JP2004079304A - X線管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】偏向コイル26と真空外囲器20との間に介在すると共に、偏向コイル26及びターゲット部材30と熱的に接続された冷却部材40を備える。冷却部材40が冷却されることにより、ターゲット部材30及び偏向コイル26が冷却されるので、ターゲット部材30に電子線が入射されてもターゲット部材30を所定の低温に維持できターゲット部材30の損傷が低減される一方、偏向コイル26を所定の低温に維持でき偏向コイル26の特性が変化しにくくされる。さらに、冷却部材40が偏向コイル26と真空外囲器20との間に介在し、偏向コイル26と真空外囲器20とが熱的に遮断されているので、偏向コイル26で発生する熱が真空外囲器20にほとんど伝達されず、X線管10の劣化や特性の変動も低減される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ターゲットの一方の面に電子線が入射されターゲットの他方の面からX線が放射されるX線管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、真空外囲器内で電子線をターゲットの一方の面に入射させ、ターゲットの他方の面から放射されるX線を出射窓を介して外部に出射させる、いわゆる、透過型のX線管が知られている。
【0003】
このような透過型のX線管においては、電子線の入射によりターゲットが加熱され、ターゲットが高温になるとターゲットの損傷が促進される。このため、ターゲットの損傷を抑制すべくターゲットを冷却する必要があり、例えば、特開平4−262348号公報には、水冷管を備えた冷却部材でターゲットを冷却するX線管が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような透過型のX線管においては、ターゲットに入射される電子線を偏向すべく真空外囲器を外側から取り囲むような電磁コイル等の偏向コイルを備える場合がある。ところが、このような偏向コイルは駆動時に発熱するため、温度の変化に伴って偏向特性が変化してしまう。このため、ターゲット及び偏向コイルを冷却可能な手段が求められていた。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ターゲット及び偏向コイルを好適に冷却することが可能なX線管を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るX線管は、外囲器内で電子線をターゲットの一方の面に入射させ、ターゲットの他方の面から放射されるX線を外囲器に設けられた出射窓を介して外囲器の外に出射させるX線管において、外囲器の外に配設されターゲットに入射する電子線を偏向させる偏向コイルと、偏向コイルと外囲器との間に介在すると共に偏向コイル及びターゲットと熱的に接続された冷却部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明のX線管によれば、冷却部材が冷却されることにより、冷却部材と熱的に接続されたターゲット及び偏向コイルが冷却される。このため、ターゲットに電子線が入射され発熱してもターゲットを所定の低温に維持できターゲットの損傷が低減されると共に、偏向コイルがその使用により発熱しても偏向コイルを所定の低温に維持でき偏向コイルの特性が変化しにくくされて電子線の偏向量を高精度に制御できる。さらに、冷却部材が偏向コイルと外囲器との間に介在し、偏向コイルと外囲器とが熱的に遮断されているので、偏向コイルで発生する熱が外囲器にほとんど伝達されず、X線管の劣化や特性の変動も低減される。
【0008】
ここで、ターゲットは出射窓の内側の面に形成され、冷却部材は出射窓を介してターゲットと熱的に接続されることが好ましい。
【0009】
これにより、X線管が小型かつ簡易な構造とされると共に、ターゲットの熱が出射窓を介して好適に冷却部材に伝達される。
【0010】
また、出射窓の外側の面に出射窓よりも熱伝導性が高い放熱薄板を備え、放熱薄板は冷却部材と熱的に接続されることが好ましい。
【0011】
ターゲットよりも熱伝導性が高い放熱薄板を介してターゲットや出射窓の熱が冷却部材に好適に伝達され、ターゲットの熱をより効率よく除熱することができる。
【0012】
また、冷却部材は、冷却媒体が通過可能な流路を備えることが好ましい。これにより、冷却媒体の通過によって冷却部材を簡易かつ好適に冷却することが可能とされる。
