JP6732540B2 - 樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法 - Google Patents

樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法に関する。
樹脂表面を疎水化し撥水表面にする方法として、従来無機または有機の微粒子を有機溶媒に含有させた撥水剤組成物(例えば特許文献1,2)をコーティングすることによって撥水性の被膜を形成する方法が開示されている。有機微粒子分散液を得る方法として、分散重合(例えば特許文献3)による方法が開示されているが、一度親水性溶媒で重合した後に疎水性溶媒に置換するといった煩雑な工程を必要とするだけでなく、親水性の媒体で作製しているために、微粒子が凝集する、コーティング後の疎水性が不十分、低強度、耐溶剤性が悪いといった課題があった。
特開2010−155727号公報 特開2003−306670号公報 特開2009−108275号公報
本発明の解決課題は、目的物へコーティングした際に、疎水性、強度及び耐溶剤性に優れたコーティング物を得ることができる樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法を提供することである。
本発明は、溶解度パラメーターが7.0〜8.5(cal/cm1/2である疎水性単量体(m1)を含んでなる単量体組成物を疎水性媒体(C)中で重合し、得られた重合体(B)を析出させる樹脂粒子(a)の製造方法であって、体積平均粒径が0.005〜100μmである樹脂粒子(a)の製造方法が提供され、上記課題が解決される。
本発明により、樹脂表面をコーティングすることによって、疎水性、強度及び耐溶剤性に優れ、樹脂の表面に均一に改質できる樹脂粒子及び樹脂粒子分散液を提供できる。
以下に本発明を詳述する。重合体(B)は、溶解度パラメーター(SP値)が7.0〜8.5(cal/cm1/2である疎水性単量体(m1)を構成単量体として含有する。
ここで、疎水性とは、25℃において水への溶解度(g/水100g)が5g未満であるものを意味する。
(m1)のSP値は、通常7.0〜8.5(cal/cm1/2、好ましくは7.1〜8.4(cal/cm1/2、より好ましくは7.2〜8.3(cal/cm1/2、さらに好ましくは7.3〜8.2(cal/cm1/2、特に好ましくは7.4〜8.1(cal/cm1/2である。SP値が7.0未満又は8.5(cal/cm1/2を超えると、微粒子分散液(A)の製造時に樹脂粒子(a)の分散安定性が悪くなる。SP値とは、下記に示した様に、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(△E/V)1/2
ここで△Eは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート エフ.フェドールス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
本発明の重合体(B)は、疎水性単量体(m1)を構成単量体として好ましくは、0.1〜66重量%含有してなる重合体である。疎水性単量体(m1)の割合はより好ましくは0.5〜62重量%、更に好ましくは1.0〜60重量%、特に好ましくは3.0〜55重量%、最も好ましくは5.0〜50重量%である。疎水性単量体(m1)の割合が0.1重量%以下の場合、疎水媒体との界面張力が高く、疎水媒体中に樹脂粒子が凝集する恐れがある。一方、疎水性単量体(m1)の割合が66重量%を越える場合、樹脂が疎水媒体中に溶解してしまい、コーティング剤として使用した場合に耐溶剤性が悪化してしまう恐れがある。
本発明において、疎水性単量体(m1)の数平均分子量(以下、Mnとする)は好ましくは300以上30000以下であり、より好ましくは350以上20000以下、さらに好ましくは400以上15000以下である。疎水性単量体(m1)の数平均分子量が300未満の場合、疎水媒体との界面張力が高くなり、樹脂粒子(a)を疎水媒体(C)中に分散させることが困難となる恐れがある。一方、疎水性単量体(m1)の数平均分子量が30000より大きい場合、合成後に未反応の疎水性単量体(m1)が多く残ったり、疎水性単量体(m1)の導入が少ないポリマーが発生したり、疎水媒体(C)中への分散性が低下したりする恐れがある。
本発明において、単量体及び樹脂の数平均分子量及び重量平均分子量(以下、Mwとする)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件で測定される。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSKgel GMHXL 2本 + TSKgel Multipore HXL−M〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 2.5g/LのTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
疎水性単量体(m1)は、上記のSP値に該当する単量体であるならいかなる単量体であっても構わないが、疎水性媒体(C)中での分散安定性の観点からシリコーン含有単量体(m11)、パーフルオロアルキル含有単量体(m12)、炭素数8〜30のアルキル基含有単量体(m13)からなる群から選ばれる1種以上の単量体であることが好ましい。また疎水性媒体が液状又は超臨界状態の二酸化炭素の場合には、シリコーン含有単量体(m11)、パーフルオロアルキル含有単量体(m12)が特に好ましい。
シリコーン含有単量体(m11)としては、シリコーン含有ビニル単量体(m111)等が挙げられ、シリコーン鎖とビニル重合性不飽和基とを有する化合物であり、シリコーン鎖としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基(エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基等)及びフェニル基からなる群から選ばれる1種以上の基に置換されたものなどが挙げられる。ビニル重合性不飽和基としては(メタ)アクリル基などが挙げられる。
(m11)は具体的には、(メタ)アクリル変性シリコーン等が挙げられ、例えば次式のものが挙げられる
SiO(SiRO)aSiR−Q
[但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基からなる群から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)、aは平均値で3〜1000の数、−Qは(メタ)アクリル基を含む有機変性基である。−Qの例としては、−COCOC(CH)=CH、−COCOCH=CH等が挙げられる。]
上記において、(メタ)アクリルとは、アクリル及び/又はメタアクリルを意味し、以下同様の記載法を用いる。
シリコーン含有ビニル単量体(m11)の具体例は、メタクリル変性シリコーンとしては、X22−2475(信越シリコーン製)、KF−2012(信越シリコーン製)、X22−2426(信越シリコーン製)、FM0711(チッソ株式会社製)、FM0721(チッソ株式会社製)、FM0725(チッソ株式会社製)、TM−0701(チッソ株式会社製)、TM−0701T(チッソ株式会社製)、及びS710(チッソ株式会社製)などが、アクリル変性シリコーンとしては、X22−1615(信越シリコーン製)、及びX22−1618(信越シリコーン製)などが挙げられる。
樹脂粒子(a)がポリエステル重合体の場合、疎水性単量体(m1)としては水酸基単量体が挙げられる。
