JP2000182237A - 磁気記録ディスク研磨用布帛及び研磨方法 - Google Patents

磁気記録ディスク研磨用布帛及び研磨方法

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JP2000182237A
JP2000182237A JP35280998A JP35280998A JP2000182237A JP 2000182237 A JP2000182237 A JP 2000182237A JP 35280998 A JP35280998 A JP 35280998A JP 35280998 A JP35280998 A JP 35280998A JP 2000182237 A JP2000182237 A JP 2000182237A
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warp
cloth
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Masakatsu Okumura
正勝 奥村
Akira Kanayama
赫 金山
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録ディスク基盤を効率良く、又部分的
な深い傷を作らずに得ることができる研磨用布帛及びそ
の方法を提供する。 【解決手段】 布帛に使用する0.3デニール以下のマ
ルチフィラメント糸糸条の単糸フィラメント糸が朱子組
織又は綾組織による経糸の傾きと、撚糸による傾きの両
者により、研磨布帛の長手方向に対して10度以上の傾
きを成し、ダイヤモンドスラリーを併用する研磨工程で
ダイヤモンド粒が研磨布帛に全面に均一に散布されるこ
ととなり均一で効率的な研磨が可能となる磁気記録ディ
スクの研磨用布帛。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造工程において、磁気記録ディスク基盤の表面を研磨す
る際に用いる研磨用布帛及び該研磨用布帛を用いた研磨
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録ディスク基盤の研磨方法
として、例えば特開平4−222925号公報には、磁
気記録ディスク基盤を通常のポリッシング用に使用され
る布帛で作られる研磨テープと磁気記録ディスク基盤を
接触回転させながら1〜5μmの研磨砥粒を含有する研
磨液を研磨テープと磁気記録ディスク基盤の間に流し込
むことにより行う方法が開示されている。
【0003】また特開平6−187637号公報には、
ポリエステル織物やポリアミド織物やセルロース織物等
からなる研磨用布帛を使用し該研磨用布帛と磁気記録デ
ィスクの間に0.5〜5μmと0.01〜0.5μmの
二種類の粒度分布を有する研磨砥粒からなる研磨液を供
給しながら研磨する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の方法では安定した良好な研磨が出来ず、目標とす
る平均表面粗度が得られなかったり、研削速度が遅かっ
たり、部分的な深い傷が発生することがあり、これらの
問題点の改善が求められている。本発明は、これらの従
来方法の問題点を改善することを課題とするものであ
り、磁気記録ディスク基盤を効率良く、また部分的な深
い傷を作らずに研磨できる研磨用布帛及び磁気記録ディ
スク基盤を効率良く、また部分的な深い傷を作らずに研
磨する方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために、鋭意検討の結果、研磨方向と
研磨布帛の表面の単フィラメントの方向の組合せ、繊維
の適正な単糸デニール、単フィラメントの適正な断面形
状により目標とする平均表面粗度が得られ、研削速度が
早く、部分的な深い傷が発生し難い研磨が可能であると
いう事実を見いだし、本発明に至った。すなわち、本発
明は、織物組織が朱子組織又は綾組織であり、朱子線又
は綾線の方向と逆方向の撚線方向が与えられた合成繊維
マルチフィラメント糸よりなる織物であることを特徴と
する磁気記録ディスク用研磨布帛であり、また、朱子線
又は綾線の方向と逆方向の撚線方向が与えられた、合成
繊維マルチフィラメント糸の単フィラメント繊度が0.
