JP2018054789A - トナー及びトナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温定着性、耐ホットオフセット性、及び帯電保持性に優れたトナー及びトナーの製造方法を提供すること。【解決手段】樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、オレフィン系水酸基含有共重合体が、特定のモノマーユニットY1と、特定のモノマーユニットY2とを有し、樹脂成分に含まれるオレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式に用いられるトナー及びトナーの製造方法に関する。
近年、画像形成に際して、省エネルギー化への要求の高まりに伴い、トナーの定着温度をより低温化させる取り組みが採られるようになってきている。トナーの低温定着性を向上させる方法のひとつとして融点を超えると粘度が大きく低下するシャープメルト性を有した結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている(特許文献1〜3)。
また、その他の方法としてガラス転移温度の低い樹脂を用いることで、定着温度を下げることが提案されている。ガラス転移温度の低い樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−アクリル酸メチル系共重合体のようなエチレン系エステル基含有共重合体を含有したトナーが提案されている(特許文献4〜10)。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特開平4−120554号公報 特開2011−107261号公報 特開平11−202555号公報 特開平8−184986号公報 特開平4−21860号公報 特開平3−150576号公報 特開昭59−18954号公報 特開昭58−95750号公報
従来の結晶性ポリエステル樹脂を電子写真用トナーの樹脂として使用すると、樹脂のシャープメルト性により、優れた低温定着性と高温時の保管性を示した。しかし、結晶性ポリエステル樹脂は電気抵抗が低くトナーの帯電保持性に課題があった。
そこで、本発明者らは、体積抵抗が高く、ガラス転移温度が室温以下である樹脂として、エチレンやプロピレンなどのオレフィン系化合物に由来するモノマーユニットを有する共重合体に着目した。
具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのようなエチレン(プロピレン)−酢酸エステル系共重合体;エチレン−アクリル酸メチル共重合体などのようなエチレン(プロピレン)−アクリル酸エステル系共重合体;エチレン−メタクリル酸メチル共重合体などのようなエチレン(プロピレン)−メタクリル酸エステル系共重合体などを用いて低温定着性と帯電保持性の両立を試みた。
しかし、特許文献4〜8で提案されているようなトナー中にこれらのオレフィン系エステル基含有共重合体を一部含有させるだけでは、高速条件での低温定着性を満足することは困難であった。
一方、特許文献9及び10にあるように、これらのオレフィン系エステル基含有共重合体をトナーの主たる樹脂として使用すると、低温定着性は良化するものの耐ホットオフセット性が低下する課題が発生した。
本発明者らは、耐ホットオフセット性を向上させるために、一般に知られている高分子量樹脂の併用を試みた。しかしながら、該オレフィン系エステル基含有共重合体は極性が
低く、また、分子間力も低いことに起因するためか、オレフィン系エステル基含有共重合体の高分子量樹脂を併用しても耐ホットオフセット性を向上させることはできなかった。
本発明は、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び帯電保持性に優れたトナー及び該トナーの製造方法を提供するものである。
本発明者らは、オレフィン系材料を用いたトナーの耐ホットオフセット性の課題に対応するために、オレフィン系材料中に水酸基を含有させ、分子内水素結合により凝集力を高め、耐ホットオフセット性を向上させる検討を試みた。
水酸基を有するオレフィン系樹脂として、食品包装用途などに一般的に使用されているエチレンポバールを用いた検討を実施した。その結果、該材料では耐ホットオフセット性は向上するものの、低温定着性に劣り、水酸基の極性に起因した帯電保持性にも課題があった。
そこで、本発明者らのさらなる検討の結果、融点が80℃以上150℃以下のオレフィン系水酸基含有共重合体を用いることで低温定着性、帯電保持性、及び耐ホットオフセット性に優れたトナーが得られた。また、オレフィン系水酸基含有共重合体の水酸基の含有量を制御し、融点を150℃以下にすることにより、極性の高い水酸基が極性の低いオレフィン部位中でミクロ相分離を起こし、帯電保持性がより向上した。
さらに、融点が低いことに起因し、低温定着性も良好になり、かつ耐ホットオフセット性も良好であった。
すなわち、本発明は、樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、
該オレフィン系水酸基含有共重合体が、
下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
下記式(2)で示されるモノマーユニットY2と
を有し、
該樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、
該オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とするトナーである。
Figure 2018054789

(前記式(1)及び(2)中、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示す。)
本発明によれば、低温定着性、耐ホットオフセット性、及び帯電保持性に優れたトナー及びトナーの製造方法を提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
また、モノマーユニットとは、ポリマー又は樹脂中のモノマー物質の反応した形態をいう。
また、結晶性樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
本発明のトナーは、樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、
該オレフィン系水酸基含有共重合体が、
下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
下記式(2)で示されるモノマーユニットY2と
を有し、
該樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、
該オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とする。
Figure 2018054789

(前記式(1)及び(2)中、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示す。)