【0013】
また、ターゲットから発生するX線の状態を監視するX線監視手段を備え、冷却部材はさらにX線監視手段と熱的に接続されることが好ましい。
【0014】
これにより、ターゲットから発生するX線の状態をリアルタイムに監視することが可能とされ、X線の状態に基づいて、ターゲットに入射される電子線の電圧や電流等を制御したり、電子線を偏向させて電子線の入射位置を移動させたりすること等により、ターゲットから発生するX線の状態を一定にすることができる。また、X線監視手段が冷却部材によって冷却されるので、X線監視手段を所定の低温に維持することができ、X線の監視の精度が向上できる。
【0015】
また、X線監視手段は、出射窓でX線が出射される面よりもターゲットで電子線が入射される面側に設置されることが好ましい。
【0016】
これにより、X線監視手段を、出射窓でX線が出射される面よりもX線出射方向側に設置する場合に比して、出射窓から被検査物等へX線を照射する際にX線監視手段が邪魔にならない。このため、出射窓と被照射物等とを近接させることが可能とされ、拡大率の大きなX線画像等が得られる。
【0017】
また、X線監視手段は、さらに、冷却部材の内側に設置されることが好ましく、これにより、X線管をより小型化できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係るX線管の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、第一実施形態に係るX線管10を備えるX線発生装置1を示す概略構成図であり、図2は図1中のX線管10の断面図である。本実施形態のX線発生装置1は、図1に示すように、主として、ターゲット部材30へ電子線を照射してX線を発生させるX線管10と、X線管10に所定の電流電圧を印加して電子線を発生させるX線電源12と、X線管10を冷却すべく水等の冷却媒体をX線管10に対して供給する冷却媒体供給装置16と、X線電源12や冷却媒体供給装置16等と接続されX線管10からのX線の発生等を制御するコントローラ14と、を備えて構成されている。
【0020】
冷却媒体供給装置16は、冷却媒体の温度を測定する温度センサ16aと、温度センサ16aによって測定された温度に基づいて冷却媒体を所定の低温に冷却する冷却器16bと、所定の低温とされた冷却媒体をX線管10に対して供給し回収する循環ポンプ16cと、を備えている。
【0021】
X線管10は、いわゆる、透過型のX線管であって、図2に示すように、水平方向に延在する略円筒形状をなしほぼ真空状態に封止された真空外囲器(外囲器)20により外郭が構成されている。
【0022】
真空外囲器20の軸方向一端側(図2の左側)は金属材料からなる外囲器本体21であり、一端側が閉じられた横型円筒形状とされている。一方、真空外囲器20の軸方向他端側(図2の右側)は、ガラスやセラミクス等の絶縁体によって形成されたバルブ22であり、他端側が閉じられた横型円筒形状とされ、外囲器本体21と接続されている。
【0023】
真空外囲器20内には、真空外囲器20の中心軸に沿って一端側に向けて電子線を出射する電子銃23が配設され、この電子銃23はバルブ22の他端側に貫通固定された複数のピン24によって支持されている。このピン24は電子銃23内の電極やフィラメント等(不図示)と電気的に接続されると共に、図1に示すように、X線電源12と電気的に接続されており、電子銃23に所定の電流電圧を供給して電子銃23を駆動する。なお、図2に示すように、真空外囲器20内には、電子銃23を取り囲むように設置され電子線を収束させるフォーカス電極25が設置されている。
【0024】
外囲器本体21の一端側の端部で、電子銃23からの電子線が入射される部分には、平板状のターゲット部材30が嵌め込まれている。
【0025】
このターゲット部材30は、X線を透過し易くかつ所定の強度を有し出射窓として機能するターゲット基板32上に、電子線が入射されるとX線を発生するターゲット薄膜(ターゲット)34を形成させたものであり、ターゲット薄膜34が電子銃23に対面すると共に、ターゲット基板32が外囲器本体21の外に面するように外囲器本体21の一端に嵌め込まれている。ここで、ターゲット基板32としては、例えばベリリウム等が使用でき、ターゲット薄膜34としては、例えばタングステン等が使用できる。
【0026】
