JP6523659B2 - 防蟻用積層シート、並びにそれを用いた建築物及び防蟻処理方法 - Google Patents

防蟻用積層シート、並びにそれを用いた建築物及び防蟻処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、防蟻剤含有薬液の拡散が可能な防蟻用積層シート、並びに前記防蟻用積層シートを用いた建築物及び防蟻処理方法に関するものである。
白蟻等は、建物の外部から地中を床下に向けて進み、コンクリート間の空隙や割れ目を縫って建物内部に侵入し、支柱となる木材、断熱材等の建築物を食い荒らす為、近年種々の防蟻手段が開発されている。例えば、特許文献1には、薬剤を含浸した不織布を基礎、断熱材等の施工対象に配置し、薬剤を再施工する技術が開示されている。
この特許文献1の技術では、不織布が、所定の製法で作製されると共に、繊維長が所定の長さであることが要求され(請求項1)、その主たる防蟻効果は、所定繊維長を有する不織布を毛羽立った状態とすることにより、白蟻の脚が不織布に絡まって歩行を妨げ、不織布の貫通を防止することにあるとされている(段落0009、0010)。
この不織布は繊維間に微細な空隙を無数に有しており、不織布に薬剤を使用した場合、不織布は薬剤を吸液することができるものの、特許文献1では不織布に薬剤を含浸させ、乾燥させた後、固形状の薬剤として用いていることから(実施例)、不織布における薬剤の拡散性は考慮されていないと考えられる。
他の防蟻手段として、特許文献2には、断熱材がメンテナンス用防蟻剤を補充する案内手段を備えており、補充された防蟻剤を含浸させる為の不織布が断熱材の底面を覆うように取り付けられる技術が開示されている(請求項1、請求項4)。しかしながら、特許文献2の技術は、断熱材の底面に不織布を配設するが、不織布により防蟻剤を拡散させることを目的とするものではない。
他方、これらの技術では、メンテナンス時に、不織布に薬剤を供給する場合、不織布における薬剤の拡散性が十分ではない為、不織布全体に薬剤を拡散させ難く、所望の白蟻侵入経路に薬剤を到達させることが困難であり、また、一部液だれとなって薬剤を必要以上に使用せざるを得ないという問題がある。更に、不織布全体に薬剤を行き渡らせる為には、断熱材等の施工対象を一部取り外したり、損壊させる必要性も生じる為、メンテナンス作業が煩雑とならざるを得ないという問題もある。
特開2011−226248号公報 特開2014−43764号公報
これら問題を解決する為、防蟻剤が拡散可能で簡易に施工可能な防蟻手段(例えば、防蟻用積層シート、それを用いた建築物)が望まれていた。加えて、防蟻施工対象を取り外したり損壊することなく、メンテナンス時の作業が容易な防蟻手段(例えば、防蟻処理方法)も同時に望まれていた。
すなわち、本発明は、防蟻剤含有薬液が拡散可能で簡易に施工可能な防蟻用積層シートや、それを用いた建築物を提供することを目的とするものである。また、本発明は、防蟻施工対象を取り外したり損壊することなく、メンテナンス時の作業が容易な防蟻処理方法を提供することをも目的として掲げた。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、撥水性シート上に、防蟻剤含有薬液を拡散可能な透水性シートを積層した防蟻用積層シートを開発し、これを曲げて所定の様式で断熱材に配置すると、白蟻侵入経路となり得る部分に防蟻剤を供給できることを見出し、また、経年した後防蟻剤の効能を再度付与する場合、一部の透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給することにより、所望される白蟻侵入経路の部分まで当該防蟻剤を拡散できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
本発明の防蟻用積層シートは、防蟻剤含有薬液を拡散させるための透水性シートと、該透水性シートに積層されている撥水性シートとを有する。かかる防蟻用積層シートにより、防蟻剤含有薬液の拡散性が良好となる為、透水性シートの一部に薬液を供給することにより、薬液を広範囲に拡散させることができる。また、防蟻用積層シートは任意の部分で曲げ変形が可能である為、断熱材の形状に合わせて配置することができる。
前記透水性シートは、無機繊維または無機粉末をシート化したものであることが好ましい。かかる透水性シートにより、防蟻剤含有薬液の拡散性、断熱性、耐久性が良好となる。
前記撥水性シートの一方面は、前記透水性シートが積層されている第1領域と、前記透水性シートが積層されていない第2領域を有しており、該第2領域の少なくとも一部には、粘着層が積層されていることが好ましい。これにより、断熱材等に防蟻用積層シートを容易に固定することができる。
前記第2領域は、前記撥水性シートの端部であることが好ましい。メンテナンス時に、防蟻用積層シートを断熱材等から剥がし、剥がした部分に露出した透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給することができる。
本発明には、建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、前記立設部及び前記横設部の少なくとも一方に沿って形成される断熱材と、前記断熱材の片側面から前記断熱材の反対側面に亘って形成されている前記防蟻用積層シートとを有している建築物(建築物A)が包含される。これにより、前記立設部及び前記横設部の少なくとも一つと断熱材との間に前記防蟻用積層シートを対面させることができる。本願明細書において、建築物Aには、後述される建築物(a−1)〜(a−4)の態様が含まれるものとする。
