JP4954514B2 - エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物 - Google Patents

エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物に関し、詳しくは熱安定性の改良された新規なエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物に関する
エチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、EVOHと略すことがある)は酸素遮蔽性、耐油性、非帯電性、機械強度等に優れた有用な高分子材料であり、フィルム、シート、容器など各種包装材料として広く用いられている。EVOHペレットを各種の成形品に成形する方法は様々であるが、押出成形又は射出成形のように、溶融成形されることが多い。しかしながら、通常EVOH樹脂組成物の成形加工時には溶融温度を200℃以上としなければならないので、金属イオンなどの添加剤を含まないEVOHは溶融成形時に劣化しやすく、製品にフィッシュアイやブツが生じて品質を低下させる原因となることがあった。
EVOH樹脂組成物として該樹脂組成物を加熱溶融した際にそのMFRが特定の挙動を示すことを特徴とし、カルボン酸を50〜500ppm、アルカリ金属塩を金属元素換算で50〜500ppm、アルカリ土類金属塩を金属元素換算で10〜120ppm、リン酸化合物をリン酸根換算で10〜200ppm、ホウ素化合物をホウ素元素換算で50〜2000ppm含む樹脂組成物が公知である。この樹脂組成物は、外観性、溶融成形時のロングラン性に優れ、回収時の着色が少なく、かつ積層体としたときに層間接着性に優れたEVOH樹脂組成物であるとされている(特許文献1 参照)。
また、金属塩を含有する乾燥EVOH樹脂組成物ペレットを製造する方法としては、EVOH含水ペレットを、添加剤を含有する水溶液と接触させたのち、乾燥する方法が代表的である(特許文献2 参照)。また、浸漬する液がアルカリ性のままでは、溶融成形時の安定性が低下することが多く、それを解消するために酸、特に酢酸を別途含有させる。しかしながら、カルボン酸やカルボン酸塩に由来するカルボン酸根の含有量が多い場合には、EVOH樹脂組成物がカルボン酸臭を発生することが多いため、金属塩を含み、かつカルボン酸根の含有量を最小限にすることが好適である。
上記の課題を解決するためにアルカリ金属塩及びホウ素化合物からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有し、かつ炭酸ガスを含有する水溶液にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を接触させるEVOH樹脂組成物エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物および樹脂組成物の製造方法が提案されている。この製造方法によれば、周辺環境に酢酸等のカルボン酸を排出することのない、環境に配慮したEVOH樹脂組成物が製造可能であり、臭気の発生が少なく、溶融成形時のロングラン性に優れたEVOH樹脂組成物を提供できるとされている(特許文献3 参照)。
特開2001−164059号公報 国際公開第99/05213号パンフレット 国際公開第03/068847号
上述のように、EVOH樹脂組成物の溶融成形性を向上させるために、種々の金属塩を添加することが行われており、代表的にはアルカリ金属の酢酸塩・リン酸塩・炭酸塩として添加されている。すなわち、従来の技術において、EVOH樹脂組成物には、金属イオンとともに、そのカウンターアニオンである酢酸イオン・リン酸イオン・炭酸イオンなどの酸性成分(アニオン)が存在している。このため、従来のEVOH樹脂組成物中の金属イオンは遊離の金属塩として存在しているため、EVOH中に金属塩が不均一に分散されることがあった。このような金属塩の分散斑は、EVOH樹脂組成物の局所的な劣化を招き、EVOH樹脂組成物の成形品の部分的な変色やフィッシュアイ・ブツの原因となるなど、EVOH樹脂組成物の品質を損ねることがあった。
さらに、従来のEVOH樹脂組成物において添加される酢酸イオンやリン酸イオンのような酸性成分は、溶融成型時のEVOH樹脂組成物のゲル化を促進する性質を有し、ロングラン成形時のフィッシュアイやブツの発生原因となることがあった。また、前記のとおり、カルボン酸やカルボン酸塩に由来するカルボン酸根の含有量が多い場合には、カルボン酸の臭気が問題となっていた。かかる背景により、EVOH樹脂組成物に含有する酸性成分(アニオン)の含有量をできるかぎり少なくすることが望まれており、さらなるEVOH樹脂組成物の品質向上を図るためには、解決しなければならない課題であった。
また、上記のような金属イオンを含有するEVOH樹脂組成物を製造する方法としては、金属塩を含有する水溶液に含水EVOH樹脂を含浸することが一般的に行われており、従来では、酢酸や炭酸のような酸性化合物を使用して水溶液を酸性にする必要があった。しかしながら前述したEVOH樹脂組成物の品質上の観点から、製造段階においても、酸性条件下でEVOH樹脂を処理しないこと、あるいは水溶液に酸性化合物を使用しないことが望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、EVOH樹脂組成物に含まれる遊離の金属塩および酸性成分を低減することによって、溶融成形性・局所的な劣化への耐性に優れたEVOH樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題の達成に向けて鋭意検討した結果、少なくとも一種類以上の金属イオン(A)を含有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物であり、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)が金属元素換算で1.0μmol/g以下であり、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)が金属元素換算で0.5〜10μmol/gであり、前記金属イオン(A1)と前記金属イオン(A2)との関係において、次式(1)を満たすエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物であって、

0 ≦a1/(a2−a1)< 0.40 ・・・(1)

前記(A1)の含有量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の粉末10gを水50mLに投入し、95℃の熱水に10時間加熱処理して得られた抽出液についてICP発光分光分析により定量される金属イオンの含有量(μmol/g)であり、
前記(A2)の含有量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の粉末10gを0.01規定の塩酸水溶液50mLに投入し、95℃で10時間撹拌、加熱抽出して得られた抽出液についてICP発光分光分析により定量される金属イオンの含有量(μmol/g)であり、
前記a1は金属イオン(A1)の含有量(μmol/g)であり、
前記a2は金属イオン(A2)の含有量(μmol/g)である、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物が溶融成形性及び局所的な劣化への耐性に優れることを見出した。
本発明の樹脂組成物は、バリア性に優れ、溶融成形性、局所的な劣化への耐性、低臭気性にも優れている
まず、本件出願の第1の発明である、溶融成形性・局所的な劣化への耐性に優れ、さらには溶融成型時の臭気の少ない新規なエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物について説明する。
本発明のEVOH樹脂組成物は、少なくとも一種類以上のアルカリ金属塩(A)を含有し、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)が金属元素換算で1.0μmol/g以下であり、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)が金属元素換算で0.5〜10μmol/gであることが必須である。
熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)とは、具体的には、90℃以上の純水にEVOH樹脂組成物を4時間以上浸漬処理して抽出される金属イオンである。純水としては、金属イオンの含量が少ない水、具体的には、イオン交換水や蒸留水など、十分に精製された水を使用する必要がある。好適には、伝導度が4.0μS/cm以下の純水が用いられ、より好適には、2.5μS/cm以下の水が用いられる。抽出する際の温度が90℃以下では、EVOH樹脂組成物中の金属イオン(A1)が完全には抽出されない場合がある。また、浸漬処理時間が4時間以下の場合も、金属イオン(A1)が完全に抽出されない場合がある。金属イオン(A1)の定量分析方法は特に限定されるものではないが、微量の金属イオンの分析が可能な、原子吸光分析、イオンクロマトグラフィー、ICP発光分析、ICP質量分析などの各種の機器分析が好適に用いられる。
0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)とは、具体的には、90℃以上の0.01規定の塩酸水溶液に10時間浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)のことである。上記の純水と同様に、0.01規定の塩酸水溶液は金属イオンの含有量が少ないものを使用する必要がある。具体的には、市販の0.01規定塩酸水溶液を用いたり、濃塩酸をイオン交換水や蒸留水など、十分に精製された水で希釈したものが使用される。抽出する際の温度が90℃以下では、EVOH樹脂組成物中の金属イオン(A2)が完全には抽出されない場合がある。また、浸漬処理時間が10時間以下の場合も、金属イオン(A2)が完全に抽出されない場合がある。金属イオン(A2)の定量分析方法は特に限定されるものではないが、微量金属イオンの分析が可能な、原子吸光分析、イオンクロマトグラフィー、ICP発光分析、ICP質量分析などの各種の機器分析が好適に用いられる。
熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量が1.0μmol/g以上であると、溶融成型時にフィッシュアイや着色ブツが発生しやすくなる。熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量は、より好適には0.7μmol/g以下であり、さらに好適には0.3μmol/g以下である。
0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)の含有量は、EVOH樹脂組成物に含有される金属イオン(A)の総含有量を示すものであり、0.1μmol/g未満では溶融時の耐着色性及びロングラン性ともに不十分であり、10μmol/gを超えると溶融時の耐着色性が不良となったり、溶融粘度の著しい低下を招く虞がある。0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)の含有量の下限はより好適には0.5μmol/g以上であり、より好適には1.0μmol/g以上である。0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)の含有量の上限は好適には8μmol/g以下であり、より好適には5μmol/g以下である。
このとき、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量と、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)の含有量とが、下記式(1)を満足することが好ましい。
0≦ a1/(a2−a1)< 0.40 ・・・(1)
ここで、
a1は、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量(μmol/g)、
a2は、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)の含有量(μmol/g)
である。
上記(1)式の左辺が0.40よりも大きい場合には、フィッシュアイやブツが増加することがある。
下記式(1’)を満足することがより好ましく、下記式(1”)を満足することがさらに好ましい。
0≦ a1/(a2−a1)< 0.20 (1')
0≦ a1/(a2−a1)< 0.10 (1")
本発明のEVOH樹脂組成物における金属イオン(A)の種類は特に限定されない。リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、バリウムイオン、マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、銀イオン、セリウムイオンなどから選択されるが、溶融成形性や耐着色性に優れたEVOH樹脂組成物を得るためには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが好適であり、この中でもナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好適である。これら金属イオンは1種類のみを用いても良いし、複数を同時に用いても何ら問題はない。金属イオンを含有することで、優れた溶融成形性および耐着色性のみならず、良好な層間接着性を有するEVOH樹脂組成物が得られる。
本発明のEVOH樹脂組成物は、リン酸化合物(B)の含有量がリン元素換算で0.5μmol/g以下であることが好ましい。リン酸化合物(B)の含有量はより好適には0.3μmol/g以下であり、さらに好適には、0.1μmol/g以下であり、リン酸化合物(B)を実質的に含有しないことが特に好ましい。リン酸化合物(B)の含有量がリン元素換算で0.5μmol/gを越えると、フィッシュアイやブツが増加することがある。
リン酸化合物(B)の定量方法は特に限定されない。前処理方法としては、熱水による抽出、強酸による湿式分解、高温での乾式灰化(燃焼)などが挙げられ、その分析方法としては、ICP発光分析、ICP質量分析などによるP元素の定量、イオンクロマトグラフィーや比色法(リンモリブデン酸法)などが挙げられる。
また、本発明のEVOH樹脂組成物は、カルボン酸(C)の含有量がカルボン酸根換算で1.0μmol/g以下であることが好ましい。製造上の理由により、カルボン酸(C)としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸など分子量75未満のカルボン酸(C)が好適に使用される。これらのカルボン酸(C)は、分子量が低く十分な水溶性を示すため、後述するEVOH樹脂組成物の製造方法において、金属イオン(A)を含有する水溶液に接触する際に利用しやすいのである。しかしながら、これらのカルボン酸はEVOH樹脂組成物の溶融成形時にフィッシュアイやブツの要因となる場合があるだけでなく、沸点が低いため加熱時に揮発しやすく、溶融成型時の臭気が問題となる場合がある。カルボン酸(C)の含有量はより好適には0.8μmol/g以下であり、更に好適には、0.5μmol/g以下であり、より更に好適には、0.2μmol/g以下であり、カルボン酸(C)を実質的に含有しないことが特に好ましい。カルボン酸(C)の含有量がカルボン酸根換算で1.0μmol/gを越えると、フィッシュアイやブツが増加するばかりでなく、溶融成型時の臭気が問題となる場合がある。
カルボン酸(C)の定量方法は特に限定されないが、EVOH樹脂組成物の抽出液あるい溶解液をイオンクロマトグラフやガスクロマトグラフィーを始めとした各種のクロマトグラフィーで定量する方法などが具体的な例として挙げられる。
本発明のEVOH樹脂組成物におけるリン酸化合物(B)やカルボン酸(C)の種類についても特に限定されない。本発明の趣旨からアニオン種は実質的に含有しないことが望まれるが、下記に示すように本発明のEVOH樹脂組成物の製造における観点からリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、酢酸等を使用することが好ましい。
一般的にEVOH樹脂組成物中に含まれる金属イオン(A)のEVOH中での存在状態は二つに分類されると考えられる。第一の存在状態は金属イオン(A)が樹脂組成物中の遊離の酸性成分(アニオン)とイオン結合し、遊離の塩を形成している場合である。多くの場合、このような塩は水に可溶であり、EVOH樹脂組成物中の水分によって流動・溶出されやすい。従来のEVOH樹脂組成物の多くはこのような形で金属イオン(A)を含有させていた。
第二の存在状態は金属イオン(A)がEVOHのアニオン成分とイオン結合している場合である。EVOHのアニオン成分としては、ポリマー鎖に微量存在するカルボキシル基や、水酸基の脱プロトンによって生じるアルコキシド基、あるいは、カルボニル基のα位の脱プロトンによるエノラートアニオンなどが挙げられる。この場合、金属イオン(A)はEVOHに直接的に吸着されているため、HClなどの強酸性水溶液でイオン交換反応をおこさないかぎり、金属イオン(A)はEVOH樹脂組成物中の水分に対して安定であり、溶出しにくい。
