JP2018104647A - エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよびその製造方法 - Google Patents

エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物の単層膜でも、フィッシュアイの発生を抑制できるホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよびその製造方法を提供する。【解決手段】ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有したエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットであって、当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ当該ペレット重量あたりのアルカリ土類金属の含有量が100ppm以下であることを特徴とするエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム成形したときに、フィッシュアイの発生が少ないフィルムを提供できるエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物(以下、「EVOH樹脂」と称することがある)のペレットに関し、さらに詳しくは、ペレット表面に存在するホウ素化合物の含有量を調整し、かつアルカリ土類金属を含有したホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットおよびその製造方法に関する。
EVOH樹脂は、分子鎖に含まれる水酸基が強固に水素結合して結晶部を形成し、かかる結晶部が外部からの酸素の侵入を防止するため、酸素バリア性をはじめとして、優れたガスバリア性を示すことができる。このような特性を生かして、EVOH樹脂は、食品包装材料、医薬品包装材料、工業薬品包装材料、農薬包装材料等のフィルムやシート、あるいはボトル等の包装容器等に成形されて利用されている。
EVOH樹脂の成形にあたっては、通常、溶融成形が行われ、フィルム状、シート状、ボトル状、カップ状、チューブ状、パイプ状等の形状に成形、加工されて、実用に供される。したがって、EVOH樹脂の成形性、加工性は重要である。
そこで、溶融成形性の改善にあたり、特許文献1には、EVOH樹脂等の溶融成形可能なビニルアルコール系共重合体の膜成形性、特に成膜時のサージング防止の観点から、ホウ酸またはその塩を配合した組成物として、溶融粘度を高めたものを溶融成形することが有効であることが開示されている。
また、特許文献2には、ホウ素化合物で処理したEVOH樹脂を、ポリオレフィンと共押出することにより、EVOH樹脂層とポリオレフィン層との接着性に優れた積層体が得られ、ガスバリア性能を要する分野において、好適な包装材を提供できることが開示されている。
特許文献2の、ホウ素化合物処理は、EVOH樹脂溶液または分散液にホウ素化合物を添加することにより行われ、ホウ素成分を含有したEVOH樹脂ペレットを押出成形原料として用いている。
ところで、包装材料としてのEVOH樹脂フィルムまたは多層構造体の外観に対する昨今の要求の高まりから、0.1mm未満の小さなフィッシュアイについても、改善が求められるようになっている。
特許文献3では、EVOH樹脂にホウ素化合物を含有させる処理を行って得られるホウ素含有EVOH樹脂ペレットについて、ペレットの含水率が0.1mm未満のフィッシュアイの発生と関係があることを見出し、含水率0.0001〜2重量%に乾燥させた後、水と接触させることにより、0.1mm未満のフィッシュアイの発生を抑制できることが開示されている。
特許文献3の実施例では、ホウ素化合物の添加処理を施したEVOH樹脂ペレットを水に浸漬した後、乾燥して、ホウ素化合物の含有量および含水率を調整したEVOH樹脂ペレット〔含水率0.13〜0.4重量%、EVOH樹脂100重量部に対するホウ素含有量0.015〜0.039重量部(150〜390ppm)〕を製造し、このEVOH樹脂ペレットを、多層押出装置に供給して、3種5層の多層積層体を製造している(実施例1,3,4)。そして、得られた多層構造体のフィッシュアイの評価は、目視観察により、直径0.01〜0.1mmのフィッシュアイの発生の個数をカウントすることにより行っている(段落0038−0041)。
特公昭62−3866号公報 特公平3−11270号公報 特開2000−44756号公報
近年、包装材料の外観に対する要求は益々厳しくなっており、成形時のサージング防止等の溶融成形性を確保しつつ、さらなるフィッシュアイの改善が望まれている。特に、EVOH樹脂を単層成膜した場合、多層構造体の場合よりも、大きなフィッシュアイが発生しやすく、また発生個数も多くなる傾向があるため、EVOH樹脂の単層膜でも、フィッシュアイの発生が抑制されたEVOH樹脂ペレットが求められるようになっており、上記特許文献1〜3の開示技術では、まだまだ満足のいくものではなかった。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、EVOH樹脂単層膜でも、フィッシュアイの発生を抑制できるホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するEVOH樹脂ペレットおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、ホウ素化合物を含有させたEVOH樹脂ペレットについて、フィッシュアイの発生との関係を調べた。種々検討した結果、フィッシュアイは、ホウ素化合物の凝集体がEVOH樹脂の局所的増粘を招き、フィッシュアイの原因になっていること、単層成膜の場合、成形機の金属と接することになるペレット表層部に存在するホウ素化合物が凝集しやすくなり、結果として、フィッシュアイが発生しやすく、目立つのではないかと考えた。
また、EVOH樹脂が押出機内部に滞留すると劣化やゲル化が進み、この滞留物が排出されるとフィッシュアイの発生へとつながる。アルカリ土類金属はEVOH樹脂に対して減粘作用をもつため、EVOH樹脂が押出機内部で滞留した際の架橋による増粘を緩和し、結果としてフィッシュアイ発生を抑制できると考えた。
さらに、上記2種のフィッシュアイ発生メカニズムを鑑みるに、添加したアルカリ土類金属がEVOH樹脂ペレット表面のホウ素化合物と相互作用することで、EVOH樹脂ペレット表面に存在し得るホウ素化合物の凝集を抑制するため、結果としてアルカリ土類金属を含有させることでホウ素化合物由来のフィッシュアイ発生も相乗的に抑制できると期待した。
かかる認識の下、本発明者らは、ペレット表層部のホウ素化合物の含有量、さらにアルカリ土類金属の含有量に着目し、ペレット表層部のホウ素化合物の含有量を従来より少なくし、かつ、EVOH樹脂中のアルカリ土類金属の含有量を所定量以下にすることにより、フィッシュアイが減少することを見出し、本発明を完成した。
なお、本発明は、単層膜であっても成形性に優れ、外観に優れているので、耐水性、強度等の観点から、他の樹脂層を積層した多層構造体の成形性や外観においても、当然に適用できるものである。
すなわち、本発明は、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するEVOH樹脂ペレット(以下、単に「ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット」と称する場合がある)であって、当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ当該ペレット重量あたりのアルカリ土類金属の含有量が100ppm以下であるEVOH樹脂ペレットを第1の要旨とする。
また、本発明は、EVOH樹脂ペレットをホウ素化合物と接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、上記工程により得られたペレットを洗浄する工程、およびアルカリ土類金属を含有させる工程を備えたEVOH樹脂ペレットの製造方法であって、上記洗浄する工程の洗浄が、乾燥後のペレットと、水のアルコールに対する重量比(水/アルコール)が80/20〜0/100の水/アルコール混合溶液またはアルコールとを接触させるであり、上記アルカリ土類金属を含有させる工程が、アルカリ土類金属を当該ペレット重量あたり100ppm以下となるように含有させることを特徴とするEVOH樹脂ペレットの製造方法を第2の要旨とする。
本発明のEVOH樹脂ペレットは、当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ当該ペレット全体のアルカリ土類金属の含有量が100ppm以下であるため、溶融成形性を確保しつつ、フィッシュアイの発生を低減できる。
また、本発明のEVOH樹脂ペレット全体のホウ素化合物全含有量が、ホウ素換算で上記ペレット重量あたり10〜1000ppmであると、製膜に適した粘度となり、製膜性能を向上させることができる。
