する。全単量体組成物の含有量は、溶媒の水に対して1〜20質量%であることが好ましい。
重合温度は、より効率的に反応を行うことができる観点から、40℃〜90℃であることが好ましく、重合時間は、2時間〜10時間であることが好ましい。適切な重合温度及び時間は、当業者が適宜に選択することができる。
(複合粒子の製造方法)
次に、上記本実施形態の製造方法により製造される半円型粒子を用いた複合粒子の製造方法について説明する。上記本実施形態の製造方法により製造される半円型粒子を用いた複合粒子は、電子材料、光拡散フィルム、化粧品、塗料等の用途で好適に用いられる。上記本実施形態の製造方法により製造される本実施形態で製造された半円型粒子を用いて複合粒子を製造する場合、母粒子と子粒子との吸着強度が大幅に強化されるため、各種信頼性が高く、経時変化も少ないため好ましい。複合粒子の製造方法の説明に先立ち、本実施形態に係る製造方法で得られる複合粒子について詳述する。
図1は、複合粒子の一実施形態を示す模式断面図である。本実施形態に係る複合粒子14は、母粒子12と、該母粒子の外側に付着された複数の子粒子13とを備える。母粒子12は、プラスチック核体10及び該プラスチック核体を被覆する金属被膜11を有する。また、子粒子13は、母粒子12の表面の一部を被覆する。本実施形態の複合粒子は、電子材料の用途、特に回路接続用材料として好適に用いることができる。
本実施形態で用いる母粒子12の平均粒径は1〜10μmであり、好ましくは2〜5μmであり、より好ましくは2〜3μmである。母粒子12を絶縁被覆導電粒子における導電粒子(以下、「導電粒子」ともいう。)として用いる際、母粒子12の平均粒径が1μm以上であると、電極の高さばらつきを吸収することができ、導通信頼性を向上することができる。また、平均粒径が10μm以下であると、絶縁信頼性に優れる。
ここで述べる母粒子12の平均粒径は、電子顕微鏡(SEM)により数千〜数万倍の倍率で100個程度の導電粒子を撮影した後、画像解析により粒子径を測定し、その平均を求めたものとする。本実施例における粒子径はHITACHI S−4800(日立ハイテク株式会社製、商品名)により測定した。また、母粒子12の平均粒径は、プラスチック核体10の平均粒径を上記と同様な方法で測定した後、金属被膜11の厚さを測定してそれらを合計して求めることもできる。なお、金属被膜11の厚さは、透過型電子顕微鏡(TEM)や原子吸光分析法により測定することができる。
プラスチック核体10に金属被膜11を被覆する方法は特に限定されないが、例えば、スパッタリング法及びめっき法が挙げられる。これらの中で、簡便性の点から、めっき法が好ましい。
めっき等で被覆する金属としては特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、パラジウム、ニッケル、錫、クロム、チタン、アルミニウム、コバルト、ゲルマニウム、カドミウム等の金属、ITO、はんだ等の金属化合物などが挙げられる。耐腐食性の観点から、被覆する金属は、ニッケル、パラジウム及び金からなる群より選ばれる1つ以上の金属が好ましい。また、導通特性及び硬さを向上するため、カーボンナノチューブ、カーボンブラック等のカーボン化合物を上記金属と混合することもできる。
上記金属被膜11は、単層構造であってもよく、複数の層からなる積層構造であってもよい。単層構造である場合、めっき層としては、コスト、導通特性及び耐腐食性の観点からニッケルが好ましい。さらに、近年のガラス電極の平坦化を考えると、導通特性を向上するため、表面に突起を有するニッケルめっきが好ましい。また、複層構造である場合、導電特性等の観点から、ニッケルの外側に金又はパラジウムのような貴金属を有するものが好ましい。
上記母粒子12は、突起を有していてもよい。突起の形成方法としては、めっきの異常析出による方法と芯材を用いる方法が挙げられるが、突起形状の均一化を考慮した場合、芯材を用いる方法が好ましい。芯材としては、ニッケル、炭素、パラジウム及び金等の導電性材料並びにプラスチック、シリカ及び酸化チタン等の非導電性材料が挙げられる。芯材に強磁性材料を用いると、絶縁粒子を被覆する段階で磁性凝集が大きくなり、子粒子13を付着させることが困難になるため例えば強磁性材料であるニッケルを芯材にする場合、芯材は更にリン等非磁性材料をも含むのが好ましい。
