JPH1026844A - トナー用樹脂組成物及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂組成物及びトナー

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JPH1026844A
JPH1026844A JP18207496A JP18207496A JPH1026844A JP H1026844 A JPH1026844 A JP H1026844A JP 18207496 A JP18207496 A JP 18207496A JP 18207496 A JP18207496 A JP 18207496A JP H1026844 A JPH1026844 A JP H1026844A
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JP
Japan
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toner
copolymer
olefin polymer
polymer
resin composition
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JP18207496A
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Toshiharu Furukawa
敏治 古川
Takashi Kamiyama
隆司 上山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オフセット性、貯蔵安定性、画質性に優れ
たトナー用樹脂組成物及びそれを用いて得られるトナー
を提供する。 【解決手段】 融点80℃以上のオレフィン系重合体を
酸化分解することにより得られる酸価3以上の酸化オレ
フィン系重合体と、該酸化オレフィン系重合体と化学結
合する官能基を有するビニル系共重合体とからなり、上
記酸化オレフィン系重合体の一部がビニル系共重合体と
化学結合していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真などに使
用するトナー用樹脂組成物及びそれを使用したトナーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真などに於いて、静電荷像を現像
する方式として、乾式現像方式が多用されている。乾式
現像方式に於いては、通常、トナーがキャリアーと呼ば
れる鉄粉又はガラスビーズ等との摩擦によって帯電させ
られ、これが感光体の上にできた静電潜像に電気的に吸
引されて付着し、これが用紙に転写され、熱ロールで定
着されて、永久可視像となる。定着の方法としては、表
面がトナーに対して離型性がある材料で作製した加熱ロ
ールの表面に、トナー画像を転写したシート(紙)を圧
着させながら通過させる加熱ロール法が多用されてい
る。
【0003】加熱ロール法の経済性を向上させるため
に、消費電力の低減、複写速度の向上を図る目的で、低
温で定着できるトナー用樹脂が要望されているが、熱ロ
ール表面とトナーとが溶融状態で圧着される為、トナー
の一部が、定着ロールの表面に付着し、それが紙に再転
写する“所謂”オフセット現象が起こり易い。
【0004】オフセット現象の対策としては、定着ロー
ル表面に、シリコンオイルなどを塗布する方法がある
が、常時、シリコンオイルを消費するばかりか、複写装
置が複雑になる。
【0005】それ故に、耐オフセット性の優れたトナー
用樹脂が要望され、従来より、トナーの中に、離型剤と
して、種々のワックスを含有させることが提案され、例
えば、特開昭57−52574号公報には、トナーの中
に、離型剤として、低分子量ポリエチレンを含有させる
ことが開示されている。しかし、耐オフセット性を向上
させる為に、低分子量ポリエチレンなどのワックスの添
加量を多くすると、分散性が悪くなり、トナーの貯蔵安
定性と流動性を低下させ、複写画像の画質を劣悪化させ
る場合が多かった。
【0006】又、特開昭63−46414号公報に於い
ては、トナーの中に、離型剤として、例えば、エチレン
−酢酸ビニル共重合体とビニル単量体とからなるグラフ
ト共重合体を含有させることが開示されている。しか
し、上記の様なグラフト共重合体は、ワックスの分散性
には寄与するが、飽和系重合体にビニル単量体を効率的
に制御してグラフト反応させることが難しく、時には、
充分なグラフト率が得られない為、ワックスの分散を不
十分とさせてしまう欠陥があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述のよう
な欠陥を解消するために、耐オフセット性、貯蔵安定
性、画質性に優れたトナー用樹脂組成物及びそれを用い
て得られるトナーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1に記載の
発明(以下、第1発明という)のトナー用樹脂組成物
は、融点80℃以上のオレフィン系重合体を酸化分解す
ることにより得られる酸価3以上の酸化オレフィン系重
合体と、該酸化オレフィン系重合体と化学結合する官能
基を有するビニル系共重合体とからなり、上記酸化オレ
