JP2003129580A - 建物の防蟻構造及びその建物 - Google Patents

建物の防蟻構造及びその建物

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JP2003129580A
JP2003129580A JP2001322956A JP2001322956A JP2003129580A JP 2003129580 A JP2003129580 A JP 2003129580A JP 2001322956 A JP2001322956 A JP 2001322956A JP 2001322956 A JP2001322956 A JP 2001322956A JP 2003129580 A JP2003129580 A JP 2003129580A
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Shuya Ozeki
修也 尾関
Masao Ishii
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建物内の環境を汚染せずかつ期間を要するこ
となく、軸組や床組等をシロアリによる食害から保護で
きる建物の防蟻構造及びその建物を提供する。 【解決手段】 建物Aの布基礎1の立ち上がり部2,3
とこの立ち上がり部2,3で包囲された地盤4上に施工
した土間床5との継ぎ目6をシロアリ7が通過して建物
Aの床下8へ侵入するのを防止する建物Aの防蟻構造で
あって、継ぎ目6にシアロリの分泌物に耐性で耐食害性
のシーリング材を充填した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建物の布基礎の
立ち上がり部と土間床との継ぎ目をシロアリが通過して
床下へ侵入するのを防止する建物の防蟻構造及びその建
物に関する。
【0002】
【従来の技術】建物における従来のシロアリ防除技術と
しては、例えば、(1)建物の床下の地盤(土壌)と、
地面から1m以内の木部とを薬剤で処理する方法、
(2)シロアリの活動をモニタリングしながら、侵入し
てきたシロアリに少量の薬剤を含む毒餌を摂食させて根
絶するベイト工法(レスケミカル法)、等が知られてい
る。(3)特開2001−49753には、床下の防蟻
剤が漏れないように防蟻剤遮断部を設ける技術が開示さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来例(1)においては、薬剤に起因する化学物
質過敏症等の問題があり、即ち、建物内の環境が化学物
質によって汚染されるという問題点がある。
【0004】また、従来例(2)においては、シロアリ
に毒餌を摂食させ、コロニー全体の活力を衰退させるこ
とを目的とするため、その開始から終了までに少なくと
も数カ月〜2年程度の長期間を要するという問題点があ
る。(3)においては、土間床下の地盤に薬剤の散布、
あるいは防蟻のためのシートを設ける必要があり、その
ための費用が必要である。
【0005】この発明は、以上のような問題点に鑑みて
なされたものであり、土間床下の地盤に薬剤を散布しな
いので薬剤処理にかかる費用が不要となると共に、建物
内の環境を汚染せずかつ期間を要することなく軸組や床
組等をシロアリによる食害から保護できる建物の防蟻構
造及びその建物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の防蟻構造は、建物の布基礎の立ち上がり
部とこの立ち上がり部で包囲された地盤上に施工した土
間床との継ぎ目をシロアリが通過して前記建物の床下へ
侵入するのを防止する建物の防蟻構造であって、前記継
ぎ目にシロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング
材を充填したものである。
【0007】請求項2の防蟻構造は、前記土間床の上面
の周縁に、周方向に延びる目地用切欠部を設けたもので
ある。
【0008】請求項3の防蟻構造は、前記建物の外周部
分に施工された立ち上がり部とこの立ち上がり部の下方
に施工されたベース部との継ぎ目にシロアリの分泌物に
耐性で耐食害性のシーリング材を充填したものである。
【0009】請求項4の防蟻構造は、前記立ち上がり部
の外側面の下端又は内側面の下端に周方向に延びる目地
用切欠部を設けたものである。
【0010】請求項5の防蟻構造は、前記ベース部の上
面における前記立ち上がり部の外側面又は内側面の下方
位置に、周方向に延びる切欠溝を設けたものである。
【0011】請求項6の防蟻構造は、前記建物の外周部
分に施工された立ち上がり部の外側面の下端に、周方向
に延びかつ上面が地盤面より下方に位置する突出部を設
け、前記立ち上がり部の外側面及び前記突出部の上面に
密着するようにこの突出部の厚さと略同じ厚さの基礎断
熱材を設けると共に、前記突出部の外側面から前記基礎
断熱材の外側面における少なくとも地上の所定高さまで
の範囲を、前記シロアリの分泌物に耐性の耐腐食性材料
で構成されたメッシュシートで被覆したものである。
【0012】請求項7の防蟻構造は、前記建物の外周部
分に施工された立ち上がり部の外側面の下端に、周方向
に延びかつ上面が地盤面より下方に位置する突出部を設
け前記立ち上がり部の外側面及び前記突出部の上面に密
着するようにこの突出部の厚さと略同じ厚さの基礎断熱
材を設けると共に、前記突出部の外側面から前記基礎断
熱材の外側面における少なくとも地上の所定高さまでの
範囲にシロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング
材を塗布したものである。
【0013】請求項8の防蟻構造は、前記シロアリの分
泌物に耐性で耐食害性のシーリング材に高硬度粒子を配
合したものである。
【0014】請求項9の防蟻構造においては、前記高硬
度粒子同士の分散間隔が前記シロアリの頭部の横断面に
おける最大寸法の2倍以下である。
【0015】また、請求項10の建物においては、請求
項1乃至9のいずれか記載の防蟻構造を有する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図3に示すように、第1
実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、建物Aの布基礎1
の立ち上がり部2,3とこの立ち上がり部2,3で包囲
された地盤4上に施工した土間床5との継ぎ目6をシロ
アリ7が通過して建物Aの床下8へ侵入するのを防止す
るものであって、継ぎ目6にシーリング材9を充填した
ものである。
【0017】布基礎1は、図1及び図2に示すように、
建物Aの外周部分及びその内方に施工されており、立ち
上がり部2(3)とベース部10とから横断面が例えば
逆T字状に形成されている。図1に示す、外周部分に施
工されて周方向に連続する立ち上がり部2の内方の地盤
4は、図2に示す、内方に施工されて縦横等に連続する
立ち上がり部3により複数の区画に区分されている。
【0018】土間床5は、外周部分及び内方の立ち上が
り部2,3で包囲された地盤4上に施工されており、材
質としては物理的防蟻効果を有する材料であれば周知の
ものが使え、例えばコンクリートであり、好ましくは、
ひび割れ防止のために内部に鉄筋、ワイヤーメッシュ等
が埋設されている。この土間床5と地盤4との間には、
必要に応じて防湿シート等を敷設してもよい。
【0019】継ぎ目6は、図1、図2、及び図4に示す
ように、立ち上がり部2,3と土間床5との打ち継ぎ部
分に形成されており、この継ぎ目6にはシーリング材9
が充填されている。
【0020】シロアリ7とは、ゴキブリに近縁の社会生
活をする不完全変態の昆虫であって、シロアリ目(等翅
類)Isopteraの総称である。このシロアリ7は、図3に
示すように、非変形性の堅い頭部7aを有する一方、比
較的柔らかくて弱い体部7bを有している。このような
シロアリ7としては、例えば、ヤマトシロアリやイエシ
ロアリ等の各種のものが挙げられる。
【0021】シーリング材9としては、シロアリ7から
放出されるギ酸等の分泌物に耐性で、使用環境下で数年
から数十年の耐用年数を有する耐劣化性材料で構成され
ていれば、種々のものを使用できる。例えば、シリコー
ン系、変性シリコーン系、ポリサルファイド系、変性ポ
リサルファイド系、アクリルウレタン系、ポリウレタン
系、及びアクリル系、スチレン・ブタジエン共重合ゴム
系、ブチルゴム系等で、土間床に用いる物理的防蟻効果
を有する材料の収縮及び膨張といった動き(コンクリー
トの場合、乾燥収縮率0.04〜0.07%等)に追従
でき、つまりJIS A 5758で測定できるムーブメ
ント追従性に優れ、かつ接着性にも問題ないものが挙げ
られる。また粘度(BS型回転粘度計、23℃、10r
pm)としては、100〜10000Pa・sのものが
適しており、シロアリが歯のある大顎で噛りとろうとし