本発明において、樹脂成分とは、主に定着性能に寄与する高分子成分をいう。該樹脂成分は、オレフィン系水酸基含有共重合体を含む。
本発明において、オレフィン系水酸基含有共重合体とは、ポリオレフィン骨格に、共重合などの手段で水酸基を有するモノマーユニットが導入された高分子である。具体的には上記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、上記式(2)で示されるモノマーユニットY2を有する。
以下、式(1)で示されるモノマーユニットY1、及び、式(2)で示されるモノマーユニットY2に関し具体的に説明する。
式(1)で示されるモノマーユニットY1、及び、式(2)で示されるモノマーユニットY2において、RがH、及び、RがHであるオレフィン系水酸基含有共重合体(以下、エチレン−ポバールともいう)が融点を低く設計できるために低温定着性の観点から好ましい。
該オレフィン系水酸基含有共重合体は、樹脂成分中に、1種又は複数種含有されてもよい。
また、オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量をWとし、
式(1)で示されるモノマーユニットY1の質量をlとし、
式(2)で示されるモノマーユニットY2の質量をmとしたときに、
低温定着性や帯電維持性の観点から、樹脂成分に含まれるオレフィン系水酸基含有共重合体における(l+m)/Wの値は、0.80以上であることが好ましく、0.95以上であることがより好ましく、1.00であることがさらに好ましい。
該オレフィン系水酸基含有共重合体は、該モノマーユニットY1及びモノマーユニットY2以外のモノマーユニットを含有してもよい。本発明の効果を損なわなければ特に限定はされないが、例えば、下記式(3)で示されるモノマーユニットや、下記式(4)で示されるモノマーユニットや、下記式(5)で示されるモノマーユニットなどが挙げられる。
これらは、オレフィン系水酸基含有共重合体を製造する共重合反応の際に、相当するモノマーを添加することや、オレフィン系水酸基含有共重合体を高分子反応により変性させることで導入することができる。
Figure 2018054789

(前記式(5)中、RはH又はCHを示し、RはCH又はCを示す。)
低温定着性の観点から、樹脂成分中のオレフィン系水酸基含有共重合体の含有量は、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、好ましくは70質量%以上である。
該オレフィン系水酸基含有共重合体を、樹脂成分中に50質量%より多く含有させることによって、低温定着性が良好になる。
低温定着性、帯電保持性及び耐ホットオフセット性の観点から、モノマーユニットY2の含有量は、オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量に対して、2.0質量%以上20.0質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。
該モノマーユニットY2の含有量が20.0質量%以下であることで、融点が低下し、トナーの低温定着性と帯電保持性がより向上する。
一方、モノマーユニットY2の含有量が2.0質量%以上であることで、水酸基による分子間水素結合の相互作用により耐ホットオフセット性が向上する。
上記各式で示されるモノマーユニットの質量[l]及び[m]、並びに、モノマーユニットY2の含有量は一般的な分析手法を用いて測定することができる。
例えば、核磁気共鳴法(H−NMR)や熱分解ガスクロマトグラフィー法などの手法が適用できる。
以下、H−NMRを用いた測定方法を示す。
例えば、式(1)で示されるモノマーユニットのアルキレン基の水素原子、式(2)で示されるモノマーユニットの水酸基が結合するメチン基の水素の積分比をそれぞれ比較することで、各モノマーユニットの含有比率が算出できる。
具体的には、エチレン−ポバール共重合体における各モノマーユニットの含有比率は以下の方法で算出する。
0.00ppmの内部標準としてのテトラメチルシラン、及び、添加剤としてテトラフルオロ酢酸(TFA)を含む重ジメチルスルホキシド(DMSO)0.5mLに、試料約5mgを溶解させる。得られた溶液を試料管に入れ、繰り返し時間を2.7秒、積算回数を16回の条件でH−NMRスペクトルを測定する。
1.1−1.4ppmのピークがエチレンに由来するモノマーユニットのCH−CHに相当し、3.0−4.0ppm付近のピークがビニルアルコールに由来するモノマーユニットのCHに相当する。それらのピークの積分値の比を計算して、各モノマーユニットの含有比率を算出する。
オレフィン系水酸基含有共重合体の融点は、80℃以上150℃以下である。
トナーの耐久性の観点から、融点は80℃以上であり、90℃以上であることが好ましい。一方、低温定着性の観点から、融点は150℃以下であり、130℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。
また、融点を150℃以下にすることによって帯電保持性が向上した。
その理由は定かではないが、融点を下げることによって、樹脂中の水酸基量が減り、該水酸基がオレフィン部位中でミクロ相分離し、水酸基の運動性が下がったためではないかと考えられる。オレフィン系水酸基含有共重合体の融点は、例えば、水酸基を有するモノマーユニット(すなわち、モノマーユニットY2)の含有量で制御することができる。
オレフィン系水酸基含有共重合体の軟化点(Tm)は、トナー使用時の衝撃や圧力に耐える観点から、100℃以上150℃以下であることが好ましい。
該軟化点(Tm)は、オレフィン系水酸基含有共重合体の分子量を変えることで制御することが可能であり、分子量を大きくすることで軟化点を上げることができる。
本発明において、軟化点(Tm)は、荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマ
ニュアルに従って測定する。
本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させながら溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストンの降下量(mm)と温度(℃)から流動曲線をグラフ化できる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。
なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。
まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量(流出終了点、Smaxとする)と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量(最低点、Sminとする)との差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度を、1/2法における溶融温度とする。
試料には、1.2gの試料を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、標準手動式ニュートンプレス NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて10MPaで、60秒間圧縮成型し、直径8mmの円柱状としたものを用いる。