突起の大きさは、30〜300nmであることが好ましく、50〜200nmであることがより好ましい。突起の大きさが300nm以下であるとショート確率が低減し、大きさが30nm以上あるとより優れる導通特性が得られる。突起の被覆率は、母粒子の表面積全体に対して5〜60%であることが望ましい。また、突起の大きさは、導電粒子の平均粒径に含まれていないものとする。なお、突起の被覆率は、SEM像の画像解析により求めることができる。
金属被膜11の厚みは特に限定されないが、0.001〜1.0μmであることが好ましく、0.005〜0.3μmであることがより好ましい。
金属被膜11の厚みが0.001μm以上であると導通不良をより高度に防止でき、1.0μm以下であると接続信頼性により優れる。
プラスチック核体10の材料は特に限定されないが、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂及びオレフィンとアクリル酸との共重合体等が挙げられる。硬さ及びTgの観点から、プラスチック核体10は、オレフィンとアクリル酸との共重合体であることが好ましく、ジビニルベンゼンとアクリル酸との共重合体であることがより好ましい。
本発明で用いる子粒子13は、半円型の粒子である。半円型の粒子を用いることにより、子粒子13と母粒子12との接触面積が球状子粒子の場合より広くなり、付着強度に優れる。
半円型の粒子とは、二次元的には円の部分を有しており、球状ではない粒子である。半円型の粒子は、扁平形状及び赤血球形状であると好ましい。本明細書において、赤血球形状粒子は、両面に窪みを有するものであってもよく、片面のみに窪みを有するもの(以下、おわん型粒子ともいう。)であってもよい。
子粒子13の平均最大粒径は140〜500nmであればよいが、200〜450nmであることが好ましく、250〜400nmであることがより好ましい。平均最大粒径が500nm以下であると、子粒子13と母粒子12との付着強度を向上することができる。平均最大粒径が140nm以上であると、複合粒子14を絶縁被覆導電粒子における絶縁粒子として用いる際、絶縁性に優れる。さらに、子粒子13の平均最大粒径のばらつき(以下、CVともいう)は10%以下であればよく、3%以下であるとより好ましい。
子粒子13の平均最大厚みは平均最大粒径の20〜80%であることが好ましく、平均最大粒径の20〜70%であることがより好ましく、平均最大粒径の30〜60%であることが更に好ましい。平均最大厚みが平均最大粒径の80%以下であると、子粒子13と母粒子12の付着強度に優れる。また、平均最大厚みが平均最大粒径の20%以上であると、母粒子同士の凝集を防ぐことができ、本発明の複合粒子14を絶縁被覆導電粒子として用いる際、絶縁抵抗を向上することができる。
子粒子13の平均最大厚みは更に、100nm以上であることが好ましく、120nm以上であることがより好ましく、150nm以上であることが更に好ましい。平均最大厚みが100nm以上であると、母粒子同士の凝集をより防ぐことができる。
なお、本明細書において、「半円型粒子」とは、二次元的には円の部分を有しており、球状ではない粒子と定義する。また、「平均最大粒径」は、二次元的な円の部分の直径の平均値、「平均最大厚み」は、円を平面に置いたときの最大の高さの平均値を意味する。
「二次元的な円の部分の直径」及び「円を平面に置いたときの最大の高さ」について、図2に基づいて説明する。図2(a)は赤血球形状の粒子(おわん型粒子)の斜視図であり、図2(b)は、図2(a)の粒子におけるA−A断面図である。図2に示す粒子においては、Xが「二次元的な円の部分の直径」、Yが「円を平面に置いたときの最大の高さ」に相当する。
なお、母粒子12が突起を有する場合、子粒子13を母粒子12に付着し易くする観点から、子粒子13の平均最大粒径は上記の突起よりも大きいことが望ましい。
子粒子13の平均最大粒径のCVは、10%以下であることが好ましく、3%以下であることがより好ましい。CVが10%以下であると、絶縁性と導通性を向上することができる。