本発明は、建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、前記立設部に沿って隣り合って形成される第1縦断熱材と第1縦断熱材の下側の第2縦断熱材と、前記第1縦断熱材の表側面から、前記第2縦断熱材の裏側面に亘って形成されている前記防蟻用積層シートとを有している建築物(建築物a−1)を別態様として含むものである。第1縦断熱材の表側面(防蟻剤含有薬液供給側)に防蟻用積層シートを配設しつつ、第2縦断熱材の裏側面(白蟻侵入経路部位側)にも防蟻用積層シートを配設できる。
前記第1縦断熱材の表側面は、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記第2縦断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面していることが好ましい。第1縦断熱材側の透水性シートから防蟻剤含有薬液を供給することができ、一方で第2縦断熱材側の透水性シートにも前記薬液が拡散でき、白蟻侵入経路部位に防蟻剤を存在せしめることができる。
また本発明の建築物において、前記第2縦断熱材の表側面に土間コンクリートが形成されている態様も好ましく実施される。
建築物の内側において建築物の基礎コンクリートの立設部に接続されるフーチング部の上側であって、前記第2縦断熱材の下側に防蟻剤含有材料が配設されることが好ましい。防蟻用積層シートによる防蟻作用に加えて、防蟻剤含有材料による防蟻作用も発現可能となる。
本発明は、建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、前記横設部上に形成される横断熱材と前記横設部上に形成され前記横断熱材に隣り合いかつ前記立設部に沿って形成されている縦断熱材と、前記横断熱材の表側面から、前記縦断熱材の裏側面に亘って形成されている前記防蟻用積層シートとを有している建築物(建築物a−2)を他の態様として含む。横断熱材の表側面(防蟻剤含有薬液供給側)に防蟻用積層シートを配設しつつ、縦断熱材の裏側面(白蟻侵入経路部位側)にも防蟻用積層シートを配設できる。
前記横断熱材の表側面は、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記縦断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面していることが好ましい。横断熱材側の透水性シートから防蟻剤含有薬液を供給することができ、一方で縦断熱材側の透水性シートにも前記薬液が拡散でき、白蟻侵入経路部位に防蟻剤を存在させることができる。
本発明の他の態様は、建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、前記横設部上に形成される横断熱材と前記横断熱材上に形成され前記立設部に沿って形成されている縦断熱材と、前記縦断熱材の表側面から、前記横断熱材の裏側面に亘って形成されている前記防蟻用積層シートとを有している建築物(建築物a−3)である。縦断熱材の表側面(防蟻剤含有薬液供給側)に防蟻用積層シートを配設しつつ、横断熱材の裏側面(白蟻侵入経路部位側)にも防蟻用積層シートを配設できる。
前記縦断熱材の表側面は、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記横断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面していることが好ましい。縦断熱材側の透水性シートから防蟻剤含有薬液を供給することができ、一方で横断熱材側の透水性シートにも前記薬液が拡散でき、白蟻侵入経路部位に防蟻剤を存在させることができる。
前記立設部と前記横設部により形成される隅部であって建物の内側部分に、前記防蟻用積層シートの透水性シート側が隅部に面する側に向けて配置されていることが好ましい。
これにより、白蟻侵入部分となり得る隅部にも防蟻剤を存在させることができる。
さらなる別態様として、土間コンクリートと、前記土間コンクリートの下側において前記土間コンクリートに沿って配置される断熱材と、前記断熱材の表側面から前記断熱材の裏側面に亘って形成されている前記防蟻用積層シートとを有し、前記防蟻用積層シートの透水性シートが、前記断熱材の表側面と裏面側に対向している建築物(建築物a−4)が本発明に含まれる。断熱材の表側面(防蟻剤含有薬液供給側)に防蟻用積層シートを配設しつつ、断熱材の裏側面(白蟻侵入経路部位側)にも防蟻用積層シートを配設できる。
前記断熱材の表側面の防蟻用積層シートの面積は、前記断熱材の裏側面の防蟻用積層シートの面積よりも小さいことが好ましい。断熱材の裏側面全体を前記積層シートで覆い、一方で表側面において、防蟻剤を供給可能な穿孔と透水性シートの端部近傍との位置を対応させることができる。
建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において前記立設部に接続されるフーチング部とを有する建築物において、前記フーチング部の上側において前記立設部に接続される前記断熱材の下側であって、前記立設部の側面に防蟻剤含有材料が配設されることが好ましい。防蟻用積層シートによる防蟻作用に加えて、防蟻剤含有材料による防蟻作用も発現可能である。
