JP3693037B2 - 磁気ディスク研磨用織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ディスク研磨用の織物に関し、さらに詳しくは磁気ディスク製造工程においてディスク基盤の表面に凹凸溝を付けるテクスチャー加工に使用できる研磨用織物に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器における磁気ヘッドは、磁気ディスク(磁気記録媒体)に僅少な距離で対峙して、磁気ディスクに記憶された記録を読みとるように構成されている。
【0003】
磁気ディスクの記憶容量は、磁気ヘッドとの間の距離、すなわち磁気ヘッドの磁気ディスク表面に対する浮上距離を極力小さくすることが技術課題の一つになっている。しかし、高速回転する磁気ディスクに磁気ヘッドを接近させ過ぎると、磁気ヘッドが磁気ディスクに接触し、ヘッドクラッシュを起こしやすくなるという問題がある。
【0004】
従来、上記ヘッドクラッシュを発生させることなく、磁気ヘッドの浮上距離を極力小さくする方法として、ディスク基板に磁気膜などを形成する前に、その基板面に微細な凹凸溝を付ける所謂テクスチャー加工することが行われている。
【0005】
かかるテクスチャー加工は、一般に、ダイヤモンド、アルミナあるいはジルコニア等の砥粒を配合したスラリーを研磨用織物(研磨用テープ)を介して押圧することによって行われるが、この加工で得られる凹凸溝の表面粗さ(Ra)が小さくなるほど、磁気ヘッドの浮上距離を小さくすることができるため、砥粒の粒径が次第に微細化し、平均粒径が0.5μm以下や、さらには0.25μm以下のものが使用されるようになっている。
【0006】
しかしながら、砥粒の粒度が微細になるにしたがって、従来から使用されていた研磨用織物(織物テープ)では、微小粒の砥粒を保持することが難しいため、十分な削り量(SR)が得られなくなり、凹凸溝が均一に分布した微細な表面粗さ(Ra)を得ることが困難になっている。
【0007】
このために磁気ヘッドの浮上距離の縮小にも限界があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、砥粒の大小にかかわらず十分な削り量(SR)を確保し得て、均一で微細な表面粗さ(Ra)を呈するテクスチャー加工を可能にする磁気ディスクの研磨用織物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために以下の構成を採用する。すなわち、
[1]少なくともヨコ糸が、葉が中心から葉の先端部にむかって幅が漸次狭くなる多葉形断面のマルチフィラメント糸条からなり、ヨコ糸がタテ糸よりも広い面積で表面を覆う織物からなることを特徴とする磁気ディスク研磨用織物。
【0010】
[2]前記多葉形断面繊維の横断面形状が以下の(1)〜(3)要件を満たすことを特徴とする前記[1]に記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0011】
(1)葉が中心から放射線状に延びていること、
(2)葉の枚数が3〜50枚であること、
(3)中心から葉の先端の長さに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さ比が0.1〜0.9であること。
【0012】
[3]前記多葉形断面のマルチフィラメント糸条の単糸繊度が0.01〜3dTexであることを特徴とする前記[1]または[2]に請記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0013】
[4]前記多葉形断面繊維糸が生糸および/または実質的にノントルクのけん縮糸であること特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0014】
[5]前記多葉形断面のマルチフィラメント糸条が複合繊維の割繊糸からなり、割繊溶出後の単繊維繊度が0.01dTex〜3dTexであることを特徴とする前記[1]〜[4]のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0015】
[6]前記複合繊維が剥離型の割繊糸であることを特徴とする前記[5]に記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0016】