3デニール以下である上記磁気記録ディスク用研磨布
帛、合成繊維マルチフィラメント糸の断面形状がほぼ二
等辺三角形である上記磁気記録ディスク用研磨布帛、合
成繊維マルチフィラメント糸に撚係数が2000〜10
000の撚が与えられている磁気記録ディスク用研磨布
帛、及び上記の磁気記録ディスク用研磨布帛を使用する
ことを特徴とする磁気記録ディスクの研磨方法を要旨と
するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明の磁気記録ディスク用研磨布帛は、織物組織が朱子
組織又は綾組織である織物である。本発明でいう朱子組
織とは、一完全組織が経糸、緯糸共に5本以上で形成さ
れる正則朱子組織であり、5枚朱子やその他7枚朱子、
8枚朱子、10枚朱子等が挙げられる。また経糸が主に
浮くものを経朱子、緯糸が主に浮くものを緯朱子という
が、本発明ではいずれの朱子組織をも用いることができ
る。一般的に朱子組織では明瞭な朱子線が視認し難い
が、朱子線を意識して注意深く観察すると経糸の傾き
と、この傾きが連続して配置されることによる朱子線が
確認できる。
【0007】また、本発明でいう綾組織とは、経糸が緯
糸を少なくとも2本以上浮いた部分と、この浮きの部分
が、ずれて規則的に配置されていて、比較的明瞭な綾線
が発現し、経糸が傾いて配置されているものをいう。具
体的には緯糸を2本浮き、次いで2本沈む経糸が、緯糸
を一本分ずつずれて配置される2/2綾や、緯糸を3本
浮き、次いで2本沈む経糸が、緯糸を一本ないし二本ず
らして配置する3/2綾等が挙げられる。その他2/1
綾,4/1綾等の一般的な綾組織がある。本発明でいう
朱子線又は綾線とは朱子組織或いは綾組織の織物の表面
に現れる斜め方向に走る組織癖による線のことである。
【0008】この斜め方向の線は、朱子組織や綾組織等
の組織癖によって現れ、さらに、経糸がこの朱子線や綾
線の方向と逆方向に傾いて配置されることとなる。たと
えば図1に示す2/2の右上がりの綾(右上がりの綾
線)を例にして、この経糸の傾きについて説明すると、
ある経糸Aは緯糸を2本浮いた後、次の緯糸を2本沈ん
で組織され再び次の2本の緯糸を浮いて組織される。こ
れを繰り返しながら製織される。一方、経糸Aの右隣の
経糸Bは経糸Aが浮いている2本の緯糸の間から浮きが
始まり、経糸Aが浮いている二本目の緯糸と、次に経糸
Aが沈んでいる2本の緯糸の最初の一本目の緯糸を浮
き、続いて経糸Aの沈んでいる緯糸の間から沈み込み、
再び経糸Aが浮いている2本の緯糸の間から浮きがはじ
まる。このとき、経糸Bは緯糸を2本浮いているがこの
2本の緯糸の最初の一本目は左隣に経糸Aが在るため、
左方向には動けない。しかし次の2本目の緯糸上では左
隣には経糸Aの経糸が無く、横方向に若干の力が掛かれ
ば簡単に動くことができる。実際の製織においては経糸
Bの右隣に経糸Cがあり、この経糸Cに押されて経糸B
は左方向にずれることなる。また経糸Bの最初の緯糸一
本目の浮いた部分はその右隣に経糸Cが無いため経糸A
に押されて右方向にずれる。こうして経糸Bは全体とし
て左上がりに傾くこととなる。経糸Aも経糸Cも同じメ
カニズムにより左上がりに傾いて配置される。朱子組織
であっても前記理屈により経糸は傾き、この傾きと逆方
向の朱子線が視認できる。
【0009】これらの朱子組織における朱子線や綾組織
における綾線は、組織設計により右上がり又は左上がり
となるが、本発明では朱子線や綾線の方向はいずれでも
よい。この朱子線や綾線を発現させる経糸の傾き角度
は、使用する糸条の太さと組織の密度や組織設計によっ
て影響される。例えば、100デニールのポリエステル
長繊維加工糸を経糸に使用し、緯糸に75デニールのポ
リエステル長繊維を緯糸に使用した経5枚朱子組織の織
物を、経糸密度300本/吋、緯糸密度135本/吋に
精練仕上げした織物を顕微鏡観察すると織物の長手方向
を基準にしてとほぼ8度の角度で傾いている。
【0010】本発明の磁気記録ディスク用研磨布帛は、
合成繊維マルチフィラメント糸からなる織物である。合
成繊維としては、ポリエステル、ポリアミド等からなる
繊維が挙げられ、ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートあるいはこれを主体とし、第3成分を共
重合したポリエステルが挙げられ、ポリエチレンテレフ
タレートからなる繊維であるのが好ましい。
【0011】磁気記録ディスクの研磨表面の平均粗さを
20Å以下に抑える場合には、5μm以下の平均粒径の
ダイヤモンド粒が都合良く使用されるので、このような
微細粒子を効率よく把持するため、合成繊維マルチフィ
ラメント糸の単フィラメント繊度が0.3デニール以下
であるのが好ましい。
【0012】また、合成繊維マルチフィラメント糸は、
ほぼ二等辺三角形状の断面を有するのが好ましい。この
二等辺三角形状は、繊維製造時のポリマーの流動力学特
性、繊維加工工程途上の加熱、加圧、薬剤等の影響によ
る変形を受けて、幾何学でいう完全な二等辺三角形とは
異なるものであっても本発明の効果を発揮するものであ
れば十分である。すなわち各単糸の二等辺三角形の角
は、それぞれ若干の曲率を持つ円弧を示している。たと
えば、頂角部は約0.5μmの曲率半径を有し、両底角
部は約1μmの曲率半径を有する円弧である。また、頂
角を挟む二辺は若干湾曲したり二辺の長さが若干違った
り、底辺も円弧を呈している。また、該二等辺三角形の
頂角は45度以下で、この頂角を挟む二辺の長さが7.
1μm以下で、底辺の長さが5.6μm以下であるのが
好ましい。このような二等辺三角形断面としておくと、
二等辺三角形のそれぞれの鋭角が磁気記録ディスク基盤
用研磨の際の研磨砥粒による研削効果を補助的に向上さ
せ、効率的で安定した研磨を可能にする。
【0013】このような断面形状は、アルカリ等への溶
解特性の異なる異種ポリマーを組み合わせ、円形断面が
分割される形に配置して製糸し,後加工時に易溶性ポリ
マーを溶解して分割することにより得ることができる。
具体的には、例えば図2のごとくアルカリへの難溶性ポ
リマー1としてポリエチレンテレフタレートをアルカリ
への易溶性ポリマー2を介して接合するように8分割の
形状に配したものが挙げられる。易溶性ポリマーとして
は、この場合ポリエチレンテレフタレートよりアルカリ
溶解性の大きいポリマーであればよく、例えばスルホイ
ソフタル酸共重合ポリエステルを用いることができる。
【0014】本発明では、上記の合成繊維マルチフィラ
メント糸に撚を付与して織物としている。一般的に糸条
に撚を掛けると、糸条を構成するフィラメントが螺旋状
に捻られる。そしてフィラメントの傾きによって右上が
りの傾きのものをZ撚(左撚)、左上がりのものをS撚
(右寄り)と称している。本発明でいう朱子線や綾線の
方向と逆方向の撚線方向とは、朱子線や綾線が右上がり
であればマルチフィラメント糸の単フィラメントの傾き
が左上がり”S撚(右撚)”の撚形態をいう。前記朱子
組織や綾組織による経糸の傾きは前述のごとく、朱子線
や綾線と逆方向であり、本発明で言うところの、朱子線
や綾線方向と逆方向の撚線方向とは経糸の傾きと同方向
と言うことである。
【0015】この撚による単フィラメントの傾き角度
は、100デニールのポリエステル長繊維に600回/
mの撚を掛けた場合理論的には約4度となるが、マルチ
フィラメント糸同士の空隙による見掛け太さの増大、撚
縮み、加工縮み(熱収縮)、単フィラメント間の緩みや
屈折による膨らみ等の影響で実際には5〜10度の傾き
が見られる。
【0016】本発明でいう撚係数とは、マルチフィラメ
ント糸のデニールの二乗根と1メートル間の撚数の積で
表されるものである。例えば100デニールのマルチフ
ィラメント糸に300回/mの撚数がある場合の撚係数
は3000となる。この撚係数によってマルチフィラメ
ント糸の単フィラメントの傾き(撚角度)が決定され、
撚係数3000の場合ほぼ理論的には2度の傾き角度
(撚角度)となる。撚係数が2000以下であると、必
要な単糸フィラメントの傾き角度が得られず、磁気記録
ディスクの研磨を行う場合の研磨性が低下してくる。ま
た、撚係数が10000を越えるとフィラメント間の隙
間が詰まり過ぎ、研磨布帛としては好ましくない。
【0017】経糸の単フィラメントの研磨布帛の長手方
向に対する傾きは朱子組織や綾組織による経糸の傾き角
度と撚糸による傾き角度とを加算したものとなる。例え
ば朱子組織や綾組織による経糸の傾きが8度で、撚糸に
よる単フィラメントの傾きが前記経糸と同じ方向の傾き
で、7度であれば合計15度の傾きがあることとなる。
この単フィラメントの傾き角度は研磨性において重要な
要因の一つであり、磁気記録ディスクの研磨方向(研磨
布帛の長手方向)に対して10度以上の傾きがあると研
磨性に良いことが分かった。
【0018】一方、磁気記録ディスクの研磨の際に研磨
粒としてダイヤモンドスラリーを併用することが一般的
に行われているが、このダイヤモンドの平均粒径は0.