本発明の防蟻処理方法には、上記した本発明の建築物(建築物a−1〜3)において、防蟻用積層シートの透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給する防蟻処理方法、及び建築物(建築物a−4)において、断熱材の表側面側の防蟻用積層シート上において前記土間コンクリートを穿孔する工程と、孔から防蟻用積層シートに向けて防蟻剤含有薬液を供給する工程を含む防蟻処理方法が包含される。かかる処理方法により、建築物の竣工後においても防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給でき、しかも防蟻用積層シートの面内方向に防蟻剤含有薬液を拡散できることから、簡便かつ効率的な防蟻処理が可能となる。
本発明によれば、防蟻剤含有薬液が拡散可能で簡易に施工可能な防蟻用積層シートや、それを用いた建築物を提供でき、防蟻施工対象を取り外したり損壊することなく、メンテナンス時の作業が容易な防蟻処理方法も提供できる。
より具体的には、本発明の防蟻用積層シートによれば、防蟻剤含有薬液の拡散性が良好となる為、透水性シートの一部に薬液を供給することにより、薬液を広範囲に拡散させることができる。また、防蟻用積層シートは任意の部分で曲げ変形可能である為、断熱材の形状に合わせて配置することができる。
更に、本発明の建築物によれば、立設部や横設部と断熱材との間に防蟻用積層シートを対面させることができ、白蟻侵入経路に防蟻剤含有薬液を供給することができる。
より更に、本発明の防蟻処理方法によれば、建築物の竣工後においても防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給でき、しかも防蟻用積層シートの面内方向に防蟻剤含有薬液を拡散できることから、簡便かつ効率的な防蟻処理が可能となる。
図1は、本発明の実施形態1にかかる建築物(a−1)の断面図である。 図2は、建築物(a−1)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図3は、本発明の実施形態2にかかる建築物(a−2)の断面図である。 図4は、建築物(a−2)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図5は、本発明の実施形態3にかかる建築物(a−3)の断面図である。 図6は、建築物(a−3)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図7は、建築物(a−3)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図8は、本発明の実施形態3にかかる建築物(a−3)の断面図である。 図9は、建築物(a−3)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図10は、建築物(a−3)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。 図11は、本発明の実施形態4にかかる建築物(a−4)の断面図である。 図12は、建築物(a−4)において防蟻用積層シートに防蟻剤含有薬液を供給する工程断面図である。
本発明は、(i)防蟻用積層シート、(ii)建築物、及び(iii)防蟻処理方法を包含する。以下これらを順に説明すると共に、必要に応じてそれらの具体的な実施形態を示す。
(i)防蟻用積層シート
本発明の防蟻用積層シートは、防蟻剤含有薬液を拡散させるための透水性シートと、該透水性シートに積層されている撥水性シートとを有する。かかるシートは、撥水性シートにより防蟻剤含有薬液を外部に漏らすことなく、透水性シートを伝って防蟻剤含有薬液を拡散せしめる点に特徴を有する。
(i−1)撥水性シート
撥水性シートは、撥水性を有しているため防蟻剤含有薬液を透過しにくいものであり、より好適には可撓性があるものであればよく、例えば撥水性を示す樹脂であってもよいし、基材に撥水剤を処理したものであってもよい。
撥水性を示す樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンビニルアセテート樹脂等の高分子樹脂等が挙げられる。基材は、紙、前記高分子樹脂等であってもよく、撥水剤としては、パラフィン系撥水剤、フッ素系撥水剤、ポリシロキサン系撥水剤等が挙げられる。撥水性シートは、1層または2層以上のいずれであってもよい。
撥水性シートの厚みは、例えば0.01〜5mmであり、0.03〜3mmであることが好ましく、0.05〜2mmであることがより好ましい。
(i−2)透水性シート
透水性シートは、防蟻剤含有薬液を透過させるものであり、好適には可撓性があるものであればよく、例えば、ガラス繊維をペーパー化したもの等のガラス繊維紙、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維をペーパー化したもの等の炭素繊維紙、ケイ酸含有微細繊維等をペーパー化したもの等の無機充填紙、天然繊維や合成繊維等をペーパー化したもの等の有機繊維紙、アルミナとシリカと含むセラミック繊維をペーパー化したもの等のセラミック繊維紙、人造鉱物繊維等をペーパー化したもの等のロックウール紙、吸着性素材等をペーパー化したもの等の高機能紙等、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
