JP2018072076A - 電子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】延在するロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓の冷却を効率よく行う。【解決手段】電子線照射装置1は、電子銃EGと、本体部10及びロッド部20を有する筐体3と、電子線出射窓11と、を具備する。ロッド部20は、先端側の端部に電子線出射窓11が設けられ電子線EBが内部を通過する第1筒状部材21と、第1筒状部材21を包囲する第2筒状部材22と、第1筒状部材21の外壁面と第2筒状部材22の内壁面との間に設けられた冷却気体流路33を少なくとも含む冷却気体流通空間32と、電子線出射空間Rと冷却気体流通空間32とを仕切るように設けられた壁部材24と、を備える。壁部材24には、冷却気体流通空間32から電子線出射空間Rへ冷却気体を噴出させる冷却気体噴出孔40が設けられている。冷却気体噴出孔40は、冷却気体流路33の流路断面積より小さい流路断面積を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、電子線照射装置に関する。
従来、電子線を出射する電子銃と、電子銃を収容する本体部及び本体部から突出するように延在するロッド部を有する筐体と、ロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓と、を備えた電子線照射装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1に記載された装置では、ノズル部材(ロッド部)が内側ノズル筒体及び外側ノズル筒体からなる二重管構造を有する。内側ノズル筒体と外側ノズル筒体との間に冷却水を供給することで、ノズル部材の出射窓(電子線出射窓)付近における温度上昇を抑制することが図られている。特許文献2に記載された装置では、処理ヘッド(ロッド部)が外側筐体と内側筐体とを備えた二重壁とされている。外側筐体と内側筐体と間の間隙に沿って流れた気体を出口窓(電子線出射窓)の出射側を通るように誘導することで、出口窓を冷却することが図られている。
国際公開第2014/175065号 特許第5753047号公報
上記電子線照射装置では、例えば容器内部にロッド部を挿入して容器内部への直接的な電子線照射を行うために、ロッド部が本体部から突出するように延在されている。この場合においても、電子線出射窓の発熱は大きな問題の一つであり、電子線出射窓を効率よく冷却することが求められている。電子線出射窓は、延在するロッド部の先端側に設けられることから、本体部から離れた位置に配置される。そのため、本体部による放熱又は冷却では電子線出射窓を冷却する効果は期待できず、電子線出射窓が設けられたロッド部自体に冷却構造を備えることが望まれる。
上記特許文献1に記載された装置では、電子線出射窓は、直接的に冷却されるのではなく、ロッド部の電子線出射窓付近が冷却されることで間接的に冷却される。そのため、電子線出射窓を効率よく冷却できないおそれがある。
電子線出射窓を直接冷却する場合、冷却気体を電子線出射窓に接触させて冷却することが考えられる。この場合、電子線出射窓を効率よく冷却するために、接触する冷却気体の圧力(動圧)を高めることが好ましい。しかし、上記特許文献2に記載された装置では、冷却気体の圧力を高める点が十分に考慮されておらず、電子線出射窓の冷却効率が十分ではないおそれがある。
そこで、本発明は、延在するロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓の冷却を効率よく行うことが可能な電子線照射装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電子線照射装置は、電子線を出射する電子銃と、電子銃を収容する本体部、及び、基端側が本体部に接続され且つ先端側が本体部から突出するように延在するロッド部を有する筐体と、ロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓と、を具備し、ロッド部は、ロッド部の延在方向を軸方向とする筒形状を有し、先端側の端部に電子線出射窓が設けられ、電子線が内部を通過する第1筒状部材と、ロッド部の延在方向を軸方向とする筒形状を有し、第1筒状部材を包囲する第2筒状部材と、基端側から導入された冷却気体を先端側へ流通させる空間であって、第1筒状部材の外壁面と第2筒状部材の内壁面との間に設けられた冷却気体流路を少なくとも含む冷却気体流通空間と、電子線出射窓の電子線出射側に面する電子線出射空間と冷却気体流通空間とを仕切るように設けられた壁部材と、を備え、壁部材には、冷却気体流通空間から電子線出射空間へ冷却気体を噴出させる冷却気体噴出孔が設けられ、冷却気体噴出孔は、冷却気体流路の流路断面積より小さい流路断面積を有する。
この電子線照射装置において、冷却気体は、第1筒状部材の外壁面と第2筒状部材の内壁面との間の冷却気体流路を通り、壁部材の冷却気体噴出孔から電子線出射空間へ噴出される。これにより、延在するロッド部の先端側の電子線出射窓に冷却空気を接触させ、電子線出射窓を直接冷却することができる。このとき、冷却気体噴出孔は、冷却気体流路の流路断面積より小さい流路断面積を有することから、噴出する冷却気体の圧力を高めることができる。すなわち、電子線出射窓に対して圧力の高い冷却気体を直接的に供給することが可能となる。したがって、延在するロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓の冷却を効率よく行うことが可能となる。
本発明に係る電子線照射装置では、冷却気体噴出孔は、冷却気体を電子線出射窓の電子線出射領域に向かって噴出させてもよい。これにより、電子線出射窓において最も高温化する部位に冷却気体を直接吹き付け、電子線出射窓の冷却を一層効率よく行うことができる。
本発明に係る電子線照射装置では、冷却気体噴出孔は、壁部材に複数設けられ、冷却気体流通空間は、壁部材の周囲に形成され、冷却気体流路と複数の冷却気体噴出孔とを連通させる先端空間をさらに含んでいてもよい。この場合、複数の冷却気体噴出孔への冷却気体の供給が、共通の先端空間から行われる。これにより、複数の冷却気体噴出孔から噴出される各冷却気体の状態を均一化することができ、電子線出射窓に対して偏りの少ない冷却を効率よく行うことが可能となる。
本発明に係る電子線照射装置では、冷却気体流通空間は、冷却気体流路を複数含むと共に、ロッド部の基端側に形成され、複数の冷却気体流路と連通し、ロッド部外から冷却気体が導入される基端空間をさらに含んでいてもよい。この場合、複数の冷却気体流路への冷却気体の供給が、共通の基端空間から行われる。これにより、複数の冷却気体流路を流通する各冷却気体の状態を均一化することができ、電子線出射窓に対して偏りの少ない冷却を効率よく行うことが可能となる。
