JP6849417B2 - 床下構造及びその防蟻処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、床下構造及びその防蟻処理方法に関する。
白蟻による食害から建築物を保護するために、当該建築物に対する種々の対策は、従来、種々提案されている。
例えば、特許文献1に記載には、基礎(基礎土台)と際スペーサ(基礎木材)との間に防蟻シート材を介装する技術が開示されている。同防蟻シート材は、不織布に薬剤を積層し、長期間にわたって防蟻機能を持たせることを意図している。
特開平9−110606号公報
しかしながら、長期間にわたって防蟻機能を維持するためには、薬剤の層を相当厚く設定する必要があり、薬剤のコストが高くなる。しかも、近年では、基礎の少なくとも外側面に貼着される断熱材に防蟻剤を含有させていることが多く、不織布による長期の防蟻機能は、比較的重要性が小さくなっていた。
一方、断熱材に含有された防蟻剤の機能も10年等の単位では劣化するものであり、そのような場合には、断熱材と基礎との間の隙間(特に頂部)に対する防蟻対策が必要となるが、特許文献1に開示されている技術では、そのような対策を十分に講じる構成にはなっていなかった。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、施工後に長期間経過した後、効率よく効果的に防蟻対策を行うことのできる床下構造及びその防蟻処理方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明は、建物の基礎と、前記基礎の外側面に取り付けられる防蟻処理の施された断熱材と、前記基礎の上面及び前記断熱材の上面を連続して覆う不織布であって、一部が前記建物の床下側に露出するように配置される、防蟻剤を含浸可能な前記不織布と、前記断熱材の上面に沿って配置され、かつ当該断熱材の上面との間で前記不織布を挟み込む押圧部材とを備え、前記断熱材は、前記上面が前記基礎の上面よりも低くなって前記基礎の外側面に段差部を形成しており、前記押圧部材は、前記段差部の輪郭に沿って前記不織布を前記断熱材との間で挟み込むものであることを特徴とする床下構造である。
本発明の別の態様は、建物の基礎の外側面に、防蟻処理の施された断熱材を取り付ける工程と、防蟻剤を含浸可能な不織布を配置する工程であって、当該不織布が前記基礎の上面及び前記断熱材の上面を連続して覆い、かつ前記不織布の一部が前記建物の床下側に露出するように前記不織布を配置する工程と、配置された前記不織布を固定する工程と、前記不織布の前記建物の床下側に露出する部位に防蟻剤を床下側から含浸させる工程とを備えていることを特徴とする床下構造の防蟻処理方法である。
本発明の前記各態様では、基礎の外側面に貼着される断熱材に施された防蟻処理により、外部からの白蟻の進入を長期にわたって防ぐことができる。この防蟻機能が低下してきた場合、基礎及び断熱材の上面に沿って配置された不織布に防蟻剤を含浸させることにより、防蟻機能を再生し、再び長期にわたり、白蟻の進入を防止することができる。施工時の不織布には、防蟻剤を含浸させる必要はないので、不織布に予め防蟻剤を塗布、積層した従来の構造に比べ、コストを格段に下げることができる。また、断熱材の防蟻機能が劣化した時点で改めて防蟻剤を不織布に含浸させればよいので、そのようなメンテナンス工程、すなわち、施工後に不織布のうち建物の床下側に露出する部位に防蟻剤を床下側から含浸させる工程により、防蟻機能の再生が可能となり、より長期間にわたり、高い防蟻機能を奏することができる。
特に、床下構造の発明では、断熱材の上面が基礎の上面よりも低くなることで段差部が形成され、この段差部の輪郭に沿って不織布が押圧部材と断熱材との間に挟み込まれるので、建物の床下から含浸した防蟻剤が重力で断熱材側に導かれつつ浸透する。そのため、含浸させた防蟻剤が床下側に逆流する恐れが少なくなり、しかも、白蟻の進入しやすい外側に薬剤を浸透させることが可能となる。さらにまた、基礎と断熱材との境界に防蟻剤が溜まりやくなり、断熱材の防蟻機能が劣化した場合に最も白蟻が集まりやすい空間に薬剤を浸透させやすくなる。
