JP6439988B2 - 建物基礎部の防蟻構造及びその施工法 - Google Patents

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Description

この発明は、建物の布基礎の立ち上がり部の内側面に囲まれた床下に断熱材が敷設され、その上方に土間コンクリートが打設された断熱床下構造において、土間コンクリート下の断熱材からのシロアリの侵入を防止して建物を保護するための建物基礎部の防蟻構造及びその施工法に関する。
建物へのシロアリの侵入を防止するための防蟻処理としては、薬剤を使用する方法が一般的に知られている。具体的には、食害を受け易い建物の木質部分に薬剤を直接散布又は含浸させたり、建物基礎部における土壌面に薬剤を直接散布又は薬剤を含浸させたシート等を敷設している。
しかしながら、上記のように薬剤を使用する方法では、薬剤の成分による人体や動植物ならびに周辺環境への影響が懸念される。また、薬剤は時間が経つにつれて防蟻効果が消失するので、定期的に防蟻処理を繰り返す必要があるが、従来においては土間コン上から穿孔して実施するしかなく確実な処理が困難であるのに加えて、施工に手間がかかる。
そのため、土壌面の薬効が消失した箇所から、シロアリが断熱材へ到達する可能性がある。
シロアリが断熱材に到達すると、一般に断熱材は、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンといった発泡樹脂からなるため、シロアリによって容易に食い破られてしまう恐れがある。
それにより、当該断熱材による断熱機能が低下し、場合によっては当該断熱材が通り道となってシロアリが屋内に到達するリスクがある。
そこで、上記のような課題の解決方法として、これまでは、布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた地盤面上に敷設した断熱材の下面を覆うように防蟻シートを敷設する方法が提案されている。(特許文献1参照)
また、布基礎の立ち上がり部の間に断熱材が設けられておらず、土壌面に土間コンクリートが接している建物基礎部における防蟻構造として、布基礎の立ち上がり部と土間コンクリートとの間の隅部に沿って土壌面の基礎際を覆うように、無機物粒子を敷き詰めてなるか鉄鋼副産物であるスラグを敷き詰めてなるバリア層を設けたものが提案されている。(特許文献2参照)
特開2003−013511号公報 特開2014−062435号公報
しかしながら、特許文献1の断熱材の下面を覆うように防蟻シートを地盤面上に敷設する防蟻構造では、一般に防蟻シートは樹脂製であるので布基礎を構成するコンクリートとの密着性が悪いために、周縁部に隙間が生じやすく、又、粘着テープでその隙間を塞ぐようにしても粘着テープには耐久性の観点から問題がある。このようなことから、シロアリに防蟻シートを突破された場合、シロアリの屋内への侵入を防ぐことができない。
また、特許文献2の土壌面の基礎際をバリア層で覆う構造を、布基礎の立ち上がり部の間に土壌に接して断熱材が設けられ、その上に土間コンクリートが打設された断熱床下構造に適用した場合、シロアリが断熱材を食い破り布基礎の立ち上がり部と土間コンクリートとの間の隅部に到達し、そこから屋内に侵入する経路を遮断することができない。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、断熱材の下面を覆うように防蟻シートを敷設すると共に、断熱材及び立ち上がり部の内側面に接するようにバリア層を設けることによって、薬剤に頼らずに恒久的に土間コンクリート下の断熱材からのシロアリの侵入を防止する防蟻構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造は、建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面上方に打設される土間コンクリートと、上面が、少なくとも前記土間コンクリートの下面の中央部に密接して設けられ且つ、前記立ち上がり部の内側面側に設けられる断熱材と、前記土間コンクリートの下方で、前記布基礎の立ち上がり部の内側面に密接して配設されるシロアリ侵入防止用のバリア層と、少なくとも中央部分が前記断熱材の下面の中央部分と地盤面との間に介在し、周縁部が前記バリア層と密接する防蟻シート、を具備することを特徴としている。
