JP4690494B1 - 建物基礎のu字溝防蟻構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 建物の防蟻処理が簡単にできる布基礎外面のU字溝防蟻構造において、防蟻剤の使用量を抑えながらも、防蟻効果を長期に持続させて、土壌から建物へのシロアリ侵入を防止できる防蟻構造を提供する。
【解決手段】 このU字溝防蟻構造は、建物を支える布基礎の外側立上がり面3の外面に側板16を介して、密接して設けられるU字溝15は、吸着材22が敷かれた上面に設置されると共にU字溝15の底板17には長手方向に間隔を設けて複数の排出口19が設けられ、この排出口19の幾つかを隔壁18で仕切り、この隔壁18間に防蟻剤26を注入し吸着材22に吸収し放出、近傍土壌に防蟻剤26を効果的に散布する。
【選択図】図1
【解決手段】 このU字溝防蟻構造は、建物を支える布基礎の外側立上がり面3の外面に側板16を介して、密接して設けられるU字溝15は、吸着材22が敷かれた上面に設置されると共にU字溝15の底板17には長手方向に間隔を設けて複数の排出口19が設けられ、この排出口19の幾つかを隔壁18で仕切り、この隔壁18間に防蟻剤26を注入し吸着材22に吸収し放出、近傍土壌に防蟻剤26を効果的に散布する。
【選択図】図1
Description
本発明は、建物の基礎付近からシロアリの侵入を防止して、建物をシロアリの食害から防護するための防蟻構造および防蟻方法に関する。
従来から住宅など建築物は、シロアリによる食害から防護するために、色々な対策が実施され、また新しい対策方法が提案されている。例えば、基礎近傍の土壌に防蟻剤を散布または土壌注入や土台などに防蟻剤の塗布または加圧注入による防蟻剤含浸などは一般的な防蟻処理である。しかし、有効に防蟻効果が持続するのは約5年間であるので、5年経過毎に再防蟻処理が必要で、その都度多大なコストが発生している。
一方、床下の高湿環境や通風不足に起因する結露によるカビ発生、木部の腐朽などはシロアリの食害等に至ることもあり、これらの対策に床下調湿剤敷設、床下換気扇の設置などが一般的になされている。しかし、この床下高湿環境は、床下地盤面より建物周囲の地盤面が高いか同等程度の場合、室外から床下への水分流入がされ易くなることが根本原因である。この根本原因を是正しなければ、床下調湿剤はこの高湿空気を吸収し、すぐ飽和状態になるので床下の高湿環境は改善されない。さらにこの高湿環境において床下換気扇で通風換気しても結露は解消せず、カビやシロアリの食害等が発生しているのが現状である。なお、本願発明に関する公知技術として次の特許文献1〜3および非特許文献1〜4の物件がある。
一方、床下の高湿環境や通風不足に起因する結露によるカビ発生、木部の腐朽などはシロアリの食害等に至ることもあり、これらの対策に床下調湿剤敷設、床下換気扇の設置などが一般的になされている。しかし、この床下高湿環境は、床下地盤面より建物周囲の地盤面が高いか同等程度の場合、室外から床下への水分流入がされ易くなることが根本原因である。この根本原因を是正しなければ、床下調湿剤はこの高湿空気を吸収し、すぐ飽和状態になるので床下の高湿環境は改善されない。さらにこの高湿環境において床下換気扇で通風換気しても結露は解消せず、カビやシロアリの食害等が発生しているのが現状である。なお、本願発明に関する公知技術として次の特許文献1〜3および非特許文献1〜4の物件がある。
(社)日本しろあり対策協会の「防除施工標準仕様書」P11及びP14 平成21年8月発行
埼玉白蟻株式会社ホームページより 「外周処理仕様」
木造住宅工事共通仕様書 監修 住宅金融支援機構 参考図 布基礎詳細およびベタ基礎詳細 ページ24、25
ホームページより NPO住宅110番「床下の結露・湿度」2006/10/18号 (株)札促社 住まいの雑誌 REPLAN 北海道
上記特許文献1では、「上方に開いた凹部もしくは溝が長さ方向に沿って形成されており、かつ該凹部もしくは溝に液体が貯留もしくは通流されている液体支持部材が、建造物の基礎構造体の少なくともビルドエリアに面する地上部側面の全周にわたり連続して密接固定されており、前記液体支持部材において液体の液面が上記全周にわたり連なるように液体が貯留もしくは通流されていることを特徴とする建造物の防蟻構造」が記載されている。
さらに特許文献2では、「周壁に防蟻剤噴射用の多数のオリフィスが形成された防蟻剤散布用パイプを、建築物の基礎工事に際して、少なくとも床下の地中に予め配管し、且つ該防蟻剤散布用パイプの防蟻剤供給口に外部から防蟻剤を供給できるようにし、その後前記防蟻剤散布用パイプが地中に配管された土間の表面に土間コンクリートを打設してなり、前記防蟻剤散布用パイプの前記防蟻剤供給口に外部から防蟻剤を供給することによって、土間コンクリートを打設後も建築物の床下の地中に防蟻剤を注入散布できるようにしてなることを特徴とする建築物の防蟻処理工法」が記載されている。
さらに特許文献3では、「布基礎1の立上がり部4と土間コンクリート2の端部との接合部分10に沿って、防蟻剤を吸着保持する吸着材11を配設するとともに、前記吸着材11に沿って防蟻剤供給管21を配設して、前記防蟻剤供給管21の長手方向に間隔をあけて形成した複数の吐出口22・・から前記吸着材11に対して防蟻剤を吐出させるようにしたことを特徴とする基礎の防蟻構造」が記載されている。
さらに非特許文献1においては、「建物の外周の防除処理が必要な場合は、薬剤が外部へ流出しないような方法で行う。」と仕様書に明記されているが、この施工方法などの詳細は該仕様書には記載されていない。
さらに非特許文献2は、「上記非特許文献1を具体化した外周処理(溝処理)の施工方法が記載されており、この外周処理方法は写真に示すように、布基礎の外周に沿って、土壌に幅15cm、深さ20cm以上の溝を掘り、シロアリ防除薬剤をこの溝内に流し込んだ後、この溝を土壌で埋め戻す処理方法である。しかし布基礎の外周に溝が形成できず溝処理ができない場合は、専用の注入機で外周付近の土壌中に薬剤の加圧注入処理を行う。この溝処理方法では、布基礎外周の土壌に溝堀りおよび埋め戻し作業を行う必要があり、またこの外周処理は、シロアリ防除薬剤の効果が低下するので5年毎に再処理を行う必要がある」と記載されている。
さらに非特許文献3には、「床下地盤面は建物周囲の地盤面より50mm以上高くすること」と仕様書で規定されている。
さらに非特許文献4には、「住宅の床下結露によるタタミのカビ等の被害」の問い合わせに対して「その原因と対策」を専門家の回答事例が記載されている。原因は基礎外周部に花壇等の設置で土盛りや、床下地盤面の沈下などで、床下地盤面が建物周囲の地盤面より低くなっているので、対策としてまず床下地盤面を、建物周囲の地盤面より最低50mm以上高くする必要があり、この地盤高低差が大きいほど改善効果が発揮できる。この対策工事は床板を剥がして床下に砂を充填、均一にならし、その上にポリフィルムを敷きこみ、重ね部分に乾燥砂を被せること。」と専門家のアドバイスが記載されている。
以上に述べた従来の建物基礎の防蟻構造において、
特許文献1では、シロアリ侵入防止支持部材に形成された樋の中の油に、空中の塵埃が入り込み堆積し易い。したがって容易にシロアリがこのシロアリ侵入防止支持部材を乗り越え、布基礎から木部に到達できるので、防除の目的が達成されない。また、油の補給など定期的な点検が必要で煩わしい。
特許文献2では、防蟻剤散布用パイプのオリフィスから防蟻剤が地中に注入散布されるが、外部供給口近くのオリフィスは最も管内抵抗が小さいので、防蟻剤の噴射量が多くなり、また供給口から遠いオリフィスは、最も管内抵抗が大きくなるので防蟻剤の噴射量は少なくなる。したがって、建物全周の各オリフィス噴射量は同等にならず,必要な防蟻効果を確保するためには、防蟻剤が多量必要になり土壌汚染が著しく広がる恐れがある。
特許文献3では、防蟻剤は防蟻剤供給管の管内を流れて、複数の吐出口から吸着材へ向けて吐出する。と記載されているが、防蟻剤供給管の端部から流入の防蟻剤は、流入口から近い吐出口から先に吸着材へ流入する。したがって防蟻剤供給管の端部から遠くの吐出口ほど吸着材への流入が少なくなる可能性がある。また、図2〜3において防蟻剤供給管に配設された吐出口は、管内高さ中央より上側に穴明けされており、この位置まで防蟻剤が流入後、吐出口から防蟻剤が溢れ出すことになる。さらに土間面は不陸による高低差があるので供給管が全長にわたり水平にならず、吐出口が低い所から先に防蟻剤が溢れ出すので各吐出口の防蟻剤量は同等にならず、必要な防蟻効果を確保するためには、所により多量に排出し総量は多くなるので汚染が著しく広がる恐れがある。また、吐出口の下部管内には防蟻剤が蒸発し乾燥するまで長期間貯留するので、特に基礎断熱構造では、床下空気が室内に流入するので、有害物質が室内へ流入する危険性が高い。
特許文献1では、シロアリ侵入防止支持部材に形成された樋の中の油に、空中の塵埃が入り込み堆積し易い。したがって容易にシロアリがこのシロアリ侵入防止支持部材を乗り越え、布基礎から木部に到達できるので、防除の目的が達成されない。また、油の補給など定期的な点検が必要で煩わしい。
特許文献2では、防蟻剤散布用パイプのオリフィスから防蟻剤が地中に注入散布されるが、外部供給口近くのオリフィスは最も管内抵抗が小さいので、防蟻剤の噴射量が多くなり、また供給口から遠いオリフィスは、最も管内抵抗が大きくなるので防蟻剤の噴射量は少なくなる。したがって、建物全周の各オリフィス噴射量は同等にならず,必要な防蟻効果を確保するためには、防蟻剤が多量必要になり土壌汚染が著しく広がる恐れがある。
特許文献3では、防蟻剤は防蟻剤供給管の管内を流れて、複数の吐出口から吸着材へ向けて吐出する。と記載されているが、防蟻剤供給管の端部から流入の防蟻剤は、流入口から近い吐出口から先に吸着材へ流入する。したがって防蟻剤供給管の端部から遠くの吐出口ほど吸着材への流入が少なくなる可能性がある。また、図2〜3において防蟻剤供給管に配設された吐出口は、管内高さ中央より上側に穴明けされており、この位置まで防蟻剤が流入後、吐出口から防蟻剤が溢れ出すことになる。さらに土間面は不陸による高低差があるので供給管が全長にわたり水平にならず、吐出口が低い所から先に防蟻剤が溢れ出すので各吐出口の防蟻剤量は同等にならず、必要な防蟻効果を確保するためには、所により多量に排出し総量は多くなるので汚染が著しく広がる恐れがある。また、吐出口の下部管内には防蟻剤が蒸発し乾燥するまで長期間貯留するので、特に基礎断熱構造では、床下空気が室内に流入するので、有害物質が室内へ流入する危険性が高い。