本発明に係る電子線照射装置では、第1筒状部材の外壁面と第2筒状部材の内壁面との少なくとも一方には、ロッド部の延在方向に垂直な断面において、冷却気体流路を構成するように外壁面と内壁面とを離間させる離間部が形成され、第1筒状部材の外壁面と第2筒状部材の内壁面は、ロッド部の延在方向に垂直な断面において、少なくとも2点で接触してもよい。第1筒状部材の外壁面と第2筒状部材の内壁面とが少なくとも2点で接触することから、例えば動作時の外部要因等によって第1筒状部材と第2筒状部材との間隔を変化させようとする力が作用した場合でも、冷却気体流路を精度よく維持できる。冷却気体流路において安定的に冷却気体を流通させることができ、その結果、電子線出射窓の冷却を安定的に行うことができる。
本発明に係る電子線照射装置では、離間部は、第1筒状部材の外壁面に形成されていてもよい。この場合、離間部を容易に形成することができる。
本発明に係る電子線照射装置は、電子線の軌道を調整する調整部と、電子線の集束を制御する集束部と、を具備してもよい。電子線の軌道及び集束を適切に調整することで、第1筒状部材の内壁面への電子線の入射を抑制し、効率よく電子線を電子線出射窓に導くことができる。これにより、ロッド部の発熱を抑制でき、冷却気体流路を流通する冷却気体が当該発熱で加熱されることを抑制できる。その結果、電子線出射窓に至る冷却気体が当該加熱で昇温してしまうことを抑制でき、電子線出射窓の冷却を一層効率よく行うことが可能となる。
本発明に係る電子線照射装置では、第1筒状部材及び第2筒状部材の少なくとも一方は、磁性材料により形成されていてもよい。これにより、第1筒状部材の内部を通過する電子線に外部磁界の影響が及ぶことを抑制できる。
本発明に係る電子線照射装置では、電子線出射窓は、第1筒状部材の先端側の端面上に配置され、壁部材は、筒形状を有し、電子線出射窓上に配置され、第2筒状部材に着脱自在に固定され、壁部材を電子線出射窓に向かって押さえ付ける押さえ部材をさらに具備していてもよい。この場合、冷却気体噴出孔が設けられた壁部材を利用して電子線出射窓を押さえ付けて固定することができる。また、押さえ部材を外すことで、電子線出射窓を容易に交換することができる。
本発明によれば、延在するロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓の冷却を効率よく行うことが可能な電子線照射装置を提供することができる。
一実施形態に係る電子線照射装置を示す断面図である。 図1の電子線照射装置の使用例を示す図である。 図1のロッド部を示す断面図である。 (a)は、図3のA−A線に沿う断面図である。(b)は、図3のB−B線に沿う断面図である。 図3のC−C線に沿う断面図である。 図1のロッド部の先端側を示す拡大断面図である。 図1のロッド部の先端側における窒素ガスの流れを解析した結果を示す図である。 (a)は、第1変形例に係るロッド部の先端側を示す拡大断面図である。(b)は、第2変形例に係るロッド部の先端側を示す拡大断面図である。(c)は、第3変形例に係るロッド部の先端側を示す拡大断面図である。 第4変形例に係るロッド部の図3のB−B線に沿う断面に対応する断面図である。 第5変形例に係る電子線照射装置を示す断面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る電子線照射装置1の断面図である。図1に示される電子線照射装置1は、照射対象物への電子線EBの照射によって当該照射対象物の滅菌・殺菌や乾燥又は表面改質等を行うために使用される。電子線照射装置1は、電子線発生部2と、筐体3と、電子線出射窓11と、制御部12と、調整用電磁コイル13と、集束用電磁コイル14と、を具備する。
電子線発生部2は、例えば数keVから数100keV程度のエネルギーを持つ電子線である電子線EBを出射する電子銃EGを備える。電子銃EGは、フィラメント7及びグリッド部8を備える。電子銃EGは、筐体3の内部の真空空間Zに収容される。電子線発生部2は、電子銃EGの他に、ケース4と、絶縁ブロック5と、コネクタ6と、内部配線9a,9bと、導電性部材16と、を有する。
ケース4は、金属等の導電性材料により形成されている。ケース4は、絶縁ブロック5を収容する。ケース4は、筐体3の内部の真空空間Zへ繋がる開口4aと、電子線照射装置1aの外側へ繋がる開口4bとを有する。開口4aは、内部配線9a,9bを通すための円形の開口である。開口4bは、コネクタ6を取り付けるための円形の開口である。
絶縁ブロック5は、絶縁性材料により形成されている。絶縁材料は、例えばエポキシ樹脂等の絶縁性樹脂やセラミック等である。絶縁ブロック5は、内部配線9a,9bと他の部分(例えばケース4等)とを絶縁する。絶縁ブロック5は、基部5aと、該基部5aから突出した凸部5bとを有する。基部5aは、ケース4内の殆どを占めるようにケース4内に収容されている。凸部5bは、基部5aから開口4aを通って前側に突出してケース4から露出している。
コネクタ6は、電子線照射装置1aの外部から数kVから数100kV程度の電源電圧の供給を受けるための高耐電圧型のコネクタ(レセプタクル)である。コネクタ6は、ケース4の側面に取り付けられている。コネクタ6は、ケース4の側壁を貫通するように開口4bに配置されている。コネクタ6においてケース4の内部に位置する部分6aは、絶縁ブロック5の基部5aに埋め込まれて固定されている。コネクタ6は、絶縁ブロック5とケース4とを強固に固定する。コネクタ6には、図示しない電源装置から延びる外部配線の先端を保持した電源用プラグが挿入される。なお、数kVから数100kV程度といった高電圧自体を電子線照射装置1aの外部から供給するのではなく、外部から供給された数10Vから数100V程度の電圧を、絶縁ブロック5内に封入した昇圧部によって昇圧することで、高電圧を発生してもよい。
電子銃EGは、絶縁ブロック5における凸部5bの先端側に配置されている。電子銃EGは、電子線EBとなる電子を放出するための電子放出部材であるフィラメント7と、フィラメント7を覆うように配置され電子を引き出すと共に拡散を抑制するための電界を形成するグリッド部8と、を備える。フィラメント7は、タングステンを主成分とした材料により形成されている。フィラメント7の両端は、コネクタ6からフィラメント7へ延びる内部配線9a及び9bにそれぞれ接続されている。従って、コネクタ6に電源用プラグが挿入されると、フィラメント7の両端は、外部配線を介して電源装置と電気的に接続される。フィラメント7は、数アンペアの電流を流されることにより、2500℃程度に加熱され、さらに別の電源装置からマイナス数kV〜マイナス数100kVといった高い負電圧が印加されることにより、電子を放出する。グリッド部8には、図示しない配線を介して所定の電圧が印加される。従って、フィラメント7から放出された電子は、グリッド部8の一部に形成された孔から電子線EBとして出射される。
内部配線9a,9bは、高電圧が電源装置から印加される高電圧部である。内部配線9a,9bは、絶縁ブロック5の内部に埋め込まれることにより、ケース4との絶縁が確保されている。
