JP2004257198A - 防蟻部材および防蟻工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建築物の基礎構造20の表面に配置されて、白蟻の通過を阻止する防蟻部材10であって、防蟻剤が配合された合成樹脂の押出成形品であって、発泡倍率が1.5〜5倍の低発泡樹脂からなり、防蟻剤が0.01〜10.0重量%配合されている。配置状態における断面形状が、基礎構造20の垂直方向面に当接する当接部12と、当接部12の一部であって基礎構造20の垂直方向面から離れる方向に張り出した接着剤溜り16と、当接部12から外側に張り出して配置され、その下面が斜め下向きに延びる蟻返し部14とを備えることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防蟻部材および防蟻工法に関し、詳しくは、住宅の床下空間などにおいて、布基礎などの基礎構造を白蟻が這い登って上部構造物に食害を及ぼすのを防ぐために使用される防蟻部材と、このような防蟻部材を使用する防蟻工法とを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
住宅の床下空間における防蟻技術として、布基礎の垂直な内壁面に、防蟻剤が配合された木桟や合成樹脂棒材を、水平方向に横断させて貼り付けておく技術が提案されている。このような防蟻機能を有する木桟や合成樹脂棒材を防蟻面木と呼ぶことがある。床下空間の全周において、布基礎を水平方向に横断する防蟻面木が存在していれば、白蟻は防蟻面木を乗り越えて柱や床などの上部構造へと侵入することが困難になる。防蟻機能のあるテープやシートを、布基礎の内壁面に貼り付けておく技術も知られている。
【0003】
また、これとは別の技術として、発泡ポリスチレンなどの断熱ボードを、床下空間の内壁面に貼り付けて、床下空間の断熱性を向上させる技術が知られている。このような床下断熱工法において、断熱ボードに対する白蟻の食害を防止するために、発泡ポリスチレンなどの製造時に、防蟻剤を配合しておくことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−88185号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した防蟻面木の材料として、防蟻剤を含浸させた木質材を使用した場合、木質材そのものは白蟻の好物であるため、防蟻剤をよほど高濃度にしておかなければ、経時的に徐々に白蟻に侵食されて、防蟻機能が果たせなくなる。
一般住宅では、建築時に防蟻面木を設置すれば、その後は、定期的に防蟻面木を取り換えることなどは考慮されていないのが普通である。防蟻面木の防蟻機能は、ほぼ永久的に発揮できなければならない。前記した木質材では、このような使用形態には対応できない。
【0006】
合成樹脂の棒材であれば、白蟻が好む食料にはなり難いが、防蟻機能そのものが劣る。これは、樹脂材料に防蟻剤が配合されていても、成形された棒材の内部に閉じ込められた状態の防蟻剤は、表面における防蟻機能にはあまり関与しないため、実質的には無駄に配合されていることになるからである。棒材の表面に存在する防蟻剤が効力を失ったり弱くなったりしてしまうと、白蟻は棒材を容易に乗り越えてしまうことになる。表面に十分な量の防蟻剤が存在するようにするには、大量の防蟻剤を配合しておかなければならず、安全性および経済性の点で劣るものとなる。
【0007】
合成樹脂棒材を、多数の細孔を有する発泡樹脂棒材にすることで、内部に存在する防蟻剤の効力も有効に利用することが考えられる。
ところが、発泡樹脂には製造上の問題から、防蟻剤をあまり高濃度で配合することができない。例えば、前記特許文献1では、発泡倍率20〜50倍程度の発泡樹脂に対して、0.01〜5%程度までの防蟻剤しか配合できていない。この程度の配合量では、白蟻の侵入阻止を半永久的に果たすには不充分である。しかも、発泡樹脂そのものが、非発泡樹脂に比べて、白蟻が好んで食害を及ぼす物質であるという問題がある。そのため、防蟻剤の配合量が少ない発泡樹脂は、防蟻剤の効力が薄れた段階では、却って白蟻の食害を受け易くなる。