また非特許文献1では、具体的な施工方法が示されていないが、この非特許文献1を具体化した非特許文献2では、外周処理における溝処理方法は、土壌の溝堀りと埋め戻し作業を行う必要があり、しかも薬効の低下による5年毎の外周再防蟻処理が必要で、その都度多大なコストが発生する。また非特許文献3では、床下地盤面の高さを外部地盤より50mm以上高くする仕様が要求されている。さらに非特許文献4では、床下結露の対策で「床下地盤面を基礎外周地盤面より高くするために砂を充填し、その上にポリフィルムを敷きこみ、重ね部分に乾燥砂を被せる。」とあるが、この工事は床板を剥がすなど大工事となり、また床下作業はやり難いので多大なコストが発生する。
そこで本発明は、上記の問題点を解消して、建物の新築および既築を問わず防蟻処理に大掛かりな機器を使用せず、簡単な注入散布作業により防蟻剤の使用量を抑えながらも、防蟻効果を長期に持続させて、土壌から建物へのシロアリ侵入を防止できる防蟻構造を提供する。
本発明は上記課題を解決するために、その発明1は、建物を支える布基礎の外側立上がり面3の外面に、側板16を介して密接して設けられるU字溝15は、吸着材22が敷かれた上面に設置されると共にU字溝15の底板17には長手方向に間隔を設けて複数の排出口19が設けられ、この排出口19の幾つかを隔壁18で仕切り、該隔壁18間に防蟻剤26を注入できるようにすると共に、U字溝15上面には容易に外れないための手段を介してフタ21が設けられてなることを特徴とする建物基礎のU字溝防蟻構造。
その発明2は、前記U字溝15の底板17に、排出口19の代わりに設置穴28を設け、定期的に取替えできる固形防蟻剤27を該設置穴28に装着し、固形防蟻剤27を長期にわたり溶出させ近傍の地中に浸透させることを特徴とする請求項1記載の建物基礎のU字溝防蟻構造。
本発明は、上記構成から成るので以下に示す効果が期待できる。
(1)U字溝15の各隔壁18内に、ほぼ同等量の防蟻剤26をジョウロ25などで注入散布するだけで、土壌中の濃度が全長ほぼ一様にできるので、防蟻剤26の無駄な使用がなく土壌汚染も少なくできる。さらにこの防蟻処理は、大掛かりな防蟻剤注入機器が不要で、簡単な作業のため一度設置すれば家庭でも簡単に防蟻再処理ができる。
(2)また従来の防蟻処理の効果は5年程度しかないが、この防蟻構造内に、固形防蟻剤27を設置した処理では、長期間防蟻剤を保持し地中に徐々に溶出させ浸透させることができるので、従来の工法より長期間の防蟻効果が期待できる。
(3)この防蟻構造は、基礎外周に防蟻剤26を散布するので、特に基礎断熱構造では室内に汚染物質が流入する恐れがなく、また外張り断熱材34の下と布基礎との間や布基礎の立上がり部2のコンクリート打ち継ぎ部5には、シロアリが侵入し蟻道が形成し易いが、この近傍土壌に防蟻剤26が散布され浸透するので、防蟻に著しい効果がある。
(4)床下の結露やカビの根本原因は、床下地盤面10が建物周囲の地盤面9より低いことであるが、この構造では建物周囲の地盤面9が床下地盤面10より低くなるので、床下への水分流入や布基礎からの水分浸透も少なくなるので、床下の高湿環境が改善され結露やカビの発生が少なくなる。
(5)降雨時、外壁や布基礎の外側立上がり面3に、敷地の土や泥を跳ね返すことが少なくなり汚れ難くなる。
(6)この防蟻構造は、新築および既築住宅の基礎断熱構造や床断熱構造の両断熱構造にも適用できる。
(1)U字溝15の各隔壁18内に、ほぼ同等量の防蟻剤26をジョウロ25などで注入散布するだけで、土壌中の濃度が全長ほぼ一様にできるので、防蟻剤26の無駄な使用がなく土壌汚染も少なくできる。さらにこの防蟻処理は、大掛かりな防蟻剤注入機器が不要で、簡単な作業のため一度設置すれば家庭でも簡単に防蟻再処理ができる。
(2)また従来の防蟻処理の効果は5年程度しかないが、この防蟻構造内に、固形防蟻剤27を設置した処理では、長期間防蟻剤を保持し地中に徐々に溶出させ浸透させることができるので、従来の工法より長期間の防蟻効果が期待できる。
(3)この防蟻構造は、基礎外周に防蟻剤26を散布するので、特に基礎断熱構造では室内に汚染物質が流入する恐れがなく、また外張り断熱材34の下と布基礎との間や布基礎の立上がり部2のコンクリート打ち継ぎ部5には、シロアリが侵入し蟻道が形成し易いが、この近傍土壌に防蟻剤26が散布され浸透するので、防蟻に著しい効果がある。
(4)床下の結露やカビの根本原因は、床下地盤面10が建物周囲の地盤面9より低いことであるが、この構造では建物周囲の地盤面9が床下地盤面10より低くなるので、床下への水分流入や布基礎からの水分浸透も少なくなるので、床下の高湿環境が改善され結露やカビの発生が少なくなる。
(5)降雨時、外壁や布基礎の外側立上がり面3に、敷地の土や泥を跳ね返すことが少なくなり汚れ難くなる。
(6)この防蟻構造は、新築および既築住宅の基礎断熱構造や床断熱構造の両断熱構造にも適用できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明の防蟻構造は、図1ないし図2bに示すように、U字溝15とフタ21および吸着材22で構成され、U字溝15は底板17の両側に側板16がU字型に一体に形成され、側板16の上面にフタ21が設けられ、底板17の下面には吸着材22が設けられている。
次に図2aおよび図2bに示すように、U字溝15は防水テープ20を間に挟んで建物周囲に沿って布基礎の外側立上がり面3に密接固定し、その設置作業要領は、図3aに示す布基礎1外側土壌に沿って長手に図3bに示すように、巾約15cm程度で深さは地表面から防蟻本体15に雨水が流入しないように、地盤側の側板16上端が、外地盤面より約3から5cm程度高くなるように溝掘り33し底面を付き固める。なお防水テープは耐久性のあるEPDM(エチレン・プロピレン・ジエンの共重合体)などで、水分を透過させない発泡材で形成されている。
次に図3cおよび図3dに示すように、溝底面に吸着材22を置いてU字溝15を吸着材22の上に置き、布基礎の外側立上がり面3にU字溝15の側板16の上部をコンクリートアンカー23などで取付け固定する。なお布基礎の外側立上がり面3のコンクリート表面は、あらかじめ防水塗装処理をしておく。
次に図3cに示すように、U字溝15と溝地盤との隙間に土砂37を埋め戻して突き固め、U字溝15を固着する。
次に図3dに示すように、布基礎の外側立上がり面3と接する側板16の間に雨水浸入防止のため、側板16の上部にシーリング処理24した後、フタ21をU字溝15上面に被せる。
次に図3dや図2bに示すように、フタ21は、U字溝15の側板16に嵌め込みなどの手段で固定されており、地震や強風などで容易に外れないように形成されている。なお、U字溝15内には、大量の雨水浸入は良くないのでシーリングなどで防水対策を施す。
次に図2bに示すように、U字溝15およびフタ21は、耐久性のあるアルミ合金、ステンレスなどの金属や合成樹脂の押出し型材、射出成型品や再生樹脂製品、金属と合成樹脂の複合材やコンクリートやGRC(ガラス繊維強化セメント)やFRP(ガラス繊維等の強化プラスチック)やセラミック等の材料で形成されている。
次に図2aおよび図2bに示すように、U字溝15は吸着材22が敷かれた上面に設置され、底板17にほぼ一定間隔に複数の排出口19が設けられ、U字溝15に注入された防蟻剤26はこの排出口19から排出され、一旦この吸着材22に吸収保持した後、徐々に地中に放出し土壌に浸透させる。なお吸着材22は、図4cに示すように樹脂製スポンジなどの発泡材や不織布や綿などで、防蟻剤26を吸放出し易い材料で形成されている
さらに図2aおよび図2bに示すように、U字溝15は各排出口19からの防蟻剤26の量がほぼ同等になるように、排出口19が幾つか毎に区画するための隔壁18を設けており、この隔壁18は隣の区画に防蟻剤26が流れ出ないようにせき止めるもので、U字溝15と一体成型かまたは別部材で形成されている。
また図2aは、布基礎部の平面図で、テラス11や玄関ポーチ12や犬走り13などを含め、ほぼ布基礎全周に設置したU字溝15を示し、一部はフタ21を被せた状態を示す。なお防蟻構造14は、奥行き約10cm程度のスペースで済むので、都会の狭小地でも設置し易い。
次に図2cは、犬走り13の先端に防蟻構造14の設置状態を示す。本来犬走り13の目的は、床下に雨水が浸透するのを防ぐ事と降雨時泥水を跳ねて外壁を汚すのを防ぐ事であるが、この防蟻構造14を布基礎の外側立上がり面3に設置することにより、犬走りと同様の機能がある。すなわち降雨時に図3cの土台水切り30からフタ21に雨水が滴下31するので、外壁や布基礎を泥で汚すこともなく、また布基礎への水分浸透も少なくできるので、物件により犬走りを省略することもできる。
次に図3dに示すように、フタ21を外しU字溝15に防蟻剤26をジョウロ25などで注入し、吸着材22に浸透させた後、布基礎近傍土壌に浸透させる。排出口19の幾つかごとに隔壁18で仕切られた区画に、防蟻剤26を一定量ずつ注入し散布する。この本考案による防蟻構造は、ほぼ5年毎に都度行っていた土壌の溝堀りや埋め戻し作業が無くなり、防蟻剤26を注入するだけの簡単な作業で済むので、従来の防蟻処理工法に比べ作業が極めて容易でコストが低減できる。
次に図4aは、基礎断熱構造における外張り断熱を示し、この外張り断熱材34はポリスチレン板や発泡ウレタンフオーム板などが使用されているが、布基礎の外側立上がり面3と外張り断熱材下部35や外装仕上げ材36の間からシロアリが侵入、蟻道をつくり建築物の土台などシロアリの食害に至るケースが多く、また布基礎のフーチング4と立ち上がり部2とコンクリート打ち継ぎ部5に、ヒビが入り易いので、このヒビの隙間からシロアリが侵入することが多い。本考案の防蟻構造14を設置し防蟻処理をすれば、シロアリの侵入の恐れのあるこの近傍に防蟻剤26が浸透するのでシロアリの侵入を阻止できる。
次に図5aは、防蟻構造14に固形防蟻剤27を装着した断面図で、固形防蟻剤27は小穴や網目状のプラスチックや非金属や金属や不織布などのケースに入れられ、形成されたカートリッジ式で、このケースは、吸着材22および土壌に接しているので、固形防蟻剤27を地中に溶出させ浸透させることができる。図5cは、図5aの詳細図で、固形防蟻剤27を底板17に形成された設置穴28に上から落とし込み装着する。なお吸着材22は、固形防蟻剤27の部分はスポンジをへこますかまたは穴を開けておく。なお固形防蟻剤27を用いる場合は、吸着材22を使用しない場合も考えられる。
図5bは、固形防蟻剤27の設置穴28および該固形防蟻剤27の装着状態を上方から視たところを示し、基礎外周に約30〜45cm程度の間隔に設置する。なお実施形態では固形防蟻剤27としたが、粒状の防蟻剤や、粉状の防蟻剤や、ゼリー状の防蟻剤など各種形態の防蟻剤を用いても良い。このカートリッジ式による防蟻再処理は、このケース入りの固形防蟻剤27を現場に持ち込み取り替えるだけで済むので、従来の防蟻処理工法に比べ作業が極めて容易でコストが低減できる。
