JPS61252074A - ブラシ用毛材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は金属や木材などの表面研削、研磨仕上げにおい
て、微細かつ美麗な仕上げ面を高能率で得ることができ
る、研磨性および耐久性にすぐれた砥剤粒子含有合成樹
脂モノフィラメントを基体とする工業ブラシ用毛材に関
するものである。

（従来技術） 従来から工業用ブラシなどの分野において、砥剤粒子を
含有する合成樹脂を溶融紡糸して得られるモノフィラメ
ントを用いることはよく知られており、たとえば上記モ
ノフィラメントを基材に植毛して通常のブラシとして使
用するか、または上記モノフィラメントをすだれ状に垂
らしてその下に被研磨物を通過させる方法などの態様で
使用されている。

しかるに上記の砥絢粒子含有モノフィラメントをそのま
ま基材に植毛したブラシは、モノフィラメント自体が細
く、ブラシとしての腰に欠けるため、研磨性が劣り、微
細な研磨面を能率的に得ることが困難でおる。これに対
しモノフィラメントの太さを増大してブラシの腰を高め
ようとすると、研磨性こそ改善されるものの、研磨面が
荒くなって微細な仕上げ面の取得が阻害される。

このような問題を解決した微細な研磨面を得るためのブ
ラシ用毛材としては、たとえば数本の細い砥剤粒子含有
モノフィラメントを撚合せるか、または束ねて、その表
面をマルチフィラメントなどで被覆したもの（実公昭４
９−３８６３７号公報および実公昭５６−２１２９４号
公報など）が知られているが、これらは撚り工程や被覆
工程などの加工工程が付加されることによって製造コス
トが増大し、経済的に好ましくないばかりか、微細な研
磨面を得るための作業能率もいまだに改善の余地がある
。

（本発明が解決しようとする問題点） そこで本発明者らは、微細かつ美麗な研磨仕上げ面を高
能率で得ることができる、研磨性および耐久性にすぐれ
た砥剤粒子含有合成樹脂モノフィラメントを基体とする
工業ブラシ用毛材の取得を目的として鋭意検討した結果
、砥剤粒子含有モノフィラメントからなる撚線を製造す
るに際し、フィルム状、テープ状、紐状または糸状の特
定性能を有する接着剤を同時に撚合わせ、次いで加熱処
理するという簡便な手段により、上記目的に合致したブ
ラシ用毛材が得られることを見出し、本発明に到達した
。

（問題点を解決するための手段） すなわち本発明は砥剤粒子含有合成樹脂モノフィラメン
トを少なくとも１本含む複数本の合成樹脂モノフィラメ
ントを撚合わせるに際し、上記モノフィラメントの素材
よりも低融点の合成樹脂からなるフィルム状、テープ状
、紐状または糸状の接着剤を同時に撚合わせ、次いで加
熱処理してなる、接着剤層によりモノフィラメント単糸
同志が固定された撚線からなることを特徴とするブラシ
用毛材を提供するものである。

本発明において合成樹脂モノフィラメントの素材として
用いる合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート
、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナ
イロン６、ナイロン６６、ナイロン〜１２などのポリア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンおよびポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデンなど
のポリハロゲン化ビニルなどの溶融紡糸可能な熱可塑性
樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂は熱安定剤、酸化
防止剤、耐候材、着色剤、滑剤、雑燃剤および帯電防止
剤などの通常の添加剤を含有することができる。

本発明で用いる砥剤粒子としては、コークス粉、ボーキ
サイト、アルミナ粉などのアルミナ系研磨剤、白けい石
、鉱粉などの炭化けい素系研磨剤、ダイヤモンド、エメ
リー、ざくろ石などの天然物系研磨剤、炭化物系研磨剤
、ジルコニア系研磨剤およびガラス系研磨剤などが挙げ
られ、これらは２種以上併用することができる。これら
砥剤粒子の粒子径はＪＩＳ　　Ｒ６００１（１９５６）
で規程された粒度が＃３０〜３０００．とくに＃６０〜
５００の範囲が好適であり、粒子径が＃３０よりも大き
いと紡糸性やモノフィラメントの強靭性が、また＃３０
００よりも小さいと研磨性がそれぞれ低下する場合があ
る。これら砥剤粒子の配合量は、合成樹脂に対し３〜７
０重四％、とくに１０〜５０重量％が好適であり、３重
量％未満では望ましい研磨効果が得られず、また７０重
量％を越えるとモノフィラメントの強靭性や溶融紡糸性
が低下するため好ましくない。

