JP4506314B2 - 極細糸 - Google Patents

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本発明は、高収縮特性を有する極細糸に関し、さらに詳しくは紡糸安定性にも優れ、また従来ない高密度織編物を得ることができ、また優れた精緻感、ソフト感、発色性を付与することができる極細糸に関するものである。
従来より、ポリエチレンテレフタレートからなる単糸繊度が1dtex以下のポリエステル極細糸はピーチ調織編物やワイピングクロスに用いられている。しかしながら、従来の極細糸では収縮特性が不十分であるために、織編物にした際、フカツキ感が解消することができず、精緻感についても乏しいものであった。そのため、ポリマー自体が高収縮特性を有しているポリトリメチレンテレフタレート(ポリプロピレンテレフタレート)を用いた極細糸が、特開平11−100721号公報(特許文献1)や特開2001−348735号公報(特許文献2)などで提案されている。確かに単糸繊度が細いためソフトな織編物を得ることができるが、これらの糸では織編物を高密度化させることができず、精緻感のあるなめらかな織編物を得ることはできない。
すなわち、前者は海島型複合糸から得られた極細糸ではなく、直接紡糸式であるため、巻き取りパッケージや生機における遅延収縮の問題があり、延伸工程で糸を低収縮化せざるを得ない。
後者については、海島型複合糸から極細糸を得るものではあるが、アルカリ溶出成分として用いられているポリマは有機金属塩を共重合したポリエステルであり、アルカリ溶出時間が長いため、アルカリ減量時に島成分のポリトリメチレンテレフタレートが収縮するのを阻害してしまうという問題がある。さらに、アルカリ溶出時間が長いため、生産性が悪かったり、また、ポリマ溶融温度がポリトリメチレンテレフタレートよりも高いため、紡糸温度を高く保つ必要があり、そのためにポリトリメチレンテレフタレートの熱劣化が進み、操業性が悪く、さらに、満足する原糸強度や風合いが得られないなどの問題があった。
特開平11−100721号公報 特開2001−348735号公報
本発明は、上記従来技術では達成できなかった、ソフト感、精緻感、発色性に優れた高密度織編物を得ることができ、かつ生産性に優れ、アルカリ処理後の廃液の環境負荷が小さいポリトリメチレンテレフタレート極細糸を提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明の極細糸は、以下の構成からなる。
実質的にポリトリメチレンテレフタレートで構成されている糸条からなり、乾熱収縮率(TWA)、単繊維繊度(FDT)が下記の式を全て満たすことを特徴とする極細糸。
(1)5≦TWA(%)≦20
(2)0.01≦FDT(dtex)≦1
また、本発明の極細糸において、好ましくは、島成分がポリトリメチレンテレフタレート、海成分ポリ乳酸で構成されている海島型複合糸であって、海成分/島成分の複合比率が10/90〜50/50であることを特徴とするものである。
また、本発明の極細糸において、好ましくは、沸騰水収縮率(SWA)とアルカリ減量後の乾熱収縮率(TWA)がTWA(%)/SWA(%)≧1を満たすことを特徴とするものである。
また、本発明の極細糸において、好ましくは、アルカリ減量前の海島型複合糸の原糸強度が3.0cN/dtex以上であることを特徴とするものである。
また、本発明の高密度織物は、タテ糸および/またはヨコ糸に前記の極細糸を使用することを特徴とするものである。
本発明によれば、ソフト感、精緻感、発色性に優れた高密度織編物を得ることができ、かつ生産性に優れ、アルカリ処理後の廃液による環境負荷が小さいポリトリメチレンテレフタレート極細糸を提供することができる。また、高密度織編物にしても布帛にストレッチ性を付与することができる。
さらに、綿などのセルロース系の繊維と相性が良く、綿との交織などのファブリケーションに好適である。
本発明の極細糸からなる布帛は、衣料用として、特にワンピース、シャツ、ブラウス、スカートなどの婦人衣料、また防風性にも優れることからレインコート、アスレチックウェア、スキーウェアなどのスポーツ衣料などで、また衣料資材用としてはハンカチ、眼鏡拭き、洗顔タオル、遮光カーテンなどに好適である。
以下、更に詳しく本発明について説明する。
本発明の極細糸は、実質的にポリトリメチレンテレフタレートで構成されている糸条からなる極細糸である。
