JP4076470B2 - 基礎際の防蟻方法及び構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、住宅等の基礎の内際を防蟻施工するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、住宅等の床下部分に防蟻処理を施す方法として、防蟻剤の散布や防蟻シートの敷設が良く行われている。しかし、布基礎や独立基礎とは別にこれと隣接して土間コンクリートを打設する場合には、当該コンクリートの硬化時や硬化後に、基礎と土間コンクリートとの接合部分にそのコンクリート収縮等に起因してクラック(ひび割れ)が発生するおそれがあり、このようなクラックからの白蟻の侵入を前記防蟻剤の散布や防蟻シートの敷設のみで防ぐことは非常に難しい。特に、シロアリは土壌から基礎内側面を伝って地上に到達する場合が多く、基礎際の防蟻処理は非常に重要となる。
【0003】
そこで、このような基礎際に集中的に防蟻処理を施す方法として、例えば下記の特許文献1には、布基礎と土間コンクリートとの接合部分に沿って当該土間コンクリートの端部上面に溝を形成し、この溝内に防蟻剤を注入して当該溝内を伝わらせるようにした方法が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特公平7−86251号公報(第2頁,第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1に示される方法は、土間コンクリートの上面に溝を形成するものであるため、当該溝の底部にはやはりクラックが生じるおそれがある。このクラックについて、前記特許文献1では、前記溝内に注入された防蟻剤がクラック内に侵入して防蟻効果を発揮する旨の記載がされているが、土間コンクリートに発生するクラックの幅には相当のバラツキがあるため、当該クラック内に十分にムラなく防蟻剤を充填するといったことは難しく、特にクラックの幅が非常に狭い部分にはその中へ防蟻剤を確実に入れることは事実上困難である。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、基礎とその内側に打設される土間コンクリートとの境界部分に確実に防蟻剤を配して優れた防蟻効果を得ることができる基礎際の防蟻方法及び防蟻構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、建物の基礎とその内側に打設される土間コンクリートとの境界部分に防蟻剤を配設する基礎際の防蟻方法であって、前記基礎の内側面の際の地盤に当該内側面に沿って延びる溝を形成する工程と、その溝内に防蟻剤を入れる工程と、当該溝の上側で前記基礎の内側面に沿って型枠を配し、その内側に流動状態のコンクリートを注入して硬化させることにより前記土間コンクリートを形成する工程と、前記型枠を取り外すことにより前記基礎の内側面と前記土間コンクリートとの間に形成される隙間内に防蟻剤を入れてこの防蟻剤と前記溝内の防蟻剤とを連続させる工程とを含むものである。
【0008】
この方法によれば、基礎の内側に型枠を配してからその内側(土間側)に流動状態のコンクリートを注入し硬化させて土間コンクリートを形成することにより、この土間コンクリートと前記基礎の内側面との間に好適な寸法をもつ隙間を意図的に形成することができ、この隙間内に防蟻剤を入れることによって、当該防蟻剤を前記基礎内側面と土間コンクリートとの間にムラなく確実に介在させることができる。
【0009】
また、前記土間コンクリートを形成する前に、前記基礎の内側面の際の地盤に当該内側面に沿って延びる溝を形成する工程と、その溝内に防蟻剤を入れる工程とを行い、前記土間コンクリートを形成した後に当該土間コンクリートと前記基礎の内側面との隙間に入れられる防蟻剤が前記溝内の防蟻剤と連続するようにしているので、当該溝内から前記隙間にまで連続する好適な防蟻領域を形成することができ、より優れた防蟻効果を得ることができる。
【0010】
ここで、前記型枠は基礎内側面に密着させてもよいのであるが、当該型枠を当該型枠と前記基礎の内側面との間に隙間が形成される位置に配し、この型枠の上端よりも前記土間コンクリートの上面が低くなるように当該土間コンクリートの注入高さを設定するようにすれば、当該土間コンクリートの上面から上側に突出する型枠の上端部を土間側から叩く等して当該上端部に衝撃を与えることにより、当該型枠を前記土間コンクリートから基礎側へ簡単に剥離させることが可能になる。
