JP2018100048A - 乗物用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイドフレームの機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレームの軽量化を図ることが可能な乗物用シートを提供する。
【解決手段】 閉断面部12Aを有するサイドフレーム本体12がサイドフレーム11の上端側からリクライナ20まで延びているとともに、補強部材13の一部が閉断面部12A内に挿入された状態でサイドフレーム本体12に固定されている。これにより、サイドフレーム11のリクライナ20側の機械的強度は、サイドフレーム本体12と補強部材13との合成強度となる。したがって、サイドフレーム11の機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレーム11の軽量化を図ることが可能な乗物用シート1を得ることが可能である。
【選択図】 図8

Description

本願は、自動車、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシートに関する。
例えば、特許文献1に記載の乗物用シートのバックフレームに採用されているサイドフレームは、矩形状の閉断面を有するタワーフレーム内に補強部材を成すインサートブレースが配設されている。
バックフレームは、着席者の背部を支持するための骨格であって、バックパッド等と共にシートバックを構成する。サイドフレームは、バックフレームのシート幅方向端部側において略上下方向に延びるタワー状のフレームである。
特開2002−283892号公報
特許文献1に記載のサイドフレームでは、補強部材がタワーフレームの長手方向全域に亘って延びている。このため、サイドフレームの質量が大きくなってしまう。
本願は、上記点に鑑み、サイドフレームの機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレームの軽量化を図ることが可能な乗物用シートを提供する。
本願に係るバックフレーム(5)に設けられたサイドフレーム(11)は、閉断面に構成された閉断面部(12A)を有するとともに、当該サイドフレーム(11)の上端側からリクライナ(20)まで延びるサイドフレーム本体(12)、並びにサイドフレーム本体(12)の延び方向一端と延び方向他端との間の部位からリクライナ(20)まで延びる補強部材(13)であって、少なくとも一部が閉断面部(12A)内に挿入された状態でサイドフレーム本体(12)に固定された補強部材(13)を有して構成されている。
ところで、サイドフレーム(11)に作用する曲げモーメント等の作用力は、当該サイドフレーム(11)の根元側である下端側、つまりリクライナ(20)側が最も大きくなる。したがって、リクライナ(20)側において必要な機械的強度(以下、必要強度という。)を確保可能であれば、サイドフレーム(11)全体としても必要強度を確保できる。
そして、本願に係る補強部材(13)は、サイドフレーム本体(12)の延び方向一端と延び方向他端との間の部位(以下、中間部位という。)からリクライナ(20)まで延びているので、サイドフレームの機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレームの軽量化を図ることが可能である。
すなわち、サイドフレーム(11)のリクライナ(20)側の機械的強度は、サイドフレーム本体(12)と補強部材(13)との合成強度となる。これに対して、仮に、リクライナ(20)側の機械的強度を補強部材のみで確保する構成(以下、接合フレームともいう。)では、補強部材及びサイドフレーム本体を有効に活用できず、軽量化を図ることが難しい。
つまり、接合フレームでは、サイドフレーム本体は上端から中間部まで延び、中間部位で補強部材とサイドフレーム本体とが接合された構成となる。したがって、接合フレームにおいては、補強部材のみで必要強度を確保する必要がある。そして、補強部材とサイドフレーム本体(12)との接合箇所では、2つの部材が重なった状態となるので、当該接合箇所の機械的強度が必要以上に大きくなってしまう。
さらに、接合強度を確保するためには、補強部材とサイドフレーム本体(12)とが重なる部分(以下、接合代という。)を確保する必要がある。つまり、当該接合代の部分は、機械的強度が必要以上に大きくなってしまうので、補強部材及びサイドフレーム本体を有効に活用できず、軽量化を図ることが難しい。
なお、接合フレームにおいて、補強部材がサイドフレーム本体の外側に配設された構成であると、サイドフレーム本体のうち補強部材の端部に当接している箇所において、大きな応力集中が発生し易い。
しかし、本願のように、補強部材(13)の少なくとも一部が閉断面部(12A)内に挿入された構成であると、補強部材がサイドフレーム本体の外側に配設された接合フレームに比べて大きな応力集中が発生し難い。
以上のように、本願では、サイドフレームの機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレームの軽量化を図ることが可能な乗物用シートを得ることが可能である。