次に、複合粒子12の製造方法について説明する。複合粒子12の製造方法は、子粒子13を母粒子12に付着させる工程を含む。子粒子13を母粒子12に付着させる方法としては、特に限定されていないが、例えば官能基付きの母粒子12に官能基付きの子粒子13を付着させる方法が挙げられる。そのため、子粒子は、外側に水酸基、シラノール基又はカルボキシル基等の反応性が良好な官能基を有していることが望ましい。
母粒子12の表面には、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等の官能基が形成されていることが好ましい。母粒子がこれらの官能基を表面に有することにより、子粒子の表面の官能基と、脱水縮合による共有結合及び水素結合等強固な結合を形成することができる。
母粒子12が金又はパラジウム表面を有する場合、金又はパラジウムに対して配位結合を形成するメルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基のいずれかを有する化合物を用いて金属層表面に水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる1つ以上の官能基を導入するとよい。具体的には、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、メルカプト酢酸メチル、メルカプトコハク酸、チオグリセリン、システイン等が用いられる。
母粒子12がニッケル表面を有する場合、ニッケルに対して強固な結合を形成するシラノール基若しくは水酸基を有する化合物、又は窒素化合物でニッケル表面に水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基からなる群より選ばれる1つ以上の官能基を導入するとよい。具体的には、カルボキシベンゾトリアゾール等が用いられる。
金属表面を上記化合物で処理する方法としては特に限定されないが、メタノール又はエタノール等の有機溶媒中に、メルカプト酢酸又はカルボキシベンゾトリアゾール等の化合物を10〜100mmol/Lの濃度で分散し、その中に金属表面を有する導電粒子を分散させる方法がある。
しかし、水酸基、カルボキシル基、アルコキシル基、アルコキシカルボニル基等の官能基を有する母粒子12の表面電位(ゼータ電位)は、pHが中性領域であるとき、通常マイナスである。一方、水酸基を有する子粒子13の表面電位も通常マイナスである。表面電位がマイナスの粒子の表面を、表面電位がマイナスの粒子で充分に被覆するのは難しい場合が多いが、これらの間に高分子電解質層を設けることにより、効率的に子粒子13を母粒子12に付着させることができる。これらの間に、結着剤として高分子電解質層を設けることにより、効率的に子粒子13を母粒子12に付着させることができる。
母粒子12の表面に子粒子13を付着し易くさせる観点から、子粒子13を母粒子12に付着させる際、平均粒径が子粒子13の平均最大粒径の5倍以上である母粒子12に付着させる。
さらに、高分子電解質層を設けることにより、母粒子12の表面に子粒子13を欠陥なく均一に被覆することができる。これにより、複合粒子を絶縁被覆導電粒子として用いる際、回路電極間隔が狭ピッチでも絶縁性が確保される一方、電気的に接続する電極間では接続抵抗が低く、導通特性が良好である。
官能基を有する子粒子13を、高分子電解質を介して官能基を有する母粒子12の外側に付着させる方法としては特に限定されないが、高分子電解質と子粒子13を交互に積層する方法が好ましい。より具体的な製造方法としては、
(1)官能基を有する母粒子12を、高分子電解質を含む溶液に分散させ、官能基を有する母粒子12の表面の少なくとも一部に高分子電解質を吸着させてリンスする工程と、
(2)高分子電解物質を吸着させた母粒子12を、子粒子13を含む分散液に分散させ、高分子電解物質を吸着させた、官能基を有する母粒子12の表面の少なくとも一部に子粒子13を吸着させて、リンスする工程と、
を含む。上記の方法により、表面に高分子電解質と子粒子13とが積層された複合粒子14を製造できる。