【0011】
その場合、前記型枠は地盤上に立てるようにして設置することも可能であるが、この型枠を取付治具を介して前記基礎側に支持させるようにすれば、型枠の設置状態をより安定させることができる。
【0012】
前記隙間の具体的な形状も特に問わないが、前記基礎の内側面と前記土間コンクリートとの間に下方に向かうに従って当該基礎の内側面と土間コンクリートとの距離が縮まる形状の隙間が形成されるように前記型枠を配すれば、その形成された隙間内により円滑に防蟻剤を入れることが可能になる。
【0013】
前記隙間の底面(溝を形成する場合には溝の底面)は地盤が露出した状態にしていてもよいが、その底面を覆う防湿シートを地盤上に敷くようにしておけば、この防湿シートによって、土間コンクリートが打設されていない隙間部分すなわち防蟻剤充填部分における防湿も行うことができるとともに、当該防蟻剤と地盤に含まれる水分等との接触によって当該防蟻剤が劣化するのを抑止することができる。
【0014】
なお、前記防蟻剤は例えば液状のもので注入後に半硬化するようなものでもよいが、粒状の防蟻剤であれば、土間コンクリートが収縮して当該土間コンクリートと基礎内側面との隙間が広がってもこれに前記防蟻剤が追従するため、施工後においても良好な防蟻剤充填状態を継続させることができる。
【0015】
また本発明は、基礎の内側に土間コンクリートを打設する際に当該基礎の内側面と当該土間コンクリートとの間に隙間を形成するための型枠を前記基礎側に取付けるための型枠取付治具であって、前記基礎の内側面上に着脱可能に取付けられる治具本体と、この治具本体の下部から側方に突出し、前記型枠の上部を挟持する形状をもつ型枠保持部とを有するものである。
【0016】
この型枠取付治具によれば、その型枠保持部に前記型枠を保持させた状態で治具本体を基礎内側面に取付けることにより、当該型枠を基礎側に宙吊り状態で支持させることができる。
【0017】
ここで、前記型枠保持部としては、例えば、前記型枠の上端部を表裏両面から挟持する形状のものが好適である。
【0018】
また、前記治具本体から前記型枠保持部と反対の側に突出して前記基礎の上面上に載置される上面載置部を有する型枠取付治具によれば、当該上面載置部と基礎上端面との当接によって基礎への型枠取付治具の取付状態をより安定させることができる。
【0019】
さらに、前記上面載置部に、前記基礎の上面から突出するアンカーボルトが挿通可能なボルト挿通孔が設けられているものによれば、当該アンカーボルトの挿通によって、基礎からの型枠取付治具及び型枠の脱落をより確実に防止することができる。
【0022】
また本発明は、基礎とその内側に打設される土間コンクリートとの境界部分に防蟻剤が配設される基礎際の防蟻構造であって、前記基礎の内側面の際に沿って地盤に溝が形成され、その溝内に防蟻剤が入れられるとともに、前記基礎の内側面から隙間をおいて前記溝の上に土間コンクリートが打設され、当該隙間にも防蟻剤が入れられて前記溝内の防蟻剤と連続しているものである。
【0023】
この防蟻構造によれば、前記地盤に形成された溝から基礎−土間コンクリート間の隙間に至るまでの連続した領域に防蟻剤が入れられることによって、基礎際の防蟻を確実に行うことができる。
【0024】
また、以上の防蟻構造において前記隙間内、あるいは前記溝内及び前記隙間内に、粒状の防蟻剤が入れられている構造であれば、土間コンクリートの収縮に対応して防蟻剤が流動するため、良好な防蟻状態を継続させることができる。
【0025】
ここで、前記溝の具体的な形状は問わないが、当該溝の底面が前記基礎の内側面に向かうに従って深くなる向きに傾斜しているものでは、その傾斜によって当該溝内の防蟻剤が積極的に基礎内側面側に寄せられるため、特に基礎際での防蟻をより確実なものにすることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1及び図2に基づいて説明する。
【0027】
図1において、地盤10上に基礎12が立設されている。この基礎12は、図例では図の奥行き方向に延びる布基礎であって、その土間側の側面が内側面12aとなっている。また、この基礎12の上端面からは上方にアンカーボルト14が突出している。
【0028】