好ましい態様の床下構造において、前記不織布は、当該不織布を前記基礎の上面及び前記断熱材の上面に沿わせるためのミシン目を有している。この態様では、ミシン目による位置決めが容易になる他、段差部が設けられている構成においても、当該起伏に不織布を密に沿わせ、高い面接触状態を維持して防蟻機能を発揮させることができる。
好ましい態様の床下構造において、前記不織布のミシン目は、サイズが異なる複数の仕様の基礎及び断熱材に適合するように複数個形成されている。この態様では、不織布に汎用性を持たせ、現場での取扱いばかりでなく、製品管理上の負担をも軽減することが可能になる。
好ましい態様の床下構造において、前記建物の構造体と干渉する部位を施工現場で切除可能な切除用のミシン目をさらに備えている。この態様では、切除用のミシン目に遭わせて不要な部位を切除することが容易になるので、現場での作業性向上に寄与することができる。
以上説明したように、本発明によれば、長期間にわたって防蟻機能を維持するに当たり、基礎の外側面に貼着される断熱材に防蟻剤を含有させていることと相俟って、施工当初に薬剤を含浸させる必要がないので、薬剤のコスト低減を図ることができる。一方、断熱材に含有された防蟻剤の機能が劣化した場合には、不織布の、床下側に露出している部位から防蟻剤を含浸させることができるので、基礎や断熱材の上面に防蟻機能を持たせ、断熱材自身の防蟻性能劣化を補うことが可能となる。よって、本発明によれば、施工後に長期間経過した後、効率よく効果的に防蟻対策を行うことのできる廉価な構成を得ることができるという顕著な効果を奏する。
本発明のさらなる特徴、目的、構成、並びに作用効果は、添付図面と併せて読むべき以下の詳細な説明から容易に理解できるであろう。
鉄骨住宅の床下構造を概略的に示す断面略図である。 図1の床下構造に採用される不織布の平面図である。 図1の床下構造を建物の内部側からみた同床下構造の施工過程を示す斜視図である。 図3のアングルから同床下構造の施工過程を示す斜視図である。 図3のアングルから同床下構造の施工過程を示す斜視図である。 木造住宅の床下構造を概略的に示す断面略図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態において、同等の部材には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、鉄骨住宅の床下構造1を概略的に示す断面略図である。同図を参照して、同床下構造1は、基礎(基礎土台)11と、基礎11の外面及び内面に貼着されている断熱材12、13とを備えている。
基礎11は、コンクリートを打設して設けた従来構造の構造物である。図示の例において、基礎11は、図面の表裏方向に長く延びて建物の壁を形成しており、左右を建物の内外に仕切っている。
断熱材12、13は、防蟻機能を有する薬剤を含有させ、防蟻処理を施したものであり、外側には、比較的厚みのある断熱材12が貼着されている。この断熱材12は、その上面12aが若干基礎11の上面11aよりも低く設定されており、基礎11との間で段差部14を形成している。段差部14は、例えば、10mm〜50mm程度であればよく、後述する水切や外装パネルの仕様に併せて適宜決定される。上記段差部14を余した状態で、断熱材12は、基礎11の外側面全域にわたり、貼着されている。また、断熱材12の表面には、化粧モルタル等による外装材15が施されている。一方、内側の断熱材13は、基礎11の上面11aと面一になった状態で、基礎11の内側壁全面に沿い、貼着されている。
基礎11の上部には、基礎際スペーサ16が設置されている。基礎際スペーサ16は、基礎11の外側と面一になるように基礎11の上面11aに設置され、基礎11と基礎11の上方に設けられる外壁20との間の隙間をシールする。
基礎際スペーサ16の上部には、外壁20が設置される。外壁20は、複数の単位パネルを多数連結して建物の外壁を構成する部材である。外壁20(又は各単位パネル)は、外殻を構成するフレーム部21と、フレーム部21内に充填される断熱材22と、フレーム部21の外側面に固定される面材23と、面材23に対し、前方(建物の外側)に間隔を隔てて配置された状態でフレーム部21に支持されるサイディング24とを有しており、サイディング24の内側と面材23との間には、空気通路25が形成されている。なお、外壁20の構造自体は、公知の構成と同等であるので説明を省略する。
