JP2018065306A - 模様付シート及び模様付シートの製造方法 - Google Patents

模様付シート及び模様付シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シボ模様が形成されている領域においても通気性を確保することができる模様付シートを提供することである。
【解決手段】模様付シート10において、通気性ポリウレタン層12が繊維基材11の上に配置され、非通気性樹脂層13が、通気性ポリウレタン層12の上面のうち一部の領域の上に配置される。繊維基材11は、通気性を有している。通気性ポリウレタン層12は、連続気泡を有しているため、通気性を有している。非通気性樹脂層13は、シボ模様の凸部14bを構成する。模様付シート10のうち、非通気性樹脂層13が形成されている非通気領域10Bの部分は、通気性を有していないが、通気性ポリウレタン層12がむき出しになっている通気領域10Aの部分は通気性を有している。そのため、模様付シート10は、シボ模様が形成されている領域において良好な通気性を有することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、模様付シート及び模様付シートの製造方法に関し、さらに詳しくは、通気性を有する模様付シート及び模様付シートの製造方法に関する。
模様付シート(合成皮革)は、例えば、医療、家具、自動車の内装シート等に用いられている。模様付シートは、一般に、繊維基材上にウレタン樹脂等からなる樹脂層が形成された構成を有する。模様付シートに天然皮革に近い外観を与えるため、通常、繊維基材上に形成された樹脂層の表面には、シボ(皺)模様が形成されている。
特開2009−228187号公報は、気体透過性を有する皮革用シートを開示している。この皮革用シートは、多数の微細孔を有する微多孔ポリウレタン樹脂により形成された微多孔膜層を備える。微多孔膜層の上には、天然皮革を模した模様が形成されている。天然皮革を模した模様は、塗装剤をスクリーン方式等に塗装することにより形成される。
特開2009−228187号公報
天然皮革に特徴的なシボ模様は、凹凸によって表現される。特開2009−228187号公報は、シボ模様を表現する凹凸を形成する方法を具体的に開示していない。
特開2009−228187号公報は、湿式法を用いて微多孔膜層を形成している。しかし、湿式法による微多孔膜層の形成工程は複雑であり、微多孔膜の形成に時間を要する。
本発明の目的は、シボ模様が形成されている領域においても通気性を確保することができる模様付シートを提供することである。
また、本発明の目的は、通気性を有する模様付シートを湿式法よりも短時間で製造することができる模様付シートの製造方法を提供することである。
本願発明に係る模様付シートは、繊維基材と、通気性樹脂層と、非通気性樹脂層とを備える。通気性樹脂層は、繊維基材の上に配置され、連続気泡を有する。非通気性樹脂層は、通気性樹脂層の上に配置され、シボ模様を表現する複数の凸部が形成される。複数の凸部のうち少なくとも一部の互いに隣接する2つの凸部の間の領域において、通気性樹脂層が露出している。
好ましくは、通気性樹脂層において、非通気性樹脂層の複数の凸部が形成されている領域と平面視で重なる領域のうち少なくとも一部の厚さは、非通気性樹脂層の複数の凸部が形成されていない領域と平面視で重なる領域における通気性樹脂層の厚さよりも大きい。
好ましくは、繊維基材は、通気性樹脂層が繊維基材の上に配置されていない領域を含む。
好ましくは、通気性樹脂層は、発泡ポリウレタン樹脂により形成される。非通気性樹脂層は、通気性樹脂層に直接接着されている。
好ましくは、繊維基材は、通気性樹脂層に直接接着されている。
本願発明に係る模様付シートの製造方法は、a)工程と、b)工程と、c)工程と、d)工程と、e)工程と、f)工程と、g)工程とを備える。a)工程は、シボ模様が少なくとも一方の面に形成された離型紙を準備する。b)工程は、離型紙の少なくとも一方の面における所定領域に非通気性樹脂層を形成する。c)工程は、通気性樹脂層の形成に用いられる第1樹脂溶液を、所定領域においては非通気性樹脂層の上に塗装し、所定領域以外の領域においては離型紙の少なくとも一方の面の上に塗装する。d)工程は、c)工程において塗装された第1樹脂溶液を発泡させることにより、所定の粘着性を有する1次発泡樹脂層を形成する。e)工程は、d)工程において形成された1次発泡樹脂層の上に繊維基材を配置する。f)工程は、e)工程の後に、d)工程において形成された1次発泡樹脂層をさらに発泡させることにより、通気性樹脂層を非通気性樹脂層及び離型紙の少なくとも一方の面の上に形成する。g)工程は、f)工程の後に、離型紙を通気性樹脂層及び非通気性樹脂層から剥離する。
好ましくは、離型紙の少なくとも一方の面には、シボ模様を形成する複数の凸部が形成されている。b)工程は、b−1)工程と、b−2)工程と、b−3)工程と、を備える。b−1)工程は、非通気性樹脂層の形成に用いられる第2樹脂溶液を離型紙の少なくとも一方の面に塗装する。b−2)工程は、コータの先端の位置を複数の凸部のうちいずれか1つの頂点の高さに合わせる。b−3)工程は、先端の位置をいずれか1つの頂点の高さに合わせされたコータを用いて、離型紙の少なくとも一方の面に塗装された第2樹脂溶液を摺り切る。
好ましくは、b)工程は、b−1)工程と、b−2)工程と、b−3)工程と、を備える。b−1)工程は、非通気性樹脂層の形成に用いられる第2樹脂溶液を、所定のパターンで離型紙の少なくとも一方の面に塗装する。b−2)工程は、所定のパターンに塗装された第2樹脂溶液を硬化させる。
本発明によれば、シボ模様が形成されている領域において通気性を有する模様付シートを提供することができる。また、本発明によれば、湿式法を用いることなく通気性を有する模様付シートを製造することができるため、模様付シートを短時間で製造することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る模様付シートの断面図ある。 図1に示す模様付シートの製造装置の構成を示す図である。 図1に示す模様付シートの製造装置の構成を示す図である。 図1に示す模様付シートの製造方法を示す図である。 図1に示す模様付シートの製造に用いられる離型紙の断面図である。 図1に示す非通気性樹脂層用の樹脂溶液が塗装された離型紙を示す図である。 図5に示す非通気性樹脂層用の樹脂溶液が摺り切られた後の離型紙を示す図である。 図6に示す離型紙に通気性ポリウレタン層及び繊維基材の層が形成された状態を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る模様付シートの平面図である。 図8に示す模様付シートの平面図である。 図8に示す模様付シートの製造装置の構成を示す図である。 図8に示す模様付シートの製造方法を示す図である。 図4に示す離型紙に非通気性樹脂層用の樹脂溶液が塗装された状態を示す図である。 図12に示す離型紙に通気性ポリウレタン層及び繊維基材の層が形成された状態を示す図である。 本発明の実施例1により作製された模様付シートの平面写真である。 図14に示す模様付シートの表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 図14に示す模様付シートの表面を撮影した電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例2により作製された模様付シートの表面の電子顕微鏡写真である。 図17に示す模様付シートをさらに拡大した電子顕微鏡写真である。 図17に示す模様付シートの断面の電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例3により作製された模様付シートの平面写真である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施の形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示している。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。また、以下の各図中の部材の寸法は、実際の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
[第1の実施の形態]
{1.模様付シート10の構成}
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る模様付シート10の断面図である。以下の説明において、繊維基材11を基準にして、通気性ポリウレタン層12が配置されている方向を上方向と定義し、通気性ポリウレタン層12を基準にして、繊維基材11が配置されている方向を下方向と定義する。これにより、模様付シート10の上下方向D1が定義される。
模様付シート10は、繊維基材11と、通気性ポリウレタン層12と、非通気性樹脂層13とを備える。繊維基材11は、模様付シート10の下地となる生地であり、通気性を有する。通気性ポリウレタン層12は、通気性を有しており、繊維基材11の上に配置される通気性樹脂層である。非通気性樹脂層13は、通気性を有しておらず、通気性ポリウレタン層12の上に配置される。
模様付シート10の上面(表面)には、全体にわたってシボ模様が形成されている。シボ模様14は、例えば、天然皮革の表面に見られる凹凸により形成される皺模様のことである。
シボ模様14は、複数の凹部14a及び複数の凸部14bにより構成されている。シボ模様14の凹凸の大きさ(凹部14aの最深部を基準にしたときの凸部14bの頂点の高さ、つまり、模様付シート10の上下方向D1に関する凹部14aの最深部と凸部14bの頂点との高低差)は、例えば、0.01〜100μmである。模様付シート10の表面にシボ模様14が形成されていることにより、模様付シート10の外観が立体的となると共に、天然皮革の外観に近い印象を与えることができる。この結果、模様付シート10に高級感を持たせることができる。シボ模様14は、後述するように、シボ付き離型紙を利用して形成される。
また、模様付シート10の上面(表面)には、通気領域10Aと、非通気領域10Bとが存在する。
通気領域10Aは、シボ模様14の凹部14aに対応しており、通気性ポリウレタン層12が模様付シート10の上面(表面)に現れている領域である。つまり、通気領域10Aは、通気性ポリウレタン層12が非通気性樹脂層13により覆われていない領域である。通気領域10Aにおいて、空気及び水蒸気等の気体は、模様付シート10の上面(表面)と下面との間を通り抜けることができる。