本発明の極細糸は乾熱収縮率(TWA)が下記式(1)を満たすことが重要である。
(1)5≦TWA(%)≦20
アルカリ減量によって極細糸を得る場合、一般的には乾熱収縮率としては、アルカリ減量前の乾熱収縮率で規定していることが通常である。アルカリ減量は繊維表面を溶かすことで、織編物内の交錯点に空隙を生みだし、ソフトでしなやかな風合いを付与するため用いられている。しかし、高密度織編物においてはアルカリ減量を施こすことで、フカツキ感も付与されることが問題となっていた。本発明においては、鋭意検討した結果、アルカリ減量後においても糸に収縮性を付与することで、ソフトで精緻感ある高密度織編物を得ることができる極細糸を得ることができることを見出した。すなわち、アルカリ減量後の、織物を構成する糸の乾熱収縮率(TWA)が、5≦TWA(%)≦20を満たすことで、ソフトで精緻感ある高密度織編物を得ることができる。TWA(%)<5では織物に精緻感を付与することができず、また、TWA(%)>20では、収縮が強すぎて、織物としての粗硬感が強くなってしまう。さらに好ましくは8≦TWA(%)≦20である。
なお、本発明における乾熱収縮率(TWA)とは、後述する測定方法で測定した値を言う。
また、本発明の極細糸は、沸騰水収縮率(SWA)と乾熱収縮率(TWA)との比が、TWA(%)/SWA(%)≧1を満たすことが好ましい。乾熱収縮率(TWA)が高い値であっても、沸騰水収縮率(SWA)がそれ以上に高い値であれば、ソフトでしなやかな風合いが減少してしまうからである。さらに好ましくはTWA(%)/SWA(%)≧1.5である。
なお、本発明における沸騰収縮率(SWA)とは、後述する測定方法で測定した値を言う。
本発明において、沸騰水収縮率(SWA)の好ましい範囲は、染色工程の工程通過性を考慮すると2≦SWA(%)≦15、さらに好ましくは2≦SWA(%)≦10である。
さらに本発明の極細糸の単繊維繊度(FDT)は、下記式(2)を満たすことが必要である。
(2)0.01≦FDT(dtex)≦1
0.01≦FDT(dtex)≦1を満たすことで、織編物にした際のソフト感を得ることができる。より好ましい範囲は、0.01≦FDT(dtex)≦0.5である。FDT(dtex)>1であると、織編物にソフト感を付与することはできない。またFDT(dtex)<0.01であると、細すぎて、発色性が低下してしまう。
また極細糸の断面形状は丸断面の他、扁平、三角、中空等の異形断面であっても構わない。
本発明の極細糸をタテ糸および/またはヨコ糸に使用した織物にすることで、精緻感のあるソフトな高密度織編物を得ることができる。
本発明の極細糸は、島成分がポリトリメチレンテレフタレート、海成分ポリ乳酸で構成された海島型複合糸をアルカリ減量して得られたものであることが好ましい。このような海島型複合糸とすることで、糸パッケージや生機の状態で遅延収縮するといった加工の問題がなくなる。また海成分のポリ乳酸はアルカリ減量速度が速いため、アルカリ減量工程で溶解しやすく、島成分のポリトリメチレンテレフタレート、すなわちポリトリメチレンテレフタレート極細糸がより収縮しやすくなる。
またポリ乳酸はポリトリメチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートよりも溶融温度が低いため、溶融温度がポリトリメチレンテレフタレートよりも高い有機金属塩を共重合したポリエチレンテレフタレートを海成分として用いた場合に比べ、紡糸温度を低く押さえることができ、原糸、高次を含めた操業の安定化やポリトリメチレンテレフタレートの熱劣化による風合い低下の防止が可能となる。これらのポリ乳酸の効果により本発明の目的である原糸強度が高く、製糸性、延伸性、分割性が良く、風合いが優れ、且つ環境負荷の小さい海島型複合糸が得ることができる。
尚、本発明でいうポリ乳酸は、特に制限されるものではないが、平均分子量5万〜10万が好ましく、かつ純度95.0%〜99.5%のL−乳酸からなるポリ乳酸であれば工程での強度が維持できるほか、適度な生分解性が得られることから溶出した後の廃液の環境負荷が小さく好ましい。
また、海成分がポリエチレンテレフタレートの場合、アルカリ減量のみでは完全に溶解するまでに時間がかかり、通常はマレイン酸などの酸性処理をアルカリ減量前に施す必要があり、そのため、綿などのセルロース系の繊維と複合することはできなかったが、海成分をポリ乳酸にすることで、上記問題は解決し、綿との交織などのファブリケーションが可能となる。