前記基礎12の内側面12aの際の地盤10には、当該内側面12aに沿って延びる溝11が掘削されている。この溝11の底面は、前記基礎内側面12aに向かうに従って深くなる向きに傾斜している。そして、この溝11の底面も含めて前記基礎12よりも内側の領域(土間領域)における地盤10上に防湿・防蟻シート16が敷かれ、その基礎側端部が釘17によって前記溝11の底部に固定されるとともに、当該防湿・防蟻シート16の上に土間コンクリート18が一定の厚みで打設されている。
【0029】
この防蟻構造においては、前記土間コンクリート18と基礎内側面12aとの間に意図的に一定幅(図例では溝11の上端幅よりも小さな幅)の隙間30が確保されており、この隙間30と前記溝11とにわたって連続する領域に防蟻剤20が入れられている。すなわち、前記土間コンクリート18と基礎内側面12aとの境界部分においては溝11の底部にまで至る領域に防蟻剤20がムラなく確実に充填された状態となっており、これによって優れた防蟻効果が発揮され得るものとなっている。
【0030】
また、施工後において隙間30内への防蟻剤20の充填状態を確認する作業や、当該施工後に一定の期間をおいて当該隙間30内へ防蟻剤20を補充したり当該防蟻剤20を入れ替えたりする作業も、比較的容易に行うことが可能である。
【0031】
ここで、前記防蟻剤20としては、流動性を有するものが好適であり、従来から一般に用いられている液状の防蟻剤であって充填後に半硬化するものであってもよいが、粒状のものであって半永続的に流動性を保持するものであればなお好ましい。このような粒状の防蟻剤を用いれば、施工完了後に土間コンクリート18が収縮して前記隙間30が広がってもこれに前記防蟻剤20が追従するため、理想的な防蟻剤配設状態が維持されることになる。
【0032】
特に、図例のように溝11の底面が傾斜している場合には、投入された防蟻剤20が積極的に基礎内側面12a側に寄せられることにより、基礎際での防蟻効果がより確実なものになる。また、前記土間コンクリート18の重さによって防蟻剤20が下方に加圧されることにより、溝11内での防蟻剤充填密度が高められるという利点を得ることも可能である。
【0033】
このような粒状の防蟻剤20を用いる場合、その粒径としては、例えば1〜3mm程度が好適であり、その粒子の素材としては、無機質粒子(砂、軽石、セオライト、ひる石、珪砂、クレータルク、炭酸カルシウム、ベントナイト、珪藻土、硫酸マグネシウム)、有機質粉粒子(木片、竹片)、合成樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、EVA(エチレン−酢酸ビニルアルコール共重合体)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ナイロン等)等が挙げられる。このような粒子の表面に適当な防蟻薬剤を溶媒に混入した被覆剤を塗布したり、当該粒子に上記防蟻薬剤を練り込んだりすることにより、好適な粒状の防蟻剤が得られる。
【0034】
なお、前記防蟻薬剤としては、例えば、ピレスロイド様薬剤(シラフルオフェン、エトフェンプロックス等)、ピレストイド系薬剤(ビフェントリン、サイパーメストン、デルタメスリン、パーメスリン、ペルメスリン、アレスリン、トラロメスリン等)、カーバメント系薬剤(プロボクスル、フェノカルブ、セビン等)、クロルニコチル系薬剤(イミダクロプリド、アセタプリド、クロチアニシン等)、ニトロガニリン系薬剤(ジノテフラン等)、有機リン系殺虫剤(ホキシム、テトラクロクピンホス、フェニトロチオン、プロベタンホス等)、ピラゾール系薬剤(フィブロニル等)、クロルフェノール系薬剤(4−プロモ−2,5−ジクロルフェノール(BDCP)等)、フェニルピロール系(クロルフェナビル等)、ヒバ油、ウコン、カプリン酸、ヤシ油、パーム油等が挙げられる。
【0035】
また、前記隙間30の寸法も適宜設定可能であるが、例えば図1に示されるように深さ方向に幅が均一の隙間30内に均一粒径1.0mm程度の粒状の防蟻剤20を入れるのであれば、隙間30の寸法は1〜20mm程度が好適である。
【0036】
次に、この基礎際の防蟻構造を施工する方法(すなわち基礎際の防蟻方法)の一例を図2〜図5を併せて参照しながら説明する。
【0037】
工程1:基礎12が立設された地盤10において、当該基礎12の内側面12aの際に溝11を掘削する(図2(a))。この溝11は、前記のように基礎内側面12aに向かうに従って深くなる向きに底面が傾斜したものが好ましいが、当該底面がフラットなものでも防蟻剤20の充填は可能である。また、本発明方法ではこの溝11の掘削を適宜省略してもよい。
【0038】
