JP2018066205A - 断熱基礎構造、および断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法 - Google Patents

断熱基礎構造、および断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法 Download PDF

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Abstract

【課題】白蟻の進入経路をより確実に絶つとともに断熱基礎構造のメンテナンス時に行われる防蟻剤の補充作業をより容易化する断熱基礎構造、および断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法を提供する。【解決手段】本発明の断熱基礎構造は、建築物を支持する外周基礎の側面が断熱されたものであって、前記外周基礎の側面の下側に取り付けられた下側断熱材と、少なくとも周端が前記外周基礎の側面に接し、かつ前記下側断熱材の上面を覆うように配置された防蟻シートと、前記防蟻シートの上面に接し、かつ前記外周基礎の側面の上側に取り付けられた上側断熱材と、を備え、前記防蟻シートは、施工後のメンテナンス時に前記上側断熱材と前記外周基礎との隙間に注入される防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料または防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、建築物を支持する枠状の外周基礎の側面が断熱材によって覆われた断熱基礎構造、および当該構造に防蟻処理を施す方法に関する。
上記のような断熱基礎構造に関する従来技術として、例えば下記特許文献1が公知である。この特許文献1の断熱基礎構造は、図10に示されるように、建築物を支持する枠状の外周基礎101と、前記外周基礎101の外側面101a(図10の左側面)の全面を覆うように取り付けられた断熱材109とを有している。この断熱材109は、下側断熱材109aとその直上に設けられた上側断熱材109bとの上下二部材によって構成されており、下側断熱材109aの上面およびその上面近傍の側面を覆うようにステンレスメッシュ製の防蟻シート107が折り返して取り付けられている。
特開2000−110267号公報
上記特許文献1に開示された断熱基礎構造(図10)によれば、土中に住む白蟻が上記下側断熱材109aの内部をつたって上方に這い上がることが防蟻シート107によって阻止され、土台や柱等の建築物の木質部分に白蟻による食害が及ぶことを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1の技術では、防蟻シート107がステンレスメッシュ製で構成されているので、防蟻シート107の防蟻性能が腐食等によって低下した場合に、下側断熱材109aに侵入した白蟻が防蟻シート107を掻い潜って上側断熱材109bに入り込んで建築物に到達する懸念があった。このような問題を避けるために防蟻シート107を定期的に交換することが望ましいが、この交換作業には、断熱材109(109a、109b)を一旦取り外す必要があり、作業が煩雑化してしまう。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、白蟻の進入経路をより確実に絶つとともに断熱基礎構造のメンテナンス時に行われる防蟻薬液の充填作業をより容易化することを目的とする。
上記課題を解決するためのものとして、本発明は、建築物を支持する外周基礎の側面が断熱された断熱基礎構造であって、前記外周基礎の側面の下側に取り付けられた下側断熱材と、少なくとも周端が前記外周基礎の側面に接し、かつ前記下側断熱材の上面を覆うように配置された防蟻シートと、前記防蟻シートの上面に接し、かつ前記外周基礎の側面の上側に取り付けられた上側断熱材と、を備え、前記防蟻シートは、施工後のメンテナンス時に前記上側断熱材と前記外周基礎との隙間に注入される防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料または防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されていることを特徴とするものである(請求項1)。
本発明によれば、下側断熱材の上面を覆うように防蟻シートが設けられているので、下側断熱材に侵入した白蟻が上側断熱材に到達することを防蟻シートによって防止することができる。また、防蟻シートの周端が外周基礎の側面に接しているので、白蟻の進入経路を確実に絶つことが可能となる。
しかも、防蟻シートが防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料で構成されている場合には、防蟻シートよりも上側に位置する外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が外周基礎の側面を伝って流れ落ちて防蟻シートで受け止められ、防蟻シートの上面に溜まるとともに上側断熱材の下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させることができる。これにより上側断熱材および下側断熱材を外周基礎に取り付けた状態のまま、外周基礎の側面と防蟻シートとが交差する部分に防蟻薬液を補充することができる。また防蟻シートが防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されている場合には、防蟻シートよりも上側に位置する外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が外周基礎の側面を伝って流れ落ちて防蟻シートに含浸される。これにより上側断熱材および下側断熱材を外周基礎に取り付けた状態のまま、防蟻シートに防蟻薬液を含浸させることができる。これらの材料で構成された防蟻シートを設けることで、断熱基礎構造のメンテナンス時に防蟻薬液を充填する作業が容易となる。上記防蟻薬液に対し追加で防蟻薬液が定期的に補充されることにより、上記外周基礎の側面と防蟻シートとが交差する部分における防蟻効果または防蟻シートそのものの防蟻効果が長期間に亘って維持されるので、外周基礎の側面と防蟻シートとの隙間を通った白蟻の侵入を確実に防止することができる。
上記構成において、好ましくは、前記下側断熱材の上面と前記防蟻シートの下面とが接着剤によって接着されている(請求項2)。
上記構成によれば、下側断熱材と防蟻シートとが接着剤によって固定されているので、防蟻シートの下側から白蟻が防蟻シートを食い破ろうとして上向きに上がって防蟻シートの面方向に力が作用した時にも防蟻シートの周端が外周基礎の側面から離れることなく接触した状態を保つことができる。これによりメンテナンス時に防蟻薬液を外周基礎の側面に伝わせて確実に防蟻シートで受け止めることが可能となり、防蟻性能のメンテナンス性をより高めることができる。しかも、下側断熱材の上面と防蟻シートとを接着剤によって固定することで、下側断熱材の上面に防蟻シートを施工する時に防蟻シートが位置ずれしにくくなるので、防蟻シートを配置しやすい。
上記構成において、好ましくは、前記接着剤は、防蟻機能を有する材料で構成されている(請求項3)。
上記構成によれば、接着剤が防蟻性能を有しているので、下側断熱材と防蟻シートとの隙間に白蟻が侵入することをより確実に防止することができる。
上記構成において、好ましくは、前記上側断熱材を前記外周基礎に取り付けた状態のままで前記防蟻薬液を前記外周基礎の側面に沿って導入できるように前記上側断熱材の上面の高さ位置を前記外周基礎の上面よりも下側とされている(請求項4)。
上記構成によれば、上側断熱材の上面よりも上側から外周基礎の側面に対して防蟻薬液を注入するための隙間を確保することができる。この隙間を通じて外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することによって、防蟻薬液が外周基礎の側面を伝って流下して防蟻シートで受け止められ、防蟻シートの上面に溜まるとともに上側断熱材の下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させるかまたは防蟻シートに防蟻薬液を含浸させることができる。これにより上側断熱材および下側断熱材を外周基礎に取り付けた状態のまま、外周基礎の側面と防蟻シートとが交差する部分または防蟻シートそのものに防蟻薬液を補充することができるので、断熱基礎構造への防蟻薬液の充填作業が容易である。
上記構成において、好ましくは、前記下側断熱材の側面に接し、かつ前記下側断熱材の上面と略同一高さまで盛り上げた地盤をさらに設け、前記防蟻シートは、前記下側断熱材の上面および前記地盤の上面を覆うように設けられている(請求項5)。
上記構成によれば、下側断熱材および地盤のそれぞれの上面が略同一高さとされるので、防蟻シートの一端を下側断熱材に接するように配置する作業が容易となる。また、下側断熱材の上面と地盤の上面との間が微妙に異なることで両者の間に隙間が形成されている場合には、当該隙間が蟻の進入経路となることがあるが、上記構成によれば、下側断熱材の上面と地盤の上面との間に隙間が形成されないので、蟻の進入経路をより確実に絶つことが可能となる。
本発明の断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法は、建築物を支持する枠状の外周基礎の側面の下側に下側断熱材を取り付けるステップと、少なくとも周端が前記外周基礎に接し、かつ前記下側断熱材の上面を覆うように防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料または防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成された防蟻シートを取り付けるステップと、前記防蟻シートの上面に接し、かつ前記外周基礎の側面の上側に上側断熱材を取り付けるステップと、上側断熱材を取り付けた後に前記防蟻シートよりも上側に位置する前記外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することにより、前記防蟻薬液を前記防蟻シートの周縁の上面まで到達させるかまたは前記防蟻薬液を前記防蟻シートに含浸させるステップと、を有することを特徴とするものである(請求項6)。
上記方法において、上側断熱材を取り付けた後に、外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が外周基礎の側面を伝って流れ落ちて防蟻シートで受け止められ、防蟻シートの上面に溜まるとともに上側断熱材の下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させるかまたは防蟻シートに防蟻薬液を含浸させることができる。