なお、サイドフレーム本体(12)の中間部位とは、サイドフレーム本体(12)の長手方向中央、つまり長手方向寸法の1/2の部位のみを意図するものではなく、サイドフレーム本体(12)の長手方向中央、又は当該中央からずれた部位も含む意味である。
本願は、以下のように構成してもよい。
すなわち、補強部材(13)、サイドフレーム本体(12)及びリクライナ(20)が互いに固定されていることが望ましい。
これにより、サイドフレーム(11)に作用する曲げモーメント等が最も大きくなる部位、つまりサイドフレーム(11)のリクライナ(20)側において、補強部材(13)、サイドフレーム本体(12)及びリクライナ(20)が互いに固定された構成となる。したがって、サイドフレーム(11)の機械的強度を高めることができる。
なお、上記においては、補強部材(13)、サイドフレーム本体(12)及びリクライナ(20)は、溶接にて互いに固定されて一体化していることが望ましい。
補強部材(13)のうち閉断面部(12A)に挿入された挿入部(13A)には、当該閉断面部(12A)の内壁と接触した接触部(13B)、及び当該内壁から離間した非接触部(13C、13D)が設けられていてもよい。これにより、補強部材(13)の軽量化を図ることが可能となる。
なお、仮に、補強部材(13)がサイドフレーム本体(12)の外側に固定された構成であると、補強部材(13)の外形寸法がサイドフレーム本体(12)の外形寸法に拘束されるため、補強部材(13)の小型化、つまり軽量化を図ることが難しい。
補強部材(13)のうち閉断面部(12A)に挿入された挿入部(13A)には、当該閉断面部(12A)の内壁と接触した接触部(13B)、及び当該接触部(13B)から突出した壁状のフランジ部(13C、13D)が設けられていることが望ましい。これにより、補強部材(13)の軽量化を図りながら、当該補強部材(13)の剛性を高めることができる。
さらに、シート幅方向に延びてサイドフレーム本体(12)及び補強部材(13)の上端側を貫通する梁部材(22)を備えることが望ましい。これにより、補強部材(13)の上端側をサイドフレーム本体(12)に強固に結合でき得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る乗物用シート1の骨格構造を示す図である。 本発明の実施形態に係る乗物用シート1の骨格構造を示す図である。 本発明の実施形態に係るサイドフレーム11の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るサイドフレーム本体12の斜視図である。 本発明の実施形態に係る補強部材13の斜視図である。 図2のA−A断面図である。 図2のB−B断面図である。 図7のC−C断面図である。 図8のD−D断面図である。
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「1つの」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には当該部材が2以上設けられていてもよい。
(第1実施形態)
本実施形態は、乗用車の後部シートに本発明を適用したものである。本実施形態では、図1に示すように、後部シート用の乗物用シート1は、サイドシート1A及びセンタシート1Bを有している。
サイドシート1Aは、乗物用シート1のうち車両幅方向一端側(本実施形態では、右端側)の乗物用シート部分をいう。センタシート1Bはサイドシート1Aに隣接する乗物用シート部分をいう。
そして、サイドシート1Aの骨格構造部とセンタシート1Bの骨格構造部とは一体化されている。なお、以下の説明における方向は、本実施形態に係る乗物用シートを車両に組み付けた状態における方向を意味する。
1.乗物用シートの概要
乗物用シート1の骨格構造体は、図2に示すように、クッションフレーム3及びバックフレーム5等を有して構成されている。クッションフレーム3は、着席者の臀部を支持するためのフレームである。バックフレーム5は、着席者の背部を支持するためのフレームである。
なお、本実施形態に係るクッションフレーム3は、サイドシート1A用の第1クッションフレーム部3A、及びセンタシート1B用の第2クッションフレーム部3Bが一体化されたフレームである。
同様に、バックフレーム5は、サイドシート1A用の第1バックフレーム部5A、及びセンタシート1B用の第2バックフレーム部5Bが一体化されたフレームである。本実施形態に係るバックフレーム5は、略上下方向に延びるタワー状のサイドフレーム7、9、11を少なくとも有している。
サイドフレーム7、9は、バックフレーム5のシート幅方向両端側それぞれに配設されている。すなわち、サイドフレーム7は第1バックフレーム部5Aのシート幅方向一端側に配設され、サイドフレーム9は第2バックフレーム部5Bのシート幅方向他端側に配設されている。
なお、本実施形態に係るシート幅方向は、車両幅方向(左右方向)と一致する。つまり、サイドフレーム7は第1バックフレーム部5Aの右端側に配設され、サイドフレーム9は、第2バックフレーム部5Bの左端側に配設されている。
サイドフレーム11は、第1バックフレーム部5Aのシート幅方向他端、つまり第2バックフレーム部5Bのシート幅方向一端側に配設され、かつ、第1バックフレーム部5A用の左端側サイドフレームと第2バックフレーム部5B用の右端側サイドフレームを兼ねている。