通気性ポリウレタン層12の厚さ(模様付シート10の上下方向D1に関する幅)は、凹部14aの最深部付近で最小となり、凸部14bの頂点の直下付近の位置で最大となる。凹部14aの最深部とは、凹部14aのうち、凸部14bの頂点との高低差が最大となる位置である。つまり、通気領域10Aにおける通気性ポリウレタン層12の厚さは、非通気領域10Bにおける通気性ポリウレタン層12の厚さよりも小さい。
別の表現をすれば、非通気性樹脂層13において複数の凸部14aが形成されている領域と平面視で重なる通気性ポリウレタン層12の厚さは、非通気性樹脂層13において複数の凸部14aが形成されていない領域にと平面視で重なる通気性ポリウレタン層12の厚さよりも大きい。
非通気領域10Bは、シボ模様14の凸部14bに対応しており、非通気性樹脂層13が模様付シート10の上面(表面)に現れている領域である。つまり、非通気領域10Bは、通気性ポリウレタン層12が非通気性樹脂層13により覆われている領域である。このため、空気及び水蒸気等の気体は、非通気領域10Bにおいて、模様付シート10の上面(表面)と下面との間を通り抜けることができない。
このように、模様付シート10の表面には、複数の凹部14a及び複数の凸部14bによってシボ模様14が形成されている。通気性ポリウレタン層12が、複数の凸部14bのうち互いに隣接する2つの凸部14bの間の領域(通気領域10A)で露出している。繊維基材11及び通気性ポリウレタン層12が後述するように通気性を有しているため、模様付シート10は、凹部14aが形成されている領域の近辺において通気性を有している。
なお、図1に示す模様付シート10では、複数の凸部14bが等間隔に配列されているが、凸部14bは、等間隔に配列されていなくてもよく、凸部14bの間隔は、ランダムであってもよい。模様付シート10を上から見た場合において、複数の凸部14bの各々の向きは、同じ方向でもよく、ランダムな方向でもよい。また、複数の凸部14bの各々の断面形状は、同一でなくてもよく、複数の凸部14bの各々が互いに異なる断面形状を有していてもよい。
図1に示す模様付シート10では、複数の凸部14bの頂点の高さ(繊維基材11の下面から凸部14bの頂点までの上下方向D1の距離)が同じである場合を示しているが、複数の凸部14bの各々の高さは、互いに異なっていてもよい。同様に、繊維基材11の下面から複数の凹部34aの最深部までの上下方向D1の距離は、互いに異なっていてもよい。
図1に示す模様付シート10では、全ての凹部14aの最深部付近の領域において、通気性ポリウレタン層12が露出しているが、複数の凹部14aのうち一部の凹部14aの最深部の付近の領域において、通気性ポリウレタン層12が露出していればよい。この場合、他の凹部14aの最深部付近の領域は、非通気性樹脂層13により覆われていてもよい。
{2.繊維基材11}
繊維基材11は、通気性を有する素材により形成されている。繊維基材11として、織物、編物、不織布等を用いることができる。織物としては、例えば、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織、斜紋織、二重織等が挙げられる。編物としては、例えば、丸編、トリコット、ラッセル等が挙げられる。不織布としては、例えば、短繊維不織布(乾式不織布、湿式不織布)、長繊維不織布、ニードルパンチ不織布、抄造不織布、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、エレクトロスピニング不織布等が挙げられる。
繊維基材11を構成する繊維の材料としては、綿、羊毛、麻、絹、ポリエステル(PBT)系繊維、ポリアミド(PA)系繊維、ポリプロピレン(PP)系繊維、ポリエチレン(PE)系繊維、ポリウレタン(PU)系繊維、ポリアラミド系繊維、ポリエーテルエステル系繊維、ガラス繊維、カーボン繊維等が挙げられる。ポリエステル系繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ポリエチレン−1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート等が挙げられる。ポリアミド系繊維としては、たとえばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12等が挙げられる。
繊維基材11は、編物、織物、不織布のうちの複数枚が積層された構成であってもよい。例えば、不織布と織物、または不織布と編物を積層することにより、繊維基材11の形態安定性を向上することができる。
繊維基材11は、表面に毛羽立ち加工がなされていてもよい。また、繊維基材11には、撥水加工等の処理がされていてもよい。
{3.通気性ポリウレタン層12}
通気性ポリウレタン層12は、乾式法により形成された発泡ポリウレタン樹脂による膜であり、連続気泡を有している。連続気泡とは、気泡を隔てるポリウレタン樹脂の壁に孔が空いており、複数の気泡が繋がっている状態を指す。通気性ポリウレタン層12が連続気泡を有することにより、空気又は水蒸気等の気体は、通気性ポリウレタン層12を上下方向に通り抜けることが可能である。
通気性ポリウレタン層12の厚さは、好ましくは、20μm〜1000μmである。具体的には、通気性ポリウレタン層12の最小の厚さ(シボ模様14の凹部14aの最深部付近における厚さ)が20μm以上であればよく、通気性ポリウレタン層12の最大の厚さ(シボ模様14の凸部14bの頂点の直下付近における厚さ)が1000μmであればよい。
通気性ポリウレタン層12の最小の厚さは、より好ましくは40μm以上であり、さらに好ましくは50μm以上である。最小の厚さが20μm未満の通気性ポリウレタン層12は、通気性ポリウレタン層12を形成する際に、通気性ポリウレタン層12を構成する気泡の形状を均一にすることが困難である。また、通気性ポリウレタン層12の最小の厚さが20μm未満である場合、通気性ポリウレタン層12の耐熱性、耐加水分解性、耐摩耗性などの機械的強度が十分でないため、耐久性が低下する虞がある。
通気性ポリウレタン層12の最大の厚さは、より好ましくは800μm以下である。通気性ポリウレタン層12の厚さが1000μmより大きい場合には、模様付シート10全体としての柔軟性が損なわれる虞がある。
{4.非通気性樹脂層13}
非通気性樹脂層13は、図1に示すように、通気性ポリウレタン層12の上に配置されており、非通気領域10Bを形成する。
非通気性樹脂層13は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリウレタン(PU)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂で形成される。非通気性樹脂層13は、これらのうち1種類で形成されていてもよく、2種類以上を併用して形成されていてもよい。これらの中でも、柔軟性等の特性に優れている点から、非通気性樹脂層13を構成する樹脂としてはポリウレタンが好ましい。ポリウレタンとしては、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリマーポリオール系ポリウレタン等を用いることができる。
非通気性樹脂層13を形成する樹脂には、必要に応じて、架橋剤、蛋白質(コラーゲン、フィブロイン等)、酸化防止剤、耐候剤(紫外線吸収剤等)、顔料、染料、難燃剤、撥水剤等が配合されていてもよい。
非通気性樹脂層13を形成する樹脂は、無孔質であっても、多孔質であっても、いずれでもよい。模様付シート10の風合いが柔軟になる点からは、非通気性樹脂層13を構成する材料は、多孔質であることが好ましい。
非通気性樹脂層13の厚さは、好ましくは、10μm〜1000μm以下である。この数値は、凸部14bの頂点付近における非通気性樹脂層13の厚さに対応する。非通気性樹脂層13の厚さは、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは40μm以上である。非通気性樹脂層13の厚さが10μm未満の場合には、非通気性樹脂層13の耐摩耗性が低く、摩耗によって模様付シート10全体の外観が劣化する虞がある。
一方、非通気性樹脂層13の厚さは、より好ましくは800μm以下であり、さらに好ましくは600μm以下である。非通気性樹脂層13の厚さが1000μmより大きい場合には、模様付シート10全体としての柔軟性が損なわれる虞がある。また、非通気性樹脂層13の厚さが1000μmより大きい場合には、非通気性樹脂層13が存在しない領域(通気領域10A)と存在する領域(非通気領域10B)とで模様付シート10の厚さの差が大きくなり、非通気性樹脂層13が剥離しやすくなる虞がある。
{5.模様付シート10の製造方法}
{5.1.製造装置100の構成}
最初に、模様付シート10の製造に用いられる製造装置100の構成について説明する。図2A及び図2Bは、模様付シート10の製造装置100の構成を示す図である。製造装置100の構成図を図2Aと図2Bの2つの図に分割して描いている。図2Aの右側部分に図2Bが続いている。図2A及び図2Bに示すように、製造装置100は、離型紙供給ローラ121と、製造された模様付シート10を巻き取るシート巻き取りローラ147とを含む、ロールツーロール方式の装置である。図2A及び図2Bにおいて、離型紙供給ローラ121が設置されている側を上流側とし、シート巻き取りローラ147が設置されている側を下流側とする。
製造装置100は、非通気性樹脂層13を離型紙R上に形成するための構成として、離型紙供給ローラ121と、樹脂塗装装置122と、コータ123と、乾燥機124とを備える。
製造装置100は、通気性ポリウレタン層12を離型紙R上に形成するための構成として、さらに、混合機131と、離型フィルム供給ローラ132と、樹脂塗装装置133と、乾燥機134と、離型フィルム剥離ローラ135と、離型フィルム巻き取りローラ136とを備える。
製造装置100は、繊維基材11を通気性ポリウレタン層12と接着させるための構成として、さらに、繊維基材供給ローラ141と、圧着ローラ142、143と、乾燥機144と、剥離ローラ145、146と、シート巻き取りローラ147と、離型紙巻き取りローラ148とを備える。
{5.2.模様付シート10の製造工程}