このような方法は、交互積層法(Layer−by−Layer assembly)と呼ばれる。交互積層法は、G.Decherらによって1992年に発表された有機薄膜を形成する方法である(Thin Solid Films、210/211、p831(1992))。この方法では、正電荷を有するポリマー電解質(ポリカチオン)と負電荷を有するポリマー電解質(ポリアニオン)とを含む水溶液に、基材を交互に浸漬させる。これにより、基板上に静電的引力によって吸着したポリカチオンとポリアニオンの組が積層して複合膜(交互積層膜)が得られる。
交互積層法では、静電的な引力によって、基材上に形成された材料の電荷と、溶液中の反対電荷を有する材料とが引き合うことにより膜成長する。吸着が進行して電荷が中和されると、それ以上の吸着が起こらなくなる。したがって、ある飽和点までに至れば、それ以上膜厚が増加することは実質的にない。Lvovらは交互積層法を、微粒子に応用し、シリカ、チタニア及びセリアの各微粒子分散液を用いて、微粒子の表面電荷と反対電荷を有する高分子電解質を交互積層法で積層する方法を報告している(Langmuir、Vol.13、p6195−6203(1997))。この方法を用いると、負の表面電荷を有する絶縁粒子とその反対電荷を持つポリカチオンであるポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDDA)又はポリエチレンイミン(PEI)等とを交互に積層することで、絶縁粒子と高分子電解質が交互に積層された微粒子積層薄膜を形成することが可能である。
官能基を有する母粒子12を、高分子電解質を含む溶液に浸漬した後、子粒子13を含む分散液に浸漬する前に、溶媒のみのリンスによって余剰の高分子電解質を含む溶液を洗い流すことが好ましい。また、高分子電解質を吸着させた官能基を有する母粒子12を、子粒子13を含む分散液に浸漬した後も、溶媒のみのリンスによって余剰の子粒子13を含む分散液を洗い流すことが好ましい。同様に、官能基を有する母粒子12を、無機酸化物微粒子の分散液に浸漬後、高分子電解質溶液に浸漬する前に、溶媒のみのリンスによって余剰の高分子電解質を含む溶液を洗い流すことが好ましい。
このようなリンスに用いる溶媒としては、水、アルコール、アセトン及びそれらの混合溶媒等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
高分子電解質は、母粒子12の表面に導入された上記官能基と吸着可能なものである。この高分子電解質は、上記官能基に例えば静電的に吸着されている。かかる高分子電解質としては、水溶液中で電離し、荷電を有する官能基を主鎖又は側鎖に持つ高分子(ポリアニオン又はポリカチオン)を用いることができる。ポリアニオンとしては、一般的に、スルホン酸、硫酸、カルボン酸等負電荷を帯びることのできる官能基を有するものが挙げられるが、母粒子12及び/又は子粒子13の表面電位がマイナスの場合、ポリカチオンを用いるのがよい。ポリカチオンとしては、一般に、ポリアミン類等のように正荷電を帯びることのできる官能基を有するもの、例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアリルアミン塩酸塩(PAH)、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド(PDDA)、ポリビニルピリジン(PVP)、ポリリジン、ポリアクリルアミド及びそれらを少なくとも1種以上を含む共重合体等を用いることができる。中でも、PEIは電化密度が高く、結合力が強いため、PEIを用いることが好ましい。
これらの高分子電解質の中でも、エレクトロマイグレーション及び腐食を避けるために、アルカリ金属(Li、Na、K、Rb、Cs)イオン、アルカリ土類金属(Ca、Sr、Ba、Ra)イオン及びハロゲン化物イオン(フッ素イオン、クロライドイオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)を、実質的に含まないものが好ましい。
