JP6915528B2 - エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットおよび、エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献2の、ホウ素化合物処理は、EVOH溶液または分散液にホウ素化合物を添加することにより行われ、ホウ素成分を含有したEVOHペレットを押出成形原料として用いている。
特許文献3では、EVOHにホウ素化合物を含有させる処理を行って得られるホウ素含有EVOHペレットについて、ペレットの含水率が0.1mm未満のフィッシュアイの発生と関係があることを見出し、含水率0.0001〜2重量%に乾燥させた後、水と接触させることにより、0.1mm未満のフィッシュアイの発生を抑制できることが開示されている。
なお、桂皮酸類を過剰添加すると、極端に架橋反応が促進され、EVOHが増粘しすぎるため、フィッシュアイが増加することとなる。
なお、本発明のホウ素および桂皮酸類を含有するEVOHペレットを用いて得られる膜(層、フィルムを含む)は、単層膜であっても成形性に優れ、外観に優れているので、耐水性、強度等の観点から、他の樹脂層を積層した多層構造体においても、当然に適用できるものである。
そして、「ペレット表層部のホウ素化合物含有量」は、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット中に含有されているホウ素含有量(「ペレットのホウ素全含有量」)とは区別されるものである。
本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを構成するEVOHは、通常、エチレンとビニルエステル系モノマーとの共重合体(エチレン−ビニルエステル系共重合体)をケン化させることにより得られる樹脂であり、一般的にエチレン−ビニルアルコール系共重合体やエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物と称される非水溶性の熱可塑性樹脂である。重合法も公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合を用いて行うことができるが、一般的にはメタノール等の低級アルコール、特に好ましくはメタノールを溶媒とする溶液重合が用いられる。得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化も公知の方法で行い得る。
このようにして製造されるEVOHは、エチレン由来の構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、必要に応じてケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位を通常含む。
R1〜R3は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4の飽和炭化水素基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。R4〜R6は、通常炭素数1〜30、特には炭素数1〜15、さらには炭素数1〜4のアルキル基または水素原子が好ましく、水素原子が最も好ましい。特に、R1〜R6がすべて水素であるものが最も好ましい。
また、mは自然数であり、通常1〜30、好ましくは1〜15、さらに好ましくは1〜10である。その中でも製造時あるいは使用時の安定性の点で−CH2OCH2−、および炭素数1〜10の炭化水素鎖が好ましく、さらには炭素数1〜6の炭化水素鎖、特には炭素数1であることが好ましい。
本発明で用いるホウ素化合物としては、ホウ酸またはその金属塩、例えば、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)等のアルカリ金属塩;ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)等のアルカリ土類金属塩;ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ビスマス、等の他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物等があげられ、好適にはホウ砂、ホウ酸があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。
本発明で用いる桂皮酸類としては、桂皮酸に限らず、例えば、桂皮酸エステル、アルコキシ基を有する桂皮酸、桂皮酸アミド、桂皮酸塩等の桂皮酸誘導体があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いることができる。これらのなかでも、桂皮酸が好ましい。また、複数種の桂皮酸類を用いた時の桂皮酸類の含有量は、全桂皮酸類を合計した含有量である。
EVOHからペレットを製造する方法としては、従来公知の方法を採用でき、
a)溶融状態のEVOHを吐出口から押し出し、溶融状態でカットした後、冷却固化してペレットを作製するホットカット方式、
b)溶融状態のEVOHを凝固浴中に押し出し、冷却固化により得られたEVOHストランドをカットするストランドカット方式、等があげられる。
EVOH溶液・含水組成物をホットカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、押出機内でのEVOH溶液・含水組成物の温度は、70〜170℃が好ましく、より好ましくは80〜170℃、さらに好ましくは90〜170℃である。EVOH溶液・含水組成物の温度が低すぎる場合は、EVOHが完全に溶融しない傾向があり、高すぎる場合は、EVOHが熱劣化を受けやすくなる傾向がある。
また、乾燥EVOHをペレット原料として使用する場合、押出機内でのEVOHの温度は150〜300℃が好ましく、より好ましくは160〜280℃、さらに好ましくは170〜250℃である。
なお、上記EVOH溶液・含水組成物および乾燥EVOHの温度とは、押出機シリンダーに設置した温度センサーにより押出機先端部吐出口付近で検出した温度をいう。