透水性シートは、防蟻剤含有薬液の拡散性の観点から、無機繊維または無機粉末をシート化したものであることが好ましい。無機繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、ケイ酸とアルカリ土類金属を含む繊維、セラミック繊維、及び人造鉱物繊維からなる群より選択される1種以上の無機繊維であることが好ましい。無機粉末は、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、タルク、活性炭、ゼオライト、シリカゲル及び酸化チタンからなる群より選択される1種以上の無機粉体であることが好ましい。中でも人造鉱物繊維、活性炭、ゼオライト、シリカゲルが特に好ましい。透水性シートに無機繊維または無機粉末等の無機系材料を用いると、防蟻用積層シートの耐久性が向上する。
ガラス繊維を使用する場合、アクリル系、ポリビニルアルコール・酢酸ビニル系、不飽和ポリエステル系、エポキシ・アクリルバインダー系、エポキシ系、アクリル系、ポリビニルアルコール系、アクリル・ラテックス系等のバインダーを使用してもよい。
透水性シートの厚みは、例えば0.01mm以上5mm以下であり、好ましくは0.03mm以上4mm以下である。透水性シートは1層または2層以上であってもよい。
防蟻用積層シートは、撥水性シートと透水性シートを含むが、これらの積層方法や接着方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。また、防蟻用積層シートは、撥水性シートと透水性シートを接着させずに積層したまま使用してもよい。
防蟻用積層シートにおいて防蟻剤含有薬液の拡散性が発現する限り、他の層を積層してもよい。他の層としては、断熱材に対する接着層や外観性を付与する印刷層等が挙げられる。
防蟻用積層シートの全体厚みは、例えば、0.02mm以上10mm以下であり、好ましくは0.06mm以上8mm以下である。
防蟻剤含有薬液は、防蟻剤、溶媒を含むことが好ましく、必要に応じて添加剤を加えてもよい。
防蟻剤としては、アクリナトリン、アレスリン、シクロプロトリン、シハロトリン、シフルトリン、シペルメトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、フェンプロパトリン、フルシトリネート、ペルメトリン、レスメトリン、ジフェノトリン、フタルスリン、フルバリネート、フェンバレレートなどのピレスロイド系薬剤;シラフルオフェン、エトフェンプロックスなどのピレスロイド様薬剤;カルバリル、フェノブカルブ、プロポクスルなどのカーバメート系薬剤;ホキシム、ピリダフェンチオン、フェニトロチオンなどの有機リン系殺虫剤;クロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサム、アセタミプリド、ジノテフランなどのネオニコチノイド系薬剤(ニトログアニジン系薬剤);フィプロニールなどのフェニルピラゾール系薬剤;インドキサカルブなどのオキサジアジン系薬剤;メタフルミゾンなどのヒドラジンカルボキサミド系薬剤;クロラントラニリプロールなどのアントラニル酸アミド系薬剤;クロロフェナピル等の有機系防蟻剤;ホウ酸、ホウ砂、ホウ酸銅、ホウ酸亜鉛等の無機系防蟻剤が例示できる。好ましい防蟻剤は、ピレスロイド系薬剤、ネオニコチノイド系薬剤、フェニルピラゾール系薬剤、オキサジアジン系薬剤、ヒドラジンカルボキサミド系薬剤、アントラニル酸アミド系薬剤、ホウ酸等である。
防蟻剤の量は、防蟻剤含有薬液100質量部に対して、例えば、0.01〜20質量部程度、好ましくは0.05〜10質量部程度である。
溶媒としては、水;n−ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;キシレン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒;ネオペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;等が挙げられる。溶媒として樹脂エマルション、ゴムラテックス等の分散液を使用してもよい。
防蟻剤含有薬液には、添加剤として防かび剤、抗菌剤、分散剤、界面活性剤等が含まれていてもよい。防蟻剤含有薬液は、施工前、施工時、及び施工後のいずれにおいても透水性シート面に供給することができる。
撥水性シートの一方面は、透水性シートが積層されている第1領域と、透水性シートが積層されていない第2領域を有しており、第2領域の少なくとも一部には、粘着層(例えば粘着テープ)が積層されていることが好ましい。第一領域の面積は、撥水性シートの面積100%に対して70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。第一領域の面積は、例えば撥水性シートの面積100%に対して99%以下、97%以下、又は95%以下である。第2領域は、撥水性シートの端部であることが好ましい。粘着テープは、従来公知の両面粘着テープを使用してもよい。撥水性シートの端部に積層された粘着テープにより、断熱材等に容易に固定できる。端部は、撥水性シートの両端部であってもよく、撥水性シートの一方の端部であってもよい。