また、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造は、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の下面との密接であることを特徴としている。
更に又、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造は、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の下面とバリア層の上面との密接であることを特徴としている。又、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造は、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の側面及び下面との密接であることを特徴としている。
又、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造の施工方法は、建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面上に防蟻シートを敷設する工程と、前記防蟻シートの上面に、前記布基礎の立ち上がり部の内側面から間隙を空けて断熱材を配置する工程と、前記間隙にシロアリ侵入防止用のバリア層を前記立ち上がり部の内周面と前記防蟻シートに密接させて前記断熱材と略同一高さとなるように配設する工程と、前記断熱材と前記バリア層の上面に密接させて土間コンクリートを打設する工程と、を備えることを特徴としている。
更に又、本発明に係る建物基礎部の防蟻構造は、建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面に沿って地盤面を掘り下げて溝を形成する工程と、前記溝内にシロアリ侵入防止用のバリア層を前記立ち上がり部の内周面と密着させて前記地盤面と略同一面となるように配設する工程と、前記布基礎の立ち上がり部の内側面に囲まれた建物の床下に位置する前記地盤面上と前記バリア層の上面に前記防蟻シートを敷設する工程と、前記防蟻シートの上面に断熱材を配置する工程と、前記断熱材の上面に密接されて土間コンクリートを打設する工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、土間コンクリートの下面に密着している断熱材の下面の少なくとも中央部分が防蟻シートに密接し、周縁部がシロアリ侵入防止用のバリア層と密接しているので、地盤面上に這い上がってきたシロアリは、防蟻シート若しくはバリア層に遮られて断熱材に到達できない。又、立ち上がり部の内側面とバリア層は密接しているので、シロアリは立ち上がり部の内側面に沿って地盤内を這い上がってもバリア層で行く手を遮られる。更に、防蟻シートの周縁部はこのバリア層に密接しているので、バリア層の下面に沿って水平方向に地盤内を進行しても、防蟻シートによって遮られて断熱材には到達できない。従って、シロアリの床下から建物内への侵入を防ぐことができる。又、防蟻シートの周縁部は立ち上がり部の内周面に密着させる必要でないので、防蟻シートとコンクリートからなる内周面との密着性は問題にはならなく、確実な防蟻構造を得ることができる。
又、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の下面との密接である場合には、防蟻シート及びバリア層によってシロアリの地盤面上への侵入を阻止し得ることに加えて、防蟻シートを布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面上の布基礎の立ち上がり部の内側面に沿ってバリア層が密接し、このバリア層によって外周囲が囲まれたまれた内側に断熱材が存在するので、断熱材の使用量がバリア層の占める面積分だけ少なくて良いのでその分材料経費を節約できる利点がある。加えて、バリア層の下面の一部と防蟻シートの周縁部が密接していれば防蟻できるために、防蟻シートの使用量をその分だけ少なくすることができ、施工経費を節減できる。更に加えて、万一、シロアリが防蟻シートの破損等によって断熱材を食害して通り道を形成した場合であっても、土間コンクリ―の周囲の下面はバリア層と密接し隙間が塞がれているために床下に這い上がることはできない利点がある。