また、乾燥EVOHを原料とする場合、EVOH溶液・含水組成物を原料として用いる場合よりも凝固しやすいことから、水中カット方式における冷却水の温度は、EVOH溶液・含水組成物を原料とする場合よりも高く、通常0〜90℃であり、好ましくは20〜70℃である。
EVOH溶液・含水組成物をストランドカット方式で製造するペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴に押し出すEVOH溶液・含水組成物の温度は、通常、10〜100℃である。また、凝固浴の温度は、押し出されたEVOHが冷却固化できる温度で、通常、−10〜40℃であり、滞留時間は、通常、10〜400秒間程度である。
また、乾燥EVOHをペレット原料として押出機に投入する場合、凝固浴にEVOHが押し出される温度は、通常、150〜300℃であり、凝固浴の温度は、通常、0〜90℃で、滞留時間は2〜400秒間程度である。
本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットは、EVOHペレットとホウ素化合物とを接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、ホウ素化合物を含有するEVOHペレットを洗浄して、ペレット表層部のホウ素化合物含有量を、ホウ素換算でEVOHペレット重量あたり1.7ppm以下にする工程、および桂皮酸類を含有させる工程を経ることにより得ることができる。これらの工程は、どちらの工程を先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。上記工程を同時に行う際は、例えば、ホウ素化合物と桂皮酸類が溶解した溶液を用いる等により行うことができる。
上記ホウ素化合物を含有させる工程は、前記EVOHペレットとホウ素化合物とを接触させることにより行う。
i)EVOHのペレット製造段階でEVOHとホウ素化合物とを接触させる方法、
ii)予め作製したEVOHペレットとホウ素化合物とを接触させる方法、
等により行うことができる。
ペレット原料としてEVOH溶液・含水組成物を用いる場合には、当該EVOH溶液・含水組成物にホウ素化合物を添加すればよい。また、乾燥EVOHペレットを溶融し、かかる溶融状態のEVOHを原料として用いる場合、乾燥EVOHに予めホウ素化合物を含有させればよい。
好ましくは、ホウ素化合物を添加したEVOH含水組成物を、凝固浴中にストランド状に押し出し、得られたストランドを切断する方法である。
つぎにEVOHペレットを洗浄する工程について説明する。上記表層部ホウ素調整前EVOHペレットは、当該ペレットに含まれるホウ素化合物の全含有量、およびペレット表層部のホウ素化合物の含有量にもよるが、洗浄処理によって、ペレット表層部におけるホウ素化合物の含有量を調整することができる。
桂皮酸類を含有するEVOHペレットは、前記EVOHペレットに桂皮酸類を含有させることにより製造することができる。
iii)EVOHペレット製造段階で桂皮酸類と接触させる方法、
iv)予め作製したEVOHペレットと桂皮酸類とを接触させる方法、
等により行うことができる。
ペレット原料としてEVOH溶液・含水組成物を用いる場合には、例えば、EVOH溶液・含水組成物に桂皮酸類を添加すればよい。また、乾燥EVOHペレットを原料として用いる場合には、乾燥EVOHに予め桂皮酸類を含有させればよい。
好ましくは、桂皮酸類を添加したEVOH溶液・含水組成物を、凝固液中にストランド状に押出し、得られたストランドを切断する方法である。
ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットにおける、ホウ素化合物の全含有量は、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり、10〜1000ppmであることが好ましく、より好ましくは20〜500ppm、さらに好ましくは30〜300ppmである。なお、上記ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットにおけるホウ素化合物の全含有量は、前記表層部ホウ素調整前EVOHペレット中に含有されるホウ素化合物の量と同様の方法で測定することができる。
上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)が多くなりすぎると、フィッシュアイ等が発生しやすくなり、フィルム外観が低下することとなり、また、成膜性も低下することとなる。
本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットには、本発明の効果を阻害しない範囲(例えば20重量%以下、好ましくは10重量%以下)で、一般的にEVOH組成物に用いられるEVOH以外の樹脂を混合して得られる樹脂組成物も含むことができる。
上記の多層構造体を製造するにあたっては、本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを用いて成形された層の片面または両面に、他の基材(熱可塑性樹脂等)を積層するのであるが、積層方法としては、例えば、本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット等を用いて成形されたフィルム、シート等に他の基材を溶融押出ラミネートする方法、逆に他の基材に本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット等を溶融押出ラミネートする方法、本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット等と他の基材とを共押出する方法、本発明のホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット等を用いてなるフィルム、シート等(層)と他の基材(層)とを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物、ポリウレタン化合物等の公知の接着剤を用いてドライラミネートする方法等があげられる。上記の溶融押出時の溶融成形温度は、150〜300℃の範囲から選ぶことが多い。
なお、特に断りのない限り、例中「部」、「%」とあるのは、重量基準を意味する。