島成分のポリトリメチレンテレフタレートとは、テレフタル酸を主たる酸成分とし、1,3プロパンジオールを主たるグリコール成分として得られるポリエステルである。ただし、20モル%以下、好ましくは10モル%以下の割合で他のエステル結合を形成可能な共重合成分を含むものであっても良い。共重合可能な化合物として、たとえばイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、ダイマ酸、セバシン酸などのジカルボン酸類、一方、グリコール成分として、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどを挙げることができるが、これらに限られるものではない。また、艶消剤として、二酸化チタン、滑剤としてのシリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤として、ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料などを必要に応じて添加することができる。
本発明の極細糸は、メチレン基の主鎖が伸び縮みするというポリトリメチレンテレフタレート特有の伸縮弾性特性により、高密度織編物にしても布帛にストレッチ性を付与することができる。
また、本発明における複合糸は海成分にポリ乳酸を配することにより、原糸操業性、工程通過性を維持するために必須である原糸強度を高めることが可能であり、海島型複合糸の原糸強度は3.0cN/dtex以上のものであることが好ましい。原糸強度が3.0cN/dtex未満では、原糸強度が低すぎるため原糸操業性が悪化するとともに、高次工程においても単糸切れ、毛羽等の発生により工程通過性、製品品位の低下を生じてしまうのである。原糸操業性、工程通過性をより高めるためには原糸強度は3.3cN/dtex以上であることが好ましい。
本発明における海島型複合糸の海成分/島成分の複合比率は複合形態の安定性、製糸性、生産性の点から10/90〜50/50(重量比)とするものである。海成分の複合比率が10%未満の場合は、複合異常が発生し分割性不良を生じたり、複合形態が正常であっても海成分の溶解不良による分割性不良を生じ、十分なソフト感を得ることができない。逆に海成分の複合比率が50%を越えると、生産性が低下するとともに、織編物とした際に「ふかつき」が生じ、反発感のない織編物となってしまう。海島型複合繊維の海成分/島成分の複合比率は15/85〜40/60であることがより好ましい。
また、本発明における複合糸は繊維表面は海成分で完全に覆われていても、島成分が一部露出していてもかまわない。さらに海成分を除去した後の島成分の断面形状についても丸断面の他、扁平、三角等の異形断面であってもよい。
さらに、本発明における複合糸は、単繊維断面内の島成分数を3〜100とすることで複合異常等による製糸性の悪化を回避でき、併せて島成分の単糸繊度を適当とすることができるため、製糸性とソフト感の両立が容易となる。より好ましい島成分数は6〜80である。アルカリ減量後の極細糸の繊度(0.01≦FDT(dtex)≦1)が希望の値になるよう、これら島成分数と複合糸の繊度を適宜設定すればよい。
本発明における複合糸は、複合糸紡糸用の公知の装置を用いて製造することができ、例えば特開昭57−47938号公報の第3図や特開昭57−82526号公報の第2図に示される装置を好適な一例として使用して製造することができる。
本発明における複合糸を製糸するにあたっては、紡糸および延伸工程を連続して行う方法、未延伸糸として一旦巻き取った後、延伸する方法、延伸後に弛緩熱処理する方法、または高速製糸法など何れのプロセスにも適用できる。
さらに必要に応じて仮撚や空気交絡等の糸加工を施しても良い。
本発明における複合糸で高密度織物を製織するにあたっては、レピア織機、ウォーター織機、エアジェット織機等を使用することができる。
また染色するにあたっては、高密度化させるためリラックス精練工程として、ソフサーリラックスまたは液流リラックス法を用いることが好ましい