さらに、本発明のEVOH樹脂ペレット全体のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)に対する上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)の重量比(表層部ホウ素化合物含有量/ホウ素化合物全含有量)が、1.38×10-2以下であると、フィッシュアイの発生をより低減でき、フィルム外観を向上させることができる。
そして、本発明のEVOH樹脂ペレットの含水率が0.01〜1重量%であると、フィシュアイの発生をより一層低減し、フィルム外観を向上させることができる。
また、EVOH樹脂ペレットをホウ素化合物と接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、上記工程により得られたペレットを洗浄する工程およびアルカリ土類金属を含有させる工程を備えたEVOH樹脂ペレットの製造方法であって、上記洗浄する工程の洗浄が、乾燥後のペレットと、水のアルコールに対する重量比(水/アルコール)が80/20〜0/100の水/アルコール混合溶液またはアルコールとを接触させることであり、上記アルカリ土類金属を含有させる工程が、アルカリ土類金属を当該ペレット重量あたり100ppm以下となるように含有させることを特徴とするEVOH樹脂ペレットの製造方法であると、表層部のホウ素化合物含有量を減じたホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットとすることができ、当該ペレットを用いた溶融成形品は、溶融成形性が良好で、フィッシュアイの発生が低減されたものとなる。
以下、本発明を詳細に説明するが、これらは望ましい実施態様の一例を示すものであり、これらの内容に特定されるものではない。
なお、本明細書において、前記ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットにおけるホウ素化合物のホウ素換算で測定された含有量については、「ホウ素化合物含有量(ホウ素換算)」または単に「ホウ素含有量」と称する。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、当該ペレットの表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ当該ペレット重量あたりのアルカリ土類金属の含有量が100ppm以下である。
ここで、「ペレット表層部のホウ素化合物含有量」とは、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットが含有するホウ素化合物のうち、表面近くに存在しているホウ素化合物の量をいい、具体的には、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット4gを30℃のメタノール20mLに6時間静置浸漬した後、得られるメタノール溶液について誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて測定される量(ホウ素換算)を上記EVOH樹脂ペレットの重量(4g)で除したものである。この「ペレット表層部のホウ素化合物含有量」には、ペレット表面に付着しているだけのホウ素化合物、表面にブリードしてきたホウ素化合物等が含まれる。
また、「ペレット表層部のホウ素化合物含有量」は、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中に含有されているホウ素含有量(「ペレットのホウ素全含有量」)とは区別されるものである。
本発明の「アルカリ土類金属含有量」とは、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの表面、または内部、またはその両方に含有するアルカリ土類金属の量をいう。具体的には、EVOH樹脂ペレット表面にアルカリ土類金属を含有する場合は、EVOH樹脂ペレット表面へのアルカリ土類金属の添加量を含有量に算入してもよく、EVOH樹脂ペレット内部にアルカリ土類金属を含有する場合は、例えば、乾燥状態のEVOH樹脂ペレットを灰化後、塩酸水溶液に溶解して、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)によって測定を行い、標準液の検量線からアルカリ土類金属の含有量を定量する等の方法により得られた値をペレット全体の含有量に換算したものである。
以下、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの説明に先立って、各構成成分および、ホウ素化合物とアルカリ土類金属とを含有させる前のEVOH樹脂ペレットの製法について説明する。
<EVOH樹脂>
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを構成するEVOH樹脂は、通常、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化させることにより得られる樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。重合法も公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合を用いて行うことができるが、一般的にはメタノール等の低級アルコール、特に好ましくはメタノールを溶媒とする溶液重合が用いられる。得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
このようにして製造されるEVOH樹脂は、エチレン由来の構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、必要に応じてケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位を通常含む。
上記ビニルエステル系モノマーとしては、市場からの入手のしやすさや製造時の不純物の処理効率がよい点から、代表的には酢酸ビニルが用いられる。他のビニルエステル系モノマーとしては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等の脂肪族ビニルエステル、安息香酸ビニル等の芳香族ビニルエステル等があげられ、通常炭素数3〜20、好ましくは炭素数4〜10、特に好ましくは炭素数4〜7の脂肪族ビニルエステルを用いることができる。これらは通常単独で用いるが、必要に応じて複数種を同時に用いてもよい。
上記エチレンおよび上記ビニルエステル系モノマーは、通常はナフサ等の石油由来の原料が用いられているが、シェールガス等天然ガス由来の原料や、さとうきび、テンサイ、トウモロコシ、ジャガイモ等に含まれる糖、デンプン等の成分、またはイネ、麦、キビ、草植物等に含まれるセルロース等の成分から精製した植物由来の原料からのモノマーを用いてもよい。
EVOH樹脂におけるエチレン構造単位の含有量は、ISO14663に基づいて測定した値で、通常20〜60モル%、好ましくは25〜50モル%、特に好ましくは25〜35モル%である。かかる含有量が低すぎる場合は、高湿下のガスバリア性、溶融成形性が低下する傾向があり、逆に高すぎる場合は、ガスバリア性が低下する傾向がある。
EVOH樹脂におけるビニルエステル成分のケン化度は、JIS K6726(ただし、溶媒として水/メタノールを使用)に基づいて測定した値で、通常90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、特に好ましくは99〜100モル%である。かかるケン化度が低すぎる場合にはガスバリア性、熱安定性、耐湿性等が低下する傾向がある。
また、該EVOH樹脂のメルトフローレート(MFR)(210℃、荷重2160g)は、通常0.5〜100g/10分であり、好ましくは1〜50g/10分、特に好ましくは3〜35g/10分である。かかるMFRが大きすぎる場合には、製膜性が不安定となる傾向があり、小さすぎる場合には粘度が高くなり過ぎて溶融押出しが困難となる傾向がある。
本発明で用いられるEVOH樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば10モル%以下)で、以下に示すコモノマーに由来する構造単位が、さらに含まれていてもよい。
上記コモノマーとしては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類、3−ブテン−1−オール、3−ブテン−1,2−ジオール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1,2−ジオール等のヒドロキシ基含有α−オレフィン類やそのエステル化物、2−メチレンプロパン−1,3−ジオール、3−メチレンペンタン−1,5−ジオール等のヒドロキシアルキルビニリデン類;1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等のヒドロキシアルキルビニリデンジアセテート類、アシル化物等の誘導体;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類;メタアクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類;アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物類;トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類;酢酸アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル化合物類;アリルアルコール、ジメトキシアリルアルコール等のアリルアルコール類;トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のコモノマーがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
