JPH11181003A - ポリマー微粒子の製造法 - Google Patents
ポリマー微粒子の製造法Info
- Publication number
- JPH11181003A JPH11181003A JP35530997A JP35530997A JPH11181003A JP H11181003 A JPH11181003 A JP H11181003A JP 35530997 A JP35530997 A JP 35530997A JP 35530997 A JP35530997 A JP 35530997A JP H11181003 A JPH11181003 A JP H11181003A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fine particles
- polymer fine
- solvent
- group
- polysiloxane compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F2/00—Processes of polymerisation
- C08F2/04—Polymerisation in solution
- C08F2/06—Organic solvent
- C08F2/08—Organic solvent with the aid of dispersing agents for the polymer
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 粒径分布が狭く、疎水性表面を有するポリマ
ー微粒子の、簡便かつ安価な製造法の提供。 【解決手段】 片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物を分散剤として、溶媒中でビニルモノ
マーの分散重合を行うことを特徴とするポリマー微粒子
の製造法。
ー微粒子の、簡便かつ安価な製造法の提供。 【解決手段】 片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物を分散剤として、溶媒中でビニルモノ
マーの分散重合を行うことを特徴とするポリマー微粒子
の製造法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー微粒子の
製造法に関する。更に詳しくは化粧品、情報材料、塗
料、潤滑剤等に有用な粒径分布が狭く、疎水性表面を有
するポリマー微粒子を簡便かつ安価に製造する方法を提
供するものである。
製造法に関する。更に詳しくは化粧品、情報材料、塗
料、潤滑剤等に有用な粒径分布が狭く、疎水性表面を有
するポリマー微粒子を簡便かつ安価に製造する方法を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】モノ
マーは溶解するが生成するポリマーは溶解しない溶媒中
で、生成したポリマーを分散させる分散剤の存在下に重
合し、ポリマー微粒子を製造する方法は、分散重合法と
呼ばれ、粒径分布の狭いポリマー微粒子が比較的短時間
に高濃度で得られるという特徴を有している。そして、
炭化水素および/またはシリコーン溶媒中でシリコーン
を含有する分散剤を用いることにより疎水性表面を有す
る粒子が得られることも知られている(特開昭47−4
084号、K.E.J.Barrett 編、"Dispersion Polymeriza
tion in Organic Media", John Wiley & Sons 社、1975
年、特開平8−269332号、J. Colloid and Inter
face Sci., 1990, 137(1), p120-127)。
マーは溶解するが生成するポリマーは溶解しない溶媒中
で、生成したポリマーを分散させる分散剤の存在下に重
合し、ポリマー微粒子を製造する方法は、分散重合法と
呼ばれ、粒径分布の狭いポリマー微粒子が比較的短時間
に高濃度で得られるという特徴を有している。そして、
炭化水素および/またはシリコーン溶媒中でシリコーン
を含有する分散剤を用いることにより疎水性表面を有す
る粒子が得られることも知られている(特開昭47−4
084号、K.E.J.Barrett 編、"Dispersion Polymeriza
tion in Organic Media", John Wiley & Sons 社、1975
年、特開平8−269332号、J. Colloid and Inter
face Sci., 1990, 137(1), p120-127)。
【0003】しかし、これらの従来技術において、重合
を行うあいだ終始安定に生成したポリマーの分散を保つ
ことのできる条件は限られており、所望の粒径およびそ
の分布ならびに表面特性(例えば疎水性等)を有するポ
リマー微粒子の製造は困難であった。さらには、用いる
分散剤が特殊なものであり、簡便性やコストの点で不利
なものであった。
を行うあいだ終始安定に生成したポリマーの分散を保つ
ことのできる条件は限られており、所望の粒径およびそ
の分布ならびに表面特性(例えば疎水性等)を有するポ
リマー微粒子の製造は困難であった。さらには、用いる
分散剤が特殊なものであり、簡便性やコストの点で不利
なものであった。
【0004】本発明の課題は粒径分布が狭く、疎水表面
を有するポリマー微粒子を簡便かつ安価に製造する方法
を提供することである。