【0008】
本発明の課題は、前記した防蟻面木のように床下空間などにおける防蟻施工に利用される防蟻部材として、施工当初から長期間にわたって、良好な防蟻機能を持続的に発揮することのできるものを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる防蟻部材は、建築物の基礎構造の表面に配置されて、白蟻の通過を阻止する防蟻部材であって、防蟻剤が配合された合成樹脂の押出成形品であって、発泡倍率が1.5〜5倍の低発泡樹脂からなり、防蟻剤が0.01〜10.0重量%配合されてなる。
〔建築物の基礎構造〕
通常の住宅、集合住宅、オフィスビル、公共施設、その他の各種建築物に適用できる。
【0010】
建築物の基礎構造としては、住宅などで一般的な布基礎のほか、独立した柱状あるいは台状、筒状の基礎などもある。
防蟻部材を配置する基礎構造の表面は、通常は垂直面であるが、垂直方向に対して少し傾斜した傾斜面であったり、垂直面の一部に段差や凹凸を有したいたりする場合もある。本発明における垂直方向面には、上記のような傾斜面や段付面、凹凸面なども含まれる。
基礎構造は、通常、コンクリートで構築されるものが多いが、その他の石材や木質材、金属材で構成される場合もある。
【0011】
〔低発泡樹脂〕
防蟻剤の担持に適していれば、通常の各種成形品の製造に利用されている発泡樹脂の技術が適用できる。
合成樹脂として、アルケニル芳香族熱可塑性樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂が用いられる。
アルケニル芳香族熱可塑性樹脂の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アル−エチルスチレン、アル−ビニルキシレン、アル−クロロスチレン、アル−ブロモスチレンの固体ホモポリマーが挙げられる。これらのアルケニル芳香族化合物を1種以上と、これと容易に重合し得る少量のオレフィン性化合物との固体ポリマーも挙げられる。オレフィン性化合物としては、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸が挙げられる。天然または合成ゴム補強スチレンポリマーも挙げられる。
【0012】
発泡樹脂を成形するには、発泡性を有する樹脂組成物を使用すればよい。押出成形する際に、押出機に合成樹脂と発泡剤とを注入して溶融混合したあと、口金から押出成形する方法も採用できる。樹脂材料には、その他にも、通常の添加剤が配合できる。
押出成形品は、樹脂材料を押出スクリューで加熱溶融混練して口金から押出す、通常の押出成形技術によって製造される。押し出す口金の形状等によって、押出成形品の寸法および断面形状が変更できる。
押出成形品は、発泡倍率が1.5〜5倍の低発泡樹脂とする。押出成形品の発泡倍率は、樹脂材料に配合する発泡剤の量や、加熱条件、押出条件などによって調整できる。発泡倍率が低過ぎると、防蟻機能が十分に発揮できない。発泡倍率が高過ぎると、防蟻剤が高濃度で配合された樹脂材料では成形が困難である。
【0013】
〔防蟻剤〕
通常の住宅などの白蟻対策に利用されている防蟻剤の中から、合成樹脂への配合に適した防蟻剤が使用できる。
例えば、以下の防蟻剤が挙げられる。
カーバメート系:カルバリル、フェノルカルブ、プロポクスル。
ピレスロイド系:アレスリン、ペルメトリン、トラロメトリン、ビフェントリン、アクリナトリン、アルファシペルメトリン、シフルトリン、シフェノトリン、プラレトリン。
【0014】
ピレスロイド様化合物:エトフェンプロックス、シラフルオフェン。
トリアジン系:トリプロピルイソシアネート(TPIC)。
クロルフェノール系:4−ブロモ−2,5−ジクロルフェノール(BDCP)。
クロルニコチル系:イミダクロプリド、アセタミプリド、クロチアニジン。
天然物系:カプリン酸、ヒバ中性油、ウコン。
無機化合物系:ホウ素、ホウ酸、ホウ酸亜鉛。
