JPH06289650A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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Publication number
JPH06289650A
JPH06289650A JP5075830A JP7583093A JPH06289650A JP H06289650 A JPH06289650 A JP H06289650A JP 5075830 A JP5075830 A JP 5075830A JP 7583093 A JP7583093 A JP 7583093A JP H06289650 A JPH06289650 A JP H06289650A
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JP
Japan
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group
toner
silicone oil
molecular weight
vinyl polymers
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Application number
JP5075830A
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English (en)
Inventor
Kunio Akimoto
国夫 秋本
Isao Endo
勇雄 遠藤
Kenji Yamane
健二 山根
Kenichi Kitahara
賢一 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造時の粉砕性が良好で、収率が高く、低温
定着が可能であり、かつ定着領域が非常に広いトナーの
提供にある。又、現像器内での流動性、耐ブロッキング
性が良好で、クリーニング性が良く、感光体・キャリ
ア、現像スリーブ等へのフィルミングのないトナーを提
供することにある。 【構成】 末端反応性シリコーンオイルと、末端反応性
シリコーンオイルと化学結合可能な感能基を有するビニ
ル系重合体とが化学結合してなるグラフト共重合体を主
成分として含有してなり、前記ビニル系重合体は、その
分子量分布において、二つ以上のピークを有するもので
あることを特徴とする静電荷像現像用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、静電記録法などにおいて形成される静電潜像の現像
に用いられる静電荷像現像用トナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば電子写真法において、通
常、光導電性感光体よりなる静電像担持体に帯電、露光
により静電潜像を形成し、次いでこの静電潜像を、樹脂
よりなるバインダー中に着色剤などを含有せしめて微粒
子状に形成してなるトナーによって現像し、得られたト
ナー像を転写紙などの支持体に転写し定着して可視画像
を形成している。
【0003】このように可視画像を得るためにはトナー
像を定着することが必要であり、近年においては熱効率
が高く高速定着が可能な熱ローラ定着方式が広く採用さ
れている。
【0004】しかるに最近において、(イ)複写機の過
熱劣化を制御すること、(ロ)感光体の熱劣化を防止す
ること、(ハ)定着器を作動せしめてから熱ローラが定
着可能な温度にまで上昇するのに要するウォームアップ
タイムを短くすること、(ニ)転写紙へ熱が吸収される
ことによる熱ローラの温度低下を小さくして多数回に亘
る連続コピーを可能にすること、(ホ)熱的な安全性を
高くすること、などの要請から、定着用ヒーターの消費
電力を低減させて熱ローラの温度をより低くした状態で
定着処理を可能にすることが強く要求されている。従っ
てトナーにおいても低温で良好に定着し得るものである
ことが必要とされる。
【0005】しかもトナーにおいては、使用もしくは貯
蔵環境条件下において凝集せずに粉体として安定に存在
し得ること、即ち耐ブロッキング性に優れていることが
必要である。更に定着法として好ましい熱ローラ定着方
式においては、オフセット現像即ち定着時に像を構成す
るトナーの一部が熱ローラの表面に転移し、これが次に
送られて来る転写紙に再転移して画像を汚すという現象
が発生し易い。従って、トナーにオフセット現象の発生
を防止する性能即ち耐オフセット性を付与せしめること
が必要とされる。
【0006】従来よりビニル系重合体を使用したトナー
において、定着性と耐オフセット性を両立させ、かつ粉
砕性も良好なバインダーとして、その分子量分布に2つ
のピークを有するビニル系重合体を用いる技術が提案さ
れている。
【0007】その代表的な例は、例えば特開昭56-15834
0号、特開昭58-202455号、特開平3-77962号、特開平3-2