さらに、ウレタン化、アセタール化、シアノエチル化、オキシアルキレン化等の「後変性」されたEVOH樹脂を用いることもできる。
特に、ヒドロキシ基含有α−オレフィン類を共重合したEVOH樹脂は、二次成形性が良好になる点で好ましく、中でも側鎖に1級水酸基を有するEVOH樹脂、特には1,2−ジオール構造を側鎖に有するEVOH樹脂が好ましい。
かかる1,2−ジオール構造を側鎖に有するEVOH樹脂は、側鎖に1,2−ジオール構造単位を含むものである。かかる1,2−ジオール構造単位とは、具体的には下記一般式(1)で示される構造単位である。
Figure 2018104647
上記一般式(1)式中、R1〜R6はそれぞれ独立して水素原子または有機基を示し、Xは単結合または結合鎖を示す。
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の飽和炭化水素基;フェニル基、ベンジル基等の芳香族炭化水素基;ハロゲン原子、水酸基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、スルホン酸基等があげられる。
1〜R3は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4の飽和炭化水素基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。R4〜R6は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。特に、R1〜R6がすべて水素原子であるものが最も好ましい。
また、上記一般式(1)で表わされる構造単位中のXは、代表的には単結合である。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であればXは、結合鎖であってもよい。かかる結合鎖としては特に限定されないが、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素鎖(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−等のエーテル結合部位を含む構造;−CO−、−COCO−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C64)CO−等のカルボニル基を含む構造;−S−、−CS−、−SO−、−SO2−等の硫黄原子を含む構造;−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−等の窒素原子を含む構造;−HPO4−等のリン原子を含む構造等のヘテロ原子を含む構造;−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−等の珪素原子を含む構造;−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−等のチタン原子を含む構造;−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等のアルミニウム原子を含む構造等の金属原子を含む構造等があげられる。
なお、mは自然数であり、通常1〜30、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で−CH2OCH2−、および炭素数1〜10の炭化水素鎖が好ましく、さらには炭素数1〜6の炭化水素鎖、特には炭素数1であることが好ましい。
上記一般式(1)で表される1,2−ジオール構造単位における最も好ましい構造は、R1〜R6がすべて水素原子であり、Xが単結合であるものである。すなわち、下記一般式(1a)で示される構造単位が最も好ましい。
Figure 2018104647
上記一般式(1a)で表される1,2−ジオール構造単位を含有する場合、その含有量は通常0.1〜20モル%、さらには0.1〜15モル%、特には0.1〜10モル%のものが好ましい。
<ホウ素化合物>
本発明のEVOH樹脂ペレットに含有させるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ビスマス、等の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物等があげられ、好適にはホウ砂、ホウ酸があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。ここでホウ素化合物のアルカリ土類金属塩を含有した場合、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中のアルカリ土類金属の含有量に算入される。
<アルカリ土類金属>
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットに含有させるアルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウムがあげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのうち、好ましくはカルシウムである。
上記のアルカリ土類金属は、通常、低分子化合物(具体的には、塩、水酸化物等)としてEVOH樹脂に含有され、分散性の点から塩が好ましい。
上記の塩としては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物塩等の無機塩;酢酸塩、酪酸塩、プロピオン酸塩、エナント酸塩、カプリン酸塩等の炭素数2〜11のモノカルボン酸塩,シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、スベリン酸塩、セバチン酸塩等の炭素数2〜11のジカルボン酸塩,ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、12ヒドロキシステアリン酸塩、ベヘン酸塩、モンタン酸塩等の炭素数12以上のモノカルボン酸塩等の有機酸塩等があげられる。これらは単独でもしくは2種類以上併せて用いることができる。これらの中で好ましくは、リン酸塩である。
<EVOH樹脂ペレットの製造>
EVOH樹脂からペレットを製造する方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、
a)溶融状態のEVOH樹脂を押出機の吐出口から押出し、溶融状態でカットした後、冷却固化してペレットを作製するホットカット方式、
b)EVOH樹脂溶液またはスラリー(EVOH樹脂含水組成物)を凝固浴中に押出し、冷却固化により得られたEVOH樹脂ストランドをカットするストランドカット方式、
等があげられ、具体的には、次の通りである。
a)ホットカット方式
EVOH樹脂含水組成物をホットカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内でのEVOH樹脂含水組成物の温度は、70〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜170℃である。EVOH樹脂含水組成物の温度が低すぎる場合は、EVOH樹脂が完全に溶融しない傾向があり、高すぎる場合は、EVOH樹脂が熱劣化を受けやすくなる傾向がある。乾燥EVOH樹脂をペレット原料として使用する場合の押出機内でのEVOH樹脂の温度は150〜300℃が好ましく、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは170〜250℃である。なお、樹脂組成物の温度は、押出機シリンダーに設置した温度センサーにより押出機先端部吐出口付近で検出した温度をいう。
ダイスから押し出されるEVOH樹脂含水組成物、すなわち溶融状態にあるEVOH樹脂は、冷却固化する前にカットされる。ホットカット方式は、大気中でカット(空中ホットカット方式)、冷却水で満たされたカッター設置容器内に押出され、冷却水中でカット(水中カット方式)のいずれでもよい。
水中カット方式における冷却水の温度は、溶融状態で押し出されたEVOH樹脂が瞬時に固化(凝固)しない程度の温度であり、カット前に冷却水と接触する場合には、冷却水の温度は−20〜50℃とすることが好ましく、より好ましくは−5〜30℃である。
ただし、乾燥EVOH樹脂を原料とする場合、EVOH樹脂含水組成物を原料として用いる場合よりも凝固しやすいことから、水中カット方式における冷却水の温度は、EVOH樹脂含水組成物を原料とする場合よりも高く、通常0〜90℃であり、好ましくは20〜70℃である。