(1)ペレット中のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)
EVOHペレット0.1gを濃硝酸とともにマイクロウェーブ分解法にて処理して得られる溶液を純水にて定容(0.75mg/mL)したものを検液とし、誘導結合プラズマ発光分析計(ICP−AES)(アジレント・テクノロジー社製720−ES型)で測定した。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。なお、かかる測定評価方法は、ホウ素調整前EVOHペレットおよび、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットに適用する。
ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット4gを、メタノール(30℃)20mLに6時間静置浸漬し、得られたメタノール溶液を測定用試料として用いた。この測定用試料について、誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)(パーキンエルマー社製、ELAN DRCII)を用いてホウ素含有量を測定し、上記EVOHペレット重量(4g)で除してペレット表層部のホウ素含有量を求めた。当該測定されるホウ素含有量は、ホウ素化合物に由来するホウ素量に該当する。
ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット中の桂皮酸類の含有量について、桂皮酸類がホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット表面に直接添加されたものである場合は添加量を含有量とみなした。また、桂皮酸類がホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットの内部に存在する場合は、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS/MS)を用いて、下記手順に基づいて評価した。なお、下記手順は桂皮酸類として桂皮酸を用いた場合を例にして記載するが、桂皮酸以外の桂皮酸塩等についても同様の手順にて行なわれる。
[標準溶液の調製]
桂皮酸(10.89mg)を10mLメスフラスコに秤量し、メタノールに溶解して10mL溶液とした(標準原液:1089μg/mL)。ついで、調製した標準原液をメタノールで希釈して、複数濃度(0.109μg/mL、0.218μg/mL、0.545μg/mL、1.09μg/mL、2.18μg/mL)の各混合標準溶液を調製した。これら混合標準溶液を用いてLC/MS/MS分析を実施し、検量線を作成した。
[試料溶液の調製]
凍結粉砕したホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレット(1g)を10mLメスフラスコに秤量後、メタノール9mLを加え、超音波処理を120分間実施し、その後、室温(25℃)で放冷した。つぎに、この10mLメスフラスコにメタノールを加えて10mLに定容し、試料溶液(I)とした。上記試料溶液(I)1mLを10mLメスフラスコに採取後、メタノールを加えて10mLに定容し、試料溶液(II)とした。
試料溶液(I)または試料溶液(II)をPTFEフィルタ(0.45μm)で濾過した液体を測定溶液としてLC/MS/MS分析に供した。
LC/MS/MS分析で検出されたピーク面積値と、標準溶液の検量線から桂皮酸の検出濃度を算出し、この検出濃度からEVOHペレット中の桂皮酸含有量を算出した。
[LC/MS/MS測定条件]
LCシステム: LC−20A[島津製作所社製]
質量分析計: API4000[AB/MDS Sciex]
分析カラム: Scherzo SM−C18 (3.0×75mm、3μm)
カラム温度: 45℃
移動相: A 10mmol/L 酢酸アンモニウム 水溶液
B メタノール
タイムプログラム: 0.0→5.0min B%=30%→95%
5.0→10.0min B%=95%
10.1→15.0min B%=30%
流量: 0.4mL/min
切り替えバルブ: 2.0 to 6.0min: to MS
注入量: 5μL
イオン化: ESI法
検出: 負イオン検出(SRM法)
モニターイオン: Q1=147.0 → Q3=102.9(CE: −15eV)
なお、上記タイムプログラムにおける「%」は、体積%を意味する。
乾燥前のEVOHペレットの重量と、温度150℃、5時間乾燥後のEVOHペレットの重量から揮発分を求め、これをEVOHペレットの含水率とした。具体的には含水率は、下記式で表わされる。なお、かかる測定評価方法は、EVOHペレット、表層部ホウ素調整前EVOHペレットおよび、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットに適用する。
含水率(%)=(乾燥前のEVOHペレット重量−乾燥後のEVOHペレット重量)/乾燥前のEVOHペレット重量×100
ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを用いて下記条件で、厚み30μmの単層フィルムを成膜した。
(成膜条件)
押出機:直径(D)40mm、L/D=28
スクリュー:フルフライトタイプ圧縮比=2.5
スクリーンパック:60/90/60メッシュ
ダイ:幅450mm、コートハンガータイプ
設定温度:C1/C2/C3/C4/A/D=190/200/210/210/210/210℃
スクリュー回転数:20rpm
ロール温度:80℃
厚み30μmの単層フィルムについて、デジタル欠陥検査装置(マミヤオーピー社製、GX−70LT)を用いて、フィッシュアイを計測した。
フィッシュアイの計測は、単層フィルムの下面から光を当て、光透過しなかった部分(直径0.1〜0.2mm)をフィッシュアイ1個として、100cm2(サイズ:10cm×10cm)あたりのフィッシュアイ個数をカウントすることにより行った。なお、計測時の読み取り速度は3m/分である。
〈実施例1〉