また、ターゲット部材30は、図1に示すように、外囲器本体21を介してX線電源12と電気的に接続され、所定の正の電圧が印加される。
【0027】
外囲器本体21の周壁の外側には、図2に示すように、外囲器本体21を軸回りに取り囲むように偏向コイル26が配設されている。この偏向コイル26は、電磁コイル(不図示)を有すると共に、図1に示すようにコントローラ14と接続されている。そして、偏向コイル26は、図2に示すように、電子銃23とターゲット部材30との間に電界や磁界を形成し、電子銃23からターゲット部材30に入射される電子線を偏向させてターゲット薄膜34における電子線の入射位置や電子線の集束度等を変更させる。
【0028】
そして、本実施形態のX線管10においては、銅等の導電性の高い材料により形成され、外囲器本体21を軸方向一端側から覆う冷却部材40を備えている。
【0029】
この冷却部材40は、真空外囲器20と同軸とされた円筒部40aと、中央に開口部40cが形成され円筒部40aの軸方向一端側の端部に連結された円環状のつば部40bと、を有している。
【0030】
円筒部40aは、その周壁内側が外囲器本体21の周壁外側に接すると共に、円筒部40aの周壁外側が偏向コイル26の周壁内側に接するように外囲器本体21と偏向コイル26との間に介在している。
【0031】
つば部40bは、外囲器本体21の一端側の端面に接するようにされている。また、つば部40bの開口部40cの開口面積は、ターゲット基板32の面積よりもやや小さくなるようにされており、つば部40bの開口部40cの近傍が、ターゲット基板32表面の周辺部と接触している。なお、ターゲット部材30の表面の中央部分は外部に対して露出されている。
【0032】
冷却部材40の円筒部40a内には、水等の冷却媒体が流通可能な冷媒流路(流路)40eが周方向に螺旋状に形成されている。冷媒流路40eの両端は、図1に示すように、各々連通管17を介して冷却媒体供給装置16と接続されており、冷却媒体供給装置16からの所定の低温とされた冷却媒体は、冷却部材40内の冷媒流路40eを通過することにより冷却部材40を冷却し、この冷却によって加熱された冷却媒体は冷却媒体供給装置16に戻る。
【0033】
さらに、本実施形態のX線管10においては、図2に示すように、外囲器本体21の周壁に設置され、ターゲット薄膜34からのX線をBe等のモニタ窓52を介して入射しX線の線量を監視するX線モニタ(X線監視手段)50を備えている。
【0034】
X線モニタ50は、冷却部材40の円筒部40aの周壁内面に接するようにされると共に、ターゲット基板32の表面よりも電子銃23側に位置するように、外囲器本体21の周壁に嵌め込まれている。
【0035】
また、X線モニタ50は、図1に示すように、コントローラ14と接続されており、モニタ窓52を介して検出したX線の線量等の状態をコントローラ14に送信する。
【0036】
次に、このようなX線管10を有するX線発生装置1の動作について説明する。
【0037】
コントローラ14は、X線電源12を制御し、X線管10の電子銃23とターゲット部材30とに所定の電流電圧を印加させ、電子銃23から電子線を出射させてターゲット薄膜34に入射させる。
【0038】
これにより、ターゲット薄膜34からX線が放射され、このX線は、ターゲット基板32を透過窓として透過して真空外囲器20から外部に出射される。
【0039】
また、コントローラ14は、X線モニタ50が検出するX線の線量等の状態をリアルタイムに監視し、ターゲット薄膜34から発生するX線の線量等が一定になるようにX線電源12や偏向コイル26を制御する。
【0040】
さらに、コントローラ14は冷却媒体供給装置16を制御し、所定の低温の冷却水が冷却部材40内を流通するようにさせる。
【0041】
このとき、ターゲット薄膜34は、電子線の入射により加熱されるが、この熱は、ターゲット基板32、冷却部材40のつば部40b、冷却部材40の円筒部40aを順に伝達し、冷媒流路40e内を通過する所定の低温とされた冷却媒体によって除熱されるため、ターゲット薄膜34の温度が所定の低温に維持される。このため、ターゲット薄膜34の劣化が低減されて、ターゲット部材30の長寿命化が達成できる。
【0042】
また、偏向コイル26が駆動されて偏向コイル26が発熱するが、この熱は、偏向コイル26と接触する冷却部材40の円筒部40aに伝達され、冷媒流路40e内の冷却媒体によって除熱されるので、偏向コイル26の温度が所定の低温に維持される。このため、偏向特性の変化がほとんどなくなるので、精度よく電子線の偏向を行うことが可能とされる。
【0043】
また、偏向コイル26と外囲器本体21との間に冷却部材40が介在しているので、偏向コイル26で発生する熱が外囲器本体21にほとんど伝わらず、外囲器本体21が加熱されることも防止され、真空外囲器20等の劣化も低減されている。さらに、外囲器本体21も冷却部材40と接触しているので、外囲器本体21も所定の定温に維持され、真空外囲器20の劣化がより低減されている。
【0044】
なお、偏向コイル26と外囲器本体21との間に冷却部材40を介在させず、外囲器本体21の外周に偏向コイル26が接するように配置して、冷却部材を単に、偏向コイル26の周壁外面や軸方向側の端面等と、ターゲット部材30と、に接触させるだけの構成が考えられるが、この場合、偏向コイル26からの熱が偏向コイル26の周壁内面を経て真空外囲器20に伝達されるので好ましくない。
【0045】
また、本実施形態のX線管10は、X線モニタ50を備えており、長時間の電子線の照射によるターゲット部材30の損傷や、電流や電圧の予期しない変動等によって、ターゲット部材30から発生するX線の線量等が変動しても、これを直ちに検出できる。このため、コントローラ14によってX線電源12の電流電圧を調整したり、偏向コイル26の偏向量の調節して未損傷のターゲット薄膜34に電子線を入射させたりすること等によって、X線の線量等をフィードバック補正することができ、ターゲット部材30から出射されるX線の線量等が一定とされ、X線源として好適である。
【0046】
また、このようなX線モニタ50においては、例えば、半導体素子等を用いて線量を検出する場合等、X線モニタ50自体の温度が変動すると検出値が大きく変動してしまい精度が悪化する場合がある。ところが、本実施形態においては、X線モニタ50が冷却部材40と接触していてX線モニタ50自体が所定の低温に維持されるため、X線モニタ50の検出特性の変動も低減されて、X線の線量等の状態を精度よく測定することができる。
【0047】
さらに、このX線モニタ50は、ターゲット基板32のX線出射面よりも、ターゲット薄膜34の電子線入射面側に設置されているので、このようなX線モニタ50が、ターゲット基板32から出射されるX線を受ける被照射物側の邪魔とならない。このため、被照射物等をターゲット基板32に近接させることができるので、高倍率のX線画像等を取得することができる。また、X線モニタ50は外囲器本体21に嵌め込まれていて、冷却部材40よりも内側とされているので、X線管10のコンパクト化が実現されている。
【0048】
次に、本発明の第二実施形態に係るX線管120について、図3を参照して説明する。本実施形態のX線管120が、第一実施形態に係るX線管10と異なる点は、ターゲット部材30に代えて、ターゲット部材30のターゲット基板32上にさらに放熱シート(放熱薄板)122を設けてなるターゲット部材130を備えている点であり、これに対応して放熱シート122の周辺部が、冷却部材40のつば部40bと接触されている。
【0049】
この放熱シート122は、ターゲット基板32よりも高熱伝導率でかつX線の透過率の高い軽元素材料からなるシートであり、例えば、グラファイトシート(松下電子部品株式会社製PGSグラファイトシート)等が採用できる。
【0050】
本実施形態によれば、ターゲット薄膜34やターゲット基板32の面内中央部分の熱が、熱伝導率の高い放熱シート122によってターゲット部材130の周辺部へ向かって効率よく伝達されて冷却部材40のつば部40bに達するので、より効率よくターゲット薄膜34の冷却が可能とされる。
【0051】
なお、本発明に係るX線管は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形態様をとることが可能である。
【0052】
例えば、上記実施形態においては、冷却部材40と、偏向コイル26やX線モニタ50やターゲット部材30,130とが直接接触しているがこれに限られず、他の熱伝導性の高い部材等を介して接触していてもよく、要は、偏向コイル26やX線モニタ50やターゲット部材30,130において発生する熱を除熱すべくこれらが冷却部材40と熱的に接続されていればよい。
【0053】