01〜10μmのものが使用されることが多い。特に表
面の平均粗さを20Å以下に抑える場合5μm以下の平
均粒径のダイヤモンド粒が都合良く使用される。求めら
れる表面粗さ、研磨速度、研磨品位によってダイヤモン
ドの適正な平均粒径は変わり、使用するマルチフィラメ
ント糸の単フィラメントの繊度による影響もあり、単フ
ィラメントの繊度が0.3デニール以下であると研磨性
向上に寄与する。0.3デニールのポリエステルは円形
断面換算で直径がおよそ5.5μmで有り、0.1デニ
ールのポリエステルは円形断面換算で直径がおよそ3.
2μmで有り、0.05デニールのポリエステルは円形
断面換算で直径がおよそ2.2μmである。
【0019】本発明で使用するダイヤモンド粒等の研磨
砥粒のスラリーは一般的に市販されているが、たとえば
平均粒度が5μmの合成ダイヤモンンドを純水に0.4
重量%分散させたものがある。このダイヤモンドスラリ
ーを使用して研磨する場合、研磨布帛が磁気記録ディス
クと接触している一定面積の部分で純水のみが濾過され
て、ダイヤモンド粒が布帛の縦横方向にほぼ均一に残査
として残ることが均一な研磨を行うため必要である。
【0020】研磨布帛を構成しているマルチフィラメン
ト糸の単フィラメントの方向が研磨布帛の長手方向と傾
きがなければ研磨粒は、ほとんどフィラメントとフィラ
メントの間隙に収まって、ダイヤモンド粒による研削が
横方向に間歇的に行われることとなって均一性に欠け、
また研削速度も遅くなり好ましくない。一方本発明のよ
うに織物組織によりマルチフィラメント糸の傾き角度が
研磨方向に対して傾いていて、さらに単フィラメントが
傾いて配置されている場合には、ダイヤモンド粒がフィ
ラメント間隙の間に収まっていると、一定面積の範囲内
でダイヤモンド粒は縦横方向にほぼ全面に存在すること
となり均一で効率的な研磨が可能となる。
【0021】研磨用布帛とダイヤモンド等の研磨砥粒の
組合わせによる研削においては、削り滓が表面に残ると
この削り滓が未研削面を覆っていくので、研削表面全体
の研削効率を低下させていく。この削り滓を速やかに除
去するため該単糸フィラメントの二等辺三角形の角(若
干の曲率半径を有する円弧による角)が有効に機能し、
二等辺三角形の頂角を45度以下の鋭角の楔形にしてお
くと、より削り滓が削ぎ落とされ、従来の研磨布帛素材
より格段に研削効率が向上する。この楔形によって削が
れて浮いた削り滓は、研磨液の水分で洗い流されるか、
研磨布帛の二等辺三角形のマルチフィラメント糸糸群の
中に分散して捕獲され被研磨物の表面から離脱させるこ
とができる。
【0022】本発明で二等辺三角形の断面の単フィラメ
ントを使用する場合、断面の大きさも大きな重要な要因
となり、研磨砥粒の平均粒度より小さすぎても、大きす
ぎても研削効率に影響してくる。すなわち、研磨砥粒の
平均粒度が5μm以下である場合、二等辺三角形の二等
辺を7.1μm以下とするのが好ましく、より好ましく
は6.0μm以下、更に好ましくは5.4μm以下と
し、底辺を5.6μm以下とするのが好ましく、より好
ましくは4.7μm以下、更に好ましくは4.2μm以
下とする。
【0023】単糸フィラメントの断面の大きさは、研磨
砥粒の平均粒度と密接な関係が予測され、本発明者等の
実験によると、研磨砥粒の40%〜160%程度である
のが好ましく、さらには60〜140%であるのが好ま
しい。本発明の研磨布帛構成する上記の合成繊維マルチ
フィラメント糸を含む糸条は、撚糸、流体交絡、他種糸
との合撚、捲縮加工等の糸加工を必要に応じて任意に行
うことができ、織物には撥水加工、吸水加工、制電加
工、柔軟平滑加工、抗菌加工、防融加工、耐熱加工その
他の樹脂加工等を必要に応じて任意に行うことができ
る。
【0024】本発明の研磨用布帛を用いた研磨は、布帛
と被研磨物の間に、研磨砥粒を含む研磨液を介在させな
がら研磨する。この場合磁気記録ディスク基盤として必
要な表面粗度を得るために研磨砥粒としては平均粒径1
0μm以下の大きさのもの、好ましくは5μm以下の大
きさのものを用いる。これにより平均表面粗度が20Å
以下の表面状態を有する磁気記録ディスク基盤を得るこ