工程2:溝11の底面も含めて基礎12の内側領域における地盤10上に防湿シート、より好ましくは防蟻剤が含浸された防湿・防蟻シート16を敷設する(図2(b))。この防湿・防蟻シート16は、例えばその基礎側端部を釘17等によって溝11の底部に固定しておくことがより好ましい。
【0039】
この防湿・防蟻シート16の材質としては、ポリプロピレンやポリエチレン等の防湿性を有する合成樹脂に前記防蟻薬剤を混入させたものなどが好適である。また、必ずしも防蟻薬剤を混入させなくてもよく、単なる防湿シートを用いてもよいし、逆に、不織布のように防湿性を有しない母材に殺虫剤等を混入させたものでもよい。あるいは同シート16を適宜省略してもよい。
【0040】
防湿・防蟻シート16の敷設領域は、少なくとも前記溝11の底面を覆う領域であればよいが、土間部分全体に敷設すればより好ましい防湿・防蟻効果が得られる。また、前記溝11を省略した場合には、図6に示すように防湿・防蟻シート16をそのまま地盤上に敷き、その外側端16aを基礎内側面12aに当接させるようにすればよく、当該防湿・防蟻シート16によって少なくとも後述の隙間30の底面を構成する地盤が覆われた状態にあればよい。
【0041】
工程3:前記溝11内に防蟻剤20を入れる(図2(c))。このとき、前記のように当該溝11の底面を覆うように防湿・防蟻シート16を敷いておけば、当該溝11内に入れられる防蟻剤20と地盤10との接触を阻止して当該地盤10に含まれる水分等により防蟻剤20が劣化することが有効に抑止される。
【0042】
工程4:基礎12の内側に土間コンクリート18を打設する前に型枠22を設置する(図3(a))。この型枠22は、当該土間コンクリート18と基礎内側面12aとの間に隙間30を確保するためのものであり、例えば木材等の安価な材料で長尺板状に形成されたものが好適である。この型枠22は、当該型枠22と基礎内側面12aとの間に隙間23が確保される位置に配して取付治具24を介して基礎12側に取付けるようにする。
【0043】
この取付治具24の好適例を図4及び図5に示す。図示の取付治具24は、長尺の金属板を適宜曲げ加工することにより成形可能なものとなっており、上下方向に延びる治具本体26と、この治具本体26の下端から側方に突出する型枠保持部28と、前記治具本体26の上端から前記型枠保持部28と反対の側に突出する上面載置部27とを一体に有している。
【0044】
前記上面載置部27は前記治具本体26と略直交しており、当該上面載置部27の中央には前記基礎12の上端面12bから突出するアンカーボルト14が挿通可能なボルト挿通孔27aが設けられている。このボルト挿通孔27aの位置は、同挿通孔27aに前記アンカーボルト14が挿通された状態で前記上面載置部27及び治具本体26がそれぞれ基礎12の上端面12b及び内側面12aに密着できる位置に設定されている。
【0045】
型枠保持部28は、前記型枠22の上部を表裏両側から挟持する形状(側面視二股状)をなし、具体的には、前記型枠22に対してその裏側面(基礎12側の面)に当たる左右一対の裏側支持片28aと、両裏側支持片28aの間の位置で前記型枠22に対してその表側面(土間側の面)に当たる表側支持片28bとを有している。
【0046】
これら3つの支持片28a,28bは、その基部が前記治具本体26の下端から互いに同じ向きに略直角に屈曲するとともに、裏側支持片28aにおいては前記屈曲位置から比較的近い位置で逆向き(下向き)に屈曲し、表側支持片28bにおいては前記屈曲位置から比較的遠い位置で下向きに屈曲する形状を有している。そして、これら支持片28a,28bの間に下側から型枠22の上端部を差し込むことにより、当該型枠22の上端部を両支持片28a,28bが挟持する状態が得られるようになっている。
【0047】
このようにして型枠保持部28により型枠22の上部を挟持した状態で前記治具本体26及び上面載置部27をそれぞれ基礎12の内側面12a及び上端面12bに密着させることにより、型枠22を宙吊り状態で基礎12側に支持することができる。
【0048】
このとき、前記治具本体26や上面載置部27は粘着テープなどで基礎12側に一時的に固定するようにしてもよいが、型枠保持部28の突出長さに比べて治具本体26及び上面載置部27が十分長い場合には、上面載置部27と基礎上端面12bとの摩擦力のみで取付治具24を基礎12側に係止しておくことが可能である。前記治具本体26の長さ寸法は、その下端の型枠保持部28により保持される型枠22の下端面が図示のように溝11内に入れられた防蟻剤20の上面に接する程度の寸法に設定するのが好ましい。