アルカリ減量するにあたっては、常法に従い水酸化ナトリウム水溶液を用いて、減量すすることができる。80℃以上に加熱した水酸化ナトリウム水溶液を用いて減量すると、アルカリ減量時間を短くできるので好ましい。また、本発明の高密度織物は複合糸を製織した後に、アルカリ減量を行って極細糸とすることがより好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で求めた。
A.沸騰水収縮率(SWA)
周長0.8mの検尺機に、90mg/dtexの張力下で10回巻回してカセ取りし、10分放置した後、カセ長(L)を測定する。その後、このカセをガーゼで包み、無荷重下で98℃×20分間熱水処理し、2cm以下の棒につり下げ約12時間放置した後、カセ長(L1)測定し、下記式で算出した。
・沸騰水収縮率(SWA)=(L−L1)/L×100
B.乾熱収縮率(TWA)
上記方法で沸騰水処理したカセをガーゼで包み、海島複合糸から極細糸を得る場合のみ無荷重下で98℃の3%水酸化ナトリウム水溶液で海成分が完全に溶解するまで処理する。そのまま常温で約12時間放置した後、160℃の乾燥機内で無荷重下で5分処理する。その後、2cm以下の棒につり下げ約12時間放置した後、カセ長(L2)測定し、下記式で算出した。
・乾熱収縮率(TWA)=(L1−L2)/L2×100
C.単繊維繊度(FDT)
上記方法でカセを沸騰水処理、アルカリ減量処理した後、0.1g/dtexの加重で10cm長にカットし、単繊維の重量を測定することで単繊維繊度を測定した。
D.強度
JIS L1013(1999)に準じオリエンテック社製テンシロンUCT−100を用いて測定した。
E.極限粘度[η]
オルソクロロフェノール10mlに対し試料0.10gを溶解し、温度25℃においてオストワルド粘度計を用いて測定した。
なお、実施例における評価は、以下の方法で行なった。
(1)製糸性の評価
紡糸時間24時間における糸切れ回数から製糸性を4段階評価した。
○○:糸切れ無し
○ :糸切れ有り(1〜2回)
△ :糸切れ有り(3〜5回)
× :糸切れ多発(5回以上)
(2)精緻感の評価
実施例、比較例に記載の方法で得た織物の精緻感を触感(きめの細かさ)と見た目(表面のきれいさ)により官能評価した。この際、従来品である比較例3の織物を標準として、以下の基準で4段階評価を行ない、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。
○○:極めて精緻感がある、
○ :やや精緻感がある、
△ :標準織物と同等の風合い、
× :精緻感がない(きめが粗く、表面がきたない)。
(3)ソフト感の評価
実施例、比較例に記載の方法で得た織物のソフトさを触感により官能評価した。この際、従来品である比較例3の織物を標準として、以下の基準で4段階評価を行ない、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。
○○:極めてソフトな風合い、
○ :ややソフトな風合い、
△ :標準織物と同等の風合い、
× :堅い風合い。
(4)発色性の評価
実施例、比較例に記載の方法で得た織物の発色性を、見た目により官能評価した。この際、従来品である比較例3の織物を標準として、以下の基準で4段階評価を行ない、10人のパネラーの評価結果を平均して判定した。
○○:極めて発色性が良い、
○ :やや発色性が良い、
△ :標準織物と同等の発色性、
× :発色性が悪い。
実施例1
ジメチルテレフタル酸19.4kg、1,3−プロパンジオール15.2kgにテトラブチルチタネートを触媒として用い、140℃〜230℃でメタノールを留出しつつエステル交換反応を行った後、さらに、250℃温度一定の条件下で3.5時間重合を行い極限粘度[η]が0.96のポリトリメチレンテレフタレートを得た。
上記製法で得たポリトリメチレンテレフタレートを島成分に用い、海成分として光学純度98.0%のポリ−L−乳酸を用い、海/島=20/80(重量比)の複合比率にて、島数70、ホール数12の海島型複合用口金を用いて複合紡糸機にて紡糸温度250℃、引き取り速度1500m/分で巻き取った。続いて、該未延伸糸を通常のホットロール−ホットロール系延伸機を用いて延伸温度80℃、熱セット温度120℃で延伸糸の伸度が35%となるように延伸倍率を合わせて延伸を行い、56dtex−12filの延伸糸を得た。得られた延伸糸の糸物性を表1に示す。
