JP5071097B2 - 海島型ポリエステル複合繊維 - Google Patents
海島型ポリエステル複合繊維 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5071097B2 JP5071097B2 JP2007330431A JP2007330431A JP5071097B2 JP 5071097 B2 JP5071097 B2 JP 5071097B2 JP 2007330431 A JP2007330431 A JP 2007330431A JP 2007330431 A JP2007330431 A JP 2007330431A JP 5071097 B2 JP5071097 B2 JP 5071097B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sea
- fiber
- island
- component
- polyester composite
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Multicomponent Fibers (AREA)
- Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
Description
また、直接紡糸法を用いて深色性ポリエステル極細糸を得る方法(特許文献2参照)もあるが、無機微粒子を添加した成分が繊維表面にむき出しとなっているため、減量加工後の繊維表面の凹凸が粗く、ハリ感やキシミ感を兼ね備えた繊維は得られていない。
海成分ポリマが5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5モル%以上7.0モル%以下共重合したポリエチレンテレフタレートで構成され、島成分ポリマが、平均一次粒子径0.02〜0.10μmであるコロイダルシリカを0.5重量%以上10.0重量%以下含有したポリエチレンテレフタレートで構成されている海島型ポリエステル複合繊維であって、海成分/島成分の複合比率が10/90〜50/50で、海島型ポリエステル複合繊維を繊維重量に対して海成分複合比率+(0重量%以上、10重量%以下)の範囲で減量加工した後の単糸繊度が0.05〜0.25dtexであり、繊維表面100μm2当たりに繊維凹部の長軸径L(μm)においてL(μm)<0.5の凹部を100個以上有し、0.5≦L(μm)<5の凹部を10個以上有することを特徴とする海島型ポリエステル複合繊維。
本発明で使用している島成分ポリマを単一で紡糸し得られた極細繊維をアルカリ減量しても、繊維表面全体で一斉に減量が開始されるため、非常に微細な凹部の形成が難しく、単一ポリマー紡糸は好ましくない。
なお、織編物を製造する場合においては織編機、織編組織等については、本発明の海島型ポリエステル複合繊維を少なくとも一部に用いることによって、本発明の目的とするソフトな感触と優れた深色性を有し、これまでの極細糸にはなかったハリ感、細やかなキシミ感およびマイルドな光沢感を有する良好な織編物を製造することができる。
(1)繊維表面凹部数
80℃の水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:1g/L)で海成分をアルカリ減量除去した後、日立(株)製走査型電子顕微鏡S−4000により7000倍で撮影した繊維表面写真を撮り、100μm2あたりの凹部サイズ、数を測定した。
(2)スティックスリップ
実施例および比較例に記載の布帛に対し、カトーテック(株)製自動化表面試験機を用い、試料移動速度1mm/secで測定した。本測定でスティックスリップが発生すると図2のようなデータが得られ、最大応力と最小応力の差を応力幅とし、頂点の数をスティックスリップ個数とした。本発明では幅が10g以上20g以下、250秒間での個数が20個以上30個以下のものがキシミ感があり合格とした。
(3)せん断剛性
実施例および比較例に記載の布帛に対し、カトーテック(株)製の自動化引張り・せん断試験機を用い、最大せん断ずり量±8℃、せん断ずり速度0.5°/sec、引張り張力10gf/cmでせん断剛性を測定した。本評価ではせん断剛性が2.0cN/cm以上4.0cN/cm以下にあるものをハリ感があり合格とした。
(4)光沢度
実施例および比較例に記載の布帛に対し、スガ試験機(株)製光沢度計UGV−5Dを用いて、布帛に対して入射角60°、受光角30°での光沢度を測定した。本評価では光沢度が30以上50以下のものを深色性とマイルドな光沢感があり合格とした。
島成分として平均一次粒径0.04μmのコロイダルシリカを5.0重量%含有したポリエチレンテレフタレートと海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸5.0モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを290℃で別々に溶融し、海島型複合形態を形成すべく公知の口金に流入させた。海/島成分の複合比は20/80とした。紡速1500m/minで巻取り、延伸倍率2.5で延伸し、66dtex−36フィラメントの8島の海島型ポリエステル複合繊維を得た。得られた繊維の海成分を除去するため20%重量アルカリ減量処理した糸の繊維表面は微細な凹部が形成されていた。また、得られた海島型ポリエステル複合繊維から織密度(経×緯)(本/2.54cm)70×50の平織を作製し、20重量%アルカリ減量し布帛サンプルを得た。評価結果を表1に示す。得られた布帛サンプルはソフトな感触と高い深色性とマイルドな光沢感を有し、かつハリ感やキシミ感に優れたものであった。