図3は、模様付シート10の製造方法を示す図である。最初に、ステップS1〜S4により、模様付シート10の製造に用いられる部材(離型紙R)及び原料(樹脂溶液等)を準備する。具体的には、ステップS1において、離型紙Rを準備する。ステップS2において、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13L(図2A参照)を準備する。ステップS3において、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12L(図2A参照)を準備する。ステップS4において、繊維基材11を準備する。以下、ステップS1〜S4の各々について詳しく説明する。
(ステップS1)
図3に示すように、ステップS1において、離型紙Rを準備する(ステップS1)。図4は、図1に示す模様付シート10の製造に用いられる離型紙Rの断面図である。図4に示す離型紙Rにおいて、一方の面にシボ模様(凹凸)が形成されている。図4に示す離型紙Rにおいて、シボ模様(凹凸)が形成されている側の面が、上面21であり、上面21と反対側の面が下面22である。
つまり、離型紙Rの上面21には、複数の凸部24aと複数の凹部24bが形成されている。離型紙Rの上面21に形成されているシボ模様は、模様付シート10の表面に形成しようとするシボ模様14と、凹凸が逆になっている。複数の凸部24aの各々は、模様付シート10のシボ模様14における凹部14aに対応し、複数の凹部24bの各々は、模様付シート10のシボ模様14における凸部14bに対応する。
以下の説明において、離型紙Rにおいて、下面22を基準にした複数の凸部24aの頂点の高さは、同じであると仮定する。下面22に平行な面であって、複数の凸部24aの頂点が位置する面を基準面21Vとする。
(ステップS2)
ステップS1とは独立して、ステップS2において、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lを調製する。
(ステップS3)
ステップS1、S2とは独立して、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを調製する。通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lは、(A)ウレタンプレポリマーと、(B)活性水素を有する化合物と、(C)ウレタン化触媒と、(D)発泡剤とを混合して攪拌することにより調製される。以下、(A)〜(D)について詳しく説明する。
(A)ウレタンプレポリマー
ウレタンプレポリマーは、ポリウレタン樹脂の原料であるポリオールとポリイソシアネートとによるウレタン化反応をある程度まで進行させた未硬化の液状物である。ポリオールは、複数の水酸基を有する多価アルコールである。ポリイソシアネートは、複数のイソシネアート基を有する有機化合物である。ウレタンプレポリマーは、ウレタン化反応を途中で停止させることにより生成されるため、ウレタンプレポリマーの両端は、ともにイソシネアート基である。
ポリイソシアネートが有するイソシネアート基が、ポリオールが有する水酸基に対して過剰となる条件でポリオールとポリイソシアネートとを反応させることにより、ウレタンプレポリマーを得ることができる。具体的には、水酸基を基準にした場合におけるイソシネアート基と水酸基との当量比が、好ましくは、1.1以上であり、より好ましくは、1.5以上である。当該当量比は、好ましくは、6.0以下であり、より好ましくは4.0以下である。ここで、当量比は、以下の式により計算される。
当量比=(ポリイソシアネートが有するイソシネアート基の数)/(ポリオールが有する水酸基の数)
模様付シート10の製造に使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、アクリル系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン変性ポリオール等、又はこれらの混合物もしくは共重合物が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環族ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の2量体及び3量体を含むポリメリックMDI等が挙げられる。上記で列挙したポリイソシアネートの中で、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を用いることが好ましい。
(B)活性水素を有する化合物
活性水素を有する化合物は、活性水素原子基を少なくとも2個以上有していればよい。活性水素原子基は、好ましくは、水酸基又はアミノ基である。ある程度までウレタン化反応を進行させたウレタンプレポリマーに、活性水素を有する化合物を加えてウレタン化反応を完了させることにより、ポリウレタン樹脂を安定的に硬化させることができる。
活性水素(水酸基)を有する化合物として、下記に例示するジオールや、ウレタンプレポリマー(A)の原料として例示した各種ポリオールを、単独で又は混合して使用することができる。活性水素を有する化合物として使用可能なジオールは、例えば、水酸基を保有するエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオー、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等である。
また、活性水素(アミノ基)を有する化合物として、下記に例示するポリアミン類等から選択されたものを、単独で又は混合して使用することができる。活性水素(アミノ基)を有する化合物は、例えば、エチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノルボルネンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,N’−ジアミノピペラジン、2−メチルピペラジン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ジアミノベンゼン、ジフェニルメタンジアミン、メチレンビスジクロロアニリン、テトラメチルヘキサメチレンジアミン等のポリアミン類である。
(C)ウレタン化触媒
ウレタン化触媒は、ウレタンプレポリマーと活性水素を有する化合部とのウレタン化反応を促進させるために用いられる。ウレタン化触媒の使用量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、好ましくは、0.01重量部以上であり、より好ましくは、0.1重量部以上である。また、ウレタン化触媒の使用量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して、好ましくは、20重量部以下であり、より好ましくは、10重量部以下である。
模様付シート10の製造に使用可能なウレタン化触媒は、例えば、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、N−メチルジシクロヘキシルアミン(MDCHA)、N,N,N’N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン(TMPDA)、N,N,N,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン(TMHMDA)、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルエチレンプロピレントリアミン(PMEPTA)、N,N,N’,N’’,N’'−ペンタメチルジプロピレントリアミン(PMDPTA)、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルジプロピレンエチレンテトラミン(HMDPETA)、N,N’−ジメチルピペラジン(DMP)、N,N,N’’−トリメチル−N’−アミノエチルピペラジン(TMNAEP)、N−メチルモルフォリン(NMMO)、N−ヒドロキシエチルモルフォリン(HEMO)、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレングリコールジプロピレンジアミン(TMEGDPDA)、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(HMTET)、N,N−ジメチルアミノエチルエタノールエーテル(DMAEE)、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(TMAEEA)、N,N,N’,N’−ビスジメチルアミノエチルエーテル(BDMEE)、トリエチルアミン(TEA)、などの第三級アミン類より選択したアミン系触媒が挙げられる。
また、上述したアミン系触媒の他に、オクチル酸第一錫、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、D BU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−フェノール塩等のウレタン化触媒を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)整泡剤
整泡剤は、通気性ポリウレタン層12を形成する際に連続気泡を安定的に形成するために用いられる。
模様付シート10の製造に用いられる整泡剤として、例えば、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の商品名SF2969、PRX607、SF2964、SRX27、SF2962、SF2965、SF2908、BY10−123、SF2904、SRX294A、BY10540、SF2935F、SF2945F、SF2944F、SF2936F、SH193、SH192H、SH192、SF2909、SH194、SH190、SRX280A、SRX298等を使用することができる。また、整泡剤として、日本ユニカー株式会社製の商品名L580、SZ1127、SZ1111、SZ1136、SZ1919、SZ1105、SZ1142、SZ1162、L3601、L5309、L5366、SZ1306、SZ1311、SZ1313、SZ1342、L5340、L5420、SZ1605、SZ1627、SZ1642、SZ1649、SZ1671、SZ1675、SZ1923等を使用してもよい。
模様付シート10の製造において、整泡剤の使用量はウレタンプレポリマーが有するイソシアネート基の本来の湿気硬化性を損なわない範囲にとどめることが好ましい。具体的には、整泡剤は、好ましくは、有機珪素界面活性剤などに使用されているポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体を10重量%以上含む。整泡剤の使用量は、好ましくは、ウレタンプレポリマー100重量部に対して0.1重量部以上であり、より好ましくは、0.5重量部以上である。整泡剤の使用量は、好ましくは、ウレタンプレポリマー100重量部に対して20重量部以下であり、より好ましくは、10重量部以下である。