ても、このシーリング材9がシロアリの歯にひっかか
り、噛み付くことを嫌うので食害できない。
【0022】このシーリング材9を継ぎ目6に充填する
際は、適宜プライマーを塗布した後に、ハケ、コテ、ノ
ズル、ガン等により塗布又は注入等してもよい。充填の
し易さを考えると、このシーリング材9の前記粘度は、
好ましくは1000〜3000Pa・sがよい。なお、
この実施形態においては、継ぎ目6の上下方向の全体に
渡ってシーリング材9を充填しているが、これに限定さ
れるものではなく、シールが途切れなければ上部等だけ
でもよい。このように、立ち上がり部2,3と土間床5
との継ぎ目6にシーリング材9を充填しておけば、この
シーリング材9の物理的防蟻効果により、シロアリ7が
継ぎ目6を通過して床下8へ侵入するのを阻止できる。
そのため、建物A内の環境を汚染せずかつ期間を要する
ことなく軸組Bや床組C等をシロアリ7による食害から
保護できるという利点がある。
【0023】ここで、この実施形態のように、土間床5
の上面5cの周縁に、周方向に延びる目地用切欠部11
を設けておけば、シーリング材9の充填時の粘性が低い
場合でも、目地用切欠部11にシーリング材9が溜まる
ので、土間床5の内側への流出を防止できるという利点
がある。なお、目地用切欠部11の深さや幅は、シーリ
ング材9が十分に溜まるように、いずれも10mm程度以
上が望ましいが、横断面形状等は特に限定されるもので
はなく、図1、図2、及び図4に示すテーパ面12から
なるものの他、例えば、図5に示すテーパ面12と水平
面13とが連続したもの、図6に示すテーパ面12と水
平面13とテーパ面14とが連続したもの、図7に示す
垂直面12aと水平面13とが連続したもの、図8に示
す曲面12bからなるもの等であってもよい。このよう
な目地用切欠部11を土間床5の上面5cの周縁に設け
るには、土間床5として例えばコンクリートの打設時
に、目地用切欠部11と略同じ横断面形状を有する合成
樹脂、材木等からなる目地棒や目地管等をコンクリート
の上面の周縁に設置しておけばよい。
【0024】なお、土間床5の上面5cの周縁には、上
記のような適宜の目地用切欠部11を設けておくのが望
ましいが、図9に示すように、シーリング材9の充填時
の粘性を適度に調整して土間床5の内側へ流出しないよ
うに注意すれば、目地用切欠部11を設けておかなくて
もよい。
【0025】また、図1に示すように、建物Aの外周部
分に施工された立ち上がり部2の外側面2aの下端に、
周方向に延びかつ上面15cが地盤面4cより下方に位
置する突出部15を設け、立ち上がり部2の外側面2a
及び突出部15の上面15cに密着するようにこの突出
部15の厚さと略同じ厚さの基礎断熱材16を設けると
共に、突出部15の外側面15aから基礎断熱材16の
外側面16aにおける少なくとも地上の所定高さまでの
範囲をメッシュシート17で被覆しておけば、効果的に
基礎断熱を図ることができると共に、基礎断熱材16を
シロアリ7による食害から保護できるという利点があ
る。そのため、シロアリ7が基礎断熱材16の内部を通
過して軸組Bや床組C等に侵入することもない。また、
突出部15の外側面15aと基礎断熱材16の外側面1
6aとは面一であるので、メッシュシート17の取付け
作業も簡単に行えるという利点がある。
【0026】基礎断熱材16は、矩形状の合成樹脂発泡
板等から構成され、外周部分に施工された立ち上がり部
2の外側面2aに横方向に相隣接して密着している。こ
の基礎断熱材16は、立ち上がり部2に接着剤等で接着
したり、あるいは立ち上がり部2を打設する際にそのコ
ンクリートに密着させたりすればよい。基礎断熱材16
を立ち上がり部2の打設により密着させる場合は、基礎
断熱材16とコンクリートとの密着が充分なものとな
り、断熱性や防蟻性の面から更に好ましいものとなる。
【0027】メッシュシート17は、図10に示すよう
に、例えばステンレス鋼ワイヤ17a等から製織等さ
れ、シロアリ7の頭部横断面の最大寸法Hの2倍以下の
寸法である複数の網目(アンカー孔)18を有してい
る。
【0028】なお、前記最大寸法Hは、イエシロアリの
職蟻で1.1〜1.25mm程度、ヤマトシロアリの職
蟻で1.0〜1.2mm程度であるので、ヤマトシロア
リが生息する地域では、アンカー孔の寸法を少なくとも
いずれかの方向において2.0mm程度以下としておく
のが望ましい。
【0029】なお、シロアリバリアー材として使用され
るメッシュシート17は、シロアリ7から放出されるギ
酸等の分泌物に耐性で且つシロアリ7が噛み砕くことが
できない硬さ、好ましくは少なくともHDD約70のデ
ュロメータ硬さを有すると共に、使用環境下で数十年の
耐用年数を有する耐腐食性材料で構成されていれば、種
々のものを使用できる。このようなメッシュシート17
としては、例えば、セラミックス、ガラス、合成樹脂、
金属(特にステンレス)等の繊維、フィラメント、スト
ランド等から製織又は製編等されたワイヤーラス等や不
織布、あるいはパンチングメタル、メタルラス等が挙げ
られ、特に「ターミメッシュ(TERMI−MES
H)」(商品名,ターミメッシュ・オーストラリア社
製)等のステンレスメッシュ等が好適である。要する
に、網目18等の複数のアンカー孔を有していればよ
い。
【0030】アンカー孔の形状は特に限定されるもので
はなく、矩形状や円状等の適宜の形状とすることができ
る。要するに、アンカー孔の寸法が、いずれか1方向、
あるいは2以上の方向において2H以下であればよい。
【0031】基礎断熱材16は、外側面16aの他、上
面16cもメッシュシート17で被覆しておくのが望ま
しい。また、メッシュシート17の内端17bや下端1
7dは、少し長く形成しておいて立ち上がり部2に埋設
又は接着等しておくのが望ましい。メッシュシート17
の内端17bを、立ち上がり部2の天端に施工されるな
らしモルタル19に埋設しておけば、取付けを確実にで
きると共に、納まりもよい。
【0032】更に、メッシュシート17に代えて、又は
この実施形態のようにメッシュシート17の上からシー
リング材9を塗布した場合も同様に、シーリング材9の
物理的防蟻効果により、基礎断熱材16をシロアリ7に
よる食害から保護できるという利点がある。
【0033】この場合、シーリング材9を単独で塗布す
るよりも、メッシュシート17の上からシーリング材9
を塗布した方がより効果的である。即ち、メッシュシー
ト17によりシーリング材9をより強固に支持できると
共に、仮にシーリング材9とメッシュシート17の二重
の物理的防蟻バリアの存在によって基礎断熱材16を有
効に保護できる。
【0034】ここで、アンカー孔の寸法が前記最大寸法
Hの2倍以下、即ち、アンカー孔をシロアリ7の頭部7
aが通り抜けないか又は頭部7aが通り抜けても柔らか
い体部7b等がアンカー孔に接触するような寸法である
場合は、シロアリ7がアンカー孔を通り抜けるのを嫌う
ので、基礎断熱材16をより確実に保護できる。
【0035】加えて、シーリング材9の耐食害性を向上
させるために、例えば、セラミックス、ガラス、スラグ
砂、砂、砕砂、砕石、人工軽量骨材等からなる無機質系
粒子、あるいはポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリアセ
タール、ポリカーボネート、不飽和ポリエステル、架橋
ポリエチレン、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、エチ
レン・プロピレン・ジエンモノマー共重合ゴム等のポリ
マーからなる合成樹脂系粒子のようなシロアリ7が噛み
砕くことができない高硬度粒子を配合しておけば、床下
8又は基礎断熱材16へのシロアリ7の侵入をより有効
に阻止できるという利点がある。また、メッシュシート
17のアンカー孔の場合と同様、この高硬度粒子同士の
分散間隔が前記最大寸法Hの2倍以下であれば、仮にシ
ロアリ7がシーリング材9を食い破ろうとしたときでも
高硬度粒子の間を通り抜けるのを嫌うので、シロアリ7
の侵入を確実に阻止できる。好ましくは、高硬度粒子同
士の分散間隔は前記最大寸法H以下であれば、シロアリ
7の侵入阻止もさらに確実となる。なお、高硬度粒子の
配合量や大きさは特に限定されるものではなく、シーリ
ング材9がシロアリ7によって食い破られないように、
その大きさに応じて充分な量を配合しておけばよい。特
に、高密度に配合したい場合のシーリング材9の前記粘
度は、500〜5000Pa・sが適切である。
【0036】更に、シーリング材9には、必要に応じて
シロアリ忌避剤を添加することもでき、この場合にはシ
ロアリによって噛み破られる可能性をより低下させるこ
とができるという利点がある。なお、シロアリ忌避剤と
しては、周知のものが使えるが、例えば、亜鉛や銅ある
いは亜鉛化合物や銅化合物、ホウ素あるいはホウ素化合
物等が挙げられる。
【0037】なお、この実施形態においては、土間床5
が低い位置に施工されて床下8が床下空間となる場合に
ついて説明したが、これに限定されるものではなく、図
11及び図12に示すように、土間床5と地盤4との間
に盛土20や目つぶし砂利21等を介在させ、床下8が
床下空間とならない状態のより高い位置に土間床5を施
工してもよい。
【0038】図13及び図14に示すように、第2実施
形態に係る建物Aの防蟻構造は、第1実施形態の外周部
分に施工された立ち上がり部2の外側面2aに突出部1
5を設けない場合であって、立ち上がり部2とこの立ち
上がり部2の下方に施工されたベース部10との継ぎ目
26にシーリング材9を充填したものである。
【0039】基礎断熱材16は、ベース部10の上面1
0c及び立ち上がり部2の外側面2aに密着している。
メッシュシート17の下端17dは、ベース部10の上
面10cに取付けられている。そのため、基礎断熱材1
6の外側面16a及び上面16cはメッシュシート17
により保護されているものの、継ぎ目26と連通してい
る。
【0040】このように、立ち上がり部2とベース部1
0との継ぎ目26にシーリング材9を充填しておけば、
このシーリング材9の物理的防蟻効果により、シロアリ
7が継ぎ目26を通過して基礎断熱材16へ侵入するの
を阻止できるという利点がある。
【0041】また、立ち上がり部2と土間床5との継ぎ
目6においても第1実施形態と同様に、シロアリ7が継
ぎ目6を通過して床下7へ侵入するのを阻止できるが、
立ち上がり部2の内側面2bや土間床5の上面5cにそ
れぞれ基礎断熱材27や基礎断熱補強材28を設けてい
た場合は、これら基礎断熱材27や基礎断熱補強材28
をシロアリ7による食害から保護することもできる。
【0042】ここで、この実施形態のように、立ち上が
り部2の例えば内側面2bの下端に周方向に延びる目地
用切欠部31を設けておけば、ベース部10の上面10
cとの間にシーリング材9が収容される空間が形成され
るので、充填作業を行い易いという利点がある。なお、
第1実施形態と同様、目地用切欠部31の高さや幅はい
ずれも10mm程度以上が望ましいが、横断面形状等は特
に限定されるものではなく、図13及び図14に示すテ
ーパ面32からなるものの他、例えば、図15に示すテ
ーパ面32と垂直面33とが連続したものや、図16に
示すテーパ面32と垂直面33とテーパ面34とが連続
したもの等であってもよい。また、目地用切欠部31の
位置は立ち上がり部2の外側面2aの下端に限定される
ものではなく、立ち上がり部2の内側面2bの下端でも
よい。この場合、基礎断熱材16は、シーリング材9を
継ぎ目26に充填してから立ち上がり部2に取付ければ
よい。このような目地用切欠部31を立ち上がり部2の
外側面2aの下端又は内側面2bの下端に設けるには、
立ち上がり部2のコンクリートの打設時に、既述の目地
棒や目地管等をコンクリート型枠の内側に設置しておけ
ばよい。
【0043】更に、立ち上がり部2の下端には、上記の
ような適宜の目地用切欠部31を設けておくのが望まし
いが、図17に示すように、目地用切欠部31を設けて
おかなくてもよい。
【0044】また、図18に示すように、ベース部10
の上面10cにおける立ち上がり部2の外側面2a又は
内側面2bの下方位置に、周方向に延びる切欠溝35を
設けておけば、この切欠溝35に十分な量のシーリング
材9を収容できるので、継ぎ目26のシールを確実に行
えるという利点がある。なお、切欠溝35の横断面形状
等も特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜変
更可能である。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1及び請求項10
の発明によれば、立ち上がり部と土間床との継ぎ目にシ
ロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材を充填
しているので、このシーリング材の物理的防蟻効果によ
り、シロアリが継ぎ目を通過して床下へ侵入するのを阻
止できる。そのため、建物内の環境を汚染せずかつ期間
を要することなく軸組や床組等をシロアリによる食害か
ら保護できる。
【0046】請求項2及び請求項10の発明によれば、
土間床の上面の周縁に目地用切欠部を設けているので、
シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材の充