また、上記防蟻薬液の防蟻効果が低下した場合には、上記箇所に配置された防蟻薬液に対して追加の防蟻薬液を防蟻シートの上側に位置する外周基礎の側面に供給することにより上側断熱材および下側断熱材を外周基礎の側面に取り付けた状態のまま、防蟻薬液を容易に補充することができる。これにより、メンテナンス用の防蟻薬液を補充するためにわざわざ断熱材を取り外すなどの煩雑な作業をする必要がなくなり、メンテナンスの作業性を格段に向上することができる。また、上記防蟻薬液に対し追加で防蟻薬液が定期的に補充されることにより、上記外周基礎の側面と防蟻シートとが交差する部分における防蟻効果または防蟻シートそのものの防蟻効果が長期間に亘って維持されるので、外周基礎の側面と防蟻シートとの隙間を通った白蟻の侵入を確実に防止することができる。
本発明によれば、白蟻の進入経路をより確実に絶つとともに断熱基礎構造のメンテナンス時に行われる防蟻薬液の補充作業をより容易化する断熱基礎構造、および断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる断熱基礎構造を示す平面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 上記断熱基礎構造の施工方法を説明するための説明図(その1)である。 上記施工方法の説明図(その2)である。 上記施工方法の説明図(その3)である。 上記施工方法の説明図(その4)である。 上記施工方法の説明図(その5)である。 上記断熱基礎構造に対して行うメンテナンス作業を説明するための図である。 図8のメンテナンス作業後の図である。 断熱基礎構造の従来例を説明するための図である。
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
(1)断熱基礎構造の全体説明
図1は、本発明の実施形態にかかる建物の床構造を示す平面図であり、図2は図1から玄関床5、上がり框6および土台Tを取り除いたII−II線断面図である。これらの図に示される当実施形態の断熱基礎構造は、家屋等の建物の1階の玄関に適用されており、建物を支持するために枠状に打設された外周基礎コンクリート1と、玄関下の地盤E1〜E3の上面を覆うように打設された土間スラブ2と、屋内S1と屋外S2とを区切る玄関扉9に平行に延びるように打設された境界基礎コンクリート3と、土間スラブ2の上面に敷設された上層部材4とを備えている。玄関扉9よりも屋外S2側における上層部材4が玄関ポーチ、玄関扉9よりも屋内S1側における上層部材4が玄関上がり口(つまり靴などを脱いで配置する場所)である。
外周基礎コンクリート1は、図1に示す平面視において、互いに直交するように組み合わされた複数の枠辺1A〜1Eを有している。このうち、土間スラブ2の周囲を囲む3つの枠辺1A,1B,1Cは、全体として、屋外S2側に開放された平面視コ字型の形状を有しており、当該コ字状部分の開放面に対応する位置が建物の出入口とされている。
外周基礎コンクリート1は、図2に示すように、屋内S1側の地盤E1と床下空間S3側の地盤E3との間に立設される断面視逆T字状のいわゆる布基礎であり、地盤E1,E3から鉛直上方に立ち上がるように形成された外周基礎11と、地盤E1,E3に埋設された外周基礎11の下端から水平方向に張り出すように形成されたフーチング12とを一体に有している。この外周基礎11の上面には、建物の床部の骨格を構成する木製の角材等からなる土台Tが、図外のアンカーボルト等を介して固定されている。この土台Tの屋外S2側の側面には木製の角材等からなる上がり框6が取り付けられており、土台Tの上面および側面から屋内S1側にかけて玄関床5が延設されている。玄関床5および上がり框6の上面は面一とされており、かつ玄関上がり口の上層部材4の上面よりも一段上がった位置とされている。玄関床5の上面が建物の屋内の靴等を脱いで上がる玄関廊下に相当し、この玄関床5の下側には床下空間S3が広がっている。
各地盤E1〜E3の高さ位置は、屋内S1、屋外S2および床下空間S3の部位に応じてそれぞれ個別に設定されており、床下空間S3をなるべく広く確保する趣旨で床下空間S3の地盤E3の高さを最も低く設定されており、屋内S1の地盤E1は、屋外S2の地盤E2の高さよりも一段高く設定されている。
土間スラブ2は、図2に示すように、外周基礎11よりも床下空間S3の地盤E3の上面を覆う床下側土間スラブ23(いわゆる床下土間)と、外周基礎コンクリート1と境界基礎コンクリート3との間の部分、つまり屋内S1側の地盤E1の上面を覆う屋内側土間スラブ21(いわゆる玄関土間)と、境界基礎コンクリート3よりも屋外S2側の地盤E2の上面を覆う屋外側土間スラブ22(いわゆるポーチ土間)とを有している。土間スラブ2の厚みは各部位によって大きくは変更しておらず、それぞれ略同一厚みとしている。
屋内側土間スラブ21の上面の高さは、後述する境界基礎コンクリート3の上面の高さと同位置に設定されており、屋外側土間スラブ22の上面の高さは、屋内側土間スラブ21および境界基礎コンクリート3の上面よりも低く設定されている。言い換えると、屋内側土間スラブ21の上面高さは、屋外側土間スラブ22よりも一段上がった位置に設定されている。
上層部材4は、玄関の床面を構成する部材であり、屋内側および屋外側土間スラブ21,22の上面および外周基礎11の外側面11bの上側を直接覆うように塗布されたモルタル層41と、モルタル層41の上面に配設、固着された舗装材42とを有している。舗装材42は、例えば、一定パターンで並べられた複数の石材製タイル(あるいはセラミックプレート、レンガ等)により構成することができる。
玄関床5は、図2に示すように、床下からの冷気を遮断するための床下断熱材51と、この床下断熱材51の表面を覆う化粧材52とで構成されている。床下断熱材51は、例えば発泡ポリスチレンや発泡ウレタンなど、断熱性に優れた樹脂材料からなり、外周基礎11の上面と直交する方向に所定の厚みを有している。化粧材52は、表面が滑らかな板状部材によって構成され、化粧材52の上面は、上がり框6の上面と同一の高さ位置に設定されている。
上記外周基礎11の床下空間S3側の側面(以下「内側面11a」とも記す)には、例えば接着剤を介して断熱材7aが取り付けられており、外周基礎11の内側面11aとは反対側の側面(以下「外側面11b」とも記す)にも同様に断熱材7bが取り付けられている。
断熱材7a、7bは、上記床下断熱材51と同様の材料で構成されており、外周基礎11の側面11a,11bと直交する方向に所定の厚みを有した板状の部材である。外周基礎11の側面11a,11bには、その面積に合わせて複数枚の上記断熱材7a、7bが並列に(図2では紙面に直交する方向に)並べて取り付けられている。断熱材7aは、後述する防蟻シート8を介して上側断熱材72aおよび下側断熱材71aの上下に二分割されている。
下側断熱材71aは、地盤E3と外周基礎11との間に挟まれる状態で、上記外周基礎11の内側面11aに取り付けられている。また、上側断熱材72aはその下側が床下側土間スラブ23と外周基礎11との間に挟まれる状態で、上記外周基礎11の内側面11aに取り付けられている。上記各断熱材71a,72aの固定に接着剤を用いる場合には、防蟻用の薬剤が練り込まれた接着剤を用いることが好ましい。なお、接着剤に含有され得る薬剤の具体例は、後述する防蟻薬液の説明において例示する薬剤と基本的に同じであるので、ここでは説明を省略する。
上側断熱材72aの上面の高さ位置は、外周基礎11の上面よりも僅かに下側とされており、玄関床5と上側断熱材72aとの間に注射針を差し込める程度の僅かな隙間が確保されている。
外周基礎11の外側面11b側に取り付けられた断熱材7bも、上記断熱材7aと同様、防蟻シート8を介して上側断熱材72bと下側断熱材71bとの上下に二分割されており、下側断熱材71bは、地盤E1と外周基礎11との間に挟まれる状態で、上記外周基礎11の外側面11bに取り付けられている。また、上側断熱材72bは屋内側土間スラブ21と外周基礎11との間に挟まれる状態で、上記外周基礎11の外側面11bに取り付けられている。上側断熱材72bの上面は屋内側土間スラブ21と略同一高さとされており、屋内側土間スラブ21とともにモルタル層41で覆われている。
境界基礎コンクリート3は、図1にも示すように、建物の出入口に対応する位置、つまり屋内S1側の地盤E1と屋外S2側の地盤E2との間に立設されており、外周基礎コンクリート1の対向する2つの枠辺1B,1Cどうしを互いに連結している。境界基礎コンクリート3は、図2に示すように、外周基礎コンクリート1と同様の断面視逆T字状のいわゆる布基礎であり、地盤E1,E2から鉛直上方に立ち上がるように形成された境界基礎31と、地盤E1,E2に埋設された境界基礎31の下端から水平方向に張り出すように形成されたフーチング32とを一体に有している。この境界基礎コンクリート3よりも屋外S2側の上面には玄関扉9(図1、図2)が設置されている。上記境界基礎31の内側面31aには境界側断熱材7cが取り付けられている。
境界側断熱材7cは、上記断熱材7a,7bと同様の材料で構成され、且つ上記断熱材7a,7bと同様、防蟻シート8を介して上側断熱材72cと下側断熱材71cとの上下に2分割されており、それぞれが例えば接着剤73を介して境界基礎31の内側面31aに固定されている。上側断熱材72cの上面はモルタル層41で覆われている。
地盤E1〜E3と土間スラブ2との間には、地盤E1〜E3よりも上側に白蟻が侵入するのを防ぐための防蟻シート8が敷設されている。地盤E3と床下側土間スラブ23とに挟まれる防蟻シート8は、床下側土間スラブ23の上面よりも広い範囲を覆うように拡がっており、その一部が床下側土間スラブ23の外側をはみ出して下側断熱材71aの上部を覆うとともに防蟻シート8の周端は外周基礎11の内側面11aに接している。そして、防蟻シート8の周端は、例えば接着剤を介して下側断熱材71aの上面に固定されている。
屋内側土間スラブ21と地盤E1とに挟まれる防蟻シート8は、屋内側土間スラブ21の外側をはみ出して下側断熱材71b、71cの上部を覆うとともに防蟻シート8の周端が外周基礎11の外側面11bおよび境界基礎31の内側面31aにそれぞれ接している。そして、防蟻シート8の周端は、例えば接着剤を介して下側断熱材71b、71cの上面に固定されている。
防蟻シート8は、防蟻機能を有し、且つ防蟻薬液を堰き止めることが可能な材質のシート状体であれば特にその種類を問わないが、例えば、防蟻用の薬剤が練りこまれた樹脂成形体からなるフィルムまたは板材などを、上記防蟻シート8として使用することができる。ここで用いられる樹脂成形体としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA:Ethylene−Vinylacetate)樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。
(2)施工方法
次に、以上のような断熱基礎構造を施工する方法について、図3〜図7等を用いて説明する。なお、この説明の前提として、地盤E1と地盤E3の間および地盤E1と地盤E2の間には、既に外周基礎コンクリート1および境界基礎コンクリート3が打設されており、かつ外周基礎11の側面11a,11bおよび境界基礎31の内側面31aの下側には接着剤を介して下側断熱材71a〜71cがそれぞれ取り付けられたものとしている。
下側断熱材71b、下側断熱材71cおよび地盤E1はそれぞれ、図3に示すように略同一の上面高さとされており、下側断熱材71aおよび地盤E3はそれぞれ略同一の上面高さとされている。
上記の状態から始める作業としては、まず、図4に示すように、各下側断熱材71a〜71cの上面に防蟻シート8を固定するための接着剤73を塗布する。
次に、図5に示すように、各下側断熱材71a〜71cおよび地盤E1,E3の上面を覆うように防蟻シート8を敷設するとともに境界基礎31に隣接する屋外S2側の所定範囲の地盤E2の上面にそれぞれ防蟻シート8を敷設する。このとき、防蟻シート8の周端部は接着剤73を介して各下側断熱材71a〜71cの上面に固定される。各防蟻シート8を敷設するときに、地盤E1〜E3からの白蟻の進入経路を完全に遮断すべく、防蟻シート8の周端が外周基礎11の側面11a、11bおよび境界基礎31の内側面31aに接するように配置する。
ここでの敷設作業で使用される防蟻シート8の枚数は、1枚に限られない。防蟻シート8を複数枚使用する場合は、例えば、外周基礎11および境界基礎31に比較的近い部分のみを覆うために用意された帯状の防蟻シート8と、地盤E1〜E3の中央部を含む比較的広範な領域を覆うために用意された矩形状の防蟻シート8とを部分的に重ね合わせつつ敷設するとよい。
次いで、図5に示すように、外周基礎11の側面11a,11bおよび境界基礎31の内側面31aにそれぞれ上側断熱材72a,72b,72cを取り付ける。すなわち、上側断熱材72a,72bの裏面を接着剤等を介して外周基礎11の側面11a,11bに固定することにより、外周基礎11の側面11a,11bの上側と防蟻シート8の周端とを覆うように上側断熱材72a,72bを取り付ける。同様にして、上側断熱材72cの裏面を接着剤等を介して境界基礎31の内側面31aに固定することにより、境界基礎31の内側面31aの上側と防蟻シート8の周端とを覆うように上側断熱材72cを取り付ける。上側断熱材72a〜72cの固定に用いる接着剤は、上記下側断熱材71a〜71cの固定に用いた接着剤と同様のものを用いる。
次いで、図6に示すように、床下空間S3側、屋内S1側、屋外S2側の防蟻シート8の上面を覆うように各土間スラブ21〜23を施工する。これにより、各防蟻シート8が地盤E1〜E3および各土間スラブ21〜23によって挟み込まれて固定される。このとき、屋内側土間スラブ21の上面は、上側断熱材72b,72cの上面と略同一の高さ位置となるように調整され、屋外側土間スラブ22の上面は、境界基礎31の上面よりも低くなるように調整される。上側断熱材72a〜72cは、各土間スラブ21〜23と外周基礎11および境界基礎31との間に挟み込まれることでより強固に固定される。
次に、屋内側土間スラブ21、屋外側土間スラブ22および境界基礎コンクリート3の上面並びに外周基礎11の外側面11bの上側を全面的に覆うように上層部材4を敷設する。すなわち、図7に示すように、屋内側土間スラブ21および屋外側土間スラブ22の上面と、境界基礎31および上側断熱材72aの上面と、外周基礎11の外側面11bの露出した部分をともに覆うようにモルタル層41を塗布する。そして、当該モルタル層41の上面に舗装材42を配設することにより上層部材4を形成する。
次いで、図2に示すように、外周基礎コンクリート1の上面に図外のアンカーボルト等を介して木製の角材等の土台Tおよび上がり框6を組み付けるとともに土台Tの屋内S1側の側面に延びる玄関床5を取り付ける。最後に、玄関における屋内S1と屋外S2との間に玄関扉9を取り付ける。以上のようにして図2に示す本実施形態の断熱基礎構造が施工される。
(3)メンテナンス作業
以上のような方法で施工された断熱基礎構造に対し、防蟻効果を維持するためのメンテナンスを行うときの作業手順について説明する。
土中の白蟻は、基本的に暗がりを行動範囲とするため、建築物内に侵入しようという場合は、例えば外周基礎11の内側面11aと断熱材7aとの隙間を通るか、または外周基礎11の外側面11bと断熱材7bとの隙間を通って上方に這い上がろうとする。当実施形態の構造では、外周基礎11の側面11a、11bと防蟻シート8の周端とが接しているので、基本的には、防蟻シート8によって白蟻の這い上がりが阻止される。しかしながら、防蟻シート8の周端における防蟻効果が経年劣化により薄れたり、防蟻シート8の乾燥により収縮する場合等で防蟻シート8の周端が外周基礎11の側面11a、11bから離れる等していれば、白蟻が外周基礎11の側面11a、11bと防蟻シート8との間の隙間を通過してさらに上方まで這い上がり、建築物が白蟻に食われるという被害(食害)が及ぶこともあり得る。このような白蟻による被害を抑えるには、上記外周基礎11の側面と防蟻シート8の周端とが接する位置における防蟻性能を高めることが好ましい。
当実施形態において、上記防蟻薬液の導入作業は、断熱材7a、7bを外周基礎11に取り付けた状態のまま、断熱材7a、7bの表面側から行うことが可能である。その一例を図8に示す。図8は、注射器20を用いて外周基礎11の側面11a,11bと防蟻シート8とが交差する部分に防蟻薬液を導入する場合を例示したものである。
図8の例において、上記床下空間S3側の外周基礎11の内側面11aと防蟻シート8とが交差する部分に防蟻薬液を補充する際に、作業者は、建築物の床下空間S3に入り込み、玄関床5と上側断熱材72aとの隙間に注射器20の針先を通して外周基礎11の内側面11aに当接させた状態で、注射器20のピストンを押し込むことにより、注射器20内の防蟻薬液を外周基礎11の内側面11aに注入する。外周基礎11の内側面11aに注入された防蟻薬液は、外周基礎11の内側面11aを伝って流下し、防蟻シート8によって受け止められ、防蟻シート8の上面に溜まる。これにより防蟻薬液が高濃度に浸透された浸透領域30aが上側断熱材72aの下端部に形成される。
また外周基礎11の外側面11bと防蟻シート8とが交差する部分に防蟻薬液を補充する際には、上がり框6とモルタル層41との間に注射器20の針先を通して上がり框6の下面から外周基礎11の外側面11bに対して防蟻薬液を注入する。外周基礎11の外側面11bに注入された防蟻薬液は、外周基礎11の外側面11bを伝って流下し、防蟻シート8によって受け止められ、防蟻シート8の上面に溜まる。これにより防蟻薬液が高濃度に浸透された浸透領域30aが上側断熱材72bの下端部に形成される。
防蟻薬液は、白蟻の侵入を防ぐ機能(防蟻機能)および流動性を有する薬剤であり、当該薬剤は、防蟻機能を有するものであれば特にその種類を問わないが、例えば、ピレスロイド様薬剤(シラフルオフェン、エトフェンプロックス等)、ピレスロイド系薬剤(ビフェントリン、サイパーメストン、デルタメスリン、パーメスリン、ペルメスリン、アレスリン、トラロメスリン等)、カーバメント系薬剤( プロボクスル、フェノブカルブ、セビン等)、クロルニコチル系薬剤(イミダクロプリド、アセタプリド、クロチアニシン等)、ニトロガニリン系薬剤(ジノテフラン等)、有機リン系殺虫剤(ホキシム、テトラクロクピンホス、フェニトロチオン、プロベタンホス等)、ピラゾール系薬剤(フィブロニル等)、クロルフェノール系薬剤(4−プロモ−2,5−ジクロルフェノール(BDCP)等)、フェニルピロール系(クロルフェナビル等)、ヒバ油、ウコン、カプリン酸、ヤシ油、パーム油等を、上記薬剤として使用することができる。
(4)作用効果等
以上説明したように、上記実施形態では、建築物を支持する枠状の外周基礎コンクリート1の外周基礎11の側面11a,11bが断熱材7a,7bによって覆われた断熱基礎構造において、次のような特徴的な構成を採用した。
すなわち、上記実施形態では、外周基礎11の側面11a,11bの下側に取り付けられた下側断熱材71a,71bと、少なくとも周端が外周基礎11の側面11a,11bに接し、かつ下側断熱材71a,71bの上面を覆うように配置された防蟻シート8と、防蟻シート8の上面に接し、かつ外周基礎11の側面11a,11bの上側に取り付けられた上側断熱材72a,72bとを備えているので、下側断熱材71a,71bに侵入した白蟻が上側断熱材72a,72bに到達することを防蟻シート8によって防止することができる。また防蟻シート8の周端が外周基礎11の側面に接しているので、白蟻の進入経路を確実に絶つことが可能となる。
しかも、防蟻シート8が施工後のメンテナンス時に上側断熱材72a,72bと外周基礎11との隙間に注入される防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料で構成されているので、防蟻シート8よりも上側に位置する外周基礎11の側面11a,11bに防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が外周基礎11の側面11a,11bを伝って流れ落ちて防蟻シート8で受け止められ、防蟻シート8の上面に溜まるとともに上側断熱材72a,72bの下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させることができる。これにより上側断熱材72a,72bおよび下側断熱材71a,71bを外周基礎11に取り付けた状態のまま、外周基礎11の側面11a,11bと防蟻シート8とが交差する部分に防蟻薬液を補充することができるので、上側断熱材72a,72bを取り付けた後に防蟻薬液を容易に補充することができる。
また、下側断熱材71a,71bの上面と防蟻シート8の下面とが接着剤73によって接着されているので、防蟻シート8の下側から白蟻が防蟻シート8を食い破ろうとして上向きに上がって防蟻シート8の面方向に力が作用した時にも防蟻シート8の周端が外周基礎11の側面11a,11bから離れることなく接触した状態を保つことができる。これにより防蟻薬液を外周基礎11の側面11a,11bに伝わせて確実に防蟻シート8で受け止めることが可能となり、防蟻性能のメンテナンス性をより高めることができる。しかも、下側断熱材71a,71bの上面と防蟻シート8とを接着剤73によって固定することで、下側断熱材71a,71bの上面に防蟻シート8を施工する時に防蟻シート8が位置ずれしにくくなるので、防蟻シート8を配置しやすい。しかも、上記接着剤73が防蟻機能を有する材料で構成されているので、下側断熱材71a,71bと防蟻シート8との隙間に白蟻が侵入することをより確実に防止することができる。