シリコーン含有水酸基単量体(m112)としては、シリコーン鎖と水酸基とを有する化合物等が挙げられ、シリコーン鎖としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基(エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基及びデシル基等)並びにフェニル基で置換されたものなどが挙げられる。
(m112)は具体的には、カルビノール変性シリコーン等が挙げられ、例えば次式のものが挙げられる
SiO(SiRO)aSiROH (1)
SiO(SiRO)aSiRCR(ROH) (2)
HORSiO(SiRO)aSiROH (3)
[但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)、aは平均値で3〜1000の数である。]
シリコーン含有水酸基単量体(m112)の具体例は、(1)としてはX22−170BX(信越シリコーン製)、X22−170DX(信越シリコーン製)、(チッソ株式会社製)などが挙げられる。
(2)として、X22−176DX(信越シリコーン製)、X22−176GX−A(信越シリコーン製)、FM−DA11(チッソ株式会社製)、FM−DA21(チッソ株式会社製)、FM−DA26(チッソ株式会社製)などが挙げられる。
(3)として、KF−6000(信越シリコーン製)、KF−6001(信越シリコーン製)、KF−6002(信越シリコーン製)、KF−6003(信越シリコーン製)、KF−2200(信越シリコーン製)、FM−4411(チッソ株式会社製)、FM−4421(チッソ株式会社製)、FM−4425(チッソ株式会社製)などが挙げられる。
樹脂粒子(a)がウレア樹脂の場合、疎水性単量体(m1)としてはアミノ基単量体が挙げられる。
シリコーン含有アミノ基単量体として(m113)は、シリコーン鎖とアミノ基とを有する化合物であり、シリコーン鎖としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基(エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基等)及び/又はフェニル基で置換されたものなどが挙げられる。
(m113)は具体的には、アミノ変性シリコーン等が挙げられ、例えば次式のものが挙げられる。
NRSiO(SiRO)aSiRNH
[但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)、aは平均値で3〜1000の数である。
シリコーン含有アミノ基単量体(m113)の具体例としては、PAM−E(信越シリコーン製)、KF−8010(信越シリコーン製)、X−22−161A(信越シリコーン製)、X−22−161B(信越シリコーン製)、KF−8012(信越シリコーン製)、KF−8008(信越シリコーン製)、X−22−1660B−3(信越シリコーン製)、X−22−9409(信越シリコーン製)、FM−3311(チッソ株式会社製)、FM−3321(チッソ株式会社製)、FM−3325(チッソ株式会社製)などが挙げられる。
樹脂粒子(a)がエポキシ重合体の場合、疎水性単量体(m1)としてはエポキシ基単量体が挙げられる。
シリコーン含有エポキシ基単量体として(m114)は、シリコーン鎖とエポキシ基とを有する化合物であり、シリコーン鎖としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサンの一部が炭素数2〜20のアルキル基(エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基等)及び/又はフェニル基で置換されたものなどが挙げられる。上記において、エポキシとは、脂肪族エポキシ及び/又は脂環式エポキシなどが挙げられる。
(m114)は具体的には、エポキシ変性シリコーン等が挙げられ、例えば次式のものが挙げられる。
SiO(SiRO)aSiRCHROCH (1)
C(OH)SiRO(SiRO)aSiRCHROCH (2)
[但し、Rは炭素数1〜20のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)、aは平均値で3〜1000の数である。
シリコーン含有エポキシ基単量体(m114)の具体例としては、(1)としては、X−22−173BX(信越シリコーン製)、X−22−173DX(信越シリコーン製)が挙げられる。(2)としては、X−22−163(信越シリコーン製)、KF−105(信越シリコーン製)、X−22−163A(信越シリコーン製)、X−22−163B(信越シリコーン製)、X−22−163C(信越シリコーン製)、X−22−169AS(信越シリコーン製)、X−22−169B(信越シリコーン製)などが挙げられる。
フッ素含有単量体(m12)としては、フッ素含有ビニル単量体(m121)等が挙げられ、具体的には、パーフルオロオレフィン、例えばテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及びクロロトリフルオロエチレン;パーフルオロビニルエーテル、例えば、パーフルオロ(プロピル ビニル エーテル)、パーフルオロ(エチル ビニル エーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、パーフルオロ(2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン)、及びパーフルオロブテニルビニルエーテル;水素原子含有フルオロオレフィン、例えばビニリデンフルオライド、トリフルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペン、3,3,3−トリフルオロプロペン、及びパーフルオロ(ブチル)エチレン;ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート、例えば、1,1−ジヒドロパーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、(パーフルオロメチル)メチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、及び2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート;フルオロスチレン、例えばα−フルオロスチレン、β−フルオロスチレン、α,β−ジフルオロスチレン、β,β−ジフルオロスチレン、α,β,β−トリフルオロスチレン、α−トリフルオロメチルスチレン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)スチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−α−メチルスチレン、及び2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−β−メチルスチレン;等が挙げられる。
これらのうち好ましいものは、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート及びパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)であり、ポリフルオロアルキル基の炭素数が2〜12の偶数であり、アルキルの部分の炭素数が0〜3であるポリフルオロアルキル(アルキル)(メタ)アクリレートが更に好ましい。具体例としては、(パーフルオロメチル)メチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロエチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、(2−パーフルオロドデシル)エチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