43958号、特開平4-264560号公報に記載されている。
【0008】これらの技術における問題点としては、近
年、消費電力の低減、安全性の向上や、ウォームアップ
タイムの短縮がより強く要求されるようになり、トナー
の低温での定着性向上が必要となっている。
【0009】このため、従来のビニル系重合体でさらに
低温定着化を図るため、バインダー樹脂の軟化温度を下
げたり、樹脂の組成を変えて粘弾性特性を低温側にシフ
トさせる必要がある。しかし、軟化温度を下げた場合に
はオフセット性の低下を招き、又組成を変えて粘弾性を
低温側にシフトさせた場合には、トナーの保存性が低下
し実用に耐えないという問題があった。
【0010】その解決案は、例えば特開昭58-202455号
公報に開示されているが充分なものではない。
【0011】一方耐オフセット性の改良案としては、例
えば特開平1-237557号公報において下記のものが提示さ
れている。本技術においては、シリコーングラフト重合
体を含有するトナーを用いるため、トナーの熱ローラー
への離型性が向上し、裏面汚れが改善できる。しかし結
着剤樹脂の分子量が小さいため十分な耐オフセット性が
なく、定着温度領域を広くすることはできない。
【0012】次に特開平4-163464号記載の技術によれ
ば、得られた樹脂粒子の分子量も大きく、耐オフセット
性も十分確保できるものの、重合法、特に懸濁重合によ
り製造する方法であり、トナーの酸処理、水洗、乾燥、
粉砕といった複雑な工程が必要となり、又収率の低下を
招くといった問題を生じる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
のごとき問題点のない静電荷像現像用トナーを作成する
ことにある。
【0014】より具体的には製造時の粉砕性が良好で、
収率が高く、低温定着が可能であり、かつ定着領域が非
常に広いトナーの提供にある。又、現像器内での流動
性、耐ブロッキング性が良好で、クリーニング性が良
く、感光体、キャリア、現像スリーブ等へのフィルミン
グのないトナーを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記一般式で示される末端反応性シリコーンオイルと、末
端反応性シリコーンオイルと化学結合可能な官能基を有
するビニル系重合体とが化学結合してなるグラフト共重
合体を主成分として含有してなり、前記ビニル系重合体
は、その分子量分布において、二つ以上のピークを有す
るものであることを特徴とする静電荷像現像用トナーに
よってなされる。
【0016】
【化2】
【0017】ここにおいて R1:水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基で、炭
素数が1〜6のアルキレン鎖を介して結合してもよい。
【0018】R2:R1(両末端型)、メチル基(片末端
型) ここにおいて、グラフト共重合体とは幹部分はビニル系
重合体で枝部分がシリコーンにより構成されているもの
をいう。
【0019】又、ビニル系重合体には、その分子量分布
が2つ以上のピークを有し、末端反応性シリコーンオイ
ルと化学的な結合を形成するための官能基を有するもの
である。ここにおいて、官能基としては水酸基、カルボ
キシル基、カルボニル基、アミノ基、エポキシ基等が好
ましい。
【0020】末端反応性シリコーンオイルとしてメタク
リル基を有するシリコーンオイルを用いる場合には、こ
れを用いて直接ビニル系単量体とともに重合することが
出来る。
【0021】又、分子量のピークについては少なくとも
一つは10万〜100万に、更に一つのピークは分子量2,000
〜20,000であることが好ましい。
【0022】この中、シリコーンオイルとのグラフト共
重合体を作る成分は、比較的低分子量成分であることが
好ましく、従って、低分子量成分はシリコーンオイルと
化学結合可能な官能基を持っている必要がある。
【0023】末端反応性シリコーンオイルとはジメチル
ポリシロキサンの少なくも片末端に水酸基、アミノ基、
カルボキシル基、エポキシ基、メタクリル基、メルカプ
ト基、フェノール基等の官能基を有している必要があ
る。具体的には以下のものがあり、末端反応性シリコー
ンオイルの数平均分子量は500〜20,000好ましくは1,000
〜10,000である。
【0024】分子量が500より小さいと、離型効果が小
さく、多量に使用すると耐ブロッキング性が不良とな
る。分子量が20,000より大きい場合には、トナーの粉砕
性が低下したり、トナーの流動性が不良となる。
【0025】
【化3】
【0026】
【化4】
【0027】シリコーンオイル成分の含有比率はグラフ
ト共重合体中の0.01〜20重量%、より好ましくは、0.5
〜10重量%である。0.01%より少ないと低温定着性、離
型性に効果がない。20重量%より多いとトナーの流動性
の低下や耐ブロッキング性低下を招くことになる。
