JP6685805B2 - 研磨パッド - Google Patents

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本発明は、ガラス基板や半導体デバイス等の研磨に利用される研磨パッドに関する。
光学材料、半導体デバイスやハードディスク用ガラス基板等の研磨には研磨パッドが用いられ、特に、半導体ウエハ上に酸化物層や金属層が形成されたデバイスの研磨には好適に用いられる。研磨パッドは、ポリウレタン等の合成樹脂からなり、合成樹脂の物性や合成樹脂中に形成された空隙の分布等によって所定の研磨特性を有する。
研磨パッドは、研磨工程に利用されるにつれて、その研磨面が劣化し、研磨レートの低下や研磨欠陥(スクラッチ)の発生のおそれがある。そこで一定期間研磨に利用される度にコンディショニング(目立て)が必要となる。コンディショニングは、被研磨物より粗い表面を有するコンディショニングディスクに対して研磨パッドを摺動させ、研磨面を更新する操作である。コンディショニングを所定時間行うと、研磨パッド表面には微細凹凸部ができ、パッド表面が毛羽立った状態になる。
コンディショニング性能が低い研磨パッドの場合、コンディショニング速度が低くコンディショニングにかかる時間が大きくなってしまう問題や十分にパッド表面に微細凹凸部を形成できないという問題点があった。そこで、例えば、特許文献1には、平坦化性能及びコンディショニング性能に優れる研磨パッドが開示されている。
特開2008−188757号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような研磨パッドは、その引張強さの大きさのため、研磨時に生じる研磨屑により研磨欠陥を発生させるおそれがある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、コンディショニング性と研磨特性に優れる研磨パッドを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る研磨パッドは、研磨層を具備する。
上記研磨層は、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1.1以下であり、40℃における湿潤状態の引張破断強度が20MPa以下である。
研磨層のコンディショニングは、室温である20℃前後、洗浄水による湿潤状態で行われ、研磨層による研磨は40℃(研磨時に研磨パッドと被研磨物の研磨で摩擦熱が発生することにより温度が上昇するため)、スラリーによる湿潤状態で行われる。上記構成によれば、研磨層のコンディショニングの際(20℃・湿潤状態)においても研磨層の引張破断伸びが乾燥状態と比較してそれほど大きくならないため、コンディショニングを短時間で完了させることが可能である。また、研磨の際(40℃・湿潤状態)には研磨層の引張破断強度が小さいため、研磨屑によるスクラッチの発生を防止することが可能である。即ち、上記構成を有する研磨パッドは、コンディショニング性と研磨特性に優れる。
さらに、上記研磨層は、60℃における引張破断強度が20MPa以下であってもよい。
上記構成によれば、研磨の際に生じる摩擦熱によって研磨パッド表面が60℃まで上昇した場合であっても、研磨屑によるスクラッチの発生を防止することが可能である。
さらに、上記研磨層は、20℃における湿潤状態の引張破断強度が20MPa以下であってもよい。
上記構成によれば、研磨層のコンディショニングの際(20℃・湿潤状態)、引張破断強度が小さいため、コンディショニングをさらに短時間で完了させることが可能である。
さらに、上記研磨層は、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1以下であってもよい。
上記構成によれば、研磨層のコンディショニングの際(20℃・湿潤状態)、乾燥状態よりも引張破断伸びが小さくなるため、さらにコンディショニングを短時間で行うことが可能である。
上記研磨層は、空隙を有し、上記空隙は独立気泡のみからなるものであってもよい。
この構成によれば、スラリーが研磨層内部に浸入せず、研磨層の表面近傍のみが湿潤状態となる。これにより、湿潤状態での物性変化は研磨の際に研磨層の表面近傍のみであるため、研磨層の全体としては被研磨物の平坦化に十分な硬度を有する。
上記研磨層は、ポリウレタン樹脂と、熱可塑性樹脂からなる外殻を有し、上記ポリウレタン樹脂中に分散された中空微粒子を含んでもよい。
ポリウレタン樹脂は、入手性及び加工性がよく、好適な研磨特性を有するため、研磨層の主たる構成材料として好適である。また、ポリウレタン樹脂中に分散された中空微粒子によって上記独立気泡を形成することが可能である。