とができる。具体的な例としては,研磨部の概略を示し
た図3のような磁気記録ディスク基盤研磨機を使用し
て,本発明の研磨用布帛を所定の幅に裁断して研磨用テ
ープとして,研磨砥粒としてダイヤモンド粒を一定量含
むスラリーを,磁気記録ディスク基盤と研磨テープとの
間に注入し,磁気記録ディスク基盤の回転速度を回転さ
せると共に,研磨テープを磁気記録ディスク基盤の回転
と同方向又は逆方向に移動させつつ研磨する。
【0025】
【作用】研磨布帛に使用する合成繊維マルチフィラメン
ト糸の単フィラメントが朱子組織又は綾組織による経糸
の傾きと、撚糸による傾きの両者により、ダイヤモンド
スラリーを併用する研磨工程でダイヤモンド粒が研磨布
帛に全面に均一に散布されることとなり均一で効率的な
研磨が可能となる。また単フィラメントの三角形断面の
角により、被研削物表面の削り滓を速やかに削ぎ落とし
て除去することが可能であり、効率的な研削が可能にな
る。研磨砥粒の平均粒度と断面の大きさがほぼ同じであ
る(頂角をはさむ二辺の長さが研磨砥粒の粒径の40〜
160%である)二等辺三角形断面の単糸フィラメント
からなるマルチフィラメント糸を経糸として緯糸を2本
以上浮かせて組織して構成することにより、過負荷が掛
かった時にフィラメントの軸方向に研磨粒の移動が容易
で、また二等辺三角形の頂角付近では繊維の厚さも薄い
ので曲げ剛性が小さくフィラメントの軸と直角方向にも
研磨砥粒は移動し易く、部分的な傷が付く前に研磨粒が
移動して深く傷付けることがない。また、単フィラメン
トが細く、フィラメント数が多く表面積が大きいので研
磨液を多く含むことが可能であり、研磨砥粒を把持する
隙間が多いので研磨砥粒を多く保有することができ、優
れた研磨効果を得ることができる。
【0026】
【実施例】次に実施例によって本発明を説明する。実施
例における評価は, 次の方法により行った。 (1)朱子線方向、経糸傾き及び撚糸による単フィラメ
ントの傾き 顕微鏡観察により実測した。 (2)分割後の単糸断面の二等辺長,底辺長及び頂角 電子顕微鏡による400倍拡大写真より測定した。 (3)ディスク研磨試験 試料を幅40mmに裁断した研磨用テープを用いて図3
に示す磁気記録ディスク基盤研磨機により,外径95m
m,穴径25mm,厚さ1mmの磁気記録ディスク基盤
5枚を研磨した。その研磨条件としては,研磨砥粒とし
て平均粒径5μm以下のダイヤモンド粒を0.4重量%
含むスラリーを,磁気記録ディスク基盤と研磨テープと
の間に3ミリリットル/分で注入し,磁気記録ディスク
基盤の回転速度を400rpm,研磨テープの移動を磁
気記録ディスク基盤の回転と逆方向に10cm/分とし
て,20秒間研磨した。研磨前後のディスクの重量差よ
り1秒間の平均研磨量を算出して研磨速度(mg/秒:目
標研磨速度0.2mg/秒以上)とした。研磨後のディス
クを顕微鏡で観察し,異常に深い研磨傷を係数(目標値
2.0個/面以下)とし,表面粗さを触針式TENCO
R−P2表面粗さ計により測定(目標値20Å以下)し
た。
【0027】実施例1 難溶性ポリマー1としてポリエチレンテレフタレート
を,易溶性ポリマー2としてポリエチレンテレフタレー
トに第三成分としてスルホイソフタル酸を2モル%共重
合したポリエステルを図2のごとく二等辺三角形のフィ
ラメントに8分割可能な断面構造に配して,難溶性ポリ
マー1と易溶性ポリマー2の割合を81:19として製
糸した8分割フィラメント糸105デニール48フィラ
メントに600回/mの撚糸(撚方向S方向、撚線方向
左上がり、撚係数6148)をして経糸及び緯糸として
用いて,5枚経朱子組織(朱子線右上がり組織)にて経
密度250本/吋,緯密度83本/吋の朱子織物を製織
し,この織物を精練,プレセットした後,苛性ソーダ2
0g/L、浴比1:30,温度98℃の条件により易溶
性ポリマー2を溶出する分割処理と仕上げセットを行う
ことにより,断面が二等辺三角形,単糸繊度が0.25
デニールで,撚係数が5533のポリエステルマルチフ
ィラメント糸からなる本発明の磁気記録ディスク研磨用
布帛を得た。
【0028】実施例2 実施例1において,8分割フィラメント糸の繊度を40
