JP2018099651A - ワイピングテープ、およびその製造方法 - Google Patents

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博美 宝田
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俊彦 八木
剛直 重弘
Takenao Shigehiro
剛直 重弘
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Abstract

【課題】高い拭き取り性能と、緯糸方向の寸法安定性を有するワイピングテープ、およびその製造方法を提供する。【解決手段】単繊維繊度が0.1〜3.0デシテックスであるポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.1〜1.0デシテックスのポリエステル系繊維とを含む割繊型極細繊維を経糸に有し、単繊維繊度0.5〜3.0デシテックスのマルチフィラメント糸を緯糸に有する織幅20mm以下の織物であって、経糸方向のカバーファクターが3000以上、かつ経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000であるワイピングテープ。【選択図】なし

Description

本発明は、ワイピングテープ、およびその製造方法に関するものである。
多様な形状を有するノズルヘッドや電子機器部品においては、表面にできる油膜や塵などの汚れの有無は性能に重大な影響を及ぼす。そのため、これら部品表面に対して拭取り工程が設けられることが多い。そこで、汚れの拭き取り効果が高い極細繊維を用いたワイピングクロスが種々提案されている。
例えば、ワイピングクロスをテープ状とし、ワイピングで汚染されたクロス面が未使用のクロス面に更新されるように、テープを随時巻き取りながらワイピング処理する方式がとられることがある。このように、クロスをテープ状とするためには、広幅布帛を細く裁断して用いられることが多い。しかし、布帛をカットする場合、ほつれやすく、またカット端から繊維屑が発生し、この繊維屑が被ワイピング面を汚してしまう。
そこで、特許文献1では、このカットテープに関して、両端をほつれ防止のためにヒートカットすることで、繊維屑による発塵を押さえられるとしている。
また、特許文献2では、このような問題が発生しないように、広幅織物をカットするのではなく、所定の幅に編織したワイピングテープを用いることによって、拭き取り性能が向上し、発塵も少ないということが開示されている。
特開平11−276398号公報 特開2004−204384号公報
しかしながら、特許文献1のカットテープでは、ヒートカットやレーザーカットは、カット端が溶融して硬くもろい塊状になることで、被ワイピング面を傷付け、あるいはカット端が盛り上がることで被ワイピング面とテープとの密着性を損なうといった問題が発生しがちである。
また、特許文献2のワイピングテープでは、細幅織物でワイピングテープを作成しようとした場合に、分割割繊糸を用い、更に表面の糸密度を高めるために糸の収縮を利用すると、生機テープに比べて加工後のテープの幅が著しく変化することが多い。これは、従来、分割割繊型複合糸を用いる場合、テープの緯糸として用い、その中のポリアミド繊維を収縮させるため、結果としてテープの緯糸方向が収縮することによる。なぜならば、一般的に、経糸方向の糸を収縮させると、加工中に織物の長さが著しく変化することから、織物の割繊糸分割および収縮加工工程で工程通過性が悪く、また、長さ方向の収縮率が不安定になることが多いからである。
しかし、精密機器部品類のワイピングでは、種々多様な形状の部品においてワイピングの必要な部分が非常に限定的な場合があり、またあるいは、部品表面に形状的な制限があって、ワイピングしたい部分にテープを接触させるためにはテープの幅が限定される場合がある。そのようなときには、テープの緯糸方向が設計された目標寸法通りに仕上がることが重要となるが、緯糸方向の収縮率が不安定な状態では、目標の幅を達成出来ないトラブルが起こりやすい。
したがって、これまで、精密部品に対して拭き取り性能が高く、かつ緯糸方向の寸法安定性の高いテープを得ることは難しい状況であった。
本発明の課題は、上記のような従来技術の問題点を解決することにある。
すなわち、本発明の目的は、高い拭き取り性能と、緯糸方向の寸法安定性を有するワイピングテープ、およびその製造方法を提供することである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、