更に、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の下面とバリア層の上面との密接である場合には、防蟻シート及びバリア層によってシロアリの地盤面上への侵入を阻止し得ることに加えて、断熱材を布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面の全面に防蟻シートを介して敷設できるので、断熱効果が向上する。
更に又、前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の下面との密接である場合には、防蟻シート及びバリア層によってシロアリの地盤面上への侵入を阻止し得ることに加えて、バリア層が地盤となる土壌や砂利などと接触しないように施工できるので、バリア層の材料を投入した際に型崩れするのを防止できる。
更に、建物基礎部の防蟻構造の施工方法によると、建物の床下に位置する地盤面上に防蟻シートを敷設してから、この防蟻シートの上面の前記布基礎の立ち上がり部の内側面から間隙を空けた中央部分に断熱材を配置し、この断熱材の外周と前記布基礎の立ち上がり部の内側面が形成する間隙に、シロアリ侵入防止用のバリア層を前記立ち上がり部の内周面と前記防蟻シートに密接させて配設してから、前記断熱材と前記バリア層の上面に密接するように土間コンクリートを打設することで、施工できる。従って、バリア層形成のためにバリア層の高さ分の溝の掘り起こし工事を地盤面について行う必要がなくなるので、工期が短縮できると共に、施工経費もその分安くなる。又、バリア層が無機物粒子或いは鉄鋼副産物であるスラグ粒子を含む水硬性の徐冷スラグであれば、予め形成している間隙内に落とし込むだけで良いので工事が楽であるという利点がある。また、地盤に含まれる水分だけでも粒子が硬化するので更に作業が楽になる利点がある。
本発明の実施形態に係る建物基礎部の防蟻構造の縦断面図。 図1に対応する一部破断平面図。 図1の隅角部周辺拡大図。 本発明の他の実施形態に係る建物基礎部の防蟻構造の縦断面図。 図4の隅角部周辺拡大図 本発明の他の実施形態に係る建物基礎部の防蟻構造の縦断面図。 図6の隅角部周辺拡大図。 本発明の実施形態に係る建物基礎部の防蟻構造の施工手順を示す縦断面図(その1)。 同上の施工手順を示す縦断面図(その2)。 同上の施工手順を示す縦断面図(その3)。 同上の施工手順を示す縦断面図(その4)。 同上の施工手順を示す縦断面図(その5)。
この発明の最良の実施形態について以下図面を参照しつつ説明する。この発明の建物基礎部の防蟻構造の3つの実施形態の主な図は、図1、図4、図6にそれぞれ示されている。
まず、図1に示す第1の実施形態について、図2、図3をも参照しつつ説明する。土壌や砂利などからなる地盤面1に、図外の建物の1階の間取りにほぼ対応するように四角形状に区分けされて敷設された布基礎2は、周知のように、地盤面1の上方に向かった立ち上り部2aと地中に埋設されているフーチング2bからなり、この第1の実施形態は、前記立ち上がり部2aに囲まれた地盤面1上に、下から順に防蟻シート3、断熱材4とバリア層5、及び土間コンクリート6が敷設されてなるものである。
前記防蟻シート3は、材質がエチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン・PE,ポリプロピレン・PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタラート(PET),ポリ塩化ビニール(PVC)などであって、JISA6390(1997)に規定されるものと同等もしくはそれ以上の気密・防湿性能を持ち、厚さが0.1mm以上で、しかもシロアリの侵入を物理的に阻止できうる硬度を有するシート、フィルムなどである。この防蟻シート3を布基礎2の立ち上り部2aの内側面2cに囲まれた地盤面1上方に敷く。地盤面1の面積が広い場合に、ロール状に巻かれているシートの幅では足りない時には、側端部同士を重ねた重ね代3aを5〜15mm設けて施工する。この重ね代3aの上方から断熱材4を介して重量のある土間コンクリート6の重量が加わるので、この重ね代3aは圧着されて密着し隙間が塞がれるためにシロアリの通過を阻止できる。しかし、この重ね代3aを接着剤によって接合して一枚ものにして、シロアリの侵入間隙を無いようにしても良い。防蟻シート3の周縁は立ち上り部2aの内側面2cに必ずしも密着させる必要はなく、少しの隙間が存在しても、後の工程で施工するバリア層5の幅よりこの隙間の方が狭ければ、地盤面1の上面を塞げるためにシロアリに侵入経路を防ぐことができる。