JP6915529B2 - エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 - Google Patents
エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6915529B2 JP6915529B2 JP2017252331A JP2017252331A JP6915529B2 JP 6915529 B2 JP6915529 B2 JP 6915529B2 JP 2017252331 A JP2017252331 A JP 2017252331A JP 2017252331 A JP2017252331 A JP 2017252331A JP 6915529 B2 JP6915529 B2 JP 6915529B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- evoh
- pellet
- boron compound
- conjugated polyene
- boron
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29B—PREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
- B29B9/00—Making granules
- B29B9/12—Making granules characterised by structure or composition
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29B—PREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
- B29B9/00—Making granules
- B29B9/02—Making granules by dividing preformed material
- B29B9/06—Making granules by dividing preformed material in the form of filamentary material, e.g. combined with extrusion
- B29B9/065—Making granules by dividing preformed material in the form of filamentary material, e.g. combined with extrusion under-water, e.g. underwater pelletizers
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
Description
特許文献2の、ホウ素化合物処理は、EVOH溶液または分散液にホウ素化合物を添加することにより行われ、ホウ素成分を含有したEVOHペレットを押出成形原料として用いている。
特許文献3では、EVOHにホウ素化合物を含有させる処理を行って得られるホウ素含有EVOHペレットについて、ペレットの含水率が0.1mm未満のフィッシュアイの発生と関係があることを見出し、含水率0.0001〜2重量%に乾燥させた後、水と接触させることにより、0.1mm未満のフィッシュアイの発生を抑制できることが開示されている。
なお、本発明のホウ素化合物および共役ポリエンを含有するEVOHペレットを用いて得られる膜(層、フィルムを含む)は、単層膜であっても成形性に優れ、外観に優れているので、耐水性、強度等の観点から、他の樹脂層を積層した多層構造体においても、当然に適用できるものである。
また、「ペレット表層部のホウ素化合物含有量」は、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット中に含有されているホウ素含有量(「ペレットのホウ素全含有量」)とは区別されるものである。
本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを構成するEVOHは、通常、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化させることにより得られる樹脂であり、一般的にエチレン−ビニルアルコール系共重合体やエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物と称される非水溶性の熱可塑性樹脂である。重合法も公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合を用いて行うことができるが、一般的にはメタノール等の低級アルコール、特に好ましくはメタノールを溶媒とする溶液重合が用いられる。得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
このようにして製造されるEVOHは、エチレン由来の構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、必要に応じてケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位を通常含む。
R1〜R3は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4の飽和炭化水素基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。R4〜R6は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。特に、R1〜R6がすべて水素原子であるものが最も好ましい。
なお、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、Xは結合鎖であってもよい。かかる結合鎖としては特に限定されないが、例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、フェニレン、ナフチレン等の炭化水素鎖(これらの炭化水素はフッ素、塩素、臭素等のハロゲン等で置換されていてもよい)の他、−O−、−(CH2O)m−、−(OCH2)m−、−(CH2O)mCH2−等のエーテル結合部位を含む構造;−CO−、−COCO−、−CO(CH2)mCO−、−CO(C6H4)CO−等のカルボニル基を含む構造;−S−、−CS−、−SO−、−SO2−等の硫黄原子を含む構造;−NR−、−CONR−、−NRCO−、−CSNR−、−NRCS−、−NRNR−等の窒素原子を含む構造;−HPO4−等のリン原子を含む構造等のヘテロ原子を含む構造;−Si(OR)2−、−OSi(OR)2−、−OSi(OR)2O−等の珪素原子を含む構造;−Ti(OR)2−、−OTi(OR)2−、−OTi(OR)2O−等のチタン原子を含む構造;−Al(OR)−、−OAl(OR)−、−OAl(OR)O−等のアルミニウム原子を含む構造等の金属原子を含む構造等があげられる。
また、mは自然数であり、通常1〜30、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で−CH2OCH2−、および炭素数1〜10の炭化水素鎖が好ましく、さらには炭素数1〜6の炭化水素鎖、特には炭素数1であることが好ましい。
本発明で用いるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ビスマス、等の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物等があげられ、好適にはホウ砂、ホウ酸があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明で用いられる共役ポリエンとは、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造であって、炭素−炭素二重結合の数が2個以上である、いわゆる共役二重結合を有する化合物である。共役ポリエンは、2個の炭素−炭素二重結合と1個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ジエン、3個の炭素−炭素二重結合と2個の炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役トリエン、あるいはそれ以上の数の炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合が交互に繋がってなる構造である共役ポリエンであってもよい。ただし、共役する炭素−炭素二重結合の数が8個以上になると共役ポリエン自身の色により成形物が着色する懸念があるため、共役する炭素−炭素二重結合の数が7個以下であるポリエンであることが好ましい。また、2個以上の炭素−炭素二重結合からなる上記共役二重結合が互いに共役せずに1分子中に複数組あってもよい。例えば、桐油のように共役トリエンが同一分子内に3個ある化合物も共役ポリエンに含まれる。