フッ素含有水酸基単量体として(m122)は、炭素数2以上のパーフルオロアルキル鎖と水酸基を有する化合物であり、具体的には、1H,1H−トリフルオロエタノール、1H,1H−ペンタフルオロプロパノール、6−(パーフルオロエチル)ヘキサノール、1H,1H−ヘプタフルオロブタノール、3−(パーフルオロブチル)プロパノール、6−(パーフルオロブチル)ヘキサノール、2−パーフルオロプロプロポキシー2,3,3,3−テトラフルオロプロパノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、3−(パーフルオロヘキシル)プロパノール、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキサノール、1H,1H−2,5−ジ(トリフルオロメチル)−3,6−ジオキサンデカフルオロノナール、6−(パーフルオロ−1−メチルエチル)ヘキサノール、1H,1H,3H−テトラフルオロプロパノール、1H、1H、5H−オクタフルオロペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプタノール、2H−ヘキサフルオロー2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロー1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロパノールなどが挙げられる。
フッ素含有水酸基単量体として(m123)は、炭素数2以上のパーフルオロアルキル鎖とアミノ基を有する化合物で、具体的には、1H,1H−ヘプタフルオロブチルアミン、1H,1H−トリデカフルオロヘプチルチルアミンなどが挙げられる。
フッ素含有エポキシ基単量体として(m124)は、炭素数2以上のパーフルオロアルキル基とエポキシ基を有する化合物で、具体的にはCHEMINOX FAEP−4(ユニマテック製)、CHEMINOX FAEP−6(ユニマテック製)、MF−120(三菱マテリアル電子化成製)、E−5244(ダイキン工業製)、E−5444(ダイキン工業製)、E−5644(ダイキン工業製)、E−7432(ダイキン工業製)、E−7632(ダイキン工業製)などが挙げられる。
炭素数(アルキル基全体の炭素数)8〜30のアルキル基含有単量体(m13)としては、アルキル基含有ビニル単量体(m131)等が挙げられ、炭素数8〜30の直鎖又は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。(m131)の具体例としては、オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチルドデシル(メタ)アクリレート、エチルヘキサデシル(メタ)アクリレート、エチルヘプタデシル(メタ)アクリレート、エチルオクタデシル(メタ)アクリレート、エチルエイコシル(メタ)アクリレート、及びデシルテトラデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中で好ましいのは、アルキル基の炭素数が12〜28のアルキル(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはベヘニル(メタ)アクリレート及び2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレートである。
炭素数(アルキル基全体の炭素数)8〜30のアルキル基を側鎖に有する水酸基単量体(m132)としては、炭素数8〜30のアルキル基を有する化合物が挙げられる。これらの中で好ましいのは、アルキル基の炭素数が12〜28のアルキル鎖である。(m132)は具体的には、例えば次式のものが挙げられる。
HOCHCHRCHOH
[但し、Rは炭素数8〜30のアルキル基又はアルキルフェニル基]
(m132)の具体例としては、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,2−ウンデカンジオール、1,2−ステアリルジオール、1,2−ベヘニルジオール、1,3−ドデカンジオール、1,4−ドデカンジオール、2−フェニル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
アルキル基を有するエポキシ基単量体(m134)としては、炭素数8〜30のアルキル基を有する化合物が挙げられる。これらの中で好ましいのは、アルキル基の炭素数が12〜28のアルキル鎖である。(m134)は具体的には、例えば次式のものが挙げられる。
C(CHR)aCHOCH
[但し、Rは炭素数1〜30のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)aは平均値で3〜1000の数である。]
炭素数(アルキル基全体の炭素数)8〜30のアルキル基を側鎖に有するアミノ基単量体(m133)としては、炭素数8〜30のアルキル基を有する化合物が挙げられる。これらの中で好ましいのは、アルキル基の炭素数が12〜28のアルキル鎖である。(m133)は具体的には、例えば次式のものが挙げられる。
NCHCHRCHNH
[但し、Rは炭素数8〜30のアルキル基及びフェニル基から選ばれる1種以上の基(各々のRは同一であっても異なっていてもよい)。
(m133)の具体例としては、1,2−デカンジアミン、1,2−ドデカンジアミン、1,2−ウンデカンジアミン、1,2−ステアリルジアミン、1,2−ベヘニルジアミン、1,3−ドデカンジアミン、1,4−ドデカンジアミンなどが挙げられる。
(m134)の具体例としては、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシオクタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシエイコサン、ステアリルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
さらに、重合体(B)は、上記(m1)以外のビニル単量体を構成単量体として含有していてもよい。他のビニル単量体としては、下記(1)〜(11)が挙げられる。
(1)ビニル炭化水素:
(1−1)脂環式ビニル炭化水素:モノ−もしくはジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えば(ジ)シクロペンタジエン等;テルペン類、例えばピネン等。
(1−2)芳香族ビニル炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン等;及びビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニル単量体及びその塩:炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸ならびにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体。
(3)スルホン基含有ビニル単量体、ビニル硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えばビニルスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、及び硫酸エステルもしくはスルホン酸基含有ビニル単量体;ならびそれらの塩等。