[7]前記タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方が制電繊維を含んでいることを特徴とする前記[1]〜[6]のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0017】
[8]前記研磨用織物の幅が2〜500mm、長さが10〜300mで、両サイドが溶融カットされていることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
【0018】
[9]前記[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物を用いて磁気ディスクを研磨することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1(A),(B)は、本発明の研磨織物を用いて磁気ディスク用の基盤をテクスチャー加工する場合を例示する。
【0020】
磁気ディスク用基盤1は駆動軸に支持され、矢印方向に回転駆動させるようになっている。このように駆動軸に支持された基盤1の両側面に、本発明のテープ状にした研磨用織物Fと基盤1との間に砥粒配合スラリーを介在させたテクスチャー加工される。基盤1は、磁気ディスクに使用されるものであれば特に限定されないが、一般にアルミニュームを基材とし、その表面がニッケルメッキにより硬化され、さらにその上が研磨されて平滑化されたものが多いが、ガラス基材のものも出回り始め、本発明の織物は両方の基材に適用できる。
【0021】
テープ状の研磨用織物Fは、広幅の織物からタテ糸方向に一定幅に裁断されたものであり、供給リール3にロール状に巻き上げられて使用される。研磨用織物Fは供給リール3から一定速度で引き出されながらゴムローラ2に至る途中で、供給ノズル5から砥粒を配合したスラリーが塗布され、次いでゴムローラ2により基盤1の表面に押圧され、回転する基盤1の表面に微細な凸凹溝を形成して回収ローラ4に巻き取られる。
【0022】
本発明の磁気ディスク研磨用織物は織物を構成するタテ糸とヨコ糸の少なくとも一方には、単糸繊度が0.01〜3dTexの多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条が用いられている。
【0023】
本発明で用いられている多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条は、例えば、2種の異なるポリマーからなる剥離分割型複合繊維の1成分を完全に溶出せしめることによって得ることができる。
【0024】
本発明において、多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条を作るために使用されるポリマーは、特に限定されるものではなく、通常の方法で製糸可能なものであればいずれのポリマーであっても使用することができる。例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリオレフィンなどを例示することができ、なかでもポリアミドが特に好ましく用いられる。
【0025】
本発明において多葉形断面繊維は、単糸繊度が0.01〜3dTex、好ましくは0.05〜2.5dTex、より好ましくは0.1〜2dTexの多葉形断面繊維が用いられる。
【0026】
単糸繊度が0.01〜3dTexの範囲を外れる場合には、例えば0.01dTexを下回る場合には、隣り合った葉と葉の間に形成した溝の深さが浅いため、スラリーを十分に取り込めない。また、3dTexを上回る場合にはスラリーを取り込み過ぎ、結果としてハードディスク面に均質な溝をつけることは困難となる。
【0027】
ここで、単糸横断面の多葉形断面形状は重要である。葉の枚数は、3〜50枚であり、好ましくは4〜45枚、さらに好ましくは、5〜40枚である。かつ、中心から葉の先端の長さに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さ比が0.1〜0.9であり、好ましくは0.2〜0.8、さらに好ましくは0.3〜0.7である。葉数が3〜50枚の範囲、かつ、中心から葉の先端の長さに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さ比が0.1〜0.9の範囲を外れる場合には、単繊維の溝部にスラリーを保持することができないため、磁気ディスク面の均質なテクスチャー加工ができない。図2,3に断面形状を例示する。