(ii)建築物
以上説明した防蟻用積層シートは、建築物の基礎構造部に設けられる断熱材に好ましく配置することができる。建築物の基礎構造部には蟻道が形成されやすく、蟻による食害を受けやすいからである。建築物には、布基礎コンクリート、防湿コンクリート(土間コンクリート)、ベタ基礎コンクリート、断熱材等が含まれる。以下これらについて説明する。
具体的には、布基礎工法の場合、建築物外周の布基礎と防湿コンクリートの接合箇所(打継ぎ部)付近における屋内側、またベタ基礎工法の場合、地面上のコンクリートベース盤と立ち上がり基礎との接合箇所(打継ぎ部)がある場合においてその付近における屋内側に、断熱材を敷設する。なお以下、布基礎工法での「布基礎」及びベタ基礎工法での「立ち上がり基礎」を、「コンクリート立設部」或いは単に「立設部」と総称し、布基礎工法での「防湿コンクリート(土間コンクリート)」及びベタ基礎工法での「地面上のコンクリートベース盤」を、「コンクリート横設部」或いは単に「横設部」と称する。また、布基礎コンクリートは逆T字型であるが、水平に打設されている部分を「フーチング部」と称する。
断熱材としては、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン等の発泡樹脂、グラスウール、ロックウール、厚手のフェルト、合成繊維製ワタ等の繊維製断熱材、多孔質材料、粒子断熱材を容器に充填したもの、或いはこれらの積層体等が用いられる。
本発明の構築物(建築物A)は、建築物の基礎コンクリートの立設部と、建築物の内側において立設部に接続されるコンクリート横設部と、立設部及び横設部の少なくとも一方に沿って形成される断熱材と、断熱材の片側面から断熱材の反対側面に亘って形成されている本発明の防蟻用積層シートとを有している。かかる建築物は、防蟻用積層シートを断熱材の一部又は全体に形成し、この断熱材を立設部および/または横設部に配設することにより、白蟻侵入経路に防蟻剤を存在させることを目的としている。なお、本発明において「立設部に接続される横設部」と表現されているものには、立設部と横設部との間に打継ぎ部を有している態様のみならず、立設部と横設部とが一体的に打設されている態様も含まれるものとする。
本願明細書において、「建築物の内側」は、コンクリート立設部から建築物内部に向かう方向を示し(図1〜12中、Aで示す)、「建築物の外側」は、コンクリート立設部から建築物外部に向かう方向を示す(図1〜12中、Bで示す)。
「断熱材の片側面」は、建築物内部の方向を向いている断熱材の面(断熱材の表側面)又は建築物外部の方向を向いている断熱材の面(断熱材の裏側面)のいずれかを意味する。
「断熱材の反対側面」は、「片側面」の裏側面を意味する。
「断熱材の片側面から断熱材の反対側面に亘って形成されている」における「亘って」は、断熱材の片側面から断熱材の反対側面にかけて防蟻用積層シートが連続して形成されていることを意味しており、途中、断熱材の端面(「断熱材の片側面」と「断熱材の反対側面」の間にある面)を経由する態様を含むものである。防蟻用積層シートは、断熱材の形状に沿って複数回曲げられていてもよい。
断熱材は、立設部側のみ、横設部側のみ、立設部側及び横設部側の両方に配設されてもよく、横設部の上側、横設部の下側又は上側及び下側の両方に配設されてもよい。断熱材の数は、施工対象に応じて変化してもよい。
防蟻用積層シートは、任意の部分で曲げてもよく、断熱材の形状、立設部と横設部のなす境界面の形状に合わせて曲げることができる。曲げる様式は、例えば防蟻用積層シートの一端で透水性シートが少なくとも立設部面、横設部面に対面し、一方で防蟻用積層シートの他端で透水性シートが断熱材の表側面と対面する様に曲げる様式、防蟻用積層シートの一端で透水性シートが断熱材の表側面と対面し、一方で防蟻用積層シートの別端で透水性シートが断熱材の裏側面と対面する様に曲げる様式等が挙げられる。より具体的には、直方体状の一断熱材と直方体状の他断熱材との間に防蟻用積層シートを介在させて曲げる場合、両方の断熱材がなす面の両端で防蟻用積層シートを略90°に曲げてもよい(この場合、防蟻用積層シートの一端で透水性シートが一断熱材の表側面と対面し、一方で防蟻用積層シートの別端で撥水性シートが他断熱材の裏側面に対面する)。あるいは、直方体状の一断熱材の周辺に防蟻用積層シートを対面させて曲げる場合、断熱材の6面のうち少なくとも3面が覆われる様に防蟻用積層シートを略90°に曲げてもよい(この場合、防蟻用積層シートの一端で透水性シートが一断熱材の表側面と対面し、一方で防蟻用積層シートの別端で透水性シートが一断熱材の裏側面に対面する)。
防蟻用積層シートは、少なくとも一部の透水性シートが白蟻侵入部位となり得る立設部及び横設部の1以上と対面するように配置されることが好ましく、より好ましくは防蟻用積層シートの透水性シートの一端が白蟻侵入経路となり得る立設部及び横設部の1以上と対面し、防蟻用積層シートの透水性シートの他端が断熱材と対面するように配置される。
また、透水性シートが断熱材の周囲を覆って配置されることも好ましい。