そして、本実施形態では、サイドフレーム11に本願に係るサイドフレームを適用している。なお、サイドフレーム11の詳細構造は後述する。各サイドフレーム7、9、11、つまりバックフレーム5は、クッションフレーム3に対して揺動(リクライニング)可能に当該クッションフレーム3に連結されている。
具体的には、第1バックフレーム部5Aを構成するサイドフレーム7、11それぞれは、当該サイドフレーム7、11の下端側においてリクライナ20、21を介してクッションフレーム3、つまり第1クッションフレーム部3Aに連結されている。
リクライナ20、21は、バックフレーム5をクッションフレーム3に対して揺動可能とするとする場合と揺動不可とする場合とを切り替える機能を少なくとも有する。なお、本実施形態に係るリクライナ20、21は、手動式のリクライナである。
第2バックフレーム部5Bのサイドフレーム9は、当該サイドフレーム9の下端側においてクッションフレーム3、つまり第2クッションフレーム部3Bに連結されている。なお、本実施形態に係るサイドフレーム9は、リクライナを介さずに第2クッションフレーム部3Bの左端側に揺動可能に連結されている。
サイドフレーム7、11の延び方向中間部には、第1補強ビーム22が設けられている。第1補強ビーム22は、シート幅方向に延びてサイドフレーム7とサイドフレーム11とを連結する。ロアパネル23は、サイドフレーム7の下端側とサイドフレーム11の下端側とを連結する。
サイドフレーム7、11の延び方向中間部とは、サイドフレーム7、11の延び延び方向一端(上端)と延び方向他端(下端)との間の部位であって、サイドフレーム7、11の延び方向中央(1/2の部位)のみを意図するものではない。
なお、本実施形態に係るサイドフレーム7、11は、ロアアーム3Cを介してクッションフレーム9に連結される。ロアアーム3Cは、下端側がクッションフレーム3に連結固定され、上端側がリクライナ20、21に連結固定される。
サイドフレーム9、11の延び方向一端(上端)と延び方向他端(下端)との間であって、第1補強ビーム22より低い位置には、第2補強ビーム24が設けられている。第2補強ビーム24は、シート幅方向に延びてサイドフレーム9とサイドフレーム11とを連結する。
第1補強ビーム22には、センタシート1B用のシートベルトを巻き取るためのリトラクタ30が連結されている。このため、当該シートベルトに作用する張力による荷重は、第1補強ビーム22を介してサイドフレーム9、11に伝達される。
2.サイドフレーム11の構造
2.1 サイドフレーム11の概要
サイドフレーム11は、図3に示すように、サイドフレーム本体12及び補強部材13等を有して構成されている。
サイドフレーム本体12は、サイドフレーム11の上端側からリクライナ20まで延びるとともに、図4に示すように、閉断面に構成された閉断面部12Aを有する筒状の部材である。
本実施形態に係る閉断面部12Aは、図7に示すように、略矩形状の閉じた曲線を描く閉断面である。なお、閉断面部12A、つまりサイドフレーム本体12は、1枚の金属板が折り曲げられて閉断面形状に成形された後、当該金属板の合わせ面が溶接又はリベット等により接合されている。
補強部材13は、図8に示すように、サイドフレーム本体12の延び方向一端(上端)と延び方向他端(下端)との間の部位(以下、中間部位という。)からリクライナ20まで延びる部材である。
補強部材13は、図6に示すように、少なくとも一部が閉断面部12A内に挿入された状態でサイドフレーム本体12に固定されている。以下、補強部材13のうち閉断面部12Aに挿入された部分を挿入部13Aという。補強部材13のうち閉断面部12Aの内壁12Bと接触した板面状の部位を接触部13Bという。
補強部材13は、サイドフレーム本体12より厚み寸法が大きい金属板に構成された部材である。そして、挿入部13Aには、図5に示すように、接触部13Bから突出した壁状の一対のフランジ部13C、13Dが設けられている。
一対のフランジ部13C、13Dは、補強部材13の延び方向に沿って挿入部13A全域に延びた突条である。各フランジ部13C、13Dは、接触部13Bの幅方向端部に設けられている。
幅方向とは、接触部13Bの板面と平行な方向であって、補強部材13の延び方向と略直交する方向である。なお、本実施形態に係る補強部材13は、接触部13B及び一対のフランジ部13C、13Dがプレス加工等により一体成形された一体成形品である。
一対のフランジ部13C、13Dは、図6に示すように、閉断面部12Aの内壁12Cから離間し、各フランジ部13C、13Dと内壁12Cとの間には空隙12Dが設けられている。
つまり、一対のフランジ部13C、13Dは非接触部の一例である。なお、上記の空隙部12Dは、各フランジ部13C、13Dが設けられた範囲、つまり補強部材13の延び方向に沿って挿入部13A全域に亘って設けられている。
2.2 サイドフレーム本体12と補強部材13との固定構造
サイドフレーム本体12と補強部材13とは、図9に示すように、少なくともリクライナ20が装着される下端部において互いに固定されている。つまり、補強部材13、サイドフレーム本体12及びリクライナ20の少なくとも3つの部材が互いに固定されている。