図示の例において、サイディング24は、基礎11に貼着された外側の断熱材12と概ね面一になっており、サイディング24の下面は、僅かな隙間を隔てて断熱材12の上面12aに臨んでいる。サイディング24の下面には、当該サイディング24と断熱材12との間の隙間に配置された水切26が取り付けられている。
水切26には、別部材で構成された押圧部材27が併設される。押圧部材27は、当該サイディング24と断熱材12との間の隙間に配置され、断熱材12の上面12aに沿って、上面12aとの間で後述する不織布30を挟圧する板材で具体化されている。押圧部材27は、少なくとも断熱材12の上面12aとの間で同不織布30を挟み込む。具体的には、図示していないが、押圧部材27は、断熱材12の上面から貫通する固定ピンで図示の通り、段差部14に沿った姿勢で固定されている。
水切26及び押圧部材27は、いずれも金属製又は樹脂製の押出材であり、これら2部材全体としては、施工後に互いに協働して外部を空気通路25と連通しつつ、雨水や害虫、さらにはネズミなどの小動物の侵入を規制する。
以上のような構成において、本実施形態では、図2に示す帯状の不織布30が基礎11及び外側の断熱材12の上面12aに配置されており、基礎際スペーサ16及び水切26は、この不織布30に載置された状態で固定されている。
図2を参照して、不織布30は、厚みが0.35mm、目付が50g/mから150g/mに設定されたポリエチレンテレフタレート製の長繊維で構成されている。不織布30の製造方法としては、スパンボンド法が好適である。
不織布30には、必要に応じて、親水処理や防カビ加工、着色などが施される。特に親水加工は、親水性ポリマーの分散液を含浸させることが好ましく、例えば、Huntsman Japan社の商品名「CYBERFIT TFC−01」等が好適例である。
不織布30は、上述のような諸元で、一定長さ(例えば、990mm)及び所定幅(例えば、245mm)の寸法に裁断されている。
図示の通り、不織布30には、長手方向に沿う4条の第1ミシン目31a〜31dと、図略の柱の位置に対応する切除用の第2ミシン目32と、幅方向に沿って延び、不織布30を裁断することのできる裁断用の第3ミシン目33とを有している。
第1ミシン目31a〜31dは、不織布30を基礎11及び外側の断熱材12の各上面11a、12aに沿わせるためのものであり、幅方向に段差部14の上側(基礎11の上面11aの外側の稜線部)に対応するもの(第1ミシン目31a、31b)と、段差部14の下側(基礎11の外側面と断熱材12の上面との境界)に対応するもの(第1ミシン目31c、31d)とからなる。
第1ミシン目31a〜31dの個数は、段差部14を設けることを考慮しても基本的に2本でよいが、段差部14のバラつきが比較的大きくなることや、現場によって仕様が変更されることが多いことに鑑み、幅方向に段差部14の上側に対応するもの(第1ミシン目31a、31b)と、段差部14の下側に対応するもの(第1ミシン目31c、31d)とを、それぞれ幅方向に場所を変えて複数種類(図示の例では、それぞれ2本)形成している。
第2ミシン目32は、柱が設けられる位置に対応して、等間隔を隔て、不織布30の幅方向一端側において、隅部又は途中部に四角い輪郭を縁取っている。第2ミシン目32は、第1ミシン目31a〜31dよりも深く切り込まれており、作業者が現場で容易に縁取られた部位を切除できるように設定されている。
第3ミシン目33は、柱間のイレギュラーな間隔に適合するため、予め所定の規格に基づいて定められた位置に形成されている。第3ミシン目33は、第2ミシン目32と同様に、作業者が所定の力で引っ張ることにより、容易に不織布30を分断できる程度の深さに設定されている。
なお、第2ミシン目32、第3ミシン目33は、建物の規格に応じて適宜個数や位置が設定される。つまり、これら第2ミシン目32、第3ミシン目33は、同一仕様の不織布30をサイズが異なる複数の仕様の基礎11及び断熱材12に適合するように複数個形成される。このようなミシン目32、33を複数個設けることにより、同一仕様の不織布30を汎用的に用いて、種々の現場に施工することが可能となる。特に、本実施形態のように、段差部14が設けられている床下構造において、段差部14の高さがまちまちになっていたとしても、当該段差部14の高さのバラつきを複数のミシン目で吸収することができるので、現場毎のバラつきにも対応が容易になる。