また、前記の金属イオン(A)の第一の存在状態においては、必然的にEVOH樹脂組成物中に遊離のアニオン成分を含有することとなる。EVOH樹脂組成物の溶融成形時においては、通常200℃以上の温度になることから、その温度においては多くの化学反応が進行し得る。EVOH樹脂組成物に含有されるアニオン成分は、EVOHの未ケン化部のカルボン酸エステルとエステル交換反応を行ったり、アニオン成分がEVOHの水酸基と反応してエステル基を生成したりすることが考えられる。つまり、溶融成形においては、このような加熱溶融時における溶融樹脂内での化学反応を無視することができない。
一方、第二の存在状態においては、金属イオン(A)は、EVOHに内在するアニオン成分に結合しているため、このような化学反応を起こすことはないと思われる。
本発明のEVOH樹脂組成物は、これらの点に着目したものであり、樹脂組成物中の遊離の金属塩を低減し、金属イオン(A)の大多数をEVOHのポリマー構造内のアニオン成分に吸着させることで、樹脂の溶融成形性・局所的な劣化への耐性の向上を図ろうとするものである。すなわち、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)を一定量以下にし、なおかつ、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)を一定量内に含有することで、溶融成形性および局所的な劣化への耐性に優れた樹脂組成物を提供できるのである。また、特に溶融成形性に優れ、臭気の少ない樹脂組成物を提供するためには、リン酸化合物(B)やカルボン酸(C)のようなアニオン成分の含有量を低減することが好ましい。
また、本発明のEVOH樹脂組成物は、ホウ素化合物(D)をホウ素元素換算で1〜200μmol/g含有することが、溶融成形時のロングラン性という点で好適である。ホウ素化合物(D)の含有量は、2μmol/g以上であることがより好適であり、3μmol/g以上で以上であることがさらに好適である。また150μmol/g以下であることがより好適であり、100μmol/g以下であることがさらに好適である。
ホウ素化合物(D)としては、ホウ酸類、ホウ酸エステル、水素化ホウ素類等が挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、ホウ酸類としては、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸などが挙げられ、ホウ酸エステルとしてはホウ酸トリエチル、ホウ酸トリメチルなどが挙げられる。これらの化合物の中でもオルトホウ酸(以下、単にホウ酸と表示する場合がある)が好ましい。
ホウ素化合物(D)の定量方法は特に限定されるものではなく、EVOH樹脂組成物の抽出液をマンニトール法やクルクミン法で定量する方法や強酸での湿式分解や高温化での乾式灰化(燃焼)によって試料を調整した後、ICP発光分析やICP質量分析で定量する方法などが、具体的な定量方法として挙げられる。
以下、本発明のEVOH樹脂組成物の用途について説明する。
得られた本発明のEVOH樹脂組成物は溶融成形によりフィルム、シート、容器、パイプ、繊維等、各種の成形物に成形される。なかでもフィルムは、長時間の成形を行う場合が多く、しかもロングラン成形において問題となりやすいゲルやブツが外観上の問題として顕在化しやすいことから、本発明のEVOH樹脂組成物を使用するのに適した用途である。
これらの成形物は再使用の目的で粉砕し再度成形することも可能である。また、フィルム、シート、繊維等を一軸又は二軸延伸することも可能である。溶融成形法としては押出成形、インフレーション押出、ブロー成形、溶融紡糸、射出成形等が可能である。溶融温度は該共重合体の融点等により異なるが150〜270℃程度が好ましい。
本発明のEVOH樹脂組成物は、当該樹脂組成物のみの単層からなる成形物としても使用可能であるが、層間接着性に優れることから、当該樹脂組成物からなる少なくとも1層を含む多層構造体とすることが好適である。多層構造体の層構成としては、本発明の樹脂組成物をE、接着性樹脂をAd、熱可塑性樹脂をTで表わすと、E/T、T/E/T、E/Ad/T、T/Ad/E/Ad/T等が挙げられるが、これに限定されない。ここで示されたそれぞれの層は単層であってもよいし、場合によっては多層であってもよい。
上記に示す多層構造体を製造する方法は特に限定されない。例えば、本発明のEVOH樹脂組成物からなる成形物(フィルム、シート等)上に熱可塑性樹脂を溶融押出する方法、逆に熱可塑性樹脂等の基材上に該樹脂組成物と他の熱可塑性樹脂とを共押出する方法、熱可塑性樹脂とEVOHからなる樹脂組成物を共押出又は共射出する方法、更には本発明のEVOH樹脂組成物より得られた成形物と他の基材のフィルム、シートとを有機チタン化合物、イソシアネート化合物、ポリエステル系化合物等の公知の接着剤を用いてラミネートする方法等が挙げられる。なかでも、共押出又は共射出する方法が好適である。
本発明のEVOH組成物と熱可塑性樹脂との共押出成形の方法は特に限定されず、マルチマニホールド合流方式Tダイ法、フィードブロック合流方式Tダイ法、インフレーション法などが好適なものとして例示される。また、共射出成形の方法も特に限定されず、一般的な手法を用いることができる。
本発明のEVOH樹脂組成物と積層するのに用いられる熱可塑性樹脂としては、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体(炭素数4〜20のα−オレフィン)、ポリブテン、ポリペンテン等のオレフィンの単独又はその共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエステルエラストマー、ナイロン−6、ナイロン−6,6等のポリアミド樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリカーボネート、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられる。上記の中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエステルが好ましく用いられる。
本発明のEVOH樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを積層するに際し、接着性樹脂を使用する場合があり、この場合の接着性樹脂としてはカルボン酸変性ポリオレフィンからなる接着性樹脂が好ましい。ここでカルボン酸変性ポリオレフィンとは、オレフィン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物を化学的(たとえば付加反応、グラフト反応により)結合させて得られるカルボキシル基を含有する変性オレフィン系重合体のことをいう。また、ここでオレフィン系重合体とはポリエチレン(低圧、中圧、高圧)、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ボリブテンなどのポリオレフィン、オレフィンと該オレフィンとを共重合し得るコモノマー(ビニルエステル、不飽和カルボン酸エステルなど)との共重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体などを意味する。このうち直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニルの含有量5〜55重量%)、エチレン−アクリル酸エチルエステル共重合体(アクリル酸エチルエステルの含有量8〜35重量%)が好適であり、直鎖状低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好適である。エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物とはエチレン性不飽和モノカルボン酸、そのエステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸、そのモノ又はジエステル、その無水物があげられ、このうちエチレン性不飽和ジカルボン酸無水物が好適である。具体的にはマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステルなどが挙げられ、なかんずく、無水マレイン酸が好適である。
エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加量又はグラフト量(変性度)はオレフィン系重合体に対し0.01〜15重量%、好ましくは0.02〜10重量%である。エチレン性不飽和カルボン酸又はその無水物のオレフィン系重合体への付加反応、グラフト反応は、たとえば溶媒(キシレンなど)、触媒(過酸化物など)の存在下でラジカル重合法などにより得られる。このようにして得られたカルボン酸変性ポリオレフィンの190℃、2160g荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)は0.2〜30g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10g/10 分である。これらの接着性樹脂は単独で用いてもよいし、また二種以上を混合して用いることもできる。
このようにして得られた共押出多層構造体又は共射出多層構造体を二次加工することにより、各種成形品(フィルム、シート、チューブ、ボトルなど)を得ることができる。たとえば以下のようなものが挙げられる。
(1)多層構造体(シート又はフィルムなど)を一軸又は二軸方向に延伸し、必要に応じて熱処理することによる多層共延伸シート又はフィルム
(2)多層構造体(シート又はフィルムなど)を圧延することによる多層圧延シート又はフィルム
(3)多層構造体(シート又はフィルムなど)真空成形、圧空成形、真空圧空成形等、熱成形加工することによる多層トレーカップ状容器
(4)多層構造体(パイプなど)からのストレッチブロー成形等によるボトル、カップ状容器
(5)多層構造体(パリソンなど)からの二軸延伸ブロー成形等によるボトル状容器
このような二次加工法には特に制限はなく、上記以外の公知の二次加工法も採用できる。このようにして得られた共押出多層構造体あるいは共射出多層構造体は層間接着性に優れ、外観が良好で臭気の発生が抑制されているから、各種食品容器の材料、例えば、包装用フィルム、深絞り容器、カップ状容器、ボトル等の材料として好適に用いられる。
なお、本発明のEVOH樹脂組成物の製造方法については、特に制限されるものではないが、次に述べる形態が好適に利用される。
本発明のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の製造方法は、水分率が10〜80重量%であるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物を金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)に接触させたのち、純水(E2)に接触させることが必須である。
従来から、金属イオン(A)をEVOH樹脂に含有させるために、これらの添加剤を含有する酸性の水溶液にEVOHを接触させる方法が行われていた。本発明は、添加剤を含有する水溶液にEVOH樹脂組成物を接触したあとに、さらに純水に接触させるものであるが、添加剤を含有する水溶液は、アルカリ性〜中性であってもよい。さらに、添加剤を含有する水溶液に接触したあとに、純水処理を行うことが本発明の主たる特徴である。
金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)に含水EVOH樹脂を接触すると、遊離の金属塩がEVOHの水分中に保持されるばかりでなく、金属イオン(A)がEVOHポリマー鎖のアニオン成分とイオン結合して吸着されることは先に述べた通りである。EVOHのアニオン成分とイオン結合する傾向は、水溶液のアルカリ性が高いほど強くなる。本発明は、この傾向を積極的に利用したものである。さらに、当該処理を施した含水EVOHを純水(E2)に接触させることで、EVOHの水分中に保持された遊離の金属塩を取り除くことができる。前記、第1の発明で記したように、遊離の金属塩の量をできる限り少なくすることが、EVOH樹脂組成物の品質を向上する上で肝要である。
本発明における金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)は、添加剤として、少なくとも一種類以上の金属イオン(A)を含有する水溶液である。
前記金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)の金属イオン(A)の含有量の好適な範囲は、一般に0.05〜40mmol/Lである。
また、金属イオン(A)の種類は特に限定されない。先に述べたように、溶融成形性や耐着色性に優れたEVOH樹脂組成物を得るためには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンが好適であり、この中でもナトリウムイオン、カリウムイオンが特に好適である。
添加剤としての金属イオン(A)のアニオン種も特に限定されない。十分な水溶性を有することが重要であり、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩、カルボン酸塩等として添加することができ、中でも、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩、リン酸水素塩として添加することが好ましい。
純水(E2)の組成も特に限定されるものではないが、遊離の金属塩を除去するという本発明の趣旨から、カチオン種やアニオン種の含有量ができる限り少ないほうが好ましい。
水の純度を評価する方法としては、簡易的には伝導度を測定する方法が用いられる。本発明においては、伝導度5.0μS/cm以下の純水が好適に用いられ、より好適には2.5μS/cm以下の純水が用いられる。原子吸光分析、イオンクロマトグラフィ、ICP発光分析、ICP質量分析などで、直接的にカチオン種やアニオン種の含有量を評価する方法も好適である。この場合、とくには金属イオンの含有量の合計が、0.1μmol/g以下の純水が好適に用いられ、より好適には0.05μmol/g以下の純水が用いられる。
また、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量が金属元素換算で1.0μmol/g以下となるまで純水(E2)に接触させることが好ましい。前記に説明したように、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の含有量が金属元素換算で1.0μmol/g以下であることが本発明のEVOH樹脂組成物の品質を向上する上で肝要である。
また、上記の金属イオン(A)を含有する水(E1)に炭酸ガスを導入する方法も好適に用いられる。炭酸ガスを導入することにより、金属イオン(A)のEVOHへの吸着が制御しやすくなり、後述の純水(E2)に接触する際にも、遊離の金属塩を除去しやすくなる。
前記炭酸の量は特に限定されるものではなく、適宜調整されるものであるが、空気中に存在する炭酸ガスが自然に溶解するような程度の量よりも多い量を溶解させる必要がある。水溶液中の炭酸ガスの濃度(遊離の二酸化炭素と炭酸の合計)は好適には、0.5mmol/L以上で、より好適には2mmol/L以上、さらに好ましくは10mmol/L以上である。また炭酸ガスの溶解度を上げるために、1.5〜10気圧程度の加圧条件下で処理を行っても良い。
本発明で用いられるEVOHとしては、エチレン−ビニルエステル共重合体をケン化して得られるものが好ましく、中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化して得られるものが特に好ましい。ガスバリア性と溶融成形性に優れた成形物を得るという観点からは、エチレン含有量は好適には20〜60モル%である。エチレン含有量が20モル%未満の場合には、溶融成形性が悪くなる虞があり、エチレン含有量が60モル%を超えるとガスバリア性が不十分となる虞がある。エチレン含有量の下限値は、より好適には22モル%以上、さらに好適には24モル%以上である。一方、エチレン含有量の上限値は、より好適には55モル%以下、さらに好適には50モル%以下である。
また、エチレンと酢酸ビニルを共重合する際に、その他の脂肪酸ビニルエステル(プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニルなど)も併用することもできる。
以下にEVOHの製造方法を具体的に説明する。エチレンと酢酸ビニルの重合は溶液重合に限るものではなく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、バルク重合のいずれであっても良く、また連続式、回分式のいずれであってもよく、溶液重合の場合の重合条件は次の通りである。
溶媒;アルコール類が好ましいが、その他エチレン、酢酸ビニル及びエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶解し得る有機溶剤(ジメチルスルホキシドなど)を用いることができる。アルコール類としてはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等を用いることができ、特にメチルアルコールが好ましい。