【0028】又、本発明のトナーにおいて、グラフト共
重合体は少なくとも20%以上好ましくは30〜100重量%
の範囲で含有することが必要である。
【0029】
【作用】ここにおいて、使用されるビニル系重合体は斯
かる官能基を有する単量体成分を含有するものであれ
ば、特に制限されるものではなく、ポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリアクリル酸メチル、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、その
他を挙げることができる。これらのうちビニル重合体と
してはスチレン系重合体、アクリル系重合体又はスチレ
ン-アクリル系重合体が特に好ましい。これらの重合体
を与える単量体としては、例えばスチレン、o-メチルス
チレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メ
チルスチレン、p-エチルスチレン、2,4-ジメチルスチレ
ン、p-n-ブチルスチレン、p-ドデシルスチレン、p-メト
キシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロルスチレ
ン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-ブチ
ルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、ラウ
リルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタ
クリレート、n-ブチルメタクリレート、tert-ブチルメ
タクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタ
クリレート、その他を挙げることができる。これらの単
量体は単独であるいは数種のものを混合して用いること
ができる。
【0030】このビニル重合体は、その分子量分布にお
いて2つ以上のピークを有することが必要である。この
分子量分布の測定はゲル・パーミュエーション・クロマ
トグラフィ(GPC)によって行われる。ビニル重合体
の少なくとも1つのピーク分子量が数平均分子量で100,
000〜1,000,000かつ少なくとも1つのピーク分子量が2,
000〜20,000であることが好ましい。
【0031】重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及び
ピーク分子量の測定については、種々の方法により求め
ることができ、測定方法の相異によって若干の差異があ
るが、本発明においては下記の測定法によって求めたも
のである。
【0032】すなわち、ゲル・パーミュエーション・ク
ロマトグラフィ(GPC)によって以下に記す条件で重
量平均分子量Mw、数平均分子量Mn及びピーク分子量を
測定する。温度40℃において、溶媒(テトラヒドロフラ
ン)を毎分1.2mlの流速で流し、濃度0.2g/20mlのテト
ラヒドロフラン試料溶液を試料重量として3mg注入し測
定を行う。試料の分子量測定にあたっては、当該試料の
有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料によ
り、作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直
線となる範囲内に包含される測定条件を選択する。ピー
ク分子量は、得られるGPCクロマトグラムのカウント
数から前記検量線を用いて算出される。
【0033】なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条
件で行ったNBS706ポリスチレン標準試料が、 重量平均分子量Mw=28.8×104 数平均分子量Mn=13.7×104 となることにより確認することができる。
【0034】又、GPCのカラムとしては、前記条件を
満足するものであればいかなるカラムを採用してもよ
い。具体的には、例えばTSK−GEL、GMH(東洋
曹達社製)等を用いることができる。
【0035】なお溶媒及び測定温度は、記載した条件に
限定されるものではなく、適当な他の条件に変更しても
よい。
【0036】又前記ビニル重合体は、そのガラス転移点
Tgの値が50℃〜100℃、特に50℃〜85℃の範囲内である
ことが好ましい。このガラス転移点Tgの値が50℃未満
の場合には、耐ブロッキング性が悪くなり、又100℃を
超える場合にはトナーの低温における熔融流動性が低下
して定着性が悪くなるおそれがある。
【0037】ビニル重合体のガラス転移点Tgの測定
は、示差走査熱量測定法(DSC)に従い、例えば「D
SC−20」(セイコー電子工業社製)によって測定でき
る。具体的には、試料約10mgを一定の昇温速度(10℃/
min)で加熱し、ベースラインと吸熱ピークの傾線との
交点よりガラス転移点を得る。
【0038】本発明のトナーは上記重合体よりなるバイ