施工時において、不織布30には、防蟻剤が含浸されているわけではない。ただし、施工後、所定期間(例えば10年)経過した後においては、不織布30に所定の防蟻剤を含浸させ、防蟻機能を持たせることが可能である。そのような防蟻剤は、白蟻の侵入を防ぐ機能(防蟻機能)および流動性ないし浸透性を有する液状の薬剤であり、当該薬剤は、防蟻機能を有するものであれば特にその種類を問わないが、例えば、ピレスロイド様薬剤(シラフルオフェン、エトフェンプロックス等)、ピレスロイド系薬剤(ビフェントリン、サイパーメストン、デルタメスリン、パーメスリン、ペルメスリン、アレスリン、トラロメスリン等)、カーバメント系薬剤(プロボクスル、フェノブカルブ、セビン等)、クロルニコチル系薬剤(イミダクロプリド、アセタプリド、クロチアニシン等)、ニトロガニリン系薬剤(ジノテフラン等)、有機リン系殺虫剤(ホキシム、テトラクロクピンホス、フェニトロチオン、プロベタンホス等)、ピラゾール系薬剤(フィブロニル等)、クロルフェノール系薬剤(4−プロモ−2,5−ジクロルフェノール(BDCP)等)、フェニルピロール系(クロルフェナビル等)、ヒバ油、ウコン、カプリン酸、ヤシ油、パーム油等の薬液を、前記薬剤として使用することができる。なお、これらの薬剤は、断熱材12、13に含有させる薬剤としても有効である。
さらに、前記薬剤は、界面活性剤を添加していることが好ましい。もっとも、不織布自身に親水性ポリマーを含浸させている場合には、そのような界面活性剤は、不要となる。
次に、図3を参照して、不織布30の施工例を説明する。
まず、不織布30の長手方向を基礎11に沿わせ、かつ第2ミシン目32が内側に向く姿勢で基礎11及び外側の断熱材12の上に載置する。このとき、第1ミシン目31a〜31dに沿って不織布30を折込み、不織布30全体を基礎11の上面11a、段差部14、及び外側の断熱材12の上面12aに沿わせて面接触させる。本実施形態では、不織布30の一部が、基礎際スペーサ16の内側からはみ出して、床下に露出した状態になっている(図1参照)。このはみ出し部分は、後日、防蟻剤を含浸させるための余長部30aとして機能する。一方、この段階では、不織布30には、防蟻剤は含浸されていない。
次いで、図4を参照して、上述のように位置決めされた状態で、基礎11の上方から不織布30に基礎際スペーサ16を載置し、不織布30を押さえ込む。この工程により、不織布30は、床下構造に固定的に組み込まれる。
次いで、図5に示すように、基礎際スペーサ16の上に、常法により外壁20を載置し、外壁20を構築する。この工程により、外壁20の荷重が加わって、不織布30は、堅固に固定される。
外壁20を構築した後、水切26は、常法により外壁20に固定される。
一方、上述した押圧部材27は、外壁20を固定する工程の前後いずれかの段階で基礎11及び外側の断熱材12の段差部14に沿って設置される。これによって、図1に示すように、押圧部材27は、段差部14の起伏に沿わせて基礎11の外側面及び断熱材12の上面12aに不織布30を押圧し、図略の固定ピンで固定される。このように、図示の実施形態において、押圧部材27は、当該断熱材12の上面12aとの間で不織布30を挟み込む押圧部材として機能する。
上述の通り、施工時において、不織布30には、防蟻剤は含浸されていない。
施工後、歳月が経過し、断熱材12の防蟻機能が低下してきた場合、メンテナンス工程、すなわち、施工後に不織布30の余長部30a(建物の床下側に露出する部位)に防蟻剤を床下側から含浸させる工程により、防蟻機能を再生し、再び長期にわたり、白蟻の進入を防止することができる。
次に、メンテナンス工程について説明する。
図5を参照して、メンテナンス工程としては、図略の噴霧器に防蟻剤を充填し、この噴霧器を不織布30の余長部30aに塗布することにより実施することができる。噴霧器は、防蟻剤を不織布30に注入する注入器の一例である。噴霧器は、例えば防蟻剤を充填する容器と、容器に固定されたノズルと、ノズルを操作するトリガとを備え、トリガの操作で容器内の防蟻剤を噴霧するように構成されている。また、注入器の別の例としては、防蟻剤を充填するシリンダと、シリンダ内の防蟻剤を押し出すピストンとを備えたものを採用してもよい。