を有するポリマー微粒子を簡便かつ安価に製造する方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者は鋭意努力の結果、汎用性の高い片末端にラジカ
ル重合性基を有するポリシロキサン化合物を分散剤とし
て用い、溶媒中で分散重合を行うことで粒径分布が狭く
疎水性表面を有するポリマー微粒子を安定に得る方法を
見出し、本発明を完成した。
発明者は鋭意努力の結果、汎用性の高い片末端にラジカ
ル重合性基を有するポリシロキサン化合物を分散剤とし
て用い、溶媒中で分散重合を行うことで粒径分布が狭く
疎水性表面を有するポリマー微粒子を安定に得る方法を
見出し、本発明を完成した。
【0006】即ち、本発明は、片末端にラジカル重合性
基を有するポリシロキサン化合物を分散剤として、溶媒
中でビニルモノマーの分散重合を行うことを特徴とする
ポリマー微粒子の製造法を提供するものである。
基を有するポリシロキサン化合物を分散剤として、溶媒
中でビニルモノマーの分散重合を行うことを特徴とする
ポリマー微粒子の製造法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を詳し
く説明する。
く説明する。
【0008】(片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物)本発明に用いる片末端にラジカル重
合性基を有するポリシロキサン化合物において、好まし
くは、一般式(I)にて示されるポリシロキサンが例示
される。
シロキサン化合物)本発明に用いる片末端にラジカル重
合性基を有するポリシロキサン化合物において、好まし
くは、一般式(I)にて示されるポリシロキサンが例示
される。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、 A:CH2=C(R1)COO-, CH2=C(R1)CONR2-又はCH2=CH-C6H4-
で表される基を示す。ただし、R1=H 又はCH3 、R2=H
又はCYH2Y+1 (Y=1〜4の整数) B:-(CH2O)m-CnH2n- (m=0又は1、 n=1〜10の整
数)で表される基を示す。 E:CpH2p+1 (p=1〜4の数)で表される基を示す。 a:3〜1500の数を示す。〕 この中でも、本発明の目的を達成するために、一般式
(II)にて示されるポリシロキサンが特に好ましい。
で表される基を示す。ただし、R1=H 又はCH3 、R2=H
又はCYH2Y+1 (Y=1〜4の整数) B:-(CH2O)m-CnH2n- (m=0又は1、 n=1〜10の整
数)で表される基を示す。 E:CpH2p+1 (p=1〜4の数)で表される基を示す。 a:3〜1500の数を示す。〕 この中でも、本発明の目的を達成するために、一般式
(II)にて示されるポリシロキサンが特に好ましい。
【0011】
【化3】
【0012】〔式中、 R1,B,a:前記の意味を示す。 R4:炭素数1〜4のアルキル基を示す。〕 このような片末端にラジカル重合性基を有するポリシロ
キサン化合物(以下、ポリシロキサン化合物と言う。)
は、ラジカル重合法による連鎖移動法を利用する方法、
あるいはアニオンリビング重合による方法から合成でき
るが、これに限定されるものではない。
キサン化合物(以下、ポリシロキサン化合物と言う。)
は、ラジカル重合法による連鎖移動法を利用する方法、
あるいはアニオンリビング重合による方法から合成でき
るが、これに限定されるものではない。
【0013】本発明に用いる片末端にラジカル重合性基
を有するポリシロキサン化合物の数平均分子量(Mn)
には特に制限はないが、Mn=500 〜100,000 のものが
好ましく、より好ましくは1,000 〜50,000のものであ
る。生成するポリマー粒子の分散安定性およびポリマー
粒子の製造時の操作性の点より、上記範囲の数平均分子
量のポリシロキサン化合物を使用することが好ましい。
を有するポリシロキサン化合物の数平均分子量(Mn)
には特に制限はないが、Mn=500 〜100,000 のものが
好ましく、より好ましくは1,000 〜50,000のものであ
る。生成するポリマー粒子の分散安定性およびポリマー
粒子の製造時の操作性の点より、上記範囲の数平均分子
量のポリシロキサン化合物を使用することが好ましい。
【0014】ポリシロキサン化合物の使用量は、系の安
定性および生成する粒子に求められる特性(粒子径、表
面特性等)により適宜選択されるが、通常、ビニルモノ
マーに対して0.1 〜20重量%である。分散剤量が不足す
ると分散安定性が低下し、多すぎると経済的ではない。
定性および生成する粒子に求められる特性(粒子径、表
面特性等)により適宜選択されるが、通常、ビニルモノ
マーに対して0.1 〜20重量%である。分散剤量が不足す
ると分散安定性が低下し、多すぎると経済的ではない。
【0015】(溶媒)本発明に用いる溶媒は、ポリシロ
キサン化合物およびモノマーを溶解し、生成ポリマーを
溶解しないものであれば特に制限はないが、好ましく
は、炭化水素もしくはシリコーンまたはそれらの混合物
である。炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素等が例示され、シリコーン系溶媒
としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカ
メチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキ
サン、オクタメチルトリシロキサン等が例示される。
キサン化合物およびモノマーを溶解し、生成ポリマーを
溶解しないものであれば特に制限はないが、好ましく
は、炭化水素もしくはシリコーンまたはそれらの混合物
である。炭化水素系溶媒としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサ
ン、イソオクタン、水添トリイソブチレン等の脂肪族炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン等の芳香族炭化水素等が例示され、シリコーン系溶媒
としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカ
メチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルジシロキ
サン、オクタメチルトリシロキサン等が例示される。
【0016】溶媒の種類は生成する粒子の大きさや分散
安定性を左右する重要な因子である。一般に生成するポ
リマーとの親和性が高いほど大きな粒子ができる傾向が
ある。
安定性を左右する重要な因子である。一般に生成するポ
リマーとの親和性が高いほど大きな粒子ができる傾向が
ある。
【0017】(ビニルモノマー)本発明の用いるビニル
モノマーには特に制限はなく、通常のラジカル重合性ビ
ニルモノマーが好適に用いられる。かかるビニルモノマ
ーの具体例としては、スチレン、炭素数1〜22のアルキ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、
アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙
げられる。これらビニルモノマーは単独もしくは2種以
上を混合して(共)重合することができる。
モノマーには特に制限はなく、通常のラジカル重合性ビ
ニルモノマーが好適に用いられる。かかるビニルモノマ
ーの具体例としては、スチレン、炭素数1〜22のアルキ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、
アクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルピロリドン等が挙
げられる。これらビニルモノマーは単独もしくは2種以
上を混合して(共)重合することができる。
【0018】また、生成する粒子の表面特性を制御した
り、反応性を付与したりする目的で、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボ
ン酸、無水マレイン酸、クロロメチルスチレン、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)
プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ビニルピリジン等のビニルモノマーを単独重
合または共重合させることもできる。
り、反応性を付与したりする目的で、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸等のα,β−不飽和カルボ
ン酸、無水マレイン酸、クロロメチルスチレン、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキ
シエチルイソシアネート、3−(トリメトキシシリル)
プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、ビニルピリジン等のビニルモノマーを単独重
合または共重合させることもできる。
【0019】本発明の方法においては、高強度あるいは
不溶性の粒子を得る目的でジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート等の架橋性ビニルモノマー
を用いることもできる。架橋性ビニルモノマーを用いる
と重合速度が遅くなったり粒径分布が拡がったりする場
合がある。従って、より高い強度の粒子を得るために
は、ビニル基以外の反応性基を有するモノマーを用いて
分散重合を行った後、側鎖の官能基を高分子反応により
架橋させる方法が好ましい。
不溶性の粒子を得る目的でジビニルベンゼン、エチレン
グリコールジメタクリレート等の架橋性ビニルモノマー
を用いることもできる。架橋性ビニルモノマーを用いる
と重合速度が遅くなったり粒径分布が拡がったりする場
合がある。従って、より高い強度の粒子を得るために
は、ビニル基以外の反応性基を有するモノマーを用いて
分散重合を行った後、側鎖の官能基を高分子反応により
架橋させる方法が好ましい。
【0020】本発明の方法において、分子量あるいは粒
子径制御の目的で連鎖移動剤を使用しても良い。かかる
連鎖移動剤の具体例としては、ブチルメルカプタン、メ
ルカプトエタノール、チオグリコール酸、ドデカンチオ
ール、メルカプト変性シリコーン等のメルカプタン類、
四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルアニリン、クメン、
α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
子径制御の目的で連鎖移動剤を使用しても良い。かかる
連鎖移動剤の具体例としては、ブチルメルカプタン、メ
ルカプトエタノール、チオグリコール酸、ドデカンチオ
ール、メルカプト変性シリコーン等のメルカプタン類、
