JP2000303300A - 磁気記録媒体等の製造に用いるクロス - Google Patents

磁気記録媒体等の製造に用いるクロス

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JP2000303300A
JP2000303300A JP11103577A JP10357799A JP2000303300A JP 2000303300 A JP2000303300 A JP 2000303300A JP 11103577 A JP11103577 A JP 11103577A JP 10357799 A JP10357799 A JP 10357799A JP 2000303300 A JP2000303300 A JP 2000303300A
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cloth
substrate
polishing
woven fabric
grinding
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Kiyoshi Takase
清 高瀬
Takero Nakamura
健朗 中村
Toru Kondo
徹 近藤
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Kanebo Synthetic Fibers Ltd
Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体等の基板にワイピング又は研磨
を施す際、研磨後の基板表面粗度の低減と研磨中の研削
量の向上を同時に達成することの出来る研磨用クロスの
提供。 【解決手段】 経糸方向及び緯糸方向の織物カバーファ
クターの和を2,500〜4,000の範囲とした高密
度織物を形成し、経糸及び/又は緯糸に、単糸繊度0.
5d以下のマルチフィラメント糸を用い、該マルチフィ
ラメント糸の総繊度を30〜250dの範囲に、打込本
数を150本/インチ以上となし、更に、前記織物に親
水化剤を付与せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体等を製
造する工程において、媒体用基板の表面にワイピング又
は研磨を施すクロスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】特公平7−13841号公報、特開平8
−96355号公報等に記載されている通り、磁気記録
媒体としては、従来、アルミニウム合金からなる基板に
アルマイト処理やNi−Pメッキ等の非磁性メッキ処理
を施した後に、Cr等の下地層を被覆し、次いでCo系
合金の磁性薄膜層を被覆し、更に炭素質の保護膜で被覆
したものが主に使用される。
【0003】このような磁気記録媒体(磁気ディスク)
は基板が硬いため寸法精度が高く記録密度もあがりやす
いが、磁気ヘッドが高速回転する磁気ディスクと接触す
ると、磁気ヘッドを破壊する所謂ヘッドクラッシュを生
ずる。これを回避するため磁気ヘッドを浮上させて使用
している。
【0004】ところが、磁気ディスクの高密度化に伴
い、ヘッド浮上高さは益々小さくなっており、最近では
1.5μm以下が要求されている。このようにヘッド浮
上高さを非常に小さい値に保つことが記録密度向上の最
大のポイントであり、低浮上高さでありながらしかもヘ
ッドクラッシュが生じないようにすることに技術上の最
大課題がある。
【0005】一方、磁気ディスクについて検討してみる
と、磁気ディスクへの書き込み或はその再生を行う際、
ディスクの静止時に磁気ヘッドの浮上面と磁気ディスク
間に吸着を生ずることがある。上述の吸着現象は、磁気
ヘッド浮上面と磁気ディスク表面が極めて平滑で微小間
隔で対面しているときに、その間でO2 、N2 、H2
等の分子により埋めつくされて界面張力により大きな吸
着力が発生することに起因しており、係る吸着が発生す
るとモータ起動時に多大の電力を消費する不都合なこと
が生ずる。
【0006】このような吸着現象を防ぐ目的で、基板の
上に磁性膜などを形成するのに先立って、基板表面を一
旦鏡面仕上げにした後、その表面を粗くして適当な表面
粗さに調整するテクスチャー加工が実施される。
【0007】従来、係るテクスチャー加工を施す方法と
しては、固定砥粒式の研磨テープを用いるテープ研削方
法、或は遊離研粒のスラリーを研磨テープ表面に付着さ
せて研削を行うスラリー研削方法が知られており、両方
法共、磁気ディスク基板を回転させた状態で前記研磨テ
ープをテープ裏面側からロールで押し付けながら基板径
方向へ接触移動させ、基板表面に同心円状の条こんを形
成して所謂テクスチャー付き基板が得られるようにして
いる。
【0008】しかして、磁気ヘッドの低浮上化を図るた