(1)単繊維繊度が0.1〜3.0デシテックスであるポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.1〜1.0デシテックスのポリエステル系繊維とを含む割繊型極細繊維を経糸に有し、単繊維繊度0.5〜3.0デシテックスのマルチフィラメント糸を緯糸に有する織幅20mm以下の織物であって、経糸方向のカバーファクターが3000以上、かつ経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000であるワイピングテープ。
(2)織り組織が綾織りである、上記(1)に記載のワイピングテープ。
(3)経糸からなる第一の経糸層と、緯糸を含む緯糸層と、経糸からなる第二の経糸層とをこの順に有し、第一の経糸層と第二の経糸層の少なくとも一方の厚みが0.1〜0.7mmである、上記(1)または(2)に記載のワイピングテープ。
(4)長さ方向に張力をかけて2%伸長させたときの厚みと、張力をかけないときの厚みとの差が、張力をかけないときの厚みに対して10%以上である、上記(1)から(3)のいずれかに記載のワイピングテープ。
(5)23.5kPaの荷重をかけたときの厚みが、0.7kPaの荷重をかけたときの厚みの90%以下である、上記(1)から(4)のいずれかに記載のワイピングテープ。
(6)上記(1)から(5)のいずれかに記載のワイピングテープを製造する方法であって、製織後に、経糸に含まれるポリアミド系繊維を収縮させることにより、ワイピングテープの経糸方向長さが収縮前と比較して85%以下となるワイピングテープの製造方法。
(7)生機の緯糸方向の織幅に対するワイピングテープの緯糸方向の織幅の収縮率が、10%未満である、上記(6)に記載のワイピングテープの製造方法。
本発明のワイピングテープは、高い拭き取り性能と、緯糸方向の寸法安定性を有する。また、本発明のワイピングテープの製造方法により、高い拭き取り性能と、緯糸方向の寸法安定性を有する本発明のワイピングテープを製造することができる。
拭き取り評価用フィルムの形状を示した模式断面図である。 拭き取り評価用フィルムの形状を示した模式上面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のワイピングテープは、単繊維繊度が0.1〜3.0デシテックスであるポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.1〜1.0デシテックスのポリエステル系繊維とを含む割繊型極細繊維を経糸に有し、単繊維繊度0.5〜3.0デシテックスのマルチフィラメント糸を緯糸に有する織幅20mm以下の織物であって、経糸方向のカバーファクターが3000以上、かつ経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000である。
本発明において、割繊型極細繊維とは、単繊維にポリアミド系ポリマーとポリエステル系ポリマーを含む複合紡糸繊維が、ポリアミド系ポリマーとポリエステル系ポリマーの界面で分割されることで極細化されたものをいう。極細繊維が割繊型極細繊維であるか否かの判定は以下のようにして行うことができる。すなわち、割繊型極細繊維は、上述のとおり、特性の異なる2種類以上のポリマーを複合紡糸し、ポリマー同士の接する界面での剥離を利用して極細化するため、三角断面や星形、あるいは扁平な短冊形などの異形断面となる。そのため、ポリマーの鑑別とSEMや光学顕微鏡での繊維断面観察を行えば、割繊型極細繊維であるか否かを容易に判定することが出来る。極細繊維の断面が、通常海島型複合紡糸繊維から得られる円形ではなく、このように異形であると、拭き取り面に対して、繊維がより鋭角に接触し、よごれを掻き取る効果が高い利点がある。
本発明のワイピングテープは、単繊維繊度が0.1〜3.0デシテックスであるポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.1〜1.0デシテックスのポリエステル系繊維とを含む割繊型極細繊維を経糸に有する。前記ポリアミド系繊維の単繊維繊度が0.1デシテックス未満であると、収縮による経糸層の形成が不十分となる。また、前記ポリアミド系繊維の単繊維繊度が3.0デシテックスを超えるとポリエステル極細繊維の拭き取り性能を損なう。また、本発明のワイピングテープは、主にポリエステル系繊維により汚れを拭き取る。前記ポリエステル系繊維の単繊維繊度が0.1デシテックス未満であると細すぎて汚れを取り込むことが出来ない。また、前記ポリエステル系繊維の単繊維繊度が1.0デシテックスを超えると、十分な拭き取り性能を発揮することが出来ない。