四塩化炭素、四臭化炭素、ジメチルアニリン、クメン、
α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
【0021】(モノマー濃度)本発明における好ましい
ビニルモノマー濃度は、用いる溶媒、分散剤によっても
異なるが、通常、反応系中1〜50重量%である。好まし
くは2〜30重量%である。モノマー濃度が低すぎると、
重合が遅く、また非経済的である。モノマー濃度が高す
ぎると、分散不安定化、粒径分布の拡大、重合反応の暴
走等の問題を起こす場合がある。モノマー濃度もまた粒
子径を変化させる因子であり、一般には高いほど粒径が
大きくなる傾向がある。
ビニルモノマー濃度は、用いる溶媒、分散剤によっても
異なるが、通常、反応系中1〜50重量%である。好まし
くは2〜30重量%である。モノマー濃度が低すぎると、
重合が遅く、また非経済的である。モノマー濃度が高す
ぎると、分散不安定化、粒径分布の拡大、重合反応の暴
走等の問題を起こす場合がある。モノマー濃度もまた粒
子径を変化させる因子であり、一般には高いほど粒径が
大きくなる傾向がある。
【0022】上記の問題を回避しつつ高濃度の分散液を
得るためには連続的に反応系内にビニルモノマーを供給
しながら重合を行うことが好ましい。通常、モノマーは
生成するポリマーの良溶媒であるため、希釈せずにその
まま供給すると凝集を起こすことが多い。このような場
合は、モノマーを溶媒で希釈して供給する。その特別な
実施形態として、溶媒の還流下に分散重合を行い、凝縮
液でモノマーを希釈して供給することができる。
得るためには連続的に反応系内にビニルモノマーを供給
しながら重合を行うことが好ましい。通常、モノマーは
生成するポリマーの良溶媒であるため、希釈せずにその
まま供給すると凝集を起こすことが多い。このような場
合は、モノマーを溶媒で希釈して供給する。その特別な
実施形態として、溶媒の還流下に分散重合を行い、凝縮
液でモノマーを希釈して供給することができる。
【0023】供給するモノマーの濃度は重合処方系にも
よるが、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重
量%以下である。また、粒径分布の狭いポリマー微粒子
を得るためには、反応系内のモノマー濃度は30重量%以
下、好ましくは20重量%以下で、なるべく急激なモノマ
ー濃度の変化がないように制御することが望ましい。通
常の分散重合においては、すでに生成したポリマー粒子
の重量に比例して重合速度が増大していくことから、ビ
ニルモノマーは初期は比較的ゆっくり、後半になるほど
速く供給していくことが望ましい。
よるが、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重
量%以下である。また、粒径分布の狭いポリマー微粒子
を得るためには、反応系内のモノマー濃度は30重量%以
下、好ましくは20重量%以下で、なるべく急激なモノマ
ー濃度の変化がないように制御することが望ましい。通
常の分散重合においては、すでに生成したポリマー粒子
の重量に比例して重合速度が増大していくことから、ビ
ニルモノマーは初期は比較的ゆっくり、後半になるほど
速く供給していくことが望ましい。
【0024】(開始剤)本発明の方法で用いる重合開始
剤は一般に公知のものでよい。例えば、ラウロイルパー
オキシド、ベンゾイルパーオキシド、ターシャリーブチ
ルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート等のパーオキシド系開始剤、アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビス(ジメチルイソブチレート)、
アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ系
開始剤が好適に用いられる。開始剤は重合温度における
半減期が0.5 〜10時間になるように選ぶことが好まし
い。
剤は一般に公知のものでよい。例えば、ラウロイルパー
オキシド、ベンゾイルパーオキシド、ターシャリーブチ
ルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート等のパーオキシド系開始剤、アゾビス(イ
ソブチロニトリル)、アゾビス(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)、アゾビス(ジメチルイソブチレート)、
アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ系
開始剤が好適に用いられる。開始剤は重合温度における
半減期が0.5 〜10時間になるように選ぶことが好まし
い。
【0025】一般に分散重合において、パーオキシド系
開始剤は分散剤からの水素引き抜き作用により、グラフ
トポリマーを生成し、分散安定性を高めることが知られ
ている。しかしながら、ポリシロキサン化合物を分散剤
に用い、炭化水素および/またはシリコーン溶媒中で分
散重合を行う本発明の製造法ではアゾ系開始剤において
も安定に分散を保つことができる。開始剤の使用量に特
に制限はないが、モノマーに対して通常0.1 〜10重量
%、より好ましくは0.2 〜5重量%である。
開始剤は分散剤からの水素引き抜き作用により、グラフ
トポリマーを生成し、分散安定性を高めることが知られ
ている。しかしながら、ポリシロキサン化合物を分散剤
に用い、炭化水素および/またはシリコーン溶媒中で分