次に6a図は、非特許文献3の木造住宅工事共通仕様書通り、床下地盤面10が建物周囲の地盤面より高い正常状態を示し、図6bは、建物周囲の地盤面9に花壇などで土盛りをすると、床下地盤面10が建物周囲の土盛り時、地盤面38より低くなり、この状態では、床下に水分が流入し易くなり床下が高湿になる恐れがある。そこで図6cに示すように本発明の防蟻構造を設置すれば、U字溝15の最下部が建物周囲の実質地盤面39となり、床下地盤面10の方が高くなり、非特許文献3の木造住宅工事共通仕様書基準通りの正常な高さ状態に復帰する。このため降雨時や隣地などからの水分は、U字溝15の下部地中に浸透するので、床下に水分が流入し難くなり、床下の高湿環境が大幅に改善され床下が結露し難くなる。
1 布基礎
2 立上がり部
3 布基礎の外側立上がり面
4 フーチング
5 コンクリート打ち継ぎ部
6 ベタ基礎
7 押さえコンクリート
8 防湿フィルム
9 建物周囲の地盤面
10 床下地盤面
11 テラス
12 玄関ポーチ
13 犬走り
14 U字溝防蟻構造
15 U字溝
16 側板
17 底板
18 隔壁
19 排出口
20 防水テープ
21 フタ
22 吸着材
23 コンクリートアンカー
24 シーリング処理
25 ジョウロ
26 防蟻剤
27 固形防蟻剤
28 設置穴
29 外装仕上げ材
30 土台水切り
31 雨水滴下
32 土盛り
33 溝掘り
34 外張り断熱材
35 外張り断熱材下部
36 外装仕上げ材
37 土砂
38 建物周囲の土盛り時地盤面
39 建物周囲の防蟻構造設置時、実質地盤面
40 床下地盤面と建物周囲の地盤面の高低差
2 立上がり部
3 布基礎の外側立上がり面
4 フーチング
5 コンクリート打ち継ぎ部
6 ベタ基礎
7 押さえコンクリート
8 防湿フィルム
9 建物周囲の地盤面
10 床下地盤面
11 テラス
12 玄関ポーチ
13 犬走り
14 U字溝防蟻構造
15 U字溝
16 側板
17 底板
18 隔壁
19 排出口
20 防水テープ
21 フタ
22 吸着材
23 コンクリートアンカー
24 シーリング処理
25 ジョウロ
26 防蟻剤
27 固形防蟻剤
28 設置穴
29 外装仕上げ材
30 土台水切り
31 雨水滴下
32 土盛り
33 溝掘り
34 外張り断熱材
35 外張り断熱材下部
36 外装仕上げ材
37 土砂
38 建物周囲の土盛り時地盤面
39 建物周囲の防蟻構造設置時、実質地盤面
40 床下地盤面と建物周囲の地盤面の高低差
Claims (2)
- 建物を支える布基礎の外側立上がり面3の外面に、側板16を介して密接して設けられるU字溝15は、吸着材22が敷かれた上面に設置されると共にU字溝15の底板17には長手方向に間隔を設けて複数の排出口19が設けられ、この排出口19の幾つかを隔壁18で仕切り、該隔壁18間に防蟻剤26を注入できるようにすると共に、U字溝15上面には嵌め込み手段を介してフタ21が設けられてなることを特徴とする建物基礎のU字溝防蟻構造。
- 前記U字溝15の底板17に、排出口19の代わりに設置穴28を設け、定期的に取替えできる固形防蟻剤27を該設置穴28に装着し、固形防蟻剤27を長期にわたり溶出させ近傍の地中に浸透させることを特徴とする請求項1記載の建物基礎のU字溝防蟻構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010148260A JP4690494B1 (ja) | 2010-06-11 | 2010-06-11 | 建物基礎のu字溝防蟻構造 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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