冷却水は、水に限定しない。水/アルコール混合溶液;ベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;ジプロピルエーテル等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル等の有機エステル類等も用いることができる。これらのうち、取扱い性が容易という点から、水、または水/アルコール混合溶液が用いられる。水/アルコール混合溶液において、水/アルコール(重量比)は通常90/10〜99/1である。なお、上記アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールを用いることができ、工業上、メタノールが好ましく用いられる。
b)ストランドカット方式
ストランドカット方式の場合も、ホットカット方式と同様に、ペレット原料として、EVOH樹脂含水組成物、乾燥EVOH樹脂を用いることができる。
ただし、凝固浴に押し出すEVOH樹脂含水組成物の温度は、通常、10〜100℃である。また、凝固浴の温度は、押し出されたEVOH樹脂が冷却固化できる温度で、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。凝固浴に乾燥EVOHが押し出される温度は、通常、150〜300℃であり、凝固浴の温度は通常0〜90℃で、滞留時間は2〜400秒程度である。
凝固浴に用いる凝固液としては、上記a)ホットカット方式の冷却水と同様の溶液を採用することができる。
上記a)ホットカット方式、b)ストランドカット方式のいずれであっても、ペレット原料として使用するEVOH樹脂としては、(α)上記EVOH樹脂の合成方法において、ケン化により得られたEVOH樹脂の溶液またはスラリーをそのまま、あるいは当該溶液またはスラリーの含水率を適宜調整した後のEVOH樹脂含水組成物;あるいは(β)EVOH樹脂のペレット(乾燥EVOH樹脂ペレット)を溶融し、かかる溶融状態のEVOH樹脂を用いることができる。
押出機に投入するペレット原料としてEVOH樹脂含水組成物を用いる場合、EVOH樹脂含水組成物としては、EVOH樹脂100重量部に対し、アルコールを0〜10重量部、水を10〜500重量部含有するEVOH樹脂含水組成物が好ましい。EVOH樹脂の溶液またはスラリーを用いる場合、溶媒としてはアルコール、水/アルコール混合溶媒等が用いられる。これらのうち、水/アルコール混合溶媒が好ましい。上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数1〜10の脂肪族アルコールを用いることができ、特にメタノールが好ましい。また、水/アルコール混合重量比は、80/20〜5/95が好ましく、EVOH樹脂の濃度としては20〜60重量%が好ましい。
ペレット製造におけるEVOH樹脂含水組成物の含水率を調整する方法としては特に限定しないが、含水率を上げるためには、樹脂に水をスプレーする方法、樹脂を水中に浸漬させる方法、樹脂を水蒸気と接触させる方法等を採用できる。含水率を下げるためには、適宜乾燥すればよく、例えば、流動式熱風乾燥機あるいは静置式熱風乾燥機等を用いて乾燥することができる。
このようにして、EVOH樹脂ペレットが得られる。
〔EVOH樹脂ペレット〕
EVOH樹脂ペレットの形状は、通常、ペレットの製造方法に依存し、円柱状、球状、ラグビーボール状、立方体、直方体、不定形等、種々の形状のものを用いることができる。
ペレットのサイズ、形状は、使用する押出機のノズルの口径、カッター刃の枚数、カッター刃の回転数等を適宜調整することにより、調製することができる。
通常、EVOH樹脂ペレットのサイズとしては、例えば、円柱状の場合は底面の直径が1〜10mm、特には2〜7mmが好ましく、長さが1〜10mm、特には3〜8mmが好ましく、球状の場合は直径が1〜10mm、特には2〜7mmが好ましい。
以上のようなEVOH樹脂ペレットのうち、後述するホウ素化合物の含有処理の点から、ペレット内部に複数の孔を有する多孔質のペレットを用いることが好ましい。この孔内へホウ素化合物が浸透することで、ホウ素化合物をペレット中に保持しやすくなり、効率的にホウ素化合物をペレット内部へ取り込ませることができる。すなわち、ここでいう多孔質構造の孔の大きさは、その孔内へホウ素化合物が浸透できる範囲であればよく、特に限定されない。
このような多孔質EVOH樹脂ペレットは、通常、ペレット原料として、EVOH樹脂含水組成物を使用し、当該含水組成物中のEVOH樹脂濃度、溶媒の種類、押出し時の含水組成物温度、凝固浴の温度、滞留時間等を任意に調整することで、得ることができる。
また、多孔質EVOH樹脂ペレットの含水率は20〜80重量%が好ましい。当該含水率の多孔質EVOH樹脂ペレットは、ホウ素化合物の含有処理により、ホウ素化合物を均一にかつ迅速に含有させることができる。
本発明で用いるEVOH樹脂ペレットは、異なる他のEVOH樹脂ペレットとの混合物であってもよく、上記他のEVOH樹脂ペレットとしては、エチレン構造単位の含有量が異なるもの、ケン化度が異なるもの、メルトフローレート(MFR)が異なるもの、他の共重合成分が異なるもの、例えば、前記一般式(1)で表わされる1,2−ジオール構造単位の含有量が異なるもの、等をあげることができる。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、上記EVOH樹脂ペレットに特定量のホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有させることにより得られる。この、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造方法は、特に限定されるものではないが、以下に代表的な製造方法について説明する。
<ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造>
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、下記ホウ素含有EVOH樹脂ペレットの製造、およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造を経ることにより得ることができる。これらの工程は、どちらの工程を先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。上記工程を同時に行う際は、例えば、ホウ素化合物とアルカリ土類金属が溶解した溶液を用いる等により行うことができる。
なかでも、作業効率の点から、ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットの製造、アルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造の順に行うことが好ましい。
<ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットの製造>
上記ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットは、
(I)ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット(洗浄前)を製造する工程、
(II)上記洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを洗浄処理する工程、
により製造することができる。
以下、工程(I)により製造されたホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット(洗浄前)を、「洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット」と称し、工程(II)の洗浄処理を経たホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを「ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット」と称して、両者を区別する。
(I)洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを製造する工程
上記工程(I)の洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットの製造、すなわちホウ素化合物をEVOH樹脂ペレットに含有させる処理は、上記EVOH樹脂ペレットとホウ素化合物とを接触させることにより行う。
EVOH樹脂とホウ素化合物との接触は、例えば、
i)ペレット製造段階でEVOH樹脂とホウ素化合物とを接触させる方法、
ii)予め作製したEVOH樹脂ペレットとホウ素化合物とを接触させる方法、
等により行うことができる。
i)のペレット製造段階でEVOH樹脂とホウ素化合物とを接触させる方法としては、例えば、ペレット製造原料(EVOH樹脂含水組成物、溶融EVOH樹脂)にホウ素化合物を添加、あるいはホウ素化合物含有溶液を凝固液に使用する方法等があげられる。
原料としてEVOH樹脂含水組成物を用いる場合には、当該含水組成物にホウ素化合物を添加すればよい。乾燥EVOH樹脂ペレットを溶融し、かかる溶融状態のEVOH樹脂を原料として用いる場合、乾燥EVOH樹脂に予めホウ素化合物を含有させればよい。
