JPS62224580A - ブラシ用毛材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は金属や木材などの表面研削および研磨に使用す
るに際し、屈曲回復性、研削研磨性および耐久性の各性
能をバランス良く、しかも高度に具備したブラシ用毛材
に関するものである。

（従来技術） 従来から、研削、研磨用の工業ブラシの分野において、
砥剤粒子を含有する合成樹脂からなるモノフィラメント
をブラシ用毛材として使用することは良く知られている
。そしてこのブラシ用毛材の合成樹脂素材としては、ナ
イロン６、ナイロン６６あるいはナイロン６１２などの
ポリアミドやポリブチレンテレフタレートのにうなポリ
エステルが主に用いられてきた。

ところでこれら工業用ブラシを実用する場合には、合成
樹脂モノフィラメント本来の適度な弾力性を利用して、
ブラシと被研削面との間に生ずる摩擦力を適度に保つこ
とにより、比較的安定した連続研削、研磨作業が行なわ
れるように工夫されている。

そしてより強力な研削力を必要とする場合には、ブラシ
毛材としてのモノフィラメントの直径を大きくしたり、
またはモノフィラメントに含有せしめる砥剤粒子の粒径
を粗くしたり、あるいはその配合量を増加させることな
どの手段がとられてきたが、これらの方法ではその割に
研削力が向上せず、逆にブラシの押し込み口が増加する
など使用条件の苛酷化が進み、ブラシの腰の強さの尺度
である屈曲回復性が著しく低下するばかりか、毛材が折
れ易くなり、耐久性も低下するという事態を招くことに
なる。

したがって従来の合成樹脂製モノフィラメントからなる
ブラシ用毛材には、その研削研磨力に限界があり、それ
を高めるためには他の性能を犠牲にせざるを得なかった
。

このような問題を改良し、ブラシ用毛材の腰の強さおよ
び研削研磨力を高めるための手段として、たとえば砥剤
粒子含有合成樹脂線条と強弾性金属細線の夫々数本づつ
を組合せて組ひもを編粗し、これをブラシに植毛する方
法（実開昭５８−１１３４５５号公報）が提案されてい
る。

（本発明が解決しようとする問題点） しかしながら上記の従来法においては、その研削研磨力
の改良効果がいまだに不十分であり、ブラシとして実用
する際に研磨面にチャンネルマークを生じ易いばかりか
、編組加工工程を必要とするためコスト高となり、しか
も研削研磨時の放熱効果が劣り、使用後の毛材がへたり
易いなどの欠点を残している。

そこで本発明者らは、屈曲回復性、研削研磨性および耐
久性の各性能をバランス良く、しかも高度に具備したブ
ラシ用毛材の取得を目的として鋭意検討した結果、砥剤
粒子含有合成樹脂製モノフィラメントを中空構造となし
、その中空部に金属線を挿入する構造を採用することに
より、上記目的に合致したブラシ用毛材が得られること
を見出し、本発明に到達した。

（問題点を解決するための手段） すなわち本発明は粒度＃３０００〜＃６０の砥剤粒子を
５〜４０重量％含有する外径が０．４〜３．０ｍの合成
樹脂製中空モノフィラメントの中空部に、金属線を挿入
した複合モノフィラメントからなることを特徴とする研
磨ブラシ用毛材を提供するものでおる。

本発、明における合成樹脂製中空モノフィラメント素材
としての合成樹脂としては、ナイロン６、ナイロン６６
、ナイロン１２などのポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエス
テル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフ
ィンなどのポリオレフィンなどが用いられるが、なかで
もポリアミド系樹脂を使用する場合の効果が顕著である
。

これら合成樹脂はその溶融粘度が２５００ボイス以上の
範囲にあるものを用いることが望ましい。

なおこれらの合成樹脂は耐熱剤、耐光剤、耐候剤、酸化
防止剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤および着色
剤などの通常の添加剤を含有することができる。

本発明で用いる砥剤粒子としては、コークス粉、ボーキ
サイト、アルミナ粉なとのアルミナ系研磨剤、白けい石
、磁粉などの炭化けい素糸研磨剤、ダイヤモンド、エメ
リー、ざくろ石などの天然物系研磨剤、炭化物系研磨剤
、ジルコニア系研磨剤およびガラス系研磨剤などが挙げ
られ、これらは２種以上を併用することができる。

これら砥剤粒子の粒子径は、ＪＩＳＲ６００１（１９５
６）で規定された粒度が＃３０００〜＃６０、とくに＃
１５００〜＃８０の範囲が好適であり、粒度が＃６０よ
りも大きいと紡糸性やモノフィラメントの強靭性が、ま
た＃３０００よりも小さいと研削研磨性かぞれぞれ低下
するため好ましくない。

上記砥剤粒子の合成樹脂に対する配合量は、５〜４０重
置％、とくに１０〜３０重量％の範囲が好適であり、５
型組％未満では望ましい研削、研磨性が得られず、４０
重１％を越えるとモノフィラメントの直径バラツキの増
大、強力の低下および腰の低下などを招くため好ましく
ない。

本発明における砥剤粒子含有合成樹脂中空モノフィラメ
ントの溶融紡糸は、たとえば合成樹脂に砥剤粒子を必要
量含有せしめ、これを溶融混合して一旦ペレタイズする
か、またはペレタイズを経ずに直接溶融押出紡糸機に供
し、中空紡糸口金から紡出せしめた後、冷却、必要に応
じて延伸することにより得られる。ここで砥剤粒子含有
合成樹脂中空モノフィラメント単糸および中空部の断面
形状は、円形以外にも楕円形、三角形、矩形およびその
他の異形にすることができ、中空部の平均直径は通常０
．２〜２．５ｍの範囲が好適である。