図2は、本発明に好適な断面形状例であり、葉が中心から葉の先端部にむかって幅が漸次狭くなる多葉形断面のものである。図3は、適さない例である。aは、中心から葉の先端までの長さであり、bは、中心から溝の最下端までの長さである。
【0028】
上記の範囲を外れる場合、例えば上記(2)、(3)項の範囲を外れる場合には、(1)項の多葉形断面形状の繊維を製造することが難しくなり、例えできたとしても、優れたテクスチャー加工性は発揮しにくい。
【0029】
該範囲の多葉横断面形状にしたことにより、小さな溝に微小な研磨材である粒子が捕獲されて、優れたテクスチャー加工性を発現されるのである。そして、磁気ディスク基盤に接したとき、捕獲された粒子が徐々に引き出されながら磁気ディスク面を研磨し、研磨効果を高め、高度なテクスチャリー加工が可能になった。
【0030】
本発明の多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条は、生糸でも良いが実質的にノントルクのけん縮糸を用いる方がより好ましい。例えばかかる実質的にノントルクのけん縮糸を得る方法としては、押し込みスタッファー法、ギヤ法、および2段ヒーター仮撚り法などが挙げられるが、2段ヒーター仮撚り法が好ましく用いられる。
【0031】
この2段ヒータ仮撚り法は、第1次の仮撚りに続き、第2次の熱処理を行うもので、仮撚り糸を連続してオーバーフィード状態で走行熱処理することによって、伸長変形抗力の小さいけん縮成分が相殺されて、変形抗力が大きく細かで強固な
けん縮成分が残った仮撚り糸が得られる。すなわち、トルクと伸縮性が小さく、かつ、バルキー性と熱的寸法安定性に優れた仮撚り加工糸が得られる。
本発明において、実質的にノントルクとは、撚り数が5ターン/m以下を意味するが、熱セットされてトルクの小さいものも含む。
【0032】
この実質的にノントルクのけん縮糸を用いることによって、得られる織物は、表面が実質的に多葉形断面繊維で覆われた織物になり、テクスチャー作業時において、多葉形断面繊維の凹部や多葉形断面のマルチフィラメントで形成された空隙に微細粒子スラリーが取り込まれ、磁気ディスク面に接した時にスラリーが織物から徐々に吐き出され、磁気ディスク面が均質に研磨され、良好な磁気ディスクを得ることができる。図4(A)、(B)にそのモデル図を例示する。図(A)は、スラリーが織物に取り込まれた状態を示し、図(B)は、研磨時の状態を示す。多葉形断面fが収束されたマルチフィラメント糸条Fは、その内部に溝の空隙Gを形成している。このマルチフィラメント糸条Fの織物にスラリーSが取り込まれ、磁気ディスク面Hに接した時に織物内部に取り込まれたスラリーが徐々に吐き出され磁気ディスク面が均質に研磨され、良好な磁気ディスクを得ることができる。
【0033】
本発明の磁気ディスク研磨用織物の特徴のひとつは、少なくともヨコ糸が多葉形断面のマルチフィラメント糸条からなり、ヨコ糸がタテ糸よりも広い面積で表面を覆う織物にしたことである。マルチフィラメント糸条が表面を多く覆うようにするためにはタテ糸本数よりヨコ糸本数を多くすることによって、ヨコ糸のフィラメント糸条が織物表面に多く浮き、タテ糸を織物表面にできるだけ出さないようにすることができる。
【0034】
本発明の織物においては、好ましくは一定方向、すなわちテープの長さ方向への移動による研磨性能向上のため、多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条を少なくともタテ糸またはヨコ糸の一方に用いるが、ヨコ糸を多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条とし、他の糸条をタテ糸にすることが好ましく、 かかるタテ糸には、前述の単糸繊度0.5〜5デニールのマルチフィラメント糸条が好ましく用いられる。このタテ糸は、織物の形態安定化に役立ち、生機から製品に仕上げるまでの熱履歴を受けて寸法変化の少ない織物となり、織物の寸法変化は、98℃の熱水中で処理した時の収縮率が6%以下のものが好ましい。この収縮率が大きすぎるとテクスチャリング加工時にかかる張力で布帛が変形し、十分な研磨性能を示さない。
【0035】
この場合、織り組織は平織り、綾織り、朱子織り等のいずれでも良いがヨコ糸の浮き構造をより効果的にするため、朱子織りのように一方の糸条が織物表面を多くカバーする組織が、より好ましい。
【0036】
本発明の実施態様として、多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条が主に織物表面に多く配され、制電性繊維等の他の糸条が織物内部に存在する構造とすることもできる。