また上記実施形態では、上側断熱材72a,72bを外周基礎11に取り付けた状態のままで防蟻薬液を外周基礎11の側面に沿って導入できるように上側断熱材72a,72bの上面の高さ位置を外周基礎11の上面よりも下側としているので、上側断熱材72a,72bの上面と玄関床5との間に注射針の針先を挿入できる程度の僅かな隙間が形成されている。この隙間に注射針の針先を挿入することで、外周基礎11の側面11a,11bに対して防蟻薬液を注入することができる。このようにして注入された防蟻薬液が外周基礎11の側面11a,11bを伝って流下して防蟻シート8で受け止められ、防蟻シート8の上面に溜まるとともに上側断熱材72a,72bの下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させることができる。これにより上側断熱材72a,72bおよび下側断熱材71a,71bを外周基礎11に取り付けた状態のまま、外周基礎11の側面11a,11bと防蟻シート8とが交差する部分に防蟻薬液を補充することができるので、断熱基礎構造に対する防蟻薬液の補充作業が容易である。
上記実施形態では、下側断熱材71a,71bの側面に接し、かつ下側断熱材71a,71bの上面と略同一高さまで盛り上げた地盤E1〜E3をさらに設け、防蟻シート8は、下側断熱材71a,71bの上面および地盤E1〜E3の上面を覆うように設けられているので、防蟻シート8の一端を下側断熱材71a,71bに接するように配置する作業が容易となり、防蟻シート8をより簡便に施工することができる。また、下側断熱材71a,71bの上面と地盤E1の上面との間に隙間が形成されないので、下側断熱材71a,71bの上面と地盤E1の上面との間が微妙に異なることで両者の間に隙間が形成されている場合に比べて、蟻の進入経路をより確実に絶つことが可能となる。
上記実施形態のように、上側断熱材72a,72bを取り付けた後に、外周基礎11の側面11a,11bに防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が外周基礎11の側面11a,11bを伝って流れ落ちて防蟻シート8で受け止められ、防蟻シート8の上面に溜まるとともに上側断熱材72a,72bの下端部に防蟻薬液を高濃度に浸透させることができる。
また、上記防蟻薬液の防蟻効果が低下した場合には、上記箇所に配置された防蟻薬液に対して追加の防蟻薬液を外周基礎11の側面11a,11bに供給することにより上側断熱材72a,72bおよび下側断熱材71a,71bを外周基礎11の側面11a,11bに取り付けた状態のまま、防蟻薬液を容易に補充することができる。これにより、メンテナンス用の防蟻薬液を補充するためにわざわざ断熱材7a,7bを取り外すなどの煩雑な作業をする必要がなくなり、メンテナンスの作業性を格段に向上することができる。
さらに、上記防蟻薬液に対し追加の防蟻薬液が定期的に補充されることにより、上記外周基礎11の側面11a,11bと防蟻シート8とが交差する部分における防蟻効果が長期間に亘って維持されるので、外周基礎11の側面11a,11bと防蟻シート8との隙間を通った白蟻の侵入を確実に防止することができる。
(変形例)
上記実施形態において、防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料で構成された防蟻シート8を用いる場合を説明したが、このような材質の防蟻シート8のみに限られず、防蟻シート8は防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されていてもよい。ここで、防蟻薬液を含浸することが可能な材料の具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、EVA共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂成形体からなる不織布または織布が挙げられる。このような不織布または織布に対して防蟻性能を示す薬液を含浸させたものを用いてもよい。このような材料で防蟻シート8を構成することで、防蟻シート8よりも上側に位置する外周基礎11の側面11a,11bに防蟻薬液を注入したときに、防蟻薬液が外周基礎11の側面11a,11bを伝って流れ落ちて防蟻シート8に含浸される。これにより上側断熱材72a,72bおよび下側断熱材71a,71bを外周基礎11に取り付けた状態のまま、防蟻シート8に防蟻薬液を含浸させることができるので、断熱基礎構造のメンテナンス時に防蟻薬液を充填する作業が容易となる。
上記実施形態において、外周基礎11の側面11a,11bに注入された防蟻薬液を防蟻シート8へと導く案内手段を設けてもよい。防蟻シート8が防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されている場合、案内手段としては、上側断熱材72a,72bを厚み方向に貫通するガイド孔と、この上側断熱材72a,72bの裏面に開口する上記ガイド孔の出口から上側断熱材72a,72bの裏面に沿って延び、防蟻シート8の上面まで達するガイド溝とを含むものを用いることができる。この構成によれば、上側断熱材72a,72bに設けられたガイド孔およびガイド溝に防蟻薬液を注入する等の簡単な方法により防蟻シート8に向けて確実に防蟻薬液を導入することができる。しかも防蟻シート8が防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されているので、防蟻シート8に到達した防蟻薬液が防蟻シート8の面内で拡散されるようになっている。