(4)燐酸基含有ビニル単量体及びその塩:(メタ)アクリロイルオキシアルキル(C1〜C24)燐酸モノエステル、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、フェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸。なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩もしくは4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニル単量体:ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニル単量体:
(6−1)アミノ基含有ビニル単量体:アミノエチル(メタ)アクリレート等、
(6−2)アミド基含有ビニル単量体:(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド等、
(6−3)ニトリル基含有ビニル単量体:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレート等、
(6−4)4級アンモニウムカチオン基含有ビニル単量体:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル単量体の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等、(6−5)ニトロ基含有ビニル単量体:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニル単量体:グリシジル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ハロゲン元素を含有するビニル単量体:塩素含有ビニル単量体、例えば塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド、クロルスチレン、ジクロルスチレン、クロロメチルスチレン、クロロプレン;臭素含有ビニル単量体、例えば臭化ビニル、ブロムスチレン等。
(9)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
(9−1)ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチルα−エトキシアクリレート、炭素数1〜11の直鎖アルキル基もしくは炭素数3〜7の分岐アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル単量体[ポリエチレングリコール(Mn300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(Mn500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等、
(9−2)ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル等、
(9−3)ビニルケトン、例えばビニルメチルケトン等。
(10)その他のビニル単量体:イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(11)ポリエステル鎖、ポリウレタン鎖等のMnが300〜100000(好ましくは500〜50000)の樹脂鎖を有するマクロ単量体:
ポリエステル鎖、ポリウレタン鎖の部分の組成としては、後述するポリエステル重合体やポリウレタン重合体と同様のものが挙げられる。
樹脂粒子(a)はその内部に酸性官能基又は塩基性官能基を有していてもよい。酸性官能基としてはカルボン酸基、スルホン酸基等が挙げられる。塩基性官能基としては第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基等が挙げられる。
樹脂粒子(a)の表面に酸性官能基又は塩基性官能基を付与するために、酸性官能基又は塩基性官能基を有する重合体(B)を使用してもよいし、樹脂粒子(a)にこれら官能基を付与するために表面処理してもよい。
酸性官能基を有する重合体(B)としては、酸性官能基を有する単量体〔例えば、前記カルボキシル基含有ビニル単量体(2)、スルホン基含有ビニル単量体(3)など〕を重合したビニル重合体等が挙げられる。
塩基性官能基を有する重合体(B)としては、塩基性官能基を有する単量体〔例えば、前記アミノ基含有ビニル単量体(6−1)など〕を重合したビニル重合体等が挙げられる。
樹脂粒子(a)に使用する樹脂の構成成分として(m1)以外に任意成分として(m1)以外の単量体が用いられてもかまわない。
例えば、ポリエステル重合体の構成単量体として、ポリオールと、ポリカルボン酸(その酸無水物、その低級アルキルエステルを含む)等が挙げられるが、ポリオールとしてはジオール(12)及び3価以上のポリオール(13)が挙げられ、ポリカルボン酸としては、ジカルボン酸(14)及び3価以上のポリカルボン酸(15)が挙げられる。
ポリオールとポリカルボン酸の反応比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.2、とくに好ましくは1.3/1〜1/1である。
ジオール(12)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど)、ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。
3価以上のポリオール(13)としては、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記トリスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物;上記ノボラック樹脂のアルキレンオキサイド付加物、アクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル単量体の共重合物など]などが挙げられる。
ジカルボン酸(14)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);炭素数8以上の分岐アルキレンジカルボン酸[ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など)、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。
3価以上(3〜6価又はそれ以上)のポリカルボン酸(15)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(14)又は3価以上のポリカルボン酸(15)としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてもよい。
ポリエステル重合体と同様、ポリウレタン重合体の構成成分として(m1)以外に任意成分として(m1)以外の単量体が用いられてもかまわない。
例えば、ポリウレタン重合体の構成単量体としては、ポリイソシアネート(16)と活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(12)及び3価以上のポリオール(13)]、ジカルボン酸(14)、3価以上のポリカルボン酸(15)、ポリアミン(17)、ポリチオール(18)等}との重付加物などが挙げられる。
