JP2018069606A - 画像形成システム - Google Patents

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Abstract

【課題】排紙トレイに排出される自動パージの無効用紙と、排紙トレイに排出されるリカバリー印刷による有効用紙またはジャム処理前に排出された有効用紙とを容易に区別できる画像形成システムを提供する。【解決手段】画像形成システム100は、自動パージの開始時点において排紙トレイ162上に用紙が存在する場合、自動パージの実施後に用紙搬送を一時的に停止し、自動パージによって上記排紙トレイ162上に排出された他の用紙が除去された後に、リカバリー印刷された用紙を上記排紙トレイ162上に排出するように制御する一方で、自動パージの開始時点において前記排紙トレイ162に用紙が存在しない場合、自動パージの実施後に用紙搬送を停止せずに、自動パージによって上記排紙トレイ162上に排出された他の用紙を仕切り、リカバリー印刷された用紙を上記排紙トレイ162上に排出するように制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成システムに関する。
画像形成システムの用紙搬送路において、用紙ジャムの発生が検出された場合、画像形成システムは、実行中の印刷ジョブに基づく印刷処理を一時的に中断し、用紙ジャムが発生する前の正常な用紙搬送に復旧させるための処理であるジャム処理を開始する。
画像形成システムは、ジャム処理において、用紙搬送路の残留用紙を排出可能な位置に移動させた後に用紙搬送を停止し、用紙ジャムの起因となったジャム起因紙の位置をディスプレイに表示させるなどしてユーザーにジャム起因紙を用紙搬送路から除去するように促す。ジャム起因紙は、機械的に除去することが困難である場合が多いため、ユーザーが除去する必要がある。画像形成システムは、ユーザーによって上記ジャム起因紙が除去され、ジャム処理が完了した後、上記排出可能な位置に停止している残留用紙を再搬送し、排紙トレイに排出する(「自動パージ」と呼ばれる)。自動パージによって排紙トレイに排出された用紙は、再利用しない用紙、すなわち無効用紙として扱われる。さらに、上記用紙ジャムが発生しなければ、上記ジャム起因紙と自動パージされた上記無効用紙とに形成される予定であった画像を新たな用紙に形成する(「リカバリー印刷」と称する)が実施される。
画像形成システムが排紙トレイを複数備えている場合、用紙ジャムが発生する前に排出される有効用紙とジャム処理後に排出される無効用紙とを異なる排紙トレイに排出すれば、有効用紙と無効用紙とが重なることはないため、ユーザーは両者を容易に区別できる。
しかし、画像形成システムが排紙トレイを1つだけ備えている場合、あるいは排紙トレイを複数備えていたとしても有効用紙と無効用紙とを特定の1つの排紙トレイに排出しなければならない場合、有効用紙と無効用紙とは同一の排紙トレイに排出されることになる。したがって、このような場合、ジャム処理後に排出される無効用紙とジャム処理前に排出された有効用紙とが重なって、ユーザーが両者を区別できなくなるおそれがある。
一方、ジャム処理において、ユーザーが排紙トレイ上の有効用紙を取り除いた場合や、排紙トレイに有効用紙がない状態において、印刷ジョブと印刷ジョブの切れ目で用紙ジャムが発生した場合などでは、有効用紙と無効用紙とを区別する必要がない場合もある。
これに関連して、下記特許文献1には、次の印刷ジョブの実行前に排紙トレイ上の他の印刷物の有無を確認し、他の印刷物があれば仕切り紙を排紙した後に次の印刷ジョブを実行することにより、排紙トレイ上の印刷物を区別し易くする技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、用紙ジャムの発生が想定されておらず、自動パージについても考慮されていない。したがって、特許文献1の技術では、印刷ジョブの実行途中で用紙ジャムが発生した場合、用紙搬送路の残留用紙を自動パージする前に仕切り紙を排出することはできない。その結果、ジャム処理前に排出された有効用紙が排紙トレイ上にある場合、ジャム処理後に排出される無効用紙が排紙トレイ上の有効用紙に重なって、ユーザーが両者を容易に区別できなくなり、無効用紙を容易に除去できないおそれがある。
さらに、自動パージにより排紙トレイ上に無効用紙が排出された後、リカバリー印刷された有効用紙が上記無効用紙上に重ねて排出されることにより、無効用紙と有効用紙とをユーザーが容易に区別できなくなり、無効用紙を容易に除去できないという問題もある。
特開2002−308517号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、排紙トレイに排出される自動パージの無効用紙と、排紙トレイに排出されるリカバリー印刷による有効用紙またはジャム処理前に排出された有効用紙とを容易に区別できる画像形成システムを提供することである。
本発明の上記目的は、下記によって達成される。
(1)用紙に画像を形成する画像形成部と、用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送路から外部に排出された前記用紙が載置される単一の排紙トレイと、前記排紙トレイ上に用紙が存在するか否かを検知する用紙検知部と、前記用紙搬送路において用紙ジャムの発生が検出された場合、当該用紙ジャムの起因となったジャム起因紙が除去された後、前記用紙搬送路に残留している他の用紙を搬送し、外部に排出する自動パージを実施し、前記ジャム起因紙および前記他の用紙に形成される予定であった画像を新たに供給された用紙に形成するリカバリー印刷を実施するように制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を一時的に停止し、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙が除去された後に、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する一方で、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を停止せずに、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙を仕切り、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する、画像形成システム。
(2)前記制御部は、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記仕切りとして、リカバリー印刷された用紙を、前記排紙トレイ上の前記他の用紙と位置をずらして排出するように制御する、上記(1)に記載の画像形成システム。
(3)前記制御部は、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記仕切りとして、リカバリー印刷された用紙を、前記排紙トレイ上の前記他の用紙上に合紙を挿入後に排出するように制御する、上記(1)に記載の画像形成システム。
(4)前記制御部は、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、用紙搬送が一時的に停止されている間において、前記他の用紙をユーザーに除去させるため、前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙の枚数を通知する上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
(5)給紙装置、画像形成装置および排紙装置を有する画像形成システムであって、前記給紙装置は、用紙を収容する用紙トレイ部と、用紙搬送路を備え、前記用紙トレイ部から当該用紙搬送路を通じて前記画像形成装置に用紙を供給する用紙搬送部と、を有し、前記排紙装置は、前記画像形成装置から排出された前記用紙を導入する用紙導入部と、用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、前記用紙搬送路から外部に排出された前記用紙が載置される単一の排紙トレイと、前記排紙トレイ上に用紙が存在するか否かを検知する用紙検知部と、を有し、前記画像形成装置は、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、前記給紙装置、画像形成装置および排紙装置のいずれかの用紙搬送路において用紙ジャムの発生が検出された場合、当該用紙ジャムの起因となったジャム起因紙が除去された後、前記用紙搬送路に残留している他の用紙を搬送し、外部に排出する自動パージを実施し、前記ジャム起因紙および前記他の用紙に形成される予定であった画像を新たに供給された用紙に形成するリカバリー印刷を実施するように制御する制御部と、を有し、前記画像形成システムの制御部は、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を一時的に停止し、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙が除去された後に、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する一方で、前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を停止せずに、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙を仕切り、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する、画像形成システム。
本発明によれば、印刷処理の生産性が低下することを抑制しつつ、ユーザーが、排紙トレイに排出される自動パージの無効用紙と、排紙トレイに排出されるリカバリー印刷による有効用紙またはジャム処理前に排出された有効用紙とを容易に区別することができる。したがって、ユーザーは、排紙トレイ上の無効用紙を有効用紙から容易に分離できる。
第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略断面図である。 図1に示す画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。 図1に示す制御部が有する機能を例示する機能ブロック図である。 図3に示す無効用紙仕切り部が、合紙を挿入する場合について、排紙トレイ付近を拡大して示す側面図である。 図3に示す無効用紙仕切り部が、排紙トレイに排出される用紙の排出位置をずらす場合について、排紙トレイ付近を拡大して示す上面図である。 図1に示す画像形成装置の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。 第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略断面図である。 図7に示す画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。
以下、添付した図面を参照して本発明の画像形成システムの実施形態を説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略断面図であり、図2は図1に示す画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。
<画像形成装置(画像形成システム)100の構成>
画像形成装置100は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に形成(印刷)する。また、画像形成装置100は、ネットワークを通じて外部のクライアント端末からPDL(Page Description Language)形式の印刷データおよび印刷設定データを受信し、これらに基づいて用紙に画像を形成する。クライアント端末は、たとえばパーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末などである。
図1および図2に示すように、画像形成装置100は、画像読取部110、画像形成部120、給紙部130、用紙搬送部140、定着部150、排紙部160、操作部170、通信部180および制御部190を有する。これらの構成要素は、内部バス101により、相互に通信可能に接続されている。
<画像読取部110>
画像読取部110は、原稿の画像を読み取り、印刷画像データを生成する。画像読取部110は、光源、読取面、光学系および撮像素子を有する。発光素子を備える光源から照射された光は、読取面に載置された原稿に照射され、その反射光は光学系を通じて、読取り位置に移動した撮像素子に結像される。撮像素子は、原稿からの反射光強度に応じて電気信号を生成する。生成された電気信号は、アナログ信号からディジタル信号に変換され、各種の画像処理が施され、印刷画像データとして画像形成部120に送信される。
<画像形成部120>
画像形成部120は、電子写真プロセスによってトナー像を形成し、用紙に転写する。なお、本実施形態では、電子写真プロセスを適用した例を説明するが、これに限らず、インクジェット方式、熱昇華方式など、他のプリント方式を適用してもよい。
画像形成部120は、像担持体として、感光体ドラム(Y、M、C、K)および中間転写ベルトを有する。中間転写ベルトは、無端ベルトであり、複数のローラーにより巻回され、走行可能に支持される。感光体ドラム(Y、M、C、K)に形成された各色のトナー像は、中間転写ベルト上に逐次転写され、各色(Y、M、C、K)の層が重畳したトナー像(カラー画像)が中間転写ベルト上に形成される。そして、トナーと逆極性のバイアスを転写ローラーに印加することにより、中間転写ベルト上に形成されたトナー像が用紙上に転写される。
<給紙部130>
給紙部130は、用紙を用紙搬送部140に供給する。給紙部130は、複数の用紙トレイと、用紙トレイごとに設けられた給紙ローラー、送り出しローラーなどを含む複数のローラーを備える。各用紙トレイには、用紙の種類(用紙サイズ、紙種、色、坪量など)ごとに予めカット紙Sが格納されており、カット紙Sは最上部から一枚ずつ用紙搬送部140に向けて搬送される。
<用紙搬送部140>
用紙搬送部140は、画像形成装置100内において用紙を搬送する。用紙搬送部140は、用紙搬送路141および複数の搬送ローラー142を備える。用紙搬送路141は、搬送される用紙をガイドするガイド部材を備え、当該ガイド部材に沿って、搬送ローラー142が対をなして複数配置されている。また、各々の搬送ローラー142は、駆動部(不図示)を備え、制御部190の指示に従って、用紙を用紙搬送路141に沿って搬送する。
また、用紙搬送部140は、外部の給紙装置または手差しトレイから用紙導入部143を通じて用紙を取り込むこともできる。また、用紙搬送部140は、用紙反転部および循環経路部を備える。用紙反転部は、定着部150を通過した用紙の表裏を反転させた後に排紙部160に搬送する。また、循環経路部は、定着部150を通過した用紙の表裏を反転させた後に画像形成部120へ再給紙する。
また、用紙搬送路141上には、複数の箇所に用紙検知センサー(不図示)が配置されている。用紙検知センサーは、たとえば反射型または透過型の光センサーであり、用紙搬送路141上を通過する用紙を検知する。用紙検知センサーの出力信号は制御部190に伝達される。
<定着部150>
定着部150は、用紙上に転写されたトナー像を加熱することによって用紙上に定着させる。たとえば、定着部150は、加熱源である加熱部材(たとえば加熱ローラー)に加圧部材(たとえば加圧ローラー)を圧着させることにより、定着ニップ部において熱と圧力を加え、トナー像を用紙に溶融定着させる。
<排紙部160>
排紙部160は、定着部150により定着された用紙を画像形成装置100の外部に排出する。排紙部160は、用紙搬送路141の一端部に位置し、排紙ローラー161、排紙トレイ162、用紙検知部163、およびオフセット排紙機構164を有する。
排紙ローラー161は、用紙搬送路141上の用紙を排紙トレイ162に排出するためのローラーである。本実施形態では、排紙トレイ162は、用紙搬送路141から外部に排出された用紙が載置される単一の用紙トレイである。
用紙検知部163は、排紙トレイ162上に存在する用紙を検知する。用紙検知部163は、たとえば反射型または透過型の光センサーを有する。
オフセット排紙機構164は、用紙を排紙トレイ162に排出する際に、排紙トレイ162の幅方向(図1のY方向)の位置を調整するための機構である。オフセット排紙機構164によりシフトできる量は、たとえば20〜40mm程度である。
<操作部170>
操作部170は、ユーザーの指示を受け付け、制御部190に伝達する。また、操作部170は、制御部190からの警告やメッセージなどをディスプレイに表示したり、スピーカーから音声や音を出力したりする。
操作部170は、たとえばタッチパネル・ディスプレイ、スピーカー、各種スイッチ、ボタン、テンキー、操作キーなどを有する。
<通信部180>
通信部180は、ネットワークを介して画像形成装置100と接続される上記給紙装置やクライアント端末などと通信するためのインターフェースである。通信部180は、ユーザーのクライアント端末から印刷ジョブを受信する。
<制御部190>
制御部190は、画像読取部110、画像形成部120、給紙部130、用紙搬送部140、定着部150、排紙部160、操作部170および通信部180を制御する。
制御部190は、演算処理部(不図示)としてのCPU(Central Processing Unit)と、記憶部(不図示)としてのRAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)とを有する。また、制御部190は、大容量の記憶装置(不図示)として、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリを有する。
制御部190は、制御プログラムを実行することにより、画像読取部110、画像形成部120、給紙部130、用紙搬送部140、定着部150、排紙部160、操作部170および通信部180の各々に対して指示を出力し、種々の機能を実現する。画像形成装置100は、制御プログラムの実行により、自動パージおよびリカバリー印刷などの機能に加え、ユーザーが排紙トレイ162上の無効用紙と有効用紙とを容易に区別でき、無効用紙を容易に除去できるようにするための機能を備える。自動パージは、用紙搬送路141において用紙ジャムの発生が検出された場合、当該用紙ジャムの起因となったジャム起因紙が除去された後、用紙搬送路141に残留している他の用紙を搬送し、外部に排出する。また、リカバリー印刷は、ジャム起因紙および上記他の用紙に形成される予定であった画像を新たに供給された用紙に形成する。なお、自動パージおよびリカバリー印刷の各技術については、公知技術であるので詳細な説明を省略する。
制御部190は、印刷処理において、用紙搬送路141における複数の用紙検知センサーの検知結果に基づいて、用紙搬送路141上における用紙ジャムの発生を検出し、ジャム起因紙の位置などをジャム発生情報として記憶部または記憶装置に記憶させる。制御部190および用紙検知センサーは、ジャム検出部として機能する。
また、演算処理部は、ジャム処理後、用紙搬送路141上の複数の用紙検知センサーの検知結果に基づいて、残留用紙の状態(たとえば、残留用紙の位置および全枚数)を取得し、記憶部または記憶装置に記憶させる。なお、記憶部または記憶装置には、残留用紙の状態の他に、上記制御プログラム、給紙部130に格納されている用紙に関する情報などが記憶されている。
以下、図3〜図5を参照して、本実施形態において、ユーザーが排紙トレイ162上の無効用紙と有効用紙とを容易に区別でき、無効用紙を容易に除去できるようにするための機能について説明する。図3は、図1に示す制御部190が有する機能を例示する機能ブロック図である。また、図4は図3に示す無効用紙仕切り部194が、合紙を挿入する場合について、排紙トレイ162付近を拡大して示す側面図である。図5は図3に示す無効用紙仕切り部194が、排紙トレイ162に排出される用紙の排出位置をずらす場合について、排紙トレイ162付近を拡大して示す上面図である。
図3に示すように、制御部190は、機能部として、パージ排出枚数通知部191、無効用紙除去誘導部192、無効用紙除去判定部193および無効用紙仕切り部194を有する。これらの各機能部は、制御部190の演算処理部が制御プログラムを実行することにより実現される。
パージ排出枚数通知部191、無効用紙除去誘導部192、および無効用紙除去判定部193は、自動パージの開始時点において排紙トレイ162に用紙が存在する場合、自動パージによって排出された無効用紙をユーザーに除去させるために使用される。一方、無効用紙仕切り部194は、自動パージの開始時点において排紙トレイ162に有効用紙が存在しない場合に使用される。以下、上記各機能部について順に説明する。
<パージ排出枚数通知部191>
パージ排出枚数通知部191は、自動パージにより排出された用紙の枚数を無効用紙除去誘導部192に通知する。パージ排出枚数通知部191は、たとえば排紙部160付近の用紙搬送路141に設置された用紙検知センサー上を自動パージの際に通過した残留用紙の枚数をカウントすることにより、自動パージにより排紙トレイ162に排出された用紙の枚数を取得する。
<無効用紙除去誘導部192>
無効用紙除去誘導部192は、パージ排出枚数通知部191から通知された上記枚数の無効用紙を排紙トレイ162から除去するようユーザーを促す。たとえば、無効用紙除去誘導部192は、操作部170のディスプレイに「排紙トレイの上から*枚までの用紙を取り除いてください。」のようなメッセージを表示させる。あるいは、無効用紙除去誘導部192は、操作部170のスピーカーからユーザーに上記メッセージを音声にて知らせることもできる。
<無効用紙除去判定部193>
無効用紙除去判定部193は、排紙トレイ162から無効用紙が除去されたか否かを判定する。たとえば、無効用紙除去判定部193は、無効用紙の除去が完了したことを確認する画面を操作部170のディスプレイに表示し、ユーザーが「確認」ボタンを押した場合に無効用紙が除去されたと判定する。また、無効用紙除去判定部193は、ユーザーが「確認」ボタンを押した場合、リカバリー印刷を起動する。一方、無効用紙除去判定部193は、ユーザーによって「確認」ボタンを押されるまで、無効用紙が除去されていないと判定する。
あるいは、無効用紙除去判定部193は、ユーザーから用紙搬送を再開する旨の指示を受け付けた場合に排紙トレイ162から上記無効用紙が除去されたと判定し、用紙搬送を再開する旨の指示を受け付けるまでは、上記無効用紙が除去されていないと判定する。たとえば、無効用紙除去判定部193は、リカバリー印刷の開始を確認する画面を操作部170のディスプレイに表示し、ユーザーが「確認」ボタンの押した場合に用紙搬送を再開する旨の指示を受け付けたと判断する。また、無効用紙除去判定部193は、ユーザーが「確認」ボタンの押した場合、リカバリー印刷を起動する。一方、無効用紙除去判定部193は、ユーザーによって「確認」ボタンを押されるまで、無効用紙が除去されていない判定する。
<無効用紙仕切り部194>
無効用紙仕切り部194は、自動パージにより排紙トレイ162に排出される無効用紙と、リカバリー印刷により排紙トレイ162に排出される有効用紙との間を仕切る。以下では、無効用紙と有効用紙との間を仕切る方法として、たとえば図4および図5に示す方法を例示して説明するが、無効用紙と有効用紙との間を仕切る方法は、これらに限定されることはない。
1つ目の方法は、合紙の挿入である。図4に示すように、無効用紙仕切り部194は、自動パージにより排紙トレイ162に排出された少なくとも1枚の無効用紙SP上に合紙SDを排出する。その後、制御部190は、リカバリー印刷により少なくとも1枚の有効用紙SRを合紙SD上に排出する。
無効用紙SPと有効用紙SRとの間に挿入された合紙SDは、印刷ジョブの終了時に無効用紙SPとともにユーザーによって除去される。合紙SDは、たとえば、無効用紙SPと異なる形態(用紙サイズ、色、用紙方向、紙種など)の用紙であり、給紙部130、上記給紙装置または手差しトレイから給紙されうる。
したがって、ユーザーは、無効用紙SPと有効用紙SRとの間に挿入された合紙SDにより、無効用紙SPと有効用紙SRとを容易に区別できる。
また、2つ目の方法は、排出位置のシフトである。図5に示すように、無効用紙仕切り部194は、オフセット排紙機構164を制御して、自動パージにより排出された少なくとも1枚の無効用紙SP(グレー)の位置に対して、リカバリー印刷により排出される少なくとも1枚の有効用紙SR(白)の位置をずらす。たとえば、排紙トレイ162の幅方向(Y方向)の中心位置に対して、無効用紙SPの中心部が排紙トレイ162における紙面の上側の位置になるように排出され、有効用紙SRの中心部が排紙トレイ162における紙面の下側の位置になるように排出されうる。無効用紙SPは、印刷ジョブの終了時にユーザーによって除去される。
なお、図5に例示されるように、無効用紙SPおよび有効用紙SRの用紙サイズと、排紙トレイ162が用紙を載置可能な領域の広さとによっては、無効用紙SPと有効用紙SRとが重なり合う部分生じうる。有効用紙SRと無効用紙SPとの重なりは、ユーザーによる区別のし易さの見地から少ない方が好ましい。無効用紙SPの排出位置と有効用紙SRの排出位置は、少なくとも有効用紙SRによって無効用紙SPの最上位の用紙の全面が覆われないように決定される。
したがって、ユーザーは、無効用紙SPと有効用紙SRとの相対的な排出位置の違いにより、無効用紙SPと有効用紙SRとを容易に区別できる。
<画像形成装置100の制御方法>
以下、図6を参照して、本実施形態の画像形成装置100の制御方法の一例を説明する。図6は、図1に示す画像形成装置100の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。図6に示すフローチャートの制御方法は、制御部190の演算処理部が制御プログラムを実行することにより実現される。
まず、印刷処理を開始する(ステップS101)。制御部190は、ユーザーのクライアント端末などから印刷ジョブを受信し、当該印刷ジョブに基づいて用紙Sに画像を形成し、排紙トレイ162に排出する。
印刷処理が開始されると、印刷処理の実行と並行して、用紙ジャムが検出されたか否かが判断される(ステップS102)。制御部190は、用紙搬送路141の複数の用紙検知センサーの検知結果に基づいて、用紙搬送路141の少なくともいずれかの位置において用紙ジャムを検出したか否かを判断する。用紙ジャムを検出していない場合(ステップS102:NO)、上記印刷ジョブの印刷処理が完了した後、制御処理を終了する(エンド)。
一方、用紙ジャムを検出した場合(ステップS102:YES)、上記印刷ジョブの印刷処理を中断し、ジャム処理を実行する(ステップS103)。制御部190は、用紙搬送路141における残留用紙の位置に応じて、残留用紙をそれぞれ自動パージに適する所定の位置まで移動させた後、用紙搬送を停止する。また、制御部190は、ジャム発生情報に基づいて、操作部170のディスプレイにジャム起因紙の位置や除去方法などを表示させ、ユーザーにジャム起因紙の除去を促す。
たとえば、図1に示す例では、ジャム起因紙は、用紙S2であり、用紙搬送路141に用紙S1,S3が残留している。制御部190は、残留用紙S1,S3をそれぞれ自動パージに適する所定の位置まで移動させた後、用紙搬送を停止する。また、制御部190は、ジャム発生情報に基づいて、操作部170のディスプレイにジャム起因紙S2の位置や除去方法を示すメッセージを表示させ、ユーザーにジャム起因紙S2の除去を促す。ユーザーは、上記メッセージに従い、ジャム起因紙S2を除去する。ジャム起因紙S2が除去されジャム処理が完了したことは、用紙検知センサーの検知信号の変化などから判断できる。
次に、自動パージを開始する(ステップS104)。制御部190は、用紙搬送路141の用紙検知センサーの検知結果に基づいて、用紙搬送路141からジャム起因紙S2が除去されたことを確認した後、自動パージを開始する。
次に、排紙トレイ162上に用紙が存在するか否かを判断する(ステップS105)。制御部190は、用紙検知部163の検知結果に基づいて、自動パージの開始時点において排紙トレイ162上に用紙が存在するか否かを判断する。
排紙トレイ162上に用紙が存在する場合(ステップS105:YES)、制御部190は、残留用紙S1,S3の搬送を開始する(ステップ106)。用紙搬送部140は、用紙搬送路141上の上記所定の位置にある残留用紙S1,S3を排紙部160へ向けて搬送する。排紙部160は、搬送された残留用紙S1,S3を排紙トレイ162上に排出する。排紙トレイ162上に排出された用紙S1,S3は、無効用紙S1,S3として扱われる。なお、残留用紙S1,S3を排紙トレイ162に排出する際に、排紙トレイ162上の用紙に対してずらして排出してもよい。この排紙トレイ162上の用紙は、排出済みの有効用紙でありうる。この排紙トレイ162上の用紙が有効用紙である場合、有効用紙の排出位置に対して無効用紙の排出位置がずれることにより、無効用紙として除去する用紙の枚数の把握(区別)が容易になる。
次に、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了したか否かを判断する(ステップS107)。制御部190は、自動パージの開始時点における用紙搬送路141上の残留用紙の全枚数と、排紙部160付近の用紙搬送路141に配置された用紙検知センサーを通過した残留用紙の枚数とに基づいて、残留用紙S1,S3の排出が完了したか否かを判断する。たとえば、図1に示す例では、自動パージの開始時点における用紙搬送路141上の残留用紙S1,S3の全枚数は、2枚である。
全ての残留用紙S1,S3の排出が完了していない場合(ステップS107:NO)、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了するまで用紙搬送を継続する。
一方、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了した場合(ステップS107:YES)、用紙搬送を停止する(ステップ108)。制御部190は、排紙トレイ162に排出された無効用紙S1,S3をユーザーに除去させるため、用紙搬送を停止する。自動パージの開始時点において排紙トレイ162上に有効用紙SAが存在する場合、有効用紙SAに自動パージによる無効用紙S1,S3と、リカバリー印刷による有効用紙と、を順に積載すると、有効用紙と無効用紙とが混ざった用紙束を作ってしまう。このような用紙束から無効用紙S1,S3のみを除去する作業は複雑となる。そこで、排紙トレイ162上に排出済の有効用紙SA上に重ねて排出された無効用紙S1,S3を除去してからリカバリー印刷を実行する手順とすると処理効率が良くなる。
制御部190は、排紙トレイ162の無効用紙S1,S3の除去をユーザーに指示する(ステップ109)。パージ排出枚数通知部191は、自動パージにより排出された用紙の枚数を取得し、無効用紙除去誘導部192に通知する。無効用紙除去誘導部192は、たとえばパージ排出枚数通知部191から通知された枚数が2枚である場合、排紙トレイ162上にある用紙束の上から2枚の用紙を除去するようユーザーを促す。無効用紙除去誘導部192は、たとえば、操作部170のディスプレイに「排紙トレイの上から2枚までの用紙を取り除いてください。」のようなメッセージを表示させる。ユーザーは、上記メッセージの指示に従い、排紙トレイ162の上から2枚目までの無効用紙S1,S3を除去する。
次に、排紙トレイ162から無効用紙S1,S3が除去されたか否かを判定する(ステップ110)。無効用紙除去判定部193は、たとえば、無効用紙S1,S3の除去が完了したことを確認する画面を操作部170のディスプレイに表示し、ユーザーが「確認」ボタンを押した場合に無効用紙S1,S3が除去されたと判定する。排紙トレイ162から無効用紙S1,S3が除去されたと判定されない場合(ステップS110:NO)、排紙トレイ162から無効用紙S1,S3が除去されるまで待機する。
一方、ユーザーが「確認」ボタンを押し、排紙トレイ162から無効用紙S1,S3が除去されたと判定される場合(ステップS110:YES)、制御部190は、リカバリー印刷を実行する(ステップ111)。制御部190は、用紙ジャムが発生しなければ、ジャム起因紙S2と自動パージされた無効用紙S1,S3とに形成される予定であった画像を給紙部130から供給された新たな用紙に形成し、当該用紙を有効用紙として排紙トレイ162に排出する。そして、リカバリー印刷が完了した後、制御部190は、制御処理を終了する(エンド)。
一方、排紙トレイ162に用紙が存在しない場合(ステップS105:NO)、制御部190は、残留用紙S1,S3の搬送を開始する(ステップ112)。用紙搬送部140は、用紙搬送路141上の上記所定の位置にある残留用紙S1,S3を排紙部160へ向けて搬送する。排紙部160は、搬送された残留用紙S1,S3を排紙トレイ162上に排出する。排紙トレイ162上に排出された用紙S1,S3は、無効用紙S1,S3として扱われる。
次に、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了したか否かを判断する(ステップS113)。制御部190は、自動パージの開始時点における用紙搬送路141上の残留用紙の全枚数と、排紙部160付近の用紙搬送路141に配置された用紙検知センサーを通過した残留用紙の枚数とに基づいて、残留用紙S1,S3の排出が完了したか否かを判断する。
全ての残留用紙S1,S3の排出が完了していない場合(ステップS113:NO)、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了するまで用紙搬送を継続する。一方、全ての残留用紙S1,S3の排出が完了した場合(ステップS113:YES)、用紙の仕切り処理を実行する(ステップS114)。無効用紙仕切り部194は、上述した合紙の挿入または排出位置のシフト(用紙のずらし)、あるいは他の方法により、排紙トレイ162上の無効用紙S1,S3とリカバリー印刷により排出される有効用紙との間を仕切るための処理を実行する。自動パージの開始時点において排紙トレイ162に用紙が存在しない場合、自動パージの終了後、ユーザーによる排紙トレイ162上の無効用紙S1,S3を除去する作業を省き、用紙の仕切り処理を実行する。これにより、用紙搬送を停止せずに、自動パージの終了後、直ちにリカバリー印刷の実行に移行することが可能である。
次に、リカバリー印刷を実行する(ステップS115)。制御部190は、用紙ジャムが発生しなければ、ジャム起因紙S2と自動パージされた無効用紙S1,S3とに形成される予定であった画像を給紙部130から供給された新たな用紙に形成し、有効用紙として排紙トレイ162に排出する。
次に、無効用紙S1,S3の除去処理を実行する(ステップS116)。制御部190は、印刷ジョブの終了時に排紙トレイ162上にある用紙について確認を促すメッセージを出力する。たとえば、制御部190は、排紙トレイ162上の用紙束のうち、排紙トレイ162と合紙との間の用紙は無効であり、除去する必要がある旨のメッセージを操作部170のディスプレイに表示させる。そして、制御部190は、制御処理を終了する(エンド)。
このように、図6に示す制御方法では、自動パージの開始時点において排紙トレイ162に用紙が存在する場合、自動パージの完了後、排紙トレイ162から除去すべき無効用紙の枚数をユーザーに通知し、排紙トレイ162上の無効用紙をユーザーに除去させる。したがって、排紙トレイ162から無効用紙のみを容易に除去できるとともに、リカバリー印刷を確実に開始できる。よって、リカバリー印刷によって排紙トレイ162に排出される有効用紙に無効用紙が混ざることを防止できる。
一方、自動パージの開始時点において排紙トレイ162に有効用紙が存在しない場合は、自動パージの完了後、用紙の仕切り処理を実行し、用紙搬送を停止させずに直ちにリカバリー印刷を開始する。したがって、用紙搬送を停止させてユーザーが排紙トレイ162から無効用紙を除去する作業を省くことができ、リカバリー印刷の開始を早めることができる。したがって、印刷処理の生産性を向上できる。また、印刷ジョブが終了した後、ユーザーは仕切りにより有効用紙と無効用紙とを容易に区別でき、排紙トレイ162から無効用紙を容易に除去できる。
以上のとおり、制御部190は、自動パージを開始する時点において排紙トレイ162上に用紙が存在するか否かに応じて、自動パージが完了してからリカバリー印刷を開始するまでの処理を切り替える。
したがって、本実施形態の画像形成装置100によれば、以下の効果を奏することができる。印刷処理の生産性が低下することを抑制しつつ、ユーザーが、排紙トレイ162に排出される自動パージの無効用紙と、排紙トレイ162に排出されるリカバリー印刷による有効用紙またはジャム処理前に排出された有効用紙とを容易に区別することができる。その結果、ユーザーは、排紙トレイ162上の無効用紙を有効用紙から容易に分離できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、画像形成装の排紙トレイに用紙を排出する場合について説明した。第2の実施形態では、給紙装置、画像形成装置および排紙装置を有する画像形成システムにおいて、排紙装置の排紙トレイに用紙を排出する場合について説明する。
<画像形成システム200の構成>
図7は第2の実施形態に係る画像形成装置の構成を例示する概略断面図であり、図8は図7に示す画像形成装置の構成を例示する概略ブロック図である。図7および図8に示すように、本実施形態の画像形成システム200は、X方向に沿って直列に接続された給紙装置210、画像形成装置220および排紙装置230を有する。
<給紙装置210>
給紙装置210は、画像形成装置220の指示に従って、画像形成装置220に用紙を供給する。給紙装置210は、用紙トレイ部211、用紙搬送部112、通信部213および制御部214を有する。これらの構成要素は、内部バス201により相互に通信可能に接続されている。
用紙トレイ部211は、複数の用紙トレイを有し、用紙サイズ、紙種、色、厚さ、坪量などの形態の異なる用紙を大量に収容できる。本実施形態では、用紙トレイ部211は、たとえば3つの用紙トレイ211A,211B,211Cを備え、当該3つの用紙トレイには、それぞれ形態の異なる用紙が収められている。
用紙搬送部112は、用紙トレイ211A,211B,211Cの用紙を、画像形成装置220に接続されている排紙口へ搬送する。
通信部213は、画像形成装置220と通信回線204を通じて相互に通信可能に接続されており、給紙装置210と画像形成装置220と間でデータを送受信する。
制御部214は、画像形成装置220の制御部229の指示に従い、用紙トレイ部211、用紙搬送部212および通信部213を制御する。
<画像形成装置220>
画像形成装置220は、画像読取部221、画像形成部222、給紙部223、用紙搬送部224、定着部225、排紙部226、操作部227および通信部228および制御部229を有する。これらの構成要素は、内部バス202により、相互に通信可能に接続されている。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態の画像形成装置100と同じ構成については、詳細な説明を省略する。
制御部229は、画像形成装置220の各部の制御を担うとともに、給紙装置210および排紙装置230の制御も担う。
<排紙装置230>
排紙装置230は、用紙導入部231、用紙搬送部232、排紙部233、排紙トレイ234、用紙検知部235、オフセット排紙機構236、通信部237および制御部238を有する。これらの構成要素は、内部バス203により相互に通信可能に接続されている。
用紙導入部231は、画像形成装置220の排紙部226から排出された用紙を排紙装置230に導入する。
用紙搬送部232は、用紙導入部231に導入された用紙を排紙部233へ搬送する。用紙搬送部232は、用紙搬送路および複数の搬送ローラーを備える。なお、用紙搬送部232は、用紙導入部231に導入された用紙の表裏を反転して排紙部233へ搬送するための反転機構を備えることもできる。
排紙トレイ234は、上記用紙搬送路から外部に排出された用紙を大量に載置可能な単一の用紙トレイである。また、用紙検知部235は、排紙トレイ234上に存在する用紙を検知する。用紙検知部235は、たとえば反射型または透過型の光センサーを有する。
オフセット排紙機構236は、用紙を排紙トレイ234に排出する際に、排紙トレイ234の幅方向(図7のY方向)の位置を調整するための機構である。オフセット排紙機構236によりシフトできる量は、たとえば20〜40mm程度である。
通信部237は、画像形成装置220と通信回線204を通じて相互に通信可能に接続されており、排紙装置230と画像形成装置220と間でデータを送受信する。
制御部238は、画像形成装置220の制御部229の指示に従い、用紙導入部231、用紙搬送部232、排紙部233、用紙検知部235、オフセット排紙機構236および通信部237を制御する。
なお、排紙装置230は、PI(Post Inserter)部を有することもできる。PI部は、用紙導入部231と排紙部233との間の用紙搬送部232の用紙搬送路に接続され、排紙部233に合紙を供給できる。制御部229は、給紙装置210およびPI部の構成条件や用紙に関する条件を考慮して、給紙装置210およびPI部のうち適切な方を選択して、合紙としての用紙を供給させる。
<画像形成システム200の動作>
本実施形態では、給紙装置210から画像形成装置220へ用紙を給紙し、画像形成装置220にて印刷された用紙、あるいはジャム処理後、自動パージにより排出された用紙は、排紙装置230へ搬送され、排紙トレイ234に排出される。給紙装置210は、大容量の用紙トレイ211A〜211Cから画像形成装置220へ連続的に用紙を供給できる。また、排紙装置230の排紙トレイ234は、画像形成装置220から排出された用紙を大量に載置できる。したがって、このような画像形成システム200は、大量の用紙を高速に印刷する用途に適している。
<画像形成システム200の制御方法>
本実施形態の画像形成システム200では、画像形成装置220が排紙トレイを備える代わりに排紙装置230が排紙トレイ234備え、排紙トレイ234に用紙を排出する構成が、第1の実施形態と異なる。したがって、画像形成システム200の制御方法は、排紙トレイ234に用紙を排出するように制御する処理が、第1の実施形態の画像形成装置100の制御方法とは異なるものの、制御処理は概ね図6に示すフローチャートと同様の手順に沿って実行される。よって、以下では、画像形成システム200の制御方法の処理手順の詳細な説明を省略し、その概略を説明する。
画像形成システム200は、印刷処理が開始されると、ユーザーのクライアント端末などから印刷ジョブを受信し、当該印刷ジョブに基づいて、給紙装置210から供給された用紙Sに画像を形成する。用紙搬送部224の用紙搬送路において用紙ジャムの発生が検出されたか否かが判断され、用紙ジャムの発生が検出されたと判断された場合、ジャム処理が実行される。図7には、ジャム起因紙S2により用紙ジャムが発生し、用紙S1,S3,S4が用紙搬送部224の用紙搬送路に残留し、排紙トレイ234上に有効用紙SAが存在する場合が例示されている。この場合、残留用紙S1,S3,S4は、自動パージにより、排紙トレイ234へ排出され、無効用紙となる。無効用紙S1,S3,S4は、ジャム処理前に排出された有効用紙SA上に積載される。
自動パージの開始時点において排紙トレイ234に用紙が存在する場合、自動パージの完了後、用紙搬送を停止し、排紙トレイ234から除去すべき無効用紙の枚数をユーザーに通知し、排紙トレイ234上の無効用紙をユーザーに除去させる。したがって、排紙トレイ234から無効用紙のみを容易に除去できるとともに、リカバリー印刷を確実に開始できる。よって、リカバリー印刷によって排紙トレイ234に排出される有効用紙に無効用紙が混ざることを防止できる。
一方、自動パージの開始時点において排紙トレイ234に有効用紙が存在しない場合は、自動パージの完了後、用紙の仕切り処理を実行し、直ちにリカバリー印刷を開始する。したがって、用紙搬送を停止させてユーザーが排紙トレイ234から無効用紙を除去する作業を省くことができ、リカバリー印刷の開始を早めることができる。したがって、印刷処理の生産性を向上できる。また、印刷ジョブが終了した後、ユーザーは仕切りにより有効用紙と無効用紙とを容易に区別でき、排紙トレイ234から無効用紙を容易に除去できる。
なお、上述の例では、説明を簡略化するため、用紙ジャムが画像形成装置220の用紙搬送路で発生する場合のみを想定して説明した。しかしながら本発明は、このような場合に限定されない。用紙ジャムが給紙装置または排紙装置の用紙搬送路で発生する場合についても、これらの装置の用紙搬送路に配置された用紙検知センサーの検知結果に基づいて、用紙ジャムの発生を検出することも可能である。
以上のとおり、制御部229は、自動パージを開始する時点において排紙トレイ234上に用紙が存在するか否かに応じて、自動パージが完了してからリカバリー印刷を開始するまでの処理を切り替える。
したがって、本実施形態の画像形成システム200によれば、以下の効果を奏することができる。印刷処理の生産性が低下することを抑制しつつ、ユーザーが、排紙トレイ234に排出される自動パージの無効用紙と、排紙トレイ234に排出されるリカバリー印刷による有効用紙またはジャム処理前に排出された有効用紙とを容易に区別することができる。その結果、ユーザーは、排紙トレイ234上の無効用紙を有効用紙から容易に分離できる。
以上のように、実施形態において、本発明の画像形成システムについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述の第1および第2の実施形態では、画像形成装置または排紙装置が単一の排紙トレイを有する場合について説明した。しかしながら本発明は、このような場合に限定されない。画像形成装置または排紙装置が排紙トレイを複数備えている場合であっても、有効用紙と無効用紙とを特定の1つの排紙トレイに排出しなければならない場合について本発明を適用できる。