【0037】
本発明ではこのように構成してきたことで、磁気ディスク研磨用布帛を構成する織物表面が、主に多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条で覆われていることで、磁気ディスクの表面を均一にテクスチャー加工することが可能である。多葉形断面糸からなる溝と多葉形断面のマルチフィラメントで形成された空隙により、微細な砥粒を適度に捕獲することで効果的な磁気ディスク研磨用織物になり得るのである。
【0038】
本発明の織物は研磨材等の微細な粒子が水溶性の液体に分散させたスラリーを滴下して使用される。水溶性の液体としては、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチリエーテル、イソプロピルアルコール等の単独または混合物が用いられる。研磨材としての砥石粒子はダイヤモンド、コロイダルシリカ、アルミナ、酸化クロム、酸化鉄等が用いられる。かかるスラリーを含浸させ、織物の内部に蓄えながら、テクスチャー加工に好適な布帛が得られることを見出したのである。
【0039】
【実施例】
以下実施例により詳細に説明するが、テクスチャー加工の研磨評価は次の方法で行った。
【0040】
〔研磨評価方法〕
ハードディスク用アルミ基盤を用い、その基盤の回転数300rpm、研磨用織物テープの移動速度2cm/分とし、最大出現粒度0.1μmの人工ダイヤモンドを配合したスラリーを20cc/分の条件下で滴下しながら30秒間研磨加工を行い、その加工後のディスク基板の表面粗さ(Ra)を調べ次の基準に分類評価した。
【0041】
◎:表面粗さRaが6オングストローム以下○:表面粗さRaが6オングストローム超10オングストローム以下×:表面粗さRaが10オングストローム超 (実施例1)
タテ糸に、33dTex、26フィラメントのポリアミド長繊維を用い、また、ヨコ糸に、ウーリー仮より加工した55dTex、18フィラメントの剥離分割型マルチフィラメント糸条(単糸繊維の断面形状は、中心がポリアミド成分の8葉形で、それを取り巻く形でポリエステル成分が配された剥離分割型の繊維であって、ポリエステル溶出・除去後の単繊維繊度が0.88dTexの剥離分割型繊維)の実質ノントルクの生糸4本引きそろえて用いた。織物密度は、タテ密度:178本/インチ、ヨコ密度:108本/インチとし、組織は、8枚サテンとし、これを生機とした。得られた生機をアルカリの存在下で熱処理し、ヨコ糸のポリエステル成分を完全に除去し、ヨコ糸を8葉形断面糸にした。8葉形断面形状は、葉が中心から葉の先端部に向かって葉の幅が漸次狭くなり、すなわち葉の先端部に向かって葉と葉の間の隙間が漸次広がるように放射線状に延びて広がっており、中心から葉の先端までの長さに対し、隣り合った葉の間にできた溝の最下端までの比は、0.5であった。次に、この織物を160℃で40秒間乾熱処理し仕上げ加工した。
【0043】
さらにこの織物をタテ方向に70mm幅のテープ形状にヒートカットし、ワイピングテープとした。得られたテープの収縮率は1.5%でありテクスチャー加工時変形し難いものであった。
テクスチャー加工後の評価結果は表1に示す通りであり、ディスク基板の表面粗さRaは4オングストロームで、結果は良好(◎)であった。
【0044】
(比較例1)
タテ糸に、実施例1と同様の繊維を用い、ヨコ糸に、仮ヨリ加工された135dTex(丸断面)、18フィラメントのポリエステル繊維糸を用いて、実施例1と同様に製織し、アルカリ処理を除き、実施例1と同様の加工をした
【0045】
クスチャー加工後の評価結果は、12オングストロームで、結果は不良であった。これは、ヨコ糸のフィラメント数が少なく単糸繊度が太く、断面形状が丸であることが原因と考えられる。
【0046】
(実施例2)
タテ糸に、56dTex、18フィラメントのナイロン長繊維を用い、また、ヨコ糸に、2段ヒーター仮より方式で加工された55dTex、18フィラメントのナイロンとポリエステルの剥離分割型マルチフィラメント糸条からなる4ターン/mの実質ノントルクの捲縮糸を本引き揃えて用いた。この捲縮糸は、ナイロンが5葉形でそれを取り巻くようにポリエチレンテレフタレートが配された剥離分割型複合繊維(ポリエチレンテレフタレート成分溶出後の単糸繊度:1.1dTex)である。これらのタテ糸およびヨコ糸をそれぞれ用いて、タテ密度:130本/インチ、ヨコ密度:100本/インチである5枚サテンを製織し生機とした。この生機をアルカリの存在下で熱処理し、ポリエチレンテレフタレート成分を完全に除去し、ヨコ糸を5葉断面糸に分解した。得られた16葉形断面糸は葉が中心から放射線状に広がっており、中心から葉の先端までの長さに対し、隣り合った葉で形成された溝の最下端までの長さ比は0.6であった。さらに130℃の熱水で処理することにより、糸の収縮による高密度化と洗浄を同時に実施した。次に、この織物を160℃で40秒間乾熱処理し仕上げ加工した。