ポリイソシアネート(16)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート及びこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)などが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)などが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)などが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIである。
ポリアミン(17)の例としては、下記のものが挙げられる。
・脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):
〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6アルキレンジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、及びヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミンなど〕}
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)又はヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミンなど〕
〔3〕脂環又は複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
・脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、
・芳香族ポリアミン類(C6〜C20):
〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミンなど;核置換アルキル基〔メチル、エチル、n−及びi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−及び2,6−トリレンジアミンなど〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物
〔2〕核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリンなど〕
〔3〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記(4)〜(6)の芳香族ポリアミンの−NHの一部又は全部が−NH−R´(R´はメチル、エチルなどの低級アルキル基で置換したもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、
・複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなど、
・ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、
・ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など。
ポリチオール(18)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
ポリエステル重合体と同様、ポリウレア重合体の構成成分として(m1)以外に任意成分として(m1)以外の単量体が用いられてもかまわない。
例えば、ポリウレア重合体の構成単量体としては、上記 ポリアミン(17)とポリイソシアネート(16)の重付加物が挙げられる。
ポリエステル重合体と同様、エポキシ重合体の構成成分として(m1)以外に任意成分として(m1)以外の単量体が用いられてもかまわない。
例えば、エポキシ重合体の構成単量体としては、ポリエポキシド(19)、活性水素基含有化合物(D){水、ポリオール[前記ジオール(12)及び3価以上のポリオール(13)]、ジカルボン酸(14)、3価以上のポリカルボン酸(15)、ポリアミン(17)、ポリチオール(18)等}との重付加物、又はポリエポキシド(19)とジカルボン酸(14)又は3価以上のポリカルボン酸(15)の酸無水物との硬化物などが挙げられる。
ポリエポキシド(19)としては、分子中に2個以上のエポキシ基を有していれば、特に限定されない。ポリエポキシド(19)として好ましいものは、硬化物の機械的性質の観点から分子中にエポキシ基を2〜6個有するものである。ポリエポキシド(19)のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1000であり、さらに好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1000以下であると、架橋構造が密になり硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が向上し、一方、エポキシ当量が65以上のものは、合成するのが容易である。
ポリエポキシド(19)の例としては、芳香族ポリエポキシ化合物、複素環式ポリエポキシ化合物、脂環式ポリエポキシ化合物あるいは脂肪族ポリエポキシ化合物が挙げられる。芳香族ポリエポキシ化合物としては、多価フェノール類のグリシジルエーテル体及びグリシジルエステル体、グリシジル芳香族ポリアミン、並びに、アミノフェノールのグリシジル化物等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエーテル体としては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価フェノールのグリシジルエステル体としては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル等が挙げられる。グリシジル芳香族ポリアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジフェニルメタンジアミン等が挙げられる。さらに、本発明において前記芳香族ポリエポキシ化合物として、P−アミノフェノールのトリグリシジルエーテル、トリレンジイソシアネート又はジフェニルメタンジイソシアネートとグリシドールとの付加反応によって得られるジグリシジルウレタン化合物、前記2反応物にポリオールも反応させて得られるグリシジル基含有ポリウレタン(プレ)ポリマー、及びビスフェノールAのアルキレンオキシド(エチレンオキシド又はプロピレンオキシド)付加物のジグリシジルエーテル体も含む。複素環式ポリエポキシ化合物としては、トリスグリシジルメラミンが挙げられる。脂環式ポリエポキシ化合物としては、ビニルシクロヘキセンジオキシド等が挙げられる。また、脂環式ポリエポキシ化合物としては、前記芳香族ポリエポキシド化合物の核水添化物も含む。脂肪族ポリエポキシ化合物としては、多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体、多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体、及びグリシジル脂肪族アミンが挙げられる。多価脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル体としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。多価脂肪酸のポリグリシジルエステル体としては、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート等が挙げられる。グリシジル脂肪族アミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミンが挙げられる。また、本発明において脂肪族ポリエポキシ化合物としては、ジグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体も含む。これらのうち、好ましいのは、脂肪族ポリエポキシ化合物及び芳香族ポリエポキシ化合物である。ポリエポキシドは、2種以上併用しても差し支えない。