EVOH〔エチレン含有量:44モル%、ケン化度:99.6モル%、MFR:3.8g/10分(210℃、荷重2160g)〕を水/メタノール混合溶媒〔水/メタノール=20/80(重量比)〕に溶解した溶液(60℃、EVOH濃度40%)を、5℃に維持した水を収容した水槽内にストランド状に押出して凝固させた後、カッターで切断して、円柱状(直径4mm、長さ4mm)のペレットを得た。次いで、このEVOHペレットを、30℃の温水に投入し、約4時間撹拌して、含水率50%の多孔質のEVOHペレットを得た。
この表層部ホウ素調整前EVOHペレットを、回分式塔型流動層乾燥器にて、75℃の窒素ガスを3時間通過させることにより、含水率20%まで乾燥した。
次いで、回分式箱型通気式乾燥器を用いて、125℃の窒素ガスを18時間通過させて、含水率0.3%にまで乾燥させた。
上記のようにして得られた表層部ホウ素調整前EVOHペレットを、以下の洗浄処理に供した。
このホウ素化合物含有EVOHペレットに対して、0.03%になるように桂皮酸をドライブレンドし、ホウ素含有量ならびに桂皮酸含有量を調製した、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを得た。
実施例1において、ホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量および、桂皮酸含有量を後記の表1のように調整し、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを得た。また、得られたホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量を測定した(含水率はともに0.15%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
洗浄処理液を水に変更し、桂皮酸含有量を後記の表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを得た。得られたホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量を測定した(含水率0.13%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
洗浄処理液による洗浄を行わず、桂皮酸を用いなかった以外は、実施例1と同様にして、ホウ素化合物含有EVOHペレットを得た。また、得られたホウ素化合物含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量を測定した(含水率0.09%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を後記の表1に示す。
桂皮酸含有量を下記の表1の含有量に調整した以外は、実施例1の場合と同様にして、ホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットを得た。得られたホウ素化合物および桂皮酸類含有EVOHペレットのホウ素化合物全含有量、表層部のホウ素化合物含有量を測定した(含水率はともに0.10%)。
ついで、このペレットを用いて、実施例1と同様にして単層フィルムを作製し、フィッシュアイの発生について評価した。結果を下記の表1に示す。
Claims (5)
- ホウ素化合物および桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットであって、
当該ペレット表層部のホウ素化合物含有量が、ホウ素換算で当該ペレット重量あたり1.7ppm以下であり、かつ桂皮酸類の含有量が当該ペレット全体の0.0001〜0.05重量%であることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。 - 上記ホウ素化合物および桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体のホウ素化合物全含有量が、ホウ素換算で上記ペレット重量あたり10〜1000ppmであることを特徴とする請求項1記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- 上記ホウ素化合物および桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット全体のホウ素化合物全含有量(ホウ素換算)に対する上記ペレット表層部のホウ素化合物含有量(ホウ素換算)の重量比(表層部ホウ素化合物含有量/ホウ素化合物全含有量)が、1.38×10-2以下であることを特徴とする請求項1または2記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- 上記ホウ素化合物および桂皮酸類を含有するエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの含水率が0.01〜1重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット。
- エチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットをホウ素化合物の溶液と接触させることによりホウ素化合物を含有させる工程、上記工程により得られたペレットを洗浄して、ペレット表層部のホウ素化合物含有量を、ホウ素換算でエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレット重量あたり1.7ppm以下にする工程、および桂皮酸類を含有させる工程を備えたエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法であって、
上記洗浄する工程の洗浄が、乾燥後のペレットと、水のアルコールに対する重量比(水/アルコール)が80/20〜0/100の水/アルコール混合溶液またはアルコールとを接触させることであり、
上記桂皮酸類を含有させる工程が、桂皮酸類を当該ペレット全体の0.0001〜0.05重量%となるように含有させることであることを特徴とするエチレン−ビニルアルコール系共重合体ペレットの製造方法。
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