JP4432178B2 - 磁気ディスク研磨用織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気ディスク研磨用の織物に関し、さらに詳しくは磁気ディスク製造工程においてディスク基板の表面に凹凸溝を付けるテクスチャー加工に使用される研磨用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器における磁気ヘッドは、磁気ディスク(磁気記録媒体)に僅少な距離で対峙して、磁気ディスクに記憶された記録を読み取るように構成されている。磁気ディスクの記憶容量は、磁気ヘッドとの間の距離、すなわち磁気ヘッドの磁気ディスク表面に対する浮上距離を小さくするほど増大できるため、浮上距離を極力小さくすることが技術課題の一つになっている。しかし、高速回転する磁気ディスクに磁気ヘッドを接近させ過ぎると、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触する所謂ヘッドクラッシュを起こしやすくなる問題がある。
【0003】
従来、上記ヘッドクラッシュを発生させることなく、磁気ヘッドの浮上距離を極力小さくする方法として、ディスク基板に磁気膜等を形成する前に、その基板面に微細な凹凸溝を付ける所謂テクスチャー加工することが行われている。このテクスチャー加工は、ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニア等の砥粒を配合したスラリーを、研磨用織物(研磨用テープ)を介してディスク基板に押圧するようにして行われるが、この加工で得られる凹凸溝の表面粗さRaを均一微細にするほど、磁気ヘッドの浮上距離を小さくすることができることがわかっている。
【0004】
このようにテクスチャー加工で表面粗さRaを微細にする方法としては、砥粒の粒度を微細化する方法がある。しかし、本発明者らが詳細に検討したところによれば、いくら砥粒の粒度を微細化しても、ディスク基板に供給する研磨用織物に蛇行が生じていると、表面粗さRaを均一にする障害になることがわかった。すなわち、研磨用織物に蛇行が生じていると、研磨用織物に対する砥粒の保持が不均一になり、その結果としてディスク基板の研磨も不均一になり、一定水準以上に均一化された表面粗さRaが得られるなくなるのである。
【0005】
本発明者らの検討によれば、研磨用織物の蛇行現象は供給リール等の供給装置上に直接の原因があるのではなく、研磨用織物自体に内在する伸度特性に原因があること、特に乾燥時の伸度と湿潤時の伸度との差が大きくなるほど蛇行を生じやすくなることを突き止めた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、テクスチャー加工時の蛇行現象を低減することにより、一層均一微細な表面粗さRaの研磨加工を可能にする磁気ディスク研磨用織物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の磁気ディスク研磨用織物は、タテ糸がポリエステルフィラメント繊維を主体に構成され、ヨコ糸がポリエステル極細フィラメント繊維を主体とする仮撚加工捲縮糸からなり、該ヨコ糸が前記タテ糸よりも広い面積で表面を覆うと共に、下記(a)式で定められるカバーファクターCFが2400〜3400の5枚以上の朱子織に織製され、かつ該朱子織のタテ糸方向に1.5kg荷重時の乾燥時伸度に対する湿潤時伸度の変化率が30%以内であることを特徴とするものである。
【0008】
CF=√〔タテ糸総繊度(dtex) 〕×タテ糸密度(本/25.4mm)
+√〔ヨコ糸総繊度(dtex) 〕×ヨコ糸密度(本/25.4mm)・・・・(a)
研磨用織物のタテ糸方向の伸度(1.5kg荷重時)が乾燥時と湿潤時とで大きな差を有すると、乾燥状態の研磨用織物が供給リールから一定引張荷重下に供給されながら、途中で砥粒スラリーを塗布されて湿潤状態になってディスク基板に供給されると、その乾燥状態から湿潤状態へ変化する過程で伸びの変化により長さが変化するため、ディスク基板上で蛇行を生ずることになる。この蛇行により研磨用織物は砥粒の保持が不安定になり、基板ディスク表面を均一な表面粗さRaに研磨加工することが難しくなる。
【0009】
本発明の研磨用織物は、タテ糸方向の乾燥時の伸度に対する湿潤時の伸度の変化率が30%以内と非常に小さいため、乾燥状態から湿潤状態に変化しても長さの変化はほとんどなく、ディスク基板上で蛇行を生ずることはなく、ディスク基板を均一微細な表面粗さRaに加工することができる。
【0010】