め磁気ディスク表面の更なる平坦化が常時求められてお
り、これを達成する手段として、研磨テープを構成する
繊維の繊度を細かくすること、砥粒の粒子径を小さくす
ること、研磨テープの押し付け面圧を小さくすること等
が有効とされており、技術動向もこのような要望に合わ
せて、ラッピングテープを用いる固定砥粒方式から電気
植毛品を用いる遊離砥粒方式へ変わり、更にマイクロフ
ァイバー織物を用いる遊離砥粒方式へと変転している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、現在基板研
磨の主流となっている遊離砥粒を用いるテクスチャー加
工について検討してみると、研磨テープを構成する繊維
の細繊度化は研磨後の基板表面粗度の低減化に大きく寄
与するが、その反面、係る細繊度化は表面加工量の低減
をもたらしており、この点が研磨上の大きな隘路となっ
ている。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題点を解消
すべくなされたものであり、基板表面粗度の低減化とこ
れに伴う表面加工量減少の回避を同時に実施することの
出来る新規なワイピング又は研磨用クロスを提供しよう
とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に本発明は次の構成を備えている。即ち、磁気記録媒体
等の基板表面にワイピング又は研磨を施すクロスであっ
て、経糸方向及び緯糸方向の織物カバーファクターの和
を2,500〜4,000の範囲とした高密度織物から
なり、経糸及び/又は緯糸に、単糸繊度0.5d以下の
マルチフィラメント糸を用い、該マルチフィラメント糸
の総繊度を30〜250dの範囲に、打込本数を150
本/インチ以上となし、更に、前記織物に親水化剤を付
与せしめたことを特徴とする構成である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。先ず最初に、図1及び図2により
テクスチャー加工を例に挙げて本発明クロスの使用状態
を説明する。図1は使用状態の全体を示す斜視図、図2
は図1の側面図である。
【0013】両図に示す通り、矢印A方向に向かって積
極回転する基板1の表裏面2,3の夫々には、各1本ず
つ計2本のクロス4,5が各押圧ロール6,7で押し付
けられつつ矢印B方向に向かって走行すると共に、クロ
ス4,5の各研磨面にノズル8,9から遊離砥粒を含有
する研磨液が連続供給され、スラリー研磨が実施され
る。
【0014】各押圧ロール6,7はロール加工用シリン
ダー10により駆動し、基板1の表裏面2,3に夫々ク
ロス4,5を所定の圧力で押圧する。各クロス4,5は
矢印B方向に向かって連続走行するが、その間、基板1
の表裏両面2,3には常に新しいクロスが加圧接触する
状態で供給され、これにより表裏面2,3の研磨が実施
される。
【0015】又クロス4,5は夫々押圧ロール6,7の
往復動により矢印C方向へ往復動(振動)し、この移動
と基板1自体の回転により基板1両面に条こんが作成さ
れ、テクスチャー加工済の基板1が形成される。
【0016】本発明クロスは図1及び図2に示す通り、
高い張力下で使用されるので、クロスを構成する地組織
としては編物や不織布ではなく織物であることを要し、
しかも経糸方向及び緯糸方向の織物カバーファクターの
和(以下これをTCFと呼称する)を2,500〜4,
000の範囲とした高密度織物であることを要する。T
CFが2,500未満になると織組織の間隙を十分に詰
めることが出来ず織地表面の平滑性を損ない、又4,0
00以上では製織性に難点がある。織物の組織は特に問
わないが、以下の理由から朱子織が最も好ましい。
【0017】即ち、朱子織は経糸と緯糸各5本以上で作
られ、織物表面に組織点がとびとびに入っており、織物
の片面に経又は緯糸のどちらか一方が一面に長く浮いて
布面を覆い、組織点がかくれて表面が滑らかである点に
特徴を持っている。本発明のクロスには本質的にこのよ
うな特質を備えた織地が好ましい。朱子織では織機のヘ
ルド枚数が多い場合、例えば10枚朱子などでは織布の
耐久性が低下する。係る点から本クロスには5〜8枚朱
子が好ましく、これ以上の高枚数の朱子織では耐久性に
欠ける弊害がある。
【0018】尚、本発明における経糸方向の織物カバー
ファクターとは、経糸密度(本/インチ)×経糸デニー
ルの平方根を示し、又緯糸方向の織物カバーファクター
とは、緯糸密度(本/インチ)×緯糸デニールの平方根
を示す。本発明のTCFとは、前記両者の和である。
【0019】前記織物を構成する経緯のマルチフィラメ
ント糸の少なくとも一方には、2種以上のポリマーから
なる複合繊維(コンジュゲート繊維)を割繊せしめてな
る単糸繊度0.5デニール以下の超極細繊維を用いるこ
とが好ましい。前記超極細繊維は特公昭61−3738
3号公報等に記載する分割型の複合繊維、又は、特公昭