導電性部材16は、絶縁ブロック5の表面のうち、ケース4との間に隙間があいた表面を覆う導電性の部材である。導電性部材16としては、導電性のフィルム、或いは導電性のテープ等の薄い部材が用いられている。導電性部材16は、絶縁ブロック5のうちケース4に密着していない部分を完全に覆うように当該絶縁ブロック5に貼付されている。なお、導電性部材16は、導電性塗料や導電性膜等であってもよい。
筐体3は、本体部10及びロッド部20を有する。本体部10は、電子銃EGを収容する真空空間Zを構成する真空容器である。本体部10は、金属等の導電性材料により形成されている。本体部10は、電子銃EG、及び絶縁ブロック5の一部である凸部5bを収容して気密に封止する。本体部10において電子銃EGの電子線出射側に対向する部分には、通過孔10aが形成されている。通過孔10aは、電子銃EGから出射した電子線EBを通過させる円形の貫通孔である。通過孔10aは、当該電子線EBの出射方向に沿って延在する。通過孔10aは、ロッド部20の第1筒状部材21(後述)内と連通する。本体部10には、排気通路10bを介して真空ポンプ50が接続されている。真空ポンプ50により、本体部10の内部の排気を簡易に行うことができる。
ロッド部20は、基端側が本体部10に着脱自在に接続されている。ロッド部20は、先端側が本体部10から突出するように延在する。ロッド部20は、電子銃EGの電子線EBの出射方向に沿って本体部10から離間するように延出する。ロッド部20は、本体部10の内部と連通し、電子銃EGから出射した電子線EBが通過する空間を構成する。ロッド部20の構成の詳細については、後述する。
図2は、図1の電子線照射装置の使用例を示す図である。ロッド部20は、容器であるボトルBの口部Baを介して当該ボトルB内に挿入可能に構成されている。適用されるボトルBとしては、特に限定されず、あらゆるボトルBを適用できる。ボトルBの大きさ、材質、形状、外観及び用途等は限定されず、種々のボトルを適用できる。本実施形態のボトルBとしては、容量が2リットルの飲料用ペットボトルが適用されている。図示する例においては、ボトルBは、開口部である口部Baを備えた容器である。口部Baの内径は、本体部10の外形よりも小さく、且つ、ロッド部20の外径よりも大きい。つまり、ロッド部20は、ボトルBの口部Baに対して、ボトルBの軸方向に沿って挿入可能な外径を有している。ロッド部20の長さは、電子線EBがボトルBの底面に照射されるように、ロッド部20の先端がボトルBの底面近傍まで届き得る長さとされている。
図1に示されるように、電子線出射窓11は、ロッド部20の先端側に設けられている。電子線出射窓11は、ロッド部20を通過した電子線EBを透過させて、当該電子線EBを外部に向けて出射する。電子線出射窓11は、円形の薄膜状の部材であり、電子線EBを透過する材料(例えばベリリウム、チタン又はアルミニウム等)から成る。電子線出射窓11の厚さは、例えば15μm以下である。
制御部12は、例えば、プロセッサ及び記憶装置(メモリ等)を有する一以上のコンピュータ装置により構成されている。制御部12は、記憶装置に記憶されたプログラムに従って動作し、電子線照射装置1aの各部を制御する。
調整用電磁コイル13は、電子線EBの軌道(出射軸線)を調整する調整部である。調整用電磁コイル13は、電磁レンズとして機能する。調整用電磁コイル13は、電子銃EGから出射した電子線EBが電子線出射窓11に到達するように、本体部10の通過孔10aを通過する電子線EBの進行方向を偏向させる。例えば調整用電磁コイル13は、電子線EBの出射軸線がロッド部20の中心軸線におおよそ一致するように微調整する。調整用電磁コイル13は、制御部12に接続されており、流れる電流が制御部12により制御される。これにより、電子線EBの軌道の微調整が実現される。調整用電磁コイル13は、真空空間Zの外部に配置されている。調整用電磁コイル13は、本体部10の通過孔10aを包囲するように環状に配置されている。
集束用電磁コイル14は、電子線EBの集束を制御する集束部である。集束用電磁コイル14は、電磁レンズとして機能する。例えば集束用電磁コイル14は、出射軸線に沿って拡がるように進行する電子線EBの当該広がりを抑制し、電子線出射窓11上における電子線EBの照射範囲が一定となるように集束制御を行う。集束用電磁コイル14は、制御部12に接続されており、流れる電流が制御部12により制御される。これにより、電子線EBの集束制御の微調整が実現される。
集束用電磁コイル14は、真空空間Zの外部において、調整用電磁コイル13よりも電子線出射側の位置に配置されている。つまり、調整用電磁コイル13及び集束用電磁コイル14は、電子線EBの出射方向に沿ってこの順で並ぶように配置されている。電子線出射側とは、電子線EBを出射する側(図1において下側)である。電子線出射側は、電子線EBの進行側である。換言すると、電子線出射側は、電子線EBの進行方向における前側である。調整用電磁コイル13は、集束用電磁コイル14よりも電子線出射側において本体部10の通過孔10aを包囲するように環状に配置されている。
次に、ロッド部20の構成について、図3〜図6を参照して詳細に説明する。
図3は、図1のロッド部20を示す断面図である。図4(a)は、図3のA−A線に沿う断面図である。図4(b)は、図3のB−B線に沿う断面図である。図5は、図3のC−C線に沿う断面図である。図6は、図1のロッド部20の先端側を拡大して示す断面図である。なお、図4(a)、図4(b)及び図5に示す各断面図は、説明の便宜上、適宜拡大されている。図4(a)、図4(b)及び図5の縮尺は、互いに同じではない。以下において、ロッド部20の先端側を単に「先端側」と称し、ロッド部20の基端側を単に「基端側」と称して説明する。
図3に示されるように、ロッド部20は、第1筒状部材21、第2筒状部材22、固定部材23、壁部材24、及び、押さえ部材25を含んで構成されている。第1筒状部材21は、ロッド部20の延在方向(つまり、電子線EBの出射方向)を軸方向とする筒形状を有する。ここでの第1筒状部材21は、円筒形状を有する。第1筒状部材21は、電子銃EGから出射した電子線EBが内部を通過する。第1筒状部材21は、確実な真空保持が可能な金属材料(例えばステンレス、アルミニウム又は無酸素銅等の非磁性材料)によって形成されている。一方、第2筒状部材22は、第1筒状部材21内の電子線EBに及ぶ地磁気等の外部磁気を遮蔽可能な磁性材料により形成されている。磁性材料としては、パーマロイ又はPCパーマロイ等を用いることができる。
第1筒状部材21は、本体部10の通過孔10aと連通するように配置されている。第1筒状部材21の基端側の端部には、径方向外側に突出するフランジ21aが設けられている。第1筒状部材21は、フランジ21aがネジ等で本体部10に締結されることで、当該本体部10に着脱自在に固定されている。
第1筒状部材21の外周面において基端側の端部には、周方向の全周に沿った凹部である環状凹部21bが形成されている。図3及び図4(b)に示されるように、第1筒状部材21の外周面において、先端側の端部及び基端側の端部以外の領域には、複数の離間部21dが形成されている。具体的には、第1筒状部材21の軸方向に沿って延びる離間部21dが、第1筒状部材21の外周面において環状凹部21bの先端側から当該外周面の先端縁手前までの領域に、周方向に複数並設されている。