なお、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lに、さらに、不活性気体、シランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、可塑剤、熱安定剤、耐光安定剤、充填剤、顔料、蛍光増白剤、発泡剤等の添加剤を天下してもよい。また、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液に、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤、有機及び無機水溶性化合物等を添加してもよい。ここで列挙した添加剤等については、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
(ステップS4)
ステップS1〜S3とは独立して、繊維基材11を準備する(ステップS4)。繊維基材11は、上述したように、織物であっても、編物であっても、不織布であってもよい。必要に応じて、繊維基材11に、毛羽立ち加工、撥水加工、プレス加工等を行う。繊維基材11は、図2Bに示すように、繊維基材供給ローラ141及びシート巻き取りローラ147に巻きかけられる。巻きかけられた繊維基材11は、圧着ローラ142と圧着ローラ143との間の空間と、乾燥機144と、剥離ローラ145と剥離ローラ146との間の空間を通過する。
(ステップS10)
図3を参照して、ステップS1〜S4の後に、ステップS1で準備した離型紙Rを製造装置100にセットする(ステップS10)。具体的には、図2A及び図2Bを参照して、離型紙Rを、離型紙供給ローラ121と離型紙巻き取りローラ148とに巻きかける。離型紙Rは、離型紙供給ローラ121から、乾燥機124と、樹脂塗装装置133と、乾燥機134と、圧着ローラ142と圧着ローラ143との間の空間と、乾燥機144と、剥離ローラ145と剥離ローラ146との間の空間とを通過して、離型紙巻き取りローラ148に到達する。
(ステップS20)
次に、図3を参照して、離型紙Rの上面21に非通気性樹脂層13を形成する(ステップS20)。非通気性樹脂層13を形成する工程(ステップS20)は、塗装工程(ステップS21)と、摺り切り工程(ステップS22)と、乾燥工程(ステップS23)とを備える。以下、ステップS21〜S23の各々について詳しく説明する。
塗装工程(ステップS21)では、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lが離型紙Rの上面21に塗装される。具体的には、図2Aを参照して、樹脂溶液13Lを樹脂塗装装置122に投入し、樹脂塗装装置122を用いて、樹脂溶液13Lを離型紙Rの上面21に塗装する。
図5は、ステップS21により樹脂溶液13Lが塗装された離型紙Rを示す図である。図5に示すように、樹脂溶液13Lは、離型紙Rの上面21全体を覆うように塗装される。つまり、ステップS21の直後では、離型紙Rの上面21における複数の凸部24aは、塗装された樹脂溶液13Lにより覆われており、複数の凸部24aを離型紙Rの上側から視認することはできない。
摺り切り工程(ステップS22)では、コータ123を用いて、離型紙Rの上面21に塗装された樹脂溶液13Lを、離型紙Rの上面21における凸部24aの頂点を基準にして摺り切る。
図6は、ステップS22による摺り切りが行われた離型紙Rを示す図である。図6に示すように、コータ123の先端123aの位置を、離型紙Rの下面21を基準にして、離型紙Rの複数の凸部24aの頂点の高さ(基準面21Vの高さ)に合わせる。樹脂溶液13Lが塗装された離型紙Rの移動に伴って、樹脂溶液13Lのうち、複数の凸部24aの頂点よりも上の部分が、コータ123によって取り除かれる。この結果、図6に示すように、樹脂溶液13Lは、離型紙Rの複数の凸部24aの間の空間(複数の凹部24b)を満たしており、離型紙Rの複数の凸部24aの頂点が露出した状態となる。図2Aにおいて、樹脂溶液13Lは、コータ123よりも下流側の離型紙Rの上面には樹脂溶液13Lが図示されていないが、これはコータ123による刷り切りが行われるためであり、実際には、凹部24b内に樹脂溶液13Lが埋め込まれるように塗装されている。
なお、ステップS21及びS22を、別個の手順として説明したが、ステップS21及びS22を一括して行ってもよい。例えば、コンマコータ、ドクターナイフ、スクリーンコート、ローラスクリーン等の方法を用いることにより、ステップS21及びS22を一括して行うことが可能である。
(ステップS23)
ステップS22において摺り切られた樹脂溶液13Lを含む離型紙Rは、乾燥機124に送られる。乾燥機124は、離型紙R上で摺り切られた樹脂溶液13Lを所定時間加熱乾燥することにより、樹脂溶液13Lを硬化させる。これにより、非通気性樹脂層13が、離型紙R上に形成される。例えば、乾燥機124は、上流側から下流側に向かって3つのゾーン(初期ゾーン、中間ゾーン、最終ゾーン)に区分され、各ゾーンにおいて異なる温度が設定される。例えば、初期ゾーンの温度は、70℃であり、中間ゾーンの温度は、90℃であり、最終ゾーンの温度は、140℃である。各ゾーンの温度は、上述の温度以外の温度であってもよい。
(ステップS30)
次に、図3を参照して、離型紙R上に通気性ポリウレタン層12を形成する(ステップS30)。通気性ポリウレタン層12を形成する工程(ステップS30)は、塗装工程(ステップS31)と、1次発泡工程(ステップS32)と、離型フィルム剥離工程(ステップS33)とを備える。以下、ステップS31〜S33の各々について詳しく説明する。
(ステップS31)
ステップS3において準備された通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを、樹脂塗装装置133を用いて、非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rの上に塗装する(ステップS31)。
図2Aに示すように、樹脂塗装装置133は、ローラ133a、133b、133cを備える。非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rは、樹脂塗装装置133において、ローラ133a及び133cを通過している。
離型フィルムFは、離型フィルム供給ローラ132と離型フィルム巻き取りローラ136との間に巻きかけられている。巻きかけられた離型フィルムFは、上流側から下流側に向かって、ローラ133a、ローラ133b、ローラ133c、乾燥機134及び離型フィルム剥離ローラ135を通過している。離型フィルムFは、後述する通気性ポリウレタン層12の樹脂溶液12Lの1次発泡(ステップS32)で形成される1次発泡ポリウレタン層12Pの膜厚を調整するために用いられる。離型フィルムFを用いた1次発泡ポリウレタン層12Pの膜厚の調整については、後述する。
混合機131は、上述の通りに調製した樹脂溶液12Lを、ローラ133aとローラ133bとの間の空間に供給する。離型紙Rがローラ133aの表面に沿って移動し、離型フィルムFがローラ133bの表面に沿って移動している。このため、混合機131から供給される樹脂溶液13Lは、離型紙Rと離型フィルムFとの間の空間を満たす。ローラ133aとローラ133bと間隔と、ローラ133bとローラ133cとの間隔は、同じ所定距離に調整されている。この結果、樹脂溶液12Lが、所定距離に応じた厚さで離型紙R上に塗装される。
ステップS21(図3参照)で塗装された非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lが、ステップS22で摺り切られることにより、離型紙Rの凸部24aの頂点付近は、図6に示すように、樹脂溶液13Lにより覆われていない。図6に示す状態で、樹脂溶液13Lが硬化して非通気性樹脂層13が形成されるため、ステップS30が終了した時点で、離型紙Rの凸部24aの頂点付近は、非通気性樹脂層13により覆われておらず、露出している。従って、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lが、非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rに塗装された場合、樹脂溶液12Lは、離型紙Rの凸部24aの頂点付近に接触する。
(ステップS32)
次に、樹脂溶液12Lが塗装された離型紙Rは、樹脂塗装装置133から乾燥機134に送られる。乾燥機134を用いて、離型紙R上に塗装された樹脂溶液12Lの1回目の発泡(1次発泡)を行う(ステップS32)。具体的には、乾燥機134が、離型紙R上に塗装された樹脂溶液12Lを加熱することにより、離型紙R上に塗装された樹脂溶液12Lを発泡させる。樹脂溶液12Lが1次発泡することにより、1次発泡ポリウレタン層12P(図2A参照)が離型紙Rと非通気性樹脂層13の上に形成される。1次発泡の条件は、例えば、40℃の温度で30秒である。なお、1次発泡における時間は、30秒以下の時間であっても、30秒以上の時間であってもよい。また、1次発泡における温度は、40℃以下であってもよい。1次発泡における温度が40℃以下である場合、1次発泡の時間を長くすればよい。
なお、ステップS32の1次発泡では、樹脂溶液12Lを完全に発泡させるのではなく、1次発泡した樹脂溶液12Lが粘着性を保持できる程度まで、樹脂溶液12Lを発泡させる。具体的には、1次発泡ポリウレタン層12Pの粘度が、100Pa・s以上800Pa・s以下の範囲となるまで、樹脂溶液12Lを1次発泡させることが好ましい。
また、図2A及び図2Bには示していないが、ローラ133bと、離型フィルム剥離ローラ135との間には、1次発泡ポリウレタン層12Pの膜厚を調整するために、樹脂溶液12Lが塗装された離型紙Rを上方向から押さえるための押えローラが設置されている。離型フィルムFは、塗装された樹脂溶液12L又は1次発泡中の樹脂溶液12Lが上述の押えローラに付着することを防止するともに、樹脂溶液12Lの1次発泡により形成される1次発泡ポリウレタン層12Pの厚さを均一にするために使用される。
図7は、離型紙Rの上に通気性ポリウレタン層13及び繊維基材11の層が形成された状態を示す図である。ステップS32における1次発泡が行われた時点では、繊維基材11の貼り合わせが行われていないため、図7において繊維基材11は存在していない。