好ましくは、ホウ素化合物を添加したEVOH樹脂含水組成物を、凝固液中にストランド状に押出し、得られたストランドを切断する方法である。
ii)の予め作製したEVOH樹脂ペレットとホウ素化合物とを接触させる方法としては、ホウ素化合物の溶液をEVOH樹脂ペレットに噴霧する方法;ホウ素化合物の溶液にEVOH樹脂ペレットを浸漬する方法;ホウ素化合物の溶液を撹拌しながら、EVOH樹脂ペレットを投入する方法等があげられる。これらのうち、ホウ素化合物をペレット内部にまで効率よく含有させることができる点で、ホウ素化合物の溶液を撹拌しながら、EVOH樹脂ペレットを投入する方法が好ましく用いられる。
以上のようなホウ素化合物との接触処理のうち、種々のペレットに適用でき、汎用性に優れているという点で、ii)の予め作製したEVOH樹脂ペレットとホウ素化合物とを接触させる方法が好ましい。より好ましくは、多孔質EVOH樹脂ペレットを、ホウ素化合物の溶液と接触させる方法である。
上記ホウ素化合物の溶液の溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコール;水/アルコール混合用液等を使用することができる。なお、水/アルコール混合溶液において、水/アルコール(重量比)は通常90/10〜10/90である。
ホウ素化合物との接触処理に用いるホウ素化合物の溶液の濃度は、通常0.001〜1重量%、好ましくは0.003〜0.5重量%である。かかる濃度が低すぎると、所定量のホウ素化合物を含有させることが困難となる傾向があり、高すぎると最終的に得られる成形物の外観が低下する傾向にある。
このようなホウ素化合物接触処理により得られる洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットに含有されるホウ素化合物量(ペレット中のホウ素化合物全含有量)は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり、通常10〜10000ppmであり、好ましくは20〜5000ppm、さらに好ましくは30〜3000ppmである。かかる含有量が少なすぎると、ホウ素化合物の添加効果が充分ではない傾向があり、多すぎると最終的に得られる成形物の外観が低下する傾向がある。
ホウ素化合物の溶液との接触処理において、ホウ素化合物の濃度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理されるEVOH樹脂ペレットの含水率等により、ホウ素化合物全含有量をコントロールすることが可能である。
ホウ素化合物との接触処理後の洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットは、そのまま次の工程に供してもよいが、通常、ペレットを乾燥することが好ましい。かかる乾燥に際しては公知の方法を採用することができ、例えば、円筒・溝型撹拌乾燥器、円筒乾燥器、回転乾燥器、流動層乾燥器、振動流動層乾燥器、円錐回転型乾燥器等を用いた流動乾燥や回分式箱型乾燥器、バンド乾燥器、トンネル乾燥器、竪型サイロ乾燥器等を用いた静置乾燥等により乾燥すればよい。80〜150℃の窒素ガス等の気体を乾燥器内を通過させることで、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットに影響を及ぼさないで、効率よく乾燥させることができる。
(II)洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを洗浄処理する工程
洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットは、当該ペレットに含まれるホウ素化合物の全含有量、ペレット表層部のホウ素化合物の含有量にもよるが、洗浄処理によって、上記工程(I)の洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットの、ホウ素含有量を調整することができる。
洗浄処理は、アルコール、水/アルコール等の洗浄用処理液と接触させることにより行うことが好ましい。好ましい洗浄用処理液は、水/アルコール混合溶液またはアルコールであり、より好ましくは水/アルコール混合溶液である。
上記アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール等の炭素数1〜8、特には1〜5、さらには1〜3のアルコールを用いることが好ましく、これらのうち、入手容易かつ安価の点で、メタノールが特に好ましく用いられる。
洗浄処理に用いる洗浄用処理液として水/アルコール混合溶液を用いる場合は、水/アルコール(重量比)が、80/20〜0/100、好ましくは65/35〜15/85、特に好ましくは50/50〜20/80である水/アルコール混合溶液である。水が多すぎても、アルコール濃度が高くなりすぎても、表層部のホウ素量低減効果が充分得られない傾向があることから、上記範囲の水/アルコール混合溶液が好ましい。一般にホウ素化合物の溶解度が、水よりもアルコールの方が高いという事情に鑑みると、アルコール単独よりも水/アルコール混合溶液の方が、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットからのホウ素化合物の溶出が多かったことは、驚くべきことである。なお、ホウ素化合物の23℃の水10gに対する溶解度は、0.1〜10重量%程度であり、23℃のメタノール10gに対する溶解度は15〜30重量%程度である。
洗浄処理は、洗浄用処理液と洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットとを接触させることにより行われる。接触は、例えば、洗浄用処理液に浸漬させて撹拌したり、洗浄用処理液中で洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを循環させたり、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットに洗浄用処理液を吹き付けたりする方法等により行うことができる。さらに浸漬中に超音波等の振動を与えたりすることも有効であるが、工業上、好適には洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを洗浄用処理液に浸漬させて撹拌したり、洗浄用処理液中で洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを循環させたりする方法が用いられる。
洗浄用処理液との接触時間は5分間〜48時間、さらには10分間〜24時間が好ましく、洗浄用処理液の温度は10〜80℃、さらには20〜60℃とすることが好ましい。
上記洗浄処理後のホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットは、必要に応じて乾燥してもよい。具体的には、含水率0.01〜1重量%程度、好ましくは0.05〜0.5重量%程度まで乾燥することが好ましい。乾燥方法は、洗浄前ホウ素含化合物有EVOH樹脂ペレットの乾燥方法と同様の方法を採用することができる。
上記洗浄処理により、ペレット表層部のホウ素化合物の含有量を減じることができ、ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットが得られる。
<アルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造>
上記アルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、前記EVOH樹脂ペレットにアルカリ土類金属を含有させることにより製造することができる。
EVOH樹脂にアルカリ土類金属を含有させる方法としては、例えば、
iii)ペレット製造段階でアルカリ土類金属と接触させる方法、
iv)予め作製したEVOH樹脂ペレットとアルカリ土類金属とを接触させる方法、
等により行うことができる。
iii)のペレット製造段階でアルカリ土類金属と接触させる方法としては、例えば、ペレット製造原料(EVOH樹脂含水組成物、溶融EVOH樹脂)にアルカリ土類金属を添加する方法、アルカリ土類金属の溶液を凝固液に使用する方法等があげられる。
原料としてEVOH樹脂含水組成物を用いる場合には、当該含水組成物にアルカリ土類金属を分散させEVOH樹脂に添加させることができる。一方、溶融EVOH樹脂を用いる場合には、乾燥EVOH樹脂ペレットを溶融し、かかる溶融状態のEVOH樹脂とアルカリ土類金属とを押出機で溶融混練しEVOH樹脂の内部に添加させることができる。
好ましくは、EVOH樹脂含水組成物にアルカリ土類金属を分散させEVOH樹脂に添加する方法である。
iv)予め作製したEVOH樹脂ペレットとアルカリ土類金属とを接触させる方法としては、アルカリ土類金属の溶液をEVOH樹脂ペレットに噴霧する方法;アルカリ土類金属の溶液にEVOH樹脂ペレットを浸漬する方法;アルカリ土類金属の溶液を撹拌しながら、EVOH樹脂ペレットを投入する方法;アルカリ土類金属の粉末をEVOH樹脂ペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法等があげられる。これらのうち、アルカリ土類金属を効率よく含有させることができる点で、アルカリ土類金属の粉末をEVOH樹脂ペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法が好ましく用いられる。