また、タテ糸がポリエステルフィラメント繊維を主体に構成され、ヨコ糸が砥粒の保持性のためポリエステル極細フィラメント繊維が主体の仮撚加工捲縮糸からなり、該ヨコ糸がタテ糸より広い面積で表面を覆うように大きなカバーファクターCFの5枚以上の朱子織に織製されているため、研磨織物表面に砥粒を均一分布するように保持し、十分な削り量を発生して均一微細な表面粗さに加工できるようにする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1(A),(B)は、本発明の研磨用織物を用いて磁気ディスク用の基板をテクスチャー加工する場合を例示する。
【0012】
磁気ディスク用の基板1は駆動軸に支持され、矢印方向に回転駆動されるようになっている。このように駆動軸に支持された基板1の両側面に、本発明のテープ状にした研磨用織物Fがゴムローラ2により押圧され、その研磨用織物Fと基板1との間に砥粒配合のスラリーを介在させてテクスチャー加工される。基板1は、磁気ディスクに使用されるものであれば特に限定されないが、一般にアルミニウムを基材とし、その表面がニッケルメッキにより硬化され、さらにその上が研磨されて平滑化されたものが多い。
【0013】
テープ状の研磨用織物Fは、広幅の織物からタテ糸方向に一定幅に裁断されたものであり、供給リール3にロール状に巻き上げられて使用される。研磨用織物Fは供給リール3から一定速度で引き出されながらゴムローラ2に至る途中で、供給ノズル5から砥粒を配合したスラリーを塗布され、次いでゴムローラ2により基板1の表面に押圧され、回転する基板1の表面に微細な凹凸溝を形成して回収ローラ4に巻き取られる。
【0014】
本発明の研磨用織物は、ヨコ糸がタテ糸よりも広い面積で表面を覆うように5枚以上のバックサテン(朱子織)に織製されている。好ましくは5〜11枚の朱子織が使用される。5枚以上の朱子織は、ヨコ糸が表面に長く浮いた状態になって布面を覆うため、このヨコ糸がタテ糸との組織点を隠して平滑な表面を形成し、砥粒を全面に均一分布するように保持することができる。
【0015】
このように5枚以上の朱子織からなる研磨用織物は、長手方向(タテ糸方向)に沿って所定幅のテープ状に切り出されて使用され、図1に例示したように、その長手方向(タテ糸方向)をディスク基板の周方向に沿わせるように配置されることにより、ヨコ糸が基板の回転方向に対し略直交した関係にする。このようにヨコ糸が基板の回転方向に略直交する配置にことにより、微細な粒度を織物表面に保持しやすくし、かつヨコ糸の長さ方向に均一に分布させるようになる。
【0016】
所定幅に切り出されたテープ幅は、特に限定されないが、一般的にはディスク基板の大きさに応じて38mm幅にしたものと、45mm幅にしたものに形成される。テープの長さは50mから150mのものが使用され、図1に例示したように供給リールにロール状に巻き上げられ、その供給リールから一定速度で繰り出しながら研磨加工に供される。
【0017】
朱子織が5枚以上の構成であることにより、仮撚加工捲縮糸であるヨコ糸に砥粒配合のスラリーをしっかりと保持しやすくすることができる。また、このスラリーの保持効果を良好にするために、前記(a)式で定められたカバーファクターCFを2400〜3400の範囲にすることが必要である。さらに好ましくは、ヨコ糸の総繊度をタテ糸の総繊度の1.5〜10倍にするとよい。カバーファクターを上記範囲にすることにより、ヨコ糸の配列を隙間の無い状態にし、実質的にヨコ糸によって織物全体を覆った状態にするため、砥粒の保持が織物全体に均一になり、ディスク基板の研磨に有効に作用させることができる。
【0018】
カバーファクターCFが2400よりも小さいと、スラリーをヨコ糸にしっかりと保持させることが難しくなり、またカバーファクターCFが3400よりも大きいと、スラリーがヨコ糸に均一に保持されなくなるため、ディスク基板を均一で微細な表面粗さRaにテクスチャー加工することは難しくなる。
【0019】
本発明において、タテ糸に使用される繊維は吸湿性の小さいポリエステルフィラメント繊維を主体に構成され、上記のように5枚以上の朱子織に織製されたとき、荷重1.5kg負荷時の乾燥時の伸度と湿潤時の伸度との差を小さくするように規定する。すなわち、研磨用織物として、1.5kg負荷時の乾燥時の伸度に対する湿潤時の伸度の変化率が30%以内、好ましくは25%以内であるように設定する。
【0020】
また本発明において、タテ糸をポリエステルフィラメント繊維を主体に構成するとは、ポリエステルフィラメント繊維単独で構成されるものは勿論のこと、織物にしたときの乾燥時の伸度に対する湿潤時の伸度の変化率が30%以内に維持される範囲内で、ポリエステルフィラメント繊維に他のフィラメント繊維を混繊したものを含むことを意味する。
