JP2008050839A - 防蟻方法及びこれを使用した防蟻システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建築物の基礎際、基礎の水抜孔、基礎の立壁の巾止め金具、配管、玄関、勝手口、ポーチ、土間外ステップ、及びコンクリートブロックの貫通孔に、これらを含む各箇所全てに、それぞれに対応する防蟻方法を適用した防蟻防蟻システムとする。
【選択図】図13
Description
(1)建築物の基礎際の防蟻方法であって、前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻成分を含有する接着剤により防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。防蟻部材とは、物理的にシロアリの侵入を防ぎ、ある程度の長さや大きさを有する形状に形成された板材や角材などの部材を意味する。
(2)建築物の基礎際の防蟻方法であって、前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻効果を有する防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。
(3)建築物の基礎際の防蟻方法であって、前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻成分を含有する接着剤により防蟻効果を有する防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。
(4)建築物の基礎の防蟻方法であって、前記基礎に穿設された水抜孔に、粒子状または発泡体状の防蟻材を充填していることを特徴とする防蟻方法。
(5)建築物の基礎の防蟻方法であって、前記基礎に穿設された水抜孔の開口面を、防蟻成分を含有する接着剤によりシロアリが通過できない目開きの網部材を被覆していることを特徴とする防蟻方法。
(6)建築物の基礎際の防蟻方法であって、建築物の基礎における立壁を打設する際に使用する型枠を固定する巾止め金具の側端立設片を切断し、前記基礎の立壁から外方に突出している巾止め金具の平板部の周縁に、防蟻成分を含有する接着剤を塗布することを特徴とする防蟻方法。
(7)前記巾止め金具の平板部の周縁を接着した上から、(1)乃至(3)の防蟻処理を施す(6)に記載の防蟻方法。
(8)地面又は基礎底壁から立設している配管の防蟻方法であって、前記配管の地表又は底面近傍に防蟻処理を施していることを特徴とする防蟻方法。
(9)前記配管が、配管の周囲が断熱材で被覆された内外二層構造の保温配管であり、地表又は底面近傍において前記保温配管の断熱材を上下所定寸法切除し、当該切除部分に粒子状または発泡体状の防蟻材を充填している(8)に記載の防蟻方法。
(10)地表又は底面近傍に、防蟻効果を有するテープを巻着している(8)に記載の防蟻方法。これは、非保温配管と保温配管とを問わず適用できる。
(11)前記テープは、防蟻成分を含有する接着剤により巻着されている(10)に記載の防蟻方法。
(12)建築物の基礎に穿設された配管孔を貫通する配管の防蟻方法であって、前記基礎の配管孔と前記配管との隙間に発泡体状の防蟻材を充填し、且つ、前記基礎の床面上に、少なくとも前記配管を囲むように粒子状の防蟻材を敷き詰めていることを特徴とする防蟻方法。
(13)建築物の玄関、勝手口、ポーチの防蟻方法であって、玄関土間、勝手口土間、ポーチ土間の床面裏コンクリートと前記基礎の立壁との角部に、それぞれ防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。
(14)前記接着剤が、防蟻成分を含有している(13)に記載の防蟻方法。
(15)前記防蟻部材が、防蟻効果を有する(13)又は(14)に記載の防蟻方法。
(16)建築物の土間外ステップの防蟻方法であって、ステップを形成する基礎コンクリートの裏面と建築物の基礎の立壁の外面との角部に、防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。
(17)前記接着剤が、防蟻成分を含有している(16)に記載の防蟻方法。
(18)前記防蟻部材が、防蟻効果を有する(16)又は(17)に記載の防蟻方法。
(19)玄関框の下部に配されたコンクリートブロックの孔に、粒子状または発泡体状の防蟻材を充填することを特徴とする防蟻方法。
(20)建築物の総合的な防蟻システムであって、
(ア)建築物の基礎の水抜孔に(4)又は(5)に記載の防蟻方法