得られた延伸糸を、経糸および緯糸に使用してタテ密度145(本/inch)、ヨコ密度95(本/inch)の平織物を製織し、95℃の熱水で精練した後、160℃で乾熱セットを行い、さらに98℃の3%水酸化ナトリウム水溶液で海成分が完全に溶解するまで減量加工し、次いで湿熱130℃で染色、乾熱160℃で仕上げセットを行った。得られた織物特性について評価した結果を表1に示す。実施例1では製糸性が良好であり、また得られた織物は精緻感に優れ、ソフト感、発色性が良好なものであった。
実施例2
実施例2は実施例1と同様に延伸糸を用いて、ヒータ温度130℃、オーバーフィード率10%で弛緩熱処理を実施した以外は実施例1と同様の方法で製織、加工を行い、織物を得た。延伸糸物性と織物について評価した結果を表1に示す。実施例2で得られた織物は精緻感に優れ、ソフト感、発色性が良好なものであった。
比較例1
比較例1は実施例1と同様のポリトリメチレンテレフタレートを用い、ホール数250の口金を用いて、通常紡糸機にて紡糸温度250℃、引き取り速度1500m/分で巻き取った。得られた延伸糸をアルカリ減量率を20%に設定した以外は実施例1と同様の方法で製織、加工を行い織物を得た。延伸糸物性と織物について評価した結果を表1に示す。比較例1では、製糸性が悪く、糸切れが多発した。また、得られた織物は表面が粗く、精緻感に欠けたものであった。
比較例2
比較例2では島成分として実施例1と同様のポリトリメチレンテレフタレート、海成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸4.5モル%共重合した極限粘度[η]が0.56のポリエチレンテレフタレートを用い、実施例1と同様の口金、複合紡糸機を用いて紡糸温度280℃、引き取り速度1500m/分で巻き取り、得られた未延伸糸を実施例1と同様の方法で延伸糸を得た。得られた延伸糸を実施例1と同様の方法で製織、加工を行い織物を得た。延伸糸物性と織物について評価した結果を表1に示す。比較例2では、製糸性が悪く、糸切れが多発した。また、得られた織物はきめがが粗く、精緻感に欠けたものであった。
比較例3
比較例3では島成分として極限粘度[η]が0.55のポリエチレンテレフタレートを用い、海成分として比較例2と同様の共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、比較例2と同様方法で巻き取り、延伸糸を得た。得られた延伸糸を実施例1と同様の方法で製織、加工を行い織物を得た。延伸糸物性と織物について評価した結果を表1に示す。比較例3では、発色性も乏しく、かさかさした風合いであった。
実施例3〜4、比較例4
繊度構成、海/島複合比率、島数を表2に示すように変更し、実施例1と同様の方法にて延伸糸および織物を得た。得られた延伸糸物性、織物評価の結果を表2に示す。
実施例2および3では製糸性が良好であり、得られた織物は精緻感、ソフト感、発色性が良好なものであった。
一方、比較例4は、海成分の複合比率60%と高いため、製糸性が若干劣ると共に、海成分除去によって繊維間の空隙が大きく形成されることによってふかついたタッチの織物しか得られなかった。
比較例5
延伸工程の熱セット温度を90℃にした以外は全て実施例1と同様の方法にて延伸糸及び織物を得た。得られた延伸糸物性、織物評価の結果を表2に示す。比較例5では収縮が強すぎて、かたい風合いであった。
Figure 0004506314
Figure 0004506314

Claims (4)

  1. 実質的にポリトリメチレンテレフタレートで構成されている糸条からなり、乾熱収縮率(TWA)、単繊維繊度(FDT)および沸騰水収縮率(SWA)とアルカリ減量後の乾熱収縮率(TWA)の比が下記の式を全て満たすことを特徴とする極細糸。
    (1)5≦TWA(%)≦20
    (2)0.01≦FDT(dtex)≦1
    (3)TWA(%)/SWA(%)≧1.5
  2. 島成分がポリトリメチレンテレフタレート、海成分ポリ乳酸で構成されており、海成分/島成分の複合比率が10/90〜50/50である海島型複合糸をアルカリ減量して得られることを特徴とする請求項1に記載の極細糸。
  3. 海島型複合糸の原糸強度が3.0cN/dtex以上であることを特徴とする請求項2に記載の極細糸。
  4. タテ糸および/またはヨコ糸に請求項1〜いずれかに記載の極細糸を使用することを特徴とする高密度織物。
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