建築物において、立設部と横設部により形成される隅部であって建物の内側部分に、本発明の防蟻用積層シートの透水性シート側が隅部に面する側に向けて配置されていることが好ましい。立設部と横設部により形成される隅部は、白蟻侵入経路となり得る為、防蟻用積層シートの透水性シート側と対面させ、隅部に防蟻剤を供給することができる。必要に応じて、防蟻用積層シートの別の端の透水性シートから防蟻剤含有薬液(防蟻剤)を供給し、透水性シート全体に防蟻剤を拡散させ、隅部に防蟻剤を供給してもよい。
(実施形態1:建築物(a−1))
本発明の実施形態1にかかる建築物(a−1)の断面を図1に示す。本発明の建築物(a−1)は、建築物の基礎コンクリート10の立設部1と、建築物の内側において立設部1に接続されるコンクリート横設部2と、立設部1に沿って隣り合って形成される第1縦断熱材33と第1縦断熱材33の下側の第2縦断熱材44と、第1縦断熱材33の表側面から、第2縦断熱材44の裏側面に亘って形成されている本発明の防蟻用積層シート8とを有している。
第1縦断熱材33の表側面は、防蟻用積層シート8の透水性シート6と対面し、第2縦断熱材44の裏側面は、防蟻用積層シート8の撥水性シート5と対面していることが好ましい。これにより、布基礎コンクリート10の下部側面に形成されやすい白蟻侵入経路に防蟻剤を効率よく供給することができる。すなわち、第1縦断熱材33側の透水性シート6に防蟻剤を供給すれば、第2縦断熱材44側の透水性シート6にも防蟻剤を拡散させることができる。
建築物(a−1)において、第2縦断熱材44の表側面に土間コンクリート20が形成されていることが好ましい。
建築物の内側において建築物の基礎コンクリート10の立設部1に接続されるフーチング部1’の上側であって、第2縦断熱材44の下側に防蟻剤含有材料60’が配設されることが好ましい。防蟻剤含有材料60’の代わりに、防蟻用積層シートを延伸させた状態にしても構わない。防蟻剤含有材料60は、土間コンクリートと第2縦断熱材のなす境界面に配設されてもよい。
防蟻剤含有材料は、上述した防蟻剤を含むものであれば限定されず、スポンジ、ガラスウール、ロックウール等の材料に防蟻剤を含浸させたものでもよく、防蟻剤をペースト、粒状、固形状等にしたものであってもよい。本発明において、防蟻剤含有材料は、防蟻用積層シート以外の白蟻侵入部位となり得る部分に配設されてもよい。当該白蟻侵入部分となり得る部分は、例えば、布基礎コンクリート等の立設部と土間コンクリート等の横設部とにより形成される隅部、布基礎コンクリート等の立設部とフーチング部とにより形成される隅部、布基礎コンクリート等の立設部と断熱材とにより形成される隅部、土間コンクリート等の横設部と(第2縦)断熱材とにより形成される隅部、布基礎コンクリート等の立設部とフーチング部と(第2縦)断熱材とにより形成される部分等である。
防蟻用積層シート8は、粘着テープ7により第1縦断熱材33や第1横断熱材33’や縦断熱材4や横断熱材3と固定されていてもよい。
(実施形態2:建築物(a−2))
本発明の実施形態2にかかる建築物の断面を図3に示す。本発明の建築物(a−2)は、建築物の基礎コンクリート10の立設部1と、建築物の内側において立設部1に接続されるコンクリート横設部2と、横設部上に形成される横断熱材と横設部上に形成され横断熱材に隣り合いかつ立設部に沿って形成されている縦断熱材と、横断熱材33’の表側面から、縦断熱材44’の裏側面に亘って形成されている本発明の防蟻用積層シート8(図に示さず)とを有している。
建築物(a−2)において、横断熱材33’の表側面は、防蟻用積層シート8の透水性シート6と対面し、縦断熱材44’の裏側面は、防蟻用積層シート8の撥水性シート5と対面していることが好ましい。これにより、白蟻侵入経路に相当する部分に防蟻剤を効率よく供給することができる。すなわち、横断熱材33’側の透水性シート6に防蟻剤を供給すれば、縦断熱材44’側の透水性シート6にも防蟻剤を拡散させることができる。
本発明の建築物(a−2)において、防蟻用積層シートの透水性シートが、防蟻剤含有薬液の供給により防蟻剤を拡散でき白蟻侵入経路に防蟻剤を供給できる限り、本発明の防蟻用積層シート8は、横断熱材33’の表側面から、縦断熱材44’の裏側面まで亘っていなくともよく、横断熱材33’の表面側から、縦断熱材44’の裏側面直前の側面(例えば断熱材の表側面と裏側面とを連絡する面)まで亘って形成されていてもよい。
(実施形態3:建築物(a−3))
本発明の実施形態3にかかる建築物(a−3)の断面を図5及び8に示す。本発明の建築物(a−3)は、建築物の基礎コンクリート10の立設部1と、建築物の内側において立設部1に接続されるコンクリート横設部2と、横設部2上に形成される横断熱材3と横断熱材3上に形成され立設部1に沿って形成されている縦断熱材4と、縦断熱材4の表側面から、横断熱材3の裏側面に亘って形成されている本発明の防蟻用積層シート8とを有している。基礎コンクリートは、布基礎コンクリート(10)でもよく、ベタ基礎コンクリート(200)上の立ち上がり基礎コンクリ−ト(10’)であってもよい。
縦断熱材4の表側面は、防蟻用積層シート8の透水性シート6と対面し、横断熱材3の裏側面は、防蟻用積層シート8の撥水性シート5と対面していることが好ましい。これにより、立設部と横設部のなす境界面において白蟻侵入経路に防蟻剤を効率よく供給することができる。すなわち、縦断熱材3側の透水性シート6に防蟻剤を供給すれば、横断熱材4側の透水性シート6にも防蟻剤を拡散させることができる。