次いでこのようにして得た中空モノフィラメントの中空
部に金属線を挿入することにより本発明のブラシ用毛材
が得られる。

本発明で用いる金属線としては、ピアノ線に代表される
通常の鋼線が好適であり、ざらにはパイプ状金属線や異
形断面金属線なども使用することができる。

用いる金属線の直径は、中空モノフィラメントの中空部
直径と同等以下であればとくに制限はなく、極細の金属
線を束ねるかあるいは撚り合せて中空部へ挿入すること
もできる。

中空モノフィラメントの中空部と金属線との間には空隙
を形成することもできるが、場合によっては中空モノフ
ィラメントと同じ素材樹脂などをバインダーとしてこの
空隙を埋めることもできる。

かくしてなる本発明のブラシ用毛材は、所望の長さに切
り揃え、これを結束、植込み、はり合せ、絡合などによ
りブラシ形態となし、回転あるいは往復運動ブラシまた
はすだれ状に垂らしてその下に非研磨物を通過させるな
どの、合成、塗装面、木材およびコンクリートなとどの
表面に対する工業的研削、研磨手段に好ましく適用され
るばかりか、台所用品などの家庭用ブラシなどとしても
有効に利用することができる。

（発明の作用） 本発明のブラシ用毛材は、砥剤粒子含有合成樹脂製モノ
フィラメントの持つ研削研磨力および適度な弾性回復力
と、金属線の持つ腰の強さ、硬さおよび温度の変化や湯
側状態の変化などの環境変化に左右されない安定した性
質を組合せたことからなる相乗効果により、従来の砥剤
粒子含有合成樹脂モノフィラメントに比較して、屈曲疲
労性、研削研磨性および耐久性が著しくすぐれている。

すなわちブラシ用毛材をたとえば回転ブラシに応用して
走行する金属板表面を連続的に研磨する際には、発生す
る摩擦熱を冷却する目的で研削面に水を散布しながら行
なうが、従来の砥剤粒子含有合成樹脂モノフィラメント
の場合には研削時の熱と水によって毛材が軟化し、腰の
強さや研削力が大幅に低下してしまうのに対し、本発明
のブラシ用毛材の場合には、挿入した金属線が環境変化
の影響を受けないため、腰の強さや研削力が安定してい
る。

また本発明のブラシ用毛材は、砥剤粒子含有合成樹脂モ
ノフィラメント本来の研削力がそのまま発揮できると共
に、挿入された金属線によって研削力の強化と毛材のた
わみ量（切込み量）減少が１ｑられるため、比較的複雑
な形態を有する研削面に対しても毛材がなじみ易く、均
一かつ高度な研削研磨作業を行なうことができる。

さらに本発明のブラシ用毛材は、金属線を通じての熱伝
導による冷却作用も得られ、ブラシの蓄熱劣化が防止さ
れるため、これがブラシの屈曲疲労性および耐熱寿命の
改善にも相乗効果をもたらすことになる。

（実施例） 以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。

溶融粘度４０００ポイズのナイロン６に対し、＃１００
の炭化硅素を３０重量％添加し、これを通常の中空口金
を用いて溶融紡糸、延伸することにより、外径１．３ｍ
ｍ、中空孔径０．６ｍの砥剤粒子含有中空モノフィラメ
ント（Ｂ）を得た。

このモノフィラメント（Ｂ）の中空部に直径０．５５ｍ
のピアノ線を挿入し、芯・鞘型複合モノフィラメント（
Ａ＞を得た。

一方比較のために、上記と同じ紡糸原料を用いて、外径
１．３ｍの砥剤粒子含有中実モノフィラメント（Ｃ）を
得た。

このようにして得た３種のモノフィラメントを用いて、
それぞれ外径３５０ｍ、幅２００ｍ、弔文５０ｍのチャ
ンネル型回転ブラシを作成した。

各ブラシを用いて、硬度ＨＳ　８００の鋼板表面をブラ
シ回転数８０Ｏｒ、ｐ、ｍ、ラップ量５＃の条件で、６
０℃の温水を研削面に散布しながら、研削作業を行なっ
た際の特性評価結果を表に示ず。

表 注）　＊１〜Ｏ・・・・・・極めて強い△・・・・・・
やや柔らかい Ｘ・・・・・・柔らかい ＊２〜ブラシ運転時の負荷電流平均値 ＊３〜１０分および６０分研削を継続した時の研削深さ ＊４〜Ｑ・・・・・・鏡面のごとく美麗Ｘ・・・・・・
一部にチャンネルマークがある 表の結果から明らかなように、本発明の毛材（Ａ＞は目
的とする特性が均衡してすぐれており、研削、研磨用ブ
ラシとして最適の性能を有している。

一方ピアノ線を挿入しないもの（Ｂ）およびピアノ線を
挿入せず、しかも中実のもの（Ｃ）は、ブラシの腰の強
さ、研削力および耐久性が劣っている。

（発明の効果） 以上説明したように本発明のブラシ用毛材は、屈曲回復
性、研削研磨性および耐久性の各性能をバランス良く、
しかも高度に具備したものであり、製鉄・冷延工程にお
ける鉄板表面の研削、研磨、アルミ・圧延工程における
ワークロール面の研削、研磨、機械部品の加工後のパリ
取り研削、研磨および各種木工品の表面研削、研磨など
のブラシ用途にきわめて有用である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 粒度＃３０００〜＃６０の砥剤粒子を５〜４０重量％含
   有する外径が０．４〜３．０ｍｍの合成樹脂製中空モノ
   フィラメントの中空部に、金属線を挿入した複合モノフ
   ィラメントからなることを特徴とする研磨ブラシ用毛材
   。