本発明に用いられる疎水性媒体(C)は、単量体が溶解し、重合体が析出するような媒体である。疎水性媒体(C)は、ケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、エステル溶剤(酢酸エステル、ピルビン酸エステル、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル、乳酸エステル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、及びフッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、及びキシレン等)、脂肪族炭化水素溶剤(ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、及びイソパラフィン等)並びに液状又は超臨界状態の二酸化炭素からなる群から選ばれる1種以上の溶媒が挙げられる。樹脂粒子(a)の体積平均粒径の観点から、2種類以上の溶媒を組み合わせることが好ましく、具体的にはアセトンとデカン、メチルエチルケトンとデカン、酢酸エチルとヘキサン、トルエンとデカン、メタノールとトルエン等が挙げられる。
疎水性媒体(C)のSP値は、コーティング剤として使用した際の疎水化度の観点から7〜11であることが好ましく、さらに好ましくは、7.1〜10である。SP値が7未満では樹脂粒子(a)の分散安定性が悪くなる恐れがあり、11を越えると樹脂粒子の表面が疎水化されず、コーティング剤として使用した場合に十分な疎水性が得られない恐れがある。
疎水性単量体(m1)の組成やSP値、疎水性媒体(C)の組成やSP値を選択することで、重合体(B)を析出させる条件を調整することができる。
本発明の樹脂粒子(a)の体積平均粒径は、動的光散乱式粒度分布測定装置を用いて以下の条件で測定した値である。
装置 : 堀場製作所製 LB−550
測定温度 : 25℃
試料溶液 : 0.5%アセトン分散液
本発明の樹脂粒子(a)の体積平均粒径は、樹脂表面をコーティングする際の膜厚や表面の均一性の観点から、0.005〜100μmであり、好ましくは0.01〜50μm、更に好ましくは0.02〜20μm、特にに好ましくは0.05〜10μmである。100μm以上であると、微粒子分散液とした際に沈降しやすくなる。
分散安定剤(D)としては、疎水媒体中で使用される分散剤が挙げられ、具体的にはBYK106(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK107(ビックケミー・ジャパン社製)、BYK108(ビックケミー・ジャパン社製)、ソルスパース54000(日本ルーブリゾール社製)、ソルスパース55000(日本ルーブリゾール社製)、ソルスパース56000(日本ルーブリゾール社製)、ソルスパース71000(日本ルーブリゾール社製)、アジスパーPB821(味の素ファインテック社製)、アジスパーPB822(味の素ファインテック社製)、アジスパーPB880(味の素ファインテック社製)、ジメチルシロキサン基を有する単量体(あるいは反応性オリゴマー)及び/又はフッ素を含有する単量体とメチルシロキサン基を有する単量体とポリエステルとの共重合体、メタクリル変性シリコーンとメタクリル酸メチルとの共重合体、メタクリル酸ヘプタフルオロブチルとメタクリル酸メチルとの共重合体等が挙げられる。共重合の形態はランダム、ブロック、グラフトのいずれでもよいが、少量でも分散安定性向上の観点からブロックあるいはグラフトが好ましい。
分散剤(D)の添加量は、分散安定性の観点から、樹脂粒子(a)の重量に対し0.01〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜40重量%、特に好ましくは0.03〜30重量%である。分散剤(D)の好ましいMwの範囲は100〜100万であり、さらに好ましくは200〜50万、特に好ましくは500〜20万である。この範囲内にすると、樹脂粒子(a)の分散安定性が向上する。
樹脂粒子分散液(A)はそのまま用いてもよく、またコーティングする対象物への吸着性を持たせたり、コーティング後の電気特性や強度を改質したりするために、例えばシラン系、チタネート系、アルミネート系等のカップリング剤による表面処理、各種界面活性剤による表面処理、ポリマーによるコーティング処理等により表面改質されていてもよい。
樹脂粒子分散液(A)を樹脂表面にコーティングする方法としては、特に限定されることなく一般的な方法を採用することができる。例えば、スピンコート法、フローコート法、ディップコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法等が挙げられる。あるいは、樹脂粒子分散液(A)を含浸体に含浸させて塗布しても良い。また、本発明においては、上記コーティング方法を適宜、組み合わせて使用してもよい。
また、疎水性表面にするために、樹脂粒子分散液(A)と液状又は超臨界状態の二酸化炭素(X)とを常温で混合することにより、シリコーン部が表層に配向しやすく、シリコーン特有の撥水性を得ることができるため、より均一な疎水表面となる。
本発明の樹脂粒子分散液(A)を上記方法によって樹脂などにコーティングした後、乾燥させるが、乾燥温度は25℃〜100℃であり、乾燥時間は1〜24時間であることが好ましい。
本発明の樹脂粒子分散液(A)は、種々の樹脂や被コーティング物に対して適用することができる。例えば、石英ガラス等のガラス、鉄、アルミニウム、ステンレス鋼、銅等の金属、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート等のプラスチック、石類、コンクリート等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子分散液(A)をコーティングし、乾燥させて形成された被膜面には、超撥水性の膜が形成されるので、水滴、汚れ等の付着を防止することができる。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、溶解度パラメーターが7.0〜9.5である疎水性単量体(m1)を含んでなる単量体組成物を疎水性媒体(C)中で重合し、得られた重合体(B)を析出させる樹脂粒子(a)の製造方法である。
本発明の樹脂粒子(a)の製造方法としては、ビニル重合、ウレタン化及びウレア化等の反応及びそれらの併用が挙げられ、ポリエステル重合体の場合は、ポリエステルとイソシアネートとのウレタン化反応等の併用によって合成することができる。樹脂粒子(a)の非水性媒体への分散安定性の観点から、疎水性単量体(m1)の疎水基が側鎖に導入しやすい、ビニル重合が好ましい。
重合に用いる溶媒は、上記疎水性媒体(C)を用いることができ、重合に使用する単量体の溶媒への溶解性に応じて、複数の溶媒を組み合わせて選択する。また、重合体(B)が析出するためには、重合体を溶解しないような貧溶媒を1種類以上含有することが好ましく、具体的には脂肪族炭化水素溶剤(ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、及びイソパラフィン等)、液状又は超臨界状態の二酸化炭素が挙げられる。
