JPH0635716B2 - 抄紙用ワイヤ− - Google Patents

抄紙用ワイヤ−

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JPH0635716B2
JPH0635716B2 JP61093049A JP9304986A JPH0635716B2 JP H0635716 B2 JPH0635716 B2 JP H0635716B2 JP 61093049 A JP61093049 A JP 61093049A JP 9304986 A JP9304986 A JP 9304986A JP H0635716 B2 JPH0635716 B2 JP H0635716B2
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wire
plastic
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papermaking
heavy calcium
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修 西
基弘 大内
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SHINOJI SEISHI KK
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は耐摩耗性に優れた抄紙用ワイヤーに関し、特に
填料として比較的粗大な重質炭酸カルシウムを使用する
中性抄紙法において発生するプラスチックワイヤーの急
速な摩耗現象を改良する技術に関するものである。
「従来の技術」 抄紙機で使用されるエンドレスのワイヤーは、従来ブロ
ンズの細線を織り上げた所謂“金網”で構成されてい
た。しかし、近年合成プラスチック糸の織物からなる所
謂“プラスチックワイヤー”の使用が急速に広まってお
り、特にその優れたハンドリング性、耐摩耗性等の特徴
が活かされて近代的な高速抄紙機においてはその殆どを
占めるに至っている。
一方、紙の耐久性、経時劣化等の問題からアルカリ性填
料を内添して中性ないし弱アルカリ性の領域で抄紙する
所謂中性抄紙法が、その社会的要請と中性サイズ剤等の
薬品面での技術進歩と相まって急速に拡大しており、特
に欧州での普及は目ざましいものがある。
上記の如く中性抄紙法ではアルカリ性填料が使用される
が、この填料としては主に安価な重質炭酸カルシウムが
全世界的に使用されている。我国でも重質炭酸カルシウ
ムは大量に埋蔵されており、国内で安定して供給できる
数少ない天然資源の一つである。従って、抄紙の中性抄
紙化は資源政策的にも望ましく、今後とも普及拡大の方
向が望まれている。
「発明が解決しようとする問題点」 ところが、我国における中性抄紙は必ずしも満足すべき
度合では進展していない。その理由は種々考えられる
が、重大な原因の一つに填料として使用する重質炭酸カ
ルシウムに起因して発生するプラスチックワイヤーの急
速な摩耗現象が挙げられる。
周知のとおり、抄紙機のワイヤー摩耗は抄紙効率に重大
な影響を与える。摩耗したワイヤーを新しいワイヤーに
取替える際には抄紙機の運転を停止しなくてはならず、
結果的に生産性が著しく低下してしまうからである。特
に近年進歩が目覚ましいツインワイヤー抄紙機は、装置
が大型化しワイヤー走行も高速化しているため、ワイヤ
ー交換の生産性に及ぼす影響は甚大である。
このプラスチックワイヤーの摩耗現象は、欧州よりも我
国の方がより大きな問題となっている。何故ならば、産
出する重質炭酸カルシウムが欧州では中世代白亜紀の生
物遺骸の化石である所謂チョークであるのに対し、我国
の重質炭酸カルシウムはより結晶化の進行した石灰石を
原料としているからである。チョークは基本的に微細な
粒形を有しており、それらが連なってポーラスな岩石を
形成しているため、比較的脆くてプラスチックワイヤー
に与える損傷は軽微である。しかし、我国の重質炭酸カ
ルシウムは結晶性のある硬い岩石であるため、填料とし
て使用するために機械的な粉砕微粉化を行っても、その
粒子は硬くて鋭利なエッジを有しており、軟らかいプラ
スチックワイヤーをあたかも刃物で切削するように摩耗
してしまう。そのため、抄紙用填料としての重質炭酸カ
ルシウムの使用は著しく制限され、コスト低減等の目的
で重質炭酸カルシウムの使用を前提としている中性抄紙
技術の工業化を阻む大きな要因となっている。
重質炭酸カルシウムに起因するプラスチックワイヤーの
摩耗現象を改良するために、例えば (イ) 重質炭酸カルシウムの粉砕を強化してより微粉化し