また、制御プログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD−ROMなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネットなどのネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、記憶部や記憶装置などに転送され記憶される。また、この制御プログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
100 画像形成装置、
110 画像読取部、
120 画像形成部、
130 給紙部、
140 用紙搬送部、
141 用紙搬送路、
150 定着部、
160 排紙部、
162 排紙トレイ、
163 用紙検知部、
164 オフセット排紙機構、
170 操作部、
180 通信部、
190 制御部、
200 画像形成システム、
210 給紙装置、
220 画像形成装置、
230 排紙装置、
234 排紙トレイ、
235 用紙検知部、
236 オフセット排紙機構。

Claims (5)

  1. 用紙に画像を形成する画像形成部と、
    用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、
    前記用紙搬送路から外部に排出された前記用紙が載置される単一の排紙トレイと、
    前記排紙トレイ上に用紙が存在するか否かを検知する用紙検知部と、
    前記用紙搬送路において用紙ジャムの発生が検出された場合、当該用紙ジャムの起因となったジャム起因紙が除去された後、前記用紙搬送路に残留している他の用紙を搬送し、外部に排出する自動パージを実施し、前記ジャム起因紙および前記他の用紙に形成される予定であった画像を新たに供給された用紙に形成するリカバリー印刷を実施するように制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を一時的に停止し、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙が除去された後に、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する一方で、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を停止せずに、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙を仕切り、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する、画像形成システム。
  2. 前記制御部は、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記仕切りとして、リカバリー印刷された用紙を、前記排紙トレイ上の前記他の用紙と位置をずらして排出するように制御する、請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記制御部は、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記仕切りとして、リカバリー印刷された用紙を、前記排紙トレイ上の前記他の用紙上に合紙を挿入後に排出するように制御する、請求項1に記載の画像形成システム。
  4. 前記制御部は、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、用紙搬送が一時的に停止されている間において、前記他の用紙をユーザーに除去させるため、前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙の枚数を通知する請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成システム。
  5. 給紙装置、画像形成装置および排紙装置を有する画像形成システムであって、
    前記給紙装置は、
    用紙を収容する用紙トレイ部と、
    用紙搬送路を備え、前記用紙トレイ部から当該用紙搬送路を通じて前記画像形成装置に用紙を供給する用紙搬送部と、を有し、
    前記排紙装置は、
    前記画像形成装置から排出された前記用紙を導入する用紙導入部と、
    用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、
    前記用紙搬送路から外部に排出された前記用紙が載置される単一の排紙トレイと、
    前記排紙トレイ上に用紙が存在するか否かを検知する用紙検知部と、を有し、
    前記画像形成装置は、
    前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
    用紙搬送路を備え、前記用紙を当該用紙搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、
    前記給紙装置、画像形成装置および排紙装置のいずれかの用紙搬送路において用紙ジャムの発生が検出された場合、当該用紙ジャムの起因となったジャム起因紙が除去された後、前記用紙搬送路に残留している他の用紙を搬送し、外部に排出する自動パージを実施し、前記ジャム起因紙および前記他の用紙に形成される予定であった画像を新たに供給された用紙に形成するリカバリー印刷を実施するように制御する制御部と、を有し、
    前記画像形成システムの制御部は、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイ上に用紙が存在する場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を一時的に停止し、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙が除去された後に、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する一方で、
    前記自動パージの開始時点において前記排紙トレイに用紙が存在しない場合、前記自動パージの実施後に用紙搬送を停止せずに、前記自動パージによって前記排紙トレイ上に排出された前記他の用紙を仕切り、リカバリー印刷された用紙を前記排紙トレイ上に排出するように制御する、画像形成システム。
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