JPH07239573A - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JPH07239573A
JPH07239573A JP6030484A JP3048494A JPH07239573A JP H07239573 A JPH07239573 A JP H07239573A JP 6030484 A JP6030484 A JP 6030484A JP 3048494 A JP3048494 A JP 3048494A JP H07239573 A JPH07239573 A JP H07239573A
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JP
Japan
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toner
molecular weight
silane coupling
coupling agent
vinyl
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JP6030484A
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Koji Nakayama
幸治 中山
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速での定着あるいは低温、低圧で定着され
た場合の定着性、定着ローラーへの耐オフセット性、耐
ブロッキング性の良好な電子写真用トナーを提供するこ
とを目的とする。 【構成】 ビニルモノマーと、不飽和二重結合およびア
ルコキシシリル基を有するシランカップリング剤とが共
重合されたビニル系樹脂を結着樹脂として含有すること
を特徴とする電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関す
る。
【0002】
【従来の技術】複写機の複写スピードの高速化にともな
う定着時間の短縮、消費電力削減の要求に伴う定着ロー
ラー温度の低減などから、より高速で定着可能にする、
あるいはより低温で定着可能にするため、従来より熱ロ
ール定着方式に使用されるトナーの定着性を向上させる
ための試みがなされてきた。この目的を達成するために
は、結着樹脂の低分子量化、低ガラス転移点(Tg)化
等でトナーの軟化点を下げることで従来は対応してき
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、結着樹
脂を低分子量化すると軟化点を低下させはするが、同時
に溶融粘度が低下してしまい、シリコンオイルを多量に
塗布しない定着ローラーでは定着ローラーへのオフセッ
ト現象が発生するといった新たな問題が生じた。これを
防止するためには、溶融粘度の高い高分子量の重合体を
混合させ、オフセットが発生しない程度に溶融粘度を保
つ方法が採用されていた。または、シリコンオイルやワ
ックスを混合させ、低溶融粘度化と離型性を保つ方法が
とられていた。しかしながら、上記重合体と結着樹脂と
を単なるブレンドしただけでは、結着樹脂中のブレンド
物の分散状態が不均一となり、十分なトナー特性が得ら
れなかった。したがって、耐オフセット性を維持しなが
ら定着性を向上させることは困難であった。また、極端
な低Tg化はトナーのブロッキング性能を悪化させ、夏
場の高温時などでは、保管中にトナー同士が融着してし
まうといった問題があった。
【0004】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、高速での定着性、あるいは低温・低圧での定着
性、定着ローラーへの耐オフセット性に優れ、さらに良
好な耐ブロッキング性を有する電子写真用トナーを提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電子写真用トナ
ーは、ビニルモノマーと、不飽和二重結合およびアルコ
キシシリル基を有するシランカップリング剤とが共重合
したビニル系樹脂を結着樹脂として含有させることによ
り、上記目的を達成した。
【0006】さきに説明したように、低分子量体と高分
子量体とを混合させた結着樹脂では充分な定着性が得ら
れず、また、シリコンオイルやワックスと結着樹脂とを
単なるブレンドしただけでは充分なトナー特性が得られ
なかった。しかしながら、本発明者が鋭意研究を重ねた
結果、ビニル系樹脂の共重合成分として、アルコキシシ