即ち、防蟻シート3が断熱材4の外周囲からはみ出していれば良い。このように敷かれた防蟻シート3により、地盤面1上方へシロアリが蟻道を形成して這い上がって来た場合にも、更なる上方へは侵入できなくなると共に、気密性・防湿性を有しているので、地盤面1から湿気が床下内に入り込むことも防止できる。又、防蟻シート3の外周縁は立ち上り部2aの内側面2cに密着していなくても、バリア層5によって塞がれるために、工事が楽にできる。更に、この防蟻シート3には防蟻のための薬剤を塗布する必要はない物理的防蟻性を有するので、恒久的に使用可能である。
前記断熱材4は、一般に使用されているプラスチック系の発泡体のものであってもその他のものであっても特に限定されるものではない。プラスチック系の断熱材としては、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリエチレン、フェノールフォーム、発泡ポリスチレンフォーム、発泡炭化カルシウムなどが適宜選択使用される。このような防蟻シート3が下面に敷かれているために、シロアリが下面から断熱材4を食い荒らして蟻道を形成することはないので防蟻性能は要求されない。そのために安価な材質のものが採用できる。断熱材4は厚さ30〜200mmで縦横が1000〜2000mmの板状に成形されたものが一般的に使用される。立ち上がり部2aの内側面2cに囲まれた地盤面1の区画の形状は通常これより広い場合が一般的であるので、複数の断熱材4を平面的に出来るだけ隙間が生じないようにして密接4aして並べて使用される。しかし、隣接の断熱材4をテープ接合或いは発泡ウレタン充填で一体として使用し、隙間からの熱の通過を阻止して断熱効率を更に向上するようにしても良い。この断熱材4は、前記立ち上がり部2aの内側面2cからバリア層5の幅に相当する間隔7を開けて防蟻シート3の中央部分に置かれている。従って、断熱材4の周囲には内側面2cとの間にバリア層5用の間隔7が形成されている。この間隔7の中に前記防蟻シート3の周縁が入るようにしておけば良い。
前記シロアリ侵入防止用のバリア層5は、鉄鋼副産物である水硬性がある転炉スラグの徐冷スラグが好適に使用される。この徐冷スラグは、JIS A 1102 において規定されている目開き1.18mmの篩に留まり、且つ、目開き4.75mmの篩を通過する硬質緻密な結晶質の粒子を50重量%以上含有するものが好適である。この徐冷スラグであれば、水分の存在下で固まる性質を有しているので、土壌などの地盤面1に含まれる水分や散水によってスラグ同士が結合して硬化することから、間隔7内においてスラグ粒子間が埋まるためにシロアリが抜け出ることを防止できる。更に、スラグの硬化は炭酸化反応によるものであることから、硬化の前後で体積は変化しないか、若しくは、硬化後の方が若干膨張するために、このバリア層5に隣接する断熱材4、立ち上り部2a更には防蟻シート3との間に隙間が生じることがなくなることからそれらの境界からのシロアリの通過を防ぐことが出来る。又、施工時においては、前記間隔7に徐冷スラグを投入して水分を吸収できる環境下に置いておくだけの簡単な施工で良い。このバリア層5の厚さは、断熱材4の厚さと略等しい30〜200mm、幅は前記間隔7と略等しくなるが50mm以上が好適である。尚、バリア層5は徐冷スラグに代えて小石やガラス粒子などの無機物粒子を敷き詰めたものであってもよい
土間コンクリート6は、布基礎2の立ち上り部2aの内側面2cによって囲まれた前記断熱材4及びバリア層5の上方にコンクリートを打設して硬化させたものであるので、当該土間コンクリート7は地盤面1の上方に位置し、且つ、布基礎2の上方に構築される建物の床下に位置する。通常の施工では、60mm以上の厚さである。
次に、第2の実施形態について、図4、図5を参照しつつ説明する。前記第1の実施形態と異なる構成要件は、バリア層5が地盤面1から布基礎2の立ち上り部2aの内側面2cに沿って堀り下げて形成されている溝内に敷設され、且つ、このバリア層5の上面が防蟻シート3の周縁部の下面と密接していることである。
その他の構成要件は、同じであるのでその説明を省略する。