離間部21dは、第1筒状部材21の軸方向に垂直な断面において、第1筒状部材21の円形の外周面側の一部を弓型形状に面取りして切欠くように設けられている。離間部21dは、第1筒状部材21の軸方向に沿って延び且つ矩形の平面形状を有する平面21eを備える。離間部21dは、第1筒状部材21の外周面において周方向に等間隔の4箇所(四等配の位置)に設けられている。このような離間部21dにより、第1筒状部材21の外周面において先端側の端部及び基端側の端部以外の領域には、互いに対向する平面状の一対の平面21eが2組形成される。第1筒状部材21の外壁面は、円筒形状の側面である外周面と、4つの平面21eと、により構成される。
図3及び図6に示されるように、第1筒状部材21の内周面において先端側の端部には、電子線出射窓11を支持する円筒形状の支持部材27が設けられている。支持部材27は、第1筒状部材21と同軸で配置されている。支持部材27の先端側の端面は、第1筒状部材21の先端側の端面と同一平面上に位置する。支持部材27は、外部雰囲気に対して電子線出射窓11を基端側から支持する。
第1筒状部材21の先端側の端部には、電子線出射窓11が設けられている。具体的には、第1筒状部材21の先端側の端面上及び支持部材27の先端側の端面上に、円環膜状のシート材28を介して電子線出射窓11が配置されている。換言すると、電子線出射窓11は、第1筒状部材21の先端の開口を塞ぐように、第1筒状部材21の先端側及び支持部材27の先端側にシート材28を介して重ねられている。図示する例では、第1筒状部材21の先端外径と電子線出射窓11の外径とは一致している。シート材28としては、放熱性及び気密保持性に優れたグラファイトシートを用いることができる。電子線出射窓11において支持部材27の内孔に対応する中央領域は、電子線EBを出射する電子線出射領域Aを構成する。
図3に示されるように、第2筒状部材22は、ロッド部20の延在方向を軸方向とする筒形状を有する。ここでの第2筒状部材22は、円筒形状を有する。第2筒状部材22は、第1筒状部材21を包囲する。第2筒状部材22は、第1筒状部材21の外側に当該第1筒状部材21と同軸で配置されている。これにより、第1筒状部材21及び第2筒状部材22は、二重管構造を形成する。
図3及び図4(b)に示されるように、第2筒状部材22の内径は、第1筒状部材21の外径に対応している。第2筒状部材22の内壁面である内周面は、第1筒状部材21の平面21eとは離間し、これらの間に隙間が形成されている。一方、第2筒状部材22の内周面は、第1筒状部材21の外周面(外壁面のうち平面21eを除く円弧面部分)と当接している。すなわち、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において、第2筒状部材22の内周面は、第1筒状部材21の外周面に対して少なくとも2点で接触する。本実施形態では、第2筒状部材22の内周面と第1筒状部材21の外周面との接触点は、互いに対向する2点を2組含み、離間部21dと隣接する4点である。接触点は、点接触する箇所であってもよいし、線接触する箇所であってもよいし、面接触する箇所であってもよい。
第2筒状部材22の先端側の端面は、第1筒状部材21の先端側の端面と同一平面上に位置する。第2筒状部材22の基端側の端部には、径方向外側に突出するフランジ22aが設けられている。フランジ22aは、第1筒状部材21のフランジ21aの外径と等しい外径を有する。フランジ22aは、離間部21dの基端側の端部に対応する位置に位置している。第2筒状部材22の外周面において先端側の端部には、押さえ部材25と螺合する雌螺子(図示せず)が形成されている。第2筒状部材22の内周面において先端側の端部には、断面円形で先端側に開口する開口部22cが形成されている。開口部22cの内周面は、第1筒状部材21の外周面における先端側の端部に隙間を有して対面する。
図3及び図5に示されるように、固定部材23は、第1筒状部材21及び第2筒状部材22と同軸の円筒形状を有する。固定部材23は、第1筒状部材21のフランジ21aと第2筒状部材22のフランジ22aとの間に配置されている。固定部材23は、ネジ等により第1筒状部材21及び第2筒状部材22に固定されている。固定部材23は、フランジ21a及びフランジ22aの外径と等しい外径を有する。固定部材23は、その内部に第1筒状部材21が挿通されている。固定部材23は、第1筒状部材21の環状凹部21bの周囲を、隙間を有して包囲する。なお、固定部材23は、第1筒状部材21及び第2筒状部材22の何れかと一体で構成されていてもよい。
図4(a)及び図6に示されるように、壁部材24は、第1筒状部材21及び第2筒状部材22と同軸の円筒形状を有する。壁部材24は、電子線出射窓11における電子線出射側の外縁部上に、円環膜状のシート材29を介して配置されている。シート材29としては、放熱性及び気密保持性に優れたグラファイトシートを用いることができる。壁部材24は、電子線出射窓11の電子線出射側に面する円柱状空間である電子線出射空間Rを画成する。電子線出射空間Rは、ロッド部20外の外部空間である。壁部材24は、電子線出射空間Rと後述の冷却気体流通空間32とを仕切るように設けられている。
押さえ部材25は、基端側に開口する有底円筒形状を有する。押さえ部材25の内周面には、雄螺子(図示せず)が形成されている。押さえ部材25は、雄螺子を第2筒状部材22の外周面の雌螺子と螺合することにより、第2筒状部材22の先端側に着脱自在に固定されている。押さえ部材25は、第2筒状部材22の周囲を包囲する。押さえ部材25は、壁部材24の周囲を、隙間を有して包囲する。
押さえ部材25の底部25bは、円環膜状のシート材30を介して、壁部材24の先端側の端面と当接する。これにより、押さえ部材25は、壁部材24を電子線出射窓11に向かって押さえ付け、第1筒状部材21の内部が真空封止されるように当該第1筒状部材21に電子線出射窓11を固定する。シート材30としては、放熱性及び気密保持性に優れたグラファイトシートを用いることができる。押さえ部材25の軸位置には、断面円形状の貫通孔25cが形成されている。貫通孔25cは、壁部材24の内径と同じ内径を有する。貫通孔25cは、電子線出射空間Rと連通する。
図3及び図6に示されるように、本実施形態のロッド部20は、冷却気体流通空間32を有している。冷却気体流通空間32は、ロッド部20において基端側から導入された冷却気体を先端側へ流通させる空間である。冷却気体としては、特に限定されないが、窒素ガス、アルゴンガス、オゾンガス、又は、その他の不活性ガスが挙げられる。ここでの冷却気体は、窒素ガスである。冷却気体流通空間32は、複数の冷却気体流路33、基端空間34、先端空間35及び中継流路36を含んで構成されている。