測定における具体的な操作は、装置に付属のマニュアルに従って行う。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:60℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):5.0kgf
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
該オレフィン系水酸基含有共重合体の製造方法は、特に限定されないが、製造の容易性から、エチレン−酢酸ビニル共重合体を加水分解する製造方法が挙げられる。
具体的には、酢酸ビニル由来のモノマーユニットの含有量が4質量%以上34質量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体を、トルエンとエタノールの混合溶媒中で水酸化ナトリウムを用いて90℃の条件でリフラックスする製造方法が挙げられる。
該樹脂成分は、オレフィン系酸基含有共重合体をさらに含有してもよい。
オレフィン系酸基含有共重合体とは、主成分である、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィンに、酸基を有する成分をランダム共重合、ブロック共重合、又はグラフト共重合させた樹脂、及びそれらの樹脂を高分子反応により改変させたものである。
該酸基を有する成分として、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、スルホン酸ビニルなどが挙げられる。
また、物性に影響しない程度であれば、ポリオレフィンや上記酸基を有する成分以外の成分を含んでもよい。
トナーの高温保管性の観点から、該ポリオレフィン及び上記酸基を有する成分以外の成分由来のモノマーユニットの含有量は、オレフィン系酸基含有共重合体中に20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以下であり、特に好ましくは、実質的に0質量%である。
また、低温定着性の観点から、主成分であるポリエチレンと酸基を有する成分との共重合体であることが好ましい。
さらに、トナーと紙との密着性の観点から、酸基を有する成分は、アクリル酸、メタク
リル酸であることが好ましい。低温定着性、高温保管性及び密着性を向上させる観点から、エチレン−アクリル酸共重合体、及びエチレン−メタクリル酸共重合体などが好適に例示できる。
該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価は、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、80mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがより好ましい。酸価が50mgKOH/g以上であることで、紙との十分な密着性が発現し、300mgKOH/g以下にすることで帯電性がより向上する。
樹脂成分が、上記範囲のオレフィン系酸基含有共重合体を含有することによって、該オレフィン系酸基含有共重合体のカルボキシ基が紙表面の水酸基と水素結合を形成し、トナーと紙との密着性が高まり、定着物が消しゴムなどで消えることがなくなる。
さらに後述の乳化凝集法でトナー粒子を製造する際に、オレフィン系酸基含有共重合体を含有していると凝集性の制御が容易になりトナー粒子の粒度分布が良好になる。
該オレフィン系酸基含有共重合体の含有量は、樹脂成分の全質量に対して、10質量%以上50質量%未満であることが好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。含有量が上記範囲である場合、帯電性の環境変動を抑えつつ、紙との密着性を向上させることができる。
該酸価は、試料1g中に含まれる、遊離脂肪酸又は樹脂酸のような酸成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数である。該酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガスなどに触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
該オレフィン系酸基含有共重合体の軟化点は、耐ブロッキング性、トナーと紙との密着性及びオレフィン系水酸基含有共重合体との相溶性の観点から、100℃以上140℃以下であることが好ましい。
該オレフィン系酸基含有共重合体の融点は、低温定着性及び高温保管性の観点から、50℃以上100℃以下であることが好ましく、50℃以上90℃以下であることがより好ましい。
本発明において、融点は示査走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
具体的には、0.01〜0.02gの試料をアルミニウム製パンに精秤し、昇温速度10℃/minで、0℃から200℃まで昇温し、DSC曲線を得る。
得られたDSC曲線における最大吸熱ピークのピーク温度を融点とする。
オレフィン系水酸基含有共重合体の破断伸度は、300%以上であることが好ましく、500%以上であることがより好ましい。破断伸度が300%以上になることによって定着物の折り曲げ耐性が良好になる。なお、該破断伸度の上限は、1000%以下程度である。
破断伸度は、JIS K 7162に基づいた条件で測定する。
樹脂成分中に複数のオレフィン系水酸基含有共重合体を含有する場合は、溶融混合した後に上記条件により測定を行う。
該樹脂成分は、本発明の効果を損なわない程度に、オレフィン系水酸基含有共重合体及びオレフィン系酸基含有共重合体以外の他の重合体や樹脂を含有してもよい。
具体的には、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが挙げられる。
トナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の低分子可塑剤を含むことが好ましい。
低分子可塑剤としては、オレフィン系水酸基含有共重合体と相溶し、融点を50℃以上100℃以下に持つためには、脂肪族炭化水素又はその誘導体が好ましい。
具体的には、ヘキサコサン、トリアコンタン、及びヘキサトリアコンタンなどの炭素数が20以上60以下の脂肪族炭化水素;ドコサノールなどの脂肪族アルコール;ステアリン酸などの脂肪族カルボン酸が挙げられる。
オレフィン系水酸基含有共重合体との相溶性が良く、低温定着性の観点から脂肪族アルコール又は脂肪族カルボン酸が好ましい。また、帯電保持性の観点からは脂肪族炭化水素が好ましい。
該低分子可塑剤を用いることで、トナーの加熱定着時に、マトリックスを形成しているオレフィン系水酸基含有共重合体が可塑化し、低温定着性を高めることができる。また、該低分子可塑剤はオレフィン系水酸基含有共重合体の結晶核剤としても作用することができる。そのために、オレフィン系水酸基基含有共重合体のミクロな運動性が抑制され帯電保持性が向上する。
