JP2018086960A - タイヤのシミュレーション方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を、安定して計算するシミュレーション方法の提供。【解決手段】タイヤモデルのビード部を、リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程とを含み、リム組み工程は、タイヤモデルのビード部が、リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えるまでの間の第1段階S31と、ビード部がハンプ部をリム回転軸方向外側に超えた後の第2段階S32と、を含むシミュレーション方法。タイヤモデルの変形計算において、第1段階S31で、リムモデルのハンプ部を構成する要素との関係では、互いの重なりが許容されるとともに、リムモデルのハンプ部以外の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第1接触条件が定義され、第2段階S32では、リムモデルの全体の要素との関係で、互いの重なりが禁止される第2接触条件が定義されるシミュレーション方法。【選択図】図7
Description
本発明は、空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を計算によって求めるためのシミュレーション方法に関する。
下記特許文献1には、空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を、計算によって求めるシミュレーション方法が提案されている。リムは、ビード部が装着されるリムシート面と、リムシート面のリム回転軸方向の外側でリム半径方向にのびるリムフランジとを含んでいる。さらに、リムは、リムシート面のリム回転軸方向の内側でリムシート面からリム半径方向外側に突出するハンプ部と、ハンプ部のリム回転軸方向内側に位置し、リムシート面よりも外径が小さいウエル部とを含んでいる。
下記特許文献1のシミュレーション方法では、タイヤモデルとリムモデルとの重なりが禁止される接触条件が定義される。そして、タイヤモデルの内腔面に内圧条件を与えることにより、タイヤモデルのビード部を、リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程が実施される。
リム組み工程では、タイヤモデルのビード部が、リムモデルのハンプ部を乗り越えるために、大きな変形が発生するが、この際に、タイヤモデルの変形計算が、途中で異常終了する、いわゆる計算落ちが生じる問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を、安定して計算することができるタイヤのシミュレーション方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を計算によって求めるためのシミュレーション方法であって、前記リムは、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増しかつ前記ビード部が装着されるリムシート面と、前記リムシート面のリム回転軸方向の外側でリム半径方向にのびるリムフランジと、前記リムシート面のリム回転軸方向の内側で前記リムシート面からリム半径方向外側に突出するハンプ部と、前記ハンプ部のリム回転軸方向内側に位置し、前記リムシート面よりも外径が小さいウエル部とを含み、前記方法は、コンピュータに、前記空気入りタイヤを、有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを入力する工程と、前記コンピュータに、前記リムを有限個の要素でモデル化したリムモデルを入力する工程と、前記タイヤモデルの内腔面に作用する内圧条件を与えることにより、前記タイヤモデルのビード部を、前記リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程とを含み、前記リム組み工程は、前記タイヤモデルの前記ビード部が、前記リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えるまでの間の第1段階と、前記タイヤモデルの前記ビード部が、前記リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えた後の第2段階とを含み、前記第1段階では、前記タイヤモデルの変形計算において、前記リムモデルのハンプ部を構成する要素との関係では、互いの重なりが許容されるとともに、前記リムモデルのハンプ部以外の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第1接触条件が定義されており、前記第2段階では、前記タイヤモデルの変形計算において、前記リムモデルの全体の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第2接触条件が定義されることを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記タイヤモデルを入力する工程は、前記空気入りタイヤの前記ビード部に埋設されるビードコアを有限個の要素でモデル化したビードコアモデルを設定する工程と、前記ビードコアモデルの前記要素に、前記ビードコアの剛性を含む材料特性を入力する工程とを含み、前記第1段階では、前記ビードコアモデルの前記要素の剛性を、前記ビードコアの剛性よりも小さくする工程を含むのが望ましい。