ビニル重合体を得る方法としては、溶解度パラメーターが7.0〜9.5である疎水性単量体(m1)を含んでなる単量体組成物を疎水性媒体(C)中に溶解し、油溶性開始剤の存在下、加熱することによりビニル重合体が析出することによって、樹脂粒子(a)と疎水性媒体(C)とを含む樹脂粒子分散液(A)が得られる。
上記油溶性開始剤としては、パーオキサイド系重合開始剤(I)、アゾ系重合開始剤(II)等が挙げられる。また、パーオキサイド系重合開始剤(I)と還元剤とを併用してレドックス系重合開始剤(III)を形成してもよい。更には、(I)〜(III)のうちから2種以上を併用してもよい。
(I)油溶性パーオキサイド系重合開始剤:
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシビバレート、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、プロピオニトリルパーオキサイド、サクシニックアシッドパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソブチルジパーオキシフタレート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、パラメンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、クメンパーオキサイド、2,2−ジ(4,4−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキシル)プロパン等
(II)油溶性アゾ系重合開始剤:
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサン1−カーボニトリル、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等
(III)非水系レドックス系重合開始剤:
ヒドロペルオキシド、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル等の油溶性過酸化物と、第三アミン、ナフテン酸塩、メルカプタン類、有機金属化合物(トリエチルアルミニウム、トリエチルホウ素、ジエチル亜鉛等)等の油溶性還元剤とを併用
また、重合開始剤の使用量は特に限定されず、一般的なラジカル重合と同様に、製造する分子量、使用する重合開始剤の分解温度等を考慮して適宜選択することができる。本発明の製造方法では、重合体(B)が析出する際の樹脂粒子の分散安定性及び粒子径の観点から、全単量体の合計100重量部に対して0.2重量%〜1重量%の使用量が好ましい。重合開始剤の使用量が全単量体に対して、0.2重量%未満だと重合体の収率が低下すし、1重量%を超えると低分子の重合体が得られ析出しにくくなる。
重合体(B)は、疎水性媒体(C)中で析出のしやすさや幅広いSP値の溶剤への分散安定性の観点から架橋剤を用いることが好ましい。ビニル重合に用いる架橋剤としては、1分子中に2つ以上の二重結合を含有する単量体が挙げられ、具体的には、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。また、架橋剤量は、耐溶剤性や強度の観点から、1〜25重量%が好ましい。
樹脂粒子(a)を製造する際の重合温度としては、重合開始剤の種類、単量体の共重合性、疎水性媒体の沸点及び反応装置に合わせて選択できる。また、本発明の樹脂粒子の製造方法に用いる反応装置は、一般的なラジカル重合に用いるような攪拌機付きの反応装置が好ましく、溶媒の沸点以上で重合する場合は高圧のオートクレーブを用いることが好ましい。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1<樹脂粒子(a−1)及び樹脂粒子分散液(A−1)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブに疎水性単量体としてメタクリル変性シリコーン(m1−1)(SP値7.6、Mw4,600、信越シリコーン製:KF−2012)50重量部、メタクリル酸(SP値10.6)20重量部、スチレン(SP値8.7)88重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート(SP値9.7)42重量部、MEK360重量部(SP値9.3)、デカン440重量部(SP値7.6)を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(a−1)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(A−1)を得た。
実施例2<樹脂粒子(a−2)及び樹脂粒子分散液(A−2)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブに疎水性単量体としてメタクリル変性シリコーン(m1−2)(SP値7.6、Mw500、信越シリコーン製:X−22−2475)80重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン86重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート14重量部、BYK106(ビックケミー・ジャパン社製)2重量部、MEK360重量部、デカン440重量部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(a−2)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(A−2)を得た。
実施例3<樹脂粒子(a−3)及び樹脂粒子分散液(A−3)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブに疎水性単量体としてベヘニルアクリレート(m1−3)(SP値8.5、Mn381、日油製:ブレンマーVA)65重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン86重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート14重量部、BYK106(ビックケミー・ジャパン社製)3重量部、MEK360重量部、デカン440重量部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(a−3)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(A−3)を得た。
実施例4<樹脂粒子(a−4)及び樹脂粒子分散液(A−4)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブに疎水性単量体としてパーフルオロ(プロピル ビニル エーテル)(m1−4)(SP値7.2、Mw266、ユニマテック製:CHEMINOX FPVE)60重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン86重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート14重量部、BYK106(ビックケミー・ジャパン社製)2重量部、MEK360重量部、デカン440重量部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(a−4)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(A−4)を得た。