62−50594号公報等に記載する海島型の複合繊維
を割繊して得られたもの、或は、特公平6−21397
号公報に記載するもの等が使用し得る。
【0020】中でも製造の容易性、単糸綾線の少なくと
も一線に形成されるシャープエッジが簡単に得られるこ
とから分割型の複合繊維が好適である。特にポリアミド
及びポリエステルよりなる複合繊維を、フィブリル化
(分割)して得られたものが好ましい。この複合繊維か
ら得られた単糸群はポリエステルの寸法安定性とポリア
ミドの親水性を同時に保持しているので、本発明クロス
として最適である。
【0021】前記フィブリル化の方法は、特公昭53−
35633号公報等に記載された公知の方法が用い得
る。中でも、ベンジルアルコールを用いる方法が好まし
い。
【0022】係る分割型の複合繊維としては、種々のも
のが公知である。例えば、ポリアミド成分とポリエステ
ル成分とが単一フィラメントの任意の横断面において、
一方の成分を他方の成分が完全に包囲することなく両成
分が接合された形状を有する複合繊維、具体的には横断
面がサイドバイサイド型の複合繊維[図3(A)],サ
イドバイサイド繰り返し型の複合繊維[図3(B)],
放射型の形状を有する部分と該放射部を補完する形状を
有する他の成分からなる複合繊維[図3(C),
(D)],該形状に中空部分を設けた複合繊維[図3
(E)]等が挙げられる。
【0023】これらの複合繊維のうち本発明クロスの原
糸としては、放射型の形状を有する部分と該放射部を補
完する形状を有する他の部分からなる複合繊維[図3
(C),(D)]が好ましく、先に述べた通り、放射型
の形状を有する部分としてポリアミド、該放射部を補完
する形状を有する部分としてポリエステルを用いたもの
が最適である。
【0024】又、本発明に使用する複合繊維としては、
前述の通り特公昭62−50594号公報等に記載する
海島型繊維(溶解分割型繊維)によって得られたものも
使用し得る。前記公報等に記載する通り、海島繊維は少
なくとも2種のポリマーからなる繊維であって、繊維断
面は海成分と島成分から形成されており、島成分は海成
分により複数に区分されている。
【0025】本発明クロスに適用される主な海島型繊維
についてその横断面を図4に示す。図4においてA1・
2は島成分でありBは海成分である。本発明における海
島型ポリマーは薬剤に対して溶解、分解性の異なるポリ
マーを2種類以上選択し使用しており、ポリエチレンテ
レフタレート,同共重合体,(イソフタル酸,イソフタ
ル酸ソディウムスルホネートなど),ナイロン6,ナイ
ロン66等がその代表例として挙げられる。
【0026】以上の中で好ましいポリマーの組み合せ
は、海成分ポリマーが島成分ポリマーに比べて薬剤によ
る溶解性、分解性が大になるような組み合せか、又は、
島成分ポリマーを溶解、分解せず海成分ポリマーのみを
完全に溶解させる組み合せであり、後者が最も好まし
い。
【0027】係る海島型繊維の場合は、島成分として熱
水収縮率の異なる2種の成分を用いれば、海成分の溶解
除去後も、複合繊維のみで、熱水収縮率の異なる成分を
得ることができるが、一般に、多成分となるほど複合繊
維の紡糸が困難となるため、溶解成分と単一の非溶解成
分とからなる複合繊維を用いる場合は、非溶解成分に対
し熱水収縮率の異なる繊維を混繊維して用いることが必
要となる。係る繊維としては、熱水収縮率が非溶解成分
よりも高い繊維を用いることが好ましく、例えば、ポリ
エチレンテレフタレートにイソフタル酸やビスフェノー
ル等の変性成分を共重合したもの等は20〜40%以上
の熱水収縮率を有するため好ましい。
【0028】前述の如く、本発明クロスの少なくとも一
部を構成する複合繊維は、織成後、薬剤を用いた割繊処
理によりポリマー毎の各単糸に分割し、その際、熱収縮
率差によりクロス表面上に多数の弧状ループを形成す
る。
【0029】例えば複合繊維の構成ポリマーがポリアミ
ドとポリエステルの2種であり、横断面形状が図3
(C)の場合は、クロス表面に形成されるループ層の内
層部までポリアミドが収縮沱降し、又表層部は実質的に
細繊度のポリエステルで覆われる。勿論、内装部にもポ
リエステルは残存するが、ポリアミドが収縮して緻密な
組織と成り、これらは層状構造を呈する。このように本
発明クロスの表層部は実質的に細繊度のフィブリルから
形成され、表面のタッチはソフトであり、一方その内層
部は比較的腰のある構造体となっている。係る多層構造
からワイピング及び研磨時に、有効な作用効果をクロス
に付与するのである。
【0030】しかして、前記多層構造をクロス表面の全
域にむらなく均等に形成するためには、本発明の複合繊
維からなるマルチフィラメント糸の総繊度を30〜25
0dの範囲に、又打込本数を150本/インチ以上にす
る必要がある。該打込本数とは前記マルチフィラメント
糸を経糸に用いた場合は経糸の、又緯糸に用いた場合は