本発明に係る前記タイヤのシミュレーション方法において、前記ビードコアモデルを設定する工程は、前記ビードコアモデルの前記要素に、温度条件が高くなるほど剛性が小さくなる温度依存性を定義する工程をさらに含み、前記ビードコアモデルの前記要素の剛性を小さくする工程は、前記ビードコアモデルの温度条件を高くする工程を含むのが望ましい。
本発明のタイヤのシミュレーション方法は、タイヤモデルの内腔面に作用する内圧条件を与えることにより、タイヤモデルのビード部を、リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程とを含んでいる。
リム組み工程は、タイヤモデルのビード部が、リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えるまでの間の第1段階と、タイヤモデルのビード部が、リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えた後の第2段階とを含んでいる。
第1段階では、タイヤモデルの変形計算において、リムモデルのハンプ部を構成する要素との関係では、互いの重なりが許容されるとともに、リムモデルのハンプ部以外の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第1接触条件が定義される。これにより、第1段階では、ビード部にハンプ部を乗り越えさせなくても、ビード部をリムシート面へ位置させることができる。従って、第1段階では、タイヤモデルの変形計算過程での計算落ちを防ぐことができる。
第2段階では、タイヤモデルの変形計算において、リムモデルの全体の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第2接触条件が定義される。これにより、第2段階では、実際の空気入りタイヤのリム組み工程と同様に、タイヤモデルのビード部をリムモデルに装着した状態を計算することができる。従って、本発明のタイヤのシミュレーション方法は、空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を、安定して計算することができる。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)では、コンピュータによる計算によって、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)のビード部がリムに装着された状態が求められる。
本実施形態のタイヤのシミュレーション方法(以下、単に「シミュレーション方法」ということがある。)では、コンピュータによる計算によって、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)のビード部がリムに装着された状態が求められる。
図1は、本発明のシミュレーション方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。この本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。また、記憶装置には、本実施形態のシミュレーション方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
図2は、本実施形態のシミュレーション方法で、リムに装着された状態が計算されるタイヤ2の一例を示す断面図である。本実施形態のタイヤ2は、例えば、乗用車用タイヤとして構成されている。なお、タイヤ2は、乗用車用タイヤに限定されるわけではない。
本実施形態のタイヤ2は、ゴム部分3と、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2aの内部に配されるベルト層7とを含んで構成されている。本実施形態の各ビード部2c、2cは、ビード底面8の内径が互いに異なっている。
ゴム部分3は、トレッド部2aにおいてベルト層7のタイヤ半径方向外側に配されるトレッドゴム3aと、サイドウォール部2bにおいてカーカス6のタイヤ軸方向外側に配されるサイドウォールゴム3bと、ビード部2cに配されるクリンチゴム3cとを含んでいる。さらに、ゴム部分3は、ビード部2cに埋設されるビードコア5からタイヤ半径方向外側にのびるビードエーペックスゴム3dと、タイヤ2のタイヤ内腔面2sを形成するインナーライナーゴム3eとを含んでいる。
カーカス6は、少なくとも1枚以上、本実施形態では2枚のカーカスプライ6A、6Bで構成される。カーカスプライ6A、6Bは、トレッド部2aからサイドウォール部2bを経てビード部2cのビードコア5に至る本体部6aと、この本体部6aに連なりビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを、それぞれ含んでいる。また、カーカスプライ6A、6Bは、例えば、タイヤ赤道Cに対して80度〜90度の角度で配列されたカーカスコード(図示省略)が、互いに交差する向きに重ねられている。
ベルト層7は、ベルトコード(図示省略)を、タイヤ周方向に対して例えば10〜35度の角度で傾けて配列した内、外2枚のベルトプライ7A、7Bを含んで構成されている。これらのベルトプライ7A、7Bは、ベルトコードが互いに交差する向きに重ね合わされている。