上述のように、ステップS31において離型紙Rに塗装された樹脂溶液12Lの一部は、離型紙Rの凸部24aの頂点付近において離型紙Rに接触している。離型紙Rの凸部24aの頂点付近は、上述のように、樹脂溶液12Lに直接接触しているため、1次発泡ポリウレタン層12Pは、離型紙Rの凸部24a付近において直接接触している。この結果、図7に示すように、1次発泡ポリウレタン層12Pの下面の一部は、離型紙Rの凸部24aの頂点付近で、離型紙Rに接触し、その他の部分は、非通気性樹脂層13に接触している。
(ステップS33)
図2A及び図2Bに示すように、1次発泡ポリウレタン層12Pが形成された離型紙Rは、乾燥機134から離型フィルム剥離ローラ135に送られる。離型フィルム剥離ローラ135は、離型フィルムFを1次発泡ポリウレタン層12Pから剥離する(ステップS33。図3参照)。剥離された離型フィルムFは、離型フィルム巻き取りローラ136によって回収される。
(ステップS40)
図3を参照して、ステップS30の後に、1次発泡ポリウレタン層12Pの上に繊維基材11を配置する(ステップS40)。繊維基材11を配置する工程(ステップS40)は、貼り合わせ工程(ステップS41)と、2次発泡工程(ステップS42)と、離型紙剥離工程(ステップS43)とを備える。以下、ステップS41〜S43の各々について詳しく説明する。
(ステップS41)
上述したように、ステップS4において繊維基材11が製造装置100にセットされている。非通気性樹脂層13及び1次発泡ポリウレタン層12Pが上部に形成された離型紙Rは、離型フィルム剥離ローラ135から、圧着ローラ142と圧着ローラ143との間の空間に送られる。繊維基材11が圧着ローラ142の表面に沿って移動し、離型紙R、非通気性樹脂層13及び1次発泡ポリウレタン層12Pが圧着ローラ143の表面に沿って移動することにより、図7に示すように、繊維基材11が、離型紙R上の1次発泡ポリウレタン層12Pの上面に配置される(ステップS41)。
上述のように、1次発泡ポリウレタン層12Pは、完全に硬化しておらず、ある程度の粘着性を有している。そのため、繊維基材11が1次発泡ポリウレタン層12Pの上に配置されている状態で、非通気性樹脂層13及び1次発泡ポリウレタン層12Pが上部に形成された離型紙Rが、圧着ローラ142と圧着ローラ143との間の空間を通過することにより、1次発泡ポリウレタン層12Pと貼り合わされる。
圧着ローラ142、143が、繊維基材11が張り合わされた離型紙R(図7参照)を上下方向から押圧するため、繊維基材11が張り合わされた離型紙Rにおいて、1次発泡ポリウレタン層12Pの一部が、凹部24bの中に入り込む。この結果、1次発泡ポリウレタン層12Pの厚さは、離型紙Rの凹部24bの最深部付近の位置で最大となり、凸部24aの頂点付近の位置で最大となる。つまり、ポリウレタン層12Pは、図1に示す通気性ポリウレタン層12と上下方向が反転するが、通気性ポリウレタン層12Pと同様の厚さの変化を有している。凹部24bの最深部とは、凹部24bのうち、凸部24abの頂点との高低差が最大となる位置である。
(ステップS42)
ステップS41において繊維基材11を1次発泡ポリウレタン層12Pと貼り合わせた後に、非通気性樹脂層13、1次発泡ポリウレタン層12P及び繊維基材11による層が上部に形成された離型紙Rが乾燥機144に送られる。乾燥機144は、非通気性樹脂層13、1次発泡ポリウレタン層12P及び繊維基材11による層が上部に形成された離型紙Rを加熱する。これにより、離型紙R上に形成されている1次発泡ポリウレタン層12Pをさらに発泡させる(ステップS42)。以下、1次発泡ポリウレタン層12Pをさらに発泡させることを、「2次発泡」と呼ぶ。この結果、1次発泡ポリウレタン層12Pが硬化して、通気性ポリウレタン層12が形成される。2次発泡により、繊維基材11は、通気性ポリウレタン層12と接着され、一体となる。また、1次発泡ポリウレタン層12Pにおいて離型紙Rの凸部24aの頂点付近が直接接触しているため、2次発泡により形成された通気性ポリウレタン層は、離型紙Rの凸部24aの頂点付近で離型紙Rに直接接触している。
2次発泡(ステップS42)における1次発泡ポリウレタン層12Pの加熱温度及び加熱時間は、1次発泡ポリウレタン層12Pの発泡を促進できるのであれば特に限定されず、例えば、60℃において5分である。なお、加熱温度が60℃である場合に、加熱時間を5分以上としてもよい。また、2次発泡における加熱温度は、60℃以上であってもよく、60℃以下であってもよい。ただし、2次発泡における加熱温度が低下するにつれて、1次発泡ポリウレタン層12Pにおける発泡の進行速度が低下する。このため、60℃以下の温度で2次発泡を行う場合、通気性樹脂層13、1次発泡ポリウレタン層12P及び繊維基材11による層が上部に形成された離型紙Rを図示しないローラに一旦巻き取って、ローラに巻き取られた離型紙Rを2次発泡用の温度(60℃以下)に調整された室内で保管することにより、2次発泡を行ってもよい。
(ステップS43、S50)
ステップS42において通気性ポリウレタン層12が上部に形成された離型紙Rは、剥離ローラ145と剥離ローラ146との間の空間を通過することにより、繊維基材11により構成される層、通気性ポリウレタン層12及び非通気性樹脂層13から剥離される(ステップS43)。剥離された離型紙Rは、離型紙巻き取りローラ148に巻き取られることにより回収される。
上述のように、通気性ポリウレタン層12は、離型紙Rの凸部24aの頂点付近で離型紙Rに直接接触している。離型紙Rが剥離されることにより、通気性ポリウレタン層12Pの下面のうち、離型紙Rに直接接触していた領域(凸部24aの頂点付近)は、非通気性樹脂層13により覆われていない通気領域10Aとなる。
これにより、ここまでの製造工程における部材間の上下関係を逆に見ることにより、繊維基材11の上に通気性ポリウレタン層12及び非通気性樹脂層13が積層された模様付シート10が製造される。製造された模様付シート10は、シート巻き取りローラ147に巻き取られて回収される(ステップS50)。
(実施の形態1の効果)
本実施形態の模様付シート10によれば、通気性ポリウレタン層12が繊維基材11の上に配置され、非通気性樹脂層13が、通気性ポリウレタン層12の上面のうち一部の領域の上に配置される。非通気性樹脂層13は、シボ模様の凸部14bを構成する。
模様付シート10のうち、非通気性樹脂層13が形成されている非通気領域10Bの部分は、通気性を有していないが、通気性ポリウレタン層12が露出している通気領域10Aの部分は通気性を有している。そのため、模様付シート10は、シボ模様の凹部が形成されている領域において良好な通気性を有することができる。模様付シート10が良好な通気性を有するので、例えば、自動車のシートカバーとして使用される場合に好適である。例えば、模様付シート10が自動車の座席のシートに用いられた場合、自動車の利用者は、蒸れを感じることなく、座席に快適に座り続けることができる。
図3に示す製造方法は、離型紙Rの上に塗装された非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lを刷り切って非通気性樹脂層13を形成し、非通気性樹脂層13及び離型紙Rの上に通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを塗装する。これにより、模様付シート10の上面(表面)において、通気性ポリウレタン層12が露出した通気領域10Aと、通気性ポリウレタン層12が非通気性樹脂層13により覆われた非通気領域10Bとを形成することができる。これにより、シボ模様が形成されている領域において通気性を有する模様付シート10を製造することができる。
また、図3に示す製造方法は、ある程度の粘着性を有する1次発泡ポリウレタン層12Pの上に繊維基材11を配置してから、1次発泡ポリウレタン層12Pをさらに発泡させて硬化させる。これにより、繊維基材11と通気性ポリウレタン層12とを接着剤を用いずに接着させることができる。図3に示す製造方法は、非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rの上に通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを塗装して、樹脂溶液12Lを発泡させる。これにより、通気性ポリウレタン層12と非通気性樹脂層13とを接着剤を用いずに接着することができる。このように、接着剤を用いることなく、繊維基材11、通気性ポリウレタン層12、及び非通気性樹脂層13を一体化させることができ、模様付シート10の製造工程を簡略化することができる。
(実施の形態1の変形例)
なお、上記実施の形態において、通気性ポリウレタン層12が繊維基材11の上面全体にわたって形成されている例を説明したが、通気性ポリウレタン層12は、繊維基材11の上面の一部に形成されていてもよい。つまり、模様付シート10を上から見た場合において、繊維基材11が露出している領域があってもよい。これにより、シボ模様が形成されている領域と、繊維基材11が露出している領域とを組み合わせることによって、さらに複雑なデザインの模様付シートを提供することが可能となる。
また、上記実施の形態において、模様付シート10の非通気性樹脂層13が、図1に示すように1層である場合を例にして説明したが、これに限られない。非通気性樹脂層13は、2層以上であってもよい。
また、上記実施の形態において、離型フィルムFが通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを塗装する工程(ステップS31)において使用される例を説明したが、これに限られない。コンマコータなど、樹脂溶液12Lを均一の厚さに塗装することができる塗装装置を使用する場合、離型フィルムFを使用しなくてもよい。
[第2の実施の形態]
{1.模様付シート30の構成}
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る模様付シート30の平面図である。図8に示す模様付シート30は、複数の通気領域30Aと、複数の非通気領域30Bとを有する。通気領域30Aと非通気領域30Bの各々の形状は正方形である。