これらの高分子電解質は、いずれも水溶性又はアルコール等の有機溶媒に可溶なものである。高分子電解質の重量平均分子量としては、用いる高分子電解質の種類により一概には定めることができないが、一般に、1,000〜200,000のものが好ましく、2,000〜150,000のものがより好ましく、5,000〜100,000のものが更に好ましい。高分子電解質の重量平均分子量が1,000以上であると、充分な母粒子の分散性が得られ、母粒子12の平均粒径が3μm以下であっても、母粒子12同士の凝集を防ぐことができる。また、高分子電解質の重量平均分子量が200,000以下であると、凝集防止の点に優れる。
上記高分子電解質溶液は、水又は有機溶媒の混合溶媒に溶解したものである。使用できる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等が挙げられる。
なお、溶液中の高分子電解質の濃度は、一般に、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜2.0質量%であることがより好ましく、0.1〜1.0質量%であることが更に好ましい。高分子電解質の濃度が0.01質量%以上10質量%以下であると、接着性と分散性を向上することができる。また、高分子電解質溶液のpHは、特に限定されない。
また、高分子電解質の種類、分子量又は濃度を調整することにより、子粒子13による母粒子12の被覆率をコントロールすることができる。
具体的には、PEI等電荷密度の高い高分子電解質を用いた場合、子粒子13による被覆率が高くなる傾向があり、PDDA等電荷密度の低い高分子電解質を用いた場合、子粒子13による被覆率が低くなる傾向がある。また、高分子電解質の分子量が大きい場合、子粒子による被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質の分子量が小さい場合、子粒子13による被覆率が低くなる傾向がある。さらに、高分子電解質を高濃度で用いた場合、子粒子13による被覆率が高くなる傾向があり、高分子電解質を低濃度で用いた場合、子粒子13による被覆率が低くなる傾向がある。かかる高分子電解質の種類、分子量及び濃度は、当業者が適宜に選択することができる。
母粒子12がプラスチック核10と該プラスチック核体を被覆する金属被膜11とを有する粒子である場合、粒径が小さくなるにつれて磁性凝集が大きくなり、子粒子13を付着させるのが困難になる。その場合、母粒子12の表面に好ましくは重量平均分子量が1000以上のポリマーを有すると、母粒子12の分散が促進され、付着が容易になる。導電粒子表面にも絶縁性子粒子にも分子量千以上のポリマーが存在していることがより好ましい。
また、子粒子13も表面に重量平均分子量が500〜10,000、より好ましくは重量平均分子量が1,000〜4,000のポリマーもしくはオリゴマーが存在することが望ましい。かかるポリマーもしくはオリゴマーは、重量平均分子量が1,000〜4,000の官能基を有するシリコーンオリゴマーであるのが望ましい。官能基としては、上記の高分子電解質と反応するものであるのが好ましく、グリシジル基、カルボキシル基又はイソシアネート基がより好ましく、中でもグリシジル基が特に好ましい。これにより、子粒子13の分散性を良好にすると同時に、ポリマーもしくはオリゴマー上の官能基と、母粒子12上の官能基とを反応させることでより強固な結合が期待できる。
このように、化学反応性のポリマーを有する粒子同士を結合させることにより、従来にはない強固な結合が得られる。特に、上記複合粒子14を絶縁被覆導電粒子として用いる際、導電粒子の小径化及び絶縁粒子の大径化に対応できる。
子粒子13の被覆率は10〜70%であることが好ましく、20〜60%であることがより好ましい。被覆率が10%以上であると、複合粒子14を絶縁被覆導電粒子として用いる際、より良好な絶縁性を得ることができ、70%以下であると、優れる導通特性が保たれる。また被覆ばらつき(CV)が0.3以下の範囲であることが好ましい。本明細書における被覆率とは、SEM画像解析により、(絶縁被覆部分の表面積/全体の表面積)×100%で表し、CVは、標準偏差/平均被覆率×100(%)で表す。
一般的には、絶縁被覆導電粒子において、絶縁粒子の被覆率が高い場合、絶縁性が高く導通特性が悪くなる傾向があり、絶縁粒子の被覆率が低い場合、導通特性が高く絶縁性が悪くなる傾向がある。しかし、本実施形態の扁平形状又は赤血球形状の半円型の子粒子を用いた場合、70%である高被覆率においても良好な導通特性が保たれ、絶縁性と導通特性が共に優れる絶縁被覆導電粒子を得ることができる。
