JP6907578B2 - エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法 - Google Patents
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Description
そして、水溶性化合物がEVOH含水ペレット内で局在化していることに起因すると推測するに至った。
本発明者らは上記事情に鑑み鋭意検討の結果、水溶性化合物を含有する上記EVOH含水ペレットをエージングする工程を含む製造方法を採用することにより、予想外にも得られるEVOHペレットの着色を抑制することが可能となることを見出し、上記課題を解決したものである。
本発明で用いるエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物すなわちEVOHについて説明する。
本発明で用いるEVOHは、通常、エチレンとビニルエステル系モノマーを共重合させた後にケン化させることにより得られる樹脂であり、非水溶性の熱可塑性樹脂である。重合法も公知の任意の重合法、例えば、溶液重合、懸濁重合、エマルジョン重合を用いることができるが、一般的にはメタノールを溶媒とする溶液重合が用いられる。得られたエチレン−ビニルエステル系共重合体のケン化も公知の方法で行ない得る。
すなわち、本発明で用いるEVOHは、エチレン構造単位とビニルアルコール構造単位を主とし、場合によってはケン化されずに残存した若干量のビニルエステル構造単位を含むものである。
上記コモノマーは、例えば、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等のオレフィン類や、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オール、4−ペンテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オール、3,4−ジヒドロキシ−1−ブテン、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−メチレンプロパン−1,3−ジオール等のヒドロキシ基含有オレフィン類や、そのエステル化物である、3,4−ジアセトキシ−1−ブテン、2,3−ジアセトキシ−1−アリルオキシプロパン、2−アセトキシ−1−アリルオキシ−3−ヒドロキシプロパン、3−アセトキシ−1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパン;1,3−ジアセトキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジプロピオニルオキシ−2−メチレンプロパン、1,3−ジブチロニルオキシ−2−メチレンプロパン等のヒドロキシメチルビニリデンジアセテート類、グリセリンモノアリルエーテル、グリセリンモノビニルエーテル、グリセリンモノイソプロペニルエーテル等のグリセリンモノ不飽和アルキルエーテル類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類、アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のアクリルアミド類、メタアクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩等のメタクリルアミド類、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニルアミド類、アクリルニトリル、メタクリルニトリル等のシアン化ビニル類、炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキシアルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル化合物類、トリメトキシビニルシラン等のビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル等のハロゲン化アリル化合物類、アリルアルコール、ジメトキシアリルアルコール等のアリルアルコール類、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のコモノマーがあげられる。
EVOHは通常、エチレンとビニルエステル系モノマーを共重合したエチレン−ビニルエステル系共重合体をアルコール溶媒中、触媒の存在下、高温高圧条件下でケン化して製造される。
上記ケン化工程で得られた高温高圧状態のEVOHのアルコール溶液は、水と接触処理することで、常圧で安定なEVOHの水/アルコール混合溶液(ペースト)とされる。
上記EVOHの水/アルコール混合溶液(ペースト)は、公知の手法により造粒され、ペレットとなる。かかるペレットは後に水洗される。かかる造粒方法としては、例えばストランドカッティング方式、空中ホットカット方式や水中ホットカット方式(例えば、アンダーウォーターカット方式)等のホットカット方式から適宜選択すればよい。
まず、アルミカップ単体(重量:C1)の重量を測定し、そのアルミカップにペレットを2g取り、ペレット(重量:P1)を入れたアルミカップの重量(C1+P1)を測定する。そして、ペレットを入れたアルミカップを電子式水分計(島津製作所社製『MOC−120H』)にて200℃で重量変化が0.01%以下になるまで加熱処理を行なう。加熱処理後は電子式水分計よりペレットを入れたアルミカップを取り出し、乾燥剤の入ったデシケーター内にて30分間静置してペレットの温度を室温(23℃)まで戻し、加熱処理後のペレット(重量:P2)を入れたアルミカップの重量(C1+P2)を測定し、下記数式(1)により、含水率(重量%)を算出する。
含水率(重量%)=〔{(C1+P1)−(C1+P2)}/{(C1+P1)−C1}〕×100