ンダー中に着色剤を含有して成るものであるが、更に必
要に応じて樹脂中に磁性体、特性改良剤を含有してもよ
い。
【0039】前記着色剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリン
ブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.N
o.azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、
ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイ
ルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.N
o.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.5201
5)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカ
イトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブ
ラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.454
35)、これらの混合物などを用いることができる。着色
剤の使用量は、トナー100重量部に対して通常0.1〜20重
量部であり、特に0.5〜10重量部が好ましい。
【0040】前記磁性体としては、フェライト、マグネ
タイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁
性を示す金属若しくは合金又はこれらの元素を含む化合
物、あるいは強磁性元素を含まないが適当な熱処理を施
すことによって強磁性を示すようになる合金、例えばマ
ンガン-銅-アルミニウム、マンガン-銅-錫などのマンガ
ンと銅とを含むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、
又は二酸化クロム、その他を挙げることができる。例え
ば黒色のトナーを得る場合においては、それ自身黒色で
あり着色剤としての機能をも発揮するマグネタイトを特
に好ましく用いることができる。又カラートナーを得る
場合においては、金属鉄などのように黒みの少ないもの
が好ましい。又これらの磁性体のなかに着色剤としての
機能をも果たすものがあり、その場合には着色剤として
兼用してもよい。これらの磁性体は、例えば平均粒径が
0.1〜1μmの微粉末の形で樹脂中に均一に分散される。
そしてその含有量は、磁性トナーとする場合にはトナー
100重量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重量部
である。
【0041】前記特性改良剤としては、定着性向上剤、
荷電制御剤、その他がある。
【0042】定着性向上剤としては、例えばポリオレフ
ィン、脂肪酸金属塩、脂肪族エステル及び樹脂酸エステ
ル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル、高級脂肪
酸、高級アルコール、流動又は固形のパラフィンワック
ス、ポリアミド系ワックス、多価アルコールエステル、
シリコーンワニス、脂肪族フロロカーボンなどを用いる
ことができる。
【0043】荷電制御剤としては、従来から知られてい
るものを用いることができ、例えば、ニグロシン系染
料、含金属染料等が挙げられる。
【0044】更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の
無機微粒子を混合して用いることが好ましい。
【0045】本発明において用いられる前記無機微粒子
としては、一次粒子径が5nm〜2nmであり、好ましくは
5nm〜500nmである粒子である。又BET法による比表
面積は20〜500m2/gであることが好ましい。トナーに混
合される割合は0.01〜5重量%であり、好ましくは0.01
〜2.0重量%である。このような無機微粉末としては例
えば、シリカ微粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸
バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウ
ム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレ
ー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セ
リウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウ
ム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられる
が、シリカ微粉末が特に好ましい。