【0021】
本発明の研磨用織物は、上記のようにタテ糸方向の乾燥時の伸度に対する湿潤時の伸度の変化率を30%以内に小さくしてあるため、テクスチャー加工時に乾燥状態からスラリーの塗布により湿潤状態に変化しても、その長さの変化は極めて小さく、ディスク基板上で蛇行を生ずるようなことはない。したがって、ディスク基板を均一微細な表面粗さRaに加工することができる。
【0022】
ヨコ糸は、砥粒の保持性のため、ポリエステル極細フィラメント繊維を主体とする仮撚加工捲縮糸を使用する必要がある。ポリエステル極細フィラメント繊維を主体とする仮撚加工捲縮糸とは、ポリエステル極細フィラメント繊維単独からなる仮撚加工捲縮糸は勿論であるが、ポリエステル極細フィラメント繊維を主成分として他の極細フィラメント繊維を混繊した糸条からなる仮撚加工捲縮糸も含むことを意味する。混繊糸を使用する場合は、特にポリエステル繊維とナイロン繊維との混繊糸が好ましい。
【0023】
ポリエステル繊維はナイロン繊維等に比べて大きな弾性率を有するため、ディスク基板に押圧した際の摩擦力に対して砥粒を保持し、砥粒をディスク基板に大きな圧力で押し付けることができるため、研磨効率を増大することができる。
【0024】
また、ヨコ糸に用いるポリエステル極細フィラメント繊維は仮撚加工捲縮糸にしてある。仮撚加工捲縮糸は嵩を有するため、ヨコ糸を朱子織物の表面に露出させる割合を増大させ、上述した砥粒の保持による研磨作用を増大させることができる。このような仮撚加工捲縮糸は、好ましくは複合繊維を仮撚加工したものがよく、捲縮発現はリラックス熱水処理によって実施し、熱水処理後に液流染色機内で酸処理を行い、その後アルカリ処理により割繊するとよい。
【0025】
割繊前の複合繊維は充分に収縮させられた状態にあり、その状態で割繊するのがよい。割繊後にピンテンターにより幅出ししながらセットすることにより、割繊の促進と極細フィラメント繊維のヨコ糸により織物表面を広面積に覆うことができる。生糸(非捲縮糸)であっては、収縮が繊維軸方向に発生し、繊維が膨らんで嵩高になるような収縮を発生しないため、ヨコ糸による織物表面のカバー率を大きくすることができない。
【0026】
また、ヨコ糸に用いるポリエステル極細フィラメント繊維は無撚糸で使用することが好ましい。撚り糸であると、その螺旋によって砥粒が繊維の長手方向に流されやすくなり、上記と同様の問題がある。また、スラリーの含浸性が低下するため、砥粒の保持能力が低下する。
【0027】
上記極細フィラメント繊維の単糸繊度としては、0.56dtex(0.5デニール)以下がよく、さらに好ましくは0.11dtex(0.1デニール)以下であるのがよい。このような極細繊度のフィラメント繊維を使用することにより、粒度0.5μm以下の微細砥粒であってもヨコ糸に効率よく保持することができ、良好なテクスチャー加工を可能にする。
【0028】
本発明において、極細フィラメント繊維の製造方法は特に限定されないが、好ましくは複合繊維の割繊糸を用いるのがよい。割繊される複合繊維としては、海島型繊維が好ましい。海島型繊維は、海成分を溶解除去して島成分を極細フィラメント繊維にするが、海島型繊維は類似のポリマーを用いることで紡糸性を保持しながら、島成分を極細化しやすくする利点があるからである。海島型繊維に用いるポリマーは、島成分にポリエステル、海成分に共重合ポリエステルを用いたものが好ましい。
【0029】
さらに本発明に使用する研磨用織物には、タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に制電性繊維を含ませることが好ましい。織物の製造過程では、摩擦帯電によって環境周辺の異物、ごみ、ほこりなどを吸い寄せ、織物表面や織物内部に抱き込むことがある。このような異物等はテクスチャー加工において均一な研磨を阻害する場合がある。しかし、上記のように制電性繊維を含有させておくと、摩擦帯電による異物の混入を大幅に低減することができる。
【0030】
