JP4630750B2 - 基礎断熱構造とそこで用いる防虫成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、建物のコンクリート基礎の断熱構造、特に防虫・防蟻機能を備えた基礎断熱構造と、そこで用いる防虫成形体に関する。
近年、省エネルギーを目的に、建築物のコンクリート基礎の外側面あるいは内側面に断熱材を配置することが行われる。コンクリート基礎は、布基礎の場合もあり、べた基礎の場合ある。断熱材として、主に板状の合成樹脂発泡体が用いられるが、グラスウールやロックウールなどの無機系材料をボード状に成形したものも用いられている。コンクリート基礎の側面に配置した断熱材の一部が地中にある場合、害虫、特に白蟻の被害を受けることがある。
例えば、断熱材が合成樹脂発泡体の場合、白蟻によって食い破られ、白蟻の習性から、下方から上方に向けて断熱材に蟻道が形成される。それにより、断熱性能が低下すると共に、そこを通って白蟻はコンクリート基礎に載っている木土台に被害を与える。断熱材がグラスウールやロックウールなどの場合には、内部に存在する空隙を通って白蟻が上方にはい上がっていき、やはり木土台に被害を与える。
そのために、コンクリート基礎の側面に配置した断熱材が白蟻の被害を受けないようにした基礎断熱構造がいくつか提案されている。例えば、特許文献1や特許文献2には、型枠を組むときに、コンクリート基礎の側面に配置すべき断熱材の室外側表面を防蟻シートで覆うと共に、防蟻シートの下端側を断熱材の裏面に回り込ませておき、その状態でコンクリート基礎用のコンクリートを打設することにより、防蟻シートの下端縁をコンクリート基礎(布基礎)に食い込ませるようにしている。それにより、断熱材の表面および下端面と布基礎との間から白蟻が断熱材に向けて入り込むのを防止している。
特許文献3には、施工後の建物の布基礎の屋外側に基礎断熱材を取り付けるようにした基礎断熱構造が記載されており、布基礎の立ち上がり部の付け根部に、金属板や樹脂板を屈曲成形して形成した白蟻遮蔽板を置き、その上に、基礎断熱板と表面化粧材とを取り付けるようにしている。また、必要な場合には白蟻遮蔽板と布基礎との間を、防蟻性シーリング材でシールするようにしている。この白蟻遮蔽板(および防蟻性シーリング材)によって、断熱材の下端面と布基礎との間から白蟻が断熱材に向けて入り込むのをやはり阻止している。
特開平11−350502号公報 特開2000−273977号公報 特開2005−23593号公報
特許文献1あるいは特許文献2に記載のものは、コンクリート基礎用のコンクリートの打設と同時に防蟻シートをコンクリート基礎に一体化するようにしており、作業性は向上する。また、防蟻シートの下端縁をコンクリート基礎(布基礎)に食い込ませるようにしており、食い込みが十分な場合には、白蟻がコンクリート基礎との間を通って断熱材にまで到達するのを防止することができる。しかし、防蟻シートはシート状のものであり十分な剛性を備えないことから、コンクリートの打設圧によって変形しやすく、そのために、コンクリート打設時に防蟻シートの下端縁を適切な位置に、かつ所要の奥行きを持って食い込ませることは、事実上不可能である。そのために、断熱材の下端部とコンクリート基礎との間の取り付け安定性が不十分になると共に、白蟻の浸入を許してしまうことが起こり得る。
特許文献3に記載のものは、完成した布基礎の側面に後作業で白蟻遮蔽板や基礎断熱板を取り付けるようにしており、作業量が大きくなる。また、白蟻遮蔽板と布基礎の立ち上がり部とは単に接しているだけであり、位置ずれが起きやすい。さらに、後作業で白蟻遮蔽板などの取り付けを行うことから、布基礎と白蟻遮蔽板(あるいは防蟻性シーリング材)との間に隙間が生じやすく、蟻の進入路が形成される恐れがある。防蟻性シーリング材のやせや劣化も生じる。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、コンクリート打設時に、コンクリート基礎に対する断熱板の配置と当該断熱板に対する防虫措置とを同時に行うことができ、同時に、断熱板および防虫措置に用いる防虫成形体のコンクリート基礎に対する取り付け安定性も向上させた、より改良された基礎断熱構造、およびそこで用いられる防虫成形体を提供することを目的とする。
本発明によるコンクリート基礎の側面に断熱材を配置した基礎断熱構造は、断熱材の下端領域が下記a)〜d)の構成を少なくとも備えた防虫成形体で覆われた状態で、かつ、防虫成形体のコンクリート係止部をコンクリート基礎に埋め込んだ状態で、断熱材がコンクリート基礎の側面に配置されていることを特徴とする。