冷却気体流路33は、第1筒状部材21の離間部21d(平面21e)と、第2筒状部材22の内周面と、の間の隙間により形成される。つまり、離間部21dは、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において、冷却気体流路33を構成するように第1筒状部材21の外周面と第2筒状部材22の内周面とを離間させる。冷却気体流路33は、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において、径方向外側を弧とする弓形形状の空間を有する。冷却気体流路33は、ロッド部20の延在方向に沿って真っ直ぐ延びる。冷却気体流路33は、基端側から先端側へ窒素ガスを流通させる。冷却気体流路33は、離間部21dの数に対応した複数形成される。冷却気体流路33は、ロッド部20の周方向に等間隔の4箇所に設けられている。つまり、互いに対向する一対の冷却気体流路33が、2組形成されている。
基端空間34は、ロッド部20の基端側に形成されている。基端空間34は、第1筒状部材21の周囲に形成された円筒状空間である。基端空間34は、第1筒状部材21の環状凹部21bの内周面と固定部材23の内周面との間の隙間により形成される。具体的には、基端空間34は、第1筒状部材21の環状凹部21b、第1筒状部材21のフランジ21a、第2筒状部材22のフランジ22a及び固定部材23の内周面によって画設(仕切られるように形成)される。基端空間34は、複数の冷却気体流路33と連通する。
基端空間34には、ロッド部20外から窒素ガスが導入される。基端空間34へ窒素ガスが導入させる構成として、具体的には次のように構成されている。すなわち、固定部材23には、基端空間34と外部とを連通させるものとして、固定部材23の内周面と外周面とを貫通し且つ径方向に延びるガス導入孔23aが形成されている。ガス導入孔23aには、ガス導入部Kを介して窒素ガス発生器37(図1参照)が接続されている。これにより、窒素ガス発生器37で発生させた窒素ガスが、ガス導入部Kからガス導入孔23aを介して基端空間34内へ導入される。
先端空間35は、ロッド部20の先端側に形成されている。先端空間35は、壁部材24の周囲に形成された円筒状空間である。先端空間35は、壁部材24の外周面と押さえ部材25の内周面との間の隙間により形成される。具体的には、先端空間35は、壁部材24、押さえ部材25、及び第2筒状部材22の先端側の端面によって画設される。先端空間35は、壁部材24に形成された複数の冷却気体噴出孔40(後述)と連通する。先端空間35は、中継流路36を介して複数の冷却気体流路33と連通する。すなわち、先端空間35は、複数の冷却気体噴出孔40と複数の冷却気体流路33とを連通させる。
中継流路36は、第1筒状部材21の外周面における先端側の端部と、第2筒状部材22の開口部22cの内周面との間の隙間により形成される。中継流路36は、円筒状空間である。中継流路36は、冷却気体流路33と先端空間35との間に設けられている。中継流路36は、冷却気体流路33と連通すると共に、先端空間35と連通する。中継流路36は、冷却気体流路33を流れる窒素ガスを先端空間35へ流入させる。
図4(a)及び図6に示されるように、本実施形態のロッド部20において、壁部材24には、冷却気体流通空間32から電子線出射空間Rへ窒素ガスを噴出させる冷却気体噴出孔40が複数設けられている。冷却気体噴出孔40は、壁部材24の外周面から内周面に貫通する、断面円形の貫通孔である。冷却気体噴出孔40は、壁部材24の径方向に沿って延びる。冷却気体噴出孔40の内径は、その一端から他端に亘って一定である。冷却気体噴出孔40は、冷却気体流通空間32の先端空間35に連通すると共に、電子線出射空間Rに連通する。冷却気体噴出孔40は、壁部材24の周方向において等間隔の4箇所に設けられている。つまり、壁部材24には、当該壁部材24の中心軸を介して互いに対向する一対の冷却気体噴出孔40が2組形成されている。
冷却気体噴出孔40は、1つの冷却気体流路33の流路断面積よりも小さい流路断面積を有する。換言すると、窒素ガスの流通方向に垂直な断面の断面積について、複数の冷却気体流路33それぞれよりも冷却気体噴出孔40の方が小さい。なお、冷却気体噴出孔40は、その一端から他端までの何れかの位置の流路断面積が、冷却気体流路33の流路断面積よりも小さければよい。冷却気体流路33の流路断面積よりも小さいとは、冷却気体流路33の一端から他端までの何れかの位置の流路断面積よりも小さい場合を含む。つまり、冷却気体噴出孔40の最小流路断面積が、1つの冷却気体流路33の最大流路断面積よりも小さい場合を含む。
冷却気体噴出孔40は、壁部材24におけるロッド部20の延在方向(壁部材24における高さ方向)の中央部分に形成されている。冷却気体噴出孔40は、径方向内側に行くに従って基端側に傾斜している。冷却気体噴出孔40の傾向方向内側の開口は、電子線出射窓11の電子線出射領域Aに向いている。ここでは、冷却気体噴出孔40の中心軸を径方向内側に延長した延長線上に、電子線出射窓11の電子線出射領域Aが位置している。これにより、冷却気体噴出孔40は、窒素ガスを電子線出射窓11の電子線出射領域Aに向かって噴出させ、電子線出射窓11(特に電子線出射領域A)を冷却する。
次に、以上の構成を備える電子線照射装置1の動作例について説明する。
真空ポンプ50によって本体部10の内部を排気して真空空間Zを形成した後、フィラメント7を通電することにより、フィラメント7を予備加熱し、電子放出の準備を行う。続いて、電源装置からマイナス数kV〜マイナス数100kVの電源電圧を印加する。この電源電圧は、内部配線9a及び9bを介してフィラメント7に供給される。そして、所望の管電流値が得られるような温度までフィラメント7を加熱する。その後、グリッド部8によってフィラメント7から電子を引き出して放出させる。
フィラメント7から放出された電子は、グリッド部8によって拡散が抑制され、印加電圧に応じたエネルギーを持った電子線EBとなる。電子線EBは、拡がるように直進し、ロッド部20の内部を電子線出射窓11へ向かって進む。電子線EBは、調整用電磁コイル13によって軌道が微調整された後、集束用電磁コイル14によってロッド部20の内部に集束点が形成されないように集束制御される。その後、電子線EBは、電子線出射窓11に到達し、電子線出射窓11を透過して電子線照射装置1の外部へ出射される。電子線EBを出射状態とした後、ロッド部20の先端側をボトルBの口部Baを介してボトルBの内部に挿入する。これにより、電子線EBがボトルBの内面に効率よく照射され、ボトルBの内面が滅菌される。
このような電子線EBの照射と同時に、延在するロッド部20の先端側の電子線出射窓11を、次のように冷却する。すなわち、窒素ガス発生器37から窒素ガスを圧送し、当該窒素ガスをガス導入部Kからガス導入孔23aを介して基端空間34へ導入する。基端空間34内の窒素ガスは、複数の冷却気体流路33に流入し、各冷却気体流路33において基端側から先端側へと流通する。各冷却気体流路33を通った窒素ガスは、中継流路36を介して先端空間35に流入する。先端空間35内の窒素ガスは、複数の冷却気体噴出孔40に流入し、各冷却気体噴出孔40から電子線出射空間Rへ吹き付けられる。これにより、窒素ガスは、電子線出射窓11に接触して、当該電子線出射窓11を直接冷却する。その後、窒素ガスは、先端側へと向きを変えて流れ、外部雰囲気に拡散する。