フィン系重合体の一部がビニル系共重合体と化学結合し
ていることを特徴とする。
【0009】本願の請求項2に記載の発明(以下、第2
発明という)のトナーは、請求項1記載のトナー用樹脂
組成物が使用されていることを特徴とする。
【0010】第1発明に使用するオレフィン系重合体と
は、オレフィン単独重合体、又は、オレフィンを50重
量%以上を含有する共重合体を意味し、例えば、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−ブテン共
重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、エチレン−メチル(メタ)ア
クリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリ
レート共重合体、エチレン−ブチル(メタ)アクリレー
ト共重合体、ポリメチルペンテンなどが挙げられ、これ
らの少なくとも一種が使用される。
【0011】第1発明に使用される酸化オレフィン系重
合体は、融点が80℃以上のオレフィン系重合体を酸化
分解して、分子中にカルボキシル基、水酸基、カルボニ
ル基を導入して、酸価を3以上にする必要がある。酸価
の測定は、ASTM D 1386−83に準じて行わ
れ、酸価は酸化オレフィン系重合体に含まれるカルボキ
シル基の含有量に比例し、酸価が3未満の場合は、後述
するビニル系共重合体の官能基との化学結合性が低下
し、第1発明のトナー用樹脂組成物の分散性を悪くす
る。
【0012】酸化オレフィン系重合体の溶融特性は、示
差走査熱量測定(以下、DSCという)装置(理学電気
社製、Thermoflex、DSC−8230)を用
いて、DSC曲線を作成して行われる。即ち、酸化前と
酸化後のオレフィン系重合体について、10℃/分の昇
温速度(2.5mcal/sec)で加熱し、縦軸をc
al/秒、横軸を温度にして、それぞれのDSC曲線を
作成し、両者の吸熱・発熱曲線を比較して判定される。
【0013】図1は、酸化前のオレフィン系重合体のD
SC曲線1と酸化後のオレフィン系重合体のDSC曲線
2の模式図である。酸化前のオレフィン系重合体のDS
C曲線1は、高温側に山が1つで、山のピークの温度は
オレフィン系重合体の融点Tm2に相当する。酸化後のオ
レフィン系重合体のDSC曲線2は、高温側と低温側に
山があり、高温側の山のピークはDSC曲線1の融点T
m2と一致する。従って、DSC曲線2に於いて、低温側
に新たに現れた吸熱曲線の山のピークに相当する部分の
温度は、オレフィン系重合体が酸化分解して生成した樹
脂の融点Tm1を示し、この山の面積S1 は生成された樹
脂を溶融させるに必要な熱量の相対値を示している。
又、酸化分解の前から存在する高温側の山のピークに相
当する部分の温度は、まだ酸化分解されていないオレフ
ィン系重合体の融点Tm2を示し、この山の面積S2 は、
酸化分解されていない樹脂を溶融させるに必要な熱量の
相対値を示している。
【0014】第1発明に言う融点とは、DSC曲線の高
温側の山のピーク値の温度を示し、複数個ある場合は、
その中で最も低温側の山のピーク値の温度を意味する。
第1発明に使用する酸化オレフィン系重合体の酸化前の
融点は、80℃以上であることが必要で、80℃未満の
場合は、これを用いて得られるトナー用樹脂組成物の耐
オフセット性が不十分となる。
【0015】S1 、S2 の面積の算出方法は、図1のD
SC曲線2に示される様に、吸熱曲線の山の裾の平坦部
分と他方の山の裾の平坦部分を結んだ略横軸と平行な直
線(以後、ベースラインと呼ぶ)で囲まれる面積をもっ
て表され、吸熱曲線が重複する場合は、谷の部分の点か
ら横軸に対し垂直に線を引き、ベースラインに交わる点
で終結させ、各々囲まれた面積がS1 、S2 となる。面
積の数値は、チャート紙に記録されたDSC曲線に、上
記の手法で作図し、S1 、S2 に相当する面積を、それ
ぞれ、デジタルプラニメーター(内田洋行社製、KP−
92N)を使用して算出される。
【0016】DSC曲線2の山の面積比S1 /S2 は、
オレフィン系重合体を酸化分解して得られる酸化オレフ
ィン系重合体の低融点樹脂分の溶融熱量と高融点樹脂分
の溶融熱量との比であって、溶融特性を特定する数値と
なっている。
【0017】第1発明に使用される酸化オレフィン系重
合体は、S1 /S2 比が、9≧S1/S2 ≧3/7の範
囲にあることが好ましい。この範囲にある酸化オレフィ
ン系重合体を用いて得られるトナー用樹脂組成物は、耐
オフセット性、貯蔵安定性、画質が優れ、S1 /S2
が9を超えると、トナー用樹脂組成物の良好な分散性が
得られず、3/7未満の場合は、十分な耐オフセット性
が得られない。
【0018】酸化オレフィン系重合体と化学結合する官
能基を有するビニル系共重合体の製造方法は、いかなる
手段が取られても構わないが、酸化オレフィン系重合体
と化学結合する官能基を有するビニル系モノマーと通常
のビニル系モノマーとの共重合体を製造することが好ま
しい。
【0019】酸化オレフィン系重合体と化学結合する官
能基を有するビニル系モノマーとは、水酸基、カルボキ
シル基、カルボニル基などと化学結合を形成する官能基
を有するビニル系モノマーであればよく、例えば、(メ