EVOHからペレットを製造する方法としては、従来公知の方法を採用でき、例えば、
a)溶融状態のEVOHを押出機の吐出口から押出し、溶融状態でカットした後、冷却固化してペレットを作製するホットカット方式、
b)溶融状態のEVOHを凝固浴中に押出し、冷却固化により得られたEVOHストランドをカットするストランドカット方式、等があげられる。
EVOH溶液・含水組成物をホットカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内でのEVOH溶液・含水組成物の温度は、70〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜170℃である。EVOH溶液・含水組成物の温度が低すぎる場合は、EVOHが完全に溶融しない傾向があり、高すぎる場合は、EVOHが熱劣化を受けやすくなる傾向がある。
また、乾燥EVOHをペレット原料として使用する場合、押出機内でのEVOHの温度は150〜300℃が好ましく、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは170〜250℃である。
なお、上記EVOH溶液・含水組成物および乾燥EVOHの温度とは、押出機シリンダーに設置した温度センサーにより押出機先端部吐出口付近で検出した温度をいう。
また、、乾燥EVOHを原料とする場合、EVOH含水組成物を原料として用いる場合よりも凝固しやすいことから、水中カット方式における冷却水の温度は、EVOH溶液・含水組成物を原料とする場合よりも高く、通常0〜90℃であり、好ましくは20〜70℃である。
EVOH溶液・含水組成物をストランドカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴に押し出すEVOH溶液・含水組成物の温度は、通常、10〜100℃である。また、凝固浴の温度は、押し出されたEVOHが冷却固化できる温度で、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。
また、乾燥EVOHをペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴にEVOHが押し出される温度は、通常、150〜300℃であり、凝固浴の温度は、通常、0〜90℃で、滞留時間は2〜400秒間程度である。
本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットは、共役ポリエンを含有するEVOHペレットを作製する工程、ホウ素化合物を含有させる工程、およびホウ素化合物を含有するEVOHペレットを洗浄して、ペレット表層部のホウ素化合物含有量を、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下にする工程を経ることにより得ることができる。これらの工程は、どちらの工程を先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。上記工程を同時に行う際は、例えば、ホウ素化合物と共役ポリエンを含有する溶液を用いる等により行うことができる。
上記共役ポリエンを含有するEVOHペレットは、前記EVOHペレットに共役ポリエンを含有させることにより作製することができる。
(I)EVOHペレット製造段階で共役ポリエンと接触させる方法、
(II)予め作製したEVOHペレットと共役ポリエンとを接触させる方法、
等により行うことができる。
好ましくは、共役ポリエンの溶液を撹拌しながら、EVOHペレットを投入する方法である。
また、EVOHペレットに共役ポリエンを含有させる方法としては、上記の方法を複数を組み合わせてもよい。
上記ホウ素化合物を含有させる工程は、前記EVOHペレットとホウ素化合物とを接触させることにより行う。
(i−1)EVOHペレット製造段階でEVOHとホウ素化合物とを接触させる方法、
(i−2)予め作製したEVOHペレットとホウ素化合物とを接触させる方法、
等により行うことができる。
ペレット原料としてEVOH溶液・含水組成物を用いる場合には、当該EVOH溶液・含水組成物にホウ素化合物を添加すればよい。また、乾燥EVOHペレットを溶融し、かかる溶融状態のEVOHを原料として用いる場合、乾燥EVOHに予めホウ素化合物を含有させればよい。
好ましくは、ホウ素化合物を添加したEVOH含水組成物を、凝固液中にストランド状に押し出し、得られたストランドを切断する方法である。
乾燥方法は、共役ポリエン含有EVOHペレットの乾燥方法と同様の方法を採用することができる。
つぎにEVOHを洗浄する工程について説明する。
上記表層部ホウ素調整前EVOHペレットは、当該ペレットに含まれるホウ素化合物の全含有量、およびペレット表層部のホウ素化合物の含有量にもよるが、洗浄処理によって、ペレット表層部におけるホウ素化合物の含有量を調整することができる。
ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットにおける、ホウ素化合物の全含有量は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり10〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは20〜500ppm、さらに好ましくは30〜140ppmである。なお、上記ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットにおけるホウ素化合物の全含有量は、前記表層部ホウ素調整前EVOHペレット中に含有されるホウ素化合物の量と同様の方法で測定することができる。
上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)が多くなりすぎると、フィッシュアイ等が発生しやすくなり、フィルム外観が低下することとなり、また、成膜性も低下することとなる。
本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットには、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下)で、一般的にEVOH組成物に用いられるEVOH以外の樹脂を混合して得られる樹脂組成物も含むことができる。
上記の多層構造体を製造するにあたっては、本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを用いて成形された層の片面または両面に、他の基材(熱可塑性樹脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、例えば、本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット等を用いて成形されたフィルム、シート等に他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット等を溶融押出ラミネートする方法、本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット等と他の基材とを共押出する方法、本発明のホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット等を用いてなるフィルム、シート等(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等があげられる。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
なお、特に断りのない限り例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
(1)ペレット中のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)
EVOHペレット0.1gを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られる溶液を純水にて定容(0.75mg/mL)したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)(アジレント・テクノロジー社製、720−ES型)で測定した。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。なお、かかる測定評価方法は、表層部ホウ素調整前EVOHペレットおよび、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットに適用する。
ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレット4gを、メタノール(30℃)20mLに6時間静置浸漬し、得られたメタノール溶液を測定用試料として用いた。この測定用試料について、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)(パーキンエルマー社製、ELAN DRCII)を用いてホウ素含有量を測定し、上記EVOHペレット重量(4g)で除してペレット表層部のホウ素含有量を求めた。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。
EVOHペレットを凍結粉砕したもの1gに対して、メタノール/水=1/1(容比)の抽出溶媒8mLを添加した。この溶液を温度20℃、静置状態で超音波処理を1時間行うことにより、EVOHペレット中のソルビン酸を抽出し、冷却後に抽出溶媒で10mLに定容した。この溶液をろ過後、液体クロマトグラフ−紫外分光検出器で抽出溶液中のソルビン酸を定量した。
[HPLC測定条件]
LCシステム :Agilent1260/1290[Agilent Technologies社製]
検出器 :Agilent1260 infinity ダイオードアレイ検出器[Agilent Technologies社製]
カラム :Cadenza CD−C18(100×3.0mm、3μm)[Imtakt社製]
カラム温度 :40℃
移動相A :0.05%ギ酸含有 5%アセトニトリルの水溶液
移動相B :0.05%ギ酸含有 95%アセトニトリルの水溶液
タイムプログラム:0.0→5.0min B%=30%
5.0→8.0min B%=30%→50%
8.0→10.0min B%=50%
10.0→13.0min B%=50%→30%
13.0→15.0min B%=30%
流量 :0.2mL/min
UV検出波長 :190〜400nm
定量波長 :262nm
得られた溶液中のソルビン酸量をEVOHペレット中のソルビン酸量に換算した。
また、上記HPLC測定条件における「%」は、体積%を意味する。
乾燥前のEVOHペレットの重量と、温度150℃、5時間乾燥後のEVOHペレットの重量から揮発分を求め、これをペレットの含水率とした。具体的には含水率は、下記式で表わされる。なお、かかる測定評価方法は、EVOHペレット、表層部ホウ素調整前EVOHペレットおよび、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットに適用する。
含水率(%)=(乾燥前のEVOHペレット重量−乾燥後のEVOHペレット重量)/乾燥前のEVOHペレット重量×100
ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを用いて下記条件で、厚み30μmの単層フィルムを成膜した。
(成膜条件)
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュー:フルフライトタイプ圧縮比=2.5
スクリーンパック:60/90/60メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=190/200/210/210/210/210℃
スクリュー回転数:20rpm
ロール温度:80℃
厚み30μmの単層フィルムについて、デジタル欠陥検査装置(マミヤオーピー社製、GX−70LT)を用いて、フィッシュアイを計測した。
フィッシュアイの計測は、単層フィルムの下面から光を当て、光透過しなかった部分(直径0.1〜0.2mm)をフィッシュアイ1個として、100cm2(サイズ:10cm×10cm)のあたりのフィッシュアイ個数をカウントすることにより行った。なお、計測時の読み取り速度は3m/分である。
〈実施例1〉
エチレンと酢酸ビニルを重合後、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂のメタノールペーストに共役ポリエンとしてソルビン酸のメタノール溶液を、EVOH中のソルビン酸量が下記表1の含有量になるように添加した。このソルビン酸を含む樹脂ペーストをケン化することで共役ポリエンを含有するEVOH〔エチレン含有量:44モル%、ケン化度:99.6モル%、MFR:3.8g/10分(210℃、荷重2160g)〕を得た。この共役ポリエンを含有するEVOHを水/メタノール混合溶媒〔水/メタノール=20/80(重量比)〕に溶解した溶液(60℃、EVOH濃度40%)を、5℃に維持した水を収容した水槽内にストランド状に押出して凝固させた後、カッターで切断して、円柱状(直径4mm、長さ4mm)のペレットを得た。次いで、この共役ポリエン含有EVOHペレットを、30℃の温水に投入し、約4時間撹拌して、含水率50%の多孔質の共役ポリエンを含有するEVOHペレットを得た。
この共役ポリエンを含有する表層部ホウ素調整前EVOHペレットを、回分式塔型流動層乾燥器にて、75℃の窒素ガスを3時間通過させることにより、含水率20%まで乾燥させた。
次いで、回分式箱型通気式乾燥器を用いて、125℃の窒素ガスを18時間通過させて、含水率0.3%にまで乾燥させた。
上記のようにして得られた乾燥後の共役ポリエンを含有する表層部ホウ素調整前EVOHペレットを、以下の洗浄処理に供した。
実施例1において、ホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量および、共役ポリエン含有量を後記の表1のように調整し、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを得た。また、得られたホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量を測定した(含水率はいずれも0.18%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
洗浄処理液を水に変更し、ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を後記の表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを得た。得られたホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を測定した(含水率0.13%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
洗浄処理液による洗浄を行わず、ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を後記の表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、ホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットを得た。得られたホウ素化合物および共役ポリエン含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を測定した(含水率0.09%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を下記の表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、EVOHペレットを得た。得られたホウ素および共役ポリエンEVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量、ソルビン酸(共役ポリエン)含有量を測定した(含水率0.10%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を下記の表1に示す。
Claims (5)
- ホウ素化合物および共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットであって、