上記案内手段は、上側断熱材72a,72bの裏面の少なくとも一部を覆うように取り付けた織布または不織布であってもよい。ここでの上側断熱材72a,72bの裏面とは、上側断熱材72a,72bの表面のうちの外周基礎11の側面11a,11bに取り付けられる側の面を意味する。上側断熱材72a,72bの裏面に取り付けられた不織布に防蟻薬液を注入することで、防蟻薬液が不織布を伝って防蟻シート8に確実に防蟻薬液を導入することができる。また案内手段は、上側断熱材72a,72bを厚み方向に貫通するガイド孔と、上側断熱材72a,72bの裏面に取り付けられた不織布とを組み合わせたものであってもよい。これによりガイド孔に注入された防蟻薬液が不織布に含浸され、当該不織布を伝って防蟻シート8に確実に防蟻薬液を導入することができる。この場合、上側断熱材72a,72bの裏面側に設けられるガイド溝は省略することができる。
上記案内手段を設ける場合、上記実施形態のように上側断熱材72a,72bの上面の高さ位置を外周基礎11の上面よりも下側とする必要はなく、上側断熱材72a,72bおよび外周基礎11の上面の高さ位置を同一とすることができる。
上記実施形態においては、上側断熱材72aの上面と玄関床5との間の隙間から外周基礎11の側面11a,11bに防蟻薬液を注入することによって防蟻シート8上に防蟻薬液が高濃度に充填された浸透領域30aを形成する場合を説明したが、防蟻薬液の供給経路は、上記実施形態に示す部位のみに限られず、例えば玄関床5と外周基礎コンクリート1との隙間に注射器の針先を差し込んで、この針先から外周基礎11の外側面11bに防蟻薬液を供給することもできる。また別の防蟻薬液の供給手法として、上側断熱材72a,72b,72cを上下に分割する分割溝を形成するとともに当該分割溝に嵌め込み可能な嵌込型断熱材を設けてもよい。この場合、防蟻薬液の注入時には嵌込型断熱材を取り外して外周基礎11の側面11a,11bを露出させ、当該露出した外周基礎11の側面11a,11bから防蟻薬液を注入してもよい。
E 地盤
1 外周基礎コンクリート
2 土間スラブ
3 境界基礎コンクリート
4 上層部材
5 玄関床
6 上がり框
7a,7b 断熱材
8 防蟻シート
11 外周基礎
11a 内側面
11b 外側面
30a 浸透領域
31 境界基礎
71a,71b,71c 下側断熱材
72a,72b,72c 上側断熱材
73 接着剤

Claims (6)

  1. 建築物を支持する外周基礎の側面が断熱された断熱基礎構造であって、
    前記外周基礎の側面の下側に取り付けられた下側断熱材と、
    少なくとも周端が前記外周基礎の側面に接し、かつ前記下側断熱材の上面を覆うように配置された防蟻シートと、
    前記防蟻シートの上面に接し、かつ前記外周基礎の側面の上側に取り付けられた上側断熱材と、を備え、
    前記防蟻シートは、施工後のメンテナンス時に前記上側断熱材と前記外周基礎との隙間に注入される防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料または防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されていることを特徴とする断熱基礎構造。
  2. 請求項1記載の断熱基礎構造において、
    前記下側断熱材の上面と前記防蟻シートの下面とが接着剤によって接着されている、ことを特徴とする断熱基礎構造。
  3. 請求項2記載の断熱基礎構造において、
    前記接着剤は、防蟻機能を有する材料で構成されている、ことを特徴とする断熱基礎構造。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の断熱基礎構造において、
    前記上側断熱材を前記外周基礎に取り付けた状態のままで前記防蟻薬液を前記外周基礎の側面に沿って導入できるように前記上側断熱材の上面の高さ位置を前記外周基礎の上面よりも下側とされている、ことを特徴とする断熱基礎構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の断熱基礎構造において、
    前記下側断熱材の側面に接し、かつ前記下側断熱材の上面と略同一高さまで盛り上げた地盤をさらに設け、
    前記防蟻シートは、前記下側断熱材の上面および前記地盤の上面を覆うように設けられている、ことを特徴とする断熱基礎構造。
  6. 建築物を支持する外周基礎の側面の下側に下側断熱材を取り付けるステップと、
    少なくとも周端が前記外周基礎に接し、かつ前記下側断熱材の上面を覆うように、防蟻薬液を堰き止めることが可能な材料または防蟻薬液を含浸することが可能な材料で構成されている防蟻シートを取り付けるステップと、
    前記防蟻シートの上面に接し、かつ前記外周基礎の側面の上側に上側断熱材を取り付けるステップと、
    前記防蟻シートよりも上側に位置する前記外周基礎の側面に防蟻薬液を注入することにより、前記防蟻薬液を前記防蟻シートの周縁の上面まで到達させるかまたは前記防蟻薬液を前記防蟻シートに含浸させるステップと、を有することを特徴とする断熱基礎構造に防蟻処理を施す方法。
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