本発明でいう砥剤粒子含有合成樹脂モノフィラメントは
、上記の合成樹脂に砥剤粒子を必要量含有せしめ、これ
を溶融混合して−Ｈペレタイズするか、またはペレタイ
ズを経ずに直接溶融押出紡糸機に供し、紡糸口金から複
数本のモノフィラメントとして紡出せしめた後、冷却し
、必要に応じて延伸することにより得られる。ここで砥
剤粒子含有モノフィラメント単糸の断面形状は円形以外
にも楕円形、三角形、矩形およびその他の異形にするこ
とができ、それらの平均直径は通常０．２〜１．３ｍｍ
１とくに０．３〜１．０ｍｍの範囲が好適である。

本発明のブラシ用毛材を製造するに際しては、上記の砥
剤粒子含有モノフィラメントをＳむ複数本の合成樹脂モ
ノフィラメントを撚り合せて撚線を形成する。なお撚線
は、単糸数２〜１０本、とくに３〜７本に引揃ええたモ
ノフィラメントを通常の撚線機に供することにより容易
に製造することができる。モして撚線を構成するモノフ
ィラメントの直径および砥剤粒子含有量は必ずしも同一
である必要はなく、異なった直径のモノフィラメント同
志や砥剤粒子含有量の相違するモノフィラメント同志、
たとえば砥剤粒子を全く含有しないモノフィラメントと
砥剤粒子含有モノフィラメントとを組合わせて用いるこ
とができる。ようするに撚線を構成するモノフィラメン
トの直径や砥剤粒子含有量を適宜変更することにより、
使用目的に応じた種々の性能のブラシ用毛材を得ること
ができるのである。たとえば砥剤粒子含有モノフィラメ
ントは比較的もろく、折れやすくなっているため、これ
に砥剤粒子を含有しない通常のモノフィラメントを組合
せて構成した撚線においては、腰がつよく、しかも研磨
効果がある程度緩和されたブラシ用毛材が得られる。ま
た直径の大きな砥剤粒子含有モノフィラメントのみで構
成した撚線では研磨、研削効果が強く、直径の小さな砥
剤粒子含有モノフィラメントのみで構成した撚線では精
密な研磨面の取得が可能となる。ざらに直径が異なる砥
剤粒子モノフィラメント同志を組合わせた撚線では、強
い研磨と同時に精密な細部仕上げが期待できるのである
。

ただし上記のモノフィラメントのみからなる撚線をブラ
シ用毛材に供する場合は、使用中に撚りがほどけてブラ
シの腰や研磨効果が著しく低下することになる。そこで
本発明のブラシ用毛材においては、撚線を製造する際に
、上記モノフィラメントの素材よりも低融点の合成樹脂
からなるフィルム状、テープ状、紐状または糸状の接着
剤を同時に撚合わせ、次いで加熱処理することにより、
上記接着剤でモノフィラメント単糸同志を固定し、上記
欠点を解消せんとする点に特徴を置くものである。

本発明で用いる接着剤とは、ポリアミド、共重合ポリア
ミド、ポリエステルエラストマー、共重合ポリエステル
、低分子量ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
レートおよびエチレン−酢ビ共重合体などの熱可塑性樹
脂系接着剤から選ばれた、モノフィラメント素材よりも
低融点、望ましくは１０℃以上低融点で、かつフィルム
状、テープ状、紐状または糸状の形状を有する接着剤で
必る。なお本発明のブラシ用毛材を工業用ブラシとして
用いる場合には、水または温水などを注水しながら湿潤
状態で実用に供することが多いため、なかでも耐水性の
すぐれた接着剤を使用することが望ましい。

本発明のブラシ用毛材は、上記の撚線を製造するに際し
、撚線を構成するモノフィラメントと共に、上記のフィ
ルム状、テープ状、紐状または糸状の形状を有する接着
剤を同時に撚合わせ、次いで上記接着剤の融点以上、モ
ノフィラメント素材樹脂の融点以下の温度で熱処理する
ことにより、上記接着剤層でモノフィラメント単糸同志
を融着、固定することにより得られる。熱処理手段とし
ては高温の熱処理筒内でバッチ的または連続的に熱処理
する方法などが採用でき、熱処理温ｙ１および時間は接
着剤の種類に応じて適宜選択する。