た重質炭酸カルシウムを填料として使用する方法。
(ロ) 通常の乾式粉砕ではなくて湿式粉砕によって微粉化
した重質炭酸カルシウムを使用する方法。
(ハ) タルク等の低摩耗性填料を重質炭酸カルシウムに混
合して使用する方法。
等主に填料に対する各種の改善方法が提案されている。
しかし、必ずしも満足すべき結果は得られておらず、そ
の改良が強く要請されているのが現状である。
かかる現状に鑑み、本発明者等はプラスチックワイヤー
の耐摩耗性について鋭意検討を重ねた。特に、重質炭酸
カルシウムに起因するプラスチックワイヤーの摩耗現象
が、上記の如く粉砕された重質炭酸カルシウムが有する
鋭利なエッジによるプラスチック糸の切削作用である点
に着目して、プラスチック糸の改良について研究した結
果、予めプラスチック糸の中に切削に対して抵抗性を有
する粒子を含有しておけば、切削摩耗が著しく軽減され
ることを見出し、さらに研究を重ねた結果本発明を完成
するに至った。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、合成プラスチック織物からなる抄紙用ワイヤ
ーにおいて、該織物を構成するプラスチック糸のすくな
くとも一部が、モース硬度3以上の硬度を有し、かつ1
0〜100μmの平均粒子径を有する無機物質の粒子を
含有する合成プラスチック糸であることを特徴とする抄
子用ワイヤーである。
「作用」 本発明の抄紙用ワイヤーは、上記の如く合成プラスチッ
ク織物を構成する糸の少なくとも一部に、無機物質の微
粒子を含有せしめたプラスチック糸を使用するものであ
るが、この糸は構造的には無機物質の微粒子を島成分、
プラスチック部分を海成分とする海島構造を有する糸で
ある。
このような糸の製造方法については、従来からプラスチ
ックワイヤーで使用されるポリエステルやポリアミド等
の合成繊維に、無機物質の微粒子を含有せしめればよ
く、例えば、原料のプラスチックポリマーに無機物質の
微粒子をサスペンドしてから紡糸する方法や出来上がっ
たプラスチック糸に後から無機物質の微粒子を熱溶融接
合する方法等で容易に製造することができる。
プラスチック糸中に含有せしめられる無機物質粒子の種
類は、少なくともプラスチック糸より切削に対する抵抗
性の大きな物でなければならない。本発明では、結晶性
の重質炭酸カルシウムより硬い物質が必要で、3以上の
モース硬度を有する顔料が重要である。
また、無機物質微粒子の大きさは、使用される重質炭酸
カルシウム填料の粒子径にも影響を受けるが、余りに小
さすぎると本発明の所望の効果が得られず、しかも海成
分を構成するプラスチック部分の切削摩耗によって糸か
ら脱落して効果の持続性が失われてしまうため、5μm
以上、より好ましくは10μm以上の平均粒子径を有す
る物質の使用が望ましい。しかし、余りに大きすぎると
糸としての物性、特に抗張力が大幅に低下する恐れがあ
るため、100μm以下、より好ましくは50μm以下
の平均粒子径を有する物質の使用が望ましい。
かかる無機物質微粒子を含有するプラスチック糸から構
成されるワイヤーは極めて優れた耐摩耗性を呈するもの
であるが、ワイヤーと直接接触する各種のロールやフオ
イル等の損傷を考慮すると、プラスチック糸に含有せし
められる無機物質微粒子は出来るだけシャープなエッジ
を持たない物質が望ましく、球状の粒子が最も好ましく
用いられる。しかし、繊維軸に配行させるような場合に
は針状の粒子でも支障はない。
本発明のプラスチックワイヤーは、上記の如き無機物質
粒子をが含有するプラスチック糸のみで構成することも
出来るが、例えば摩耗の程度の大きな横糸の一部として
上記のプラスチック糸を使用したり、2重織、3重織の
ワイヤーの一部を構成する糸として使用しても、従来の
プラスチックワイヤーに比較して優れた耐摩耗性を発揮
するものである。
なお、本発明の特殊な糸の代わりに、本質的に切削抵抗
性を有する材質からできた糸を使用することも考えられ
るが、抄紙用ワイヤーとして本来具備すべき要件、例え
ば濾水性、平滑性、剛性、引張り強度、伸び特性耐疲労
性、走行性等の全てを満足するような糸は現実には存在
していない。
しかし、本発明の特殊な糸はプラスチック糸としての本
質的な特性をそのまま具備しているため、これを用いた
抄紙用ワイヤーは、プラスチックワイヤー特有の優れた
特性を如何なく呈すると共に、重質炭酸カルシウムによ
る切削摩耗現象に対して極めて優れた抵抗性を発揮する
ものである。
「実施例」 以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する