【0049】
なお、この取付治具24は例えばプラスチックにより全体を一体成形したものでもよい。型枠保持部28についても、図示の形状に限られるものではなく、例えば型枠22の高さ寸法が比較的小さい場合には当該型枠22を上下から挟持するような形状のものでもよい。
【0050】
また、地盤10側が比較的平坦で安定している場合(特に溝11を施工しない場合)には、前記取付治具24を用いずに当該地盤10側に型枠22を立て置きするようにしてもよい。この場合も、型枠22と基礎内側面12aとの間に隙間23を確保することが好ましいが、その隙間23側に型枠22が倒れないように当該隙間23内に適当なスペーサを介在させておくことが、より好ましい。
【0051】
工程5:型枠22よりも内側の領域(土間領域)に流動状態のコンクリートを注入し、その後時間をおいて硬化させることにより、当該領域に土間コンクリート18を形成する(図3(b))。このとき、土間コンクリート18の上面が前記型枠22の上端よりも低くなるように前記流動状態のコンクリートの注入高さを設定する。
【0052】
工程6:土間コンクリート18の打設後、当該土間コンクリート18から前記型枠22を剥離させる(取付治具24を使用している場合には当該治具24も撤去する。)。これにより、当該土間コンクリート18と基礎内側面12aとの間には前記型枠22の厚み分に前記隙間23の大きさを加えた大きさに相当する隙間30が形成されることになる(図3(c))。
【0053】
ここで、前記土間コンクリート18の硬化が完了した時点では、当該土間コンクリート18の上面よりも前記型枠22の上端部が上側に突出した状態にあるので、その突出部分(上端部)を土間側(図3(b)では右側)から叩く等して当該突出部分に衝撃を与えることにより、前記型枠22を前記土間コンクリート18から基礎12側へ難なく剥離させることができる。
【0054】
工程7:前記隙間30内に防蟻剤20を入れてその下方の溝11内における防蟻剤20と連続させる。これにより、前記図1に示した好適な防蟻構造を完成させることができる。
【0055】
なお、前記図6に示したように溝11の形成を省略した場合には、隙間30内にのみ防蟻剤20が入れられた構造となるが、いずれの構造においても、溝11の底面または隙間30の底面を覆うように地盤10上に防湿シート(より好ましくは防湿・防蟻シート)16を敷いておけば、土間コンクリート18が打設されていない隙間30の部分においても良好な防湿効果を確保することが可能になる。
【0056】
以上は、前記隙間30として深さ方向に幅が略均一なものを形成した例であるが、その前記工程4において前記図3(a)に示すように型枠22を鉛直状態で設置するのではなく、図7(a)に示すように当該型枠22をその上端が土間側(図では右側)に傾くように保持するように前記取付治具24を形成したり、当該型枠22としてその内側面が同様に傾斜したものを用いたりすることにより、最終的に図7(b)に示すように下方に向かうに従って基礎内側面12aと土間コンクリート18との距離が縮まる形状の隙間30を形成するようにすれば、当該隙間30内への防蟻剤20の投入をより円滑に行うことが可能になる。
【0057】
また、図7(a)に示すように型枠22の下側の角部が基礎内側面12aに当たるように当該型枠22が設置したとしても、その上側で型枠22と基礎内側面12aとの間に隙間23が確保されていれば、前記と同様に型枠22の上端部に対して土間側から衝撃を与えることにより当該型枠22を土間コンクリート18から簡単に剥離させることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る防蟻方法によれば、基礎内側面と土間コンクリートとの間にムラなく確実に防蟻剤を入れることができ、これにより優れた防蟻効果を得ることができる。
【0059】
特に、本発明に係る型枠取付治具を使用した場合には、前記基礎内側面と土間コンクリートとの間に意図的に隙間を確保するための型枠を容易にかつ安定した状態で基礎側に支持させることができる。
【0060】
また、本発明に係る防蟻構造によれば、地盤側に形成された溝から基礎−土間コンクリート間の隙間に至るまでの連続した領域に防蟻剤が配設されているため、特に基礎際の防蟻をより確実なものにすることができ、施工後の防蟻剤の配設状態も比較的容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる基礎際の防蟻構造を示す断面図である。