(イ)建築物の基礎の立壁の巾止め金具に対して(6)又は(7)に記載の防蟻方法
(ウ)配管に対して(8)乃至(12)のいずれかに記載の防蟻方法
(エ)建築物の基礎際に(1)乃至(3)のいずれかに記載の防蟻方法、または粒子状の防蟻材を敷き詰める防蟻方法
(オ)玄関、勝手口及び/又はポーチの基礎に対して(13)乃至(15)のいずれかに記載の防蟻方法
(カ)建築物の土間外ステップに対して(16)乃至(18)のいずれかに記載の防蟻方法
(キ)玄関框の下部に配されたコンクリートブロックの孔に、(19)に記載の防蟻方法
上記(ア)〜(キ)の各箇所のうち、これらを含む各箇所全てに、それぞれに対応する防蟻方法を適用する防蟻システム。
(21)前記(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)、(カ)、(キ)に示す防蟻方法を、これらを含む箇所全てに、これの順に建築物に適用する(20)に記載の防蟻システム。
まず、図1乃至図5に示す基礎際の防蟻方法について説明する。ベタ基礎1は、建築物の床下全体にコンクリートを形成した基礎であって、床下の全体に亘って形成される床壁1aと該床壁1aから立設する立壁1bとからなり、立壁1bは床壁1aの少なくとも外周全体を囲むように形成されており、これが建築物基礎の外壁となる。これに加えて、床壁1aの内部側にも適宜立壁1bが形成されている。なお、図示しないが、ベタ基礎1には、これの強度を高めるための鉄筋がベタ基礎1の構造形状に即して複数本配設されている。図1などに示すように、ベタ基礎1は破石や目潰し砂利を用いて固められた基礎支持部2上に捨てコンクリート3を介して載置固定されており、基礎1の床壁1aがほぼ地面G中に埋没した状態となっている。
次に、図6及び図7に示すベタ基礎1に穿設した水抜孔4の防蟻方法について説明する。建築物の基礎としてベタ基礎1を適用した場合は、床下部分が全面的にコンクリートで覆われているので水分が地中Gへ染み込むことができないことから、床下に水分が溜まらないよう、ベタ基礎1にこれを内外に貫通する複数個の水抜孔4を所定間隔で穿設することが必須となる。しかし、そのままでは当該水抜孔4からシロアリが侵入してくるので、ここに防蟻処理を施すことによって、確実な防蟻を図っている。
ベタ基礎1の立壁1bを打設する際に使用した巾止め金具5の防蟻処理を図8に示す。ベタ基礎1の立壁1bは、ベタ基礎1の底壁1aを打設したあと、所定位置に2枚の木枠板を対向状に配設し、この木枠板で囲まれた空間にコンクリートを流し込んで形成される。このとき、対向する各木枠板が倒れてコンクリートの崩壊を防ぐために、対向する木枠板同士の下面に巾止め金具5を配して固定している。コンクリートが完全に硬化して立壁1bが打設されると、各木枠板は取り外すことができるが、巾止め金具5は立壁1bの下面に埋没しているので、取り外すことは不可能である。具体的には、巾止め金具は横長平板状の平板部5aと、該平板部5aの左右側端から垂直に立設する立設片5bとからなる上向きコ字状を呈しており、立壁1bを打設した際は、図8(A)に示すように立壁1bの表面から平板部5aの左右側方一定量と立設片5bとが露出した状態となっている。
次に、各種ケーブルを束ねた配管や、水道管、ガス管などの各種の配管6に対する防蟻処理について説明する。このような配管6は、所定の外部供給源から建築物内部まで通されるが、ベタ基礎1の場合、必ずベタ基礎1のコンクリートを貫通して内部へ導入されることとなる。例えば、図9に示すように、建築物近傍まで地中を通された配管6を、そこから地上に立ち上げ、ベタ基礎1の立壁1bに貫通状に穿設された配管孔7を介して建築物内部に通されている。このような場合、配管6と配管孔7との間には若干の隙間が生じてシロアリの侵入を許す原因となるので、これを防ぐために該配管6と配管孔7との間に防蟻発泡体12を充填している。このときの防蟻発泡体12は、缶容器に封入された液体防蟻発泡体12を使用する。そして、缶容器の排出ノズルに専用ストローを連結したうえで該ストローを配管孔7の奥方に挿入し、配管6と配管孔7との隙間全体に亘って防蟻発泡材12を充填するようにする。
建築物の玄関30及びポーチ部分の基礎際にも防蟻処理を施すことで、シロアリの侵入を確実に防止できる。図14に、玄関30の基礎際及び框下の防蟻処理を示す。玄関30やポーチの基礎際の防蟻処理は、上記建築物の基礎際の防蟻処理と同様であって、図1ないし図4に示す防蟻処理を施せばよい。諸条件も上記基礎際の防蟻処理と同様である。框31下の防蟻処理は、ベタ基礎1の立壁1bと玄関30の床面裏コンクリート32との角部に、防蟻部材20を防蟻接着剤11で接着している。これは、ポーチ側も同様である。防蟻部材20としては、角材やL字板を使用できることは基礎際の防蟻処理と同様である。また、この防蟻処理は、布基礎9に対しても同様に適用できる。