タ)アクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸など
のカルボキシル基を含有するビニルモノマー、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキブチル等の水酸基含有ビニルモノマー、グリシジル
(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニルモノ
マー、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、アク
リルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、
ビニルイソシアネート類、ビニルオキサゾリン類等が挙
げられ、これらの少なくとも一種が使用される。
【0020】上記の官能基を有するビニルモノマーと共
重合させる通常のビニルモノマーとしては、特に、限定
されるものではないが、スチレン系モノマー、(メタ)
アクリル酸エステル系モノマー、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ビニルエーテルなどが挙げられ、これらの少なくと
も一種が使用されるが、これらの中で、スチレン系モノ
マー、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーが好適に
使用される。
【0021】スチレン系モノマーとしては、例えば、ス
チレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p
−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルス
チレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルス
チレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルス
チレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ドデシル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4ジクロルスチレン等の
スチレン系モノマーなどが挙げられる。
【0022】又、(メタ)アクリル酸エステル系モノマ
ーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イ
ソブチル、アルキルn−オクチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸2
−クロルエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、α−ク
ロルアクリル酸メチルなどが挙げられる。
【0023】ビニル系共重合体の開始剤としては、特
に、限定されるものではなく、通常のラジカル開始剤が
使用され、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリ
ルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイ
ド、過硫酸ナトリルム、過硫酸アンモニウムなどが挙げ
られ、これらの少なくとも一種が使用される。
【0024】酸化オレフィン系重合体と化学結合ができ
るビニル系重合体の重合方法は、特に限定されるもので
はなく、通常のラジカル重合によって成就され、塊状重
合、乳化重合、懸濁重合、溶液重合の方法がとられ、い
ずれを採用しても構わない。
【0025】得られた共重合体は、酸化オレフィン系重
合体と通常の有機化学反応によって結合させられ、主と
して、酸化オレフィン系重合体のカルボキシル基とビニ
ル系重合体の水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソシア
ネート基、又は、オキサゾリン基等の化学反応が利用さ
れる。上記の有機化学反応は、分散系でも可能である
が、反応を円滑、且つ、均一に推進させるためには、溶
液中で行うのが好ましい。
【0026】上記の反応系の固形組成物は、ビニル系共
重合体、酸化オレフィン系重合体、及び、酸化オレフィ
ン系重合体の一部がビニル系共重合体に化学結合したグ
ラフト・ブロック共重合体状の樹脂(以下、結合樹脂と
呼ぶ)から構成されており、該組成物中の酸化オレフィ
ン系重合体成分の占める割合は、結合樹脂を含めて、3
〜15重量%が好ましい。3重量%未満の場合は、トナ
ー用樹脂組成物の耐オフセット性に良好な効果が得られ
ず、15重量%を超えると、酸化オレフィン系重合体の
トナー中の分散性が悪くなる。
【0027】第1発明のトナー用樹脂組成物は、上記の
ビニル系共重合体、酸化オレフィン系重合体、両者の結
合樹脂の他に、塩化ビニル系共重合体、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、GPC重量平均分子
量3万〜30万の樹脂、脂肪族アミド、ビス脂肪族アミ
ド、金属石鹸、ワックス、熱安定剤等が、適宜、配合さ
れても構わない。
【0028】第2発明のトナーは、第1発明のトナー用