ところで、空冷における熱流量(運ぶ熱の量)は、冷却気体の速度ひいては圧力(動圧)が大きくなるに応じて増加する。そのため、電子線出射窓11に接触する冷却気体の圧力が大きいほど、その冷却効率は大きくなることが見出される。流路断面積を小さくすれば、流量が同じであれば、冷却気体の速度は速くなるため、冷却効率は向上する。しかし、単純に流路断面積を小さくすると、圧力損失が大きくなって冷却気体は流れ難くなる。
そこで、電子線照射装置1において、冷却気体噴出孔40は、冷却気体流路33の流路断面積より小さい流路断面積を有している。これにより、冷却気体流路33で窒素ガスを確実に流通させると共に、その後に、小さい流路断面積の冷却気体噴出孔40で当該窒素ガスを噴出して、噴出する窒素ガスの圧力を高めることができる。すなわち、電子線出射窓11に対して圧力の高い窒素ガスを直接的に供給することを実現可能となる。したがって、延在するロッド部20の先端側に設けられた電子線出射窓11に対して、効率よく冷却することが可能となる。電子線出射窓11の発熱による破損を抑制し、電子線出射窓11の耐久性の大幅な向上を達成できる。
なお、電子線出射窓11を効率よく冷却するにあたり、十分な冷却効率を得られる流量で冷却水を流通させて電子線出射窓11を冷却する水冷冷却構造も考えられる。しかし、ロッド部20をボトルB内部に挿入するためにロッド部20の太さには制限が存在することから、当該水冷冷却構造をロッド部20に設けることは非常に困難となる可能性がある。これに対して、電子線照射装置1では、窒素ガスを冷却媒体として電子線出射窓11を直接冷却する空冷である。空冷の場合、水冷の場合と比べて、電子線出射窓11に冷却媒体を直接接触させ易い。よって、ロッド部20の太さには制限が存在する場合においても、電子線出射窓11の冷却を効率よく行うことができるため、ロッド部20の小径化を維持しつつ電子線出射窓11の冷却効率を高めることが可能となる。
電子線出射窓11を圧力の高い窒素ガスで直接冷却できることから、電子線出射窓11の冷却効率を高めるために窒素ガスの流路を広げて流量を高めるという必要性を低減できる。ロッド部20の太さには制限が存在する場合には、窒素ガスの流路を広げる必要性を低減できる当該効果は、特に有効である。
電子線照射装置1では、冷却気体噴出孔40は、窒素ガスを電子線出射窓11の電子線出射領域Aに向かって噴出させる。これにより、電子線出射窓11において最も高温化する部位に窒素ガスを直接吹き付け、電子線出射窓11の冷却を一層効率よく行うことができる。
電子線照射装置1では、冷却気体噴出孔40は壁部材24に複数設けられている。冷却気体流通空間32は先端空間35を含んでいる。先端空間35をガスだまりとして機能させ、冷却気体流路33からの窒素ガスを先端空間35に溜めることができる。これにより、複数の冷却気体噴出孔40への窒素ガス供給を、共通の先端空間35から行うことができる。複数の冷却気体噴出孔40から噴出される各窒素ガスの状態を均一化できる。その結果、電子線出射窓11に対して偏りの少ない冷却を行うことが可能となる。
電子線照射装置1では、冷却気体流通空間32は、複数の冷却気体流路33と基端空間34とを含む。基端空間34をガスだまりとして機能させ、外部から導入された窒素ガスを基端空間34に溜めることができる。これにより、複数の冷却気体流路33への冷却気体の供給を、共通の基端空間34から行うことができる。複数の冷却気体流路33を流通する各窒素ガスの状態を均一化できる。その結果、電子線出射窓11に対して偏りの少ない冷却を行うことが可能となる。
電子線照射装置1では、第1筒状部材21の外周面には、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において、冷却気体流路33を構成するように当該外周面と第2筒状部材22の内周面とを離間させる離間部21dが形成されている。第1筒状部材21の外周面と第2筒状部材22の内周面とは、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において少なくとも2点で接触する。これにより、例えば動作時の外部要因等によって第1筒状部材21と第2筒状部材22との間隔を変化させようとする力が作用した場合や、組立精度による構造のバラツキ又は偏りが生じた場合でも、冷却気体流路33が狭まったり広がったりするのを抑制でき、冷却気体流路33を精度よく維持できる。冷却気体流路33において安定的に窒素ガスを流通させることができ、電子線出射窓11の冷却を安定的に行うことが可能となる。
また、このように、第1筒状部材21の外周面と第2筒状部材22の内周面とが少なくとも2点で接触することから、第2筒状部材22に対する第1筒状部材21の位置決め、及び、第1筒状部材21に対する第2筒状部材22の位置決めを容易に行うことができる。
電子線照射装置1では、離間部21dが第1筒状部材21の外周面に形成されている。これにより、第2筒状部材22の内周面に離間部21dを形成する場合に比べて、離間部21dを容易に形成することができる。
電子線照射装置1は、調整用電磁コイル13及び集束用電磁コイル14を備える。調整用電磁コイル13及び集束用電磁コイル14によって電子線EBの軌道及び集束を適切に調整することで、第1筒状部材21の内周面への電子線EBの入射を抑制し、効率よく電子線EBを電子線出射窓11に導くことができる。ロッド部20の発熱を抑制でき、冷却気体流路33を流通する窒素ガスが当該発熱で加熱されることを抑制できる。その結果、電子線出射窓11に至る窒素ガスが当該加熱で昇温してしまうことを抑制でき、電子線出射窓11の冷却を一層効率よく行うことが可能となる。
電子線照射装置1では、第2筒状部材22は磁性材料により形成されている。これにより、第2筒状部材22を磁気シールドとして機能させ、第1筒状部材21の内部を通過する電子線EBに外部磁界の影響が及ぶことを抑制できる。具体的には、第1筒状部材21内の電子線EBに及ぶ地磁気等の外部磁気を遮蔽して、当該電子線EBの軌道のずれを抑制できる。なお、第2筒状部材22ではなく第1筒状部材21を磁性材料により形成してもよいし、第1筒状部材21及び第2筒状部材22の両方を磁性材料により形成してもよい。また、ロッド部20を別途に磁性体で覆ってもよい。
電子線照射装置1では、電子線出射窓11は、第1筒状部材21の先端側の端面上に配置されている。壁部材24は、電子線出射窓11の電子線出射側上に配置されている。第2筒状部材22に着脱自在に固定された押さえ部材25は、壁部材24を電子線出射窓11に向かって押さえ付ける。これにより、冷却気体噴出孔40が設けられた壁部材24を利用して、電子線出射窓11を押さえ付けて固定できる。また、押さえ部材25を外すことで、電子線出射窓11を容易に交換できる。