島成分のシリカ含有量を変更した以外は実施例1と同様の条件で海島型ポリエステル複合繊維、布帛サンプルを得た。比較例1は島成分にシリカを含有していないため、深色性が悪く、キシミ感の劣るものとなった。比較例2は島成分シリカ含有量を12.0%としたものであるが、繊維表面に微細な凹部が少なくキシミ感の劣るものとなった。
海島成分比率を変更した以外は実施例1と同様の条件で海島型ポリエステル複合繊維を得た。得られた繊維の海成分を除去するためアルカリ減量率5%でアルカリ減量を行ったが、海成分比率が低いため分割不良となり、安定した製造ができなかった。
島成分としてシリカ含有量7.0重量%のポリエチレンテレフタレートと海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸3.0モル%共重合したポリエチレンテレフタレートを290℃で別々に溶融し、海/島成分の複合比20/80の66dtex−9フィラメントの70島の海島型ポリエステル複合繊維を得た。得られた繊維の海成分を除去するため20重量%アルカリ減量処理した糸の繊維表面は微細な凹部が形成されていた。また、得られた海島型ポリエステル複合繊維から織密度(経×緯)(本/2.54cm)70×50の平織を作製し、20重量%アルカリ減量し布帛サンプルを得た。得られた布帛サンプルはソフトな感触と深色性とマイルドな光沢感を有し、かつハリ感やキシミ感に優れたものであった。
海島成分比率を変更し、アルカリ減量後の単糸繊度が実施例1と同様になるように173detx−36フィラメントの8島の海島型ポリエステル複合繊維を得た。得られた繊維の海成分を除去するため70重量%アルカリ減量処理した糸の繊維表面は微細な凹部が形成されていた。また、得られた海島型ポリエステル複合繊維から織密度(経×緯)(本/2.54cm)70×50の平織を作製し、70重量%アルカリ減量処理し布帛サンプルを得た。得られた布帛サンプルはふかつきが発生し、ハリ感、キシミ感、光沢感の劣るものであった。
シリカ含有量2.5重量%のポリエチレンテレフタレートを溶融紡糸し、66dtex−286フィラメントの単一成分の極細繊維を得た。得られた繊維を重量20%アルカリ減量し単糸繊度0.18dtexの糸の繊維表面は微細な凹部が少なかった。また、得られた繊維からゾッキ織物を作製し、20重量%アルカリ減量し布帛サンプルを得たが、深色性はあるものの、微細な凹部が少ないためにキシミ感に劣り、せん断剛性が高くハリ感が強すぎ、品位の劣るものであった。
島成分としてシリカ含有量2.5重量%のポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例1と同一の条件で繊維、布帛を得た。得られた海島型ポリエステル複合繊維を海成分除去するため20重量%アルカリ減量した糸の繊維表面は微細な凹部が形成されていた。得られた布帛サンプルはソフトな感触と深色性とマイルドな光沢感を有し、かつハリ感やキシミ感に優れたものであった。
実施例1と同一の条件で海島型ポリエステル複合繊維を得た。得られた海島型ポリエステル繊維を25重量%アルカリ減量した糸の繊維表面は微細な凹凸が形成されていた。また、得られた海島型ポリエステル複合繊維から織密度(経×緯)(本/2.54mm)70×50の平織を作製し、25重量%アルカリ減量し布帛サンプルを得た。得られた布帛サンプルはソフトな感触と高い深色性とマイルドな光沢感を有し、かつハリ感やキシミ感に優れたものであった。
Claims (1)
- 海成分ポリマが5−ナトリウムスルホイソフタル酸を1.5モル%以上7.0モル%以下共重合したポリエチレンテレフタレートで構成され、島成分ポリマが、平均一次粒子径0.02〜0.10μmであるコロイダルシリカを0.5重量%以上10.0重量%以下含有したポリエチレンテレフタレートで構成されている海島型ポリエステル複合繊維であって、海成分/島成分の複合比率が10/90〜50/50で、海島型ポリエステル複合繊維を繊維重量に対して海成分複合比率+(0重量%以上、10重量%以下)の範囲で減量加工した後の単糸繊度が0.05〜0.25dtexであり、繊維表面100μm2当たりに繊維凹部の長軸径L(μm)においてL(μm)<0.5の凹部を100個以上有し、0.5≦L(μm)<5の凹部を10個以上有することを特徴とする海島型ポリエステル複合繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330431A JP5071097B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 海島型ポリエステル複合繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007330431A JP5071097B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 海島型ポリエステル複合繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009150024A JP2009150024A (ja) | 2009-07-09 |
JP5071097B2 true JP5071097B2 (ja) | 2012-11-14 |
Family
ID=40919451