【図2】(a)(b)(c)は前記防蟻構造を施工する方法に含まれる前半工程を示す断面図である。
【図3】(a)(b)(c)は前記防蟻構造を施工する方法に含まれる後半工程を示す断面図である。
【図4】前記防蟻構造を施工する方法において使用される型枠取付治具の斜視図である。
【図5】前記型枠取付治具の使用状態を示す斜視図である。
【図6】地盤に形成される溝を省略した防蟻構造を示す断面図である。
【図7】(a)(b)は地盤に向かうに従って基礎内側面と土間コンクリートとの距離が縮まる形状の隙間をもつ防蟻構造を施工する方法に含まれる工程を示す断面図である。
【符号の説明】
10 地盤
12 基礎
12a 基礎内側面
12b 基礎上端面
14 アンカーボルト
18 土間コンクリート
20 防蟻剤
22 型枠
23 型枠と基礎内側面との間に形成される隙間
24 型枠取付治具
26 治具本体
27 上面載置部
27a ボルト挿通孔
28 型枠保持部
30 土間コンクリートと基礎内側面との間に確保される隙間

Claims (10)

  1. 建物の基礎とその内側に打設される土間コンクリートとの境界部分に防蟻剤を配設する基礎際の防蟻方法であって、前記基礎の内側面の際の地盤に当該内側面に沿って延びる溝を形成する工程と、その溝内に防蟻剤を入れる工程と、当該溝の上側で前記基礎の内側面に沿って型枠を配し、その内側に流動状態のコンクリートを注入して硬化させることにより前記土間コンクリートを形成する工程と、前記型枠を取り外すことにより前記基礎の内側面と前記土間コンクリートとの間に形成される隙間内に防蟻剤を入れてこの防蟻剤と前記溝内の防蟻剤とを連続させる工程とを含むことを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  2. 請求項1記載の基礎際の防蟻方法において、前記型枠を当該型枠と前記基礎の内側面との間に隙間が形成される位置に配し、この型枠の上端よりも前記土間コンクリートの上面が低くなるように当該土間コンクリートの注入高さを設定することを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  3. 請求項2記載の基礎際の防蟻方法において、前記型枠を取付治具を介して前記基礎側に支持させることを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の基礎際の防蟻方法において、前記基礎の内側面と前記土間コンクリートとの間に下方に向かうに従って当該基礎の内側面と土間コンクリートとの距離が縮まる形状の隙間が形成されるように前記型枠を配することを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の基礎際の防蟻方法において、前記土間コンクリートを形成する前に、当該土間コンクリートと前記基礎の内側面との間に形成される隙間の底面を覆う防湿シートを地盤上に敷く工程を行うことを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の基礎際の防蟻方法において、前記土間コンクリートと前記基礎の内側面との隙間に粒状の防蟻剤を入れることを特徴とする基礎際の防蟻方法。
  7. 基礎とその内側に打設される土間コンクリートとの境界部分に防蟻剤が配設される基礎際の防蟻構造であって、前記基礎の内側面の際に沿って地盤に溝が形成され、その溝内に防蟻剤が入れられるとともに、前記基礎の内側面から隙間をおいて前記溝の上に土間コンクリートが打設され、当該隙間にも防蟻剤が入れられて前記溝内の防蟻剤と連続していることを特徴とする基礎際の防蟻構造。
  8. 請求項記載の基礎際の防蟻構造において、少なくとも前記溝の底面を覆うように前記地盤上に防湿シートが敷かれ、その上から当該溝内に防蟻剤が入れられていることを特徴とする基礎際の防蟻構造。
  9. 請求項7または8記載の基礎際の防蟻構造において、前記溝内及び前記隙間内に粒状の防蟻剤が入れられていることを特徴とする基礎際の防蟻構造。
  10. 請求項記載の基礎際の防蟻構造において、前記溝の底面は前記基礎の内側面に向かうに従って深くなる向きに傾斜していることを特徴とする基礎際の防蟻構造。
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