また、上記実施形態において、冷却部材40は冷却媒体が通過可能な冷媒流路40eを備え冷却媒体の通過によって冷却されるが、例えば、ペルチェ素子等によって電子冷却されてもよく、ファン等によって冷却されてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、外囲器本体21と冷却部材40とを別々の部材としているが、外囲器本体21を熱伝導率の高い銅等の部材として冷却部材と一体化してもよい。
【0055】
また、上記実施形態においては、小型かつ簡易な構造とすべくターゲット部材30のターゲット基板32が真空外囲器20の出射窓とされているが、ターゲット基板32とは別の出射窓を設けても構わない。また、ターゲット薄膜34を出射窓としてもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、X線モニタ50を出射窓としてのターゲット基板32よりも電子銃23側に配置しているが、X線モニタ50が十分小さい場合等には、出射窓よりもX線出射方向側に配置してもよい。
【0057】
また、上記実施形態においては、X線管10は真空外囲器20を備えているが、これに代えて、使用時に内部が減圧され不使用時には内部が常圧とされる開放型外囲器を備えていてもよい。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るX線管は、偏向コイルと外囲器との間に介在すると共に、偏向コイル及びターゲットと熱的に接続された冷却部材を備える。そして、冷却部材が冷却されることにより、冷却部材と熱的に接続されたターゲット及び偏向コイルが冷却され、ターゲットに電子線が入射されてもターゲットを所定の低温に維持できターゲットの損傷が低減される一方、偏向コイルを使用しても偏向コイルを所定の低温に維持でき偏向コイルの特性が変化しにくくされて電子線の偏向量を高精度に制御できる。さらに、冷却部材が偏向コイルと外囲器との間に介在し、偏向コイルと外囲器とが熱的に遮断されているので、偏向コイルで発生する熱が外囲器にほとんど伝達されず、X線管の劣化や特性の変動も低減される。
【0059】
これによって、ターゲット及び偏向コイルを好適に冷却することが可能なX線管が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係るX線管を備えるX線発生装置を示す概略構成図である。
【図2】図1中のX線管の断面図である。
【図3】第二実施形態に係るX線管の断面図である。
【符号の説明】
1…X線発生装置、10、120…X線管、20…真空外囲器(外囲器)、26…偏向コイル、32…ターゲット基板(出射窓)、34…ターゲット薄膜(ターゲット)、40…冷却部材、40e…冷媒流路(流路)、50…X線モニタ(X線監視手段)、122…放熱シート(放熱薄板)。
Claims (7)
- 外囲器内で電子線をターゲットの一方の面に入射させ、前記ターゲットの他方の面から放射されるX線を前記外囲器に設けられた出射窓を介して前記外囲器の外に出射させるX線管において、
前記外囲器の外に配設され、前記ターゲットに入射する電子線を偏向させる偏向コイルと、
前記偏向コイルと前記外囲器との間に介在すると共に、前記偏向コイル及び前記ターゲットと熱的に接続された冷却部材と、
を備えることを特徴とするX線管。 - 前記ターゲットは前記出射窓の内側の面に形成され、前記冷却部材は前記出射窓を介して前記ターゲットと熱的に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のX線管。
- 前記出射窓の外側の面に前記出射窓よりも熱伝導性が高い放熱薄板を備え、前記放熱薄板は前記冷却部材と熱的に接続されることを特徴とする、請求項2に記載のX線管。
- 前記冷却部材は、冷却媒体が通過可能な流路を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のX線管。
- 前記ターゲットから発生するX線の状態を監視するX線監視手段を備え、前記冷却部材はさらに前記X線監視手段と熱的に接続されることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のX線管。
- 前記X線監視手段は、前記出射窓で前記X線が出射される面よりも前記ターゲットで前記電子線が入射される面側に設置されることを特徴とする、請求項5に記載のX線管。
- 前記X線監視手段は、さらに、前記冷却部材の内側に設置されることを特徴とする、請求項6に記載のX線管。
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