本発明において、経糸中における割繊型極細繊維の質量比率は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。割繊型極細繊維の質量比率が前記範囲であれば、ポリアミド系繊維を収縮させた場合に、ポリエステル系極細繊維の密度が高くなりやすい。
本発明において、分割される前の複合紡糸繊維の断面形状は特に限定するものではなく、多重並列型や、花びらあるいは星形などの放射型等、任意の形状のものを用いれば良いが、加工工程で収縮させるポリアミド系繊維部分よりも、ループ状糸となって織物表面で拭き取り性能を担うポリエステル系繊維が多本数に分割され極細化する方が、より極細繊維をテープ表面に高密度化出来、性能の高いワイピングクロスが得られる。したがって、繊維の中心に星形にポリアミド成分があり、その周囲を多数のポリエステル成分が取り囲む星形放射形状が特に好ましく用いられる。
また、本発明において、複合紡糸繊維は、生糸でも良いが、加工糸を用いても良い。加工糸としては、仮撚り加工糸、エアー交絡糸や撚糸された糸であってもよい。
本発明のワイピングテープは、単繊維繊度0.5〜3.0デシテックスのマルチフィラメント糸を緯糸に有する。前記マルチフィラメント糸の素材については特に限定するものではないが、経糸のポリアミド系繊維を収縮させる処理を行うため、緯糸についてはポリエステルやポリプロピレン、レーヨンなど、ポリアミド系以外の繊維を用いることが好ましい。また、ポリアミド系以外の繊維であっても、熱収縮繊維や本発明のワイピングテープの経糸に用いられる割繊型極細繊維などの、緯糸方向の寸法安定性を損なう繊維を緯糸に用いないことが好ましい。前記割繊型極細繊維を緯糸に用いる場合、緯糸方向の寸法安定性に影響を与えないためには、緯糸中の割繊型極細繊維の質量比率は、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。
本発明のワイピングテープは、織幅20mm以下の織物である。広幅の編織物をレーザーや熱、超音波等でカットしてテープ化するのではなく、細幅織機を用いて、20mm以下の任意の細幅に製織することでテープとなすことにより、テープの両耳から繊維屑や溶融屑が発生することがなく、これらの異物により被ワイピング物を汚染したり、また、溶融端の盛り上がりで拭き取り性能を損なうこともない。また、テープの織幅を20mm以下とすることにより、微細な精密部品のワイピングが可能で、かつテープ幅の寸法安定性を保つことができる。更に好ましくは10mm以下であれば、微細な特定領域をワイピングするのに、より厳密な幅寸法を得ることが出来る。
本発明のワイピングテープは、経糸方向のカバーファクターが3000以上、かつ経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000である。極細繊維が経糸方向にカバーファクター3000以上の高密度で並列していることにより、高いワイピング効果が得られる。更に、経糸中のポリアミドの収縮により緯糸の密度が上がると、経糸緯糸および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000の織物となる。その結果、ワインピングテープ表面は、更に高密度でループ状の極細繊維が並列した状態となるため、被ワイピング物の拭き残りがない良好な性能が得られるのである。しかも、このように高密度であれば、経糸方向の収縮は、その糸密度により収縮量が制限されるため、収縮が一定の範囲に押さえられ、収縮率が安定し、また工程通過性が良好になる。また、カバーファクターの和が7000を超えると、織物として高密度過ぎるために製織性が悪く、また、組織として詰まりすぎるために堅くなり、ワイピングテープとしての柔軟性を損なう。
本発明において、経糸方向のカバーファクター、緯糸方向のカバーファクター、経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和とは、織物の経糸密度をA(本/2.54cm)、経糸総繊度をD(デシテックス)、緯糸密度をB(本/2.54cm)、緯糸総繊度をD(デシテックス)としたとき、
経糸方向のカバーファクター=A×D 1/2
緯糸方向のカバーファクター=B×D 1/2
経糸方向及び緯糸方向のカバーファクターの和=A×D 1/2+B×D 1/2
で表される。
なお、糸の総繊度は、織物の経糸緯糸をほぐし、JIS L1096:1999 附属書Hの測定方法に基づき測定する事が出来る。また、密度についても、JIS L1096:1999 附属書Fに基づき経糸緯糸をほぐして単位長さあたりの本数を数えることで測定することが可能である。