次に本発明のブラシ用毛材の態様について、図面にした
がって説明する。第１図および第２図は本発明のブラシ
用毛材の拡大断面図でおる。第１図（イ）は３本の砥剤
粒子含有モノフィラメント単糸Ａと共に、３本のモノフ
ィラメント状接着剤Ｃを撚合わせた撚線の断面を示し、
第１図（ロ）はそれを熱処理した後の断面を示す。同様
に第２図（イ）は４本の砥剤粒子含有モノフィラメント
単糸Ａと共に、それよりも小径でかつ砥剤粒子を含有し
ない４本の合成樹脂モノフィラメントＢおよび８本のモ
ノフィラメント状接着剤Ｃを組合せて撚合わせた撚線の
断面を示し、第２図（ロ）はそれを熱処理した後の断面
を示す。

ここで第１図および第２図に見られるように、モノフィ
ラメント状接着剤は熱処理により溶融してモノフィラメ
ント単糸の隙間に導入、固化すると共に、撚線の表１面
に薄い被膜を構成して接着剤層Ｃ′となる。そしてかか
る被膜の厚みが、通常０．１〜１．０ｍｍ、とくに０．
１５〜０．３ｍｍ程度となるように、接着剤の使用量を
制限すべきである。

このように接着剤により撚線を構成するモノフィラメン
ト同志を固定してなる本発明のブラシ用毛材は、これを
必要な長さに切断し、束にするかまたはブラシ基体に植
毛して、回転あるいは往復運動ブラシとする、またはこ
れをすだれ状の垂らして、その下に被研磨物を通過させ
るなどの工業的研磨ブラシとしての実用手段に供される
。

（作　用） 本発明のブラシ用毛材を実用に供する際には、被研磨物
の表面と接する毛材の先端における接着剤層を剥離し、
単糸に分割してから研磨作業を開始する。またはそのま
まの状態で研磨作業を開始しても、ブラシの先端部は被
研磨物との摩擦により自動的に接着剤層が剥離して、分
割された単糸が被研磨物表面に直接接触することになる
。このような状態で被研磨物の表面研磨作業を行なうと
、毛材の根元部は接着剤層によりモノフィラメント単糸
同志が接合、固定されているため、硬く腰があり、一方
毛先（先端部）は単糸に分割されているので、研磨面の
細かな隙間などを精密に研磨加工することができ、微細
かつ美麗な研磨仕上げ面を能率的に得ることができる。

しかもブラシは毛先がばらＣプることがなく、かつ折れ
にくいため、その研磨性および耐久性がきわめて改良さ
れたものとなる。

以下実施例により本発明をざらに詳述する。

（実施例） 東しく株）製ナイロン６チップ（Ｍ１０２１Ｔ）に、昭
和電工（株）製炭化けい素砥剤（＃１８０）を２５重量
％配合したものを、４０ｍｍφ溶融押出機に供して溶融
し、紡糸口金から紡出せしめ、冷却、引取り、延伸する
ことにより、直径０．９ｍｍの砥剤粒子含有モノフィラ
メントを得た。このモノフィラメントを毛材Ｎα１とす
る。

次に上記毛材Ｎα１の３本を撚線機に供して７５Ｔ／ｍ
に撚合わせることにより、撚線を製造した。

この撚線を毛材Ｎα２とする。

一方上記撚線毛材Ｎα２を製造するに際し、上記毛材Ｎ
α１の３本と共に、東しく株）製共重合ナイロン型低融
点接着糸（゛エルダー″２０デニール、融点１１０℃）
１０本を同時に撚線機に供して７５Ｔ／ｍに撚合わせ、
次いでこれを１５０℃の熱風循環浴内に２０ｍ／分の速
度で通過させることにより、接着剤層を形成した。この
接着剤加熱処理により製造した撚線は、第１図（ロ）の
断面形状を有しており、これを毛材Ｎα３とする。