触媒;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メチル−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2−シクロプロピルプロピオニトリル)等のアゾニトリル系開始剤及びイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエイト、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物系開始剤等を用いることができる。
温度;20〜90℃、好ましくは40℃〜70℃。
時間(連続式の場合は平均滞留時間);2〜15時間、好ましくは3〜11時間。
重合率;仕込みビニルエステルに対して10〜90%、好ましくは30〜80%。
重合後の溶液中の樹脂分;5〜85%、好ましくは20〜70%。
共重合体中のエチレン含有率;好ましくは20〜60モル%、さらに好適には22〜55モル%、より更に好適には24〜50モル%。
なお、エチレンと酢酸ビニル以外にこれらと共重合し得る単量体、例えば、プロピレン、イソブチレン、α−オクテン、α−ドデセン等のα−オレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和酸又はその無水物、塩、あるいはモノ又はジアルキルエステル等;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル類;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類;エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸又はその塩;アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン等のビニルシラン化合物類を少量共存させることも可能である。
所定時間の重合後、所定の重合率に達した後、必要に応じて重合禁止剤を添加し、未反応のエチレンガスを蒸発除去した後、未反応酢酸ビニルを追い出す。エチレンを蒸発除去したエチレン−酢酸ビニル共重合体溶液から未反応の酢酸ビニルを追い出す方法としては、例えば、ラシヒリングを充填した塔の上部から該共重合体溶液を一定速度で連続的に供給し、塔下部よりメタノール等の有機溶剤蒸気を吹き込み塔頂部よりメタノール等の有機溶剤と未反応酢酸ビニルの混合蒸気を留出させ、塔底部より未反応酢酸ビニルを除去した該共重合体溶液を取り出す方法などが採用される。
未反応酢酸ビニルを除去した該共重合体溶液にアルカリ触媒を添加し、該共重合体中の酢酸ビニル成分をケン化する。ケン化方法は連続式、回分式いずれも可能である。アルカリ触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属アルコラートなどが用いられる。また、ケン化に用いる溶媒としては、メタノールが好ましい。例えば、ケン化条件は次の通りである。
該共重合体溶液濃度;10〜50%。
反応温度;30〜150℃。
触媒使用量;0.005〜0.6当量(酢酸ビニル成分当り)。
時間(連続式の場合、平均滞留時間);10分〜6時間。
一般に、連続式でケン化する場合には、ケン化により生成する酢酸メチルをより効率的に除去できるので、回分式の場合に比べて少ない触媒量で高いケン化度の樹脂が得られる。また、連続式の場合にはケン化により生成するEVOHの析出を防ぐため、より高い温度でケン化する必要がある。したがって、連続式では下記の範囲の反応温度及び触媒量とすることが好ましい。
反応温度;70〜150℃。
触媒使用量;0.005〜0.1当量(酢酸ビニル成分当り)。
ケン化反応後のケン化度は目的により異なるが好ましくは酢酸ビニル成分の80モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは98モル%以上、特に好ましくは99モル%以上である。ケン化度は条件によって任意に調整できる。
前述のように、特に溶融安定性に優れたロングラン性の良好なEVOH組成物を製造する場合には、EVOHのケン化度が99.7モル%以上であることが好ましく、99.8モル%以上であることがより好ましく、99.9モル%以上であることがさらに好ましく、99.95モル%以上であることが特に好ましい。
得られたケン化後のEVOHのアルコール溶液から、EVOHペレットを製造する方法は特に限定されない。好適には、EVOHのアルコール溶液を、凝固浴中にストランド状に析出させた後、該ストランドを切断することにより含水ペレットが得られる。析出に際しては、アルコール溶液を濃縮することによってケン化時よりもEVOH濃度を上昇させておいても良いし、メタノールの一部又は全部を水で置換して、EVOHの水/アルコールの混合溶液又はEVOHの含水組成物としておいても良い。これを水中、あるいはアルコールを少量含むアルコール水溶液中に押出してストランド状に析出させてから切断することで含水ペレットが得られる。また、ストランド状に析出させずに、流動状態のままで切断し、水中で凝固させてペレットを製造することもできる。
以上のようにして得られる含水ペレットは多孔質であり、ケン化触媒残渣を水洗除去しやすく、その後の添加剤の添加や純水処理、乾燥操作も容易である。このような含水ペレットの含水率は10〜80重量%であることが、上記操作上の利点が大きく好適である。含水率はより好適には20重量%以上であり、さらに好適には30重量%以上である。また、より好適には70重量%以下であり、さらに好適には60重量%以下である。
こうして得られた含水ペレットは、通常ケン化触媒残渣であるアルカリ金属塩、例えば酢酸ナトリウムを含んでおり、そのために着色などの問題が生じるため、洗浄して除去することが好ましい。通常、洗浄前の含水ペレットのアルカリ金属塩含有量はアルカリ金属換算で100〜10000μmol/g(EVOH重量当り)程度である。洗浄方法は特に限定されないが、水で洗浄する方法が好適である。このとき洗浄液として使用する水は、アルカリ金属イオンを効率的に除去するために、酢酸などの酸の水溶液であってもよい。また、水による洗浄と酸による洗浄を併用して、効率的にケン化触媒残渣の含有量を減少させることも好ましい。
洗浄後の含水ペレットのアルカリ金属含有量をアルカリ金属換算で0〜50μmol/g(EVOH重量当り)まで減少させることが好適である。アルカリ金属含有量の上限は、より好ましくは40μmol/gであり、さらに好ましくは30μmol/gであり、特に好ましくは20μmol/gである。ケン化触媒残渣は、通常、酢酸のアルカリ金属塩の形で含まれているから、洗浄後の含水ペレットのアルカリ金属含有量を十分に低減させておくことによって、カルボン酸根の含有量を低減したEVOH組成物が得られやすくなる。
含水ペレットを洗浄する方法は特に限定されるものではなく、回分式処理容器又は連続式処理容器のいずれも使用可能である。中でも、塔式容器内で連続的にペレットを供給して処理する方法が、生産性の観点から好適である。
洗浄後、含水ペレットは、金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)に浸漬処理される。また、EVOH樹脂組成物中にホウ素化合物(D)を含有させる場合には、ホウ素化合物(D)を含有した水溶液にも浸漬処理される。さらに金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)に炭酸を含有させることも好適に用いられる。
金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)あるいはホウ素化合物(D)を含有する水溶液にEVOH樹脂を浸漬処理させる方法は特に限定されるものではない。前記水溶液にEVOH樹脂を浸漬する際のEVOH樹脂の形状は、粉末、粒状、球状、円柱形ペレット状等の任意の形状であってよいが、例えば前述のようにして得られた含水EVOHペレットを前記水溶液に接触させることが、金属イオン(A)やホウ素化合物(D)をEVOH樹脂組成物ペレット中に効率良くかつ均一に含有させることができるため好適である。水溶液に浸漬する前の含水ペレットの含水率は、10〜80重量%であることが好適である。含水率はより好適には20重量%以上であり、さらに好適には30重量%以上である。また、より好適には75重量%以下であり、さらに好適には70重量%以下である。
EVOH樹脂に接触させる前記水溶液の温度は特に限定されるものではないが、10〜90℃であることが好ましい。10℃未満では、金属イオン(A)をEVOH樹脂ペレット中に均一に含有させるのに時間がかかる虞があり、90℃を超えると、ペレット同士が融着する虞がある。前記水溶液の温度は、より好適には20℃以上であり、さらに好適には30℃以上である。また、より好適には85℃以下であり、さらに好適には80℃以下である。前記処理液に炭酸を含有させる場合、70℃以上の高い温度の場合は炭酸の溶解度が少なくなるので、0.15〜1.0MPa程度の加圧下で接触させることが好適である。
EVOH樹脂を前記水溶液に接触させる時間は、EVOH樹脂の形態によってその好適範囲が異なるが、1〜10mm程度のペレットの場合には1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましい。
金属イオン(A)を均一に吸着させるためには、前記水溶液の量がEVOH樹脂1重量部に対して、5重量部以上であることが好適である。前記水溶液の量が5重量部以下であると、水溶液中の金属イオン(A)の含有量が不足し、金属イオン(A)の吸着が不均一となる虞がある。水溶液の量は、より好適には10重量部以上であり、特に好適には、20重量部以上である。
EVOH樹脂を前記水溶液に接触させる方法は特に限定されない。EVOH樹脂を予め水に接触させておいて、添加剤や炭酸を後から水中に溶解させることもできるが、予めこれらを溶解させて調整した水溶液をEVOH樹脂と接触させる方法が、添加剤を均一に含有する安定した品質のEVOH樹脂組成物が得られるため好ましい。
EVOH樹脂を前記水溶液に接触させる方式は、バッチ方式、連続方式のいずれによる方式も採用可能である。連続方式においては、例えば塔型の容器の中でEVOH樹脂を徐々に下方に移動させながら、連続的に供給される水溶液と接触させる方法などが、好適なものとして挙げられる。
また、複数の水溶液を調製して、複数回に分けて接触させても構わない。例えば、最初に金属イオン(A)のみを含有する水溶液と接触させておいてから、続いて金属イオン(A)およびホウ素化合物(D)を含有する水溶液と接触させるような方法も採用できる。
また、前記水溶液に含有する金属イオン(A)は、必ずしも1種類である必要はなく、複数の金属イオン(A)を含有させてもよい。
金属イオン(A)を含有する水溶液(E1)に接触させた後、引き続き、含水ペレットを純水(E2)に接触する。先に述べたように当該純水処理の目的は、遊離の金属塩を除去することである。
EVOH樹脂組成物に接触させる純水(E2)の温度が高いほど、遊離の金属塩を除きやすくなる。しかしながら、温度が高すぎるとペレット同士が融着する虞がある。純水(E2)の温度は20℃以上90℃未満であることが好適である。
EVOH樹脂組成物を前記水溶液に接触させる時間は、EVOH樹脂組成物の形態によってその好適範囲が異なるが、1〜10mm程度のペレットの場合には1時間以上であることが好ましく、2時間以上であることがより好ましい。
また、効率的に遊離の金属塩を除去するためには、前記純水(E2)の量がEVOH樹脂組成物1重量部に対して、10重量部以上であることが好適である。より好適には20重量部以上であり、純水(E2)の量が多いほど、金属塩を除去しやすくなる。
EVOH樹脂組成物を前記純水(E2)に接触させる方式については、特に限定されない。含水EVOH樹脂組成物に対して、純水(E2)を連続的に供給する方法が好適に用いられるが、バッチ方式で純水(E2)を繰り返し更新しながら、浸漬処理を繰り返す方法なども好適に用いられる。
なお、ここにおいて使用される純水(E2)は、特に限定されず一般的な精製方法によって調整された純水が使用される。具体的な精製方法としては、蒸留法、活性炭吸着法、イオン交換法、逆浸透法、ろ過法などが挙げられる。逆浸透法にて精製したのち、イオン交換法でさらに精製する等、種々の精製方法を併用することも好適である。
EVOH樹脂組成物、好適にはEVOH樹脂組成物ペレットは、前記純水(E2)に浸漬した後、脱液してから乾燥工程に供される。乾燥方法は特に限定されず、熱風乾燥機などを使用することができる。乾燥機は流動式乾燥機であっても静置式乾燥機であっても良く、これらを組み合わせて使用してもよい。この中でも、初めに流動乾燥法で乾燥し、引き続いて静置乾燥法で乾燥する方法が好適である。乾燥温度は特に限定されないが、通常70〜125℃程度の温度が採用され、乾燥が進むにつれて温度を上昇させることもできる。乾燥後の含水率は通常1重量%以下であり、好適には0.5重量%以下である。こうして得られた乾燥ペレットが、以後の成形工程に供される。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。以下「%」、「部」とあるのは特に断わりのない限り重量基準である。尚、水はすべてイオン交換水(伝導度:1.0〜2.0μS/cm)を使用した。なお、伝導度は、東亜電波工業製CM−30ETで測定した。
(1)熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の定量
乾燥EVOH樹脂組成物のペレットを凍結粉砕により粉砕した。EVOH樹脂組成物の粉末10gを水50mLに投入し、10時間、95℃で加熱抽出した。得られた抽出液2mLを、イオン交換水8mLで希釈した。前記の希釈された抽出液を、(株)パーキンエルマージャパン社製ICP発光分光分析装置 Optima 4300 DVを用いて、以下に示す観測波長で定量分析した。こうして得られた各金属元素の量から、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)の量を金属元素換算値で得た。

観測波長 :ナトリウム 589.592nm
カリウム 766.490nm
マグネシウム 285.213nm
カルシウム 317.933nm
(2)0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出されるアルカリ金属イオン(A2)の定量
乾燥EVOH樹脂組成物のペレットを凍結粉砕により粉砕した。EVOH樹脂組成物の粉末10gを0.01規定の塩酸水溶液50mLに投入し、95℃で10時間撹拌、加熱抽出した。得られた抽出液2mLを、イオン交換水8mLで希釈した。前記の希釈された抽出液を、上記の(1)と同様に(株)パーキンエルマージャパン社製ICP発光分光分析装置 Optima 4300 DVを用いて定量分析した。こうして得られた各金属元素の量から、乾燥EVOHペレットに含まれるアルカリ金属塩(A2)の量を金属元素換算値で得た。
(3)リン酸化合物(B)の定量
乾燥EVOH樹脂組成物のペレットを凍結粉砕により粉砕した。得られた粉砕EVOH樹脂組成物の粉末1.0gを共栓付き三角フラスコに投入し、さらに濃硝酸15mlと濃硫酸4mlを加え、冷却コンデンサーを付け、200〜230℃で加熱分解し、溶液を50mlメスフラスコにメスアップした。前記の溶液を(株)パーキンエルマージャパン社製ICP発光分光分析装置 Optima 4300 DVを用いて観測波長214.914nmで定量分析した。こうして得られたリン元素の量から、リン酸化合物(C)の量をリン元素換算値で得た。
(4)カルボン酸(C)の定量
乾燥EVOHペレットを凍結粉砕により粉砕した。上記のEVOH粉末10gをイオン交換水50mLに投入し、95℃で10時間撹拌、抽出した。得られた抽出液2mLを、イオン交換水8mLで希釈した。前記の希釈された抽出液を、(株)横河電機製イオンクロマトグラフィーIC7000(カラム:(株)横河電機製 SCS5−252、溶離液:0.1%リン酸水溶液)を用いて定量分析し、カルボン酸(酢酸)イオンの量を定量し、カルボン酸(C)を定量した。なお、定量に際しては酢酸水溶液を用いて作成した検量線を用いた。
(5)ホウ素化合物(D)の定量
試料とする乾燥EVOHペレット50mgを酸素フラスコ燃焼法により完全燃焼させ、得られた燃焼灰分を1mol/L硝酸水溶液10mLに溶解させた。前記溶液を用いて、(株)パーキンエルマージャパン社製ICP発光分光分析装置 Optima 4300 DVを用いて、観測波長249.667nmで定量分析した。ホウ素化合物(D)の含有量をホウ素元素換算値で得た。
(6)単層製膜試験
得られた乾燥EVOHペレットを(株)東洋精機製作所製20mm押出機D2020(D(mm)=20、L/D=20、圧縮比=2.0、スクリュー:フルフライト)を用いて単層製膜を以下の条件で行い、単層フィルムを得た。
押出温度:C1/C2/C3/Die=175/230/230/235℃
スクリュー回転数:20rpm
吐出量 :0.63kg/hr
引取りロール温度:80℃
引取りロール速度:1.0m/min.