【0048】
さらに織物をタテ方向に70mm幅のテープ形状にカットし、テクスチャーテープとした。得られたテープの収縮率は、2.1%であり、テクスチャー加工において変形のない、良好なものであった。
テクスチャー加工後のディスク基板の表面粗さRaは5オングストロームであり良好(◎)であった。
【0049】
【表1】
Figure 0003693037
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、実質ノントルクの葉が中心から葉の先端部にむかって幅が漸次狭くなる多葉形断面繊維からなるマルチフィラメント糸条をヨコ糸に多く配することによって、多葉形断面繊維が織物表面を多く覆った織物構造の磁気ディスク研磨織物とする。スラリーは、多葉形断面繊維の溝部および多葉形断面繊維で形成された空隙に取り込まれ、テクスチャー加工時に磁気ディスク面に吐き出されながら研磨されることによって表面粗さRaが10オングストローム以下の均質で細かい磁気ディスク基板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の研磨織物を用いてテクスチャー加工する工程を例示し、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図2】本発明の断面形状を示したものである。
【図3】本発明以外の断面形状を示したものである。
【図4】本発明のテクスチャー織物によるテクスチャー作用を示す説明図である。
【符号の説明】
1:基板
2:ゴムローラ
3:供給リール
4:回収リール
5:供給ノズル
F:研磨用織物
a:中心から葉の先端までの長さ
b:中心から溝の最下端までの長さ

Claims (9)

  1. 少なくともヨコ糸が、葉が中心から葉の先端部にむかって幅が漸次狭くなる多葉形断面のマルチフィラメント糸条からなり、ヨコ糸がタテ糸よりも広い面積で表面を覆う織物からなることを特徴とする磁気ディスク研磨用織物。
  2. 前記多葉形断面繊維の横断面形状が以下の(1)〜(3)要件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスク研磨用織物。
    (1)葉が中心から放射線状に延びていること、(2)葉の枚数が3〜50枚であること、(3)中心から葉の先端の長さに対し、隣り合った葉となす溝の最下端までの長さ比が0.1〜0.9であること。
  3. 前記多葉形断面のマルチフィラメント糸条の単糸繊度が0.01〜3dTexであることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  4. 前記多葉形断面繊維糸が生糸および/または実質的にノントルクのけん縮糸であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  5. 前記多葉形断面のマルチフィラメント糸条が複合繊維の割繊糸からなり、割繊溶出後の単繊維繊度が0.01dTex〜3dTexであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  6. 前記複合繊維が剥離型の割繊糸であることを特徴とする請求項5に記載の磁気ディスク研磨用織物。
  7. 前記タテ糸およびヨコ糸の少なくとも一方が制電繊維を含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  8. 前記研磨用織物の幅が2〜500mm、長さが10〜300mで、両サイドが溶融カットされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の磁気ディスク研磨用織物を用いて磁気ディスクを研磨することを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
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