以上のように、本発明によれば、コンディショニング性と研磨特性に優れる研磨パッドを提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る研磨パッドの斜視図である。 同研磨パッドの断面図である。 同研磨パッドの研磨層に含まれる中空微粒子の断面図である。 同研磨パッドに供給されたスラリーの研磨層への浸透を示す模式図である。
本発明の実施形態に係る研磨パッドについて説明する。
[研磨パッドの構成]
図1は、本実施形態に係る研磨パッド100を示す斜視図である。同図に示すように、研磨パッド100は、研磨層101及びベース層102を具備する。
研磨層101は、被研磨物に当接し、研磨を行う層である。以下、研磨層101の表面を研磨面101aとする。研磨面101aには、スラリーの流れをよくするための溝や穴が形成されていてもよい。研磨層101の厚さは特に限定されず、例えば0.5mm以上3.0mm以下程度とすることができる。
ベース層102は、研磨層101の被研磨物への当接を均一化させる層である。ベース層102は、不織布や合成樹脂等の可撓性を有する材料からなるものとすることができる。ベース層102の厚さは特に限定されず、例えば0.1mm以上5mm以下程度とすることができる。
研磨層101とベース層102は接着材又は両面テープ等によって接合され、研磨パッド100を構成する。研磨パッド100は、ベース層102に配設された両面テープ等によって研磨装置に貼付される。研磨パッド100の大きさ(径)は研磨装置のサイズ等に応じて決定することができ、例えば、直径10cm〜1m程度とすることができる。なお、研磨パッド100の形状は円板状に限られず、帯状等であってもよい。
研磨パッド100は、研磨装置によって被研磨物に押圧された状態で回転駆動され、被研磨物を研磨する。その際、研磨パッド100と被研磨物の間には、スラリーが供給される。また、研磨パッド100は一定期間研磨に利用された後、コンディショニング(目立て)がなされる。コンディショニングでは、回転させている研磨パッド100に対してコンディショニングディスクを回転及び摺動させる。その際には、研磨パッド100とコンディショニングパッドの間には、洗浄水が供給される。
[研磨層の構成]
図2は、研磨パッド100の模式的断面図である。同図に示すように、研磨層101は、ポリマー110及び中空微粒子111を含む。
ポリマー110は、研磨材料の主たる構成材料である。ポリマー110は、プレポリマーと硬化剤の重合反応によって生成するポリマーであるものとすることができる。このようなポリマーとしては、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、入手性及び加工性がよく、好適な研磨特性を有するため、ポリマー110の材料として好適である。
プレポリマーは、イソシアネート基末端を有する化合物(以下、イソシアネート化合物)とすることができ、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを、通常用いられる条件で反応させることにより得られる化合物であり、ポリウレタン結合とイソシアネート基を分子内に含むものである。また、本発明の効果を損なわない範囲内で、他の成分がポリウレタン結合含有イソシアネート化合物に含まれていてもよい。
ポリイソシアネート化合物は、分子内に2つ以上のイソシアネート基を有する化合物を意味し、例えばジフェニルメタンジイソシアートを用いることができる。
この他にもポリイソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(水添MDI)、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート及びエチリジンジイソチオシアネートが挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
また、ポリオール化合物とは、分子内に2つ以上のアルコール性水酸基(OH)を有する化合物を意味し、例えば、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(又はポリテトラメチレンエーテルグリコール)(PTMG)やジエチレングリコール(DEG)を用いることができる。
この他にもポリオール化合物としては、エチレングリコール、ブチレングリコール等のジオール化合物、トリオール化合物等;上記PTMGなどのポリエーテルポリオール化合物;エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物;ポリカーボネートポリオール化合物、ポリカプロラクトンポリオール化合物等を挙げられる。これらの1種又は2種以上を用いることができる。