本実施形態では、補強部材13、サイドフレーム本体12及びリクライナ20は、溶接にて互いに固定されて一体化されている。すなわち、リクライナ20のハウジングには、複数の突起状のボス部20Aが設けられている。各ボス部20Aは、図3に示すように、リクライナ20の揺動中心を中心とする円周上に等間隔で設けられている。
サイドフレーム本体12及び補強部材13それぞれの下端側には、各ボス部20Aが嵌り込み可能な複数の貫通穴12E、13Eが設けられている。そして、図9に示すように、各ボス部20Aが各貫通穴12E、13Eを貫通した状態で各貫通穴12E、13Eと外縁部及びその周囲と各ボス部20Aとが溶接にて一体化されている。
なお、複数の貫通穴12E、13Eが描く円の中心に設けられた貫通穴12F、13F(図3参照)は、リクライナ20とリクライナ21と連動させるための連結ロッド(図示せず。)が挿入される穴である。
サイドフレーム本体12の中間部位と補強部材13の上端側とは、図6に示すように、梁部材の一例である第1補強ビーム22を介して連結されている。すなわち、サイドフレーム本体12には、第1補強ビーム22が貫通可能な貫通穴12G(図4参照)が設けられている。補強部材13には、第1補強ビーム22が貫通可能な貫通穴13G(図5参照)が設けられている。
そして、第1補強ビーム22は、貫通穴12G、13Gを貫通した状態で溶接又はカシメ等の固定構造によりサイドフレーム本体12及び補強部材13に固定されている。なお、本実施形態では、図6に示すように、円筒状のスリーブ22Aが貫通穴12G、13Gに貫通装着され、当該スリーブ22Aに第1補強ビーム22が挿入されている。
なお、本実施形態では、補強部材13の接触部13Bとサイドフレーム本体12の内壁12Bとは、中間部位と下端との間の箇所において直接的に溶接接合されている。
3.本実施形態に係る乗物用シート(特に、サイドフレーム11)の特徴
本実施形態では、閉断面部12Aを有するサイドフレーム本体12がサイドフレーム11の上端側からリクライナ20まで延びているとともに、補強部材13の一部が閉断面部12A内に挿入された状態でサイドフレーム本体12に固定されている。
サイドフレーム11に作用する曲げモーメント等の作用力は、当該サイドフレーム11の根元側である下端側、つまりリクライナ20側が最も大きくなる。したがって、リクライナ20側において必要強度を確保可能であれば、サイドフレーム11全体としても必要強度を確保できる。
そして、本実施形態に係る補強部材13は、サイドフレーム本体12の中間部位からリクライナ20まで延びているので、サイドフレーム11の機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレーム11の軽量化を図ることが可能である。
すなわち、サイドフレーム11のリクライナ20側の機械的強度は、サイドフレーム本体12と補強部材13との合成強度となる。これに対して、仮に、リクライナ20側の機械的強度を補強部材のみで確保する構成、つまり、中間部位で補強部材とサイドフレーム本体12と接合した構成の接合フレームでは、補強部材及びサイドフレーム本体を有効に活用できず、軽量化を図ることが難しい。
つまり、接合フレームにおいては、補強部材のみでリクライナ20側の必要強度を確保する必要がある。このため、補強部材とサイドフレーム本体12との接合箇所では、2つの部材が重なった状態となるので、当該接合箇所の機械的強度が必要以上に大きくなってしまう。
一方、接合強度を確保するためには、補強部材とサイドフレーム本体12との接合代を確保する必要がある。つまり、当該接合代の部分は、機械的強度が必要以上に大きくなってしまうので、補強部材及びサイドフレーム本体を有効に活用できず、軽量化を図ることが難しい。
なお、接合フレームにおいて、補強部材がサイドフレーム本体の外側に配設された構成であると、サイドフレーム本体のうち補強部材の端部に当接している箇所において、大きな応力集中が発生し易い。
しかし、本実施形態のように、補強部材13の一部が閉断面部12A内に挿入された構成であると、補強部材がサイドフレーム本体の外側に配設された接合フレームに比べて大きな応力集中が発生し難い。
以上のように、本実施形態では、サイドフレーム11の機械的強度を大きく低下させることなく、サイドフレーム11の軽量化を図ることが可能な乗物用シート1を得ることが可能である。
補強部材13、サイドフレーム本体12及びリクライナ20が互いに固定されている。これにより、サイドフレーム11に作用する曲げモーメント等が最も大きくなる部位、つまりサイドフレーム11のリクライナ20側において、補強部材13、サイドフレーム本体12及びリクライナ20が互いに固定された構成となる。したがって、サイドフレーム11の機械的強度を高めることができる。
補強部材13の挿入部13Aには、閉断面部12Aの内壁12Bと接触した接触部13B、及び内壁12Cから離間した非接触部13C、13Dが設けられている。これにより、補強部材13の軽量化を図ることが可能となる。
なお、仮に、補強部材13がサイドフレーム本体12の外側に固定された構成であると、補強部材13の外形寸法がサイドフレーム本体12の外形寸法に拘束されるため、補強部材13の小型化、つまり軽量化を図ることが難しい。