建築物の土間外ステップ33には、図15に示すような防蟻処理を施すことができる。具体的には、ステップ33を形成する基礎コンクリート34の裏面とベタ基礎1の立壁1bの外面との角部に、防蟻部材20を接着している。このとき、防蟻部材20は、基礎コンクリート34の下面に敷設される基礎支持部2に埋設された状態となっている。
以上に、建築物の各部分での防蟻処理を個別に説明したが、これらを纏めて使用することで完成度の高い建築物の総合的な下記の防蟻システムを構築することができる。
(ア)建築物のベタ基礎1の水抜孔4に対しては、図6または図7に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち水抜孔4に対して防蟻粒子10または防蟻発泡体12を充填する、若しくは水抜孔4の開口にシロアリが通過できない目開きの網部材22を防蟻接着剤11で接着被覆する。
(イ)建築物のベタ基礎1の立壁1bの巾止め金具5に対しては、図8に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち、ベタ基礎1の立壁1bから外方に突出している巾止め金具5の平板部5aの周縁に防蟻接着剤11を塗布し、その上に防蟻部材10を載置する。
(ウ)配管6に対しては、図9〜図13に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち、配管6が地面G又はベタ基礎1の底壁1aから立設している場合は、配管6の地表又は底面近傍において、防蟻テープ13を防蟻接着剤11で巻着する。配管6が二層構造の保温配管であれば、断熱材層6aを上下所定寸法切除し、当該切除部分に防蟻粒子10や防蟻発泡体12を充填することもできる。配管6がベタ基礎1の底壁1aから立設している場合には、基礎1の底壁1a(床面)上に、少なくとも配管6を囲むように防蟻部材20を組んで、この防蟻部材20で囲まれた空間に防蟻粒子10を敷き詰めると効果的である。ベタ基礎1や布基礎9に穿設された配管孔7を貫通する配管6部分には、配管6と配管孔7との隙間に防蟻発泡体12を充填する。
(エ)基礎際に対しては、図1〜図4に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち、縦壁1bから所定寸法離間した位置に角材状又はL字板の防蟻部材20を配置し、当該防蟻部材20と縦壁1bとの間の基礎際に防蟻粒子10を敷き詰める。若しくは、基礎際に角材状又はL字板の防蟻部材20を防蟻接着剤11で接着する。
(オ)玄関30、勝手口、ポーチの基礎、および框下に対しては、図14に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち、玄関土間、勝手口土間、ポーチ土間の床面裏コンクリート32とベタ基礎1又は布基礎9の立壁1bとの角部に、それぞれ防蟻部材10を防蟻接着剤11で接着する。
(カ)建築物の土間外ステップ33に対しては、図15に示して説明した上記防蟻方法を適用する。すなわち、ステップ33を形成する基礎コンクリート34の裏面とベタ基礎1又は布基礎9の立壁1bの外面との角部に、防蟻部材10防蟻接着剤11で接着する。
(キ)土間に配されたコンクリートブロック35の貫通孔36に対しては、図16に示して説明した防蟻方法を適用する。すなわち、コンクリートブロック35の貫通孔36に、防蟻粒子10又は防蟻発泡体12を充填する。
そして、建築物によっては上記(ア)〜(キ)の各箇所全てを備えていないものもあろうが、少なくとも(ア)〜(キ)のうち、これらを含む各箇所全てにおいて、それぞれに対応する防蟻方法を適用することで、総合的な防蟻システムを構築できる。
2 基礎支持部
3 捨てコンクリート
4 水抜孔
5 巾止め金具
6 配管
7 配管孔
9 布基礎
10 防蟻粒子
11 防蟻接着剤
12 防蟻発泡体
13 防蟻テープ
20 防蟻部材
22 網部材
30 玄関
31 框
32 床面裏コンクリート
33 ステップ
35 コンクリートブロック
36 貫通孔
Claims (21)
- 建築物の基礎際の防蟻方法であって、
前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻成分を含有する接着剤により防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の基礎際の防蟻方法であって、