この第2の実施形態の場合には、土間コンクリート6の下方の断熱材4の下面には防蟻シート3が密接しているので、シロアリが地盤面1まで這い上がってきも、断熱材4にまで達することを防止できる。更に、立ち上り部2aの内側面2cと断熱材4の側面との密接部分の下方の角部にはバリア層5があるので、密接部分へのシロアリの侵入を阻止できる。図においては、バリア層5の断面形状は矩形状としているが、内側面2cと防蟻シート3が形成する角部の下方を塞ぐ位置にあれば、角部と向い合う外形状は曲線状であってもよい。図示のように矩形状の場合には、前記第1の実施形態と同様に深さが30〜200mm、幅は50mm以上が好適である。
第3の実施形態について、図6、図7を参考にしつつ説明する。前記第2の実施形態と異なる構成要件は、防蟻シート3の周縁部がバリア層5の上面ではなくて、バリア層5の側面と下面に密接している点である。
この第3の実施形態の場合には、土間コンクリート6の下方の断熱材4の下面の中央部分には防蟻シート3が密接し、断熱材4の下面の周縁部にはバリア層5が密着しているので、断熱材4の下面の全ては断熱材4とバリア層5とに密着していることになり、シロアリが地盤面1まで這い上がってきも、断熱材4にまで達することを防止できる構造になっている。この実施形態において、防蟻シート3の周縁部の上面とバリア層5の下面との密接は、バリア層5の側面との密接を確実ならしめるためのものであるから、バリア層5の側面と防蟻シート3の周縁部との密接が、確実になされる場合には必要がなくなるものである。
この発明の第1の実施形態の施工法について図8〜図12に基づいて説明する。この施工法は、まず、図8に示すように、地盤面1の建物基礎部の布基礎2の立ち上り部2aの内側面2cによって囲まれた建物の床下に位置する区画された前記地盤面1の上に、図9に示すように、防蟻シート3の周縁が前記立ち上り部7の内側面2cに接するようにして区画された地盤面1の全面に敷設してもよいが、前記内側面2cから少しの隙間を開けておいてもよい。この場合の隙間は、バリア層5の幅となる間隔7よりも小さいものとする。防蟻シート3は、幅が1〜2m、長さが30〜70m等のシートをロール状に巻いたものを使用する場合には、長さ方向に切断したシートを幅方向に5〜20cm程度重ねた重ね代3aを設けて敷設すると、後の工程で上方に断熱材4を介して重量のある土間コンクリート6が載るので、その重みによりこの重ね代3aが密接して、敢えて接着剤で接着しなくともシロアリの侵入経路となるのを防止でき、経費の節約と施工手順の省力化を図ることができる。
次に、図10に示すように、防蟻シート3の上面に断熱材4を敷設する。断熱材4はプラスチックの発泡体からなる厚さ30〜200mmで縦横が1000〜2000mm等の板状に成形された矩形状であるので、これを水平方向に並べて必要な場合には切断して並べられた防蟻シート3の上面の中央部分に縦横方向を、図1に示すように、密接4aさせながら、布基礎2の立ち上り部2aの内側面2cからバリア層5の幅に相当する間隔7を開けて並べる。この時、敷設してある防蟻シート3の周縁は並べられた断熱材4の周縁の全周に亘って外側へはみ出した位置にある。隣接し合う断熱材4同士は特に接着剤で接着しなくても上方に土間コンクリート6が載置されるので密接されることからとくに必要がない。
上記の工法によって形成され間隔7の内部にバリア層5を形成する徐冷スラグを投入して、図11に示すように、バリア層5を形成する。徐冷スラグは、前記したように、土壌などの地盤に含まれる水分によってスラグの粒子同士が結合して硬化し、バリア層5内部をシロアリが抜け出ることを防止できる。別途徐冷スラグを投入した後に散水すればより効果的に硬化することができる。そして、硬化の前後で体積は変化しないか、若しくは、硬化後の方が若干膨張する性質を有しているので、このバリア層5に隣接する断熱材4、立ち上り部2a更には防蟻シート3との間に隙間が生じることがなくなることからそれらの境界からのシロアリの侵入を未然に防ぐことが出来る。
最後に上記した断熱材4及びバリア層5の上面にコンクリートを打設して硬化させて土間コンクリリート6を形成する。これによって、建物基礎部の防蟻構造が構築される。
第2及び第3の実施形態の防蟻構造の施工方法と第1の実施形態の施工方法とが異なるとことは、バリア層5を形成するために必要な溝を地盤面1に形成する必要があることである。すなわち、立ち上り部2aの内側面2cに沿って地盤面1にバリア層5の幅に相当すると間隔7と深さの溝を掘り込む作業が事前の準備として必要になる点である。