リル基と不飽和二重結合とを有するシランカップリング
剤を用いることにより、上記問題を解決できることが判
った。具体的には、上記シランカップリング剤と主成分
であるビニルモノマーとを共重合させて共重合体を得、
それをトナーに含有させればよい。なお、本発明のトナ
ーを構成する結着樹脂には、前記ビニル系樹脂以外に、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の他の樹脂をブレン
ドさせた樹脂を用いてもよい。
【0007】以下、本発明の電子写真用トナーの成分に
ついて説明をする。本発明の電子写真用トナーは、ビニ
ル系樹脂を含有する結着樹脂、およびその他の添加剤か
ら構成されている。上記ビニル系樹脂をなすビニルモノ
マーとしてはスチレン、α−メチルスチレン、およびク
ロルスチレン等のスチレン系モノマーが好ましい。ま
た、トナーの帯電特性等を考慮すると、スチレン−(メ
タ)アクリル酸エステル系モノマーが好ましい。上記
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸オクチル、およびアクリル酸アル
キルエステル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸グリシジル、およびメタ
クリル酸アルキルエステル等のメタクリル酸エステル類
等が挙げられる。しかしながら、その他の共重合成分と
して、例えば、アクリロニトリル、マレイン酸、マレイ
ン酸エステル、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチ
ル、塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニル
メチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー
テル等のビニル系のモノマーを得られたビニル共重合体
に含有させることもできる。この場合、共重合体に対す
る上記モノマーの添加量は、共重合体100重量%に対
して30重量%以下の割合が好ましい。
【0008】上記シランカップリング剤は、アルコキシ
シリル基と不飽和二重結合とを有する。その主なものと
して、下記構造を有する化合物を例示できる。
【0009】 (CH3O)3 Si−CH=CH2 …………………………… (1) (CH3O)3 Si−(CH24 −CH=CH2 ………………… (2) (CH3O)3 Si−(CH28 −CH=CH2 ………………… (3) (CH3O)3 Si−(CH23 O−CH=CH2 ……………… (4) (CH3O)3 Si−Ph−CH=CH2 ………………………… (6)
【0010】これらシランカップリング剤のアルコキシ
シリル基は湿気架橋性を有しているため、室温で硬化す
る。またその時、架橋によりシロキサン結合が生成され
るため、シリコン樹脂特有の離型効果が得られる。これ
らにより優れた定着オフセットおよび感光体からの転写
性を得ることができる。さらに、アルコキシシリル基が
存在すると、トナー表面が硬化するために、トナーのT
gが低くてもブロッキング性が良好となる。より表面の
硬化を促進させる必要がある場合には、トナー表面にジ
ブチル錫ジラウレートを添加すればよい。ジブチル錫ジ
ラウレートの添加量は結着樹脂100重量部に対し0.
1〜2重量部程度が好ましい。添加量が0.1重量部よ
り少ないと所望の効果が得られず、2重量部より多いと
トナーの流動性が悪化するため好ましくない。
【0011】ビニル系樹脂中のシランカップリング剤の
含有量は自由に調整可能であるが、含有量が少ないと充
分な硬化性が得られず、多すぎると硬化が進み過ぎて定
着性に悪影響を及ぼすため好ましくない。したがって、
そのトナーの設計に合わせた最少量を含有させることが
好ましい。シランカップリング剤の効果を充分発揮させ
るためには、ビニル系樹脂をなすビニルモノマー1モル
に対して、シランカップリング剤を0.01モル%〜
0.1モル%の範囲で添加することが好ましい。0.0
1モル%より少ないと、目的とする効果が得られず、
0.1モル%より多く添加すると硬化が進み過ぎ、その
結果定着性が悪くなるので好ましくない。
【0012】その他の添加物としては、着色剤、電荷制
御剤、ワックス等が挙げられる。着色剤としては、カー
ボンブラック,モノアゾ系赤色顔料,ジスアゾ系黄色顔
料,キナクリドン系マゼンタ顔料,アントラキノン染料
等が挙げられ、電荷制御剤としては、ニグロシン系染
料,第4級アンモニウム塩,モノアゾ系の金属錯塩染料