本発明のワイピングテープは、織り組織が綾織りであることが好ましい。織り組織が綾織りであることにより、良好な拭き取り性能と織り組織の安定性を両立しやすくなる。本発明のワイピングテープは、上述のとおり、主にポリエステル系繊維により汚れを拭き取る。したがって、ポリエステル系繊維を含む経糸がワイピングテープの表面に多く存在することが好ましい。そして、経糸がワイピングテープの表面に多く存在するためには、出来るだけ経糸が長く浮くことが好ましい。ここで、経糸が「浮く」とは、経糸の織り組織の組織点が、二本以上の緯糸をまたいで入っている状態をいう。綾織りは、表面に経糸が長く浮くことから、例えば、経糸中のポリアミド繊維を収縮させた場合、経糸中のポリエステル系繊維などの割繊型極細繊維がワイピングシートの表面にループ状に存在しやすくなる。そうすると、表面に現れていた緯糸が隠され、表面が経糸からなる極細繊維のみで構成されることとなる。その結果、良好な拭き取り性能と織り組織の安定性が両立しやすくなる。更に、上述のように経糸中のポリアミド繊維のみを収縮させた場合、テープの表裏で経糸緯糸の比率が異なると、よじれやカールが発生することがある。したがって、織り組織としては、織りの両面の経糸緯糸の浮き数が同じ両面斜文(綾)織りが、より好ましく用いられる。
本発明のワイピングテープは、経糸からなる第一の経糸層と、緯糸を含む緯糸層と、経糸からなる第二の経糸層とをこの順に有し、第一の経糸層と第二の経糸層の少なくとも一方の厚みが0.1〜0.7mmであることが好ましい。すなわち、本発明のワイピングテープは、経糸のうち、ポリエステル繊維からなる極細繊維が織物の表層、つまり、経糸層に密集してループ状に存在し、一方、緯糸が、経糸層のポリエステル成分からなる極細繊維に覆われた結果、内層、すなわち緯糸層に存在する、いわゆる三層構造であることが好ましい。かかる三層構造は、例えば、経糸中のポリエステル系繊維が、本来同じ長さであったポリアミド系繊維の収縮によってたるみ、ワイピングテープの経糸層に経糸方向に配列したままループ状になることによって形成することができる。
本発明のワイピングテープにおいて、第一の経糸層と第二の経糸層の少なくとも一方の厚みが0.1〜0.7mmであることが好ましい。前記厚みが0.1mm以上であれば、ワイピング時に十分に対象物に極細繊維が密着し、更に汚れを内部に取り込むことから、高い拭き取り性能が得られやすい。また、前記厚みが0.7mm以下であれば、ワイピングテープとして適度な柔軟性があることから、ハンドリング性を損なわない。この経糸層の厚みは、ワイピングテープの断面をSEMで観察することにより測定出来る。
本発明のワイピングテープは、長さ方向に張力をかけて2%伸長させたときの厚みと、張力をかけないときの厚みとの差が、張力をかけないときの厚みに対して10%以上であることが好ましい。長さ方向に張力をかけて2%伸長させたときと、張力をかけないときのテープの厚みの差が10%以上であると、経糸の極細繊維が表面に十分に存在し、ワイピングテープが高い拭き取り性を示しやすくなる。
本発明のワイピングテープは、23.5kPaの荷重をかけたときの厚みが、0.7kPaの荷重をかけたときの厚みの90%以下であることが好ましい。23.5kPaの荷重をかけた時の厚みが、0.7kPaの荷重をかけたときの厚みの90%以下であると、微細な凹凸のある精密部品にテープを押しつけた際に、凹みに極細繊維が入り込むため、拭き取り性能が良好になりやすい。なお、23.5kPaの荷重をかけたときの厚み、および0.7kPaの荷重をかけたときの厚みは、JIS L 1096:1999およびJIS L 1018:1999で規定されている織物および編物の試験方法に準じて厚み測定機で測定する。
本発明のワイピングテープの製造方法は、本発明のワイピングテープを製造する方法であって、製織後に、経糸に含まれるポリアミド系繊維を収縮させることにより、ワイピングテープの経糸方向長さが収縮前と比較して85%以下となる。製織後に、経糸に含まれるポリアミド系繊維を収縮させることにより、ワイピングテープの経糸方向長さが収縮前と比較して85%以下となるようにすることにより、経糸中のポリエステル系繊維が、本来同じ長さであったポリアミド系繊維の収縮によって十分にたるみ、ワイピングテープの経糸層を形成するため、高い拭き取り性を付与することができる。
本発明のワイピングテープの製造方法において、製織後に、経糸に含まれるポリアミド系繊維を収縮させる方法としては、公知の方法であるベンジルアルコールを含む液による処理が好ましい。また、ポリエステル系ポリマーをアルカリ減量することで、ポリエステル系繊維とポリアミド系繊維の分割が促進され、ポリエステル系繊維の極細化が進むため、ベンジルアルコールを含む液による処理とアルカリ減量を組み合わせて実施することがより好ましい。