a)断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を覆う外側防虫部、
b)断熱材の下端面を覆う下端防虫部、
c)断熱材の内側面を覆うようにして下端防虫部から立ち上がるコンクリート流入防止部、
d)下端防虫部またはコンクリート流入防止部から水平より上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部。
さらに、本発明は、上記したコンクリート基礎の側面に断熱材を配置した基礎断熱構造で用いる防虫成形体であって、下記a)〜d)の構成を少なくとも備えた防虫成形体をも開示する。
a)断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を覆う外側防虫部、
b)断熱材の下端面を覆う下端防虫部、
c)下端防虫部から立ち上がるコンクリート流入防止部、
d)下端防虫部またはコンクリート流入防止部から水平より上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部。
本発明による基礎断熱構造では、その構築に際して、コンクリート基礎用の型枠を組むときに、当該コンクリート基礎の側面であって断熱材を配置すべき場所に、断熱材をその下端部が、上記構成a)〜d)を備えた防虫成形体のソケット部、すなわち外側防虫部と下端防虫部とコンクリート流入防止部で形成される部分に挿入した状態で、かつ前記コンクリート係止部がコンクリート打設空間側になるようにして配置する。
断熱材および防虫成形体を一体化した状態で型枠を組んだ後、型枠内にコンクリートを打設する。打設したコンクリートは、防虫成形体の前記コンクリート係止部を飲み込むようにして、コンクリート打設空間に入り込んでいく。必要な場合には、加振しながらコンクリートの充填を行う。断熱材のコンクリート打設空間側(内側面)の下端面領域は、断熱材の内側面を覆うようにして下端防虫部から立ち上がるコンクリート流入防止部と密接しており、その間にコンクリートが入り込むことはなく、打設したコンクリートの浮力によって断熱材が浮き上がることはない。
打設したコンクリートが硬化した状態では、防虫成形体の前記コンクリート係止部がコンクリート内に不動の状態で確実に入り込んでおり、コンクリート基礎と防虫成形体との取り付け態様はきわめて安定する。結果として、コンクリート基礎と断熱材との取り付け態様も安定する。
断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面は、防虫成形体の外側防虫部で覆われており、そこから断熱材に害虫が浸入することはない。断熱材の下端面は、防虫成形体の下端防虫部で覆われており、しかも、打設したコンクリートは前記下端防虫部に密着した状態で硬化するので、断熱材の下端面とコンクリート基礎との間には隙間は形成されず、そこから害虫がコンクリート基礎側に侵入することはない。万が一、侵入して、防虫成形体のコンクリート流入防止部とコンクリート基礎の間を上っていっても、防虫成形体のコンクリート流入防止部が大きな障害となり、それ以上の害虫の侵入は阻止される。
上記のようであり、本発明による基礎断熱構造は、施工が簡素化できると共に、害虫が断熱材を通って建物の木基礎にまで到達するのをほぼ完全に阻止することができる。
本発明による基礎断熱構造において、2枚以上の防虫成形体が横方向に配置して用いられる場合には、隣接する防虫成形体の端縁同士は、双方の端縁を嵌合する嵌合係止部を両側に持つ接合材により、好ましくは連結される。このような接合体を用いて連結することにより、隣接する防虫成形体の接合面から断熱材側に害虫が侵入するのを効果的に防止することができる。
本発明による基礎断熱構造において、断熱材の外壁面であって、防虫成形体の外側防虫部で覆われている領域よりも上方の領域は、外装材によって覆われることが望ましい。それにより、断熱材の保護はより完全なものとなる。外装材には、スレート、モルタル、コンクリートなど一般に建築物外装材として用いられる材料を用いればよい。これらの外装材を、断熱材面へ接着、塗付、吹付等によって取り付ける。モルタルなど水硬化性材料を塗布する場合には、ラス金網、メッシュなど用いることが有効であり、クラックが生じるのを効果的に防止することができる。
また、建物の構造によっては、断熱材の上端面を防虫板で覆うことも望ましい。それにより、断熱材の上端面からの害虫の侵入も阻止することができ、害虫対策はより完全なものとなる。防虫板の素材は、防虫成形体と同素材であってもよく、もしくは市販の防蟻シートを用いることもできる。