等が挙げられる。また、ワックスとしては、カルナウバ
ワックス、ライスワックス、みつろう、モンタンワック
ス、パラフィンワックス等を例示することができる。そ
の他、必要に応じて、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン類、疎水性シリカやコロイダルシリカ等の流動化剤を
添加することができる。
【0013】本発明の電子写真用トナーは次のようにし
て製造することができる。すなわち、上記結着樹脂の共
重合成分であるビニルモノマーと、シランカップリング
剤とを共重合させる。ついで得られた共重合体に上記添
加物を好ましい配合比で混合させ、それらを溶融混練し
た後、冷却し、固化した後、粉砕分級することにより得
ることができる。また、上記添加剤をビニルモノマーと
シランカップリング剤との重合時に混合して製造する、
いわゆる重合法トナーとして得ることもできる。
【0014】得られたトナーの定着性をより低温で向上
させるために、トナーの溶融開始温度は、好ましくは1
00℃以下、さらに60℃〜100℃の範囲が好まし
い。100℃より高いと定着性が充分でなく、60℃よ
り低いとブロッキング性が悪化し保存性に問題を生じる
場合があるため好ましくない。溶融開始温度を低下させ
るには結着樹脂であるビニル系樹脂の分子量を低下させ
る方法が採用される。
【0015】さらに、Tgは低いほど定着性が良好にな
るため、樹脂の組成面からはTgは60℃以下に保つこ
とが好ましい。60℃より高いと、好ましい定着性が得
られないため好ましくない。TgはDSCを用いて測定
することができる。DSCの測定装置としては、例え
ば、セイコー電子工業社製の示差走査熱量計SSC−5
200が挙げられる。測定条件としては、トナーを約1
0mg計量してDSCに載置し、1分間に50ミリリッ
トルのN2 ガスを吹き込む。そして、20℃から150
℃の間を1分間当り10℃の割合で昇温させる。次に1
50℃から20℃に急冷させる。これらの昇温・降温過
程を2回繰り返し、その時の吸収開始温度を測定するも
のである。なお、Tgの値は吸熱開始と吸熱終了との中
点の温度を読みとるものとする。
【0016】溶融開始温度とはプランジャーの降下開始
温度のことをさすこととする。 測定機:島津製作所製 高化式フローテスターCFT−500 測定条件: プランジャー:1cm2 ダイの長さ :1mm ダイの直径 :1mm 荷重 :20kgF 予熱温度 :50〜80℃ 予熱時間 :300sec 昇温速度 :6°C/min
【0017】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を説明する。な
お、実施例において「部」とは「重量部」を示す。 (実施例1)本実施例では、結着樹脂をなすモノマーと
して、スチレンおよびブチルアクリレートを用いた。下
記手順により、ビニルモノマーとシランカップリング剤
とからなる共重合体を製造した。 <ビニル系樹脂Aの合成> ・スチレン 72.1モル ・ブチルアクリレート 19.5モル ・シランカップリング剤 0.1モル (信越シリコーン社製、商品名:KBM503、構造
式:上記構造式(7)に対応) 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合させ、
下記分子量の高分子量体と低分子量体とを作成した。 高分子量体 Mw=9.0×10 Mn=3.9×10 低分子量体 Mw=8.0×103 Mn=2.7×103 ついで、得られた高分子量体および低分子量体を、低分
子量体:高分子量体=70:30の割合で混合させて、
スチレン−ブチルアクリレート−シラン共重合体樹脂A
を得た。
【0018】下記組成からなる原料をスーパーミキサー
で混合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11
μmの負帯電性のトナー母粒子を得た。 その後、ヘンシェルミキサーを用いて、疎水性シリカ
(日本アエロジル社製R−972)0.3部を得られた
負帯電性のトナー母粒子100部の表面に付着させて本
実施例の電子写真用トナーを得た。
【0019】(実施例2)本実施例でも、実施例1と同
様に、結着樹脂をなすモノマーとして、スチレンおよび
ブチルアクリレートを用いた。下記手順により、ビニル
モノマーとシランカップリング剤とからなる共重合体を
製造した。 <ビニル系樹脂Bの合成> スチレン 72.1モル ブチルアクリレート 19.5モル シランカップリング剤 9.2モル (信越シリコーン社製、商品名:KBM503、構造