ベンジルアルコールを含む液による処理とアルカリ減量は、どちらを先に行っても良いが、ポリアミド系繊維の収縮が進むと織物の糸密度が上がるため、その後にアルカリ減量を行うと、織物組織内部の処理液の交換が不十分になり、減量率がばらつくことがある。したがって、本発明のワイピングテープの製造方法では、アルカリ減量を先に行い、その後にベンジルアルコールを含む液による処理を行うことが好ましい。
本発明のワイピングテープの製造方法は、生機の緯糸方向の織幅に対するワイピングテープの緯糸方向の織幅の収縮率が、10%未満であることが好ましい。前記収縮率が10%未満であることにより、拭き取る精密部品に合わせてワイピングテープの緯糸方向の寸法設計が容易になりやすく、寸法安定性が高くなりやすい。また、加工工程での収縮ばらつきが小さいため、微細な凹凸構造や限定的な拭き取り場所を有する被ワイピング物に合わせ、効率良くワイピングを行いやすくなる。
以下実施例にて本発明を説明する。
実施例1
複合紡糸繊維として、トータル繊度が33デシテックス、18フィラメントの剥離分割型マルチフィラメント糸(単糸繊維の断面形状は中心がポリアミド成分の8葉型で、それを取り巻く形で扇型のポリエステル成分が配された剥離分割型の繊維であって、剥離前のポリアミド系繊維とポリエステル系繊維の比率は2:8、剥離後のポリアミド繊維の単繊維繊度が0.93デシテックス、ポリエステル繊維の単繊維繊度が0.27デシテックスの剥離分割型繊維)を経糸に用い、緯糸にトータル繊度56デシテックス、36フィラメントのポリエステルマルチフィラメント加工糸を用いて、細幅織機により、織り幅7.3mmのテープ状綾織物を作成した。このテープ状綾織物を、糊剤油剤を除去するための精練および、熱オーブン中テンションコントロール下の巻き取りによるセットを行ったのち、ベンジルアルコール10重量%、サンモールBK−conc(表面活性剤、日華化学株式会社製)0.5重量%からなる乳化水溶液を用いてポリアミド成分を収縮処理し、更に、水酸化ナトリウム5%水溶液で減量することで、割繊処理を行った。得られたテープは、ベンジルアルコール処理によって経糸中のポリアミド系繊維が収縮した結果、表面はポリエステル系繊維からなる極細繊維のループで覆われ、厚みが増加していた。このテープを脱水後、更に乾燥熱セットを行って、表面の極細繊維密度の高いワイピングテープを作成した。
このワイピングテープの断面をSEMで観察したところ、表面に経糸の極細繊維が密集し、内部に緯糸が配された三層構造であった。
このワイピングテープのカバーファクターは、経糸方向が4300、緯糸方向が1200であり、カバーファクターの和が5500であった。
また、仕上がり後の緯糸方向の寸法は7.0mmであり、したがって、緯糸方向の寸法変化は5%未満であった。
このワイピングテープは、長さ方向に荷重をかけて2%伸長させたとき、厚みは薄くなり、その変化量は10.4%であった。この2%伸張時の厚み測定については、たとえば、100mmの間隔に2つの印をつけたワイピングテープの、しるしから50mm離れた一端を固定し、もう一方のしるしから50mm離れた一端を引っ張り、しるしの間に定規を当てて、しるしの間隔が102mmになった際の厚みをJIS L1096:1999の厚みの測定方法に準じて測定すれば良い。
また、JIS L1096:1999の厚みの測定方法に準じて厚み測定機を用いて、ワイピングテープ面に垂直の荷重をかけた時の厚みを測定したところ、荷重0.7kPaの時に0.48mmであるところ、荷重23.5kPaでは0.38mmとなり、0.7kPaの荷重時に比べ、79%の厚みであった。
このワイピングテープを用いて、微小な凹凸を有する物体表面の拭き取り性能評価を、下記要領で行った。
〔凹凸面の凹箇所拭き取り性能評価方法〕
微細な凹凸を有する精密部品に相当する拭き取り対象物として、図1、図2に示す形状の拭き取り評価用フィルムを作成した。この拭き取り評価用フィルムは、150μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム(3)の上面に、150μm厚みのポリエチレンテレフタレートフィルム(2)2枚を、50μm厚みのホットメルトフィルム(1)を用いて200μmの隙間を開けて貼り付け、高さおよび幅が200μmの凹箇所を作成したものである。
この拭き取り評価用フィルムの凹面に口紅を塗布したものに、ワイピングテープを押し当て、荷重0.5kg/0.5cmを掛けながら15cmスライドすることで、拭き取り動作を行った。