作業者は、予め防蟻剤が充填された噴霧器を持って建築物の床下空間に入り込み、床下から不織布30の余長部30aに臨む。次いで、この余長部30aに噴霧器の針先を向け、噴霧器のトリガを操作して、容器内に充填された防蟻剤を余長部30aに吹き付け、注入する。注入された防蟻剤は、余長部30aから建物の外側に浸透し、段差部14を伝って流下し、さらに、建物の外側に向かい、不織布30全体に浸透する。また、一部の防蟻剤は、不織布30に浸透する過程で、基礎11の外側壁と断熱材12の間の境界にできた隙間にも浸透する。
防蟻剤が含浸された不織布30は、新たに防蟻機能を発揮する。よって、床下構造の防蟻機能を再生し、再び長期にわたり、白蟻の進入を防止することができる。
以上説明したように、本実施形態では、建物の床下を仕切る基礎11と、前記基礎11の外側面に取り付けられる防蟻処理の施された断熱材12と、前記基礎11の上面11a及び前記断熱材12の上面12aを連続して覆う、防蟻剤を含浸可能に構成された不織布30とを備えた床下構造1である。
また、本実施形態は、同床下構造1の不織布30であり、その一部が前記建物の床下側に露出した状態で、前記基礎11の上面11a及び前記断熱材12の稜線に適合した折り目を形成するミシン目31a〜31dを有している。
さらに、本実施形態は、建物の基礎11の外側面に、防蟻処理の施された断熱材12を取り付ける工程(図3参照)と、防蟻剤を含浸可能な不織布30を配置する工程であって、当該不織布30が前記基礎11の上面11a及び前記断熱材12の上面12aを連続して覆い、かつ前記不織布30の一部が前記建物の床下側に露出するように前記不織布30を配置する工程(図3、図4参照)と、配置された前記不織布30を固定する工程(図1参照)と、前記不織布30の前記建物の床下側に露出する部位に防蟻剤を床下側から含浸させる工程(図5参照)とを備えている床下構造の防蟻処理方法である。
上述した各態様によれば、防蟻処理の施された断熱材12が、基礎11の外側面に貼着されている。そのため、断熱材12に施された防蟻処理により、外部からの白蟻の進入を長期にわたって防ぐことができる。
断熱材12の防蟻機能が劣化した場合には、上述のようなメンテナンス工程により、防蟻剤を不織布30に含浸させればよいので、メンテナンス工程による防蟻機能の再生が可能となり、より長期間にわたり、高い防蟻機能を奏することができる。また、逆にいえば、施工時の不織布30には、防蟻剤を含浸させる必要はないので、不織布30に予め防蟻剤を塗布、積層した従来の構造に比べ、コストを格段に下げることができる。
また、本実施形態において、前記断熱材12は、上面12aが基礎11の上面11aよりも低くなって基礎11の外側面に段差部14を形成しており、押圧部材27は、段差部14の輪郭に沿って不織布30を断熱材12との間で挟み込んでいる。このため本実施形態では、「段差部」14を設けたことにより、メンテナンス工程において建物の床下から含浸した防蟻剤が重力で断熱材12側に導かれつつ浸透する。そのため、含浸させた防蟻剤が床下側に逆流する恐れが少なくなり、しかも、白蟻の進入しやすい外側に薬剤を浸透させることが可能となる。さらにまた、基礎11と断熱材12との境界に防蟻剤が溜まりやくなり、断熱材12の防蟻機能が劣化した場合に最も白蟻が集まりやすい空間に薬剤を浸透させやすくなる。
また、本実施形態において、前記不織布30は、当該不織布30を基礎11の上面11a及び前記断熱材12の上面12aに沿わせるためのミシン目31a〜31dを有している。このため本実施形態では、ミシン目31a〜31dによる位置決めが容易になる他、段差部14が設けられている構成においても、当該起伏に不織布30を密に沿わせ、高い面接触状態を維持して防蟻機能を発揮させることができる。
また、前記不織布30のミシン目31a〜31dは、サイズが異なる複数の仕様の基礎11及び断熱材12に適合するように複数個形成されている。このため本実施形態では、不織布30に汎用性を持たせ、現場での取扱いばかりでなく、製品管理上の負担をも軽減することが可能になる。