建築物(a−1)〜(a−3)において、立設部1と横設部2により形成される隅部であって建物の内側部分に、本発明の防蟻用積層シート8の透水性シート側が隅部に面する側に向けて配置されていることが好ましい。これにより、白蟻侵入経路となり得る隅部が、防蟻剤で処理されることとなる。
(実施形態4:建築物(a−4))
本発明の実施形態4にかかる建築物(a−4)の断面を図11に示す。本発明の建築物(a−4)は、土間コンクリート20と、土間コンクリート20の下側において土間コンクリート20に沿って配置される断熱材3と、断熱材3の表側面から断熱材3の裏側面に亘って形成されている本発明の防蟻用積層シート8(図に示さず)とを有し、防蟻用積層シート8の透水性シート6が、断熱材3の表側面と裏面側に対向している。この形態は、断熱材の周囲を防蟻用積層シートで取り囲んで、断熱材自体の白蟻による食害を防止するものである。必要に応じて、防蟻用積層シートを撥水性シートのみとし、後述される通り、土間コンクリートに穿孔し、防蟻剤を供給しても構わない。
断熱材3の表側面の防蟻用積層シート8の面積は、断熱材3の裏側面の防蟻用積層シート8の面積よりも小さいことが好ましい。断熱材の表側面は、防蟻剤を供給する部位となることから、断熱材の表側面全体を覆う必要はない。
建築物の基礎コンクリート10の立設部1と、建築物の内側において立設部1に接続されるフーチング部1’とを有する建築物において、フーチング部1’の上側において立設部1に接続される断熱材3の下側であって、立設部1の側面に防蟻剤含有材料60が配設されることが好ましい。これにより、地面側からの白蟻侵入経路に防蟻剤を配設でき、白蟻の侵入を防止することができる。
(iii)防蟻処理方法
本発明の防蟻処理方法は、建築物(建築物a−1〜3)において、防蟻用積層シートの透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給するものであり、又は、建築物(a−4)において、断熱材の表側面側の防蟻用積層シート上において土間コンクリートを穿孔する工程と、孔から防蟻用積層シートに向けて防蟻剤含有薬液を供給する工程を含むものである。防蟻処理方法により、経年した後も施工部位を取り外すことなく損壊させることなく防蟻処理を容易かつ効率的に行うことができる。
防蟻処理方法の一例を図2、4、6、及び9に示す。防蟻用積層シート8の撥水性シート5の端部に固定された粘着テープ7を剥がし、剥がした部分で露出した防蟻用積層シート8の透水性シート6に防蟻剤の供給30を行う。
防蟻処理方法の別例を図7及び10に示す。必要に応じて、防蟻用積層シート8の撥水性シート5の端部の固定されている粘着テープ7を剥がすと共に、横断熱材3等を移動させ、防蟻用積層シート8の透水性シート6に防蟻剤の供給30を行ってもよい。
防蟻処理方法の別例を図12に示す。この方法は、土間コンクリート2の下側に断熱材3を配設する場合の防蟻処理方法であり、土間コンクリート2を直接穿孔し、その孔(100)から防蟻剤の供給30を行う。穿孔の数は、特に限定されないが、防蟻用積層シートの透水性シートに防蟻剤が供給できれば、防蟻用積層シート全体に拡散できることから、穿孔の数を低減することができる。
また、断熱材3の表側面の防蟻用積層シート8の面積は、断熱材3の裏側面の防蟻用積層シート8の面積よりも小さくしておくと同時に、断熱材3の表側において、透水性シートの面積を撥水性シートの面積よりも大きくすることにより(すなわち、図12において、断熱材3の表側面において、透水性シート6を撥水性シート5よりも長くすることにより)、効率よく防蟻剤を透水性シート6に供給できる。
本発明の防蟻処理方法には、防蟻用積層シートの透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給する方法以外に、防蟻剤含有材料を配設する方法、防蟻剤含有材料を交換する方法等が含まれていてもよい。
例えば、図11に示す建築物(a−4)において、防蟻剤含有材料60は、新築時に配設されていてもよく、配設されていなくともよく、メンテナンス時に必要に応じて配設されてもよい。
以上、本発明の実施の形態に係る建築物や防蟻処理方法について具体例を用いて説明したが、本発明は上記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することももちろん可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本発明の防蟻用積層シートは、種々の建築物に適用可能である。
A:建築物の外側
B:建築物の内側
1:立設部
2:横設部
3:横断熱材、33:第1縦断熱材、33’:横断熱材
4:縦断熱材、44: 第2縦断熱材、44’:縦断熱材
5:撥水性シート
6:透水性シート
7:粘着テープ
8:防蟻用積層シート
1’:フーチング部
10:布基礎コンクリート、10’:立ち上がり基礎コンクリ−ト
20:土間コンクリート
30:防蟻剤含有薬液の供給
60、60’:防蟻剤含有材料
100:穿孔
200:ベタ基礎コンクリート

Claims (18)

  1. 防蟻剤含有薬液を拡散させるための透水性シートと、該透水性シートに積層されている撥水性シートとを有し、
    前記透水性シートが、無機繊維または無機粉末をシート化したものであることを特徴とする防蟻用積層シート。
  2. 前記撥水性シートの一方面は、前記透水性シートが積層されている第1領域と、前記透水性シートが積層されていない第2領域を有しており、該第2領域の少なくとも一部には、粘着層が積層されている請求項1に記載の防蟻用積層シート。