また上記砥削含有モノフィラメント（毛材Ｎα１）の４
本および別途製造した砥剤粒子を含有しないナイロン６
からなる直径Ｑ、５ｍｍのモノフィラメント４本を上記
と同様の撚線機に供し、　７５Ｔ／ｍの撚線を製造した
。これを毛材Ｎα４とする。

一方上記撚線毛材Ｎα４を製造するに際し、上記毛材と
共に、東しく株）製共重合ナイロン型低融点接着糸（゛
エルダー′′２０デニール、融点１１０℃）１５本を同
時に撚線機に供して７５Ｔ／ｍに撚合わせ、次いでこれ
を１５０℃の熱風循環浴内に２０ｍ／分の速度で通過さ
せることにより、接着剤層を形成した。この接着剤加熱
処理により製造した撚線は、第２図（ロ）の断面形状を
有しており、これを毛材Ｎα５とする。

このようにして得た各ブラシ毛材について、次の評価方
法により、湿曲げ硬さ、ブラシとしての研削力、研磨性
および耐久性を評価した。これらの結果を第１表に併ぜ
て示す。

（湿曲げ硬さ） 長ざ５Ｑｍｍの毛材を室温の水中に２４時間浸漬後、こ
れを間隔１０ｍｍの二支点間に載せて、その中央部に引
き抜ぎ荷重を与えた際に、試料が湾曲して支点間を抜け
る時の最大荷重（ｇ）を測定する。

（研削力） 上記で得た各ブラシ毛材を直径３０ｃｍ、幅３００ｍの
基体に、弔文５ｃｍで密に植毛して回転ブラシとなし、
これを用いてブラシ回転数１００Ｏｒ、ｌ）、ｍ　、ラ
ップ量５　ｍｍ（７）条件で、鉄板（ＳＳＡＩ）の表面
を５分間研削した際の表面研削量（μ）を測定する。

（研磨性） 上記の同様の回転ブラシを用いて、ブラシ回転数２ｏｏ
ｏｒ、ｐ、ｍ　、ラップ１５ｍｍの条件で、アルミ板表
面の研磨作業を行ない、表面鏡度が３８の研磨仕上げ面
が得られるまでの作業時間（秒）を求める。

（耐久性） 上記と同様の回転ブラシを用いて、ブラシ回転数１００
Ｏｒ、ｌ）、ｍ　、ラップ１５ｍｍの条件で、鉄板（Ｓ
ＳＡＩ）表面の連続研磨作業を行なう際に、毛材が折損
し始めるまでの時間（ｈｒ）を測定する。

（以下重置余白） 第１表 第１表の結果から明らかなように、本発明の接着剤層を
形成してなるブラシ用毛材（Ｎα３および５）は、すぐ
れた作業能率で微細かつ美麗な研磨仕上げ面を得ること
ができ、研磨性および耐久性もすぐれている。

−５砥剤粒子含有モノフィラメントの単糸をブラシ毛材
とするもの（Ｎα１）は研磨性が極めて劣り、また撚線
のままでブラシ毛材に供する場合（Ｎα２および４）は
、同様の研磨面を得るまでの作業能率が劣り、研磨性お
よび耐久性も満足できるものではない。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明のブラシ用毛材は、研磨性
および耐久性がすぐれ、金属、木材および石材などの各
種被研磨物の表面研磨仕上げにおいて、微細かつ美麗な
仕上げ面を高能率で得ることが可能であるから、種々の
工業用途に適用が期待される。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明のブラシ用毛材の拡大断面
図である。 Ａ・・・・・・砥剤粒子含有モノフィラメントＢ・・・
・・・砥剤粒子を含有しないモノフィラメンＣ・・・・
・・接着剤層 特許出願人　　東し・モノフィラメント株式会社第１ （イ） 第２ （イ） （ロ） 図 （ロ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 砥剤粒子含有合成樹脂モノフィラメントを少なくとも１
   本含む複数本の合成樹脂モノフィラメントを撚合わせる
   に際し、上記モノフィラメントの素材よりも低融点の合
   成樹脂からなるフィルム状、テープ状、紐状または糸状
   の接着剤を同時に撚合わせ、次いで加熱処理してなる、
   接着剤層によりモノフィラメント単糸同志が固定された
   撚線からなることを特徴とするブラシ用毛材。