【0046】ここでいうシリカ微粉末はSi-0-Si結
合を有する微粉末であり、乾式法及び湿式法で製造され
たもののいずれも含まれる。又、無水二酸化ケイ素の
他、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カ
リウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸亜鉛などいずれで
もよいが、SiO2を85重量%以上含むものが好ましい。
【0047】これらシリカ微粉末の具体例としては種々
の市販のシリカがあるが、表面に疎水性基を有するもの
が好ましく、例えばAEROSIL R-972、R-974、R-805、R-8
12(以上アエロジル社製)、タラノックス500(タルコ
社製)等を挙げる事ができる。その他シランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル、側鎖
にアミンを有するシリコーンオイル等で処理されたシリ
カ微粉末などが使用可能である。
【0048】本発明のトナーの好適な製造方法の一例を
挙げると、まずバインダーの材料樹脂もしくはこれに必
要に応じて着色剤等のトナー成分を添加したものを、例
えばエクストルーダーにより熔融混練し、冷却後ジェッ
トミル等により微粉砕し、これを分級して、望ましい粒
径のトナーを得ることができる。あるいはエクストルー
ダーにより熔融混練したものを熔融状態のままスプレー
ドライヤー等により噴霧もしくは液体中に分散させるこ
とにより望ましい粒径のトナーを得ることができる。
【0049】本発明のトナーは、例えば電子写真複写機
において形成された静電荷像の現像に供され、得られた
トナー像は転写紙上に静電転写された上加熱ローラ定着
器により定着されて複写画像が得られる。
【0050】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0051】<試料樹脂の作成> 1.末端反応性シリコーンオイルとして下記のものを用
いた。
【0052】(1)シリコーンオイル1 エポキシ変性シリコーンオイル(片末端)、数平均分子
量1,000 (2)シリコーンオイル2 エポキシ変性シリコーンオイル(片末端)、数平均分子
量10,000 (3)シリコーンオイル3 シリコーンジオール(両末端)、数平均分子量5,000 (4)シリコーンオイル4(比較用) ポリジメチルシロキサン、数平均分子量10,000
【0053】
【化5】
【0054】2.ビニル重合体として下記のものを合成
した。
【0055】(1)ビニル重合体1 容量5リットルのセパラブルフラスコにスチレン150
g、メチルメタクリレート50g、n-ブチルメタクリレー
ト25g、過酸化ベンゾイル0.4g、トルエン1リットルを
入れ、トルエン環流下で5時間保持し、第1段重合を行
った(高分子量成分)。その後反応系を40℃に冷却し、
スチレン850g、n-ブチルメタクリレート100g、アクリル
酸50g、過酸化ベンゾイル40g、トルエン1リットルを添
加して再昇温し、トルエン環流下で更に3時間反応さ
せ、第2段重合(低分子量成分)を行った。その後トル
エンをアスピレーター及び真空ポンプで留去し、その分
子量分布が2つのピークを有し、かつ低分子量成分にカ
ルボキシル基を有するビニル重合体1を得た。ピーク分
子量は365,000と8,200であった。
【0056】(2)ビニル重合体2 ビニル重合体1において、第1段重合の単量体混合物が
スチレン150g、n-ブチルアクリレート40g、ヒドロキシ
エチルメタクリレート50gであり、第2段重合の単量体
混合物がスチレン850g、n-ブチルメタクリレート125g、
ヒドロキシエチルメタクリレート25gである他はビニル
重合体1と同様にしてビニル重合体2を得た。高分子量
成分及び低分子量成分に水酸基を有し、ピーク分子量
は、それぞれ350,000と9,000であった。
【0057】(3)ビニル重合体3 容量5リットルのセパラブルフラスコにスチレン1700
g、メチルメタクリレート200g、アクリル酸100g、n-ブ
チルメタクリレート200g、週酸化ベンゾイル40g、トル
エン2リットルを入れ、トルエン環流下で5時間保った
後、アスピレーター及び真空ポンプによってトルエンを
留去し、その分子量分布が1つのピークを有し、かつカ
ルボキシル基を有するビニル重合体3を得た。ピーク分
子量は32,000であった。
【0058】3.グラフト共重合体の作成 (1)グラフト共重合体1 容量5リットルのセパラブルフラスコに、シリコーンオ
イル1の200gとビニル重合体1の1800g、トルエン2リ
ットルを入れ、トルエン環流下で1時間還流させ、反応
させた。その後トルエンをアスピレーター及び真空ポン
プによって留去することによりグラフト共重合体1を得
た。
【0059】グラフト共重合体の酸価を滴定により求め
たところ、ビニル重合体中のカルボキシル基の87%が消
費されており、エポキシ末端のシリコーンオイルが反応