本発明による基礎断熱構造において、断熱材の素材に特に制限はないが、高断熱性、施工の容易性などから、好ましくは、ポリスチレンフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォームなどの合成樹脂発泡体が挙げられる。発泡倍率は必要断熱性能に応じて任意に選定できる。グラスウール、ロックウールなどのボード状無機系断熱材も使用することができる。
本発明による基礎断熱構造において使用する防虫成形体の素材は、所要の自己保型性と強度を備える材料であって、シロアリ、ヒラタキクイムシ、ナガシンクイ、シバンムシなどである建材に対する害虫が食い破ることができず、また、それら害虫の分泌物に侵されない素材であれば任意であり、例として、ステンレスのような金属、セラミック、セメント製品などの無機系成形体、FRP、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネートなどのプラスチック系成形体が挙げられる。成形性の点からは、プラスチック系成形体が好ましい。
防虫成形体の厚みは、材質にもよるが1〜5mm程度のものがよい。1mm以下の場合には、剛性が不足してコンクリート打設時に変形してしまう可能性があり、また5mm以上である場合、型枠合板との隙間が大きくなり施工に支障を来たす恐れがある。ただし、この場合でも、断熱材と型枠間の隙間を面材により調整すれば問題は解消する。
防虫成形体における前記水平より上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部の水平より上向き斜め上方の角度範囲は、20〜80度の範囲がよく、30〜60度の範囲が好適である。20度以下である場合は、コンクリート打設時に、コンクリート係止部の下側にコンクリートが廻りずらくなる。80度以上であるとコンクリート係止部の上側にコンクリートが詰まりずらくなって空洞ができる恐れがあり好ましくない。また、コンクリート係止部の長さは、10mm以上が望ましく、20〜30mmの範囲がより好適である。10mm以下であると基礎コンクリートへの付着性が不十分となる恐れがある。また、30mm以上となると、裏面へのコンクリートの充填が不十分となる恐れがある。
防虫成形体において、コンクリート係止部に貫通孔が形成されていることは好ましい。該貫通孔を通過して打設したコンクリートがコンクリート係止部の下側に流入しやすくなり、また逆に内部の空気を放出しやすくなることから、コンクリート係止部の周囲におけるコンクリートの充填は一層確実となる。前記貫通孔の形や大きさは、コンクリートが流れ込む形状であればどのような形状でもよい。流動性を挙げるため、半円、台形、三角形で、底辺がコンクリート係止部の付け根部であることが望ましい。大きさは特に規定しないが10〜20mm程度が望ましい。
好ましくは、防虫成形体における前記コンクリート流入防止部に断熱材を固定する突起が設けられる。突起は斜め下方向に突出した三角形状であることが好ましく、1辺が5〜10mm程度の大きさが望ましい。これよりも小さいと断熱材を固定する効果が薄れ、これよりも大きいと断熱材の挿入性が悪くなる。
本発明による基礎断熱構造は、断熱材下端にコンクリートへ埋設される突起部を持つ防虫成形体を取り付け、それを基礎型枠内にセットして、コンクリートを流し込むことにより構築されるので、防虫成形体が基礎コンクリートと強固に密着するようになり、これにより害虫が進入する隙間を完全にふさぐことが可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明をいくつかの実施の形態に基づき説明する。最初に、本発明による基礎断熱構造で使用する防虫成形体と、隣接する防虫成形体の端縁同士を接合するのに使用する接合材について説明する。図1〜図3は防虫成形体を説明する斜視図であり、図4は接合材の斜視図である。
図1aは防虫成形体の一例を斜視図で示しており、図1bは図1aのb−b線に沿う断面図である。この例において、防虫成形体1は厚さ2mm程度のステンレスの押出成形品であり、構築する基礎断熱構造で使用される断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を密接した状態で覆うこととなる平板状の外側防虫部2と、該断熱材の下端面をやはり密接した状態で覆うこととなる、前記外側防虫部2の下端部から水平方向に延出する下端防虫部3と、該断熱材の内側面を密接した状態で覆うこととなる、前記下端防虫部から上方に立ち上がるコンクリート流入防止部4、とを備えている。