硬化剤は、ポリアミン系硬化剤を利用することができる。ポリアミン系硬化剤は、2つ以上のアミノ基を有する物質であり、MOCA(3,3−ジクロロ−4,4−ジアミノジフェニルメタン)を用いることができる。また、ポリアミン系硬化剤として、三分子のクロロアニリンがメチレン基を介して結合した三量体を含む多量体MOCAを利用することも可能である。また、MOCA以外のポリアミン系硬化剤を利用してもよい。
また、硬化剤は、ポリオール系硬化剤を利用することもできる。ポリオール系硬化剤は2つ以上のヒドロキシル基を有する物質であり、例えば、エチレングリコール又はポリエーテルポリオールとすることができる。
この他にも、ポリオール系硬化剤として、ブチレングリコール及びヘキサンジオール等の低分子量のポリオール化合物、並びに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ビスフェノールAとプロピレンオキサイドとの反応物等のポリエーテルポリオール化合物、エチレングリコールとアジピン酸との反応物、ブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール化合物及びポリカプロラクトンポリオール化合物等の高分子量のポリオール化合物が挙げられる。
硬化剤は、上記ポリアミン系硬化剤とポリオール系硬化剤のうちの一種又は複数種を利用することが可能である。
なお、ポリマー110はポリウレタンに限られず、ポリノルボルネン、トランス−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン等であってもよい。また、ポリマー110はポリウレタン及びこれらの樹脂のうち1種又は複数種を含むものであってもよい。
中空微粒子111は、中空の球体状の物体であり、ポリマー110に含有されている。図3は、中空微粒子111の模式的断面図である。同図に示すように、中空微粒子111は、熱可塑性樹脂からなる球殻状の外殻111aと、外殻111aに囲まれた内部空間111bを有する。中空微粒子111は、液状の低沸点炭化水素を熱可塑性樹脂の殻で包み、加熱することによって形成されたものとすることができる。
加熱によって熱可塑性樹脂が軟化すると共に低沸点炭化水素が気体に変化し、気体の圧力によって熱可塑性樹脂が膨張することにより中空微粒子111が形成される。低沸点炭化水素は例えばイソブタンやペンタン等が用いられ、熱可塑性樹脂は例えば塩化ビニリデンやアクリロニトリルが用いられる。
中空微粒子111は、市販されているものを利用することも可能である。例えばマツモトマイクロスフェアーシリーズ(松本油脂製薬株式会社製)やエクスパンセルシリーズ(AkzoNobel社製)を中空微粒子111として利用することができる。
中空微粒子111の大きさは特に限定されないが、直径数20μm〜200μm程度とすることができ、また径の異なる中空微粒子を2種類以上用いることもできる。研磨材料における中空微粒子111の含有割合は、研磨材料に対して、10〜60体積%が好適であり、15〜45体積%であるとより好適である。中空微粒子111は、研磨層101が研磨によって磨耗すると研磨面101aに露出し、研磨面101aの研磨特性に影響する。
研磨層101は以上のような構成を有する。上記のように、ポリマー110に分散されえた中空微粒子111によって、ポリマー110中に独立気泡が形成されている。ポリマー110は、中空微粒子111による独立気泡の他には気泡(例えば、ポリウレタンの発泡による気泡)を有しない。
[研磨層の引張破断強度及び引張破断伸びの測定]
作製した研磨層をJIS K7312−1996に準拠してダンベル3号の形状に打ち抜いたサンプルを20℃・60%RHの条件下で引張試験を行った。引張試験機としてはRTCシリーズを用い、荷重フルスケール20kgf・試験速度100mm/minとした。
湿潤状態における引張破断強度及び引張破断伸びの測定は、サンプルを所定の温度(20℃・40℃・60℃)の水中に1時間浸漬し、水中から取り出した後サンプル表面の水を拭き取り、引張試験で測定した。
[コンディショニング性能の評価]
研磨パッドのコンディショニング性能の評価は、研磨層のテーバー磨耗試験による磨耗減量によって行った。磨耗減量は、日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法で行い、320番手のサンドペーパーを用いて測定した。
[ディフェクトの評価]
スクラッチ等のディフェクトの評価は、25枚の基板を研磨し、研磨加工後の21〜25枚目の基板5枚について、ウエハ表面検査装置(KLAテンコール社製、Surfscan SP1DLS)の高感度測定モードにて測定し、基板表面におけるスクラッチ等のディフェクトの個数を評価した。スクラッチ等のディフェクトの評価では、12インチ(300mmφ)ウエハに0.16μm以上のディフェクトが200個未満を○、200個以上を×とした。
[研磨レートの測定]