凹箇所の口紅が除去できたかを、30倍のルーペで観察し、口紅の残りがほぼ無い状態であれば、拭き取り性能を合格とした。
実施例1のワイピングテープは、フィルムの凹み部分も含めて口紅がほぼ拭き取れており、拭き取り性能は合格であった。
比較例1
複合紡糸繊維として実施例1で経糸に用いた剥離分割型繊維を緯糸に、また、実施例1で緯糸に用いたポリエステルマルチフィラメント糸を経糸に用いて、朱子織りの広幅織物を作成した。実施例1同様に、通常の精練セット工程を経てベンジルアルコールを含む液による処理とアルカリ減量を行い、緯糸が割繊および収縮することで得られた高密度極細繊維織物を、7mmの幅に溶融裁断してワイピングテープを作成し評価した。
この織物の評価結果をカバーファクターや厚みを含め、実施例と比較して表1にまとめた。なお、表1中、Nyはナイロンを表し、PETはポリエチレンテレフタレートを表す。また、表1の凹凸面の凹箇所拭き取り性能において、○は合格、×は不合格を表す。表1の「長さ方向の荷重有無による厚み差」における「荷重無し」とは、JIS L1096:1999の厚みの測定方法に基づいて、ワイピングテープの垂直方向には0.7kPaの荷重をかけるが、長さ方向には荷重をかけない状態で測定した厚みを表す。
Figure 2018099651
このワイピングテープは溶融裁断で任意の幅に作成出来るため、幅の寸法安定性は問題ないが、カット端にごくわずかに溶融したポリマーの屑が付着しているため、拭き取り対象物にゴミが付着した。また、朱子織りであるために織り目がずれやすく、ワイピングテープ面にひずみによる凹凸が生じるため、拭き取り試験において拭き残りが発生し、不合格であった。
比較例2
経糸に、島成分がポリエチレンテレフタレートで海成分がポリエステルの酸成分としてテレフタル酸と5−ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合体からなる海島型複合紡糸繊維を用い、それ以外は実施例1と同様の方法で細幅織物を作成した。このワイピングテープを実施例1同様通常の精練セット工程ののちに、アルカリ減量によって経糸の海成分を完全に除去し、経糸の単繊維繊度が0.1デシテックスの極細繊維を含むワイピングテープを作製した。
このワイピングテープは、経糸方向の収縮がないため、実施例1よりも厚みが少なく、表面には極細繊維が配列されているものの、ループ状に浮いていないため、荷重をかけた時の厚み差がほとんど生じなかった。
また、拭き取り性能も、フィルムの凹み内部の口紅は拭き取れなかったことから不合格であった。
本発明のワイピングテープは、インクジェットノズル孔や電子機器部品等、微細な孔や凹凸を有する精密部品表面の汚れの拭取りに好適に使用することができる。
1:ホットメルトフィルム
2:ポリエチレンテレフタレートフィルム
3:ポリエチレンテレフタレートフィルム

Claims (7)

  1. 単繊維繊度が0.1〜3.0デシテックスであるポリアミド系繊維と単繊維繊度が0.1〜1.0デシテックスのポリエステル系繊維とを含む割繊型極細繊維を経糸に有し、単繊維繊度0.5〜3.0デシテックスのマルチフィラメント糸を緯糸に有する織幅20mm以下の織物であって、経糸方向のカバーファクターが3000以上、かつ経糸方向および緯糸方向のカバーファクターの和が4000〜7000であるワイピングテープ。
  2. 織り組織が綾織りである、請求項1に記載のワイピングテープ。
  3. 経糸からなる第一の経糸層と、緯糸を含む緯糸層と、経糸からなる第二の経糸層とをこの順に有し、第一の経糸層と第二の経糸層の少なくとも一方の厚みが0.1〜0.7mmである、請求項1または2に記載のワイピングテープ。
  4. 長さ方向に張力をかけて2%伸長させたときの厚みと、張力をかけないときの厚みとの差が、張力をかけないときの厚みに対して10%以上である、請求項1から3のいずれかに記載のワイピングテープ。
  5. 23.5kPaの荷重をかけたときの厚みが、0.7kPaの荷重をかけたときの厚みの90%以下である、請求項1から4のいずれかに記載のワイピングテープ。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のワイピングテープを製造する方法であって、製織後に、経糸に含まれるポリアミド系繊維を収縮させることにより、ワイピングテープの経糸方向長さが収縮前と比較して85%以下となるワイピングテープの製造方法。
  7. 生機の緯糸方向の織幅に対するワイピングテープの緯糸方向の織幅の収縮率が、10%未満である、請求項6に記載のワイピングテープの製造方法。
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