前記コンクリート流入防止部4の外側面には、水平面からほぼ45度の角度で上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部5が一体形成されており、また、前記コンクリート流入防止部4とコンクリート係止部5との接続部におけるコンクリート係止部5側には、所定の間隔をおいて、半径10〜20mm程度の複数個の半円状の貫通孔6が形成されている。なお、貫通孔6の形状は半円状に限ることなく任意であってよく、また、貫通孔6そのものを省略することもできる。
防虫成形体1の寸法は、基礎断熱構造で使用する断熱材の下端部側が、防虫成形体1のソケット部、すなわち外側防虫部2と下端防虫部3とコンクリート流入防止部4で形成される部分に、密接した状態で挿入される大きさに、適宜設定される。長手方向の長さは任意であってよく、必要な場合には、施工現場において後記する接合材により2個以上の防虫成形体1を接続して用いられる。コンクリート流入防止部4の突出距離は、20〜30mm程度であることが好ましい。また、図示しないが、コンクリート係止部5は、コンクリート流入防止部4の最下端部、言い換えれば、前記下端防虫部3から延出するようにして形成されていてもよい。
図2は防虫成形体の他の例を示している。この防虫成形体1Aは、コンクリート流入防止部4に、内側斜め下方向に突出した1辺が5〜10mm程度の三角形状の突起7を所定間隔をおいて形成している点で、図1に示した防虫成形体1と相違している。他の部材は図1に示した防虫成形体1と同じであり、同じ符号を付している。防虫成形体1Aに断熱材を組み付けたときに、突起7は断熱材に差し込まれた状態となり、断熱材の不要な移動を阻止することができる。
図3は防虫成形体のさらに他の例を示している。この防虫成形体1Bは、コンクリート係止部5に第2のコンクリート係止部8が一体形成されている点で、図1に示した防虫成形体1と相違している。他の部材は図1に示した防虫成形体1と同じであり、同じ符号を付している。この第2のコンクリート係止部8は、コンクリート係止部5と打設するコンクリートとの接触面積を大きくして、防虫成形体1の安定化を図るためのものであり、図示の例では、第2のコンクリート係止部8はコンクリート係止部5の上面に1枚の垂直状の板片として形成されているが、その個数や形状はこれに限らない。コンクリート係止部5の下面側に設けることもできる。
施工現場において、上記した防虫成形体1(または、1A、1B)が横方向に連続して配置されることがある。図4はそのときに必要に応じて用いられる接合材を示しており、図4aは斜視図、図4bは図4bのb−b線に沿う断面図である。接合材10は防虫成形体1と同様な素材で作られており、全体として、防虫成形体1とほぼ同じ断面形状を有している。横幅Wは10〜20cm程度のものであり、図4aに示すように、その左右の両側には、接続しようとする2枚の防虫成形体1a、1bの端縁が内嵌合する嵌合係止部11a、11bが形成されている。図示しないが、断熱基礎構造での角部(出隅部、入隅部)において、左右の防虫成形体1a、1bを接続できるように、嵌合係止部11a、11bが90度の角度で交差する方向とされている接合体を採用することもできる。
次ぎに、上記した防虫成形体1を用いて構築される基礎断熱構造を説明する。最初に、基礎断熱構造のための型枠を作る。図5は、コンクリート基礎が布基礎20の場合の型枠の一例を示しており、合板型枠を用いて、布基礎の拡大基礎部21の打ち込み型枠31と、立ち上がり部22の打ち込み型枠32を建て込む。そのとき、断熱材40を配置すべきコンクリート基礎(布基礎)の側壁となる部分、図5に示す例では、立ち上がり部22の右側の側壁部分に対応する打ち込み型枠32aのコンクリート打ち込み空間側に、例えば合成樹脂発泡体製の断熱材40を配置する。断熱材40を配置するに際し、断熱材40の下端側に前記した防虫成形体1を嵌め込み、嵌め込んだ防虫成形体1のコンクリート流入防止部2側がコンクリート打ち込み空間側となるようにして、打ち込み型枠32aに一体化する。なお、図5において、23は割栗、24はコンクリート基礎(布基礎)のための鉄筋、33は縦端材、34は横端材、35は型枠用留め金具、36はセパレータ、37はジョイナであり、いずれも、従来からコンクリート基礎などの型枠形成材として用いられているものである。