={(P1−P2)/P1}×100 ・・・(1)
本発明では、水洗浄後、もしくは、水洗浄と合わせて、かかるEVOH含水ペレットを必要に応じて、水溶性化合物を含む水溶液に接触処理して該水溶性化合物を含有させる水溶液接触処理工程を含むことが好ましい。かかる水溶液接触処理工程に供するEVOH含水ペレットの含水率は、通常40〜70重量%であり、好ましくは45〜65重量%であり、さらに好ましくは50〜65重量%であり、さらに好ましくは、55〜65重量%である。
前記ホウ酸類としては、例えばホウ酸、ホウ酸エステル、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム等のアルカリ金属塩、ホウ酸カルシウム、ホウ酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩等)などのホウ素化合物が挙げられる。好ましくはホウ酸である。
カルボン酸として好ましくは炭素数1〜8の脂肪族カルボン酸であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の1価脂肪族カルボン酸であり、さらに好ましくは酢酸である。
カルボン酸塩として好ましくは炭素数1〜8の脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩であり、さらに好ましくは炭素数1〜3の1価脂肪族カルボン酸アルカリ金属塩であり、さらに好ましくは酢酸ナトリウムである。
上記EVOH含水ペレットの含水率を調節するため、必要に応じて水分調整工程を設けることも可能である。調整方法としては任意の方法を用いることができ、通常、水に接触させる含水方法や、流動乾燥、静置乾燥などの乾燥方法が挙げられる。
本発明においては、流動乾燥を行うことが好ましく、さらには該流動乾燥の前または後に静置乾燥を行う乾燥方法、即ち、流動乾燥処理後に静置乾燥処理を行う方法又は静置乾燥処理後に流動乾燥処理を行う方法が好ましい。
該流動乾燥処理時に用いられる加熱ガスとしては空気または不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度としては、95℃以下が好ましく、さらには40〜90℃が好ましい。該温度が高すぎる場合、EVOH含水ペレットが融着を起こす傾向がある。
さらに、乾燥器内の加熱ガスの速度は、0.7〜10m/secとすることが好ましく、さらには0.7〜5m/secで、特に1〜3m/secが好ましく、かかる速度が小さすぎる場合、EVOH含水ペレットの融着が起こりやすく、逆に大きすぎる場合、EVOH含水ペレットの欠け等の発生が起こりやすくなる傾向がある。
また、流動乾燥の時間としては、EVOH含水ペレットの処理量にもよるが、通常は5分〜36時間であり、さらには10分〜24時間が好ましい。
さらに乾燥器内のガスの速度は1m/sec未満とすることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5m/secが好ましく、かかる速度が速すぎる場合、EVOH含水ペレットを静置状態に保つことが困難となる傾向がある。
また、静置乾燥処理の時間はEVOHペレットの処理量により一概に言えないが、通常は10分〜72時間であり、さらには1〜48時間が好ましい。
本発明では、上記水溶性化合物を含むEVOH含水ペレットを、3時間以上エージングするエージング工程を含むことが特徴である。本発明における“エージング”とは、含水状態のEVOHを所定の期間保管することである。かかるエージング工程を含むことにより、得られるEVOHペレットの着色が抑制されるという効果を有する。これは、含水状態でエージングすることでEVOH含水ペレット内の前記水溶性化合物の均一性が向上するためと推測される。
なお、かかるエージング期間とは、上記水溶液接触処理工程または所望により採用した水分調整工程の終了後から、後述する前記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットの含水率を0.3重量%以下にする工程に供するまでの期間を意味する。
上記エージング工程により得られたEVOH含水ペレットを、含水率を0.3重量%以下に乾燥する。かかる乾燥方法として、任意の乾燥方法を採用することが可能で、通常、流動乾燥、静置乾燥などの乾燥方法があり、複数の乾燥方法を組み合わせて行ってもよい。本発明では、静置乾燥を行うことが好ましい。
該静置乾燥処理に用いられる加熱ガスとしては不活性ガス(窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス等)が用いられ、該加熱ガスの温度は70℃以上が好ましく、さらに好ましくは70〜150℃であり、さらに好ましくは、110℃〜150℃である。該温度が低すぎる場合、乾燥時間を極端に長くする必要があり、経済的に不利となる傾向がある。
さらに乾燥器内のガスの速度は1m/sec未満とすることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5m/secが好ましく、かかる速度が大きすぎる場合、EVOHペレットを静置状態に保つことが困難となる傾向がある。
また、静置乾燥処理の時間はEVOHペレットの処理量により一概に言えないが、通常は10分〜72時間であり、さらには1〜48時間が好ましい。
また、カルボン酸塩を含有する場合、その含有量は、EVOHペレット100重量部に対して金属換算(灰化後、ICP発光分析法にて分析)で通常0.0005〜0.5重量部、好ましくは0.001〜0.3重量部、特に好ましくは0.001〜0.1重量部である。かかる含有量が少なすぎるとその含有効果が十分に得られないことがあり、逆に多すぎると均一なフィルムを得るのが困難となる傾向がある。