その他の化合物:ピレトリン、オクタクロロジプロピルエーテル、フィプロニル。
【0015】
これらの防蟻剤は、単独あるいは複数を併用して使用することができる。
特に好ましい防蟻剤として、ビフェントリン、シフェノトリン、イミダクロプリド、シラフルオフェンが挙げられる。
防蟻剤は、防蟻部材を構成する低発泡樹脂に対して、0.01〜10.0重量%配合しておく。好ましくは、0.05〜5.0重量%配合する。防蟻剤の配合量が多いほど、防蟻機能は高まるが、防蟻剤のコストがかかる。防蟻剤が多過ぎると、発泡成形が困難になる。前記配合量範囲の防蟻部材であれば、住宅の床下空間において、半永久的に十分な防蟻機能を発揮させることができる。
【0016】
〔防蟻部材の構造、使用形態〕
前記した押出成形によって作製可能な形状であれば、防蟻部材の寸法形状には、特に制限はない。防蟻部材として十分な性能や機能が発揮できる構造が採用できる。
防蟻部材として、通常の防蟻面木などと同様の構造が採用できる。例えば、角形などの棒状、帯板状、枠状、管状などの形態がある。
押出成形によって製造される防蟻部材は、同じ断面形状で長さ方向に連続したものになるが、押出成形後に加工したり、複数の部材を組み立てたりすることで、長さ方向で断面形状を変えたり、長さ方向に屈曲や湾曲、凹凸などを有する防蟻部材も得られる。
【0017】
低発泡樹脂の押出成形品に、別の合成樹脂、金属材料などからなる部材を、接合させたり積層したりして、防蟻部材を構成することもできる。
防蟻部材のうち、基礎構造の表面に配置して接着される面に、模様や凹凸を設けて、接着性を向上させることができる。防蟻部材を複数組み合わせて使用できるように、防蟻部材の端面に合いじゃくり構造や実(さね)構造を設けておくことができる。棒状の防蟻部材が、長手方向に連結自在であれば、施工長の調節が容易である。
<防蟻面木>
防蟻面木は、基礎構造の垂直方向につづく面を水平方向に横断して配置され、基礎構造に接着剤で接合される。垂直面の一端から他端まで連続して横断するように配置されてもよいし、垂直面の一部のみに配置されてもよい。
【0018】
防蟻面木の断面形状は、単純な角形のほか、防蟻機能および基礎構造への取付機能を高める形状構造を備えておくことができる。
例えば、配置状態における断面形状が、基礎構造の垂直方向面に当接する当接部と、当接部の一部であって基礎構造の垂直方向面から離れる方向に張り出した接着剤溜りと、当接部から外側に張り出して配置され、その下面が斜め下向きに延びる蟻返し部とを備えることができる。
当接部は、基礎構造への十分な大きさの接着面を提供する。そのために当接部の長さを1〜10cmに設定することが有効である。
【0019】
接着剤溜り部は、基礎構造との間に十分な量および厚みの接着剤を保持する機能を有し、白蟻が接着剤の隙間や塗布量が少ないところから侵入するのを阻止する。接着剤溜り部の形状は、矩形、三角形、台形、半円形などが採用できる。接着剤溜り部の深さを1〜10mmに設定することができる。接着剤溜り部は、当接部に対して、通常は、1個所設けておけばよい。当接部の高さ方向に間隔をあけて複数個所に接着剤溜り部を設けることもできる。
蟻返し部は、その下面から上面側へと白蟻が這い登ることが困難な形状に形成される。斜め下向きに延びる下面が十分な長さで存在すれば、白蟻は、傾斜した下面を下向きに移動してから上面側に這い登らなければならないので、実質的に通過できなくなる。下面の垂直方向に対する傾斜角度が小さいほど、白蟻の通過阻止が確実にできる。具体的には傾斜角度を0〜90度に設定できる。傾斜した下面の長さを1〜10cmに設定できる。傾斜角度を複数段階に変えたり、段差や溝を設けたりすることもできる。
【0020】
白蟻が下面を通過できなければ、上面側については、特に形状を限定する必要はない。下面と平行な傾斜辺であってもよいし水平辺や段差辺、湾曲辺であってもよい。
<防蟻部材の設置>
防蟻面木などの防蟻部材を基礎構造に設置するには、接着剤や粘着剤の使用、接着テープや粘着テープの使用、釘打、ネジ止め、その他の建材の取付手段が適用できる。