フィルム厚み :30μm
(6−a)耐着色性
上記方法で作製された単層フィルムを紙管に巻き取り、フィルム端面の着色度を肉眼で以下のように判定した。
判定 : 基準
A:着色なし
B:やや黄変
C:黄変
(6−b)フィッシュアイ・着色ブツ評価
単層製膜開始から2時間後のフィルムをサンプリングし、フィルム中の肉眼で確認できるゲル状ブツを大きさに応じて下記のように分類し、その個数を数えた。ブツの個数を、1.0m2あたりの個数に換算し、以下のように判定した。また、100μm以上のゲル状ブツ10個を任意に選んで顕微鏡で観察し、着色ブツ(黄色〜褐色)の個数を調べた。

フィッシュアイ:
ブツ大 : 100μm以上
ブツ小 : 100μm未満

判定 : 基準
A:10個未満
B:10個以上20個未満
C:20個以上100個未満
D:100個以上500個未満
E:500個以上

着色ブツ:

判定 : 基準
A:着色ブツ無し。
B:着色ブツが1〜3個
C:着色ブツが4個以上
(6−c)60時間ロングラン評価
単層製膜開始から60時間後にフィルムをサンプリングし、フィルム中の肉眼で確認できる100μm以上のゲル状ブツの個数を数えた。ブツの個数を、1.0m2あたりの個数に換算し、以下のように判定した。

判定 : 基準
A:10個未満
B:10個以上20個未満
C:20個以上100個未満
D:100個以上500個未満
E:500個以上
(6−d)120時間ロングラン評価
単層製膜開始から120時間後にフィルムをサンプリングし、フィルム中の肉眼で確認できる100μm以上のゲル状ブツの個数を数えた。ブツの個数を、1.0m2あたりの個数に換算し、以下のように判定した。

判定 : 基準
A:10個未満
B:10個以上20個未満
C:20個以上100個未満
D:100個以上500個未満
E:500個以上
(7)臭気試験
得られた乾燥EVOHペレット10gとイオン交換水10mLを100mLガラス製スクリュー管に投入し、蓋をして密閉した。その後、90℃のセーフベントドライヤー(乾燥機)に入れて15時間加熱抽出した後、30分室温に放置して前記スクリュー管を冷却した。冷却後、スクリュー管の蓋を開け、得られた抽出液の臭気を5人のモニターにより、以下のように評価した。
判定 : 基準
A:臭気が感じられない。
B:僅かな臭気を感じる。
C:臭気が感じられる。
(8)含水EVOHペレットの水分率の測定
METTLER社製HR73ハロゲン水分率分析装置を用いて、乾燥温度180℃、乾燥時間20分、サンプル量約10gの条件でEVOHペレットの水分率を測定した。
[含水ペレットの作製]
ケン化後のEVOH樹脂(エチレン含量31モル%、ケン化度99.9モル%)20kgを、水/メタノール=4/6(重量比)の混合に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させて40重量%のEVOH溶液を得た。次に、撹拌を止めて溶解槽の温度を65℃に下げて5時間放置し、前記のEVOHの水/メタノール溶液の脱泡を行った。そして、直径3.5mmの円形の開口部を有する金板から、5℃の水/メタノール=9/1(重量比)の混合中に押出してストランド状に析出させ、切断することで直径約4mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたEVOHペレットの水分率は50重量%であった。
[含水ペレットの精製]
このようにして得られた含水ペレット5.1kgに50Lの純水を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返した。次に、1g/Lの酢酸水溶液で、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返した。さらに、含水ペレットを50Lのイオン交換水で、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を6回繰り返した。6回目の洗浄を行った後の洗浄液の伝導度を東亜電波工業製CM−30ETで測定した結果、前記洗浄液の伝導度は1.5μS/cmであった。
[金属イオンの添加・乾燥]
次に、0.5mmol/Lの水酸化ナトリウム水溶液30Lに上記含水ペレット3000gを投入し、25℃で5時間、浸漬及び撹拌を行った。5時間浸漬して撹拌を行った後、得られたペレットを直ちに脱液し、引き続いて、純水30Lを加え、撹拌しながら2時間浸漬しては脱液する操作を2回繰り返した。2回目の純水処理後の処理液の伝導度は3.1μS/cmであった。洗浄後、得られたペレットを直ちに脱液し、40℃にて24時間静置後、80℃にて3時間、引き続き120℃にて30時間熱風乾燥を行い、乾燥EVOHペレットを得た。乾燥EVOHペレットのMFRは1.6g/10min.(190℃、2160g荷重下)であった。
[分析・評価]
得られた乾燥EVOHペレット中の熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)はナトリウムイオンのみであり、ナトリウム元素換算で0.8μmol/gであった。95℃の0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)はナトリウムイオンのみであり、ナトリウム元素換算で5.0μmol/gであった。また、前記乾燥EVOHペレット中のリン酸化合物(B)およびカルボン酸(C)はともに検出されず、0μmol/gであった。
得られた乾燥EVOHペレットを用いて、上述の方法に従って単層フィルムを作製し、各種評価を実施した。本実施例のEVOHの耐着色性の評価結果はB判定であった。フィッシュアイの評価結果は、大小ともにA判定であった。着色ブツの数は1個であり、B判定であった。60時間ロングラン性の評価結果はA判定であり、120時間ロングラン性の評価結果はB判定であった。また、得られた乾燥EVOHペレットを用いて、上述の方法に従って臭気試験を行ったところ、5人のモニター全員が臭いを感じず、評価はA判定であった。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
0.5mmol/Lの水酸化ナトリウム溶液に含浸したあと、含水EVOHペレットを純水処理する回数を4回に増やしたことを除いては、実施例1と同様にして乾燥EVOHペレットを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
0.5mmol/Lの水酸化ナトリウム溶液に含浸したあと、含水EVOHペレットを純水処理する回数を6回に増やしたことを除いては、実施例1と同様にして乾燥EVOHペレットを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
実施例1と同様にして得られた洗浄後のEVOHペレットを0.5mmol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液10Lに投入し、さらに吹き込み速度1L/min.で炭酸ガスを吹き込みながら、25℃で6時間、浸漬及び撹拌を行った。6時間浸漬して撹拌を行った後、得られたペレットを直ちに脱液し、引き続いて、純水15Lを加え、撹拌しながら2時間浸漬しては脱液する操作を2回繰り返した。2回目の純水処理後の処理液の伝導度は1.3μS/cmであり、実施例1よりも効率よく伝導度を下げることができた。洗浄後、得られたペレットを直ちに脱液し、40℃にて24時間静置後、80℃にて3時間、引き続き120℃にて30時間熱風乾燥を行い、乾燥EVOHペレットを得た。得られた乾燥ペレットを実施例1と同様にして評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
[含水ペレットの作製]
ケン化後のEVOH樹脂(エチレン含量31モル%、ケン化度99.9モル%)20kgを、水/メタノール=4/6(重量比)の混合に80℃で12時間、撹拌しながら溶解させたて40重量%のEVOH溶液を得た。次に、撹拌を止めて溶解槽の温度を65℃に下げて5時間放置し、前記のEVOHの水/メタノール溶液の脱泡を行った。そして、直径3.5mmの円形の開口部を有する金板から、5℃の水/メタノール=9/1(重量比)の混合溶媒中に押出してストランド状に析出させ、切断することで直径約4mm、長さ約5mmのペレットを得た。得られたEVOHペレットの水分率は53重量%であった。
[含水ペレットの精製]
このようにして得られた含水ペレット2.4kgに24Lの純水を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返した。次に、2.4kgの含水ペレットに対して24Lの1g/Lの酢酸水溶液を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を2回繰り返した。さらに、含水ペレット2.4kgに対して24Lのイオン交換水を加え、25℃で2時間撹拌しながら洗浄しては脱液する操作を6回繰り返した。6回目の洗浄を行った後の洗浄液の伝導度を東亜電波工業製CM−30ETで測定した結果、前記洗浄液の伝導度は1.4μS/cmであった。