また、本発明に使用する研磨用織物は、表面を出来るだけ平滑化することが好ましい。このように表面を平滑化することにより、研磨加工時の繊維とディスク基板との隙間に砥粒を保持しやすくし、一層優れたテクスチャー加工を可能にする。このように織物表面を平滑化する方法としてはカレンダー加工が好ましく、かつ加工温度を室温(20℃)〜80℃の範囲にするのがよい。加工温度が100℃以上になると、織物表面でローラが融着を生じやすくなり、かえって平滑性を悪化させるおそれがある。一般にカレンダー加工は、加熱・加圧により表面を平滑化するが、本発明の研磨用織物では、加熱することなく室温条件下で加圧するだけで充分な平滑化を行うことができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を説明するが、テクスチャー加工の研磨評価方法および1.5kg荷重時の伸度の測定は次の方法によった。
【0032】
〔研磨評価方法〕
ハードディスク用アルミ基板を用い、その基板の回転数300rpm、研磨用織物テープの移動速度2cm/分とし、最大出現粒度0.5μmの人工ダイヤモンドを配分したスラリーを20cc/分の条件で滴下しながら30秒間研磨加工を行い、その加工後のディスク基板の表面粗さRa(平均)とスクラッチの有無を調べた。表面粗さRaは次の基準に分類評価した。
【0033】
◎ : 表面粗さRaが6Å以下
○ : 表面粗さRaが6Å超10Å以下
× : 表面粗さRaが10Å超
〔1.5kg荷重時の伸度〕
乾燥時は温度20℃、湿度65%RHの雰囲気下に24時間放置後の状態、また湿潤時は温度20℃、湿度65%RHの室内で常温水の中に20分間浸漬後、ホロ紙で水滴を取って、下記の条件でテンシロン測定機で測定した。
【0034】
試料長:200mm、チャート速度:200mm/分、
引張速度:200mm/分、初荷重:20g、フルスケール:10kg
実施例1
タテ糸にポリエステルマルチフィラメント糸(生糸)56dtex(50デニール),18フィラメントを用い、またヨコ糸に海島型繊維(海成分:テレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステル、島成分:ポリエステル100%,70本、海成分/島成分の重量比=20/80)135dtex(120デニール),18フィラメントをウーリー仮撚加工した捲縮糸を2本引き揃えてヨコ打ち込みし、5枚バックサテン(朱子織)に製織した。次いで精練したのち、水酸化ナトリウム30重量%存在下に80℃、30分間アルカリ処理して海島型繊維の海成分を除去した。海成分除去後の海島型繊維は70本のポリエステル極細フィラメント繊維からなる単糸繊度0.08dtex(0.07デニール)になった。
【0035】
次いで、上記織物をピンテンターで180℃の条件でヒートセットし、幅152cmの布帛(タテ糸密度137本/25.4mm、ヨコ糸密度119本/25.4mm、カバーファクターCF 2775)に仕上げた。この布帛を研磨織物にしてテクスチャー加工した評価結果を表1に示す。この研磨織物の荷重1.5kg負荷時の伸度は乾燥時4.0%、湿潤時5.0%であり、乾燥時に対する湿潤時の変化率は25%であった。
【0036】
テクスチャー加工後の評価結果は表1に示す通りであり、ディスク基板の表面粗さRaは8Åで、結果は良好(○)であった。
【0037】
実施例2
タテ糸にポリエステルマルチフィラメント糸(生糸)33dtex(30デニール),6フィラメントを用い、またヨコ糸に海島型繊維(海成分:テレフタル酸と5ナトリウムスルホイソフタル酸の共重合ポリエステル、島成分:ポリエステル100%,70本、海成分/島成分の重量比=20/80)135dtex(120デニール),18フィラメントをウーリー仮撚加工した捲縮糸を2本引き揃えてヨコ打ち込みし、8枚バックサテン(朱子織)に製織した。次いで精練したのち、水酸化ナトリウム30重量%存在下に80℃、30分間アルカリ処理して海島型繊維の海成分を除去した。海成分除去後の海島型繊維は70本のポリエステル極細フィラメント繊維からなる単糸繊度0.08dtex(0.07デニール)になった。
【0038】
次いで、実施例1と同じ条件でヒートセットし、幅152cmの布帛(タテ糸密度272本/25.4mm、ヨコ糸密度154本/25.4mm、カバーファクターCF 3161)に仕上げた。この布帛を研磨織物にしてテクスチャー加工した評価結果を表1に示す。この研磨織物の荷重1.5kg負荷時の伸度は乾燥時4.0%、湿潤時5.0%であり、乾燥時に対する湿潤時の変化率は25%であった。
【0039】
テクスチャー加工後の評価結果は表1に示す通りであり、ディスク基板の表面粗さRaは6Åで、結果は非常に良好(◎)であった。
【0040】
比較例1
実施例1において、ピンテンター処理後の織物のタテ糸密度を110本/25.4mm、ヨコ糸密度を95本/25.4mm、カバーファクターCFを2220に変えた以外は、同一条件にした研磨用織物を作製した。このときの研磨織物の荷重1.5kg負荷時の伸度は、乾燥時及び湿潤時とも実施例1と同じであった。