散重合を行う本発明の製造法ではアゾ系開始剤において
も安定に分散を保つことができる。開始剤の使用量に特
に制限はないが、モノマーに対して通常0.1 〜10重量
%、より好ましくは0.2 〜5重量%である。
【0026】開始剤の添加方法に特に制限はないが、粒
子径制御のためには分散重合初期のポリマー生長の核生
成段階の条件を統一する必要があるため、あらかじめ他
の原料を仕込んで目的の温度に保温した後、ポリマー生
長の核生成が起こる前に必要量の開始剤を添加し終わる
ことが好ましい。
子径制御のためには分散重合初期のポリマー生長の核生
成段階の条件を統一する必要があるため、あらかじめ他
の原料を仕込んで目的の温度に保温した後、ポリマー生
長の核生成が起こる前に必要量の開始剤を添加し終わる
ことが好ましい。
【0027】(重合条件)本発明において、重合温度は
開始剤の分解速度、モノマーと溶媒との親和性等によっ
て選択する必要がある。好ましくは室温〜150℃、より
好ましくは50〜120℃である。重合温度もまた粒子径を
変動させる因子の一つであるから、一定に制御すること
が好ましい。溶媒の還流下に反応を行うことは温度制御
および重合熱除去が容易にできる点で好都合である。重
合時間は開始剤の半減期、モノマーの反応性によって適
宜選択されるが、通常2時間〜48時間である。
開始剤の分解速度、モノマーと溶媒との親和性等によっ
て選択する必要がある。好ましくは室温〜150℃、より
好ましくは50〜120℃である。重合温度もまた粒子径を
変動させる因子の一つであるから、一定に制御すること
が好ましい。溶媒の還流下に反応を行うことは温度制御
および重合熱除去が容易にできる点で好都合である。重
合時間は開始剤の半減期、モノマーの反応性によって適
宜選択されるが、通常2時間〜48時間である。
【0028】分散重合においてはモノマーに含まれる重
合禁止剤や酸素の残存量が生成する粒子の径を大きく変
動させる場合があるので、通常のラジカル重合を行う場
合以上にこれらの重合禁止(遅延)因子量を制御するこ
とが望ましい。
合禁止剤や酸素の残存量が生成する粒子の径を大きく変
動させる場合があるので、通常のラジカル重合を行う場
合以上にこれらの重合禁止(遅延)因子量を制御するこ
とが望ましい。
【0029】撹拌条件に特に制限はないが、速すぎても
遅すぎても分散が不安定になりやすい。強い剪断がかか
らずに系全体が混合されるように行うのが好ましい。
遅すぎても分散が不安定になりやすい。強い剪断がかか
らずに系全体が混合されるように行うのが好ましい。
【0030】本発明の方法においては、機能性粒子の製
造の目的で分散重合に悪影響を与えない範囲で各種添加
剤を共存させることができる。かかる添加剤の具体例と
しては、可塑剤、染料、香料等である。
造の目的で分散重合に悪影響を与えない範囲で各種添加
剤を共存させることができる。かかる添加剤の具体例と
しては、可塑剤、染料、香料等である。
【0031】
【発明の効果、作用】かくして、本発明の方法によれ
ば、粒径が0.1 〜20μmの範囲で粒径分布の狭い粒子分
散液を安定に高収率で得ることができる。特に本発明の
方法では、粒径1μm以上の比較的大粒径の粒子を安定
に製造できる。
ば、粒径が0.1 〜20μmの範囲で粒径分布の狭い粒子分
散液を安定に高収率で得ることができる。特に本発明の
方法では、粒径1μm以上の比較的大粒径の粒子を安定
に製造できる。
【0032】得られたポリマー微粒子分散液はそのま
ま、あるいは、溶媒置換により他の溶媒への分散液にし
て用いることができる。さらに遠心分離、濾過等の固液
分離や乾燥等の公知の方法により、粉体とすることがで
きる。本発明の方法で得られる粒子は極めて低い表面エ
ネルギーを有し、化粧品、情報材料、塗料、潤滑剤等に
好適に用いられる。
ま、あるいは、溶媒置換により他の溶媒への分散液にし
て用いることができる。さらに遠心分離、濾過等の固液
分離や乾燥等の公知の方法により、粉体とすることがで
きる。本発明の方法で得られる粒子は極めて低い表面エ
ネルギーを有し、化粧品、情報材料、塗料、潤滑剤等に
好適に用いられる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0034】実施例1 冷却器、温度計、撹拌機を備えた500ml の4ツ口フラス
コを窒素置換した後、n−ヘキサン 276.9g、トルエン
90g、片末端にメタクリロキシ基を有するポリシロキサ
ン化合物(チッソ(株)製サイラプレーンFM-0725
(登録商標)、数平均分子量1万)1.58gを仕込み、70
℃に昇温した。メタクリル酸メチル(MMA)39.50
g、スチレン 13.17g、ラウロイルパーオキシド1.06g
を加え、70℃で12時間反応した。反応系は当初均一であ
ったが、開始剤投入後約10分で青白色を呈し、その後、
白色乳濁液となった。
コを窒素置換した後、n−ヘキサン 276.9g、トルエン
90g、片末端にメタクリロキシ基を有するポリシロキサ
ン化合物(チッソ(株)製サイラプレーンFM-0725
(登録商標)、数平均分子量1万)1.58gを仕込み、70
℃に昇温した。メタクリル酸メチル(MMA)39.50
g、スチレン 13.17g、ラウロイルパーオキシド1.06g
を加え、70℃で12時間反応した。反応系は当初均一であ
ったが、開始剤投入後約10分で青白色を呈し、その後、
白色乳濁液となった。
【0035】反応液を放冷後、n−ヘキサン 200gで希
釈し、遠心分離により固液分離した。残滓をn−ヘキサ