電子線照射装置1では、電子線出射窓11が第1筒状部材21の端面上にシート材28を介して設けられ、壁部材24が電子線出射窓11にシート材29を介して設けられている。シート材28によって第1筒状部材21の内部を気密化できる。シート材29によって先端空間35を気密化できる。
電子線照射装置1では、押さえ部材25が壁部材24にシート材30を介して設けられている。シート材30によって先端空間35を気密化できる。また、着脱時に押さえ部材25を回転した場合、シート材30は押さえ部材25に対して滑るために押さえ部材25と一緒に回転しないため、押さえ部材25を回転した際の回転力が壁部材24に及ぶのを抑制できる。
電子線照射装置1では、冷却気体噴出孔40から吹き付けた窒素ガスは、外部雰囲気に流れて拡散する。したがって、窒素ガスをロッド部20内において循環させる機構を不要にでき、ひいては、窒素ガスを放熱する機構を不要にできる。
電子線照射装置1では、ロッド部20は本体部10に着脱自在に固定される。これにより、ロッド部20を再現性よく交換することが可能となる。組立て及びメンテナンス時の作業を低減できる。
電子線照射装置1では、壁部材24で冷却気体流通空間32と電子線出射空間Rとを仕切った上で、この壁部材24に形成した冷却気体噴出孔40によって窒素ガスを噴出させて電子線出射窓11を直接冷却している。壁部材24及び冷却気体噴出孔40を備えずに電子線出射窓11を直接冷却する構造に比べて、組立精度による構造のバラツキ又は偏りが万が一に生じ得た場合でも、電子線出射窓11の冷却を安定的に行うことが可能となる。
電子線照射装置1において、ロッド部20へ導入する窒素ガスの圧力と、冷却気体噴出孔40から噴出される窒素ガスの流量(l/min)とについては、比例関係にあることが見出される。そこで、窒素ガス発生器37からロッド部20へ供給する窒素ガスの圧力を、当該比例関係に基づき制御部12により制御することで、冷却気体噴出孔40から噴出される窒素ガスの流量を制御できる。
図7は、図1のロッド部20の先端側における窒素ガスの流れを解析した結果を示す図である。図7は、電子線出射窓11の電子線出射側の斜視図である。図中の矢印は、解析により求められた窒素ガスの流線である。窒素ガスは、電子線出射空間R内において、電子線出射窓11の中央部分(電子線出射領域A)に向かって4方向から吹き付けられている。図7に示される解析結果によれば、壁部材24の各冷却気体噴出孔40から噴出した窒素ガスは、電子線出射窓11に向かって広がるように進み、電子線出射窓11に当たり、電子線出射窓11の中央付近で電子線出射側(図示上側)へと向きを変え、拡散していくことを確認できる。電子線出射窓11に窒素ガスを接触させ、当該電子線出射窓11を冷却できることを確認できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
上記実施形態では、冷却気体噴出孔40は断面円形であるが、断面円形以外の断面形状であってもよく、断面楕円形であってもよい。冷却気体噴出孔40は、広範囲を冷却可能にするために、断面矩形のスリットであってもよい。また、冷却気体噴出孔40を例えば以下のように構成してもよい。
図8(a)は、第1変形例に係るロッド部20Aの先端側を示す拡大断面図である。図8(a)に示されるように、ロッド部20Aの壁部材24には、電子線出射窓11の電子線出射側の表面に沿って窒素ガスを吹き付ける冷却気体噴出孔40Aが設けられている。冷却気体噴出孔40Aは、壁部材24の基端側の端部に設けられ、壁部材24の径方向に沿って真っ直ぐ延びる。冷却気体噴出孔40Aは、壁部材24の中心軸を介して対向するような対で設けられていない。冷却気体噴出孔40Aによれば、電子線出射窓11の電子線出射側の表面に沿うように窒素ガスを接触させ、電子線出射窓11の熱を効率よく運び、電子線出射窓11を効果的に冷却できる。
図8(b)は、第2変形例に係るロッド部20Bの先端側を示す拡大断面図である。図8(b)に示されるように、ロッド部20Bの壁部材24には、上記冷却気体噴出孔40A(図8(a)参照)と同様な冷却気体噴出孔40Bが、壁部材24の中心軸を介して対向するような対で設けられている。冷却気体噴出孔40Bにおいても、電子線出射窓11の電子線出射側の表面に沿うように窒素ガスを接触させ、電子線出射窓11の熱を効率よく運び、電子線出射窓11を効果的に冷却できる。
図8(c)は、第3変形例に係るロッド部20Cの先端側を示す拡大断面図である。図8(c)に示されるように、ロッド部30Cの壁部材24には、電子線出射空間Rへ径方向に沿って真っ直ぐ窒素ガスを吹き付ける冷却気体噴出孔40Cが設けられている。冷却気体噴出孔40Cは、電子線EBの出射方向における壁部材24の中央部分に設けられている。冷却気体噴出孔40Cは、壁部材24の径方向に沿って真っ直ぐ延び、先端側及び基端側の何れにも傾斜していない。冷却気体噴出孔40Cは、壁部材24の中心軸を介して対向するような対で設けられている。
上記実施形態では、ロッド部20の延在方向に垂直な断面において、第2筒状部材22の内周面が第1筒状部材21の外周面に対して離間部21dと隣接する4点で接触する構成としたが、3点で接触する構成としてもよいし、2点で接触する構成としてもよいし、5点以上で接触する構成としてもよい。
上記実施形態では、離間部21dの形状は特に限定されず、種々の形状のであってもよい。例えば図9に示される離間部121dが形成されていてもよい。離間部121dは、ロッド部120の第1筒状部材121の外周面において、周方向に等間隔の4箇所に形成されている。離間部121dは、第1筒状部材121の軸方向に沿って延在する。離間部121dは、第1筒状部材121の軸方向に沿い且つ径方向内側に凸となる曲面でもって、第1筒状部材121の外周面側の一部を切り欠いて成るような形状を有する。離間部121dの軸方向に垂直な断面は、径方向を短手方向とする楕円形状を有する。このような離間部121dにより、第1筒状部材121の外周面には、互いに対向する断面円弧状の一対の曲面が2組形成されている。離間部121dによれば、ロッド部120の太さを維持しながら、冷却気体流路33を広げることができる。
上記実施形態において、冷却気体噴出孔40の数は、1つでもよいし、複数でもよい。上記実施形態において、冷却気体流路33の数は、1つでもよいし、複数でもよい。上記実施形態において、電子線出射窓11は、例えばロウ付け又は溶接により第1筒状部材21の先端側の端部に接合されていてもよい。上記実施形態において、ロッド部20の長さは特に限定されず、挿入する容器の大きさ又は形状に応じた長さであればよい。
上記実施形態では、離間部21dを第1筒状部材21の外周面に設けたが、これに代えてもしくは加えて、離間部21dと同様な離間部を第2筒状部材22の内周面に設けてもよい。上記実施形態において、離間部は、冷却気体流路33を構成するように第1筒状部材21の外周面と第2筒状部材22の内周面とを離間させるものであればよく、ロッド部20の延在方向に沿って延びる切欠きであってもよいし、ロッド部20の延在方向に沿って延びる溝であってもよいし、ロッド部20の延在方向に沿って延びる凹部(凹条)であってもよい。