以上のようなアルカリ土類金属との接触処理のうち、種々のペレットに適用でき、汎用性に優れているという点で、iv)の予め作製したEVOH樹脂ペレットとアルカリ土類金属とを接触させる方法が好ましく、アルカリ土類金属の粉末をEVOH樹脂ペレットに直接添加して混ぜ合わせる方法が特に好ましい。
上記、アルカリ土類金属の粉末をEVOH樹脂ペレットに直接添加する場合のアルカリ土類金属量は、通常、EVOH樹脂ペッレト重量あたり100ppm以下であり、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。なお、アルカリ土類金属量の下限は1ppmである。アルカリ土類金属量が少なすぎるとEVOH樹脂を減粘させることによるフィッシュアイ低減効果が得られなくなる傾向があり、多すぎるとEVOH樹脂中での分散が不充分となりアルカリ土類金属塩が凝集することでフィッシュアイを増加させたり、EVOH樹脂が着色したり、臭気が発生する傾向がある。
また、アルカリ土類金属の溶液を用いる場合のアルカリ土類金属の濃度は、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜15重量%である。かかる濃度が低すぎると、所定量のアルカリ土類金属を含有させることが困難となる傾向があり、高すぎると最終的に得られる成形物の外観が低下する傾向にある。なお、アルカリ土類金属の溶液を用いる場合は、前記ホウ素化合物の溶液の溶媒と同様のものを用いることができる。
アルカリ土類金属の溶液との接触処理において、アルカリ土類金属の濃度、接触処理時間、接触処理温度、接触処理時の撹拌速度や処理されるEVOH樹脂ペレットの含水率等により、アルカリ土類金属含有量をコントロールすることが可能である。
上記のアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、必要に応じて、乾燥してもよい。具体的には、含水率0.01〜1重量%程度、特には0.05〜0.5重量%程度まで乾燥することが好ましい。乾燥方法は、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットの乾燥方法と同様の方法を採用することができる。
上記工程により、アルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットが得られる。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、上記ホウ素化合物を含有させる工程、およびアルカリ土類金属を含有させる工程を経ることにより得ることができる。
なかでも、作業効率の点からホウ素化合物を含有させる工程、アルカリ土類金属を含有させる工程の順に行うことが好ましく、なかでもホウ素化合物を含有させる工程は前記工程ii)、アルカリ土類金属を含有させる工程は前記工程iv)で行うことが特に好ましい。
洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット中に含有されるホウ素化合物の量(ホウ素化合物全含有量でホウ素換算)は、ペレットを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られた溶液に、純水を加えて定容したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)で測定される量である。
<ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット>
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットにおける、ホウ素化合物の全含有量は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり、10〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは20〜500ppm、さらに好ましくは30〜100ppmである。なお、上記ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットにおけるホウ素化合物の全含有量は、上記洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット中に含有されるホウ素化合物の量と同様の方法で測定することができる。
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットに含有されるホウ素含有量が少なすぎると、溶融粘度が低くなり、製膜性能が低下する傾向があり、特にインフレーション製膜が困難になる傾向がある。したがって、少なくともホウ素含有量が10ppm程度となるように、ホウ素化合物を含有させることが好ましい。
また、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット表層部のホウ素化合物含有量は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、好ましくは1.6ppm以下、より好ましくは1.5ppm以下である。下限は、特に限定しないが、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)が上記範囲内の場合、通常、1ppb以上、好ましくは50ppb以上、より好ましくは100ppb以上である。
表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)が多くなりすぎると、フィッシュアイ等が発生しやすくなり、フィルム外観が低下することとなり、また、製膜性も低下することとなる。
ここで、ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)は、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット4gを30℃のメタノール20mLに6時間静置浸漬した後、得られるメタノール溶液について誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)を用いて測定される量を上記EVOH樹脂ペレットの重量(4g)で除したものである。
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)に対する表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)の重量比(表層部のホウ素化合物含有量/ホウ素化合物全含有量)を、1.38×10-2以下とすることが好ましく、より好ましくは1.35×10-2以下、さらに好ましくは1.30×10-2以下である。当該比率が高くなりすぎると、フィッシュアイが発生しやすくなり、フィルム外観が低下する傾向にある。なお、下限値は、通常1×10-7である。
また、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットのアルカリ土類金属含有量は、当該ペレット重量あたり100ppm以下であり、好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは50ppm以下である。なお、アルカリ土類金属量の下限は1ppmである。アルカリ土類金属量が少なすぎるとEVOH樹脂を減粘させることによるフィッシュアイ低減効果が得られなくなる傾向があり、多すぎるとEVOH樹脂中での分散が不充分のアルカリ土類金属塩が凝集することでフィッシュアイを増加させたり、EVOH樹脂が着色したり、臭気が発生する傾向がある。
上記アルカリ土類金属の含有量は、具体的には、EVOH樹脂ペレット表面にアルカリ土類金属を含有する場合は、EVOH樹脂ペレット表面へのアルカリ土類金属の添加量を含有量と算入してもよく、EVOH樹脂ペレット内部にアルカリ土類金属を含有する場合は、例えば、乾燥状態のEVOH樹脂ペレットを灰化後、塩酸水溶液に溶解して、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)によって測定を行い、標準液の検量線からアルカリ土類金属の含有量を定量する等の方法により得られた値をペレット全体の含有量に換算したものである。
また、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの含水率は、通常0.01〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。含水率が少なすぎると水分子によるEVOH樹脂の可塑化が起こらず、押出成形時にEVOH樹脂ペレットが溶融しづらくなり、未溶融物の欠点が生じやすくなる傾向があり、多すぎると押出成形時に発泡現象が起こり、成形物の外観が悪化しやすくなる傾向がある。
〔その他の成分〕