実施例5<樹脂粒子(a−5)及び樹脂粒子分散液(A−5)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブに疎水性単量体としてメタクリル変性シリコーン(m1−2)(SP値7.6、Mw500、信越シリコーン製:X−22−2475)30重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン110重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート14重量部、MEK360重量部、デカン440重量部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(a−5)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(A−5)を得た。
比較例1<樹脂粒子(h−1)樹脂粒子分散液(H−1)の調製>
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、イオン交換水790重量部、ポリオキシエチレンモノメタクリレート硫酸エステルのナトリウム塩「エレミノールRS−30」[三洋化成工業(株)製]9.0重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン157重量部、1,6−ヘキサンジオール14重量部及び過硫酸アンモニウム1.0重量部を投入し、350回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。次いで75度まで昇温し、同温度で5時間反応させた。更に、1重量%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部加え、75度で5時間熟成して樹脂粒子(h−1)の樹脂粒子水分散液(H−0)を得た。次いで、100重量部の分散液(H−0)を、攪拌されている1200重量部のメチルエチルケトン中に少量ずつ添加した後、75℃でエバポレーターを用いて共沸し、水を含む溶媒を除去した。800重量部の溶媒が減少したとき、800重量部のメチルエチルケトンを追加し、再び共沸して800重量部の溶媒を留去し、本操作を10回繰り返し、10回目にメチルエチルケトンを900重量部留去し共沸操作を終了した後、メチルエチルケトンを360重量部、デカン440重量部を仕込み、樹脂粒子分散液(H−1)を得た。
比較例2<樹脂粒子(h−2)樹脂粒子分散液(H−2)の調製>
撹拌棒、圧力計及び温度計をセットしたオートクレーブにパーフルオロヘキシルエチレン(SP値6.1、Mn346、ユニマテックス製:CHEMINOX PFHE)56重量部、メタクリル酸20重量部、スチレン86重量部、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート14重量部、BYK106(ビックケミー・ジャパン社製)2重量部、MEK360重量部、デカン440重量部を仕込み、反応容器内の空気を窒素置換した後、加熱し105℃とした。次いで、同温度でt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油株式会社製:パーブチルo、10時間半減期温度:72.1℃)1重量部を反応容器内に仕込み後、2時間反応させた後、更に、1重量%t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートデカン溶液30重量部加え、同温度で3時間熟成して、樹脂粒子(h−2)が疎水性媒体に分散された樹脂粒子分散液(H−2)を得た。
評価結果
実施例1〜5、比較例1〜2で得られた樹脂粒子分散液を用いてガラス表面をコーティングした後に、疎水化度の評価し、結果を表1に記載した。コーティング方法は、バーコータ(No.6)を用いて樹脂粒子分散液をコーティングし、50℃で30分間常圧乾燥した後、100℃で5時間減圧で処理を行った。
<分散安定性>
分散安定性は、上記体積平均粒径測定方法を用いて、樹脂粒子分散液を25℃以下で超音波30分照射後の体積平均粒径(D0)と25℃で1週間静置保管後の体積平均粒径(D1)の変化率(D1/D0)を以下の基準で評価した。
(評価基準)
○:D1/D0≦1.2
△:1.2<D1/D0<3
×:3≦D1/D0
<疎水化度の評価>
疎水化度の評価は、コーティング膜に対して、自動接触角計DM−701(協和界面科学製)を用いて、25℃、常圧での1μLの水滴を滴下後2秒後の静的接触角をθ/2法で測定した。疎水化度の評価は、下記評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:140°以上
△:130°以上、140°未満
×:130°未満
<強度の評価>
強度の評価は、コーティング膜を、JIS K5600に準じて、斜め45度に固定した鉛筆の真上から10gの荷重をかけ、引っ掻き試験を行い、傷のつかない鉛筆硬度から強度を測定した。鉛筆硬度が高いほど、強度に優れることを意味する。強度の評価は、下記評価基準に基づいて評価を行った。
(評価基準)
○:HB以上
△:B〜3B
×:3B以下
<耐溶剤性>
樹脂粒子分散液を100℃減圧乾燥し、樹脂粒子(a)の乾燥粉体を得た後、10wt%の濃度でアセトン中に混合し、30℃で2時間静置した後、遠心分離を用いて固液分離し、その上澄みと沈殿物の乾燥重量から以下のように計算して測定した。耐溶剤性の評価基準は下記評価基準に基づいて評価を行なった。
(アセトン溶解度%)=(上澄の乾燥重量)/(上澄の乾燥重量+沈殿物の乾燥重量)×100
(評価基準)
○:20重量%未満
△:20重量%以上60重量%未満
×:60重量%以上
Figure 0006732540
表1から明らかなように、実施例1〜5で得られた樹脂粒子分散液を用いたコーティング物は、疎水化度が高く、かつ強度に優れていたのに対し,比較例1〜2で得られたコーティング物は、疎水化度、強度共に劣っていた。

Claims (5)

  1. 溶解度パラメーターが7.0〜8.5(cal/cm1/2である疎水性単量体(m1)を含んでなる単量体組成物を溶解度パラメーターが7〜11(cal/cm 1/2 である疎水性媒体(C)中で重合し、得られた重合体(B)を析出させる樹脂粒子(a)の製造方法であって、重合体(B)が、疎水性単量体(m1)を構成単量体として17〜50重量%含有してなる重合体であり、体積平均粒径が0.005〜100μmである樹脂粒子(a)の製造方法。
  2. 疎水性単量体(m1)がシリコーン含有単量体(m11)、パーフルオロアルキル含有単量体(m12)及び炭素数8〜30のアルキル基含有単量体(m13)からなる群から選ばれる1種以上の単量体である請求項1に記載の樹脂粒子(a)の製造方法。
  3. 重合体(B)がビニル重合体、ポリエステル重合体、ポリウレタン重合体、ポリウレア重合体及びエポキシ重合体からなる群から選ばれる1種以上の重合体である請求項1〜のいずれかに記載の樹脂粒子(a)の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の製造方法で得られた樹脂粒子(a)と疎水性媒体(C)とを含む樹脂粒子分散液(A)の製造方法。
  5. 更に分散安定剤(D)を含む請求項に記載の樹脂粒子分散液(A)の製造方法。
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