当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量がホウ素換算で、当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ共役ポリエンの含有量が当該ペレットの全体の0.06重量%以下であることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。 - 上記ホウ素化合物および共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体のホウ素化合物全含有量が、ホウ素換算で上記ペレット重量あたり10〜1000ppmであることを特徴とする請求項1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- 上記ホウ素化合物および共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)に対する上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)の重量比(表層部ホウ素化合物含有量/ホウ素化合物全含有量)が、1.38×10-2以下であることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- 上記ホウ素化合物および共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの含水率が0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- 共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットを作製する工程、上記工程により得られたペレットをホウ素化合物と接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、および上記工程により得られたペレットを洗浄して、ペレット表層部のホウ素化合物含有量を、ホウ素換算でエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット重量あたり1.7ppm以下にする工程を備えたエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法であって、
上記共役ポリエンを含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットを作製する工程が、共役ポリエン含有量を当該ペレット全体の0.06重量%以下となるように含有させることであり、
上記洗浄する工程の洗浄が、乾燥後のペレットと、水のアルコールに対する重量比(水/アルコール)が80/20〜0/100の水/アルコール混合溶液またはアルコールとを接触させることであることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016255854 | 2016-12-28 | ||
JP2016255854 | 2016-12-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018109170A JP2018109170A (ja) | 2018-07-12 |
JP6915529B2 true JP6915529B2 (ja) | 2021-08-04 |
Family
ID=62844116
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017252331A Active JP6915529B2 (ja) | 2016-12-28 | 2017-12-27 | エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6915529B2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5882197B2 (ja) * | 2010-03-31 | 2016-03-09 | 株式会社クラレ | 多層構造体、積層体及びその製造方法 |
US10370468B2 (en) * | 2015-10-28 | 2019-08-06 | Mitsubishi Chemical Corporation | Saponified ethylene-vinyl ester-based copolymer pellet and producing method therefor |
-
2017
- 2017-12-27 JP JP2017252331A patent/JP6915529B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018109170A (ja) | 2018-07-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6702179B2 (ja) | エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよびその製造方法 | |
US11015029B2 (en) | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition pellets, and production method for ethylene-vinyl alcohol copolymer composition pellets | |
TWI708798B (zh) | 乙烯-乙烯酯系共聚物皂化物丸粒及其製造方法 | |
US11015038B2 (en) | Ethylene-vinyl alcohol copolymer pellets, and production method for ethylene-vinyl alcohol copolymer pellets containing conjugated polyene and alkali earth metal | |
US11267941B2 (en) | Ethylene-vinyl alcohol copolymer composition pellets, and production method for ethylene-vinyl alcohol copolymer composition pellets | |
JP7047378B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよびホウ素化合物を含有するエチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP2018109110A (ja) | エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットおよび、共役ポリエンおよび桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法 | |
JP6915529B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP6915530B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP7031302B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP6915528B2 (ja) | エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP7388184B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物、多層構造体および包装体 | |
TWI808979B (zh) | 乙烯-乙烯醇系共聚物組成物、丸粒及多層結構體 | |
JP6866640B2 (ja) | 樹脂組成物およびそれを用いた溶融成形品、ならびに多層構造体 | |
JP7031303B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよび滑剤を含有するエチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP7047379B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、共役ポリエンおよびアルカリ金属を含有するエチレン-ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 | |
JP7388182B2 (ja) | エチレン-ビニルアルコール系共重合体樹脂組成物、多層構造体および包装体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20171227 |
|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20190510 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200805 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210531 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210615 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210628 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 6915529 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |