JP3721446B2 - 建物の防蟻構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、床下空間を有しない建物の断熱基礎に使用される断熱材の内部を白アリが通過して軸組や床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物における従来の白アリ防除技術としては、例えば、(1) 建物の床下の地盤(土壌)と、地面から1m以内の木部とを薬剤で処理する方法や、(2) 白アリの活動をモニタリングしながら、侵入してきた白アリに少量の薬剤を含む毒餌を摂食させて根絶するベイト工法(レスケミカル法)等が知られている。
【0003】
しかしながら、上記のような従来例(1) においては、薬剤に起因する化学物質過敏症等の問題があり、即ち、建物内の環境が化学物質によって汚染されるという問題点がある。
【0004】
また、従来例(2) においては、白アリに毒餌を摂食させ、コロニー全体の活力を衰退させることを目的とするので、その開始から終了までに少なくとも数カ月〜2年程度の長期間を要するという問題点がある。
【0005】
そこで、これらの問題が発生しないように、(3) 薬剤を全く使用しない、ステンレスメッシュや破砕石等の物理的なバリアーを構築する物理的工法(ケミカルフリー法)等が提案されている。この物理的工法に使用されるバリアー材としては、例えば、特許第2652902号公報及び特表平8−506868号公報に開示されているように、白アリの分泌物に耐性で且つ少なくとも約70のショア硬度を有する耐腐食性材料の編み目シートからなり、この編み目の孔がいずれの方向においても制御すべき白アリ種の頭部横断面の最大寸法より小径である白アリバリアー材等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来例(3) においては、断熱基礎等に使用される断熱材の内部を白アリが通過するのを防止することについては開示されていない。
【0007】
この発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、断熱基礎に使用される断熱材の内部を白アリが通過して軸組や床組へ侵入するのを物理的に防止できる建物の防蟻構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段とするところは、第1に、外周部分に施工された布基礎と、この布基礎の内方に盛り上げられる盛土上に前記布基礎の天端面とその上面とがほぼ同じ高さとなるように施工される土間床とを有する建物の前記布基礎の立ち上がり部の外側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことにある。
【0009】
第2に、前記シート材の内方側の縁部を前記立ち上がり部に埋設したことにある。
【0010】
第3に、外周部分に施工された布基礎と、この布基礎の内方に盛り上げられる盛土上に前記布基礎の天端面とその上面とがほぼ同じ高さとなるように施工される土間床とを有する建物の前記布基礎の立ち上がり部の内側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことにある。
【0011】
第4に、前記シート材が前記土間床の下面より高い位置にあることにある。
【0012】
第5に、前記シート材の外方側の縁部を前記立ち上がり部に埋設したことにある。
【0013】
第6に、前記シート材の内方側の縁部を前記土間床に埋設したことにある。
【0014】
第7に、建物の基礎スラブの外側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して、前記基礎スラブ上に設置された軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことにある。
【0015】
第8に、前記シート材の内方側の縁部を前記基礎スラブに埋設したことにある。
【0016】
第9に、前記シート材が地盤面より高い位置にあることにある。
【0017】
第10に、前記シート材の2つの縁部の少なくとも一方の縁部を前記上下2段の断熱材のいずれか一方の断熱材の側面に取付けたことにある。
【0018】
第11に、前記シート材が可撓性を有することにある。
【0019】
第12に、前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の2倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有することにある。
第13に、前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の3倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有すると共に、このシート材に、少なくともセメントと細骨材とを含有する表面材を塗布したことにある。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図4に示すように、第1実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、例えば、外周部分に施工された布基礎1と盛土2上に施工される土間床3とを有する床下空間のない建物Aの前記布基礎1の立ち上がり部4の外側面4aに密着した断熱材5の内部を白アリ6が通過して軸組B及び床組Cへ侵入するのを物理的に防止するものであって、前記断熱材5の下面5dに、前記白アリ6の分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成された例えばステンレスメッシュ(シート材)7を介して更に断熱材8を取付けると共に、前記ステンレスメッシュ7の2つの縁部7a,7bを下段の断熱材8の外側面8aと内側面8bにそれぞれ取付けたものである。
【0021】
前記布基礎1は、建物Aの外周部分に平面視で例えば矩形状等に施工され、図1及び図2に示すように、立ち上がり部4とベース部9とから横断面が例えば逆T字状に形成されている。なお、布基礎1の内方には、この実施形態のような間仕切基礎等の布基礎10と共に又は布基礎10に代えて、独立基礎等を設けておいてもよい。
【0022】
前記土間床3は、布基礎1の内方に周囲の地盤面11aより高く盛り上げられた盛土2上に、布基礎1の天端面1cとその上面3cとがほぼ同じ高さとなるように施工されている。なお、盛土2上には、この実施形態のような目つぶし砂利12に代えて又は目つぶし砂利12と共に、防湿フィルムや断熱材等を敷設しておいてもよい。
【0023】
前記断熱材5,8は、例えば合成樹脂発泡体等から構成され、前記立ち上がり部4の外側面4aに前記ステンレスメッシュ7を介して上下2段となるように密着している。上段の断熱材5は、下段の断熱材8にステンレスメッシュ7を例えば釘、ビス、ステープル等の止着部材や接着剤、あるいは熱溶着等によってあらかじめ取付けるか又は建築現場で取付けた後、このステンレスメッシュ7の上から接着剤や接着セメント等で取付けてもよいし、あるいはこれら上下2段の断熱材5,8の間にあらかじめステンレスメッシュ7を埋設等して形成した一体化物を前記立ち上がり部4の外側面4a等に密着するようにしてもよい。また、上段の断熱材5にステンレスメッシュ7をあらかじめ取付けておいてもよい。
【0024】
なお、これら断熱材5,8は、布基礎1を施工してから立ち上がり部4に接着等してもよいし、あるいは上記の一体化物を使用する場合にはこの一体化物を配置してから立ち上がり部4等を打設してもよい。また、この実施形態においては、上下2段の断熱材5,8を立ち上がり部4とほぼ同じ高さとなるように密着させているが、これに限定されるものではなく、断熱材5,8の高さや取付け位置等は必要に応じて適宜変更可能である。更に、ステンレスメッシュ7等を釘等の止着部材で取付ける場合には、必要に応じてこの止着部材を例えば銅、亜鉛、黄銅等で構成したり、あるいは含有させたりして、白アリ忌避効果を発揮させるようにしておいてもよい。
【0025】
前記白アリ6とは、ゴキブリに近縁の社会生活をする不完全変態の昆虫であって、シロアリ目(等翅類)Isopteraの総称である。このような白アリ6としては、例えば、ヤマトシロアリやイエシロアリ等の各種の白アリが挙げられる。また、この白アリ6は、図3に示すように、非変形性の堅い頭部6aを有する一方、比較的柔らかくて弱い体部6bを有している。
【0026】
前記ステンレスメッシュ7は、図4に示すように、白アリ6の分泌物に耐性で且つ少なくとも約70のショア硬度を有する耐腐食性材料であるステンレス鋼ワイヤー7c等から製織されて複数の編み目(アンカー孔)13を有している。このようなステンレスメッシュ7としては、例えば、「ターミーメッシュ(TERMI−MESH)」(商品名、ターミーメッシュ・オーストラリア社製)等を好適に使用することができる。
【0027】
なお、白アリバリアー材として使用されるシート材としては、このようなステンレスメッシュ7に限定されるものではなく、白アリ6から放出されるギ酸等の分泌物に耐性で且つ白アリ6が噛み砕くことができない硬さ、好ましくは少なくとも約70のショア硬度を有すると共に、使用環境下で数十年の耐用年数を有する耐腐食性材料で構成されていれば、種々のものを使用することができる。このようなシート材としては、例えば、セラミックス、ガラス、合成樹脂等の繊維、フィラメント、ストランド等から製織又は製編等されたシートや不織布、あるいは金属板、金属シート等が挙げられる。
【0028】
ここで、シート材がステンレスメッシュ7等のように可撓性を有する場合には、建築現場での賦形等が可能であるので、シート材を建築現場で取付ける際の施工が簡単であるという利点がある。なお、可撓性を有しない場合には、工場生産等により、シート材を取付けようとする箇所の形状に合わせてあらかじめ適宜の形状に製造しておけばよい。
【0029】
また、シート材が前記編み目13等の複数のアンカー孔を有する場合には、上下2段の断熱材5,8の間にシート材を介在させる際や、あるいはいずれか一方の断熱材5(8)にあらかじめシート材を接着又は熱溶着等しておく際に、アンカー効果により、シート材を介在させた上下2段の断熱材5,8同士又は断熱材5,8とシート材とをより強固に一体化できるという利点がある。なお、複数のアンカー孔を有するシート材としては、前記ステンレスメッシュ7の他、例えばアンカー孔を打ち抜いて形成したパンチングメタル等が挙げられる。
【0030】
この場合、アンカー孔の寸法が、少なくともいずれかの方向において前記白アリ6の頭部6aの横断面の最大寸法Hの2倍以下である時には、白アリ6の頭部6aが通り抜けないか又は頭部6aが通り抜けても柔らかい体部6b等がアンカー孔に接触するような寸法であり、白アリ6がそれを嫌うので、白アリ6がシート材を通り抜けるのを阻止することができる。また、アンカー孔の寸法を比較的大きくできるので、シート材の材料コストを低減化できると共に、寸法精度も低くてよいために製造も簡単であるという利点がある。
【0031】
なお、前記最大寸法Hは、例えばイエシロアリの職蟻で1.1〜1.25mm程度、ヤマトシロアリの職蟻で1.0〜1.2mm程度であるので、ヤマトシロアリが生息する地域では、アンカー孔の寸法を少なくともいずれかの方向において2.4mm程度以下としておくのが望ましい。このアンカー孔の形状は特に限定されるものではなく、矩形状や円状等の適宜の形状とすることができる。要するに、アンカー孔の寸法が、いずれか一方向、あるいは2以上の方向において2H以下であればよい。
【0032】
ここで、シート材がステンレスメッシュ7等のメッシュ状部材である場合には、その繊維、フィラメント、又はストランド等の数を少なくできるので、コストダウンをより効果的に図ることができるという利点がある。
【0033】
また、アンカー孔の寸法が2Hを超えるが3H以下である場合には、シート材に、少なくともセメントと細骨材とを含有する例えばモルタルや接着セメント等の表面材を塗布しておけば、前記細骨材等により白アリ6の通り抜けを阻止することができる。アンカー孔の寸法が3Hを超える場合には、表面材を塗布しておいても白アリ6が通り抜ける可能性があるので好ましくない。なお、2H以下の場合でも、表面材を塗布しておいても差し支えない。
【0034】
前記表面材には、強度、耐クラック性、接着性、水密性、耐摩耗性等を向上させるために、前記接着セメントに含有されるセメント接着剤等のポリマーを添加しておくのが望ましく、また、必要に応じて例えば亜鉛や銅、あるいは亜鉛化合物や銅化合物等の白アリ忌避剤を添加しておいてもよい。この表面材は、断熱材5,8にシート材を接着又は熱溶着等してから塗布してもよいし、あるいは上下2段の断熱材5,8の間にシート材を介在させる際にこの表面材で接着してもよい。
【0035】
このように、上下2段の断熱材5,8の間にステンレスメッシュ7等のシート材を介在させておけば、地盤11から下段の断熱材8に侵入した白アリ6の進行は、このシート材により阻止される。そのため、上段の断熱材5を白アリ6による食害から保護でき、この断熱材5の内部を白アリ6が通過して軸組Bや床組Cへ侵入するのを防止できるという利点がある。また、布基礎1の内方の盛土2上に土間床3が施工されているので、布基礎1の内方から白アリ6が侵入しにくいという利点がある。
【0036】
ここで、この実施形態のように、シート材が地盤面11aより高い位置にある場合には、上段の断熱材5が地盤11と接しないので、この上段の断熱材5をより効果的に保護できるという利点がある。
【0037】
なお、シート材の取付け方としては、この実施形態に限定されるものではなく、例えば図5に示すように2つの縁部7a,7bが側方へ突出しないように形成しておいてもよいが、好ましくは図6及び図7に示すように、シート材の2つの縁部7a,7bのいずれか一方を、例えば下段の断熱材8の外側面8a又は内側面8bに取付けることにより、断熱材8の上面8cにおける2つの角部14a,14bのいずれか一方と上面8cとを横断面L字状に、より好ましくは図1及び図2のように、2つの角部14a,14bと上面8cとを横断面コ字状に被覆しておくのが望ましい。即ち、前記角部14a,14bにおいては、断熱材8の内部を上面8c付近まで進行した白アリ6がこれら角部14a,14bから上方へ回り込むように進行する可能性があるので、これら角部14a,14bをシート材で被覆しておけば、白アリ6のこの回り込みを防止できるという利点がある。
【0038】
なお、ステンレスメッシュ7等の縁部7a,7bは、下段の断熱材8だけに取付ける場合に加え、上段の断熱材5だけに取付けてもよいし、あるいは図8に示すように上下2段の断熱材5,8それぞれに取付けてもよい。
【0039】
図9に示すように、第2実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、第1実施形態において、前記ステンレスメッシュ7の内方側の縁部7bをより長く形成しておき、この縁部7bを前記立ち上がり部4に埋設したものである。
【0040】
このようにして前記縁部7bを立ち上がり部4に埋設しておけば、下段の断熱材8と立ち上がり部4との間に隙間が形成されている場合でも、この隙間から上段の断熱材5へ白アリ6が侵入するのを防止できるという利点がある。
【0041】
なお、この場合も、下段の断熱材8の外側面8a側の角部14aからの白アリ6の回り込みを防止するためには、この実施形態のように、ステンレスメッシュ7等の外方側の縁部7aを上下2段の断熱材5,8のいずれか一方の外側面5a(8a)に取付けておくのが望ましい。
【0042】
図10及び図11に示すように、第3実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、第1実施形態において、より低く形成された上段の断熱材5とより高く形成された下段の断熱材8とが立ち上がり部4の内側面4bに密着していると共に、これら上下2段の断熱材5,8の間に介在したステンレスメッシュ7の内方側の縁部7bをより長く形成しておき、この縁部7bを前記土間床3に埋設したものである。
【0043】
このようにして前記縁部7bを土間床3に埋設しておけば、下段の断熱材8と土間床3との打ち継ぎ部分15から上段の断熱材5等へ白アリ6が侵入するのを防止できるという利点がある。
【0044】
ここで、この実施形態のように、シート材が土間床3の下面3dより高い位置にある場合には、上段の断熱材5が盛土2や目つぶし砂利12等と接しないので、この上段の断熱材5をより効果的に保護できるという利点がある。
【0045】
以上の第1乃至第3実施形態においては、前記断熱材5,8が立ち上がり部4の外側面4a又は内側面4bのいずれか一方に密着している場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図12に示すように、立ち上がり部4の両側面4a,4bにそれぞれ密着していてもよい。
【0046】
この場合も上記と同様、立ち上がり部4の内側面4b側のステンレスメッシュ7等の外方側の縁部7aを立ち上がり部4に埋設しておいてもよい。
【0047】
また、布基礎1の内方に設けられた布基礎10等と土間床3との打ち継ぎ部分16の上方又は下方には、この打ち継ぎ部分16からの白アリ6の侵入を防止するために、シート材をこの打ち継ぎ部分16を閉塞するように取付けておくのが望ましい。
【0048】
図13及び図14に示すように、第4実施形態に係る建物Aの防蟻構造は、例えば、床下空間を有しない建物Aの基礎スラブ20の外側面20aに密着した断熱材5の内部を白アリ6が通過して、前記基礎スラブ20上に設置された軸組B及び床組Cへ侵入するのを物理的に防止するものであって、前記断熱材5の下面5dに、前記ステンレスメッシュ7を介して更に断熱材8を取付けると共に、前記ステンレスメッシュ7の2つの縁部7a,7bを下段の断熱材8の外側面8aと内側面8bにそれぞれ取付けたものである。
【0049】
前記基礎スラブ20は、土台21等が載置される部分が他の部分より厚肉に形成されているが、この基礎スラブ20の構成としては特に限定されるものではなく、軸組Bや床組Cを直接設置できる各種の構成のものを採用することができる。また、この基礎スラブ20の下方の所定範囲には、必要に応じて断熱材を敷設しておいてもよい。
【0050】
このように、基礎スラブ20においても布基礎1の場合と同様、上下2段の断熱材5,8の間にステンレスメッシュ7等のシート材を介在させておけば、上段の断熱材5を白アリ6による食害から保護でき、この断熱材5の内部を白アリ6が通過して軸組Bや床組Cへ侵入するのを防止できるという利点がある。
【0051】
また、既述と同様、この実施形態においてもステンレスメッシュ7等の内方側の縁部7bをより長く形成しておき、この縁部7bを前記基礎スラブ20に埋設しておけば、下段の断熱材8と基礎スラブ20との間に隙間が形成されていても、この隙間から上段の断熱材5へ白アリ6が侵入するのを防止できるという利点がある。
【0052】
更に、この実施形態のように、シート材が地盤面11aより高い位置にある場合には、上段の断熱材5が地盤11と接しないので、この上段の断熱材5をより効果的に保護できるという利点がある。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、請求項1及び3の発明によれば、布基礎と土間床とを有する床下空間のない建物において、前記上段の断熱材の下面にシート材を介して更に下段の断熱材を取付けているので、地盤から下段の断熱材に侵入した白アリの進行は、このシート材により阻止される。そのため、上段の断熱材を白アリによる食害から保護でき、この断熱材の内部を白アリが通過して軸組や床組へ侵入するのを防止できるという利点がある。また、布基礎の内方の盛土上に土間床が施工されているので、布基礎の内方から白アリが侵入しにくいという利点がある。
【0054】
請求項2及び5の発明によれば、前記シート材の外方側又は内方側の縁部を前記立ち上がり部に埋設しているので、下段の断熱材と立ち上がり部との間に隙間が形成されている場合でも、この隙間から上段の断熱材へ白アリが侵入するのを防止できるという利点がある。
【0055】
請求項4の発明によれば、前記シート材が土間床の下面より高い位置にあるので、上段の断熱材が盛土や目つぶし砂利等と接しない。そのため、この上段の断熱材をより効果的に保護できるという利点がある。
【0056】
請求項6の発明によれば、前記シート材の内方側の縁部を前記土間床に埋設しているので、下段の断熱材と土間床との打ち継ぎ部分から上段の断熱材等へ白アリが侵入するのを防止できるという利点がある。
【0057】
請求項7の発明によれば、基礎スラブ上に軸組や床組が設置された床下空間を有しない建物において、前記上段の断熱材の下面にシート材を介して更に下段の断熱材を取付けているので、請求項1及び3の効果と同様、上段の断熱材を白アリによる食害から保護でき、この断熱材の内部を白アリが通過して軸組や床組へ侵入するのを防止できるという利点がある。
【0058】
請求項8の発明によれば、前記シート材の内方側の縁部を前記基礎スラブに埋設しているので、下段の断熱材と基礎スラブとの間に隙間が形成されていても、この隙間から上段の断熱材へ白アリが侵入するのを防止できるという利点がある。
【0059】
請求項9の発明によれば、前記シート材が地盤面より高い位置にあるので、上段の断熱材が地盤と接しない。そのため、この上段の断熱材をより効果的に保護できるという利点がある。
【0060】
請求項10の発明によれば、前記シート材の2つの縁部の少なくとも一方の縁部を前記上下2段の断熱材のいずれか一方の断熱材の側面に取付けているので、下段の断熱材の上面における角部から上方へ白アリが回り込むのを防止できるという利点がある。
【0061】
請求項11の発明によれば、前記シート材が可撓性を有するので、建築現場での賦形等が可能であり、そのためシート材を建築現場で取付ける際の施工が簡単であるという利点がある。
【0062】
請求項12の発明によれば、前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の2倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有するので、上下2段の断熱材の間にシート材を介在させる際や、あるいはいずれか一方の断熱材にあらかじめシート材を接着又は熱溶着等しておく際に、アンカー効果により、シート材を介在させた上下2段の断熱材同士又は断熱材とシート材とをより強固に一体化できるという利点がある。また、アンカー孔の寸法が前記最大寸法の2倍以下で、白アリの頭部が通り抜けないか又は頭部が通り抜けても柔らかい体部等がアンカー孔に接触するような寸法であり、白アリがそれを嫌うので、白アリがシート材を通り抜けるのを阻止することができる。また、アンカー孔の寸法を比較的大きくできるので、シート材の材料コストを低減化できると共に、寸法精度も低くてよいために製造も簡単であるという利点がある。
請求項13の発明によれば、前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の3倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有すると共に、このシート材に、少なくともセメントと細骨材とを含有する表面材を塗布しているので、前記細骨材等により白アリの通り抜けを阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る建物の防蟻構造の縦断面図。
【図2】図1の要部拡大縦断面図。
【図3】 (a) は白アリの平面図、(b) は(a) のY−Y線断面図。
【図4】ステンレスメッシュの要部拡大平面図。