樹脂組成物に、着色剤、電荷制御剤、必要に応じて、磁
性粉体などが分散混合され、溶融・混練・粉砕されて製
造される。
【0029】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、アニリンブラック、フタロシアニンブルー、キノリ
ンイエロー、ランプブラック、ローダミン−B、キナク
リドンなどが挙げられ、通常、樹脂組成物に対して、1
〜10重量%が添加される。
【0030】電荷制御剤としては、正帯電用と負帯電用
とがある。正帯電用としては、ニグロシン染料、アンモ
ニウム塩、ピリジニウム塩、アジンなどが挙げられ、負
帯電用としては、クロム錯体、鉄錯体などが挙げられ
る。電荷制御剤の添加量は、樹脂組成物に対して、通
常、0.1〜10重量%である。
【0031】(作用)本発明のトナー用樹脂組成物の原
料成分として、オレフィン系重合体を、融点80℃以上
に選択して、これを所定の程度に酸化分解することによ
り、酸化前の80℃以上の融点を有する高温溶融成分
と、酸化後に生成した低温溶融性、接着性の低分子量成
分との両者を含有した酸化オレフィン系重合体が得られ
る。
【0032】更に、上記の様にして作製された酸化オレ
フィン系重合体に、ビニル系共重合体を化学結合させ
て、結合樹脂を合成して、ビニル系共重合体、酸化オレ
フィン系重合体、及び、前記結合樹脂とからなる第1発
明のトナー用樹脂組成物にしてあるから、この結合樹脂
が主成分のビニル系共重合体とワックス状の酸化オレフ
ィン系重合体とを良好に相溶・分散させる役目を果た
し、非オフセット性、高速複写性に優れたトナー用樹脂
組成物にしている。
【0033】第2発明は、上記のトナー用樹脂組成物を
原料としたトナーであるため、低温接着性、非オフセッ
ト性が共に優れているので、高速複写ができる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明を、更に明確にする為に、
実施例、比較例を挙げて説明する。実施例1 1)トナー用樹脂組成物の製造 スチレン20重量部とアクリル酸n−ブチル5重量部と
を重合して、分子量分布の極大値の分子量が60000
0の共重合体を作製した。攪拌機、分液ロート、還流冷
却器、窒素ガス供給孔付きのフラスコに、上記の共重合
体25重量部、表1に示された物性の酸化エチレン系オ
レフィン重合体(A)5重量部及びキシレン100重量
部とを、投入し攪拌して3者を溶解した。
【0035】フラスコ内の空気を窒素ガスで置換して、
キシレンの沸点まで加熱し、還流・攪拌させながら、ス
チレン66重量部、アクリル酸n−ブチル8重量部、グ
リシジルメタアクリレート1重量部、過酸化ベンゾイル
(ラジカル開始剤)3.4重量部との混合液を3時間か
けて滴下して、共存溶液共重合を行い、滴下終了後、更
に、1時間、キシレンを攪拌・還流させ、熟成を行い、
分子量の極大値が10000の低分子量重合体を作製し
た。しかる後に、フラスコ内の温度を180℃まで、徐
々に上昇させながら、減圧にして、キシレンを取り除い
て、本発明のトナー用樹脂組成物を得た。
【0036】2)トナーの製造 下記の配合割合で、混合物を作製し、150℃で溶融混
練後、ジェットミルで、粉砕して、平均粒径10μmの
粉体を得た。更に、疎水性シリカ(日本アエロジル社
製、商品名:R972)0.3重量部を添加して、本発
明のトナーを作製した。 トナーの配合 トナー用樹脂組成物(上記で製造した組成物) 100重量部 クロム含有染料(オリエント化学工業社製、商品名S−34) 1.5重量部 カーボンブラック(三菱化学社製、商品名MA−100) 6.5重量部
【0037】実施例2〜6 表1の物性のエチレン系オレフィン重合体(B)、
(C)、(D)、(E)、(F)を使用したこと以外
は、実施例1と同様にして、トナー用樹脂組成物及びト
ナーを作製した。
【0038】実施例7 エチレン系オレフィン重合体(A)11重量部を使用し
たこと以外は、実施例1と同様にして、トナー用樹脂組
成物及びトナーを作製した。
【0039】実施例8 エチレン系オレフィン重合体(A)15重量部を使用し
たこと以外は、実施例1と同様にして、トナー用樹脂組
成物及びトナーを作製した。
【0040】実施例9 過酸化ベンゾイルを2、2−アゾビスイソブチロニトリ
ルに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、トナ
ー用樹脂組成物及びトナーを作製した。
【0041】実施例10 グリシジルメタクリレートを2−ヒドロキシエチルメタ
クリレートに変更したこと以外は、実施例1と同様にし
て、トナー用樹脂組成物及びトナーを作製した。
【0042】比較例1〜5 表1に示されたエチレン系オレフィン重合体(G)、
(H)、(I)、(J)、(K)を使用したこと以外
は、実施例1と同様にして、トナー用樹脂組成物及びト
ナーを作製した。
【0043】比較例6 表1に示されたエチレン系オレフィン重合体(A)5重
量部を2重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様
にして、トナー用樹脂組成物及びトナーを作製した。
【0044】比較例7 表1に示されたエチレン系オレフィン重合体(A)5重
量部を25重量部に変更したこと以外は、実施例1と同