接着剤の具体例として、レゾルシノール系、水性高分子イソシアネート系、エポキシ系、ウレタン系、α−オレフィン無水マレイン酸系、シリコーン系、ポリサルファイド系、アクリル系、合成ゴム系、ブチルゴム系、シアノアクリレート系、ホットメルト系、変性酢酸ビニル系、酢酸ビニル系、フェノール系が挙げられる。
【0021】
防蟻剤が配合された防蟻接着剤を使用すれば、防蟻部材と基礎構造とを接合する接着剤を食い破って白蟻が防蟻部材を通過することが有効に阻止できる。前記した接着剤溜り部を有する防蟻部材の場合に特に有効である。
〔防蟻施工〕
防蟻部材を用いた防蟻施工は、通常の防蟻面木による防蟻施工と同様の方法が採用できる。
防蟻部材は、基礎構造の垂直方向面を水平方向に横断するように配置するのが効果的である。但し、施工状況によっては、完全な水平方向でなく傾斜方向に配置されたり上下に段が付くように配置されたりすることもある。複数本の防蟻部材を水平方向に並べて連結配置しておくことで、基礎構造の垂直面を一端から他端まで連続して防蟻部材を配置することができる。
【0022】
基礎構造のうち、白蟻が這い登る可能性がある垂直方向面の全てに、防蟻部材を隙間なく配置しておくことが望ましい。例えば、住宅において布基礎で囲まれた床下空間の場合、床下空間の全周の基礎構造に連続して防蟻部材を配置する。柱状の基礎構造の場合、柱の全周を防蟻部材で囲む。地盤から上部構造へと立ち上がる配管やダクトの場合も、その全周に防蟻部材を配置するのが好ましい。
防蟻部材を垂直面との間に接着剤を介して基礎構造に接着することで、防蟻部材と基礎構造との間に隙間をあけることなく防蟻部材を確実に取りつけることができる。
【0023】
本発明の防蟻部材と、防蟻剤が配合された断熱材とを組み合わせて施工することもできる。例えば、基礎構造の垂直面に板状の断熱材を施工し、板状断熱材の上辺もしくは下辺に防蟻部材を配置すれば、防蟻部材と防蟻剤配合断熱材とで、相乗的な防蟻機能を発揮させることができる。断熱材として、比較的に低発泡の合成樹脂発泡ボードを使用するのが防蟻剤の配合に適している。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1に示す実施形態は、住宅の床下基礎に施工された防蟻部材である。
〔床下構造〕
一般的な住宅の床下構造として、布基礎20が施工される。布基礎20は、コンクリートを打設して構築され、断面が逆T字状の壁構造をなす。布基礎20の下部は地盤Eに埋設される。住宅の外回りおよび居住区画の境界に沿って、格子状に布基礎20が配置される。布基礎20の上に、土台を介して、梁、根太、さらには床板、壁その他の上部構造が施工される。格子状の布基礎20で囲まれた空間が床下空間である。通常、一つの住宅には、布基礎20で囲まれた複数の床下空間が存在する。
【0025】
〔防蟻部材〕
図1に示す防蟻部材10は、発泡ポリスチレン(GPPSとHIPSとの混合物)の低発泡押出成形品からなり、同じ断面で長さ方向に延びる形棒材の形態を有する防蟻面木である。
防蟻部材10の断面形状は、布基礎20の垂直な内壁面に当接し、垂直方向に直線状に延びる当接部12と、当接部12の途中が外側に半円状に張り出した接着剤溜り部16と、当接部12の上端から斜め下向きに直線状に延びる蟻返し部14とを有していて、全体が逆「レ」字形をなしている。
【0026】
防蟻部材10は、布基礎20の内壁面に対して、高さ方向の途中で水平方向に内壁面全体を横断するように配置される。四方が布基礎20で囲まれた床下空間の場合、四方の布基礎20に連続して防蟻部材10を配置し、床下空間の全周が防蟻部材10によって隙間なく囲まれるようにする。定寸の棒状に作製された防蟻部材10を用意しておき、継ぎ足したり切り落としたりして使用すれば、任意の構造の床下空間に防蟻部材10を施工することができる。