  3. 前記第2領域が前記撥水性シートの端部である請求項に記載の防蟻用積層シート。
  4. 建築物の基礎コンクリートの立設部と、
    建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、
    前記立設部及び前記横設部の少なくとも一方に沿って形成される断熱材と、
    前記断熱材の片側面から前記断熱材の反対側面に亘って形成されている請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートとを有している建築物。
  5. 建築物の基礎コンクリートの立設部と、
    建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、
    前記立設部に沿って隣り合って形成される第1縦断熱材と第1縦断熱材の下側の第2縦断熱材と、
    前記第1縦断熱材の表側面から、前記第2縦断熱材の裏側面に亘って形成されている請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートとを有している建築物。
  6. 前記第1縦断熱材の表側面が、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記第2縦断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面している請求項に記載の建築物。
  7. 前記第2縦断熱材の表側面に土間コンクリートが形成されている請求項又はに記載の建築物。
  8. 建築物の内側において建築物の基礎コンクリートの立設部に接続されるフーチング部の上側であって、前記第2縦断熱材の下側に防蟻剤含有材料が配設される請求項のいずれかに記載の建築物。
  9. 建築物の基礎コンクリートの立設部と、
    建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、
    前記横設部上に形成される横断熱材と前記横設部上に形成され前記横断熱材に隣り合いかつ前記立設部に沿って形成されている縦断熱材と、
    前記横断熱材の表側面から、前記縦断熱材の裏側面に亘って形成されている請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートとを有している建築物。
  10. 前記横断熱材の表側面が、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記縦断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面している請求項に記載の建築物。
  11. 建築物の基礎コンクリートの立設部と、
    建築物の内側において前記立設部に接続されるコンクリート横設部と、
    前記横設部上に形成される横断熱材と前記横断熱材上に形成され前記立設部に沿って形成されている縦断熱材と、
    前記縦断熱材の表側面から、前記横断熱材の裏側面に亘って形成されている請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートとを有している建築物。
  12. 前記縦断熱材の表側面が、前記防蟻用積層シートの透水性シートと対面し、前記横断熱材の裏側面が、前記防蟻用積層シートの撥水性シートと対面している請求項11に記載の建築物。
  13. 前記立設部と前記横設部により形成される隅部であって建物の内側部分に、請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートの透水性シート側が隅部に面する側に向けて配置されている請求項12のいずれかに記載の建築物。
  14. 土間コンクリートと、
    前記土間コンクリートの下側において前記土間コンクリートに沿って配置される断熱材と、
    前記断熱材の表側面から前記断熱材の裏側面に亘って形成されている請求項1〜のいずれかに記載の防蟻用積層シートとを有し、前記防蟻用積層シートの透水性シートが、前記断熱材の表側面と裏面側に対向している建築物。
  15. 前記断熱材の表側面の防蟻用積層シートの面積が、前記断熱材の裏側面の防蟻用積層シートの面積よりも小さい請求項14に記載の建築物。
  16. 建築物の基礎コンクリートの立設部と、
    建築物の内側において前記立設部に接続されるフーチング部とを有する建築物において、
    前記フーチング部の上側において前記立設部に接続される前記断熱材の下側であって、前記立設部の側面に防蟻剤含有材料が配設される請求項14又は15に記載の建築物。
  17. 請求項13のいずれかに記載の建築物において、
    前記防蟻用積層シートの透水性シートに防蟻剤含有薬液を供給する防蟻処理方法。
  18. 請求項1416のいずれかに記載の建築物において、
    前記断熱材の表側面側の防蟻用積層シート上において前記土間コンクリートを穿孔する工程と、
    前記孔から前記防蟻用積層シートに向けて防蟻剤含有薬液を供給する工程を含む防蟻処理方法。
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