また、本実施形態において、前記建物の構造体と干渉する部位を施工現場で切除可能な切除用のミシン目32をさらに備えている。このため本実施形態では、切除用のミシン目32に遭わせて不要な部位を切除することが容易になるので、現場での作業性向上に寄与することができる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることはいうまでもない。
例えば、図6に示すように、木造住宅に本発明を適用してもよい。
図6を参照して、同木造住宅の床下構造1は、基礎11の上部に土台40を載置し、この土台40に大引き41を連結して床下構造を構築している点が、図1の実施形態と相違している。なお、図6の例では、土台40に木造住宅に適合する外壁42を載置し、この外壁42とともに、土台40に胴縁43を固定し、この胴縁43にサイディング44を固定している。
図6の例では、水切26は、一端部が土台40の外側面に固定され、その下端から外方下向きに屈曲して断熱材12の上面12aの上方から外側に突出し、さらに下向きに屈曲した形状を呈している。
また、押圧部材27は、図1の構成と同様に、断熱材12の上面12aに沿う板状の部材で構成されている。
図6の構成においても、基礎11と建物の外側に配置される断熱材12との間には、段差部14が形成されている。
上述のような構成においても、基礎11の上面11a及び断熱材12の上面12aに不織布30を載置し、不織布30の一部を床下側に臨ませて、この余長部30aから防蟻剤を注入できるようにしてもよい。
さらに、段差部14が形成されていない構成に不織布30を配置してもよい。
また、不織布30は、長繊維をスパンボンド法で製造することが好ましいが、これに限らず、乾式法、湿式法、メルトブローン法、エアレイド法で形成してもよい。また、ケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、水流交絡法等で結合されたものであってもよい。
1 床下構造
11 基礎
11a 上面
12 断熱材
12a 上面
13 断熱材
14 段差部
15 外装材
16 基礎際スペーサ
20 外壁
21 フレーム部
22 断熱材
23 面材
24 サイディング
25 空気通路
26 水切
27 押圧部材
30 不織布
30a 余長部
31a−31d 第1ミシン目
32 第2ミシン目
33 第3ミシン目
40 土台
41 大引き
42 外壁
43 胴縁
44 サイディング

Claims (5)

  1. 建物の基礎と、
    前記基礎の外側面に取り付けられる防蟻処理の施された断熱材と、
    前記基礎の上面及び前記断熱材の上面を連続して覆う不織布であって、一部が前記建物の床下側に露出するように配置される、防蟻剤を含浸可能な前記不織布と、
    前記断熱材の上面に沿って配置され、かつ当該断熱材の上面との間で前記不織布を挟み込む押圧部材と
    を備え
    前記断熱材は、前記上面が前記基礎の上面よりも低くなって前記基礎の外側面に段差部を形成しており、前記押圧部材は、前記段差部の輪郭に沿って前記不織布を前記断熱材との間で挟み込むものであることを特徴とする床下構造。
  2. 請求項1に記載の床下構造において、
    前記不織布は、当該不織布を前記基礎の上面及び前記断熱材の上面に沿わせるためのミシン目を有している床下構造。
  3. 請求項2に記載の床下構造において、
    前記不織布のミシン目は、サイズが異なる複数の仕様の基礎及び断熱材に適合するように複数個形成されている床下構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の床下構造において、
    前記建物の構造体と干渉する部位を施工現場で切除可能な切除用のミシン目をさらに備えている床下構造。
  5. 建物の基礎の外側面に、防蟻処理の施された断熱材を取り付ける工程と、
    防蟻剤を含浸可能な不織布を配置する工程であって、当該不織布が前記基礎の上面及び前記断熱材の上面を連続して覆い、かつ前記不織布の一部が前記建物の床下側に露出するように前記不織布を配置する工程と、
    配置された前記不織布を固定する工程と、
    前記不織布の前記建物の床下側に露出する部位に防蟻剤を床下側から含浸させる工程と
    を備えていることを特徴とする床下構造の防蟻処理方法。
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