該低分子可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上40質量部以下であることが好ましく、10質量部以上35質量部以下であることがより好ましく、10質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。
トナー粒子は、離型剤として、シリコーンオイルを含有してもよい。
アルキルワックスなどのトナーに一般に使用される離型剤は、オレフィン系水酸基含有共重合体を相溶化しやすく、離型効果が得られにくい。
また、トナー粒子が着色剤を含有する場合、シリコーンオイルを添加することによって
該着色剤の分散性が向上し、高濃度の画像が得られやすくなる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが例示できる。
該シリコーンオイルの粘度は、5mm/S以上1000mm/S以下であることが好ましく、20mm/S以上1000mm/S以下であることがより好ましい。
該シリコーンオイルの含有量は、流動性の低下を抑えつつ、良好な分離性を得るという観点から、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、5質量部以上20質量部以下である。
トナー粒子は、着色剤を含有していてもよい。該着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、又はイエロー着色剤、マゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。
これら着色剤において、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
該着色剤は、色相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、及びトナーへの分散性の点から選択される。
該着色剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーは、高精細な画像を得るという観点から、体積基準のメジアン径が3.0μm以上10.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上7.0μm以下であることがより好ましい。
なお、トナーの体積基準のメジアン径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)を用いて測定するとよい。
本発明のトナーの製造方法は、
樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
該樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、
該樹脂成分を生成する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程を含み、
該オレフィン系水酸基含有共重合体が、
下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
下記式(2)で示されるモノマーユニットY2と
を有し、
該樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、
該オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とする。
該トナー粒子を有するトナーの製造方法は、樹脂成分を生成する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程を含む。
水系媒体中でトナー粒子を製造する方法のなかでも乳化凝集法を用いることが好ましい。乳化凝集法とは、目的の粒子径に対して、十分に小さい樹脂微粒子分散液を前もって準備し、その樹脂微粒子を水系媒体中で凝集することによりトナー粒子を製造する製造方法である。
乳化凝集法では、上記樹脂微粒子分散液を調製する調製工程の後に、
該樹脂微粒子を凝集して凝集体粒子を形成する凝集工程、及び、
該凝集体粒子を加熱して融合する融合工程をさらに有することが好ましい。
さらに、上記工程に加えて、冷却工程、洗浄工程及び乾燥工程などを実施してもよい。
以下、乳化凝集法を用いたトナーの製造方法を具体的に記載するが、これに限定されるわけではない。
<樹脂微粒子分散液を調製する調製工程>
樹脂微粒子分散液は公知の方法で調製できるが、以下の方法が好適に例示できる。
例えば、オレフィン系水酸基含有共重合体を有機溶媒に溶解し、均一な溶解液を形成する。その後、必要に応じて塩基性化合物や界面活性剤を添加する。さらに、この溶解液に水系媒体を添加し微粒子を形成する。最後に有機溶媒を除去し樹脂微粒子が分散された樹脂微粒子分散液が作製させる。
また、樹脂微粒子分散液は、オレフィン系水酸基含有共重合体とオレフィン系酸基含有共重合体とを有機溶媒に同時に添加し溶解させて乳化する、共乳化手法で樹脂微粒子分散液を形成させてもよい。
オレフィン系酸基含有共重合体と共乳化手法で樹脂微粒子を形成した場合には、有機相の中で、オレフィン系水酸基含有共重合体とオレフィン系酸基含有共重合体とが均一に混ざりあい、トナー粒子中での両者の相溶性がより向上し、トナーと紙との密着性がより高まる。より具体的には、オレフィン系水酸基含有共重合体とオレフィン系酸基含有共重合体を有機溶媒に加熱溶解し、界面活性剤や塩基性化合物を加える。続いて、ホモジナイザーなどによりせん断を付与しながら水系媒体をゆっくり添加することで樹脂を含む共乳化
液(樹脂微粒子分散液)を作成する。
または、水系媒体を添加後にホモジナイザーなどによりせん断力を付与することで樹脂を含む共乳化液を作製する。その後、加熱又は減圧して有機溶媒を除去することにより、樹脂微粒子分散液を作製する。
該樹脂微粒子分散液の調製に際し、有機溶媒に溶解させる樹脂成分の添加量は、有機溶媒100質量部に対して、10質量部以上50質量部以下であることが好ましく、30質量部以上50質量部以下であることがより好ましい。
該有機溶媒としては、樹脂成分を溶解できるものであればどのようなものでも使用可能であるが、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどのオレフィン系水酸基含有共重合体に対する溶解度の高い溶媒が好ましい。
該界面活性剤としては、特に限定されるものでは無い。例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、カルボン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型などのカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系の非イオン系界面活性剤が挙げられる。
該塩基性化合物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの無機塩基やトリエチルアミン、トリメチルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノールなどの有機塩基が挙げられる。該塩基性化合物は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
該樹脂微粒子の体積基準のメジアン径は、0.05μm以上1.00μm以下であることが好ましく、0.10μm以上0.60μm以下であることがより好ましい。メジアン径が上記の範囲内である場合、所望の粒径を有するトナー粒子が得られやすくなる。
なお、体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布計(ナノトラックUPA−EX150:日機装製)を用いて測定するとよい。
<凝集工程>
凝集工程は、例えば、上記樹脂微粒子分散液に、着色剤微粒子分散液、脂肪族炭化水素微粒子分散液、及びシリコーンオイル乳化液を混合し、混合液を調製し、ついで、調製された混合液中に含まれる微粒子を凝集し、凝集体粒子を形成させる工程である。
該凝集体粒子を形成させる方法としては、凝集剤を上記混合液中に添加及び混合し、温度を上げたり、機械的動力などを適宜加えたりする方法が好適に例示できる。
該着色剤微粒子分散液は、上記着色剤を分散させて調製される。着色剤微粒子は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどのメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
該脂肪族炭化水素微粒子分散液、及びシリコーンオイル乳化液は、各材料を水系媒体中に分散させて調製する。各材料は公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライターなどのメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機などが好ましく用いられる。また、必要に応じて分散安定性を付与する界面活性剤や高分子分散剤を添加することができる。
該凝集剤としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどの1価の金属の金属塩;カルシウム、マグネシウムなどの2価の金属の金属塩;鉄、アルミニウムなどの3価の金属の金属塩;ポリ塩化アルミなどの多価金属塩が挙げられる。凝集工程の粒子径制御性の観点から、塩化カルシウムや硫酸マグネシウムなどの2価の金属の金属塩が好ましい。
該凝集剤の添加及び混合は、室温から75℃までの温度範囲で行うことが好ましい。この温度条件下で上記混合を行うと、凝集が安定した状態で進行する。上記混合は、公知の混合装置、ホモジナイザー、ミキサーなどを用いて行うことができる。
凝集工程で形成される凝集体粒子の体積基準のメジアン径は、特に制限はないが、通常、得ようとするトナー粒子のメジアン径と同じ程度になるよう、4.0μm以上7.0μm以下程度に制御するとよい。該制御は、例えば、上記凝集剤などの添加及び混合時の温度と上記攪拌混合の条件を適宜設定及び変更することにより容易に行うことができる。
なお、凝集体粒子の体積基準のメジアン径は、コールター法による粒度分布解析装置(コールターマルチサイザーIII:コールター製)を用いて測定するとよい。
<融合工程>
融合工程は、上記凝集体粒子を、加熱し融合することで、凝集体粒子表面を平滑化した粒子を製造する工程である。
一次融合工程に入る前に、得られた樹脂粒子間の融着を防ぐため、キレート剤、pH調整剤、界面活性剤などを適宜投入することができる。
キレート剤の例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのアルカリ金属塩、グルコン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、クエン酸カリウム及びクエン酸ナトリウム、ニトロトリアセテート(NTA)塩、COOH及びOHの両方の官能性を含む多くの水溶性ポリマー類(高分子電解質)が挙げられる。
上記加熱温度としては、凝集体粒子に含まれるオレフィン系水酸基含有共重合体又は低分子可塑剤の融点以上であることが好ましい。また、加熱温度の上限は、オレフィン系水酸基含有共重合体又は低分子可塑剤が熱分解する程度の温度が挙げられる。
加熱融合の時間は、加熱温度が高ければ短い時間で足り、加熱温度が低ければ長い時間が必要である。すなわち、加熱融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には10分〜10時間程度である。
<冷却工程>
冷却工程では、融合工程で得られた樹脂粒子を含む水系媒体の温度を、オレフィン系水酸基含有共重合体の結晶化温度より低い温度まで冷却するとよい。
結晶化温度より低い温度まで冷却することで、粗大粒子の発生を防止することができる。具体的な冷却速度は0.1〜50℃/分である。
また、冷却中又は冷却後にオレフィン系水酸基含有共重合体の結晶化速度が速い温度に保持し、結晶化を促進させるアニーリングを行うことが好ましい。30〜70℃の温度で保持することで結晶化が促進される。その結果、トナーの耐ブロッキング性がより向上する。
<洗浄工程>
上記工程を経て作製された樹脂粒子を、洗浄及びろ過を繰り返すことにより、樹脂粒子中の不純物を除去することができる。
具体的には、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)及びそのNa塩などのキレート剤を含有した水溶液を用いて樹脂粒子を洗浄し、さらに純水で洗浄することが好ましい。
純水での洗浄とろ過を複数回繰り返すことにより、樹脂粒子中の金属塩や界面活性剤などを除くことができる。ろ過の回数は3〜20回が製造効率の点から好ましく、3〜10回がより好ましい。
<乾燥工程>
洗浄された樹脂粒子の乾燥を行い、トナー粒子を得るとよい。
該トナー粒子はそのままトナーとしてもよい。また、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂微粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加して、トナーとしてもよい。なお、該無機微粒子や樹脂微粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤などの外添剤として機能する。
以下、本発明を実施例と比較例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明の態様はこれらに限定されない。なお、実施例及び比較例の部数及び%は特に断りが無い場合、すべて質量基準である。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Aの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体A(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:15質量%、酸価:0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、軟化点(Tm):128℃、融点:86℃、破断伸度:700%)100部を、トルエン500mLとエタノール500mLの混合溶媒中に90℃で溶解させた。
続いて、水酸化ナトリウム10部を添加し、6時間リフラックスを行った。その後、エタノールで洗浄することでEVOH−A(エチレン−ポバール共重合体;すなわち、オレフィン系水酸基含有共重合体)を得た。得られた共重合体の物性を表1に示す。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Bの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体B(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:28質量%、酸価:0mgKOH/g、Tm:115℃、融点:69℃、破断伸度:800%)を使用した以外はEVOH−Aの製造例と同様にEVOH−Bを製造した。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Cの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体C(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:15質量%、酸価:0mgKOH/g、Tm:98℃、融点:81℃、破断伸度:500%)を使用した以外はEVOH−Aの製造例と同様にEVOH−Cを製造した。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Dの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体D(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:15質量%、酸価:0mgKOH/g、Tm:155℃、融点:89℃、破断伸度:800%)を使用した以外はEVOH−Aの製造例と同様にEVOH−Dを製造した。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Eの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体E(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:5質量%、酸価:0mgKOH/g、Tm:140℃、融点:105℃、破断伸度:700%)を使用した以外はEVOH−Aの製造例と同様にEVOH−Eを製造した。
<オレフィン系水酸基含有共重合体;EVOH−Fの製造例>
エチレン−酢酸ビニル共重合体Aの代わりにエチレン−酢酸ビニル共重合体F(酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:3質量%、酸価:0mgKOH/g、Tm:138℃、融点:110℃、破断伸度:800%)を使用した以外はEVOH−Aの製造例と同様にEVOH−Fを製造した。
<樹脂微粒子1分散液の製造例>
・トルエン(和光純薬製) 300部
・EVOH−A 100部
・オレフィン系酸基含有共重合体 25部
(エチレン−メタクリル酸共重合体、軟化点:120℃、メルトフローレート:60g/10分、融点:90℃、酸価:90mgKOH/g)
以上の処方を混合し、90℃で溶解させた。
別途、イオン交換水700部にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.7部、ラウリン酸ナトリウム1.5部、及びN,N−ジメチルアミノエタノール0.8部を加え90℃で加熱溶解させた。
次いで、上記のトルエン溶液と水溶液を混ぜ合わせ、超高速攪拌装置T.K.ロボミックス((株)プライミクス製)を用いて7000rpmで攪拌した。
さらに、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)用いて200MPaの圧力で乳化した。
その後、エバポレーターを用いて、トルエンを除去し、イオン交換水で濃度調整を行い樹脂微粒子1の濃度20%の水系分散液(樹脂微粒子1分散液)を得た。
該樹脂微粒子1の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.50μmであった。
<樹脂微粒子2分散液の製造例>
EVOH−AをEVOH−Bに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子2分散液を得た。得られた樹脂微粒子2の体積基準のメジアン径は、0.45μmであった。
<樹脂微粒子3分散液の製造例>
EVOH−AをEVOH−Cに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子3分散液を得た。得られた樹脂微粒子3の体積基準のメジアン径は、0.59μmであった。
<樹脂微粒子4分散液の製造例>
EVOH−AをEVOH−Dに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子4分散液を得た。得られた樹脂微粒子4の体積基準のメジアン径は、0.52μmであった。
<樹脂微粒子5分散液の製造例>
EVOH−AをEVOH−Eに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子5分散液を得た。得られた樹脂微粒子5の体積基準のメジアン径は、0.55μmであった。
<樹脂微粒子6分散液の製造例>
EVOH−AをEVOH−Fに変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子6分散液を得た。得られた樹脂微粒子6の体積基準のメジアン径は、0.59μmであった。
<樹脂微粒子7分散液の製造例>
オレフィン系酸基含有共重合体、及び、N,N−ジメチルアミノエタノールを使用しないこと以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子7分散液を得た。得られた樹脂微粒子7の体積基準のメジアン径は、1.05μmであった。
<樹脂微粒子8分散液の製造例>
EVOH−Aを市販のエチレンポバール樹脂「EVOH−G」(日本合成化学製:ソアノールA4412、モノマーユニットY2の含有量:67.0質量%、融点164℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子8分散液を得た。得られた樹脂微粒子8の体積基準のメジアン径は、1.33μmであった。
<樹脂微粒子9分散液の製造例>
EVOH−Aを市販のエチレンポバール樹脂「EVOH−H」(日本合成化学製:ソアノールDC3212、モノマーユニットY2の含有量77.0質量%、融点183℃)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子9分散液を得た。得られた樹脂微粒子9の体積基準のメジアン径は、1.50μmであった。
<樹脂微粒子10分散液の製造例>
EVOH−Aをエチレン−酢酸ビニル共重合体(「EVA−A」;酢酸ビニルに由来するモノマーユニットの含有量:15質量%、酸価:0mgKOH/g、重量平均分子量:110000、軟化点(Tm):128℃、融点:86℃、破断伸度:700%)に変更した以外は樹脂微粒子1分散液の製造例と同様にして、樹脂微粒子10分散液を得た。得られた樹脂微粒子10の体積基準のメジアン径は、5.50μmであった。
<着色剤微粒子分散液の製造例>
・着色剤 10.0部
(シアン顔料 大日精化製:Pigment Blue 15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.5部
・イオン交換水 88.5部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、着色剤を分散させてなる着色剤微粒子の濃度10%の水系分散液(着色剤微粒子分散液)を調製した。得られた着色剤微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<脂肪族炭化水素微粒子分散液の製造例>
・脂肪族炭化水素 20.0部
(HNP−51、融点78℃、日本精蝋製)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0部
・イオン交換水 79.0部
以上を攪拌装置付きの混合容器に投入した後、90℃に加熱し、クレアミックスWモーション(エム・テクニック製)へ循環させて分散処理を60分間行った。
分散処理の条件は、以下のようにした。
・ローター外径3cm
・クリアランス0.3mm
・ローター回転数19000r/min
・スクリーン回転数19000r/min
分散処理後、ローター回転数1000r/min、スクリーン回転数0r/min、冷却速度10℃/minの冷却処理条件にて40℃まで冷却することで、脂肪族炭化水素微粒子の濃度20%の水系分散液(脂肪族炭化水素微粒子分散液)を得た。該脂肪族炭化水素微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.15μmであった。
<脂肪族アルコール微粒子分散液の製造例>
脂肪族炭化水素の代わりに脂肪族アルコール(ドコサノール、融点68℃、東京化成製)を使用した以外は、脂肪族炭化水素微粒子分散液の製造例と同様にして脂肪族アルコール微粒子分散液を得た。得られた脂肪族アルコール微粒子の体積基準のメジアン径は動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定し、0.20μmであった。
<シリコーンオイル乳化液の製造例>
・シリコーンオイル 20.0部
(ジメチルシリコーンオイル 信越化学製:KF96−50CS)
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬製:ネオゲンRK) 1.0部
・イオン交換水 79.0部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機ナノマイザー(吉田機械興業製)を用いて約1時間分散して、シリコーンオイルを分散させてなるシリコーンオイルの濃度20%の水系分散液(シリコーンオイル乳化液)を調製した。得られたシリコーンオイル乳化液中のシリコーンオイル粒子の体積基準のメジアン径を動的光散乱式粒度分布径(ナノトラック:日機装製)を用いて測定したところ、0.09μmであった。
<トナー1の製造例>
・樹脂微粒子1分散液 500部
・着色剤微粒子分散液 80部
・脂肪族炭化水素微粒子分散液 150部
・シリコーンオイル乳化液 50部
・イオン交換水 160部
上記の各材料を丸型ステンレス製フラスコに投入、混合した後、10%硫酸マグネシウム水溶液60部を添加した。続いてホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて5000r/minで10分間分散した。
その後、加熱用ウォーターバス中で撹拌翼を用いて、混合液が撹拌されるような回転数を適宜調節しながらで73℃まで加熱した。
73℃で20分間保持した後、形成された凝集体粒子の体積基準のメジアン径が約6.0μmであることが確認した。
上記凝集体粒子を含む分散液に、5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液330部を追加した後、攪拌を継続しながら、98℃まで加熱した。そして、98℃で1時間保持することで凝集体粒子を融合させた。
その後、50℃まで冷却し3時間保持することでEVOH−Aの結晶化を促進させた。その後、25℃まで冷却し、ろ過及び固液分離した後、ろ物を0.5%エチレンジアミン4酢酸ナトリム水溶液で洗浄し、さらにイオン交換水で洗浄を行った。
洗浄終了後に真空乾燥機を用いて乾燥することで、体積基準のメジアン径が5.4μmのトナー粒子1を得た。
100部のトナー粒子1に対して、一次粒子の個数平均粒径が10nmの疎水化処理されたシリカ微粒子1.5部、及び、1次粒子の個数平均粒径が100nmの疎水化処理されたシリカ微粒子2.5部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山製)で乾式混合して、体積基準のメジアン径が5.4μmのトナー1を得た。得られたトナー1の構成条件を表2に示す。
<トナー2〜7の製造例>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子2〜7とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2〜7を得た。得られたトナー2〜7の体積基準のメジアン径及びトナーの構成条件を表2に示す。
<トナー8の製造例>
脂肪族炭化水素微粒子分散液を脂肪族アルコール微粒子分散液とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー8を得た。得られたトナー8の体積基準のメジアン径及びトナーの構成条件を表2に示す。
<トナー9の製造例>
脂肪族炭化水素微粒子分散液を使用しない以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー9を得た。得られたトナー9の体積基準のメジアン径及びトナーの構成条件を表2に示す。
<トナー10の製造例>
シリコーンオイル乳化液を使用しない以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー10を得た。得られたトナー10の体積基準のメジアン径及びトナーの構成条件を表2に示す。
<比較トナー1〜3の製造例>
樹脂微粒子1を樹脂微粒子8〜10とした以外は、トナー1の製造例と同様にして、比較トナー1〜3を得た。得られた比較トナー1〜3の体積基準のメジアン径及びトナーの構成条件を表2に示す。
<実施例1〜10及び比較例1〜3>
トナー1〜10及び比較トナー1〜3を用いて、下記の評価試験を行った。評価結果を表3に示す。
<低温定着性の評価>
トナーと、シリコーン樹脂で表面コートしたフェライトキャリア(平均粒径42μm)とを、トナー濃度が8質量%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。
市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m)上に未定着のトナー画像(0.75mg/cm)を形成した。
市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着のトナー画像の定着試験を行った。
室温15℃、湿度10%RHの環境下で、プロセススピードを357mm/秒に設定し、上記未定着のトナー画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:140℃以下の温度で定着が可能
B:140℃より高く、150℃以下の温度で定着が可能
C:150℃より高い温度で定着が可能、又は定着可能な温度領域がない
<耐ホットオフセット性の評価>
「低温定着性の評価」で調製した二成分現像剤を使用した。
評価には市販のフルカラーデジタル複写機(CLC1100、キヤノン社製)を使用し、受像紙(64g/m)上に未定着のトナー画像(0.1mg/cm)を形成した。
市販のフルカラーデジタル複写機(imageRUNNER ADVANCE C5051、キヤノン製)から取り外した定着ユニットを定着温度が調節できるように改造し、これを用いて未定着のトナー画像の定着試験を行った。
室温23℃、湿度5%RH環境下で、プロセススピードを357mm/秒に設定し、上記未定着のトナー画像を定着させたときの様子を目視にて評価した。
A:160℃より高い温度でホットオフセットが発生、又はホットオフセットが200℃まで発生せず
B:140℃より高く、160℃以下の温度でホットオフセットが発生
C:130℃より高く、140℃以下の温度でホットオフセットが発生
D:130℃以下の温度でホットオフセットが発生
<帯電保持性の評価>
トナー0.01gをアルミニウム製パンに計量し、ストロコロン帯電装置を用いて−600Vに帯電させた。続いて、温度30℃、湿度80%RHの雰囲気下で表面電位計(トレックジャパン製 model347)を用いて表面電位の変化挙動を30分間測定した。
測定した結果より、電荷保持率を以下の式より算出した。該電荷保持率に基づき帯電保持性を評価した。
30分後の電荷保持率(%)=(30分後の表面電位/初期表面電位)×100
A:電荷保持率が90%以上
B:電荷保持率が50%以上90%未満
C:電荷保持率が50%未満
<高温保管性(耐ブロッキング性)の評価>
トナーを、温度50℃、湿度54%RHの恒温恒湿槽中で7日静置し、目視によりブロッキングの程度を評価した。
A:ブロッキングが発生しないか、ブロッキングが発生しても軽い振動により容易に分散する
B:ブロッキングが発生するが、振動し続けると分散する
C:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
Figure 2018054789
Figure 2018054789
Figure 2018054789

Claims (10)

  1. 樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、
    該オレフィン系水酸基含有共重合体が、
    下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
    下記式(2)で示されるモノマーユニットY2と
    を有し、
    該樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、
    該オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とするトナー。
    Figure 2018054789

    (前記式(1)及び(2)中、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示す。)
  2. 前記モノマーユニットY2の含有量が、前記オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量に対して、2.0質量%以上20.0質量%以下である、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記オレフィン系水酸基含有共重合体の全質量をWとし、
    前記式(1)で示されるモノマーユニットY1の質量をlとし、
    前記式(2)で示されるモノマーユニットY2の質量をmとしたときに、
    前記樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体における、(l+m)/Wの値が、0.80以上である、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記オレフィン系水酸基含有共重合体の軟化点が、100℃以上150℃以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記樹脂成分が、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
    該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. 前記トナー粒子は、融点が50℃以上100℃以下の、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール又は脂肪族カルボン酸を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子が、シリコーンオイルを含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。
  8. 樹脂成分を含有するトナー粒子を有するトナーの製造方法であって、
    該樹脂成分が、オレフィン系水酸基含有共重合体を含有し、
    該樹脂成分を生成する樹脂微粒子が水系媒体に分散された、樹脂微粒子分散液を調製する調製工程を含み、
    該オレフィン系水酸基含有共重合体が、
    下記式(1)で示されるモノマーユニットY1と、
    下記式(2)で示されるモノマーユニットY2と
    を有し、
    該樹脂成分に含まれる該オレフィン系水酸基含有共重合体の含有量が、該樹脂成分の全質量に対して、50質量%より多く、
    該オレフィン系水酸基含有共重合体の融点が、80℃以上150℃以下であることを特徴とするトナーの製造方法。
    Figure 2018054789

    (前記式(1)及び(2)中、RはH又はCHを示し、RはH又はCHを示す。)
  9. 前記樹脂成分が、オレフィン系酸基含有共重合体を含有し、
    該オレフィン系酸基含有共重合体の酸価が、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下である、請求項8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記樹脂微粒子分散液を調製する調製工程の後に、
    該樹脂微粒子を凝集して凝集体粒子を形成する凝集工程、及び、
    該凝集体粒子を加熱して融合する融合工程をさらに有する、
    請求項8又は9に記載のトナーの製造方法。
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