図8A(最終的に図9に変更する予定)は、図8に示す模様付シート30の断面図である。図8A(最終的に図9に変更する予定)に示すように、模様付シート30は、繊維基材31と、通気性ポリウレタン層32と、非通気性樹脂層33とを備える。以下の説明において、繊維基材31を基準にして、通気性ポリウレタン層32が配置されている方向を上方向と定義し、通気性ポリウレタン層32を基準にして、繊維基材31が配置されている方向を下方向と定義する。これにより、模様付シート30の上下方向D2が定義される。
通気性ポリウレタン層32は、繊維基材31の上面の全体にわたって形成されている。つまり、通気性ポリウレタン層32は、複数の通気領域30Aと複数の非通気領域30Bとにわたって連続して形成されている。非通気性樹脂層33は、通気性ポリウレタン層32の上に配置される。正方形の形状を有する非通気性樹脂層33が、通気性ポリウレタン層12の上に配置されることにより、模様付シート30は、図8に示すように、全体として市松模様となっている。
つまり、模様付シート30を上から下方向に見た場合、通気性ポリウレタン層32が見えている領域が通気領域30Aに相当し、非通気性樹脂層33が見えている領域が非通気領域30Bに相当する。
なお、図8では、通気領域30Aと非通気領域30Bとが市松模様を構成している例を示しているが、通気領域30Aと非通気領域30Bとによって他の模様が構成されてもよい。例えば、通気領域30Aと非通気領域30Bとによって、縞模様、チェック模様、水玉模様、アニマル柄(ヒョウ柄、キリン柄、ゼブラ模様等)、ロゴマーク、イラスト等が構成されていてもよい。
{2.繊維基材31}
繊維基材31は、第1の実施の形態における繊維基材11と同様の構成を有する。つまり、繊維基材31としては、第1の実施の形態において繊維基材11の材料として例示した物と同様、様々な材料を利用することができる。このため、繊維基材31についての詳細な説明を省略する。
{3.通気性ポリウレタン層32}
通気性ポリウレタン層32は、乾式法により形成された発泡ポリウレタン樹脂による膜であり、連続気泡を有している。空気又は水蒸気は、通気性ポリウレタン層32を上下方向に通り抜けることが可能である。つまり、通気性ポリウレタン層32は、通気性ポリウレタン層12と同様の構成を有している。通気性ポリウレタン層32としては、第1の実施の形態において通気性ポリウレタン層12の材料として例示したものと同様、様々な材料を利用することができる。このため、通気性ポリウレタン層32についての詳細な説明を省略する。
{4.非通気性樹脂層33}
非通気性樹脂層33は、図8A(最終的に図9に変更する予定)に示すように、通気性ポリウレタン層32の上に配置されている。非通気性樹脂層33は、非通気性樹脂層13と同様の構成を有しており、通気性を有しない。このため、模様付シート30は、非通気性樹脂層33が形成されている非通気領域30Bにおいて通気性を有しない。非通気性樹脂層33としては、第1の実施の形態において非通気性樹脂層13の材料として例示したものと同様、様々な材料を利用することができる。
非通気性樹脂層33が、正方形の形状を有し、かつ、格子状に配置された非通気領域30Bを形成するように、通気性ポリウレタン層32の上に形成されることにより、模様付シート30において市松模様が表現される。つまり、非通気性樹脂層33を、予め決定されたパターンに従って通気性ポリウレタン層32の上に配置することにより、模様付シート30において様々なデザインを表現することができる。
また、非通気性樹脂層33の上面(表面)には、シボ模様34が形成されている。シボ模様34は、シボ模様34の凹凸の大きさ(シボ模様34の凹部の最深部を基準にしたときのシボ模様34の凸部の頂点の高さ、つまり、模様付シート30の上下方向D2に関して凹部の最深部と凸部の頂点との高低差)は、例えば、0.01〜100μmである。非通気性樹脂層33の表面にシボ模様34が形成されていることにより、模様付シート30の外観が立体的となると共に、天然皮革の外観に近い印象を与えることによって高級感を持たせることができる。
非通気性樹脂層33の第1の厚さ(模様シート30の上下方向D2に関して、非通気性樹脂層33の下面からシボ模様34の凹部の最深部までの距離)は、好ましくは10μm以上であり、より好ましくは20μm以上であり、さらに好ましくは40μm以上である。非通気性樹脂層33の厚さが10μm未満の場合には、非通気性樹脂層13の耐摩耗性が低く、摩耗によって模様付シート30全体の外観が劣化する虞がある。
また、非通気性樹脂層33の第2の厚さ(模様付シート30の上下方向D2に関して、非通気性樹脂層33の下面からシボ模様34の凸部の頂点までの距離)は、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは800μm以下であり、さらに好ましくは600μm以下である。非通気性樹脂層33の厚さが1000μmより大きい場合には、模様付シート30全体としての柔軟性が損なわれる虞がある。また、非通気性樹脂層33の厚さが1000μmより大きい場合には、非通気性樹脂層33が存在しない領域(通気領域30A)と存在する領域(非通気領域30B)とで厚さの差が大きくなり、非通気性樹脂層33が剥離しやすくなる虞がある。
{5.模様付シート30の製造方法}
模様付シート30の製造方法について説明する。図10は、模様付シート30の製造に用いられる製造装置200の一部の構成を示す図である。
図10を参照して、製造装置200は、製造装置100が備える樹脂塗装装置122及びコータ123(図2A参照)に代えて、スクリーン塗装機151を備える。製造装置200のその他の構成については、製造装置100の構成と同様である。つまり、図10の右側部分に、図2Bが続いている。
図11は、模様付シート30の製造方法を示す図である。図11を参照して、模様付シート30は、非通気性樹脂層33を形成する工程として、図3に示すステップS20に代えて、ステップS60を備える。以下、模様付シート30の製造方法に関して、図3に示す製造方法と異なる点を中心に説明し、図3に示す製造方法と共通の工程については説明を省略する。
非通気性樹脂層33を形成する工程(ステップS60)は、塗装工程(ステップS61)と、乾燥工程(ステップS62)とを備える。以下、ステップS61、S62の各々について説明する。
塗装工程(ステップS61)では、非通気性樹脂層33用の樹脂溶液33Lを用いて、所定パターンを離型紙R上に塗装する。樹脂溶液33Lの塗装には、スクリーン塗装機151が用いられる。スクリーン塗装機151は、スクリーン版(図示省略)を用いて、樹脂溶液33Lを所定のパターンに塗装する。スクリーン版は、一方の面から他方の面に樹脂溶液33Lが浸透可能な領域と、浸透不可能な領域が用いられている。浸透可能な領域は、非通気性樹脂層33を形成する任意のパターンと一致するように配置されている。
なお、図10では、塗装された樹脂溶液33Lが、スクリーン塗装機151の直下の位置でのみ表示されているが、実際には、スクリーン塗装機151の下流側においても、塗装された樹脂溶液33Lの層が、離型紙R上に形成されている。
図12は、非通気性樹脂層33用の樹脂溶液33Lが塗装された離型紙Rを示す図である。図12に示すように、樹脂溶液33Lが、離型紙Rの上面21の一部領域に塗装されている。例えば、図8に示す市松模様を有する模様付シート30の場合、樹脂溶液33Lは、正方形が格子状に配置されるように、離型紙Rの上面21に塗装される。
次に、塗装工程(ステップS61)で塗装された樹脂溶液33Lを乾燥させる(ステップS62)。乾燥工程(ステップS62)について、図2Aを参照して説明する。ここで、図2Aにおいて、樹脂溶液13Lが、樹脂溶液33Lに置き換わる。樹脂溶液33Lが塗装された離型紙Rを乾燥機124に送り、離型紙Rを乾燥機124内で所定時間乾燥させることにより、樹脂溶液33Lを硬化させる。これにより、非通気性樹脂層33が、離型紙R上に形成される。乾燥工程(ステップS62)により、非通気性樹脂層33が、離型紙R上に形成されているが、図10では、非通気性樹脂層33の表示を省略している。
通気性ポリウレタン層32用の樹脂溶液を非通気性樹脂層33が形成された離型紙Rに塗装する工程(ステップS30)、繊維基材11の層を形成する工程(ステップS40)、模様付シート30を巻き取る工程(ステップS50)は、図3に示す工程と同じであるため、その説明を省略する。
図13は、図12に示す離型紙Rに通気性ポリウレタン層31及び繊維基材11の層が形成された状態を示す図である。つまり、図13は、ステップS43において、離型紙Rが剥離される直前の離型紙Rを示す図である。図13に示すように、非通気性樹脂層33が、離型紙Rの上に形成され、通気性ポリウレタン層32が、離型紙R及び非通気性樹脂層33の上に形成されている。そして、繊維基材11が、通気性ポリウレタン層12の上に配置されている。図13に示す積層体から離型紙Rを剥離することにより(ステップS50)、模様付シート30が製造される。
なお、図13において、通気性ポリウレタン層32のうち、離型紙Rに接触している部分が、通気領域30Aとなる。図13に示す積層体から離型紙Rを剥離した後に、通気性ポリウレタン層32が露出する通気領域10Aには、シボ模様は現れない。この理由は、通気性ポリウレタン層32が有する連続気泡が弾性を有しているため、通気性ポリウレタン層32に形成されたシボ模様が目立たなくなってしまうためである。
(第2の実施の形態の効果)
本実施の形態の模様付シート30によれば、繊維基材31の上面全体に通気性ポリウレタン層32を形成し、通気性ポリウレタン層32の上面のうち、一部の領域に非通気性樹脂層33を形成する。
模様付シート30のうち、非通気性樹脂層33が形成されている非通気領域30Bの部分は、通気性を有していないが、通気性ポリウレタン層32が露出している通気領域30Aの部分は通気性を有している。そのため、模様付シート30全体として、良好な通気性が得られる。模様付シート30が良好な通気性を有するので、例えば、自動車のシートカバーとして使用される場合に好適である。例えば、模様付シート30が自動車の座席のシートに用いられた場合、自動車の利用者は、蒸れを感じることなく、座席に快適に座り続けることができる。
また、非通気性樹脂層33を通気性ポリウレタン層32の上面の任意の領域に配置することができるため、模様付シート30におけるデザインの自由度を大幅に向上させることができる。また、非通気性樹脂層33の表面には、シボ模様34が形成されているので、非通気領域30Bの表面の質感も、任意の質感となるように設計することができる。
(実施の形態2の変形例)