また、積層量を容易にコントロールする観点から、子粒子13は一層のみ被覆されているのが好ましい。
上記の複合粒子14は、加熱乾燥することにより子粒子13と母粒子12との結合を更に強化することができる。結合力が増す理由としては、例えば母粒子の表面に導入されたカルボキシル基等の官能基と、子粒子の表面に導入された水酸基等の官能基との化学結合の強化が挙げられる。加熱乾燥の温度としては60〜100℃、時間は10〜180分がよい。温度が60℃以上であると子粒子13が母粒子12から剥離し難くなり、100℃以下であると母粒子12が変形し難くなる。同様に、加熱乾燥の時間が10分以上であると子粒子13が剥離し難く、180分以下であると母粒子12が変形し難くなる。
また、表面に官能基を有する複合粒子14は更に、シリコーンオリゴマー及びオクタデシルアミン等で表面処理することができる。それにより、複合粒子14を絶縁被覆導電粒子として用いる際、絶縁性を向上させ、信頼性に優れる絶縁被覆導電粒子を得ることができる。さらに、必要に応じて縮合剤を用いることで絶縁性をより向上することもできる。
以上、母粒子が、プラスチック核体及び該プラスチック核体を被覆する金属被膜を有する場合について説明したが、母粒子はこれ以外の導電粒子であってもよく、また非導電粒子であってもよい。導電粒子としては、例えば、金属のみからなる粒子、及び有機核体又は無機核体に金属の導電性被膜を被覆したものが挙げられる。これらの中で、プラスチック核体を金属被膜で被覆したものが、粒径の分布を狭くできる点から好ましい。また、非導電粒子としては、例えば樹脂粒子、シリカ粒子等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれによって制限されるものではない。実施例及び比較例で用いた材料は以下のようにして作製したもの、あるいは入手したものである。
(1)導電粒子1の作製
架橋度を調整したジビニルベンゼンとアクリル酸の共重合体からなる平均粒径2.6μmのプラスチック核体10gを準備した。このプラスチック核体はその表面にカルボキシル基を有する。プラスチック核体の硬さ(200℃において粒径が20%変位したときの圧縮弾性率、20%K値)は280kgf/mm(2746MPa)であった。
このプラスチック核体上に無電解ニッケルめっきと無電解パラジウムめっきを行い、母粒子12として導電粒子を作製した。ニッケルの厚みは100nmであり、パラジウムの厚みは16nmであった。
(実施例1)
純水400g中に表1に示される実施例1の配合量に従い、合成用のフラスコに、材料を一括添加し、攪拌しながら80℃で6時間加熱し、半円型粒子である絶縁粒子1を作製した。攪拌速度は200rpmであった。
このように合成した半円型粒子の粒径を走査電子顕微鏡HITACHI S−4800(日立ハイテク株式会社製、商品名)を用いて画像解析により測定したところ、平均最大粒径が486nm、平均最大厚みが226nmであった。また、図2に示すように、得られた半円型粒子の形状は、表面に窪みを有する赤血球型であった。図3は、実施例1の半円型粒子のSEM写真(倍率4.0万倍)である。
(実施例2〜5及び比較例1)
表1の配合量に従い、実施例2〜5と比較例1の粒子の合成を行った。また、得られた半円型粒子の平均最大粒径及び平均最大厚みの測定結果を表1に示す。比較例1では、半円型粒子ではなく、球状粒子が得られた。
(シリコーンオリゴマー1の作製)
攪拌装置、コンデンサー及び温度計を備えたガラスフラスコに、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン118gとメタノール5.9gを配合した溶液を加えた。さらに活性白土5g及び蒸留水4.8gを添加し、75℃で一定時間攪拌した後、重量平均分子量1300のシリコーンオリゴマーを得た。得られたシリコーンオリゴマーは、水酸基と反応する末端官能基としてメトキシ基又はシラノール基を有するものである。得られたシリコーンオリゴマー溶液にメタノールを加えて、固形分20重量%の処理液を調製した。