【図5】2つの縁部が側方へ突出しないように形成したステンレスメッシュを使用した状態を示す要部拡大縦断面図。
【図6】ステンレスメッシュの外方側の縁部を下段の断熱材の外側面に取付けた状態を示す要部拡大縦断面図。
【図7】ステンレスメッシュの内方側の縁部を下段の断熱材の内側面に取付けた状態を示す要部拡大縦断面図。
【図8】ステンレスメッシュの外方側の縁部を上段の断熱材の外側面に取付けると共に、内方側の縁部を下段の断熱材の内側面に取付けた状態を示す要部拡大縦断面図。
【図9】第2実施形態に係る建物の防蟻構造の要部拡大縦断面図。
【図10】第3実施形態に係る建物の防蟻構造の要部拡大縦断面図。
【図11】図10の要部拡大縦断面図。
【図12】立ち上がり部の両側面に断熱材を密着させた状態を示す要部拡大縦断面図。
【図13】第4実施形態に係る建物の防蟻構造の縦断面図。
【図14】図13の要部拡大縦断面図。
【符号の説明】
A 建物
B 軸組
C 床組
1 布基礎
1c 天端面
2 盛土
3 土間床
3c 上面
4 立ち上がり部
4a 外側面
4b 内側面
5,8 断熱材
5a,8a 外側面
5b,8b 内側面
5d 下面
6 白アリ
6a 頭部
7 ステンレスメッシュ(シート材)
7a,7b 縁部
13 編み目(アンカー孔)
20 基礎スラブ
20a 外側面

Claims (13)

  1. 外周部分に施工された布基礎と、この布基礎の内方に盛り上げられる盛土上に前記布基礎の天端面とその上面とがほぼ同じ高さとなるように施工される土間床とを有する建物の前記布基礎の立ち上がり部の外側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、
    前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことを特徴とする建物の防蟻構造。
  2. 前記シート材の内方側の縁部を前記立ち上がり部に埋設したことを特徴とする請求項1記載の建物の防蟻構造。
  3. 外周部分に施工された布基礎と、この布基礎の内方に盛り上げられる盛土上に前記布基礎の天端面とその上面とがほぼ同じ高さとなるように施工される土間床とを有する建物の前記布基礎の立ち上がり部の内側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、
    前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことを特徴とする建物の防蟻構造。
  4. 前記シート材が前記土間床の下面より高い位置にあることを特徴とする請求項3記載の建物の防蟻構造。
  5. 前記シート材の外方側の縁部を前記立ち上がり部に埋設したことを特徴とする請求項3又は4記載の建物の防蟻構造。
  6. 前記シート材の内方側の縁部を前記土間床に埋設したことを特徴とする請求項4又は5記載の建物の防蟻構造。
  7. 建物の基礎スラブの外側面に密着した断熱材の内部を白アリが通過して、前記基礎スラブ上に設置された軸組及び床組へ侵入するのを物理的に防止する建物の防蟻構造であって、
    前記断熱材の下面に、前記白アリの分泌物に耐性の耐腐食性材料で構成されかつ複数のアンカー孔を有するシート材を介して更に断熱材を取付けたことを特徴とする建物の防蟻構造。
  8. 前記シート材の内方側の縁部を前記基礎スラブに埋設したことを特徴とする請求項7記載の建物の防蟻構造。
  9. 前記シート材が地盤面より高い位置にあることを特徴とする請求項1、2、7、又は8記載の建物の防蟻構造。
  10. 前記シート材の2つの縁部の少なくとも一方の縁部を前記上下2段の断熱材のいずれか一方の断熱材の側面に取付けたことを特徴とする請求項1、3、4、7、又は9記載の建物の防蟻構造。
  11. 前記シート材が可撓性を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  12. 前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の2倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか記載の建物の防蟻構造。
  13. 前記シート材が、少なくともいずれかの方向において前記白アリの頭部横断面の最大寸法の3倍以下の寸法である複数のアンカー孔を有すると共に、このシート材に、少なくともセメントと細骨材とを含有する表面材を塗布したことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか記載の建物の防蟻構造。
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