挿入部13Aには、接触部13Bから突出した壁状のフランジ部13C、13Dが設けられている。これにより、補強部材13の軽量化を図りながら、当該補強部材13の剛性を高めることができる。
シート幅方向に延びてサイドフレーム本体12及び補強部材13の上端側を貫通する第1補強ビーム22を備える。これにより、補強部材13の上端側をサイドフレーム本体12に強固に結合でき得る。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、補強部材13、サイドフレーム本体12及びリクライナ20は、溶接にて互いに固定されて一体化されていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、カシメやボルト等の機械的締結具により各部材を一体化してもよい。
上述の実施形態に係る閉断面部12Aは矩形断面形状であった。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、円、楕円及び長円等の閉曲線形状であってもよい。
上述の実施形態では、補強部材13の挿入部13Aには、閉断面部12Aの内壁12Bと接触した接触部13B、及び内壁12Cから離間した非接触部13C、13Dが設けられていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、各フランジ部13C、13Dが内壁12Cに接触した構成であってもよい。
上述の実施形態では、接触部13Bの幅方向両側にフランジ部13C、13Dが設けられていた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、いずれか一方のみにフランジ部が設けられた構成、又はフランジ部13C、13Dが設けられていない構成であってもよい。
上述の実施形態では、第1補強ビーム22がサイドフレーム本体12及び補強部材13の上端側を貫通していた。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、第1補強ビーム22が廃止された構成、又は第1補強ビーム22がサイドフレーム本体12及び補強部材13の下端側を貫通した構成等であってもよい。
上述の実施形態では、車両後部シートに本発明に係るサイドフレームを適用した。しかし、本願明細書に開示された発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、サイドシート1A専用のサイドフレーム、センタシート1B専用のサイドフレーム、又は前席用のサイドフレームにも適用できる。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてもよい。
1… 乗物用シート 3… クッションフレーム 5… バックフレーム
7、9、11… サイドフレーム 12… サイドフレーム本体
12A… 閉断面部 13… 補強部材 13A… 挿入部
13B… 接触部 13C… フランジ部 20、21… リクライナ
22… 第1補強ビーム

Claims (6)

  1. 乗物に搭載される乗物用シートにおいて、
    略上下方向に延びるサイドフレームを有するとともに、着席者の背部を支持するためのバックフレームと、
    前記サイドフレームの下端側に連結され、前記バックフレームを揺動可能とするためのリクライナとを備え、
    前記サイドフレームは、
    閉断面に構成された閉断面部を有するとともに、当該サイドフレームの上端側から前記リクライナまで延びるサイドフレーム本体、並びに
    前記サイドフレーム本体の延び方向一端と延び方向他端との間の部位から前記リクライナまで延びる補強部材であって、少なくとも一部が前記閉断面部内に挿入された状態で前記サイドフレーム本体に固定された補強部材
    を有して構成されている乗物用シート。
  2. 前記補強部材、前記サイドフレーム本体及び前記リクライナが互いに固定されている請求項1に記載の乗物用シート。
  3. 前記補強部材、前記サイドフレーム本体及び前記リクライナは、溶接にて互いに固定されて一体化している請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記補強部材のうち前記閉断面部に挿入された挿入部には、当該閉断面部の内壁と接触した接触部、及び当該内壁から離間した非接触部が設けられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  5. 前記補強部材のうち前記閉断面部に挿入された挿入部には、当該閉断面部の内壁と接触した接触部、及び当該接触部から突出した壁状のフランジ部が設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
  6. シート幅方向に延びて前記サイドフレーム本体及び前記補強部材の上端側を貫通する梁部材を備える請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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