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットには、本発明の効果を阻害しない範囲において、一般にEVOH樹脂に配合する配合剤、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、光安定剤、界面活性剤、抗菌剤、乾燥剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、架橋剤、硬化剤、発泡剤、結晶核剤、防曇剤、生分解用添加剤、シランカップリング剤、酸素吸収剤等が含有されていてもよい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
上記熱安定剤としては、溶融成形時の熱安定性等の各種物性を向上させる目的で、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ラウリル酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸等の有機酸類またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛塩等の塩;または、硫酸、亜硫酸、炭酸、リン酸等の無機酸類、またはこれらのアルカリ金属塩(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム、マグネシウム等)、亜鉛塩等の塩;等の添加剤を添加してもよい。これらのうち、特に、酢酸、酢酸塩、リン酸塩を配合することが好ましい。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。ここでアルカリ土類金属塩が配合された場合、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中のアルカリ土類金属の含有量に算入される。
これらの成分を配合する場合、その配合は、通常、ホウ素化合物またはアルカリ土類金属を含有させるために行われるホウ素化合物またはアルカリ土類金属の溶液との接触処理前、接触処理とともに、あるいは接触処理後のいずれに行ってもよい。好ましくはホウ素化合物またはアルカリ土類金属含有量への影響が少ないという点で、接触処理とともに行うことが好ましい。
その他の成分の配合方法は特に限定しないが、通常、これらの配合剤を含有する溶液にEVOH樹脂ペレットを接触させることにより行うことができる。したがって、ホウ素化合物またはアルカリ土類金属との接触処理前であれば、得られたEVOH樹脂ペレットを上記配合物の水溶液に含浸することにより、あるいはホウ素化合物またはアルカリ土類金属の溶液に上記配合剤も含有させた溶液を用いることにより、配合することができる。
以上のような構成を有するホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、溶融成形性、フィルム外観に優れている。特に、単層フィルムを製膜した場合であっても、フィッシュアイの発生はほとんどなく、外観に優れている。
〔溶融成形品〕
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、溶融成形法により、例えば、フィルム、シート、カップやボトル等に成形することができる。かかる溶融成形方法としては、例えば、押出成形法(T−ダイ押出、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、異型押出等)、射出成形法等があげられる。溶融成形温度は、通常150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの溶融成形品はそのまま各種用途に用いてもよい。特に、本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを用いた溶融成形品は外観に優れ、単層膜でもフィッシュアイの発生が抑制されたEVOH樹脂フィルムを製造することができる。EVOH樹脂層(EVOH樹脂フィルム)の厚みは、通常1〜5000μm、好ましくは5〜4000μm、特に好ましくは10〜3000μmである。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの溶融成形品は、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂の単層膜であっても成形性に優れ、外観に優れているが、耐水性、強度等の観点から、必要に応じて、他の樹脂層を積層した多層構造体としてもよい。
上記の如く得られたフィルム、シート、延伸フィルムからなる袋およびカップ、トレイ、チューブ、ボトル等からなる容器や蓋材は、一般的な食品の他、マヨネーズ、ドレッシング等の調味料、味噌等の発酵食品、サラダ油等の油脂食品、飲料、化粧品、医薬品等の各種の包装材料容器として有用である。
以下、実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例の記載に限定されるものではない。
なお、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
まず実施例および比較例で用いるペレットの測定評価方法について説明する。
〔測定評価方法〕
(1)ペレット中のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)
EVOH樹脂ペレット0.1gを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られる溶液を純水にて定容(0.75mg/mL)したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)(アジレント・テクノロジー社製、720−ES型)で測定した。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。なお、かかる測定評価方法は、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットおよび、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットに適用する。
(2)ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット4gを、メタノール(30℃)20mLに6時間静置浸漬し、得られたメタノール溶液を測定用試料として用いた。この測定用試料について、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)(パーキンエルマー社製、ELAN DRCII)を用いてホウ素含有量を測定し、上記EVOH樹脂ペレット重量(4g)で除してペレット表層部のホウ素含有量を求めた。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。
(3)ペレットのアルカリ土類金属含有量
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレット中のアルカリ土類金属の含有量について、アルカリ土類金属をEVOH樹脂ペレット表面に直接添加する場合は添加量を含有量に算入することができるが、アルカリ土類金属がEVOH樹脂ペレットの内部に存在する場合は、EVOH樹脂ペレット 2gを白金皿に採取し、硫酸を数mL添加してガスバーナーで加熱した。ペレットが炭化して硫酸白煙がなくなるのを確認したら、数滴硫酸を添加して再び加熱した。この操作を有機物がなくなるまで繰り返し、完全に灰化させた。灰化が終わった容器を放冷し、塩酸を1mL添加して溶解させた。この塩酸溶液を超純水で洗いこんで、50mLに定容した。このサンプル溶液中のアルカリ土類金属含有量を誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)(アジレント・テクノロジー社製、720−ES型)によって測定した。最終的に、溶液中のアルカリ土類金属濃度から、試料のEVOH樹脂ペレット中のアルカリ金属土類含有量として換算した。
(4)ペレットの含水率(%)
乾燥前のEVOH樹脂ペレットの重量と、温度150℃、5時間乾燥後のEVOH樹脂ペレットの重量から揮発分を求め、これをEVOH樹脂ペレットの含水率とした。具体的には含水率は、下記式で表わされる。なお、かかる測定評価方法は、EVOH樹脂ペレット、洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットおよび、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットに適用する。
含水率(%)=(乾燥前のEVOH樹脂ペレット重量−乾燥後のEVOH樹脂ペレット重量)/乾燥前のEVOH樹脂ペレット重量×100
(5)フィッシュアイ
ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを用いて下記条件で、厚み30μmの単層フィルムを製膜した。
(製膜条件)
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュー:フルフライトタイプ圧縮比=2.5