上記実施形態では、ロッド部20(特に第1筒状部材21)を電子銃EG側に延長させることで、電子銃EGから出射した電子線EBを通過させる通過孔10aを構成してもよい。この場合、電子通過経路における中心軸を容易に得ることができ、電子線EBの調整が容易となる。また、第1筒状部材21及び第2筒状部材22の両方を磁性材料で形成しなくてもよい。第1筒状部材21及び第2筒状部材22の両方を、例えばステンレス、アルミニウム又は無酸素銅等の非磁性材料で形成してもよい。この場合、調整用電磁コイル13及び集束用電磁コイル14の形成する磁界を、第1筒状部材21内の電子線EBへ容易に導くことができる。
上記実施形態では、調整部として調整用電磁コイル13を適用したが、調整部は特に限定されず、電子線EBの軌道を調整できるものであれば、種々の手段を調整部として適用できる。上記実施形態では、集束部として集束用電磁コイル14を適用したが、集束部は特に限定されず、電子線EBを集束制御できるものであれば、種々の手段を集束部として適用できる。また、調整部及び集束部の少なくとも何れかを備えない場合もある。また、複数の調整用電磁コイル13及び集束用電磁コイル14を組み合わせてもよく、この場合、電子線EBを高精度に制御できる。また、調整用電磁コイル13と集束用電磁コイル14との配置を互いに入れ替えてもよい。
上記実施形態では、基端空間34と外部とを連通させるものとして、ガス導入孔23a(図3参照)を形成したが、それに代えて、図10に示されるように、ガス導入孔23bを形成してもよい。ガス導入孔23bは、固定部材23、第1筒状部材21のフランジ21a及び本体部10を貫通する。ガス導入孔23bには、本体部10における調整用電磁コイル13の配置領域近傍の外表面に設けられたガス導入部Kを介して、窒素ガス発生器37が接続されている。これにより、窒素ガス発生器37で発生させた窒素ガスが、ガス導入部Kからガス導入孔23bを介して基端空間34内へ導入される。このようにガス導入部Kがロッド部20から離間した位置に設けられることで、ロッド部20をボトルB内へ挿入する際にガス導入部Kが挿入の妨げになり難くなると共に、電子線EBの照射に伴って発生するオゾン等にさらされてガス導入部Kが劣化してしまうことを抑制できる。
なお、以上に記載した上記実施形態及び上記変形例の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。上記「等しい」の語は、完全に等しい場合だけでなく、略等しい場合を含む。上記「同じ」の語は、完全に同じ場合だけでなく、略同じ場合を含む。上記「等しい」及び上記「同じ」の語は、設計上、計測上又は製造上等の誤差を含む。
1…電子線照射装置、2…電子線発生部、3…筐体、10…本体部、11…電子線出射窓、13…調整用電磁コイル(調整部)、14…集束用電磁コイル(集束部)、20,20A,20B,20C,120…ロッド部、21,121…第1筒状部材、21d,121d…離間部、22…第2筒状部材、24…壁部材、25…押さえ部材、32…冷却気体流通空間、33…冷却気体流路、34…基端空間、35…先端空間、40…冷却気体噴出孔、A…電子線出射領域、EB…電子線、EG…電子銃、R…電子線出射空間。

Claims (9)

  1. 電子線を出射する電子銃と、
    前記電子銃を収容する本体部、及び、基端側が前記本体部に接続され且つ先端側が前記本体部から突出するように延在するロッド部を有する筐体と、
    前記ロッド部の先端側に設けられた電子線出射窓と、を具備し、
    前記ロッド部は、
    前記ロッド部の延在方向を軸方向とする筒形状を有し、先端側の端部に前記電子線出射窓が設けられ、前記電子線が内部を通過する第1筒状部材と、
    前記ロッド部の延在方向を軸方向とする筒形状を有し、前記第1筒状部材を包囲する第2筒状部材と、
    基端側から導入された冷却気体を先端側へ流通させる空間であって、前記第1筒状部材の外壁面と前記第2筒状部材の内壁面との間に設けられた冷却気体流路を少なくとも含む冷却気体流通空間と、
    前記電子線出射窓の電子線出射側に面する電子線出射空間と前記冷却気体流通空間とを仕切るように設けられた壁部材と、を備え、
    前記壁部材には、前記冷却気体流通空間から前記電子線出射空間へ前記冷却気体を噴出させる冷却気体噴出孔が設けられ、
    前記冷却気体噴出孔は、前記冷却気体流路の流路断面積より小さい流路断面積を有する、電子線照射装置。
  2. 前記冷却気体噴出孔は、前記冷却気体を前記電子線出射窓の電子線出射領域に向かって噴出させる、請求項1に記載の電子線照射装置。
  3. 前記冷却気体噴出孔は、前記壁部材に複数設けられ、
    前記冷却気体流通空間は、
    前記壁部材の周囲に形成され、前記冷却気体流路と複数の前記冷却気体噴出孔とを連通させる先端空間をさらに含む、請求項1又は2に記載の電子線照射装置。
  4. 前記冷却気体流通空間は、
    前記冷却気体流路を複数含むと共に、
    前記ロッド部の基端側に形成され、複数の前記冷却気体流路と連通し、前記ロッド部外から前記冷却気体が導入される基端空間をさらに含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  5. 前記第1筒状部材の前記外壁面と第2筒状部材の前記内壁面との少なくとも一方には、前記ロッド部の延在方向に垂直な断面において、前記冷却気体流路を構成するように前記外壁面と前記内壁面とを離間させる離間部が形成され、
    前記第1筒状部材の前記外壁面と前記第2筒状部材の前記内壁面は、前記ロッド部の延在方向に垂直な断面において、少なくとも2点で接触する、請求項1〜4の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  6. 前記離間部は、前記第1筒状部材の前記外壁面に形成されている、請求項5に記載の電子線照射装置。
  7. 前記電子線の軌道を調整する調整部と、
    前記電子線の集束を制御する集束部と、を具備する、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  8. 前記第1筒状部材及び前記第2筒状部材の少なくとも一方は、磁性材料により形成されている、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子線照射装置。
  9. 前記電子線出射窓は、前記第1筒状部材の先端側の端面上に配置され、
    前記壁部材は、筒形状を有し、前記電子線出射窓の電子線出射側の面上に配置され、
    前記第2筒状部材に着脱自在に固定され、前記壁部材を前記電子線出射窓に向かって押さえ付ける押さえ部材をさらに具備する、請求項1〜8の何れか一項に記載の電子線照射装置。
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