防蟻部材10は、防蟻接着剤層30によって布基礎20に接着される。防蟻接着剤層30は、通常の防蟻施工に利用される防蟻接着剤と同様のものが使用できる。防蟻接着剤層30は、当接部12と布基礎20表面との間に、薄い層状に配置されているとともに、接着剤溜り部16の中に充填された状態になっている。このような状態を構成するには、布基礎20の表面に多目に防蟻接着剤を塗工したり、防蟻部材10の当接部12裏面に防蟻接着剤を塗工する際に、接着剤溜り部16の中に接着剤が満たされるように塗工しておいたりすればよい。
【0027】
〔防蟻部材の具体例〕
<発泡成形>
ポリスチレン樹脂100重量部(GPPS:HIPS=30:70)に対し、ジス・アゾ系化学発泡剤2重量部、防蟻剤(商品名:ケミホルツターマイトIMパウダー、ケミホルツ社製)5重量部を、押出機内で溶融混合した後、押出機の先端に装着した金型の口金から、125℃の温度で押出成形し、冷却槽で冷却して、板状の低発泡体を得た。板状の低発泡体は、発泡倍率2.2倍、幅68mm、厚み5.5mmであった。
【0028】
<防蟻部材の構造>
図1に示す構造である。前記した板状の低発泡体から加工された。
当接部12の高さ50mm、厚み5.5mm。
蟻返し部14の長さ30mm、厚み5.5mm、当接部12との角度30度。
接着剤溜り部16の半径5mm。
<防蟻接着剤>
変性酢酸ビニル系接着剤に、防蟻剤としてシラフルオフェンを0.1重量%配合してなる防蟻接着剤(商品名:アリコングルーSI、ファースト化工社製)を用いた。防蟻接着剤の塗布量は300g/m2であった。
【0029】
<防蟻機能>
上記した防蟻部材を、図1に示す形態で一般住宅の床下基礎に施工したところ、良好な防蟻効果が達成できることが確認できた。
【0030】
【発明の効果】
本発明にかかる防蟻部材は、低発泡樹脂からなり、白蟻の通過阻止を長期間にわたって持続的に発揮するのに十分な量の防蟻剤が配合されている。しかも、低発泡樹脂の内部に配合された防蟻剤が、低発泡樹脂の細孔構造から表面へと徐々に進出して防蟻機能を発揮することができるので、配合された防蟻剤が無駄なく有効に活用される。低発泡樹脂の防蟻部材は、軽量で切断などの加工も可能であり、施工作業が容易になる。
その結果、住宅の床下空間などに対する防蟻施工を、簡単かつ確実に行うことが可能になり、防蟻施工の普及あるいは需要の拡大にも大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を表す施工状態の斜視断面図
【符号の説明】
10 防蟻部材
12 当接部
14 蟻返し部
16 接着剤溜り部
20 布基礎
30 防蟻接着剤
E 地盤
Claims (4)
- 建築物の基礎構造の表面に配置されて、白蟻の通過を阻止する防蟻部材であって、
防蟻剤が配合された合成樹脂の押出成形品であって、発泡倍率が1.5〜5倍の低発泡樹脂からなり、防蟻剤が0.01〜10.0重量%配合されてなる
防蟻部材。 - 前記合成樹脂が、アルケニル芳香族熱可塑性樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂からなる群から選ばれたものであり、
前記防蟻剤が、カーバメート系、ピレスロイド系、ピレスロイド様化合物、トリアジン系、クロルフェノール系、クロルニコチニル系、天然物系、無機化合物系からなる群から選ばれたものである
請求項1に記載の防蟻部材。 - 前記基礎構造の垂直方向につづく面に水平方向に横断して配置され、基礎構造に接着剤で接合される防蟻面木であって、
配置状態における断面形状が、前記基礎構造の垂直方向面に当接する当接部と、当接部の一部であって基礎構造の垂直方向面から離れる方向に張り出した接着剤溜りと、当接部から外側に張り出して配置され、その下面が斜め下向きに延びる蟻返し部とを備える
請求項1または2に記載の防蟻部材。 - 建築物の基礎構造の表面に、白蟻の通過を阻止する防蟻部材を設置する防蟻工法であって、
前記請求項1〜3の何れかに記載の防蟻部材を、前記基礎構造の垂直面の少なくとも一部に水平方向に連続して配置する
防蟻工法。
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