填時に粘性が低い場合でも、目地用切欠部にシーリング
材が溜まり、そのため土間床の内側への流出を防止でき
る。
【0047】請求項3及び請求項10の発明によれば、
建物の外周部分に施工された立ち上がり部とベース部と
の継ぎ目にシロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリ
ング材を充填しているので、このシーリング材の物理的
防蟻効果により、シロアリが継ぎ目を通過して基礎断熱
材へ侵入するのを阻止できる。
【0048】請求項4及び請求項10の発明によれば、
立ち上がり部の外側面の下端又は内側面の下端に目地用
切欠部を設けているので、ベース部の上面との間にシロ
アリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材が収容さ
れる空間が形成され、そのため充填作業を行い易い。
【0049】請求項5及び請求項10の発明によれば、
ベース部の上面における立ち上がり部の外側面又は内側
面の下方位置に切欠溝を設けているので、この切欠溝に
十分な量のシロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリ
ング材を収容でき、そのため継ぎ目のシールを確実に行
える。
【0050】請求項6及び請求項10の発明によれば、
突出部の外側面から基礎断熱材の外側面における少なく
とも地上の所定高さまでの範囲をメッシュシートで被覆
しているので、効果的に基礎断熱を図ることができると
共に、基礎断熱材をシロアリによる食害から保護でき
る。そのため、シロアリが基礎断熱材の内部を通過して
軸組や床組等に侵入することもない。また、突出部の外
側面と基礎断熱材の外側面とは面一であるので、メッシ
ュシートの取付け作業も簡単に行える。
【0051】請求項7及び請求項10の発明によれば、
突出部の外側面から基礎断熱材の外側面における少なく
とも地上の所定高さまでの範囲にシロアリの分泌物に耐
性で耐食害性のシーリング材を塗布しているので、シー
リング材の物理的防蟻効果により、基礎断熱材をシロア
リによる食害から保護できる。
【0052】請求項8及び請求項10の発明によれば、
シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材に高
硬度粒子を配合しているので、床下又は基礎断熱材への
シロアリの侵入をより有効に阻止できる。
【0053】請求項9及び請求項10の発明によれば、
高硬度粒子同士の分散間隔がシロアリの頭部の横断面に
おける最大寸法の2倍以下であるので、仮にシロアリが
シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材を食
い破ろうとしたときでも高硬度粒子の間を通り抜けるの
を嫌い、そのためシロアリの侵入を確実に阻止できる。
さらに、高硬度粒子同士の分散間隔が前記最大寸法H以
下であれば、シロアリの侵入阻止効果を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る建物の外周部分における防
蟻構造を示す概略縦断面図。
【図2】図1の立ち上がり部の内方における防蟻構造を
示す概略縦断面図。
【図3】(a)はシロアリの平面図、(b)は(a)のY−Y線
断面図。
【図4】図1又は図2の立ち上がり部と土間床との継ぎ
目付近の要部拡大縦断面図。
【図5】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図6】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図7】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図8】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図9】目地用切欠部を設けない例を示す要部拡大縦断
面図。
【図10】メッシュシートの要部拡大平面図。
【図11】土間床を高い位置に施工した例を示す外周部
分における概略縦断面図。
【図12】土間床を高い位置に施工した例を示す内方に
おける概略縦断面図。
【図13】第2実施形態に係る建物の防蟻構造を示す概
略縦断面図。
【図14】立ち上がり部の目地用切欠部付近の要部拡大
縦断面図。