スクリーンパック:60/90/60メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=190/200/210/210/210/210℃
スクリュー回転数:20rpm
ロール温度:80℃
厚み30μmの単層フィルムについて、デジタル欠陥検査装置(マミヤオーピー社製、GX−70LT)を用いて、フィッシュアイを計測した。
フィッシュアイの計測は、単層フィルムの下面から光を当て、光透過しなかった部分(直径0.1〜0.2mm)をフィッシュアイ1個として、100cm2(サイズ:10cm×10cm)のあたりのフィッシュアイ個数をカウントすることにより行った。なお、計測時の読み取り速度:3m/分である。
〔ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットの製造〕
〈実施例1〉
EVOH樹脂〔エチレン含有量:44モル%、ケン化度:99.6モル%、MFR:3.8g/10分(210℃、荷重2160g)〕を水/メタノール混合溶媒〔水/メタノール=20/80(重量比)〕に溶解した溶液(60℃、EVOH樹脂濃度40%)を、5℃に維持した水を収容した水槽内にストランド状に押出して凝固させた後、カッターで切断して、円柱状(直径4mm、長さ4mm、)のペレットを得た。次いで、このEVOH樹脂ペレットを、30℃の温水に投入し、約4時間撹拌して、含水率50%の多孔質のEVOH樹脂ペレットを得た。
多孔質のEVOH樹脂ペレット100部を、0.0054%のホウ酸水溶液200部に投入し、30℃で5時間撹拌した。撹拌後、多孔質の洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを回収した。
この洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを、回分式塔型流動層乾燥器にて、75℃の窒素ガスを3時間通過させることにより、含水率20%まで乾燥させた。
次いで、回分式箱型通気式乾燥器を用いて、125℃の窒素ガスを18時間通過させて、含水率0.3%にまで乾燥させた。
上記のようにして得られた洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを、以下の洗浄処理に供した。
洗浄前ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレット5部と、洗浄用処理液としての水/メタノール混合溶媒(水/メタノール=1/1(重量比))10部とを、ステンレス製容器に入れ、35℃で1時間撹拌した。その後、ペレットを取り出し、120℃、16時間、窒素気流下で乾燥した。以上のようにして、ホウ素化合物含有EVOH樹脂ペレットを得た。
得られたホウ素含有量調整済EVOH樹脂ペレットに対して、アルカリ土類金属としてカルシウム量が30ppmになるように、ビス(リン酸二水素)カルシウム・1水和物を添加して均一になるように振り混ぜ、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを得た。
得られたホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有量調整済EVOH樹脂ペレットを、上記測定評価方法によりホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、アルカリ土類金属含有量、含水率を測定した。ホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)は128.8ppm、表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)は1.1ppm、アルカリ土類金属の含有量は30ppm、含水率は0.10重量%であった。
得られたホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを、単層Tダイ押出装置を用いて、最高温度210℃、スクリュー回転数20rpmで成膜し、厚み30μmの単層フィルムを製造した。この単層フィルムについて、上記測定評価方法によりフィッシュアイの発生個数を調べた。
〈比較例1〉
洗浄用処理液の組成を下記表1のように変更し、アルカリ土類金属含有量を下記表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、ホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットを作製した。得られたホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、アルカリ土類金属含有量を測定した(含水率は0.13%)。
次いで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を表1に示す。
〈比較例2〉
アルカリ土類金属含有量を下記表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、EVOH樹脂ペレットを作製した。得られたホウ素化合物およびアルカリ土類金属EVOH樹脂ペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、アルカリ土類金属含有量を測定した(含水率は0.10%)。
次いで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を表1に示す。
Figure 2018104647
表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつアルカリ土類金属含有量を当該ペレット重量あたり100ppm以下含有する実施例1のEVOH樹脂ペレットは、比較例に比べてフィッシュアイの発生を大幅に抑制することができた。
本発明のホウ素化合物およびアルカリ土類金属含有EVOH樹脂ペレットは、ペレット表層部のホウ素化合物の含有量を減少させ、かつアルカリ土類金属の含有量を所定量以下とすることで、成形性を損なうことなく、外観を向上させることができるため、従来のEVOH樹脂ペレットよりも包装材料としての外観要求が厳しい分野に好適に利用することができる。
Figure 2018104647

Claims (5)

  1. ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットであって、
    当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ当該ペレット重量あたりのアルカリ土類金属含有量が100ppm以下であることを特徴とするエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  2. 上記ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット全体のホウ素化合物全含有量が、ホウ素換算で上記ペレット重量あたり10〜1000ppmであることを特徴とする請求項1記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  3. 上記ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット全体のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)に対する上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)の重量比(表層部ホウ素化合物含有量/ホウ素化合物全含有量)が、1.38×10-2以下であることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  4. 上記ホウ素化合物およびアルカリ土類金属を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの含水率が0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレット。
  5. エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットをホウ素化合物と接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、上記工程により得られたペレットを洗浄する工程、およびアルカリ土類金属を含有させる工程を備えたエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法であって、
    上記洗浄する工程の洗浄が、乾燥後のペレットと、水のアルコールに対する重量比(水/アルコール)が80/20〜0/100の水/アルコール混合溶液またはアルコールとを接触させることであり、
    上記アルカリ土類金属を含有させる工程が、アルカリ土類金属を当該ペレット重量あたり100ppm以下となるように含有させることを特徴とするエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
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