様にして、トナー用樹脂組成物及びトナーを作製した。
【0045】比較例8 表1の物性のエチレン系オレフィン重合体(A)を
(H)に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、
トナー用樹脂組成物及びトナーを作製した。
【0046】
【表1】
【0047】評価方法 1)定着性 電子写真複写機(三田工業社製、商品名:DC−565
5)を改造した装置を使用して、下記の様に、定着強度
試験を行った。実施例、比較例で得られた各トナー
(6.5重量部)を粒径約50〜80μmの鉄粉キャリ
アー(93.5重量部)と混合して、現像剤を作製し、
この現像剤を上記電子写真複写機に装填し、熱定着ロー
ルの表面温度を170℃に設定し、毎分10枚(A4
横)のスピードで、定着画像を形成させた。得られた定
着画像を反射濃度計(マクベス社製、RD−914)を
用いて、定着画像の画像濃度を測定した。同じ試料を用
い、定着画像を綿パットを用いて、所定強度で摩擦し、
摩擦後の定着画像の画像濃度を、同様に、測定して、両
者の画像濃度比から、下記の式に従って、定着強度を算
出した。 定着強度=(摩擦後の画像濃度/摩擦前の画像濃度)×
100
【0048】2)オフセット性 上記1)の電子写真複写機を用いて、未定着画像を転写
させた紙を複数枚作製し、これを熱定着ロールの温度を
段階的に変化させて通過させ、トナーの定着状態を観察
した。低温によるトナーの未溶融状態による定着不良と
高温によるトナーの定着ロールへの移行による定着不良
の両者が観察され、いずれも、複写された紙の余白部分
に於ける汚れの状態で判断できる。汚れが生じない温度
領域が、適性温度領域であり、これを非オフセット温度
領域とし、最大温度と最低温度の差を非オフセット温度
幅とした。
【0049】3)貯蔵安定性 実施例、比較例によって得られた各種トナー20gを、
それぞれ、150ccのボトルに充填し、55℃の恒温
槽の中に、48時間、放置した後、トナーの凝集状態を
目視により、5段階の基準で評価した。評価基準は、
1:優秀、2:良好、3:問題なし、4:悪い、5:ブ
ロッキングである。
【0050】4)画質 1)で作製した現像剤を用いて、全面黒色の未定着画像
を複数作製し、しかる後に、熱定着ロールの表面温度を
170℃に設定して、未定着画像を転写させた紙の定着
を行った。定着画像の良否は、目視にて行い、1枚、5
千枚、1万枚後の定着画像を以て評価した。○は良好、
×は色斑ありを示す。
【0051】上記の評価方法による結果を、実施例に就
いては、表2に、比較例に就いては、表3に纏めて示
す。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】第1発明のトナー用樹脂組成物は、上述
の様に、構成されているので、トナー用樹脂組成物とし
て優れ、これを用いて得られる第2発明のトナーは、定
着性、、耐オフセット性、貯蔵安定性、画質に優れ、高
速複写に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】オレフィン系樹脂の酸化前後のDSC曲線の一
例を示す模式図である。
【符号の説明】 1 酸化前のオレフィン系重合体のDSC曲線 2 酸化後のオレフィン系重合体(酸化オレフィン系
重合体)のDSC曲線 3 ベースライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点80℃以上のオレフィン系重合体を
    酸化分解することにより得られる酸価3以上の酸化オレ
    フィン系重合体と、該酸化オレフィン系重合体と化学結
    合する官能基を有するビニル系共重合体とからなり、上
    記酸化オレフィン系重合体の一部がビニル系共重合体と
    化学結合していることを特徴とするトナー用樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトナー用樹脂組成物が使
    用されていることを特徴とするトナー。
JP18207496A 1996-07-11 1996-07-11 トナー用樹脂組成物及びトナー Withdrawn JPH1026844A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001100461A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Sekisui Chem Co Ltd トナー用樹脂、トナー及びトナーの製造方法
JP2001100460A (ja) * 1999-09-28 2001-04-13 Sekisui Chem Co Ltd カラートナー用樹脂、カラートナー及びカラートナーの製造方法
JP2008026886A (ja) * 2006-06-20 2008-02-07 Sanyo Chem Ind Ltd 電子写真用トナーバインダーおよびトナー
JP2018054789A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 キヤノン株式会社 トナー及びトナーの製造方法

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