リム11は、リムシート面12と、リムフランジ13と、ハンプ部14と、ウエル部15とを含んで構成されている。本実施形態のリム11は、リム回転軸方向の両側に、一対のリムシート面12、12、一対のリムフランジ13、13、及び、一対のハンプ部14、14を有している。
各リムシート面12、12は、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増している。各リムシート面12には、ビード部2cがそれぞれ装着される。本実施形態では、各ビード部2c、2cのビード底面8の内径に応じて、各リムシート面12、12の外径を互いに異ならせている。
各リムフランジ13は、リムシート面12のリム回転軸方向の外側でリム半径方向にのびている。本実施形態では、ビード部2cのビード側面9の大きさに応じて、各リムフランジ13、13の外径を互いに異ならせている。
各ハンプ部14は、リムシート面12のリム回転軸方向の内側で、リムシート面12からリム半径方向外側に突出している。本実施形態では、各リムシート面12、12の外径に応じて、各ハンプ部14、14のリム半径方向の突出長さを互いに異ならせている。ウエル部15は、ハンプ部14、14のリム回転軸方向内側に位置し、リムシート面12、12よりも外径が小さく設定されている。
図3(a)、(b)は、タイヤ2のリム組み工程を説明する断面図である。図3(a)に示されるように、タイヤ2のリム組み工程では、先ず、リム11のウエル部15に、タイヤ2の一対のビード部2c、2cが落とし込まれる。そして、図3(b)に示されるように、タイヤ2の内腔2iに内圧Pが充填されることにより、タイヤ2のビード部2cを、ウエル部15側からハンプ部14を超えてリムシート面12へと位置させる。これにより、タイヤ2がリム11に装着される。
図4は、シミュレーション方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態のシミュレーション方法は、コンピュータ1に、タイヤ2をモデル化したタイヤモデルが入力される(タイヤモデル入力工程S1)。図5は、本実施形態のタイヤモデル及びリムモデルの一例を示す断面図である。
本実施形態のタイヤモデル22は、三次元モデルとして設定されている。なお、タイヤモデル22は、タイヤ子午線断面の二次元モデルとして設定されてもよい。図6は、タイヤモデル入力工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のタイヤモデル入力工程S1は、タイヤ2のゴム部分3(図2に示す)をモデル化したゴム部分モデル23が設定される(工程S11)。工程S11では、先ず、図2に示したゴム部分3の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、ゴム部分3が、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)を用いて分割(離散化)される。これにより、ゴム部分モデル23が設定される。
ゴム部分モデル23は、トレッドゴム3aをモデル化したトレッドゴムモデル23aと、サイドウォールゴム3bをモデル化したサイドウォールゴムモデル23bと、クリンチゴム3cをモデル化したクリンチゴムモデル23cとを含んでいる。さらに、ゴム部分モデル23は、ビードエーペックスゴム3dをモデル化したビードエーペックスゴムモデル23dと、インナーライナーゴム3eをモデル化したインナーライナーゴムモデル23eとを含んでいる。
数値解析法としては、例えば有限要素法、有限体積法、差分法又は境界要素法が適宜採用できる。本実施形態では、有限要素法が採用される。要素F(i)を用いた分割(離散化)は、例えば、コンピュータ1に予め記憶されているメッシュ化ソフトウェアを用いて行われる。
要素F(i)としては、タイヤモデル22が三次元モデルとして設定される場合、例えば、複雑な形状を表現するのに適した4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素又は6面体ソリッド要素等が好ましい。なお、タイヤモデル22が二次元モデルとして設定される場合、例えば、三角形要素や四辺形要素等の面要素が好ましい。
要素F(i)には、複数個の節点24が設けられている。また、各要素F(i)には、要素番号、節点24の番号、節点24の座標値、及び、各ゴム部分3a〜3e(図2に示す)の材料特性(例えば、密度、ヤング率、減衰係数、及び/又は、損失正接tanδ等)を含む数値データが定義される。
次に、本実施形態のタイヤモデル入力工程S1は、図2に示したビードコア5をモデル化したビードコアモデル25が設定される(工程S12)。工程S12では、ビードコア5の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、ビードコア5が、有限個の要素F(i)を用いて分割(離散化)される。これにより、ビードコアモデル25が設定される。各要素F(i)には、ビードコア5の材料特性を含む数値データが定義される。材料特性としては、ビードコア5の剛性(例えば、ヤング率等)を含んでいる。
次に、本実施形態のタイヤモデル入力工程S1は、図2に示したカーカスプライ6A、6Bをモデル化したカーカスプライモデル26A、26Bが設定される(工程S13)。工程S13では、カーカスプライ6A、6Bの設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、カーカスプライ6A、6Bが、有限個の要素F(i)を用いて分割(離散化)される。これにより、カーカスプライモデル26A、26Bが設定される。各要素F(i)には、カーカスプライ6A、6Bの材料特性を含む数値データが定義される。
次に、本実施形態のタイヤモデル入力工程S1は、図2に示したベルトプライ7A、7Bをモデル化したベルトプライモデル27A、27Bが設定される(工程S14)。工程S14では、ベルトプライ7A、7Bの設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、ベルトプライ7A、7Bが、有限個の要素F(i)を用いて分割(離散化)される。これにより、ベルトプライモデル27A、27Bが設定される。各要素F(i)には、ベルトプライ7A、7Bの材料特性を含む数値データが定義される。
本実施形態のタイヤモデル入力工程S1は、図6に示した工程S11〜S14の一連の処理が実施されることにより、ゴム部分モデル23、ビードコアモデル25、カーカスプライモデル26A、26B、及び、ベルトプライモデル27A、27Bを有するタイヤモデル22が設定される。工程S11〜工程S14は、同時に実施されてもよい。また、隣り合うモデル23、25、26A、26B、27A及び27Bの要素F(i)の節点24は、互いに共有されている。これにより、各モデル23、25、26A、26B、27A及び27Bが一体に接合される。タイヤモデル22は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法は、コンピュータ1に、リム11をモデル化したリムモデル31が入力される(工程S2)。工程S2では、先ず、図2に示したリム11の設計データ(例えば、CADデータ)に基づいて、リム11が、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて分割(離散化)される。これにより、図4に示されるように、リムシート面32、リムフランジ33、ハンプ部34、及び、ウエル部35を有するリムモデル31が設定される。本実施形態のリムモデル31は、リム回転軸方向の両側に、一対のリムシート面32、32、一対のリムフランジ33、33、及び、一対のハンプ部34、34を有している。
図10に拡大して示されるように、本実施形態では、リムシート面32のリム回転軸方向の内側にのびる仮想延長面36よりもリム半径方向外側に突出する部分を、ハンプ部34として定義している。
図5に示されるように、要素G(i)としては、タイヤモデル22の要素F(i)と同様に設定される。要素G(i)には、要素番号、節点37の番号、節点37の座標値、及び、リム11の材料特性(例えば、密度、ヤング率、減衰係数、及び/又は、損失正接tanδ等)を含む数値データが定義される。なお、リム11の材料特性としては、変形しない剛体として定義されてもよい。リムモデル31は、コンピュータ1に入力される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法は、コンピュータ1が、タイヤモデル22のビード部22cを、リムモデル31のリムシート面32に位置させる(リム組み工程S3)。本実施形態のリム組み工程S3では、図3(a)、(b)に示した実際のタイヤ2のリム組みと同様に、タイヤモデル22の内腔面22sに作用する内圧条件を与えることにより、タイヤモデル22のビード部22cを、リムモデル31のウエル部35側からハンプ部34を超えてリムシート面32へと位置させている。図7は、本実施形態のリム組み工程S3の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態のリム組み工程S3は、先ず、第1段階S31が実施される。第1段階S31では、タイヤモデル22のビード部22cが、リムモデル31のハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えるまでの間のタイヤモデル22の変形が計算される。図8は、第1段階S31の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の第1段階S31では、先ず、タイヤモデル22の各ビード部22cを、タイヤ軸方向内側(リム回転軸方向内側)に変形させる(工程S311)。工程S311では、図3(a)に示した実際のタイヤ2のリム組み工程に基づいて、ビード部22cのビード底面42を、リムモデル31のハンプ部14よりもタイヤ軸方向内側に位置させている。
図5に示されるように、工程S311では、先ず、タイヤモデル22の各ビード部22cに、タイヤ軸方向内側に向く軸方向力Faが設定される。そして、タイヤモデル22の各要素F(i)について、この軸方向力Faに対する変形計算が行われる。これにより、工程S311では、各ビード部22cを、タイヤ軸方向内側に変形させることができる。図9は、ビード部22cをタイヤ軸方向内側に変形させたタイヤモデル22、及び、リムモデル31を示す断面図である。図10は、タイヤモデル22のビード部22c、及び、リムモデル31の拡大図である。なお、図10では、要素F(i)、G(i)が省略されて示されている。
工程S311では、タイヤモデル22とリムモデル31との重なりを禁止する接触条件が設定されていない。このため、工程S311では、タイヤモデル22がリムモデル31をすり抜けることができるため、ビード部22cを円滑に変形させることができる。図10に示されるように、本実施形態では、ビード部2cのビード底面42のうち、タイヤ軸方向の中点42cが、リムシート面32及び仮想延長面36からリム回転軸方向内側にのびる延長面(図示省略)上に配置されるのが望ましい。
図9に示されるように、タイヤモデル22の変形計算は、各要素F(i)の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス、及び、減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、コンピュータ1が、前記各種の条件を当てはめて運動方程式を作成し、これらを微小時間(単位時間Tx(x=0、1、…))ごとにタイヤモデル22の変形計算を行う。このような変形計算(後述する転動計算を含む)は、例えば、Dassault Systems社製のAbaqus、LSTC社製のLS-DYNA、又は、MSC社製のNastranなどの市販の有限要素解析アプリケーションソフトを用いて計算されうる。なお、単位時間Txについては、求められるシミュレーション精度によって、適宜設定されうる。
次に、本実施形態の第1段階S31では、タイヤモデル22及びリムモデル31に、第1接触条件が定義される(工程S312)。図5に示されるように、第1接触条件は、後述するタイヤモデル22の変形計算において、リムモデル31のハンプ部34を構成する要素G(i)との関係では、互いの重なり(即ち、タイヤモデル22の要素F(i)とハンプ部34の要素G(i)との重なり)が許容される。さらに、第1接触条件は、タイヤモデル22の変形計算において、リムモデル31のハンプ部34以外の要素G(i)との関係では、互いの重なり(即ち、タイヤモデル22の要素F(i)とハンプ部34以外の要素G(i)との重なり)が禁止される。このような第1接触条件により、タイヤモデル22がハンプ部34をすり抜けて、タイヤモデル22を変形させることができる。第1接触条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の第1段階S31は、タイヤモデル22の内腔面22sに、内圧条件が設定される(工程S313)。内圧条件としては、例えば、タイヤ2(図2に示す)が基づいている規格(例えば、JATMA等)を含む規格体系において、各規格が定めている空気圧が設定される。また、内圧条件は、タイヤモデル22の内腔面22sに設定される等分布荷重wとして定義される。内圧条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の第1段階S31は、内圧条件(等分布荷重w)に基づいて、タイヤモデル22のビード部22cを、タイヤ軸方向外側(リム回転軸方向外側)に移動させる(工程S314)。工程S314では、タイヤモデル22の内腔面22sに設定された内圧条件に基づいて、膨張変形したタイヤモデル22が計算される。このタイヤモデル22の膨張変形により、工程S314では、タイヤ軸方向外側(リム回転軸方向外側)に移動するビード部2cを計算することができる。
本実施形態の工程S314では、タイヤモデル22の要素F(i)とハンプ部34の要素G(i)との重なりを許容する第1接触条件により、図10に示されるように、ビード部22cをハンプ部34のみにすり抜けさせながら、ビード部22cを移動させることができる。これにより、第1段階S31では、ビード部22cにハンプ部34を乗り越えさせなくても、ビード部22c(2点鎖線で示す)をリムシート面32へ位置させることができる。従って、第1段階S31では、タイヤモデル22の変形計算過程での計算落ちを防ぐことができる。
しかも、本実施形態のハンプ部34は、リムシート面32の仮想延長面36よりもリム半径方向外側に突出する部分として定義されているため、リムシート面32及びリムシート面32の仮想延長面36に沿って、ビード部22cをスムーズに移動(摺動)させることができる。これにより、第1段階S31では、タイヤモデル22の変形計算過程での計算落ちを、効果的に防ぐことができる。
次に、本実施形態の第1段階S31は、タイヤモデル22のビード部22cが、リムモデル31のハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えたか否かが判断される(工程S315)。本実施形態の工程S315では、ハンプ部34のリム回転軸方向外側に、ビード部22cのビードトウ28が配置されたときに、ビード部22cがハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えたと判断している。
工程S315において、ビード部22cがハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えたと判断された場合(工程S315で、「Y」)、次の第2段階S32(図7に示す)が実施される。他方、ビード部22cがハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えていないと判断された場合(工程S315で、「N」)、単位時間Txを一つ進めて(工程S316)、工程S314及び工程S315が再度実施される。これにより、図10の二点鎖線で示されるように、第1段階S31では、ビード部22cを、リムシート面32へと位置させることができる。本実施形態では、ビード部22cのビード側面43が、リムフランジ33に当接している。
次に、本実施形態のリム組み工程S3は、第2段階S32が実施される。第2段階S32では、タイヤモデル22のビード部22cが、リムモデル31のハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えた後のタイヤモデル22(図10において、二点鎖線で示す)の変形が計算される。第2段階S32では、前記内圧条件(等分布荷重w)に基づいて、タイヤモデル22を変形させている。図11は、第2段階S32の処理手順の一例を示すフローチャートである。図12は、リムモデル31に装着されたタイヤモデル22を示す断面図である。
本実施形態の第2段階S32では、先ず、タイヤモデル22及びリムモデル31に、第2接触条件が定義される(工程S321)。第2接触条件は、タイヤモデル22の変形計算において、リムモデル31の全体の要素G(i)との関係では、互いの重なり(即ち、タイヤモデル22の要素F(i)とリムモデル31の要素G(i)との重なり)が禁止される。なお、第1接触条件については無効にされる。これにより、第2段階S32では、タイヤモデル22とリムモデル31(ハンプ部34を含む)との重なりが禁止され、リムフランジ33とハンプ部34との間に、ビード部22cが狭持される。第2接触条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、第2段階S32では、タイヤモデル22の内腔面22sに設定された内圧条件(等分布荷重w)に基づいて、膨張変形するタイヤモデル22が計算される(工程S322)。工程S322では、リムフランジ33とハンプ部34との間に、ビード部22cが狭持された状態で、膨張変形するタイヤモデル22が計算される。
次に、本実施形態の第2段階S32は、タイヤモデル22の膨張変形が集束したか否かが判断される(工程S323)。工程S323において、タイヤモデル22の膨張変形が集束したと判断された場合(工程S323で、「Y」)、次の工程S4(図4に示す)が実施される。他方、タイヤモデル22の膨張変形が集束していないと判断された場合(工程S323で、「N」)、単位時間Txを一つ進めて(工程S324)、工程S322及び工程S323が再度実施される。これにより、第2段階S32は、実際のタイヤ2のリム組み工程と同様に、ビード部22cがリムモデル31に装着されたタイヤモデル22を確実に計算することができる。
このように、本実施形態のシミュレーション方法は、タイヤモデル22のビード部22cにハンプ部34を乗り越えさせなくても、ビード部22cをリムシート面32へ位置させることができるため、タイヤモデル22の変形計算過程での計算落ちを防ぐことができる。従って、本実施形態のシミュレーション方法は、図3(b)に示したタイヤ2のビード部22cがリム11に装着された状態を、安定して計算することができる。
次に、本実施形態のシミュレーション方法は、リムモデル31にビード部2cが装着されたタイヤモデル22を用いて、予め定められた条件に基づく数値計算が実施される(工程S4)。数値計算を実施するための条件としては、適宜設定することができる。条件の一例としては、例えば、タイヤ2の荷重条件、タイヤモデル22の回転速度、及び、路面(図示省略)をモデル化した路面モデル(図示省略)等が含まれる。このような条件により、工程S4では、路面を転動する実際のタイヤ2に基づいて、リムモデル31に装着されたタイヤモデル22が路面モデルを転動する状態を計算することができる。そして、工程S4では、転動するタイヤモデル22の物理量等が計算される。物理量は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態のシミュレーション方法は、タイヤモデル22の物理量が許容範囲内であるかが判断される(工程S5)。許容範囲については、タイヤ2に求められる性能に基づいて、適宜設定される。工程S5において、タイヤモデル22の物理量が許容範囲内であると判断された場合(工程S5で、「Y」)、タイヤモデル22に基づいて、タイヤが製造される(工程S6)。他方、工程S5において、タイヤモデル22の物理量が許容範囲内にないと判断された場合(工程S5で、「N」)、タイヤ2の設計因子が変更され(工程S7)、工程S1〜工程S5が再度実施される。このように、本実施形態のシミュレーション方法は、ビード部2cがリム11に装着されたタイヤ2について、所望の性能を有するタイヤ2を確実に設計することができる。
本実施形態の第1段階S31では、タイヤモデル22のビード部22cをリム回転軸方向外側に移動させるのに先立ち、タイヤモデル22とハンプ部34との重なりを許容する第1接触条件が定義されたが、このような態様に限定されない。例えば、図5に示されるように、第1段階S31では、第1接触条件を定義するとともに、ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を、ビードコア5の剛性よりも小さくしてもよい。これにより、タイヤモデル22のビード部22cの柔軟性を高く設定することができる。従って、ビード部22cをリム回転軸方向外側に移動させる工程S314(図10に示す)において、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増するリムシート面32に沿って、ビード部22cを円滑に移動させることができる。
ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を小さくする方法については、例えば、各要素F(i)の材料特性を直接変更するなど適宜採用されうる。この実施形態では、ビードコアモデル25を設定する工程S12において、図5に示したビードコアモデル25の要素F(i)に、温度条件が高くなるほど剛性が小さくなる温度依存性を定義している。このような温度依存性により、ビードコアモデル25の温度条件が高く設定されることで、ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を、ビードコア5の剛性よりも小さくすることができる。
温度依存性は、例えば、ビードコアモデル25の材料モデル(要素F(i))として、温度依存を持つ弾塑性体が定義されることによって設定される。この弾塑性体の材料モデルには、温度と、その温度に対応するビードコアの材料係数(ヤング率・ポアソン比・線膨張係数等)との関係が定義されている。この実施形態において、温度依存性は、ビードコアモデル25の全ての要素F(i)に定義される。
例えば、ビードコアモデル25の材料モデルに、常温(例えば、0〜25℃)である第1温度T1が設定されると、ビードコアモデル25には、実際のビードコア5の第1ヤング率E1が定義される。また、ビードコアモデル25の材料モデルに、第1温度T1よりも高い第2温度T2が設定されると、ビードコアモデル25には、第1ヤング率E1よりも小さい第2ヤング率E2が定義される。
従って、ビード部22cをリム回転軸方向外側に移動させる工程において、ビードコアモデル25の材料モデルに、第2温度T2が定義されることにより、ビードコアモデル25の剛性を、実際のビードコア5の剛性よりも小さくすることができる(第2ヤング率E2)。また、その他の工程では、ビードコアモデル25の材料モデルに、第1温度T1が定義されることにより、ビードコアモデル25の剛性を、実際のビードコア5の剛性に定義することができる(第1ヤング率E1)。
なお、第2ヤング率E2と第1ヤング率E1との比(E2/E1)については、タイヤモデル22やリムモデル31の形状等に基づいて、適宜設定することができる。E2/E1の一例としては、1/10である。温度依存性は、コンピュータ1に記憶される。
図13は、本発明の他の実施形態の第1段階S31の処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この実施形態において、これまでの実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の第1段階S31では、図9に示されるように、タイヤモデル22の各ビード部22cを、タイヤ軸方向内側に変形させる工程S311に先立ち、ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を、ビードコア5の剛性よりも小さくする工程S317を含んでいる。
この実施形態の工程S317では、ビードコアモデル25の温度条件を高くしている。これにより、工程S317では、ビードコアモデル25の剛性を小さくすることができる。この実施形態では、ビードコアモデル25の全ての要素F(i)の温度条件を高くしている。これにより、ビードコアモデル25の全体の剛性を小さくできるため、ビード部22cの柔軟性を高く設定することができる。温度条件としては、適宜設定することができる。この実施形態の温度条件(即ち、上記の第2温度T2)は、例えば、80〜120℃程度に設定される。なお、他の工程において、温度条件(即ち、上記の第1温度T1)は、例えば、0〜25℃程度に設定される。
このように、この実施形態の第1段階S31では、第1接触条件を定義しつつ、ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を小さくできるため、図10に示されるように、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増するリムシート面32(仮想延長面36を含む)に沿って、ビード部22cを柔軟に変形させながら円滑に移動させることができる。従って、第1段階S31では、タイヤモデル22の変形計算過程での計算落ちを防ぐことができる。
この実施形態の第1段階S31では、ビード部22cがハンプ部34をリム回転軸方向外側に超えたと判断された場合(工程S315で、「Y」)、ビードコアモデル25の要素F(i)の剛性を、ビードコア5の剛性に戻す工程S318が実施される。これにより、この実施形態のリム組み工程S3では、実際のビードコア5の剛性を有するビードコアモデル25を用いて、リムモデル31にビード部22cが装着されたタイヤモデル22を計算することができるため、計算精度を維持することができる。
工程S318では、ビードコアモデル25の温度条件を元に戻す(即ち、上記の第1温度T1を設定する)ことで、ビードコアモデル25の剛性を、ビードコア5の剛性に戻すことができる。従って、この実施形態では、例えば、各要素F(i)の材料特性を直接変更して、ビードコアモデル25の剛性を小さくする場合に比べて、ビードコア5の剛性を容易に戻すことができる。
図10に示されるように、第1段階S31では、タイヤモデル22のビード部22cをリム回転軸方向外側に移動させるのに先立ち、タイヤモデル22のビード部22cとリムシート面32との間、及び、ビード部22cと仮想延長面36との間の摩擦係数を小さくしてもよい。これにより、第1段階S31では、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増するリムシート面32に沿って、ビード部22cを円滑に移動させることができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図4に示した処理手順に従って、図5に示したタイヤモデル及びリムモデルが入力され、タイヤモデルの内腔面に作用する内圧条件を与えることにより、タイヤモデルのビード部を、リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程が実施された(実施例1、2)。
実施例1、2のリム組み工程では、ビード部がリムモデルのハンプ部を超えるまでの第1段階において、タイヤモデルとリムモデルのハンプ部との重なりが許容されるとともに、タイヤモデルとリムモデルのハンプ部以外との重なりが禁止される第1接触条件が定義された。さらに、実施例1、2のリム組み工程では、ビード部がハンプ部を超えた後の第2段階において、タイヤモデルとリムモデルとの重なりが禁止される第2接触条件が定義された。
さらに、実施例2の第1段階では、図13に示した処理手順に従って、ビード部を移動させるのに先立ち、ビードコアモデルの要素の剛性を、ビードコアの剛性よりも小さくする工程が実施された。
また、比較のために、第2接触条件のみを定義して、タイヤモデルのビード部を、リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程が実施された(比較例)。共通仕様は、次のとおりである。
タイヤサイズ:225/45R18
リムサイズ:18×7.5J
実施例2:
第1温度T1:0℃
第2温度T2:100℃
タイヤサイズ:225/45R18
リムサイズ:18×7.5J
実施例2:
第1温度T1:0℃
第2温度T2:100℃
テストの結果、比較例は、ビード部にハンプ部を乗り越えることができず、タイヤモデルの変形計算が途中で異常終了(計算落ち)した。他方、実施例1及び実施例2は、ビード部にハンプ部を乗り越えさせなくても、ビード部をリムシート面へ位置させることができ、リムモデルに装着されたタイヤモデルを安定して計算することができた。さらに、実施例2の第1段階では、ビード部を移動させるのに先立ち、ビードコアモデルの要素の剛性が小さく設定されたため、実施例1に比べて、ビード部を柔軟に変形させながら円滑に移動させることができた。
S31 第1段階
S32 第2段階
S32 第2段階
Claims (3)
- 空気入りタイヤのビード部がリムに装着された状態を計算によって求めるためのシミュレーション方法であって、
前記リムは、リム回転軸の外側に向かって外径が漸増しかつ前記ビード部が装着されるリムシート面と、前記リムシート面のリム回転軸方向の外側でリム半径方向にのびるリムフランジと、前記リムシート面のリム回転軸方向の内側で前記リムシート面からリム半径方向外側に突出するハンプ部と、前記ハンプ部のリム回転軸方向内側に位置し、前記リムシート面よりも外径が小さいウエル部とを含み、
前記方法は、コンピュータに、前記空気入りタイヤを、有限個の要素でモデル化したタイヤモデルを入力する工程と、
前記コンピュータに、前記リムを有限個の要素でモデル化したリムモデルを入力する工程と、
前記タイヤモデルの内腔面に作用する内圧条件を与えることにより、前記タイヤモデルのビード部を、前記リムモデルのウエル部側からハンプ部を超えてリムシート面へと位置させるリム組み工程とを含み、
前記リム組み工程は、前記タイヤモデルの前記ビード部が、前記リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えるまでの間の第1段階と、
前記タイヤモデルの前記ビード部が、前記リムモデルのハンプ部をリム回転軸方向外側に超えた後の第2段階とを含み、
前記第1段階では、前記タイヤモデルの変形計算において、前記リムモデルのハンプ部を構成する要素との関係では、互いの重なりが許容されるとともに、前記リムモデルのハンプ部以外の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第1接触条件が定義されており、
前記第2段階では、前記タイヤモデルの変形計算において、前記リムモデルの全体の要素との関係では、互いの重なりが禁止される第2接触条件が定義されるタイヤのシミュレーション方法。 - 前記タイヤモデルを入力する工程は、前記空気入りタイヤの前記ビード部に埋設されるビードコアを有限個の要素でモデル化したビードコアモデルを設定する工程と、
前記ビードコアモデルの前記要素に、前記ビードコアの剛性を含む材料特性を入力する工程とを含み、
前記第1段階では、前記ビードコアモデルの前記要素の剛性を、前記ビードコアの剛性よりも小さくする工程を含む請求項1記載のタイヤのシミュレーション方法。 - 前記ビードコアモデルを設定する工程は、前記ビードコアモデルの前記要素に、温度条件が高くなるほど剛性が小さくなる温度依存性を定義する工程をさらに含み、
前記ビードコアモデルの前記要素の剛性を小さくする工程は、前記ビードコアモデルの温度条件を高くする工程を含む請求項2記載のタイヤのシミュレーション方法。
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JP2016231610A JP2018086960A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | タイヤのシミュレーション方法 |
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JP7346784B2 (ja) | 2019-12-12 | 2023-09-20 | Toyo Tire株式会社 | タイヤのシミュレーション方法 |
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