第2の実施形態の場合には、前記溝を構築した後に、その内部に徐冷スラグを投入して地盤面1と同一面となるようにしてから散水するなどして水分を加えて硬化してバリア層5を形成し、その地盤面1とバリア層5の上面に跨るように防蟻シート3を敷設する。その後、立ち上り部3aの内側面7cに周縁が密接するようにして前記と同様の方法で断熱材4を敷設した後にコンクリートを打設して土間コンクリート6を形成する。
第3の実施態形態の場合には、立ち上り部2aの内側面2cに沿って溝を構築することは同じ工法であるが、徐冷スラグは防蟻シート3を敷設した後に投入することが相違する。防蟻シート3の周縁部は溝の中に溝の側面及び底面に密着して敷設され、この上方から徐冷スラグが投入されるために、徐冷スラグすなわちバリア層5は地盤との接触は生じなくて、一方の側面と底面を防蟻シート3、他の側面を内側面2c、上面を断熱材4と密接することになる。断熱材4の底面と防蟻シート3の周縁部とは、断熱材4全底面との密着でなくてもその一部の密着でもよい。
尚、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
1 地盤面
2 布基礎
2a 布基礎立ち上がり部
2b フーチング
2c 立ち上がり部内側面
3 防蟻シート
3a 重ね代
4 断熱材
4a 断熱材の継ぎ目
5 バリア層
6 土間コンクリート
7 間隔

Claims (7)

  1. 建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面上方に打設される土間コンクリートと、
    上面が、少なくとも前記土間コンクリートの下面の中央部分に密接して設けられ、且つ、前記立ち上がり部の内側面側に設けられる断熱材と、
    前記土間コンクリートの下方で、前記布基礎の立ち上がり部の内側面に密接して配設されるシロアリ侵入防止用のバリア層と、
    少なくとも中央部分が前記断熱材の下面の中央部分と地盤面との間に介在し、周縁部が前記バリア層と密接する防蟻シート、を具備してなる建物基礎部の防蟻構造。
  2. 前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の下面との密接であることを特徴とする請求項1に記載の建物基礎部の防蟻構造。
  3. 前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の下面とバリア層の上面との密接であることを特徴とする請求項1に記載の建物基礎部の防蟻構造。
  4. 前記防蟻シートの周縁部とバリア層との密接が、前記防蟻シートの周縁部の上面とバリア層の側面及び下面との密接であることを特徴とする請求項1に記載の建物基礎部の防蟻構造。
  5. 前記防蟻シートは、物理的防蟻性を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の建物基礎部の防蟻構造。
  6. 前記請求項2の建物基礎部の防蟻構造の施工方法であって、
    建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面によって囲まれた建物の床下に位置する地盤面上に防蟻シートを敷設する工程と、
    前記防蟻シートの上面に、前記布基礎の立ち上がり部の内側面から間隙を空けて断熱材を配置する工程と、
    前記間隙にシロアリ侵入防止用のバリア層を前記立ち上がり部の内周面と前記防蟻シートに密接させて前記断熱材と略同一高さとなるように配設する工程と、
    前記断熱材と前記バリア層の上面に密接させて土間コンクリートを打設する工程と、を備えることを特徴とする建物基礎部の防蟻構造の施工方法。
  7. 前記請求項3の建物基礎部の防蟻構造の施工方法であって、
    建物基礎部における布基礎の立ち上がり部の内側面に沿って地盤面を掘り下げて溝を形成する工程と、
    前記溝内にシロアリ侵入防止用のバリア層を前記立ち上がり部の内周面と密着させて前記地盤面と略同一面となるように配設する工程と、
    前記布基礎の立ち上がり部の内側面に囲まれた建物の床下に位置する前記地盤面上と前記バリア層の上面に前記防蟻シートを敷設する工程と、
    前記防蟻シートの上面に断熱材を配置する工程と、
    前記断熱材の上面に密接されて土間コンクリートを打設する工程と、を備えたことを特徴とする建物基礎部の防蟻構造の施工方法。
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