緯糸の打込本数である。総繊度が前記範囲を外れて過剰
になると、熱収縮率の差に起因する大小様々な微細弧状
ループが重なり合って却って表層部が不均一になり、逆
に総繊度と打込本数が過小になると疎によって斑が生ず
ることとなる。
【0031】上記構成からなる本発明クロスは、次い
で、製織後織面全体に公知の親水加工が付与される。こ
の親水加工は表面研磨加工量(研削量)の向上を目的と
するもので、研磨時のスラリーの均一分散を図るもので
ある。本発明において使用される親水化剤としては、次
式によって表わされるものが好ましい。
【0032】
【化1】
【0033】前記親水化剤は、本発明クロスに、0.0
5〜2重量%、好ましくは0.1〜1重量%(織物の総
重量を基準として)付与することが好ましい。親水化剤
をクロスに付与する方法は特に制限的ではなく、吸尽法
及びバッドードライーキュア法のいずれも使用すること
が出来るが、後者の方がより好ましい。吸尽法は液温度
140℃以下、好ましくは約130℃で約2時間以内、
例えば1時間、親水化剤を含む液にクロス原布を浸漬し
て親水化剤を殆ど吸尽させることにより行われる。使用
される液は、例えば約10重量%の親水化剤を含む水性
分散系であることが出来る。バッドードライーキュア法
では、親水化剤を含む液をクロス原布にバッドし、所望
により乾燥し、次にキュアする。キュア温度は210℃
以下であることが好ましい。
【0034】本発明クロスは上記の如く、所定の高密度
織物から構成しており、しかも、少なくとも経緯いずれ
か一方の糸条に単糸繊度の0.5d以下のマルチフィラ
メントを用いることとにより、基板との接触面を極めて
平滑に且つソフトなものにし、図1及び図2に示す形態
で使用した際、テクスチャー加工の完了した基板表面粗
度を7Åレベルの程度まで低減せしめることが出来る。
又係る高い密度織物の使用によって生ずる表面研磨加工
量(研削量)の減少を織面に付与する親水加工処理によ
って抑制し又解消し、研削量を従来クロスと同程度、更
にはこれよりも高く維持することが可能となる。
【0035】本発明の上記構成に加えてクロスの裏側面
に揆水加工、ラミネート加工等のバックコーティング処
理を施すことにより、研磨時に使用するスラリーを有効
利用することが出来る。織物に付与する揆水加工として
は不通気性防水加工と通気性防水加工があるが、本発明
クロスには加工の容易さと、得られる防水効果の良好な
ことからアクリル樹脂加工、サンディング加工、ポリウ
レタン樹脂加工等を用いた不通気防水加工が適切であ
る。
【0036】尚、前記実施の形態においては本発明クロ
スがテクスチャー加工で使用される例について説明した
が、テクスチャー加工の完了した基板に付与されるバニ
ッシュ加工においても、通常使用されるポリエステルフ
ィルム製のラッピングテープに代えて本発明クロスは有
効に使用される。この場合の使用例はテクスチャー加工
と同様に図1及び図2図示の過程で実施され、従来使用
のラッピングテープに比べ、基板表面の平均粗さを更に
向上させることが出来る。
【0037】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を更に説明する。
次の4種の織物を準備した。 実施例1−経糸として600T/M(Z)の撚を有する
ポリエステル30d/12fを、又緯糸として250T
/M(S)の撚を有するポリエステル70%/ナイロン
30%の複合繊維55d/50fを用い、これらを打込
本数経/緯=200/250(本/インチ)で片面8枚
朱子の高密度織物に製織仕上した。該織物のカバーファ
クター(TCF)は2,951であった。
【0038】前記実施例1で得られた高密度織物に、常
法により開繊、収縮、精練の各工程を順次行った後、下
記処方の親水加工用水溶液を調液し、これへ前記織物を
浸漬させ、マングルにて絞り率60%で均一に絞り、次
いで温度190℃、時間60秒にて熱処理を行い、更に
この織物を所定長に切断して実施例1のクロスを得た。
前記親水加工用の水溶液としては、化1の化学式に示す
親水化剤の10%(重量比)水溶液を用いた。
【0039】比較例1−実施例1で用いた高密度織物に
親水加工用水溶液を付与せず、無付与のまま所定長のク
ロスに形成して比較例1のクロスを得た。
【0040】比較例2−経糸として600T/M(Z)
の撚を有するポリエステル30d/12fを、又緯糸と
して250T/M(S)の撚を有するポリエステル70
%/ナイロン30%の複合繊維50d/25fを用い、
これらを打込本数経/緯=170/140(本/イン
チ)で両面4枚朱子の高密度織物に製織仕上した。該織
物のカバーファクター(TCF)は1,922であっ
た。前記比較例2で得られた高密度織物に実施例1と同
様の親水加工を実施した後、この織物を所定長に切断し
て比較例2のクロスを得た。
【0041】比較例3−比較例2で用いた高密度織物に