シリコーンオリゴマーの重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)法によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより算出した。GPCの条件を以下に示す。
GPC条件
ポンプ:日立 L−6000型((株)日立製作所社製、商品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以下、(株)日立化成工業社製、商品名)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI((株)日立製作所社製、商品名)
[絶縁被覆導電粒子の作製]
(絶縁被覆導電粒子1)
メルカプト酢酸8mモルをメタノール200mlに溶解させて反応液を作製した。次に導電粒子1を10g上記反応液に加え、室温で2時間スリーワンモーターと直径45mmの攪拌羽で攪拌した。メタノールで洗浄後、孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いて導電粒子を濾過することで、表面にカルボキシル基を有する導電粒子10gを得た。
次に、重量平均分子量70000の30%ポリエチレンイミン水溶液(和光純薬社製)を超純水で希釈し、0.3重量%ポリエチレンイミン水溶液を得た。上記カルボキシル基を有する導電粒子10gを0.3重量%ポリエチレンイミン水溶液に加え、室温で15分間攪拌した。その後、孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いてろ過し、超純水200gに入れて室温で5分間攪拌した。さらに、孔径3μmのメンブレンフィルタ(ミリポア社製)を用いてろ過した。上記メンブレンフィルタ上にて200gの超純水で2回洗浄をしたことにより、吸着していないポリエチレンイミンが除去され、表面にアミノ基含有ポリマーで被覆される導電粒子が得られた。
次に、絶縁粒子1をシリコーンオリゴマー1で処理し、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する絶縁粒子1のメタノール分散媒を調製した。
上記ポリエチレンイミンで処理した導電粒子をイソプロピルアルコールに浸漬し、表面にグリシジル基含有オリゴマーを有する絶縁粒子1のメタノール分散媒を滴下することで、絶縁粒子被覆率が40%となるように絶縁被覆導電粒子を作製した。被覆率は滴下量で調整した。
得られた絶縁被覆導電粒子を縮合剤(4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMTMM))とオクタデシルアミンで処理し、洗浄して表面の疎水化を行った。その後80℃で30分間の条件で加熱乾燥させ、さらに80℃で1時間加熱乾燥行うことで絶縁被覆導電粒子1を作製した。
10…プラスチック核体、11…金属被膜、12…母粒子、13…子粒子、14…複合粒子。

Claims (6)

  1. 重合性二重結合を有するアルコキシシランを含む単量体組成物を乳化重合する重合工程を備える、半円型粒子の製造方法。
  2. 前記単量体組成物全量に対して前記アルコキシシランが、0.3モル%以上含まれる、請求項1に記載の半円型粒子の製造方法。
  3. 前記単量体組成物が、架橋性単量体を含み、
    前記架橋性単量体1モルに対する前記アルコキシシランの含有比率が0.2モル以上である、請求項1又は2に記載の半円型粒子の製造方法。
  4. 前記単量体組成物全量に対して、スチレン系単量体を50モル%以上含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半円型粒子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法で得られた半円型粒子を子粒子として用いた複合粒子の製造方法であって、
    平均粒径が前記半円型粒子の平均最大粒径の5倍以上である母粒子に、結着剤を介して前記半円型粒子を付着させる、複合粒子の製造方法。
  6. 前記結着剤が高分子電解質である、請求項に記載の複合粒子の製造方法。
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