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:荏原製作所社製、F−REX300
・Disk:3M A188(#60)
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=1:1の混合液を使用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチφシリコンウエハ上にテトラエトキシシランを PE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板
図4は、スラリーSに浸漬させた研磨層101の状態を示す模式図である。同図に示すように、研磨層101は中空微粒子111による独立気泡のみを有する。このため、スラリーSは、研磨層101内部に浸透せず、研磨面101aの近傍のみが湿潤状態となる。
20℃における湿潤状態での引張破断強度は5MPa以上30MPa以下であるのが好ましく、10MPa以上20MPa以下がより好適である。また、20℃における湿潤状態での引張破断伸びは10%以上300%以下であるのが好ましく、20%以上200%以下がより好適である。さらに、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比は、0.3〜1.2であるのが好ましく、0.5〜1.1がより好適であり、最も好ましくは0.6〜1.0である。
研磨層101は、室温である20℃前後の環境下でスラリーを用いた湿潤状態でコンディショニングされるため、研磨層101が上記の引張特性を有することにより、高いコンディショニング性を有する。通常の研磨パッドは湿潤時に樹脂が軟化し、乾燥状態に比べて引張破断伸びが大きくなる傾向にあるが、乾燥状態に比べ湿潤時に引張破断伸びが小さくなるもの(湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1以下となるもの)は、特にコンディショニング性能に優れている。
20℃における湿潤状態での引張破断強度が5MPa未満の研磨パッドはコンディショニング速度は大きいものの、コンディショニング時に過度に磨耗してしまうため好ましくなく、30MPaより大きい研磨パッドはコンディショニング速度が小さくなってしまうため、コンディショニング時間が過度にかかってしまう。また、20℃における湿潤状態での引張破断伸びが10%未満の研磨パッドはコンディショニング速度は大きいものの、コンディショニング時に過度に磨耗してしまうため好ましくなく、300%より大きい研磨パッドはコンディショニング速度が小さくなってしまうため、コンディショニング時間が過度にかかってしまう。さらに、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が0.3未満の研磨パッドはスラリーと接触して湿潤状態になるとコンディショニング時に過度に磨耗してしまうため好ましくなく、1.5より大きい研磨パッドはスラリーと接触して湿潤状態になるとコンディショニング速度が小さくなってしまうため、コンディショニング時間が過度にかかってしまう。
40℃および60℃における湿潤状態での引張破断強度は5MPa以上30MPa以下であるのが好ましく、10MPa以上20MPa以下がより好適である。研磨層101は、通常供給するスラリーが40℃の湿潤状態の環境下で研磨に利用されるため、研磨層101が40℃における湿潤状態で上記の引張強さを有することにより、スクラッチの発生が防止される。また、研磨時には研磨物と研磨パッドの間で発生する摩擦熱により研磨パッドの表面が60℃程度まで上昇する可能性があるが、研磨層101が60℃における湿潤状態で上記の引張強さを有することにより、60℃における環境下においてもスクラッチの発生が防止される。
40℃または60℃における湿潤状態での引張破断強度が5MPa未満の研磨パッドは研磨時の過度の磨耗により研磨パッドの寿命(ライフ)が短くなってしてしまうため好ましくなく、30MPaより大きい研磨パッドは研磨時に生じる研磨屑により被研磨物に研磨欠陥を発生させるおそれがある。
また、上記のように研磨層101が独立気泡のみを有するため、湿潤状態による物性の変化は研磨面101a近傍のみで生じ、研磨層101全体としては被研磨物の平坦化に十分な硬度を有する。
これらの引張試験特性は、プレポリマーの組成や硬化剤の組成などによって調整することができる。具体的にはウレタン樹脂のソフトセグメント部分となるプレポリマーに用いるポリオール成分の数平均分子量や混合量を変化させたり、硬化剤のポリアミン成分やポリオール成分の数平均分子量、混合量および混合割合等を変更することで適宜好ましい範囲とすることができる。
[研磨パッドの製造方法]