式:上記構造式(7) に対応) 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合させ、
下記の分子量の高分子量体と低分子量体を作成し下記の
比率で混合した。 高分子量体 Mw=8.5×105 Mn=3.0×105 低分子量体 Mw=8.3×103 Mn=2.8×103 低分子量体:高分子量体=70:30 下記組成からなる原料をスーパーミキサーで混合し、溶
融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11μmの負帯電
性のトナー母粒子を得た。 その後、ヘンシェルミキサーを用いて、疎水性シリカ
(日本アエロジル社製R−972)0.3部を得られた
負帯電性のトナー母粒子100部の表面に付着させて本
実施例の電子写真用トナーを得た。
【0020】(実施例3)本実施例でも、結着樹脂をな
すモノマーとして、実施例1と同様のものを用いた。 <ビニル系樹脂Cの合成> スチレン 72.1モル ブチルアクリレート 19.5モル シランカップリング剤 5.0モル (信越シリコーン社製、商品名:KBM1003、構造
式:上記構造式(7)に対応) 上記のモノマー組成でラジカル重合し、下記の分子量の
高分子量体と低分子量体を作成し下記の比率で混合し
た。 高分子量体 Mw=9.1×105 Mn=3.4×105 低分子量体 Mw=8.5×103 Mn=2.9×103 低分子量体:高分子量体=70:30 下記組成からなる原料をスーパーミキサーで混合し、溶
融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11μmの負帯電
性のトナー母粒子を得た。 その後、疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−97
2)0.3部をヘンシェルミキサーによって得られたト
ナー母粒子100部の表面に付着させ本発明の電子写真
用トナーを得た。
【0021】(実施例4)下記手順によりビニルモノマ
ーとシランカップリング剤とからなる共重合体を製造し
た。 <ビニル系樹脂Dの合成> スチレン 72.1モル ブチルアクリレート 19.5モル シランカップリング剤 2.5モル (信越シリコーン社製、商品名:KBM503、構造
式:上記構造式(7)に対応) 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合させ、
下記分子量の高分子量体と低分子量体とを作成した。 高分子量体 Mw=9.1×105 Mn=3.9×105 低分子量体 Mw=8.0×103 Mn=2.7×103 ついで、得られた高分子量体および低分子量体を、低分
子量体:高分子量体=70:30の割合で混合させてス
チレン−ブチルアクリレート−シラン共重合体樹脂Dを
得た。ついで、下記組成からなる原料をスーパーミキサ
ーで混合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が1
1μmの負帯電性のトナー母粒子を得た。 得られたトナー母粒子の表面にスーパーミキサーを用い
て、ジブチル錫ジラウレートを上記母粒子100部に対
して0.5部を混合付着させた。その後、疎水性シリカ
(日本アエロジル社製R−972)0.3部をヘンシェ
ルミキサーによって得られたトナー母粒子100部の表
面に付着させ本実施例の電子写真用トナーを得た。
【0022】(実施例5)下記手順によりビニルモノマ
ーとシランカップリング剤とからなる共重合体を製造し
た。 <ビニル系樹脂Eの合成> スチレン 72.1モル ブチルアクリレート 19.5モル シランカップリング剤 12.0モル (信越シリコーン社製、商品名:KBM503、構造
式:上記構造式(7)に対応) 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合させ、
下記分子量の高分子量体と低分子量体とを作成した。 高分子量体 Mw=9.0×105 Mn=3.5×105 低分子量体 Mw=8.2×103 Mn=2.9×103 ついで、得られた高分子量体および低分子量体を、低分
子量体:高分子量体=70:30の割合で混合させてス
チレン−ブチルアクリレート−シラン共重合体樹脂Eを
得た。ついで、下記組成からなる原料をスーパーミキサ
ーで混合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が1