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007330431A Expired - Fee Related JP5071097B2 (ja) | 2007-12-21 | 2007-12-21 | 海島型ポリエステル複合繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5071097B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5400330B2 (ja) * | 2008-08-27 | 2014-01-29 | 帝人株式会社 | 光触媒含有極細繊維およびその製造方法 |
JP6319735B2 (ja) * | 2013-06-04 | 2018-05-09 | ユニチカトレーディング株式会社 | マルチフィラメント糸及びその織編物 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09268435A (ja) * | 1996-03-29 | 1997-10-14 | Toray Ind Inc | 難透性繊維化用複合繊維 |
JPH10219522A (ja) * | 1997-01-30 | 1998-08-18 | Toray Ind Inc | ポリエステル複合太細糸 |
JPH11222725A (ja) * | 1998-02-10 | 1999-08-17 | Toray Ind Inc | ポリエステル繊維 |
JP2003228825A (ja) * | 2002-02-05 | 2003-08-15 | Toray Ind Inc | 磁気ディスクテクスチャー加工用基布 |
-
2007
- 2007-12-21 JP JP2007330431A patent/JP5071097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009150024A (ja) | 2009-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5543213B2 (ja) | ワイピング製品 | |
JP2006336162A (ja) | 織物およびその製造方法 | |
JP5356771B2 (ja) | グローブ用布帛および繊維製品 | |
JP5178367B2 (ja) | ワイピング用織物およびワイピング製品 | |
JP2011047068A (ja) | 撥水性ポリエステル混繊糸 | |
JP2007308821A (ja) | 研磨布用織物およびその製造方法および磁気デイスク研磨布 | |
JP5071097B2 (ja) | 海島型ポリエステル複合繊維 | |
JP6672641B2 (ja) | 凹凸表面を有する極細ポリエステル繊維 | |
JP5096049B2 (ja) | 研磨布用織物およびその製造方法および研磨布 | |
JP3764132B2 (ja) | 特殊断面繊維 | |
JP2009256865A (ja) | 極細繊維布帛とその製造方法 | |
JP5155124B2 (ja) | 揚柳調布帛の製造方法および揚柳調布帛 | |
JP2011157647A (ja) | ワイピングクロス | |
JP4326456B2 (ja) | ポリエステル超極細繊維及びその製造方法 | |
JP4506314B2 (ja) | 極細糸 | |
JP5065769B2 (ja) | 研磨布用織物およびその製造方法および研磨布 | |
JP3564861B2 (ja) | ポリエステル繊維および異収縮混繊糸 | |
JP4710227B2 (ja) | ペレット | |
JP2016180189A (ja) | 混繊糸、スエード調織編物およびスエード調織編物の製造方法 | |
JPH0359130A (ja) | ポリエステル収縮差混繊糸 | |
JP4329515B2 (ja) | 海島型複合繊維 | |
JP2004308021A (ja) | 特殊断面繊維 | |
JPH10266029A (ja) | ポリエステル収縮差混繊糸 | |
JP3333831B2 (ja) | ポリエステル太細糸 | |
JP4667632B2 (ja) | フィブリル化繊維およびフィブリル化繊維の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20101101 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111206 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111213 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120207 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120508 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120702 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120724 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120806 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150831 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |