以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における画像形成装置100のシート搬送方向に沿った断面図である。図2は、図1の画像形成装置100の外観斜視図である。図3は、画像形成装置100に備えられた自動原稿給送装置126及び画像読取装置103の原稿搬送方向に沿った断面図である。以下、画像形成装置100の構成を図1〜図3を参照しながら説明する。
図1に示すように、画像形成装置100は、装置本体101と、装置本体101の上部に設けられた画像読取装置103と、画像読取装置103の上部に設けられた自動原稿供給装置(ADF:AutoDocumentFeeder)126とを含む。画像形成装置100は、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の各機能が複合化された複合機(MFP:Multifunctional Peripheral)である。
自動原稿供給装置126は、原稿載置台106に置かれた記録媒体としてのシート原稿Dを1枚ずつ分離して画像読取装置103に供給する。画像読取装置103は、自動原稿供給装置126により流し読みガラス109上に送り込まれるシート原稿Dをイメージセンサユニット108で光学的に読み取る。原稿載置台106は、ADF圧板102に設けられている。原稿載置台106には、1対のスライダ106aがシート原稿の搬送方向に対する直交方向(即ち、図2の矢印Bに示すシート原稿の幅方向)にスライド可能に設けられている。この1対のスライダ106aにより原稿載置台106上に積載されたシート原稿の両サイドを揃えることができる。即ち、1対のスライダ106aによりシート原稿の幅整合が可能となる。原稿載置台106上には、原稿長さセンサ106bが設けられている。また、ADF分離部115には、シート原稿の有無と幅を検出する原稿幅センサ115dが図3に示すようにシート原稿の幅方向に複数設けられている。原稿幅センサ115dは、図3では奥行き方向に重なって見えるので、1つのみ示されている。画像形成装置100は、原稿幅センサ115dと原稿長さセンサ106bからの検出信号により、原稿サイズと原稿のセット方向とを検出することができる。また、自動原稿供給装置126は、ADF分離部115、排紙搬送部116、原稿排紙部117、ブック原稿を押圧する原稿圧板118、シート原稿搬送部121を含む。原稿圧板118は、原稿台ガラス107上に置かれた原稿の浮きを防止するために、白色シートやスポンジなどで積層されて形成されている。以下、原稿台ガラス107を覆う原稿圧板118やADF圧板102等の自動原稿供給装置126の各部を総称して原稿カバーという。
原稿圧板118の左端118aがブック読取範囲開始位置107aの左側に、右端118bがブック読取範囲終了位置107bの右側に位置するまで、原稿圧板118が延設されている。図3に示すように、シート原稿搬送部121には、原稿給送センサ121hと原稿端センサ121iが設けられている。原稿給送センサ121hは、ADF分離部115からシート原稿Dが繰り出されたか否かや、シート原稿Dの後端の通過を検知する。また、原稿端センサ121iは、シート原稿Dの先端及び後端の通過を検知する。原稿給送センサ121hや原稿端センサ121iからの検知信号は、読取処理のタイミング制御に使用される。
画像読取装置103は、原稿台ガラス107に置かれた記録媒体としてのシート原稿D或いはブック原稿を、ライン型イメージセンサユニット108(以下、イメージセンサユニット108)を副走査方向に移動させながら光学的に読み取る。ここで、副走査方向は、図1及び図3における左右方向である。また、主走査方向は、副走査方向に対して直交する方向であり、図2における矢印B方向である。主走査方向は、イメージセンサユニット108のライン方向に対応する。イメージセンサユニット108は、LED及び樹脂製導光体等を含んで構成される光源から、シート原稿の画像面に光を照射する。そして、原稿の画像面で反射した反射光をセルフォックレンズ(登録商標)などで一次元センサ素子アレイ等の受光センサに結像して、シート原稿の画像を読み取る。イメージセンサユニット108は、タイミングベルト103a、駆動モータにより回転する駆動プーリ103b、及び従動プーリにより、ガイド軸103cに沿って、図1及び図3内の左右方向に移動可能である。また、イメージセンサユニット108は、キャリッジによりガイド軸103cに支持されるとともに、スプリングにより上方に付勢されている。タイミングベルト103aとキャリッジは、連結部材により連結されている。イメージセンサユニット108と原稿台ガラス107の間には、スペーサが介挿されている。イメージセンサユニット108は、原稿台ガラス107上に置かれた原稿の画像を読み取る場合、図1のブック読取範囲開始位置107aからブック読取範囲終了位置107bまでの範囲を等速移動しながら原稿を光学的に読み取る。
イメージセンサユニット108が流し読みを行う場合について説明する。シート原稿は、まず、ユーザにより原稿載置台106上に読取面(原稿面)を上に向けて積載される。ユーザからの画像読取の開始指示を操作部105を介して受け付けると、ピックアップローラ115aは回転しながら下降し、分離ローラ115bと分離パッド115cとで、原稿が1枚ずつ分離されて内部に送り出される。給紙ローラ121a、121b、121cは、原稿ガイド121dに沿ったUターンパスに沿って、読取位置まで原稿を搬送する。付勢ばねで押圧されたシート原稿押え板121eは、搬送されたシート原稿を流し読みガラス109に押圧して密着させる。この間、シート原稿は、継続して搬送されている。その際に、イメージセンサユニット108は、既にシート原稿読取位置109aに移動して停止しており、シート原稿読取位置109a上を通過するシート原稿の画像を読み取っている。次に、ジャンプ台109bは、継続して搬送されるシート原稿を、ADF圧板102側にすくい上げる。そして、押圧ばねにより読取搬送ローラ121cに押圧された読取搬送ころと、読取搬送ローラ121cとがシート原稿を搬送する。さらに、押圧ばねによって排紙ローラ117bに押圧された反転ローラ117a及び排紙ローラ117bが、シート原稿を原稿排紙トレイ117cに排出する。反転ローラ117a及び排紙ローラ117bは、原稿の両面を読み取る場合には、原稿を反転させて不図示のフラッパを介して再度、読取位置まで搬送する。画像読取の終了した原稿は、排紙トレイ117cに排出される。搬送路には、搬送路中の記録媒体の有無を検出するためのセンサが適宜配置されている。読取位置に対応するシート原稿読取位置109a上にゴミや汚れ等の異物が付着している場合には、読取データに黒いスジが現れてしまう。従って、それを防ぐために、画像読取装置103の制御部400は、異物領域を検出して、その領域に対応する読取データを補間処理等により補正する。
画像形成装置100の装置本体101は、画像読取装置103から出力された読取データに基づいてシートに画像を形成する。画像読取装置103は、画像を読み取って生成された読取データを装置本体101に組み込まれた記録装置本体104に送る。記録装置本体104は、例えば電子写真記録方式により記録媒体への記録を行う記録装置である。図2の操作部105は、表示部、入力キー等を備えており、ユーザによる画像形成装置100の指示や設定の操作を受け付け、また、画像形成装置100の状態や、処理進行状況、各種ユーザインタフェース画面等を表示する。装置本体101は、外部のホストコンピュータ等から受信した画像データに基づいてシートに画像を形成する場合もある。
また、装置本体101は、LED記録ヘッドユニット110、画像形成部111、カセット給紙部112、記録装置本体104の上部にシートPを複数枚積載可能なように構成された記録シート排紙部113、カートリッジカバー部114を含む。また、装置本体101は、画像読取装置103と記録装置本体104とを接合する接合部119、ファクシミリ装置の制御部120、両面搬送部カバー122、搬送方向切換部123、レジスト搬送部124を含む。また、記録装置本体104は、MP(マルチペーパー)給紙部125、両面搬送部150を含む。
図2に示すADF圧板102は、ヒンジ部102aにより画像読取装置103に回動自在に取り付けられており、ユーザは、自動原稿給送装置126を図2の矢印A方向に開閉することができる。ヒンジ部102aは、装置本体101の背面側の左右に1個ずつ設けられており、ユーザは、ADF圧板102の手前側を持ち上げることにより、ADF圧板102を後方に開けることができる。ヒンジ部102aは、ダンパやカム、ばね部材などの組合せにより、ADF圧板102を所定の角度、例えば、70度に開いた状態で保持することができる。ユーザは、ADF圧板102が開いた状態で、原稿台ガラス107上にシート原稿やブック原稿等の原稿を配置する。
ヒンジ部102aは、自動原稿給送装置126の開閉動作を検出可能な開閉検知センサ410を含む。開閉検知センサ410は、図5に示す2つの角度検知センサ502及び503と、フラグ501とを含み、自動原稿給送装置126の原稿台ガラス107に対する複数の開閉角度を検知可能である。例えば、開閉検知センサは、2つの角度検知センサ502及び503の状態と、フラグ501とから、角度0〜5度、5〜15度、15〜25度、25度以上の4種類を自動原稿給送装置126の開閉状態として検知可能である。
例えば、角度検知センサ502がオフ(非検知)であり、角度検知センサ503がオン(検知)である場合、自動原稿給送装置126の開閉角度は0〜5度であると判定される。また、角度検知センサ502がオンであり、角度検知センサ503がオンである場合、自動原稿給送装置126の開閉角度は5〜15度であると判定される。また、角度検知センサ502がオンであり、角度検知センサ503がオフである場合、自動原稿給送装置126の開閉角度は15〜25度であると判定される。また、角度検知センサ502がオフであり、角度検知センサ503がオフである場合、自動原稿給送装置126の開閉角度は25度以上であると判定される。
本実施形態では、このように、複数のセンサにより、自動原稿給送装置126の開閉状態を検知しているが、単一のセンサにより自動原稿給送装置126の開閉状態を検知するようにしても良い。また、所定の角度単位での自動原稿給送装置126の開閉状態を判定しているが、連続的な値として検知し、予め定められた閾値と比較することにより、自動原稿給送装置126の開閉状態を判定するようにしても良い。
図4は、画像読取装置103を制御する制御部400の構成を示す図である。制御部400は、例えば画像読取装置103の内部に構成され、画像読取装置103を統括的に制御する。マザーボード上に構成されるバス線412には、制御部400内の各ブロックを制御するCPU401、RAM402、ROM403が接続されている。RAM302は、例えば、CPU301の作業領域及びデータの一時記憶領域として用いられる。ROM303は、例えば、画像読取装置103を駆動するためのファームウェアプログラムや、ファームウェアプログラムを制御するためのブートプログラムを記憶しており、CPU301により読み出されて実行される。さらに、バス線412には、装置本体101とのインタフェースである通信インタフェース(I/F)404、操作部105とのインタフェースである操作部I/F405、不揮発性メモリ406が接続されている。さらに、バス線412には、画像読取センサ407、画像メモリ408、モータ409、開閉検知センサ410が接続されている。画像読取センサ407は、イメージセンサユニット108の一次元センサ素子アレイに対応し、読取信号を出力する。画像メモリ408は、例えば、イメージセンサユニット108の画像読取センサ407から出力された読取信号に対応する読取データを一時的に保持するラインメモリである。モータ409は、タイミングベルト103aや駆動プーリ103b等を駆動するためのモータである。増幅器・A/D変換器411は、画像読取センサ407から出力されたアナログ読取信号を増幅してデジタル信号に変換する。図4に示す各ブロックは、バス線412を介して相互に通信可能に接続されている。
図6は、本実施形態における読取制御処理を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、CPU401がROM403に記憶されたプログラムをRAM402に読み出して実行することにより実現される。
S601で、CPU401は、開閉検知センサ410によりADF圧板102が開状態であるか否かを判定し、開状態であると判定されるまでS601の処理を繰り返す。S601の判定は、例えば、ADF圧板102が閉状態でない、即ち、何らかの角度を持った開状態であることの検出に基づいて行われても良い。ADF圧板102が開状態であると判定された後、CPU401は、ADF圧板102の開状態が25度未満であるか否かを判定し、25度未満であると判定されるまでS602の処理を繰り返す。ADF圧板102の開状態が25度未満であると判定された場合、CPU401は、以降の、原稿台ガラス107上に載置された原稿のサイズ検出処理を開始する。
本実施形態における原稿サイズ検出処理は、画像読取センサ407により外光量を検出することで行われる。つまり、原稿台ガラス107への原稿載置時に画像読取センサ407の端部が原稿で覆われず外光にさらされた場合、主走査方向端部の輝度が高くなることが利用される。
S603で、CPU401は、イメージセンサユニット108のLED等の光源を消灯(オフ)した状態で主走査方向の輝度値を取得する。その際に、イメージセンサユニット108は、ブック読取範囲開始位置107aに位置する。S604で、CPU401は、原稿台ガラス107上に外光がある状態であるか否かを判定する。S604の判定は、例えば、主走査方向で取得された輝度値のうち最大の輝度値が所定の閾値より大きいか否かを判定することにより行われる。ここで、閾値より大きいと判定された場合、外光ありと判定してS606に進み、閾値より大きくない(閾値以下)と判定された場合、外光なしと判定してS605に進む。S605では、CPU401は、第1の原稿サイズ検出処理を実行する。S605の処理後、図6の処理を終了する。
図7は、S605の第1の原稿サイズ検出処理を示すフローチャートである。S701で、CPU401は、開閉検知センサ410によりADF圧板102の開状態が5度以上25度未満であるか否かを判定し、5度以上25度未満であると判定されるまでS701の処理を繰り返す。ADF圧板102の開状態が5度以上25度未満であると判定された場合、S702で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を点灯し(オン)、S703で、主走査方向1ライン全体の輝度値を取得する。主走査方向1ライン全体の輝度値を取得すると、S704で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源をオフとする。
S705で、CPU401は、開閉検知センサ410によりADF圧板102の開状態が5度未満であるか否かを判定し、5度未満であると判定されるまでS705の処理を繰り返す。ADF圧板102の開状態が5度未満であると判定された場合、S706で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源をオンとし、S707で、主走査方向1ライン全体の輝度値を取得する。主走査方向1ライン全体の輝度値を取得すると、S708で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源をオフとする。
本実施形態では、S701の判定では25度を基準とし、S705の判定では5度を基準としているが、それらの角度に限られない。つまり、イメージセンサユニット108の光源をオンとした場合に、ADF圧板102に貼付されている白シートからの反射光を受光可能な角度と受光可能でない角度として識別可能であるならば、25度と5度に限られない。
S709で、CPU401は、S703で取得した輝度値のデータと、S707で取得した輝度値のデータとを比較し、「黒」の輝度値から「白」の輝度値に変化した領域を原稿に覆われていない領域として検出する。S710で、CPU401は、S709で検出した領域から原稿台ガラス107上に載置された原稿のサイズを確定する。S710の処理後、図7の処理を終了する。
一方、図6のS604で外光ありと判定された場合、以下の第2の原稿サイズ検出処理が実行される。
図8に示すように原稿が原稿台ガラス107上に載置されていた場合、イメージセンサユニット108の光源が消灯状態で原稿の走査が行われると、図9(a)に示すように輝度が変化する。本実施形態では、原稿に覆われている原稿あり領域と、原稿に覆われていない原稿なし領域との間のレベル変化点から、原稿の主走査方向の長さを特定する。本実施形態では、主走査方向1ライン中の複数箇所の輝度値を図8の左端から右端に向かって取得し、各箇所での輝度値に基づいて、輝度値が変化した点を原稿端部として検出する。
S606で、CPU401は、S603で取得した主走査方向の輝度値のうち左端の輝度値と右端の輝度値の差が閾値A以上であるか否かを判定する。ここで、閾値A以上であると判定された場合、S607で、CPU401は、主走査方向1ラインのレベル変化点を検出し、S608で、検出したレベル変化点を原稿端部として主走査方向の原稿サイズを確定する。ここで、原稿あり領域と原稿なし領域の輝度値は、外光の強さに影響される。従って、レベル変化点を検出するための閾値は、外光の強さによって変化させる必要がある。その方法として、例えば、左端と右端の輝度値の平均値を閾値とする。一方、S606で閾値A以上でないと判定された場合とは、本実施形態では、例えば、図9(b)に示すように、主走査方向全体が明るく白レベル(輝度値255)に張り付いた状態であるので、レベル変化点を検出することができない。その場合、S609へ進む。
S608における原稿サイズの確定は、例えば、原稿端部の位置と副走査方向の原稿長さとが原稿サイズに対応づけられたテーブルに基づいて行われる。つまり、CPU401は、検出された原稿端部の位置と、原稿台ガラス107の下部の副走査方向に配置された複数のセンサからの検出信号とから、上記テーブルを参照して、原稿サイズを確定する。また、S608では、原稿サイズを確定するのではなく、レベル変化点が検出されたことに基づいて原稿の有無を判定するようにしても良い。その場合、例えば、いずれの原稿サイズにも該当しない場合には原稿なしと判定するといった方法が用いられる。上記テーブルは、ROM403等の記憶部に記憶されている。
S609で、CPU401は、現在設定されているゲイン値が下限値であるか否かを判定する。ここで、下限値であると判定された場合、S610へ進み、CPU401は、原稿サイズは未確定であると判定し、その後、図6の処理を終了する。その際、CPU401は、操作部105のパネルに、原稿サイズを確定することができない旨を警告表示するようにしても良い。
一方、S609で下限値でないと判定された場合、S611へ進み、CPU401は、ゲイン値をダウンさせることにより暗く読むようにする。S612で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を消灯状態として主走査方向の1ライン全体の輝度値を再度取得する。その後、S606からの処理を繰り返す。図6の処理において、S611でゲイン値を変更している場合は、図6のフローを終了する前に、ゲイン値を原稿画像読取用に設定し直す。
このように、外光が強い状況の場合には、いわゆる白とびの状態となり、原稿が載置されている部分と載置されていない部分とで明るさの強弱がなくなってしまい、原稿端部を適切に特定できなくなってしまう。特に、イメージセンサユニット108にCIS(Contact Image Sensor)を用いる場合は、CCD(Charge Coupled Devices)を用いる読取方式に比べて、外光の影響を受けやすい。そこで、本実施形態では、S611においてゲイン値を低下させて画像読取時よりも原稿画像を暗く読取ることで、原稿端部の判定を行うための読取信号の出力方法を変更する。その結果、外部の状況に応じて、輝度値のギャップを識別しやすくなり原稿端部の判定を適切に行うことができる。そのため、外光の影響を受けやすいCISを用いても、西日等の強い外光の影響を受けている場合であっても、原稿端部の判定を適切に行うことができる。
以上のように、本実施形態によれば、原稿の端部が検出できない場合、ゲイン値を低下させることにより、強い外光の影響下であっても原稿の端部を検出可能とし、原稿のサイズを適切に確定することができる。また、原稿画像を読取る際と、原稿の端部判定を行う際とでゲイン値を変更するため、原稿の端部判定時に外光の影響を受ける場合であっても、より精度よく原稿端部を判定することができる。
以上の実施形態では、原稿の端部判定時にゲイン値を変更する構成としたが、オフセット値を変更することで、原稿の端部を判定しやすくする構成であっても良い。この場合も、原稿の画像読取時と端部判定時とでオフセット値を変更することで、外光の影響を受ける場合であってもより精度よく原稿端部を判定することができる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について第1の実施形態と異なる点について説明する。
図10は、本実施形態における原稿サイズ検出処理を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、CPU401がROM403に記憶された制御プログラムをRAM402に読み出して実行することにより実現される。
S1001〜S1008の処理は、図6のS601〜S608における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S1006で主走査方向の輝度値のうち左端の輝度値と右端の輝度値の差が閾値A以上でないと判定された場合、CPU401は、現在のゲイン値を所定の値に変更する。その際、CPU401は、現在のゲイン値による読取時よりも暗く読むように、所定の輝度値として、より低いゲイン値に変更する。S1010で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を消灯状態として主走査方向の1ライン全体の輝度値を再度取得し、S1011へ進む。
S1011ではS1006と同様に、CPU401は、S1003で取得した主走査方向の輝度値のうち左端の輝度値と右端の輝度値の差が閾値A以上であるか否かを判定する。ここで、閾値A以上であると判定された場合、S1012で、S1007と同様に、CPU401は、主走査方向1ラインのレベル変化点を検出する。S1013ではS1008と同様に、CPU401は、検出したレベル変化点を原稿端部として主走査方向の原稿サイズを確定し、その後、図10の処理を終了する。その際、第1の実施形態と同様に、原稿サイズの確定ではなく、原稿の有無を判定するようにしても良い。図10の処理において、CPU401は、図10のフローを終了する前に、ゲイン値を変更している場合は、ゲイン値を原稿画像読取用に設定し直す。
一方、S1011で閾値A以上でないと判定された場合、S1014で、CPU401は、原稿サイズは未確定であると判定し、その後、図10の処理を終了する。その際、CPU401は、操作部105のパネルに、原稿サイズを確定することができない旨を警告表示するようにしても良い。その警告メッセージとしては、原稿サイズを確定することができない旨ばかりでなく、外光の影響を弱めるようにADF圧板102の角度をより閉じることをユーザに促すメッセージであっても良い。その際、再度、図10の処理を実行するための指示ボタンを含むものであっても良い。また、イメージセンサユニット108の点検や交換等のメンテナンスを促すメッセージであっても良い。
以上のように、本実施形態によれば、原稿の端部が検出できない場合、ゲイン値をダウンさせることにより、強い外光の影響下であっても原稿の端部を検出可能とし、原稿のサイズを適切に確定することができる。また、ゲイン値の変更処理が収束しない状況を防ぐことができる。
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態について他の実施形態と異なる点について説明する。
図11は、本実施形態における読取制御処理を示すフローチャートである。図11の処理は、例えば、CPU401がROM403に記憶された制御プログラムをRAM402に読み出して実行することにより実現される。
S1101で、CPU401は、開閉検知センサ410によりADF圧板102が開状態であるか否かを判定し、開状態であると判定されるまでS1101の処理を繰り返す。S1101の判定は、例えば、ADF圧板102が閉状態でない、即ち、何らかの角度を持った開状態であることの検出に基づいて行われても良い。ADF圧板102が開状態であると判定された後、CPU401は、ADF圧板102の開状態が25度未満であるか否かを判定し、25度未満であると判定されるまでS1102の処理を繰り返す。ADF圧板102の開状態が25度未満であると判定された場合、CPU401は、以降の、原稿台ガラス107上に載置された原稿のサイズ検出処理を開始する。
本実施形態における原稿サイズ検出処理は、画像読取センサ407により外光量を検出することで行われる。つまり、原稿台ガラス107への原稿載置時に画像読取センサ407の端部が原稿で覆われず外光にさらされた場合、主走査方向端部の輝度が高くなることが利用される。
S1103で、CPU401は、イメージセンサユニット108のLED等の光源を消灯(オフ)した状態で主走査方向の輝度値を取得する。その際に、イメージセンサユニット108は、ブック読取範囲開始位置107aに位置する。S1104で、CPU401は、主走査方向で取得された輝度値のうち最大の輝度値が所定の閾値Bより大きいか否かを判定する。ここで、閾値Bより大きいと判定された場合、外光ありと判定してS1106に進み、閾値Bより大きくない(閾値B以下)と判定された場合、外光なしと判定してS1105に進む。S1105では、CPU401は、図7に示す第1の原稿サイズ検出処理を実行する。S1105の処理後、図11の処理を終了する。
一方、図11のS1104で外光ありと判定された場合、以下の第2の原稿サイズ検出処理が実行される。
図8に示すように原稿が原稿台ガラス107上に載置されていた場合、イメージセンサユニット108の光源が消灯状態で原稿の走査が行われると、図9(a)に示すように輝度が変化する。本実施形態では、原稿に覆われている原稿あり領域と、原稿に覆われていない原稿なし領域との間のレベル変化点から、原稿の主走査方向の長さを特定する。本実施形態では、主走査方向1ライン中の複数箇所の輝度値を図8の左端から右端に向かって取得し、各箇所での輝度値に基づいて、輝度値が変化した点を検出し原稿端部として特定する。
S1106で、CPU401は、S1103で取得した主走査方向の輝度値のうち最大の輝度値と最小の輝度値の差が閾値S以下であるか否かを判定する。ここで、閾値S以下であると判定された場合、例えば図12に示すように、原稿あり領域と原稿なし領域の輝度値のギャップが小さいと判定する。そこで、S1107で、CPU401は、原稿の有り無し領域のギャップを大きくするための補正として、画像読取センサ407が読取信号を出力するゲイン値をアップさせる。S1108で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を消灯状態として主走査方向の1ライン全体の輝度値を再度取得し、S1109に進む。一方、S1106で閾値S以下でないと判定された場合、S1109に進む。
S1109で、CPU401は、S1103で取得した主走査方向の輝度値のうち最大の輝度値が所定の閾値H以上であるか否かを判定する。ここで、閾値H以上であると判定された場合、S1110で、CPU401は、原稿の有り無し領域のギャップを大きくするための補正として、画像読取センサ407が読取信号を出力する際のオフセット値をダウンさせる。ここで、閾値Hは、読取可能な読取値、例えば輝度値の範囲を0〜255とすると、255であるか若しくは255に限りなく近い値とする。また、オフセット値の変更量は、S1103で取得した主走査方向の輝度値のうち最小の輝度値と、読取可能な最低輝度値0との差だけ輝度値がダウンする値とする。S1113で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を消灯状態として主走査方向の1ライン全体の輝度値を再度取得し、S1114に進む。
このように、本実施形態では、S1109で最大の輝度値が所定の閾値H以上であるような外光が強い状況の場合には、いわゆる白とびの状態となり、明るさの強弱がなくなってしまい、原稿端部を適切に特定できなくなってしまう。そこで、本実施形態では、S1107でゲイン値を変更し、S1110においてオフセットを低下させて原稿画像を暗く読取ることで、原稿端部の判定を行うための読取信号の出力方法を変更する。その結果、外部の状況に応じて、輝度値のギャップを識別しやすくなり原稿端部の判定を適切に行うことができる。
一方、S1109で閾値H以上でないと判定された場合、S1111に進む。S1111で、CPU401は、S1103で取得した主走査方向の輝度値のうち最小の輝度値が所定の閾値L以下であるか否かを判定する。ここで、閾値L以下であると判定された場合、S1112で、CPU401は、原稿の有り無し領域のギャップを大きくするための補正として、画像読取センサ407が読取信号を出力するオフセット値をアップさせる。ここで、閾値Lは、読取可能な輝度値の範囲を0〜255とすると、0であるか若しくは0に限りなく近い値とする。また、オフセット値の変更量は、S1103で取得した主走査方向の輝度値のうち最大の輝度値と、読取可能な最大輝度値255との差だけ輝度値がアップする値とする。S1113で、CPU401は、イメージセンサユニット108の光源を消灯状態として主走査方向の1ライン全体の輝度値を再度取得し、S1114に進む。
このように、本実施形態では、S1111で最小の輝度値が閾値L以下であるような場合においてもオフセット値を大きくすることにより、原稿端部の判定を行うための読取信号の出力方法を変更する。その結果、外部の状況に応じて、輝度値のギャップを識別しやすくなり原稿端部の判定を適切に行うことができる。
S1114で、CPU401は、主走査方向1ラインのレベル変化点を検出し、S1115で、検出したレベル変化点を原稿端部として主走査方向の原稿サイズを確定する。その際、第1の実施形態と同様に、原稿サイズの確定ではなく、原稿の有無を判定するようにしても良い。S1115の処理後、CPU401は、S1110又はS1112でオフセット値を変更していた場合には、オフセット値を原稿読取用に設定し、その後、図11の処理を終了する。図11の処理後、CPU401は、ADF圧板102の閉状態を検出すると、イメージセンサユニット108により、原稿台ガラス107に置かれた原稿の読取を行う。この際、S1107でゲイン値を変更している場合も、原稿読取用のゲイン値に設定しなおす。
以上のように、本実施形態によれば、原稿画像を読取る際と、原稿の端部判定を行う際とでゲイン値およびオフセット値を変更するため、強い外光の影響下であっても、原稿の端部を検出可能とし、原稿のサイズを適切に確定することができる。
[第4の実施形態]
以下、第4の実施形態について他の実施形態と異なる点について説明する。
図13は、本実施形態における原稿サイズ検出処理を示すフローチャートである。図13の処理は、例えば、CPU401がROM403に記憶された制御プログラムをRAM402に読み出して実行することにより実現される。
S1301〜S1313、S1315〜S1317の処理は、図11のS1101〜S1113、S1114〜S1116における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S1313の処理後、CPU401は、S1303で取得した主走査方向の輝度値のうち最大の輝度値と最小の輝度値の差が閾値S以下であるか否かを判定する。ここで、閾値S以下であると判定された場合、S1309からの処理を繰り返し、閾値S以下でないと判定された場合、S1315へ進む。
以上のように、本実施形態によれば、原稿端部の判定時にゲイン値およびオフセット値を変更し、最大の輝度値と最小の輝度値の差が閾値Sより大きい場合にレベルの変化点の検出を行うので、安定した原稿端部の検出処理を行うことができる。