1μmの負帯電性のトナー母粒子を得た。 その後、疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−97
2)0.3部をヘンシェルミキサーによって得られたト
ナー母粒子100部の表面に付着させ本実施例の電子写
真用トナーを得た。
【0023】(比較例1)実施例1と同様に、結着樹脂
をなすモノマーとして、スチレンおよびブチルアクリレ
ートを用いた。しかしながら、シランカップリング剤を
含有させなかった。 <ビニル系樹脂Fの合成> スチレン 72.1モル ブチルアクリレート 19.5モル 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合させ、
下記の分子量の高分子量体と低分子量体を作成し下記の
比率で混合した。 高分子量体 Mw=8.9×105 Mn=3.8×105 低分子量体 Mw=7.6×103 Mn=2.5×103 低分子量体:高分子量体=70:30 ついで、下記組成からなる原料をスーパーミキサーで混
合し、溶融混練後、粉砕分級して平均粒子径が11μm
の負帯電性のトナー母粒子を得た。 その後疎水性シリカ(日本アエロジル社製R−972)
0.3部をヘンシェルミキサーによって得られたトナー
母粒子100部の表面に付着させ、比較例用の電子写真
用トナーを得た。
【0024】(比較例2)比較例1とは異なる割合で、
スチレンとブチルアクリレートとを混合させた。 <ビニル系樹脂Gの合成> スチレン 67.3モル ブチルアクリレート 23.4モル 上記のモノマー組成でラジカル重合し、下記の分子量の
高分子量体と低分子量体を作成し下記の比率で混合し
た。 高分子量体 Mw=9.1×105 Mn=3.9×105 低分子量体 Mw=7.9×103 Mn=2.5×103 低分子量体:高分子量体=70:30 ついで、比較例1と同様の操作で、本比較例にかかる電
子写真用トナーを製造した。
【0025】(比較例3)比較例1とは異なる割合で、
スチレンとブチルアクリレートとを混合させた。 <ビニル系樹脂Hの合成> スチレン 81.7モル ブチルアクリレート 11.7モル 上記組成からなるモノマー混合物をラジカル重合し、下
記の分子量の高分子量体と低分子量体を作成し下記の比
率で混合した。 高分子量体 Mw=9.5×105 Mn=3.9×105 低分子量体 Mw=8.0×103 Mn=2.6×103 低分子量体:高分子量体=80:20 ついで、比較例1と同様の操作を行って、本比較例3に
かかる電子写真用トナーを製造した。
【0026】次に前記実施例および比較例で得られた電
子写真用トナーについて以下に示す測定を行った。 (1)ガラス転移点(Tg) 測定方法は、さきに説明した通りである。 (2)溶融開始温度 測定方法は、さきに説明した通りである。 (3)定着強度 表層がテフロンで形成された熱定着ロールと、表層がシ
リコーンゴムで形成された圧力定着ロールとが対になっ
て回転する定着機をロール圧力が1Kg/cm2 、ロー
ルスピードが450mm/sec、該熱定着ロールの表
面温度を160℃に設定し、未定着画像を有した転写紙
のトナー像の定着をおこなった。そして定着画像の濃度
を測定した。ついで得られた定着画像に対して綿パッド
による摺擦を施し、その場の濃度を測定した(マクベス
社製、商品名:マクベス反射濃度計RD−914)。そ
して下記式によって定着強度を算出し定着性の指標とし
た。 摺擦後の定着画像の画像濃度/摺擦前の定着画像の画像
濃度×100(%)
【0027】(4)ブロッキング性 得られたトナー20gをプラスチックボトルにいれ、5
0℃の恒温層中に8時間放置し、放置後の凝集状態を目
視で確認した。ブロッキングの存在が確認できる状態を
×で示し、若干確認されるが、実用上全く支障のない場
合を△で示し、確認できない場合を○で示した。 (5)耐刷性 得られた現像剤を用いて市販の複写機(東芝社製、商品
名:BD−3801)で10000枚までの連続コピー
試験をおこなった。 画像濃度(ID):1枚目の画像濃度、そして1000
0枚目のそれらを測定した。測定にはマクベス社製、商
品名:マクベス反射濃度計RD−914が用いられた。 地かぶり(BG):コピー前の転写紙の白色度とコピー
1枚目の非画像部の白色度との差を初期地かぶりとし、
コピー前の転写紙の白色度と10000枚目の非画像部
の白色度との差を10000枚後地かぶりとした。白色
度を測定するにあたって、日本電色社製、商品名:色差
計MODEL Z−1001DPを使用した。上記試験
らによって得られた各実施例および比較例の結果は、表