デニールとし撚数を500回/m(撚係数3162),
経密度を656本/吋,緯密度を218本/吋とするこ
と以外は実施例1と同様にして断面が二等辺三角形,単
糸繊度が0.09デニールで,撚係数が2846のポリ
エステルマルチフィラメント糸からなる本発明の磁気記
録ディスク研磨用布帛を得た。
【0029】比較例1 実施例1において,撚方向をZ方向(撚線方向右上が
り)にする以外は実施例1と同様にして比較例の磁気記
録ディスク研磨用布帛を得た。
【0030】比較例2 実施例2において,撚方向をZ方向(撚線方向右上が
り)にする以外は実施例2と同様にして比較例の磁気記
録ディスク研磨用布帛を得た。
【0031】比較例3 実施例1において,撚数1300回/m(撚係数:13
321)をにする以外は同様にして比較例の磁気記録デ
ィスク研磨用布帛(撚係数:11989)を得た。得ら
れた実施例1〜2及び比較例1〜3の性能をまとめて表
1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1から明らかなように、実施例1及び実
施例2の研磨用布帛を用いて磁気記録ディスク基盤を研
磨した結果は、研磨性、研磨表面共に良好であった。撚
係数の大きい糸条を用いた実施例3は、研磨性、研磨表
面共に良好であるが、実施例1〜2に比較するとやや劣
るものであった。これに対して、朱子線と撚線の方向が
同一である比較例1及び比較例2は、研磨速度が遅く、
研磨表面も深い傷数が多く、粗さも粗いものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録ディスク基盤
を効率良く、又部分的な深い傷を作らずに研磨できる研
磨用布帛及び磁気記録ディスク基盤を効率良く、部分的
な深い傷を作らずに研磨できる方法を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する8分割割繊糸の断面を示す図
である。
【図2】本発明に使用できる織物組織図の例である。
【図3】本発明の磁気記録ディスク用基盤の研磨機構を
示すモデル図である。
【符号の説明】
1 難溶性ポリマー 2 易溶性ポリマー 3 磁気記録ディスク基盤 4 研磨布帛からなる研磨テープ 5 ダイヤモンドスラリー A〜D 経糸

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 織物組織が朱子組織又は綾組織であり、
    朱子線又は綾線の方向と逆方向の撚線方向が与えられた
    合成繊維マルチフィラメント糸よりなる織物であること
    を特徴とする磁気記録ディスク用研磨布帛。
  2. 【請求項2】 合成繊維マルチフィラメント糸の単フィ
    ラメントの繊度が0.3デニール以下である請求項1記
    載の磁気記録ディスク用研磨布帛。
  3. 【請求項3】 合成繊維マルチフィラメント糸の断面形
    状がほぼ二等辺三角形である請求項2記載の磁気記録デ
    ィスク用研磨布帛。
  4. 【請求項4】 合成繊維マルチフィラメント糸の撚係数
    が2000〜10000である請求項3記載の磁気記録
    ディスク用研磨布帛。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3又は請求
    項4記載の磁気記録ディスク用研磨布帛を使用すること
    を特徴とする磁気記録ディスクの研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6905752B1 (en) * 1998-09-30 2005-06-14 Kanebo, Limited Polishing tape used in production of magnetic recording medium
SG121834A1 (en) * 2002-11-26 2006-05-26 Nippon Micro Coating Kk Polishing slurry for and method of texturing

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