して結合されていることが確認された。
【0060】(2)グラフト共重合体2〜5,7 表1に示すシリコーンオイルとビニル重合体を用いグラ
フト共重合体1と同様にしてグラフト共重合体2〜5,
7を得た。
【0061】(3)グラフト共重合体6 グラフト共重合体1の合成において、シリコーンオイル
1のかわりにシリコーンオイル3とエステル化触媒とし
てp-トルエンスルホン酸1.0gを使用した他は、グラフト
共重合体1と同様にしてグラフト共重合体6を得た。
【0062】(4)ブレンド樹脂1 グラフト共重合体1の合成において、シリコーンオイル
1のかわりに非反応性のシリコーンオイル4を使用した
他はグラフト共重合体1と同様にして、シリコーンオイ
ルとビニル重合体のブレンド樹脂を得た。
【0063】得られた資料の内容をまとめると下表のご
とくなる。
【0064】
【表1】
【0065】<実施例1〜7トナーの作成>以上のよう
にして得られた共重合体1〜6の各100重量部と、カー
ボンブラック10重量部と、パラフィンワックス3重量
部、ビスアミドワックス3重量部とを混合し、加熱ロー
ルにより混練し、冷却した後更に超音速ジェットミルに
より微粉砕し、風力分級機により分級して着色微粒子を
得た。
【0066】この着色微粒子100重量部に対して、疎水
性シリカ微粉末0.8重量部をV型混合器で混合すること
により、平均粒径9.5μmの本発明のトナー6種を製造し
た。これをトナー1〜トナー6とする。
【0067】<比較例1〜3トナーの作成>共重合体
7、ビニル重合体1及びシリコーンオイル4とビニル重
合体1のブレンド樹脂1を用いた他は実施例と同様にし
て比較トナー3種を製造した。これを比較トナー1〜比
較トナー3とする。
【0068】<特性のチェック法> 〔トナー製造時の粉砕性〕ジェットミル「PJM−10
0」(日本ニューマチック工業社製)で微粉砕する時の
粉砕時の平均粒径10μmを得るために必要な供給量を測
定し、粉砕性の指標とした。吐出エア圧力6.0Kg/cm2
供給量15g/分以上を「○」、5〜10g/分を「△」、5
g/分未満を「×」とした。
【0069】〔トナーの流動性〕流動性の高い粉体ほど
圧縮度が小さいことを利用して、各トナーを、直径28m
m、容積100mlの容器に上方から疎充填してその重量を測
定し、トナーの静嵩密度を求めた。評価は、静嵩密度が
0.40g/ml以上を「○」、0.35〜0.40g/mlを「△」、0.
35g/ml未満を「×」とした。
【0070】〔トナー凝集性〕各トナー2gをサンプル
管に採り、タップテンサにより500回タッピングした
後、温度60℃、相対湿度34%雰囲気下に2時間にわたり
放置し、その後48メッシュの篩により分別し篩に残留し
た凝集物の割合を測定した。
【0071】〔トナーの低温定着性〕各トナーを、弗素
化アルキルメタクリレート重合体を平均粒径80μmのフ
ェライト芯材に2wt%となる割合で被覆したコーティッ
ドキャリアと混合し、その含有率(トナー濃度)が5wt
%の二成分現像剤を調製した。
【0072】有機光導電性半導体よりなる潜像担持体、
二成分現像剤用の現像器、加熱ローラ定着器を備え、加
熱ローラの設定温度を可変調製できるように改造した電
子写真複写機「U−BIX 1550MR」(コニカ(株)
製)改造機により、加熱ローラの線速度を139mm/秒に
設定し、圧着ローラの温度を加熱ローラの設定温度より
も低く保った状態で加熱ローラの設定温度を100〜240℃
の範囲で段階的に変化させながら、上記各現像剤を用い
て定着トナー画像を形成する実写テストを行い、得られ
た定着トナー画像の端部を、こすり試験機により一定荷
重をかけてこすった後、マイクロデンシトメータで該端
部の画像の残存率を測定して、残存率80%以上を示す最
低の設定温度(最低定着温度)を求めた。なお、上記加
熱ローラ定着器は、表層がPFA(テトラフルオロエチ
レン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)
よりなる直径30mmの加熱ローラと、表層がPFAにより
被覆されたシリコーンゴム「KE−1300RTV」(信越
化学工業社製)よりなる圧着ローラとを有してなり、線
圧は0.8Kg/cm、ニップ幅は4.3mmで、シリコーンオイル
等の離型剤の塗布機構は備えてないものである。
【0073】〔トナーの耐ホットオフセット性〕圧着ロ
ーラを加熱ローラの設定温度に近い温度に保った状態と
したほかは上記〔トナーの低温定着性〕と同様にして定
着トナー画像を形成し、その直後、白紙の記録材を同様
の条件下で加熱ローラ定着器に送ってこれにトナー汚れ
が生ずるか否かを目視により観察する操作を、加熱ロー
ラの各設定温度において行い、トナー汚れが生じない最
高の設定温度(オフセット許容温度)を求めた。
【0074】画像形成テストについては各現像剤をそれ
ぞれ用いて、有機感光体上に形成した静電荷像を現像し
てトナー像を形成し、このトナー像を転写材に転写し、