が、勿論これらに限定されるものではない。なお、例中
の%は特に断らない限り重量%を示す。また、各実施例
における本発明のプラスチックワイヤーは実験の便宜
上、従来のプラスチックワイヤーに無機物質の微粒子を
後から熱溶融接合する方法で調製した。
実施例1 〔プラスチックワイヤーの調製〕 乾式粉砕した重質炭酸カルシウムを350メッシュスク
リーン(目開き44μm)と635メッシュスクリーン
(目開き20μm)を用いて分級し、20〜44μmの
粒子径を有する重質炭酸カルシウムを分取した。200
℃に加熱した表面が平滑なホットプレート上に上記の粒
子を均一に敷きつめて粒子を200℃に加熱した後、抄
紙用プラスチックワイヤー(商品名OS−80,日本フ
ィルコン社製)を押圧して、加熱粒子をプラスチックワ
イヤーの糸中に島状に埋込んだ。
得られたプラスチックワイヤーを巾25mm、長さ250
mmの寸法にカットしてワイヤー摩耗性の評価用サンプル
とした。
〔ワイヤー摩耗性の評価試験〕
上記の評価用ワイヤーに2.35kgの錘を取り付け、セ
ラミック製ロール(直径100mm)に接触角が90度と
なるようにセットし、ロールを周速500m/min で回
転させながら、平均粒子径が4.4μmの乾式粉砕分級
重質炭酸カルシウム(商品名ソフトン1200,備北粉
化社製)の2%水分散液を1/min の流量でワイヤー
とセラミックロールの間に循環供給し、ワイヤーの厚み
減少量を以下の如く測定し、この値をワイヤー摩耗量
(μm)として第1表に示した。
〔ワイヤーの厚み減少量の測定〕
JIS式紙厚測定器(CITIZEN社製)を用い、そ
れぞれ評価試験の前後に、セラミックロールと接触して
いる部分のワイヤーについて、均等に分割した巾方向の
3点及び長さ方向の4点の合計12ケ所について厚みを
測定し、その加算平均値の差を厚み減少量(μm)とし
た。
なお、ワイヤーに埋込んだ粒子のモース硬度及び倍率4
00倍の電子顕微鏡写真で観察した粒子の形状を第1表
に併記した。
実施例2 実施例1において、重質炭酸カルシウムの代わりに、乾
式粉砕した石英粉をワイヤーに埋込んだ以外は実施例1
と同様にしてプラスチックワイヤーを調製し、その評価
試験結果を第1表に記載した。
実施例3 実施例1において、重質炭酸カルシウムの代わりに、炭
化珪素(商品名カーボランダム#800,キシダ化学販
売品)をワイヤーに埋込んだ以外は実施例1と同様にし
てプラスチックワイヤーを調製し、その評価試験結果を
第1表に記載した。
実施例4 実施例1において、重質炭酸カルシウムの代わりに、硝
子球をワイヤーに埋込んだ以外は実施例1と同様にして
プラスチックワイヤーを調製し、その評価試験結果を第
1表に記載した。
実施例5〜7 実施例1において、重質炭酸カルシウムの代わりに、分
級したアルミナ粉(日本研磨材工業社製)をワイヤーに
埋込んだ以外は実施例1と同様にしてプラスチックワイ
ヤーを調製し、その評価試験結果を第1表に記載した。
比較例1 重質炭酸カルシウムの埋込み処理を行っていない抄紙用
プラスチックワイヤー(商品名OS−80,日本フィル
コン社製)を用い、実施例1と同様にしてワイヤー摩耗
性の評価試験を行い、その結果を第1に記載した。
「効果」 第1表の試験結果から明らかなように、本発明の各実施
例で得られた抄紙用プラスチックワイヤーは全て優れた
耐摩耗性を呈していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成プラスチック織物からなる抄紙用ワイ
    ヤーにおいて、該織物を構成するプラスチック糸の少な
    くとも一部が、モース硬度3以上の硬度を有し、かつ1
    0〜100μmの平均粒子径を有する無機物質の粒子を
    含有する合成プラスチック糸であることを特徴とする抄
    紙用ワイヤー。
JP61093049A 1986-04-22 1986-04-22 抄紙用ワイヤ− Expired - Lifetime JPH0635716B2 (ja)

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JP61093049A JPH0635716B2 (ja) 1986-04-22 1986-04-22 抄紙用ワイヤ−

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JPS62250292A JPS62250292A (ja) 1987-10-31
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