【図15】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図16】目地用切欠部の他の例を示す要部拡大縦断面
図。
【図17】目地用切欠部を設けない例を示す要部拡大縦
断面図。
【図18】切欠溝付近の要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
A 建物 1 布基礎 2,3 立ち上がり部 2a 外側面 2b 内側面 4 地盤 4c 地盤面 5 土間床 5c 上面 6 継ぎ目 7 シロアリ 7a 頭部 8 床下 9 シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材 10 ベース部 10c 上面 11 目地用切欠部 15 突出部 15a 外側面 15c 上面 16 基礎断熱材 16a 外側面 17 メッシュシート 26 継ぎ目 31 目地用切欠部 35 切欠溝

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の布基礎の立ち上がり部とこの立ち
    上がり部で包囲された地盤上に施工した土間床との継ぎ
    目をシロアリが通過して前記建物の床下へ侵入するのを
    防止する建物の防蟻構造であって、 前記継ぎ目に、シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシ
    ーリング材を充填したことを特徴とする建物の防蟻構
    造。
  2. 【請求項2】 前記土間床の上面の周縁に、周方向に延
    びる目地用切欠部を設けた請求項1記載の建物の防蟻構
    造。
  3. 【請求項3】 前記建物の外周部分に施工された立ち上
    がり部とこの立ち上がり部の下方に施工されたベース部
    との継ぎ目に、シロアリの分泌物に耐性で耐食害性のシ
    ーリング材を充填した請求項1又は2記載の建物の防蟻
    構造。
  4. 【請求項4】 前記立ち上がり部の外側面の下端又は内
    側面の下端に、周方向に延びる目地用切欠部を設けた請
    求項3記載の建物の防蟻構造。
  5. 【請求項5】 前記ベース部の上面における前記立ち上
    がり部の外側面又は内側面の下方位置に、周方向に延び
    る切欠溝を設けた請求項3記載の建物の防蟻構造。
  6. 【請求項6】 前記建物の外周部分に施工された立ち上
    がり部の外側面の下端に、周方向に延びかつ上面が地盤
    面より下方に位置する突出部を設け、前記立ち上がり部
    の外側面及び前記突出部の上面に密着するようにこの突
    出部の厚さと略同じ厚さの基礎断熱材を設けると共に、
    前記突出部の外側面から前記基礎断熱材の外側面におけ
    る少なくとも地上の所定高さまでの範囲を、前記シロア
    リの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されたメッシュ
    シートで被覆した請求項1乃至5のいずれか記載の建物
    の防蟻構造。
  7. 【請求項7】 前記建物の外周部分に施工された立ち上
    がり部の外側面の下端に、周方向に延びかつ上面が地盤
    面より下方に位置する突出部を設け、前記立ち上がり部
    の外側面及び前記突出部の上面に密着するようにこの突
    出部の厚さと略同じ厚さの基礎断熱材を設けると共に、
    前記突出部の外側面から前記基礎断熱材の外側面におけ
    る少なくとも地上の所定高さまでの範囲に、シロアリの
    分泌物に耐性で耐食害性のシーリング材を塗布した請求
    項1乃至5のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  8. 【請求項8】 前記シロアリの分泌物に耐性で耐食害性
    のシーリング材に高硬度粒子を配合した請求項1乃至7
    のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  9. 【請求項9】 前記高硬度粒子同士の分散間隔が前記シ
    ロアリの頭部の横断面における最大寸法の2倍以下であ
    る請求項8記載の建物の防蟻構造。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれか記載の防蟻
    構造を有する建物。
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