得られたEVOHペレットのYI値測定方法を以下に記載する。ここでいうペレットYI値とは、ペレットの黄色度のことであり、本発明においては、日本電色工業製「分光色差計 SE 6000」を用いて、測定した値をペレットYI値とする。
得られたEVOHペレットを約15gとり、YI測定用透明容器に充填、タッピング後、EVOHペレットのYI値(黄色度)を測定する。
成形用原料全体におけるEVOHの含有率は、通常70〜100重量%であり、好ましくは75〜99重量%であり、特に好ましくは80〜90重量%である。
成形用原料には、EVOH以外に、他の熱可塑性樹脂を、EVOHに対して、通常30重量%以下にて含有してもよい。
尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
<水溶液接触処理工程>
EVOH含水ペレットとして、含水率58重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)ペレット(エチレン含有量38モル%、ケン化度99.7モル%、MFR(210℃、4g/10分))の円柱形ペレットを用いた。かかるEVOH含水ペレットに対してホウ酸、酢酸、酢酸ナトリウムを含有する水溶液を接触させることで水溶液接触処理を行った。かかる水溶液とEVOH含水ペレットを固液分離し、水溶性化合物含有EVOH含水ペレットを得た。
得られたEVOH含水ペレットを、流動乾燥器にて70℃の空気を用いて、乾燥器内のガスの通過速度2.0m/secで、30分乾燥し、静置乾燥器にて95℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥し含水率8重量%のEVOH含水ペレットを得た。
得られた含水率8重量%のEVOH含水ペレット5kgを容積10Lのポリエチレン製袋に入れ、密封した。かかる密封袋を恒温(30℃)、恒湿(80%RH)にて6か月静置した。
得られたEVOH含水ペレットを静置乾燥器にて128℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥することで、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得た。かかるEVOHペレットには、EVOHペレット100部に対して、ホウ酸を0.14部(ホウ素換算)、酢酸を0.24部、酢酸ナトリウムを0.085部(金属換算)含有していた。得られた円柱形ペレットの寸法は、底面の直径2.7mm、長さ2.5mmであった。
日本電色工業製「分光色差計 SE 6000」を用いて、下記の方法で、得られたEVOHペレットの黄色度(YI)を測定した。
得られたEVOHペレットを15gとり、YI測定用透明容器に充填、タッピング後、EVOHペレットのYI値(黄色度)を測定した。結果を表1に示す。
<水溶液接触処理工程>
EVOH含水ペレットとして、含水率58重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)ペレット(エチレン含有量38モル%、ケン化度99.7モル%、MFR(210℃、4g/10分))の円柱形ペレットを用いた。かかるEVOH含水ペレットに対してホウ酸、リン酸、リン酸カルシウム、酢酸、酢酸ナトリウムを含有する水溶液を接触させることで水溶液接触処理を行った。かかる水溶液とEVOH含水ペレットを固液分離し、水溶性化合物含有EVOH含水ペレットを得た。
得られたEVOH含水ペレットを、流動乾燥器にて70℃の空気を用いて、乾燥器内のガスの通過速度2.0m/secで、30分乾燥し、含水率29重量%のEVOH含水ペレットを得た。
得られた含水率29重量%のEVOH含水ペレット5kgを容積10Lのポリエチレン製袋に入れ、密封した。かかる密封袋を恒温(30℃)、恒湿(80%RH)にて4か月静置した。
得られたEVOH含水ペレットを静置乾燥器にて120℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥することで、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得た。かかるEVOHペレットには、EVOHペレット100部に対して、ホウ酸を0.13部(ホウ素換算)、リン酸およびリン酸カルシウムを0.012部(リン酸換算)、酢酸を0.24部、酢酸ナトリウムを0.089部(金属換算)含有していた。得られた円柱形ペレットの寸法は、底面の直径2.7mm、長さ2.5mmであった。得られたEVOHペレットのYI値(黄色度)を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
<水溶液接触処理工程>
EVOH含水ペレットとして、含水率58重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)ペレット(エチレン含有量38モル%、ケン化度99.7モル%、MFR(210℃、4g/10分))の円柱形ペレットを用いた。かかるEVOH含水ペレットに対してホウ酸、リン酸、リン酸カルシウム、酢酸、酢酸ナトリウムを含有する水溶液を接触させることで水溶液接触処理を行った。かかる水溶液とEVOH含水ペレットを固液分離し、水溶性化合物含有EVOH含水ペレットを得た。
得られたEVOH含水ペレットを、流動乾燥器にて70℃の空気を用いて、乾燥器内のガスの通過速度2.0m/secで、30分乾燥し、静置乾燥器にて95℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥し含水率7重量%のEVOH含水ペレットを得た。
得られた含水率7重量%のEVOH含水ペレット5kgを容積10Lのポリエチレン製袋に入れ、密封した。かかる密封袋を恒温(30℃)、恒湿(80%RH)にて15日静置した。