なお、上記実施の形態において、通気性ポリウレタン層32が繊維基材31の上面全体にわたって形成されている例を説明したが、通気性ポリウレタン層32は、繊維基材11の上面の一部に形成されていてもよい。つまり、模様付シート30を上から見た場合において、繊維基材31が露出している領域があってもよい。これにより、通気領域30A及び非通気領域30Bに加えて、繊維基材31が露出している領域を組み合わせることによって、さらに複雑なデザインの模様付シートを提供することが可能となる。
また、上記実施の形態において、模様付シート30の非通気性樹脂層33が、図9に示すように1層である場合を例にして説明したが、これに限られない。非通気性樹脂層33は、2層以上であってもよい。
また、上記実施の形態において、模様付シート30は、2種類以上の非通気性樹脂層33を備えていてもよい。つまり、図8に示す非通気領域30Bの一部に、第1の種類の非通気性樹脂層33が形成され、非通気領域30の他の部分に、第2の種類の非通気性樹脂層33が形成されてもよい。第1の種類の非通気性樹脂層33と、第2の種類の非通気性樹脂層33とは、色が異なっていてもよいし、シボ模様のパターンが異なっていてもよい。その他、非通気性樹脂層33を構成する樹脂の組成や、質感等が異なっていてもよい。
以下、本発明の実施例として作製した模様付シート(実施例1〜実施例3)について詳細に説明する。
[実施例1]
図14は、実施例1により作製された模様付シート50の平面写真である。図3に示す製造方法に従って、模様付シート50を作製した。なお、詳細については後述するが、模様付シート50の作製の際に、図3に示すステップS31及びS32を省略している。
図14に示す模様付シート50は、図1に示す模様付シート10と同様の構成を有しており、天然皮革と同様のシボ模様が上面(表面)に形成された人工皮革シートである。模様付シート50において、白色の領域が、通気性ポリウレタン層12が露出した通気領域50Aであり、グレーの領域が、非通気性樹脂層13が形成された非通気領域50Bである。以下、模様付シート50の作製について詳しく説明する。
最初に、巾155cmの離型紙R(リンテック株式会社製、商品名:AR−64)を準備した(図3に示すステップS1に相当)。この離型紙Rには、0.04〜0.06mmの大きさの凹凸を有するシボ模様が形成されている。この離型紙Rから200m分の長さを切り取り、切り取った離型紙Rを、樹脂塗装乾燥機(株式会社ヒラノテクシード製、タイプ:PD−RF)の離型紙装填機に装填した(図3に示すステップS10に相当)。
非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lを調製した(図3に示すステップS2に相当)。具体的には、ポリカーボネート系ポリウレタン(DIC株式会社製、商品名:クリスボンMP−865PS、固形分30重量%)を準備した。また、ポリカーボネート系ポリウレタン100重量部に対して、茶色顔料(DIC株式会社製、商品名:ダイラックブラウン、固形分70重量%)30重量部、煙霧性シリカ4重量部及びジメチルホルムアミド(DMF)210重量部を準備した。そして、準備したポリカーボネート系ポリウレタンと、茶色顔料と、煙霧性シリカと、ジメチルホルムアミドとを混合して撹拌した。これにより、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lとして、固形分濃度15.9重量%の高分子弾性体溶液(40Pa・s)を調製した。
通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを調整した(図3に示すステップS3に相当)。具体的には、ポリウレタンプレポリマー(上述のA成分)として、DIC株式会社製の「タイフォースNH−200」(エーテル系ウレタンプレポリマー、120℃の溶融粘度:3,500±500mPa・s、イソシアネート基含有量:3.5±0.5%)を、ドラムメルター5507(米国のノードソン株式会社製)にて、120℃で加熱溶融した後、保温タンク中で120℃にて保持した。
活性水素を有する化合物(上述のB成分)として、三井化学株式会社製の「三井ポリオールED−200」(ポリエーテルジオール、水酸価:36±2mgKOH/g、粘度:870±100mPa・s/25℃)を準備した。ウレタン化触媒(上述のC成分)として、2環式アミジン化合物の硬化触媒であるサンアプロ株式会社製の商品名「U−CAT、SA506」を準備した。整泡剤(上述のD成分)として、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製の商品名「SF−2944F」を準備した。
活性水素を有する化合物(B成分)と、ウレタン化触媒(C成分)と、整泡剤(D成分)と、水とを、50:20:30:0.5(重量比)の割合で配合し、均一となるように混合した。この混合物をタンク中で30℃にて保持した。その後、ポリウレタンプレポリマー(A成分)と、30℃に保持されている混合物とを、120℃に保温した発泡塗装機(図2Aの混合機131及び樹脂塗装装置133に相当)に注入した。具体的には、この発泡塗装機のミキシングヘッドに、ポリウレタンプレポリマー成分と混合物との重量比が100:4.5となるように注入し、5,000rpmで攪拌混合してクリーム状に泡立てたものを、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lとして調製した。なお、使用した発泡塗装機は、台湾のPerfection Mighty Industrial社製の商品名「ISM−206H」である。
次に、繊維基材11の準備を行った。繊維基材11となる布としては、長さ100m、巾150cmの起毛された複合短繊維不織布を準備した(図3に示すステップS4に相当)。この複合短繊維不織布の繊維見掛け密度(JIS K 6550の靴甲用人工皮革試験方法に準じて測定した見掛け密度)は、0.23g/cmであった。この複合短繊維不織布に対して、シリコーン系撥水剤をパディングした。その後、乾燥機(株式会社市金工業製、型番:IFT415)を用いて複合短繊維不織布を乾燥させ、繊維基材11とした。得られた繊維基材11の厚さは0.8mmである。また、繊維基材11において、JIS L 1092に準じて撥水度試験により測定した撥水性の評価が、2級であった。
離型紙Rが装填された樹脂塗装乾燥機を2m/分の走行速度で動作させつつ、ドクターナイフ塗装法を用いて、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lの刷り切り塗装を離型紙Rの上面に対して行った(図3に示すステップS21及びS22に相当)。刷り切り塗装は、樹脂溶液13Lを離型紙Rの上面21に塗装した後に、塗装された樹脂溶液13Lを刷り切ることにより行われる。のとき、コータ123の先端123aの位置を、離型紙Rの上面21における凹部24bの最深部を基準にして、高さ0.06mmの高さに調整した。その後、樹脂塗装乾燥機を用いて、離型紙Rに刷り切り塗装された樹脂溶液13Lを乾燥させた。具体的には、樹脂塗装乾燥機における乾燥部(図2Aの乾燥機124に相当)を上流側から下流側に向かって3つのゾーン(初期ゾーン、中間ゾーン、最終ゾーン)に区分し、初期ゾーンの温度を70℃、中間ゾーンの温度を90℃、最終ゾーンの温度を140℃に設定した。これにより、離型紙R上に非通気性樹脂層13を形成した。
次に、非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rを上述の発泡塗装機に装填し、発泡塗装機を2m/分の走行速度で動作させた。そして、クリアランスコータを用いて、離型紙における凸部の頂点からの厚さが0.3mmとなるように、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを離型紙Rに塗装した(図3に示すステップS31に相当)。離型紙R又は非通気性樹脂層13の上に塗装された樹脂溶液12Lを1次発泡させることにより(ステップS32)、離型紙R又は非通気性樹脂層13の上に1次発泡ポリウレタン層12Pを形成した。本実施例における1次発泡の温度は40℃であり、1次発泡に要する時間は30秒である。そして、ステップS32で形成された1次発泡ポリウレタン層12Pの上に、繊維基材11を重ね合わせた(図3に示すステップS41に相当)。なお、離型フィルムFを用いていないため、ステップS33を省略している。
そして、押え厚み(図2Aに示すローラ133bとローラ133cとの間隔に相当)が0.8mmとなるように、繊維基材11を重ね合わせた離型紙Rを押さえて、発泡塗装機の乾燥機により乾燥させた。具体的には、乾燥温度、乾燥温度が60℃、加熱時間が5分となるように、離型紙Rを乾燥機内で走行させることにより、1次発泡ポリウレタン層12Pの2次発泡を行った(図3に示すステップS42に相当)。ステップS42により、通気性ポリウレタン層12の形成と、繊維基材11と通気性ポリウレタン層12との接着とを行った。その後、乾燥機の出口において、通気性ポリウレタン層及び非通気性樹脂層13から離型紙Rを剥離することにより(図3に示すステップS43に相当)、模様付シート50を製造した。得られた模様付シート50は、厚さが1.05mmであり、十分な柔軟性を有していた。模様付シート50は、図14に示すように、天然皮革と同等の表面形状(シボ模様)を有していた。
図15及び図16は、図14に示す模様付シート50の上面(表面)を撮影した電子顕微鏡写真である。図16に示す電子顕微鏡写真の倍率は、図15に示す電子顕微鏡写真の倍率よりも大きい。
図15を参照して、破線で囲まれた領域が、通気領域50Aであり、模様付シート50が有するシボ模様の凹部に相当する。通気領域50Aよりも外側の領域が、非通気領域50Bであり、模様付シート50が有するシボ模様の凸部に相当する。図15における通気領域50Aにおいて、通気性ポリウレタン層12が露出しており、非通気領域50Bにおいて、通気性ポリウレタン層12が非通気性樹脂層13により覆われている。
図16を参照して、破線で囲まれた領域が、通気領域50Aであり、模様付シート50が有するシボ模様の凹部に相当する。通気領域50Aよりも外側の領域が、非通気領域50Bであり、模様付シート50が有するシボ模様の凸部に相当する。通気領域50Aに現れている黒い点は、通気性ポリウレタン層12が有する連続気泡により形成された孔である。つまり、模様付シート50において、空気または水蒸気が通り抜けるための孔が、シボ模様を形成する凹部(通気領域50A)に存在することがわかる。つまり、模様付シート50は、模様付シート50の表面全体において通気性を有している。
[実施例2]
図17は、実施例2により作製された模様付シート60の上面(表面)の電子顕微鏡写真である。図3に示す製造方法に従って、図17に示す模様付シート60を作製した。
模様付シート60は、図1に示す模様付シート10と同様の構成を有しており、天然皮革と同様のシボ模様が上面(表面)に形成された人工皮革シートである。図17に示す模様付シート60において、破線で囲んだ領域が、通気性ポリウレタン層12が露出した通気領域60Aであり、一点鎖線で囲んだ領域が、非通気性樹脂層13が形成された非通気領域60Bである。以下、模様付シート60の作製について詳しく説明する。
実施例1の模様付シート50の作製に使用した離型紙R、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13L、通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12L、繊維基材11を、模様付シート60の作製においても使用した。
模様付シート60の作製において、非通気性樹脂層13を離型紙R上に形成する手順、非通気性樹脂層13が形成された離型紙Rの上に通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを塗装する手順は、実施例1と同様である。
通気性ポリウレタン層12用の樹脂溶液12Lを塗装した後に、樹脂溶液12Lを、室温にて3分30秒間1次発泡させて(図3のステップS32に相当)、1次発泡ポリウレタン層12Pを形成した。その後、繊維基材11を1次発泡ポリウレタン層12Pと貼り合わせ(図3のステップS41に相当)、押え厚み(図2Aに示すローラ133bとローラ133cとの間隔に相当)が1.3mmとなるように、繊維基材11を貼り合わせた離型紙を押さえて、発泡塗装機の乾燥機により乾燥させた。
乾燥機における乾燥温度を、40℃に設定した上で、離型紙Rを走行させることにより、1次発泡ポリウレタン層12Pをさらに発泡させるための2次発泡を行った(図3のステップS42に相当)。ステップS42により、通気性ポリウレタン層12の形成と、繊維基材11と通気性ポリウレタン層12との接着とを行った。その後、乾燥機の出口において、離型紙Rを通気性ポリウレタン層12及び非通気性樹脂層13から剥離することにより(図3のステップS43に相当)、模様付シート60を製造した。得られた模様付シート60は、厚さが1.3mmであり、天然皮革と同等の表面形状(シボ模様)を有していた。また、模様付シート60は、十分な柔軟性を有していた。
図18は、図17に示す模様付シート60をさらに拡大した電子顕微鏡写真である。図18において、破線で囲んだ領域が、通気領域60Aであり、通気領域60Aの外側の領域が、非通気領域60Bである。図18に示すように、通気領域60Aにおいて、通気性ポリウレタン層12が露出しており、通気性ポリウレタン層12が有する連続気泡によって、孔12Aが形成されていることがわかる。
図19は、図17に示す模様付シート60の断面の電子顕微鏡写真である。図19に示すように、模様付シート60は、繊維基材11と、通気性ポリウレタン層12と、非通気性樹脂層13とを備えている。なお、図19に示す繊維基材11及び通気性ポリウレタン層12の各々範囲は、繊維基材11及び通気性ポリウレタン層12が存在する大まかな範囲を示すものであり、図19に示す範囲によって明確に区分されるものではない。
図19において、破線で囲んだ領域が、通気性ポリウレタン層12が露出している通気領域60Aであり、一点鎖線で囲んだ領域が、通気性ポリウレタン層12が非通気性樹脂層33により覆われている非通気領域60Bである。また、図19において、複数の気泡が、通気性ポリウレタン層12の内部に形成されている。例えば、気泡121Pと気泡121Qとを隔てる壁に孔が開いており、複数の気泡が連続気泡を形成していることがわかる。つまり、模様付シート60は、模様付シート60の表面全体において通気性を有していることを確認することができた。
[実施例3]
図20は、実施例3により作製された模様付シート70の平面写真である。図11に示す製造方法に従って、模様付シート70を作製した。
図20に示す模様付シート70は、図9に示す模様付シート30と同様の構成を有している。模様付シート70は、キリン柄の模様を有している。模様付シート70において、グレーの領域が、通気性ポリウレタン層32が露出した通気領域70Aであり、黒色の領域が、非通気性樹脂層33が形成された非通気領域70Bである。非通気領域70Bにおいて、天然皮革と同様のシボ模様が非通気領域に形成されている。以下、模様付シート70の作製について詳しく説明する。
実施例1の模様付シート50の作製に使用した離型紙、樹脂溶液13L、樹脂溶液12L、繊維基材11を、模様付シート60の作製においても使用した。
最初に、離型紙Rを、実施例1で用いた樹脂塗装乾燥機の離型紙装填機に装填した。キリン柄のパターンを有するスクリーン塗装用のスクリーン版を用いて、非通気性樹脂層13用の樹脂溶液13Lの層を離型紙Rのシボ模様が形成されている面に塗装した(図11のステップS61に相当)。つまり、図20に示す黒色の領域に相当する領域に、樹脂溶液13Lの層を形成した。
樹脂塗装乾燥機における乾燥温度130℃に設定して、離型紙R上に塗装された樹脂溶液13Lの層を乾燥させた(図11のステップ62に相当)。これにより、キリン柄のパターンを有する非通気性樹脂層33を離型紙R上に形成した。
次に、樹脂溶液12Lを、非通気性樹脂層43が形成された離型紙Rに塗装した。この結果、樹脂溶液12Lの層は、図20に示す通気領域70Aに相当する領域において離型紙Rと接触し、非通気領域70Bに相当する領域において非通気性樹脂層33と接触している。
樹脂溶液12Lを塗装する手順、塗装された樹脂溶液12Lの上に繊維基材11を重ね合わせる手順、樹脂溶液12Lを発泡させる手順、離型紙Rを剥離する手順は、実施例1と同様である。このようにして、キリン柄のパターンを有する模様付シート70を作製した。模様付シート70の厚さは、1.05mmの厚さであり、十分な柔軟性を有していた。
図20に示すように、キリン柄パターンのうちグレーの部分が通気領域70Aであるため、模様付シート70は、キリン柄パターンが形成されている上面(表面)の全体にわたって通気性を有している。また、非通気領域70Bは、非通気性樹脂層が形成されている領域であるため、離型紙Rのシボ模様のパターンが転写されている。また、模様付シート70は、柔軟性に富んでいる。この結果、天然皮革と同様の表面形状を有するキリン柄パターンがデザインされ、かつ、通気性及び柔軟性を有する模様付シート70を得ることができた。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
10、30、50、60、70 模様付シート
11、31 繊維基材
12、32 通気性ポリウレタン層
12L、13L 樹脂溶液
12P 1次発泡ポリウレタン層
13、33 非通気性樹脂層
14a、24b 凹部
14b、24a 凸部
R 離型紙

Claims (8)

  1. 繊維基材と、
    前記繊維基材の上に配置され、連続気泡を有する通気性樹脂層と、
    前記通気性樹脂層の上に配置され、シボ模様を表現する複数の凸部が形成された非通気性樹脂層と、
    を備え、
    前記複数の凸部のうち少なくとも一部の互いに隣接する2つの凸部の間の領域において、前記通気性樹脂層が露出している、模様付シート。
  2. 請求項1に記載の模様付シートであって、
    前記通気性樹脂層において、前記非通気性樹脂層の前記複数の凸部が形成されている領域と平面視で重なる領域のうち少なくとも一部の厚さは、前記非通気性樹脂層の前記複数の凸部が形成されていない領域と平面視で重なる領域における前記通気性樹脂層の厚さよりも大きい、模様付シート。
  3. 請求項1又は2に記載の模様付シートであって、
    前記繊維基材は、前記通気性樹脂層が前記繊維基材の上に配置されていない領域を含む、模様付シート。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の模様付シートであって、
    前記通気性樹脂層は、発泡ポリウレタン樹脂により形成されており、
    前記非通気性樹脂層は、前記通気性樹脂層に直接接着されている模様付シート。
  5. 請求項4に記載の模様付シートであって、
    前記繊維基材は、前記通気性樹脂層に直接接着されている模様付シート。
  6. a)シボ模様が少なくとも一方の面に形成された離型紙を準備する工程と、
    b)前記離型紙の前記少なくとも一方の面における所定領域に非通気性樹脂層を形成する工程と、
    c)通気性樹脂層の形成に用いられる第1樹脂溶液を、前記所定領域においては前記非通気性樹脂層の上に塗装し、前記所定領域以外の領域においては前記離型紙の前記少なくとも一方の面の上に塗装する工程と、
    d)前記c)工程において塗装された前記第1樹脂溶液を発泡させることにより、所定の粘着性を有する1次発泡樹脂層を形成する工程と、
    e)前記d)工程において形成された前記1次発泡樹脂層の上に繊維基材を配置する工程と、
    f)前記e)工程の後に、前記d)工程において形成された前記1次発泡樹脂層をさらに発泡させることにより、前記通気性樹脂層を前記非通気性樹脂層及び前記離型紙の少なくとも一方の面の上に形成する工程と、
    g)前記f)工程の後に、前記離型紙を前記通気性樹脂層及び前記非通気性樹脂層から剥離する工程と、
    を備える模様付シートの製造方法。
  7. 請求項6に記載の模様付シートの製造方法であって、
    前記離型紙の少なくとも一方の面には、シボ模様を形成する複数の凸部が形成されており、
    前記b)工程は、
    b−1)前記非通気性樹脂層の形成に用いられる第2樹脂溶液を前記離型紙の前記少なくとも一方の面に塗装する工程と、
    b−2)コータの先端の位置を前記複数の凸部のうちいずれか1つの頂点の高さに合わせる工程と、
    b−3)前記先端の位置を前記いずれか1つの頂点の高さに合わせされたコータを用いて、前記離型紙の少なくとも一方の面に塗装された前記第2樹脂溶液を摺り切る工程と、
    を含む模様付シートの製造方法。
  8. 請求項6に記載の模様付シートの製造方法であって、
    前記b)工程は、
    b−1)前記非通気性樹脂層の形成に用いられる第2樹脂溶液を、所定のパターンで前記離型紙の少なくとも一方の面に塗装する工程と、
    b−2)前記所定のパターンに塗装された前記第2樹脂溶液を硬化させる工程と、
    を含む模様付シートの製造方法。
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