[ホウ酸の添加処理]
こうして得られた含水EVOHペレット2.4kg及び濃度0.36g/Lのホウ酸水溶液に入れ、25℃で10時間浸漬し、浸漬後脱液した。
[金属イオンの添加処理・乾燥]
このようにして得られた含水ペレットを実施例4と同様に0.5mmol/Lの炭酸水素ナトリウム水溶液へ吹き込み速度1L/min.で炭酸ガスを吹き込みながら、浸漬処理および純水処理したのち、乾燥することで乾燥EVOHペレットを作製した。乾燥EVOHペレットのMFRは1.8g/10min.(190℃、2160g荷重下)であった。
[分析・評価]
得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様にして各種分析と評価を実施した。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
洗浄後の含水EVOHペレットを浸漬する液を炭酸水素カリウム1.0mmol/L、リン酸二水素カリウム2.2mmol/Lとし、吹き込み速度1L/min.で炭酸ガスを吹き込んだこと以外は実施例5と同様にして乾燥EVOHペレットを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。評価の際、リン酸化合物(B)は、検出されず0μmol/gであった。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
実施例7
洗浄後の含水EVOHペレットを浸漬する液を酢酸マグネシウム2.5mmol/L、炭酸水素ナトリウム1.0mmol/L水溶液としたことを除いては、実施例1と同様して同様にして乾燥EVOHペレットを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
実施例8
洗浄後の含水EVOHペレットを浸漬する液を次亜リン酸カルシウム2.0mmol/L水溶液としたことを除いては、実施例1と同様して同様にして乾燥EVOHペレットを作製し、実施例1と同様にして評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
比較例1
実施例1と同様にして得られた洗浄後の含水ペレット3000gを、酢酸8.0mmol/L、酢酸ナトリウム4.0mmol/Lを含有する水溶液30Lに、25℃で6時間浸漬して撹拌した。その後、純水処理を行うことなく脱液し、40℃にて24時間静置後、80℃にて3時間、引き続き120℃にて30時間熱風乾燥を行い、乾燥EVOHペレットを得た。得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様に各種の評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
比較例2
0.5mmol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するまでは実施例1と同様に含水ペレットを処理し、その後、1度も純水処理をすることなく、直ちに、実施例1と同様の条件で含水ペレットを乾燥した。得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様に各種の評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
比較例3
炭酸水素カリウムの濃度を0.1mmol/L、リン酸二水素カリウムの濃度を2.2mmol/Lとしたことを除いては、実施例6と同様に含水ペレットを処理し、その後、1度も純水処理をすることなく、直ちに、実施例1と同様の条件で含水ペレットを乾燥した。得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様に各種の評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
比較例4
2.0mmol/Lの次亜リン酸カルシウム水溶液に浸漬するまでは実施例8と同様に含水ペレットを処理し、その後、1度も純水処理をすることなく、直ちに、実施例1と同様の条件で含水ペレットを乾燥した。得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様に各種の評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
比較例5
酢酸8.0mmol/L、酢酸ナトリウム4.0mmol/Lを含有する水溶液に浸漬するまでは比較例1と同様に含水ペレットを処理した。脱液後、含水ペレットに純水15Lを加え、2時間浸漬・攪拌しては脱液する操作を6回繰り返した。6回目の純水処理後の処理液の伝導度は1.2μS/cmであった。得られたペレットを直ちに脱液し、40℃にて24時間静置後、80℃にて3時間、引き続き120℃にて30時間熱風乾燥を行い、乾燥EVOHペレットを得た。得られた乾燥ペレットを用いて、実施例1と同様に各種の評価を行った。乾燥EVOH樹脂組成物の組成を表2に、評価結果を表3にそれぞれ示す。
以上の評価結果から明らかなように、実施例1〜8においては、フィッシュアイや着色ブツの少なく、溶融成形性および局所的な耐劣化性に優れたEVOH樹脂組成物が得られた。特に熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A)の量が少なく、リン酸化合物(B)やカルボン酸(C)の含有量が少ない実施例3〜6については、特に優れた溶融成形性および局所的な耐劣化性を有している。さらに、ホウ酸を含有する実施例およびは、溶融成形性および局所的な耐劣化性に加えてロングラン性にも優れている。
Figure 0004954514
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Claims (4)

  1. 少なくとも一種類以上の金属イオン(A)を含有するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物であり、熱水に浸漬処理して抽出される金属イオン(A1)が金属元素換算で1.0μmol/g以下であり、0.01規定の塩酸水溶液に浸漬処理して抽出される金属イオン(A2)が金属元素換算で0.5〜10μmol/gであり、前記金属イオン(A1)と前記金属イオン(A2)との関係において、次式(1)を満たすエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物であって、

    0 ≦a1/(a2−a1)< 0.40 ・・・(1)

    前記(A1)の含有量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の粉末10gを水50mLに投入し、95℃の熱水に10時間加熱抽出して得られた抽出液についてICP発光分光分析により定量される金属イオンの含有量(μmol/g)であり、
    前記(A2)の含有量は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物の粉末10gを0.01規定の塩酸水溶液50mLに投入し、95℃で10時間撹拌、加熱抽出して得られた抽出液についてICP発光分光分析により定量される金属イオンの含有量(μmol/g)であり、
    前記a1は金属イオン(A1)の含有量(μmol/g)であり、
    前記a2は金属イオン(A2)の含有量(μmol/g)である、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物
  2. エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物中のリン酸化合物(B)の含有量がリン元素換算で0.5μmol/g以下である請求項1に記載のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物。
  3. エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物中のカルボン酸(C)の含有量がカルボン酸根換算で1.0μmol/g以下である請求項1又は2に記載のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物。
  4. エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物が更にホウ素化合物(D)を含み、(D)の含有量がホウ素元素換算で1〜200μmol/gである請求項1〜いずれかに記載のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂組成物。
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