1に示す通りである。
【0028】
【表1】
【表2】
【0029】本実施例の電子写真用トナーは、スチレン
−ブチルアクリレートモノマーと、不飽和二重結合およ
びアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤と
が共重合されたビニル系樹脂を結着樹脂として含有して
いた。上記アルコキシシリル基は湿気架橋性を有してい
るため室温で容易に硬化する。また、硬化時、架橋によ
りシクロキサン結合が生成されるためシリコン樹脂特有
の離型効果も得られる。したがって、表1の結果より明
らかなとおり、本実施例の電子写真用トナーは熱定着ロ
ールの温度が160℃という低温度でも定着強度が90
%以上であり、定着強度に優れていた。また、50℃で
のブロッキング性試験においても、ブロッキングを確認
することはできず、したがって良好なブロッキング性を
有していることが確認された。また10万枚のコピー終
了後も初期の画像と同等の画像が得られているため、優
れた耐久性を有することも裏付けられた。さらに、トナ
ーの感光体への付着も目視により確認できなかった。し
たがって、同時に感光体からの転写性にも優れているこ
とが判った。
【0030】しかしながら、比較例1、2では定着はす
るものの、50℃で8時間恒温層放置したところトナー
同士のブロッキングが発生した。また10万枚のコピー
試験ではかぶりが上昇し、画像濃度が低下した。原因は
トナー成分がキャリアに付着するいわゆるスペントトナ
ーの発生により、現像剤の帯電性が悪化したことによ
る。比較例3では定着強度が悪く実用上問題があった。
【0031】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーは、不飽和二
重結合を有するシランカップリング剤が共重合されたビ
ニル系樹脂を結着樹脂として含有することを特徴とする
トナーである。上記アルコキシシリル基は湿気架橋性を
有しているため室温で容易に硬化する。また、硬化時、
架橋によりシクロキサン結合が生成されるためシリコン
樹脂特有の離型効果も得られる。したがって、本発明の
電子写真用トナーは、高速での定着、低温・低圧での定
着性、および定着ローラーへの耐オフセット性に優れ、
かつ良好な耐ブロッキング性を有しているので、本発明
の電子写真用トナーを使用することにより、熱定着ロー
ルの温度が低くても充分な定着強度を有し、複写機ある
いはプリンター等に適用した場合、消費電力が削減する
ことができ、低ロール圧力化による機械コストの低減で
き、さらに複写速度を高速化することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルモノマーと、不飽和二重結合およ
    びアルコキシシリル基を有するシランカップリング剤と
    が共重合されたビニル系樹脂を結着樹脂として含有する
    ことを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 【請求項2】 前記電子写真用トナーの溶融開始温度が
    100℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電
    子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 前記電子写真用トナーのガラス転移温度
    が60℃以下であることを特徴とする請求項1記載の電
    子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 前記ビニルモノマーが、スチレン系また
    はスチレン−(メタ)アクリル酸エステル系モノマーで
    あることを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナ
    ー。
  5. 【請求項5】 前記シランカップリング剤を結着樹脂を
    なすビニルモノマー1モルに対して、0.01〜0.1
    モル%の範囲で含有していることを特徴とする請求項1
    記載の電子写真用トナー。
  6. 【請求項6】 トナーの表面にジブチル錫ジラウレート
    を付着させたことを特徴とする請求項1記載の電子写真
    用トナー。
JP6030484A 1994-02-28 1994-02-28 電子写真用トナー Withdrawn JPH07239573A (ja)

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