転写したトナー像を定着し、定着後に有機感光体上に残
留したトナーをクリーニングブレードによりクリーニン
グする工程を含む画像形成プロセスを遂行してコピー画
像を形成するテストを行った。
【0075】有機感光体と、二成分系現像剤用の現像器
と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置
と、クリーニングローラーを有する熱ロール定着器とを
備えた二成分系現像剤用のコニカ(株)製の電子写真複
写機U−BIX1550改造機を用い、温度20℃、相対湿度
55%の環境条件下で最高5万回にわたりコピー画像を形
成するテストを行った。
【0076】実写テストにおいて、定着熱ローラーの設
定温度は160℃とした。結果を後記表2に示す。
【0077】〔クリーニング性〕クリーニングブレード
によりクリーニングされた直後の有機感光体の表面を目
視により観察して付着物の有無を調べ、付着物がほとん
ど認められない場合を「○」、付着物が若干認められる
が実用レベルにある場合を「△」、付着物が多くて実用
的には問題のある場合を「×」とした。
【0078】〔感光体の損傷〕有機感光体の表面を目視
により観察し、損傷の有無を調べた。なお、観察は実写
テストの終了後に行った。
【0079】〔黒ポチ〕コピー画像を目視により観察し
て、有機感光体の表面の損傷に起因する黒ポチの有無を
調べ、黒ポチがほとんど認められない場合を「○」と
し、黒ポチが若干認められるが実用レベルにある場合を
「△」、黒ポチが多くて実用的には問題のある場合を
「×」とした。
【0080】〔トナー掃き出し〕コピー画像を目視によ
り観察し、熱ロール定着器のクリーニングローラーから
のトナー掃き出しが認められず良好である場合を
「○」、トナー掃き出しが多くて実用的には問題のある
場合を「×」とした。
【0081】〔画質〕目視観察によるコピー画像の良否
を評価した。
【0082】テスト結果をまとめると、下記表2,3の
ごとくなる。
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】本発明のトナーは、発明外のものに比し明
らかに優れた特性を示すことがわかる。
【0086】
【発明の効果】本発明により製造時の粉砕性が良好で、
収率がよく、低温定着が可能であり、かつ定着領域が非
常に広いトナーを得ることが出来る。
【0087】又、現像器内での流動性、耐ブロッキング
性が良好で、クリーニング性が良く、感光体、キャリ
ア、現像スリーブ等へのフィルミングのないトナーを提
供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北原 賢一 東京都八王子市石川町2970番地コニカ株式 会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される数平均分子量が50
    0〜20,000である末端反応性シリコーンオイルと、末端
    反応性シリコーンオイルと化学結合可能な官能基を有す
    るビニル系重合体とが化学結合してなるグラフト共重合
    体を主成分として含有し、前記ビニル系重合体は、その
    分子量分布において、二つ以上のピークを有するもので
    あることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 【化1】 ここにおいて R1:水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ
    基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基で、炭
    素数が1〜6のアルキレン鎖を介して結合していてもよ
    い。 R2:R1と同一(両末端型)、又はメチル基(片末端
    型)
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10312082A (ja) * 1997-03-11 1998-11-24 Mitsubishi Chem Corp トナー用バインダー樹脂、静電荷現像用トナー及び画像形成方法
US7244537B2 (en) 2003-03-10 2007-07-17 Mitsubishi Chemical Corporation Toner for developing an electrostatic charge image and method for its production

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH10312082A (ja) * 1997-03-11 1998-11-24 Mitsubishi Chem Corp トナー用バインダー樹脂、静電荷現像用トナー及び画像形成方法
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