図5に示すようにして型枠を建て込んだ後、コンクリート打ち込み空間内に現場打ちコンクリートを打設する。コンクリートは、コンクリート流入防止部4に形成したコンクリート係止部5を回り込むようにして、また、そこに形成した貫通孔6を通過しながら、型枠内に流入していく。打設したコンクリートが硬化することにより、断熱材40は防虫成形体1と共にコンクリートと一体化する。硬化の過程で、防虫成形体1の下端防虫部3は拡大基礎部21となるコンクリート表面と密着した状態となり、また、コンクリート流入防止部4に形成したコンクリート係止部5は、硬化したコンクリート内に埋め込まれた状態となって、しっかりと固定される。それにより、防虫成形体1とそこに嵌め込んだ断熱材40は、コンクリート基礎の側面に対して安定的に固定される。
図6は、型枠を脱型した後のコンクリート基礎(布基礎)20の上に、断熱材40側が外側となるようにして木造家屋50を建てた場合の一例を示している。脱型後に土24が埋め戻され、コンクリート基礎20の拡大基礎部21と立ち上がり部22の途中までが土の中に埋設される。図示の例では、断熱材40に取り付けた防虫成形体1の外側防虫部2の途中がグランドレベルGとなる高さまで、土が埋め戻されている。
コンクリート基礎20の立ち上がり部22の上には、木造家屋50の木基礎51が横置きされ、大引き52や根太53が取り付けられて、その上に床材54が敷き込まれる。また、木基礎51には柱55が立てられ、柱55の外側面には断熱材41が取り付けられると共に、その断熱材41とコンクリート基礎20の立ち上がり部22の側面に取り付けた断熱板40を覆うようにして、外壁材56が取り付けてある。図示のように、外壁材56は、断熱板40の外側面であって防虫成形体1の外側防虫部2によって被覆されていない部分のすべてを覆うようにされている。
このコンクリート基礎構造を備えた木造家屋50では、断熱材40の外側面であって地中に埋設している部分は防虫成形体1の外側防虫部2によって被覆されており、その面から白蟻のような害虫が断熱材40が入り込むことはない。断熱材40の下端面も防虫成形体1の下端防虫部3に覆われており、かつ下端防虫部3はコンクリート基礎20の拡大基礎部21の上面に密着しているので、そこから白蟻が断熱材40内に入り込むこともない。万が一、そこから入り込んだとしても、防虫成形体1のコンクリート流入防止部4に取り付けたコンクリート係止部5の存在により、防虫成形体1はコンクリート基礎20の立ち上がり部22にしっかりと定着した状態となっており、裏面側から白蟻が断熱材40内に入り込むこともない。そのために、蟻道の形成によって断熱性40の断熱性が低下することはなく、また、木造家屋50の木基礎51などが白蟻による被害を受けることもほぼ完全に回避することができる。
図7は、本発明による基礎断熱構造の他の例を示している。この例では、コンクリート基礎(布基礎)20の外側面全面に断熱材40Aが取り付けられ、該断熱材40の下端領域に防虫成形体1Aが取り付けられている。他の構成は図6に示したものと同じであり、同じ部材には同じ符号を付している。すなわち、ここでは、断熱材40Aは、コンクリート基礎20の立ち上がり部22の側壁を覆う第1の断熱材42、拡大基礎部21の上面を覆う第2の断熱材43、拡大基礎部21の側面を覆う第3の断熱材44とで構成されている。そして、防虫成形体1Aの「断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を覆う外側防虫部」に相当する部分も、それに対応して、第1の断熱材42を外側から覆う第1の外側防虫部2a、第2の断熱材43を外側から覆う第2の外側防虫部2b、第3の断熱材44を外側から覆う第3の外側防虫部2cとで構成されている。第3の外側防虫部2cの下端から外側防虫部3が水平方向に延出し、該外側防虫部3の先端からコンクリート流入防止部4が上方に向けて延出していることは、上記した防虫成形体1と同様である。
この断熱基礎構造では、防虫成形体1Aのコンクリート係止部5は、コンクリート基礎20の拡大基礎部21の中に埋設することとなるが、断熱材40Aに対する白蟻侵入防止効果、断熱材40Aおよび防虫成形体1Aのコンクリート基礎20に対する取り付け安定性などは、図6に示したものと変わりはない。
図8は、本発明による基礎断熱構造のさらに他の例を示している。この例では、コンクリート基礎(布基礎)20の立ち上がり部における内側面に断熱材40を取り付けている点で、図6に示したものと異なっている。そして、防虫成形体1の外側防虫部2は断熱板40の側面全面を覆うように、その上端縁が断熱板40の上端にまで達している。他の構成は図6に示したものと同じであり、同じ部材には同じ符号を付している。この構成の場合、図示のもののように、断熱材40の上端面が建物の大引き52に当接するような構造となることがある。その場合、白蟻は防虫成形体1の外側防虫部2に沿って登っていき、大引き52などまで到達することも考えられる。そのような場合を想定して、断熱材40の上端面を、防虫成形体1と同素材で作られている防虫板60で覆うようにしている。