【0041】
テクスチャー加工後の評価結果は表1に示す通りであり、ディスク基板の表面粗さRaは13Åで、結果は不良(×)であった。
【0042】
比較例2
実施例1において、タテ糸にナイロン6マルチフィラメント糸(生糸)56dtex(50デニール),18フィラメントを使用した以外は、同一条件で処理することにより、同じく布帛(タテ糸密度137本/25.4mm、ヨコ糸密度119本/25.4mm、カバーファクターCF 2775)に仕上げた。この布帛を研磨織物にしてテクスチャー加工した評価結果を表1に示す。このときの研磨織物の荷重1.5kg負荷時の伸度は乾燥時7.8%、湿潤時12.8%であり、乾燥時に対する湿潤時の変化率は64%であった。
【0043】
テクスチャー加工後の評価結果は表1に示す通りであり、ディスク基板の表面粗さRaは25Åで、結果は非常に不良(×)であった。
【0044】
【表1】
Figure 0004432178
【0045】
【発明の効果】
上述したように本発明の研磨用織物によれば、タテ糸方向の乾燥時の伸度に対する湿潤時の伸度の変化率が30%以内に小さく抑制してあるため、乾燥状態から湿潤状態に変化しても長さ変化はほとんどなく、ディスク基板上で蛇行を生ずることによる研磨加工の不均一性をなくすことができる。また、タテ糸がポリエステルフィラメント繊維を主体に構成され、ヨコ糸がポリエステル極細フィラメント繊維が主体の仮撚加工捲縮糸からなり、該ヨコ糸がタテ糸より広い面積で表面を覆うように大きなカバーファクターCFの5枚以上の朱子織に織製されているため、研磨織物表面に砥粒を均一分布するように保持し、均一微細な表面粗さに加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨用織物を用いてテクスチャー加工する工程を例示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ゴムローラ
3 供給リール
4 回収リール
5 供給ノズル
F 研磨用織物

Claims (8)

  1. タテ糸がポリエステルフィラメント繊維を主体に構成され、ヨコ糸がポリエステル極細フィラメント繊維を主体とする仮撚加工捲縮糸からなり、該ヨコ糸が前記タテ糸よりも広い面積で表面を覆うと共に、下記(a)式で定められるカバーファクターCFが2400〜3400の5枚以上の朱子織に織製され、かつ該朱子織のタテ糸方向に1.5kg荷重時の乾燥時伸度に対する湿潤時伸度の変化率が30%以内である磁気ディスク研磨用織物。
    CF=√〔タテ糸総繊度(dtex) 〕×タテ糸密度(本/25.4mm)
    +√〔ヨコ糸総繊度(dtex) 〕×ヨコ糸密度(本/25.4mm)・・・・(a)
  2. 前記ヨコ糸が無撚糸である請求項1に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  3. 前記ヨコ糸の総繊度が前記タテ糸の総繊度の1.5〜10倍である請求項1又は2に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  4. 前記ポリエステル極細フィラメント繊維が主体の捲縮糸が複合繊維の割繊糸からなり、単糸繊度が0.56dtex(0.5デニール)以下である請求項1、2又は3に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  5. 前記複合繊維が海島型繊維である請求項4に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  6. 前記ポリエステル極細フィラメント繊維が主体の捲縮糸が、ポリエステル繊維単独又はポリエステル繊維とナイロン繊維との混繊糸である請求項1〜5のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  7. 前記タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方に制電性繊維を含んでいる請求項1〜6のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  8. 表面がカレンダー加工で平滑化されている請求項1〜7のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
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