研磨パッド100は次のようにして製造することが可能である。即ち、貯槽にプレポリマー及び中空微粒子を投入して攪拌し、プレポリマー中に中空微粒子を均一に分布させる。続いて、プレポリマーと中空微粒子の混合物をミキサーに供給し、さらに硬化剤をミキサーに供給する。ミキサーによって各材料が混合され、プレポリマーと硬化剤の重合反応が生じ、ポリマーが生成する。
ポリマーと中空微粒子の混合物(以下、ポリマー混合物)をミキサーから型に注型し、硬化させる。続いて、ポリマー混合物を型から離型して、保温容器中に収容し、重合反応を完了させる。
続いて、ポリマー混合物を所定の厚さにスライスする。これにより、研磨層101が製造される。研磨層101をベース層102に積層して研磨パッド100が製造される。なお、必要に応じて研磨面101aに溝等の加工を施してもよい。
本発明の実施例について説明する。
実施例1に係る研磨層は、プレポリマーとして、TDI(2,4−トルエンジイソシアネート)、DEG(ジエチレングリコール)、PTMG1000(ポリテトラメチレンエーテルグリコール)を配合したものを用い、NCO当量は458であった。また中空微粒子としてはエクスパンセル社製のExpancel 551DE40 d42を1.8重量%、松本油脂製薬社製のマツモトマイクロスフェアー F−80DEを0.45重量%それぞれ使用した。硬化剤としてはMOCA(4,4'−メチレンビス(2−クロロアニリン))を用い、その場合のR値(プレポリマーの末端に存在するイソシアネート基に対する、硬化剤に存在する活性水素基(アミノ基および水酸基)の当量比)は0.90であった。
また、実施例2に係る研磨層は、プレポリマーとして、TDI、DEG、PTMG650を配合したものを用い、NCO当量は400であった。また中空微粒子としてはExpancel 551DE40 d42を1.8重量%、マツモトマイクロスフェアー F−80DEを0.45重量%それぞれ使用した。硬化剤としてはMOCAおよびPTMG650を3:1の割合で用い、その場合のR値は0.90であった。
また、比較例1として、IC1000研磨パッド(ニッタ・ハース社製、ポリウレタン研磨層)を準備した。
上記実施例及び比較例に係る研磨パッドの研磨層について、20℃における乾燥状態での引張試験と、20℃、40℃及び60℃における湿潤状態での引張試験を実施した。[表1]及び[表2]に測定結果を示す。
[表1]及び[表2]に示すように、実施例1及び2に係る研磨層は、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1.1以下であり、湿潤状態での引張破断強度はいずれの温度においても20MPa以下であった。これに対し、比較例1に係る研磨パッドは、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1.1以下であったものの湿潤状態での引張破断強度がいずれの温度においても20MPaよる大きくなった。
実施例及び比較例に係る研磨パッドについて、コンディショニング性能・ディフェクト・研磨レートの評価・測定を行ったものを[表3]に示す。同図に示すように、実施例1及び2に係る研磨パッドでは、コンディショニング性能に優れ、スクラッチも発生しなかった。一方、比較例1に係る研磨パッドでは、コンディショニング性能は良好であったものの、スクラッチが発生した。以上から、本発明に係る研磨パッドは、コンディショニング性能と研磨特性に優れるといえる。
100…研磨パッド
101…研磨層
102…ベース層
110…ポリマー
111…中空微粒子

Claims (5)

  1. 20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1.1以下であり、
    ポリウレタン樹脂と、熱可塑性樹脂からなる外殻を有し、前記ポリウレタン樹脂中に分散された中空微粒子を含み、40℃における湿潤状態の引張破断強度が20MPa以下である研磨層
    を具備する研磨パッド。
  2. 請求項1に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨層は、60℃における湿潤状態の引張破断強度が20MPa以下である
    研磨パッド。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨層は、20℃における湿潤状態の引張破断強度が20MPa以下である
    研磨パッド。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドであって、
    前記研磨層は、20℃における湿潤状態と乾燥状態の引張破断伸びの比が1以下である
    研磨パッド。
  5. 請求項1に記載の研磨パッドであって、
    前記研磨層は、空隙を有し、前記空隙は独立気泡のみからなる
    研磨パッド。
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