ン 300gで再分散した後、遠心分離する洗浄工程を2回
行い、50℃の乾燥機で真空乾燥を行い、白色パウダー5
4.0gを得た。得られたポリマーの粒子径は 1.5μmの
単分散粒子であった。
釈し、遠心分離により固液分離した。残滓をn−ヘキサ
ン 300gで再分散した後、遠心分離する洗浄工程を2回
行い、50℃の乾燥機で真空乾燥を行い、白色パウダー5
4.0gを得た。得られたポリマーの粒子径は 1.5μmの
単分散粒子であった。
【0036】実施例2〜6 モノマー組成、溶媒組成、分散剤、開始剤種を表1に示
すようにしたこと以外は実施例1と同様にポリマー微粒
子を合成した。結果を表1に示す。
すようにしたこと以外は実施例1と同様にポリマー微粒
子を合成した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(注)
【0039】
【化4】
【0040】*3;<CV値の測定方法> 粒度のバラツキの度合いを示す指標としてCV値を用い
た。CV値〔(標準偏差)×100 /(平均粒径)〕は粒
子のSEM測定を行い、50個の粒子に対して、画像処理
・解析装置(株式会社ニレコ製 LuzexIII)を使用し、平
均粒子径ならびにCV値を得た。
た。CV値〔(標準偏差)×100 /(平均粒径)〕は粒
子のSEM測定を行い、50個の粒子に対して、画像処理
・解析装置(株式会社ニレコ製 LuzexIII)を使用し、平
均粒子径ならびにCV値を得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 299/08 C08F 299/08 (72)発明者 中村 元一 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内
Claims (7)
- 【請求項1】 片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物を分散剤として、溶媒中でビニルモノ
マーの分散重合を行うことを特徴とするポリマー微粒子
の製造法。 - 【請求項2】 片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物が、一般式(I)で表される化合物で
ある請求項1記載のポリマー微粒子の製造法。 【化1】 〔式中、 A:CH2=C(R1)COO-, CH2=C(R1)CONR2-又はCH2=CH-C6H4-
で表される基を示す。ただし、R1=H 又はCH3 、R2=H
又はCYH2Y+1 (Y=1〜4の整数) B:-(CH2O)m-CnH2n- (m=0又は1、 n=1〜10の整
数)で表される基を示す。 E:CpH2p+1 (p=1〜4の数)で表される基を示す。 a:3〜1500の数を示す。〕 - 【請求項3】 片末端にラジカル重合性基を有するポリ
シロキサン化合物の数平均分子量Mnが500 〜100,000
である請求項1又は2記載のポリマー微粒子の製造法。 - 【請求項4】 溶媒が炭化水素もしくはシリコーン又は
それらの混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記
載のポリマー微粒子の製造法。 - 【請求項5】 溶媒がヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、トルエン、オクタメチルシクロテトラシロキサン
及びデカメチルシクロペンタンシロキサンからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれ
か一項に記載のポリマー微粒子の製造法。 - 【請求項6】 ビニルモノマーがスチレン、α,β−不
飽和カルボン酸エステル及びα,β−不飽和カルボン酸
からなる群から選ばれる1種または2種以上の混合物で
ある請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー微粒
子の製造法。 - 【請求項7】 反応系内のビニルモノマー濃度が常に30
重量%以下に保持されるようにビニルモノマーを反応系
内に供給することを特徴とする請求項1〜6のいずれか
一項に記載のポリマー微粒子の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35530997A JPH11181003A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ポリマー微粒子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35530997A JPH11181003A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ポリマー微粒子の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181003A true JPH11181003A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18443174