前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻効果を有する防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の基礎際の防蟻方法であって、
前記基礎における底壁と立壁との角部に、防蟻成分を含有する接着剤により防蟻効果を有する防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の基礎の防蟻方法であって、
前記基礎に穿設された水抜孔に、粒子状また発泡体状の防蟻材を充填していることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の基礎の防蟻方法であって、
前記基礎に穿設された水抜孔の開口面を、防蟻成分を含有する接着剤によりシロアリが通過できない目開きの網部材を被覆していることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の基礎際の防蟻方法であって、
建築物の基礎における立壁を打設する際に使用する型枠を固定する巾止め金具の側端立設片を切断し、前記基礎の立壁から外方に突出している巾止め金具の平板部の周縁に、防蟻成分を含有する接着剤を塗布することを特徴とする防蟻方法。 - 前記巾止め金具の平板部の周縁を接着した上から、請求項1ないし3の防蟻処理を施す請求項6に記載の防蟻方法。
- 地面又は基礎底壁から立設している配管の防蟻方法であって、
前記配管の地表又は底面近傍に防蟻処理を施していることを特徴とする防蟻方法。 - 前記配管が、配管の周囲が断熱材で被覆された内外二層構造の保温配管であり、
地表又は底面近傍において前記保温配管の断熱材を上下所定寸法切除し、当該切除部分に粒子状または発泡体状の防蟻材を充填している請求項8に記載の防蟻方法。 - 地表又は底面近傍に、防蟻効果を有するテープを巻着している請求項8に記載の防蟻方法。
- 前記テープは、防蟻成分を含有する接着剤により巻着されている請求項10に記載の防蟻方法。
- 建築物の基礎に穿設された配管孔を貫通する配管の防蟻方法であって、
前記基礎の配管孔と前記配管との隙間に発泡体状の防蟻材を充填し、
且つ、前記基礎の床面上に、少なくとも前記配管を囲むように粒子状の防蟻材を敷き詰めていることを特徴とする防蟻方法。 - 建築物の玄関、勝手口、ポーチの防蟻方法であって、
玄関土間、勝手口土間、ポーチ土間の床面裏コンクリートと前記基礎の立壁との角部に、それぞれ防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。 - 前記接着剤が、防蟻成分を含有している請求項13に記載の防蟻方法。
- 前記防蟻部材が、防蟻効果を有する請求項13又は14に記載の防蟻方法。
- 建築物の土間外ステップの防蟻方法であって、
ステップを形成する基礎コンクリートの裏面と建築物の基礎の立壁の外面との角部に、防蟻部材を接着していることを特徴とする防蟻方法。 - 前記接着剤が、防蟻成分を含有している請求項16記載の防蟻方法。
- 前記防蟻部材が、防蟻効果を有する請求項16又は17に記載の防蟻方法。
- 建築物の床下土間に配されたコンクリートブロックの貫通孔に、粒子状または発泡体状の防蟻材を充填していることを特徴とする防蟻方法。
- 建築物の総合的な防蟻システムであって、
(ア)建築物の基礎の水抜孔に対して請求項4又は5に記載の防蟻方法
(イ)建築物の基礎の立壁の巾止め金具に対して請求項6又は7に記載の防蟻方法
(ウ)配管に対して請求項8乃至12のいずれかに記載の防蟻方法
(エ)建築物の基礎際に対して請求項1乃至3のいずれかに記載の防蟻方法、または粒子状の防蟻材を敷き詰める防蟻方法
(オ)玄関、勝手口、ポーチに対して請求項13乃至15のいずれかに記載の防蟻方法
(カ)建築物の土間外ステップに対して請求項16乃至18のいずれかに記載の防蟻方法
(キ)土間に配されたコンクリートブロックの貫通孔に対して請求項19に記載の防蟻方法
上記(ア)〜(キ)の各箇所のうち、これらを含む各箇所全てに、それぞれに対応する防蟻方法を適用する防蟻システム。 - 前記(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)、(オ)、(カ)、(キ)に示す防蟻方法を、これらを含む箇所全てに、これの順に建築物に適用する請求項20に記載の防蟻システム。
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