得られたEVOH含水ペレットを静置乾燥器にて120℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥することで、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得た。かかるEVOHペレットには、EVOHペレット100部に対して、ホウ酸を0.13部(ホウ素換算)、リン酸およびリン酸カルシウムを0.012部(リン酸換算)、酢酸を0.24部、酢酸ナトリウムを0.089部(金属換算)含有していた。得られた円柱形ペレットの寸法は、底面の直径2.7mm、長さ2.5mmであった。得られたEVOHペレットのYI値(黄色度)を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
<水溶液接触処理工程>
EVOH含水ペレットとして、含水率58重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)ペレット(エチレン含有量38モル%、ケン化度99.7モル%、MFR(210℃、4g/10分))の円柱形ペレットを用いた。かかるEVOH含水ペレットに対してホウ酸、リン酸、リン酸カルシウム、酢酸、酢酸ナトリウムを含有する水溶液を接触させることで水溶液接触処理を行った。かかる水溶液とEVOH含水ペレットを固液分離し、水溶性化合物含有EVOH含水ペレットを得た。
得られたEVOH含水ペレットを、流動乾燥器にて70℃の空気を用いて、乾燥器内のガスの通過速度2.0m/secで、30分乾燥し、静置乾燥器にて95℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥し含水率8重量%のEVOH含水ペレットを得た。
得られた含水率8重量%のEVOH含水ペレット5kgを容積10Lのポリエチレン製袋に入れ、密封した。かかる密封袋を恒温(30℃)、恒湿(80%RH)にて15日静置した。
得られたEVOH含水ペレットを静置乾燥器にて120℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥することで、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得た。かかるEVOHペレットには、EVOHペレット100部に対して、ホウ酸を0.13部(ホウ素換算)、リン酸およびリン酸カルシウムを0.012部(リン酸換算)、酢酸を0.24部、酢酸ナトリウムを0.089部(金属換算)含有していた。得られた円柱形ペレットの寸法は、底面の直径2.7mm、長さ2.5mmであった。得られたEVOHペレットのYI値(黄色度)を実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
実施例2において、水分調整工程後に得られた含水率29重量%のEVOH含水ペレットを、エージング工程を行わずに、静置乾燥器にて120℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥し、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
実施例4において、水分調整工程後に得られた含水率8重量%EVOH含水ペレットを、エージング工程を行わずに、静置乾燥器にて120℃の窒素ガスを用いて、乾燥器内のガスの通過速度0.3m/secで24時間乾燥し、含水率0.2重量%のEVOHペレットを得、同様に評価を行った。結果を表1に示す。
Claims (8)
- 水溶性化合物を含むエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットを15日以上エージングするエージング工程、および前記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットの含水率を0.3重量%以下にする工程を含み、前記エージング工程において、前記エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットが密封容器内に密封されてなることを特徴とするエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- エチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットを水溶性化合物の水溶液と接触させる水溶液接触処理工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記エージング工程におけるエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットの含水率が5〜70重量%であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記水溶液接触処理工程に供するエチレン− ビニルエステル系共重合体ケン化物含水ペレットの含水率が40〜70重量%であることを特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記水溶性化合物がカルボン酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記水溶性化合物がカルボン酸塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記水溶性化合物がホウ酸類であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
- 前記水溶性化合物がリン酸類であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のエチレン−ビニルエステル系共重合体ケン化物ペレットの製造方法。
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