図9は、本発明による基礎断熱構造のさらに他の例を示している。この例では、コンクリート基礎がべた基礎20Aである点で、図6に示した基礎断熱構造と相違している。そして、べた基礎20Aの立ち上がり部22Aの外側側面の全面に断熱材40が取り付けられている。他の構成は図6に示したものと同じであり、同じ部材には同じ符号を付している。
本発明による防虫成形体の一例を説明する図であり、図1aは斜視図を、図1bは図1aのb−b線に沿う断面図。 防虫成形体の他の例を示す斜視図。 防虫成形体のさらに他の例を示す斜視図。 本発明による断熱基礎構造で好ましく用いられる接合材を示しており、図4aは斜視図、図4bは図4bのb−b線に沿う断面図。 コンクリート基礎が布基礎の場合のコンクリート打設用の型枠の一例を示す図。 本発明による断熱基礎構造の一形態を建物の一部と共に示す図。 本発明による断熱基礎構造の他の形態を建物の一部と共に示す図。 本発明による断熱基礎構造のさらに他の形態を建物の一部と共に示す図。 本発明による断熱基礎構造のさらに他の形態を建物の一部と共に示す図。
符号の説明
1、1A、1B…防虫成形体、2…外側防虫部、3…下端防虫部、4…コンクリート流入防止部、5…コンクリート係止部、6…貫通孔、7…突起、8…第2のコンクリート係止部、10…接合材、11a、11b…嵌合係止部、20…コンクリート基礎(布基礎)、20A…コンクリート基礎(べた基礎)、21…布基礎の拡大基礎部、22…布基礎の立ち上がり部、24…土、31、32…打ち込み型枠、40、40A…断熱材、50…木造家屋、51…木造家屋の木基礎、56…外壁材

Claims (8)

  1. コンクリート基礎の側面に断熱材を配置した基礎断熱構造であって、断熱材の下端領域が下記a)〜)の構成を少なくとも備えた自己保持性を備える材料からなる防虫成形体で覆われた状態で、かつ、前記防虫成形体のコンクリート係止部をコンクリート基礎に埋め込んだ状態で、当該断熱材がコンクリート基礎の側面に配置されていることを特徴とする基礎断熱構造。
    a)断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を覆う平板状の外側防虫部、
    b)断熱材の下端面を覆う平板状の下端防虫部、
    c)断熱材の内側面を覆うようにして下端防虫部から立ち上がる平板状のコンクリート流入防止部、
    d)下端防虫部またはコンクリート流入防止部から水平より上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部
    e)コンクリート流入防止部に設けられた断熱材を固定する突起
  2. 2枚以上の防虫成形体が用いられており、隣接する防虫成形体の端縁同士は、双方の端縁を嵌合する嵌合係止部を両側に持つ接合材により、連結されていることを特徴とする請求項1に記載の基礎断熱構造。
  3. 断熱材の外壁面であって、防虫成形体の外側防虫部で覆われている領域よりも上方の領域は、外装材によって覆われていることを特徴とする請求項1または2に記載の基礎断熱構造。
  4. 断熱材の上端面が防虫板で覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の基礎断熱構造。
  5. コンクリート基礎の側面に断熱材を配置した基礎断熱構造で用いる自己保持性を備える材料からなる防虫成形体であって、下記a)〜)の構成を少なくとも備えた防虫成形体。
    a)断熱材の少なくとも地中に埋設される外側面を覆う平板状の外側防虫部、
    b)断熱材の下端面を覆う平板状の下端防虫部、
    c)断熱材の内側面を覆うようにして下端防虫部から立ち上がる平板状のコンクリート流入防止部、
    d)下端防虫部またはコンクリート流入防止部から水平より上向きの斜め上方に立ち上がるコンクリート係止部
    e)コンクリート流入防止部に設けられた断熱材を固定する突起
  6. コンクリート係止部には貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の防虫成形体。
  7. 全体が無機系材料の成形品であることを特徴とする請求項5または6に記載の防虫成形体。
  8. 全体が樹脂系材料の成形品であることを特徴とする請求項5または6に記載の防虫成形体。
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