親水加工用水溶液を付与せず、無付与のまま所定のクロ
スを形成して比較例3のクロスを得た。
【0042】上記実施例及び比較例の緯糸に用いた複合
繊維は、図3(C)に示す横断面形状を有する複合糸で
あって、放射状部をナイロン、これを補完する8個のセ
グメントをポリエステルで形成しており、出願人の1人
が市販する商品名ベリーマX及びベリーマSXを使用し
ている。
【0043】平均粒径0.5μm以下の砥粒を含有する
研磨液と、上記実施例1及び比較例1〜3、計4種のク
ロスを使用して市販のNi−P合金メッキ処理を施した
アルミニウム製基板に図1及び図2に示す方法により夫
々テクスチャー加工を実施し、その表面粗度、加工量
(研削量)及び研磨中のスラリーの分散性を調査し、表
1に示す結果を得た。次いでテクスチャー加工処理の終
了した4種の基板に、夫々、洗浄、スパッタリングを施
した後、更にテクスチャー加工と同一のクロスを用いて
バニッシュ加工を実施し、完成された磁気ディスクを得
た。
【0044】
【表1】
【0045】表1に示す1〜5の数字は、各項目毎の調
査結果を良好の5から不良の1まで5段階で評価した格
付を示すもので、例えば、表面粗度の1はこれが均斉で
なく不良であることを、加工量の5は研削量が多く生産
性が高いことを、更にスラリーの分散性の5は研磨中の
スラリーの分散性が良好であることを示す。
【0046】表1から明らかな通り、本発明の実施例に
よる研磨テープは研磨後の表面粗度及び加工量の点で比
較例のものより優れており、格付3〜4以上を実用上有
効とすると、実施例のものはいずれもこれを充足してい
た。尚本明細書に記載する表面粗度とはJIS B 0
601に規定する表面粗さである。
【0047】
【発明の効果】以上説明した通り、磁気記録媒体等の製
造過程であるテクスチャー加工或はバニッシュ加工等に
本発明クロスを用いることにより、容易且つ適格に基板
表面の表面粗さを飛躍的に向上せしめることが可能とな
り、又表面粗度の低減化に伴う表面加工量の低下を親水
化剤の附与で解消する。このように、本発明は品質上求
められる表面粗度の低減化と生産効率上求められる加工
量確保の両方を同時に達成し、冒頭に記載する課題の解
消に大きく寄与するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクロスの使用状態を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明に係るクロスの使用状態を示す側面図で
ある。
【図3】本クロスに用いる分割型複合繊維の横断面図で
ある。
【図4】本クロスに用いる海島型複合繊維の横断面図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 表面(基板) 3 裏面(基板) 4,5 クロス 6,7 押圧ロール 8,9 ノズル 10 シリンダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D06M 101:32 (72)発明者 中村 健朗 滋賀県長浜市鐘紡町1番11号 カネボウ繊 維株式会社内 (72)発明者 近藤 徹 大阪府大阪市北区梅田1丁目2番2号 カ ネボウ合繊株式会社内 Fターム(参考) 4L033 AB01 AB05 AC07 BA14 BA16 4L048 AA20 AA24 AA29 AA30 AA35 AB07 AB12 BA01 BA02 CA15 DA21 DA24 EB00 EB05 5D112 AA02 AA24 BA06 GA13

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体等の基板表面にワイピング
    又は研磨を施すクロスであって、経糸方向及び緯糸方向
    の織物カバーファクターの和を2,500〜4,000
    の範囲とした高密度織物からなり、経糸及び/又は緯糸
    に、単糸繊度0.5d以下のマルチフィラメント糸を用
    い、該マルチフィラメント糸の総繊度を30〜250d
    の範囲に、打込本数を150本/インチ以上となし、更
    に、前記織物に親水化剤を付与せしめたことを特徴とす
    る磁気記録媒体等の製造に用いるクロス。
JP11103577A 1999-04-12 1999-04-12 磁気記録媒体等の製造に用いるクロス Pending JP2000303300A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009060985A1 (ja) * 2007-11-09 2009-05-14 Teijin Fibers Limited 布帛および複合シートおよび研磨布およびワイピング製品
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