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35530997A Pending JPH11181003A (ja) | 1997-12-24 | 1997-12-24 | ポリマー微粒子の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11181003A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6383502B1 (en) * | 1999-03-25 | 2002-05-07 | 3M Innovative Properties Company | Non-stinging coating composition |
JP2002544336A (ja) * | 1999-05-13 | 2002-12-24 | リサーチ ラボラトリーズ オブ オーストラリアプロプライエタリイ リミテッド | 重合安定化剤 |
JP2008274249A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Sekisui Plastics Co Ltd | 樹脂粒子、その製造方法およびそのシリコーンオイル分散体 |
JP2016222910A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | 三洋化成工業株式会社 | 樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法 |
JP2021016746A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-15 | 高砂香料工業株式会社 | 消臭剤 |
-
1997
- 1997-12-24 JP JP35530997A patent/JPH11181003A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6383502B1 (en) * | 1999-03-25 | 2002-05-07 | 3M Innovative Properties Company | Non-stinging coating composition |
JP2002544336A (ja) * | 1999-05-13 | 2002-12-24 | リサーチ ラボラトリーズ オブ オーストラリアプロプライエタリイ リミテッド | 重合安定化剤 |
JP2008274249A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-11-13 | Sekisui Plastics Co Ltd | 樹脂粒子、その製造方法およびそのシリコーンオイル分散体 |
JP2016222910A (ja) * | 2015-05-29 | 2016-12-28 | 三洋化成工業株式会社 | 樹脂粒子及び樹脂粒子分散液の製造方法 |
JP2021016746A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-15 | 高砂香料工業株式会社 | 消臭剤 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3549902B2 (ja) | グラフト共重合体およびその製造方法 | |
JPH0333109A (ja) | ひじょうに細かくされた水性ポリマーマイクロエマルジョン | |
JPH11181003A (ja) | ポリマー微粒子の製造法 | |
US5284881A (en) | Composite hollow particles | |
JP3292673B2 (ja) | ポリマー微粒子の製造法 | |
JP3492243B2 (ja) | ポリマー微粒子の製造法 | |
JP3629215B2 (ja) | ポリマー粒子の製造法 | |
JP3245822B2 (ja) | 分散性の優れた重合体微粒子の製造方法 | |
JPS61241310A (ja) | 架橋重合体エマルジヨンの製造法 | |
KR20020040747A (ko) | 수성수지 분산체의 제조방법 | |
JPH028602B2 (ja) | ||
JPH05295052A (ja) | グラフト化ビニルポリマーの製造方法 | |
JPH11181037A (ja) | 偏平状異形微粒子の製造方法および該微粒子を含むエマルジョン | |
JPH01318027A (ja) | 水性樹脂組成物の製造方法 | |
JP4541020B2 (ja) | フルオロアルキル基含有ポリマー粒子 | |
US6649708B2 (en) | Process for producing polymer particles | |
JPH0791348B2 (ja) | 架橋ポリマー粒子の製造方法 | |
JPH06345825A (ja) | 乳化重合体組成物 | |
JPH06263830A (ja) | グラフト化ビニルポリマーの製造方法 | |
JPH05155907A (ja) | メタアクリル系樹脂粒子の製造方法 | |
JPH0422166B2 (ja) | ||
US7375175B2 (en) | Dispersions containing living radicals | |
TW524808B (en) | Water-borne resin compositions of polymethacrylates possessing hydrophilic pendant groups | |
JPH05140255A (ja) | 水性樹脂分散体の製造方法 | |
JPH02155935A (ja) | 難燃性多孔ポリマー粒子の製造方法 |