JP3240363B2 - 静電荷像現像用トナー及び磁性インク記号識別方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び磁性インク記号識別方法

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JP3240363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法または静電
印刷法の如き画像形成方法における静電荷像を現像する
ために用いられる静電荷像現像用トナーに関する。本発
明は、さらに磁性インク記号識別(Magnetic
Ink Character Recognitio
n)システムに用いられる磁性を有する文字の印字に好
適な静電荷像現像用トナー及び磁性インク記号識別方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法として米国特許第2,
297,691号明細書、特公昭42−23910号公
報及び特公昭43−24748号公報等に記載されてい
る如く、多数の方法が知られているが、一般には光導電
性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜
像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必
要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加
熱,圧力或いは溶剤蒸気などにより定着し複写物を得る
ものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙などの
シートに定着する工程に関しては種々の方法や装置が開
発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラーによ
る圧着加熱方式である。
【0004】近年省エネルギーの観点から、定着工程に
おける消費電力を低減する為、加圧熱ローラー方式から
特殊なフィルム(たとえばポリイミド)定着方式が開発
され実用化されている。
【0005】一方、トナーにおいても、先の観点から様
々な改良がなされているのが現状である。
【0006】例えば、特開平5−6029号公報に、G
PCによる分子量分布で、分子量5,000以下の領域
が15%未満であり、分子量5,000,000以上の
領域が5%以上であり、分子量5,000〜100,0
00の領域にメインピークを有し、重量平均分子量が
5,000,000以上であることを特徴とするトナー
が提案されている。該トナーでは定着領域において高温
側(高温オフセット)の領域を拡げることは可能となっ
たが、低温側への定着領域を拡げることは未だ満足でき
るものではなかった。
【0007】また、特開平5−241370号公報に、
GPCによる分子量分布において、分子量が2×103
〜6×104の領域及び分子量が3×105〜2×106
の領域にピークを有し、分子量が2×103〜6×104
の領域のピーク未満の領域にショルダーを有する樹脂が
提案されている。該樹脂を使用してトナー化した場合
は、高温・高湿環境下における耐久評価での感光体への
トナー融着、あるいは製造時における粉砕機・分級機等
の装置内融着等、樹脂の低分子量成分に起因する弊害が
懸念される。
【0008】上記問題点を克服しさらにMICRシステ
ムに好適なトナーとするには、さらに以下の課題を考慮
しなければならない。
【0009】まず第一に、MICR文字を印字した有価
証券類はMICRリーダー・ソーターに平均して約10
回程度通紙される。磁気読み取りを行うために通紙する
ごとに磁気ヘッドと高速で摺擦される。従って、認識率
を高めるにはMICR文字の印字用トナーは摺擦によっ
て印字がかすれ(以下、スメアリングと称す。図1にそ
の発生部分を示す。)たりしないことが必要となる。
【0010】スメアリングは、磁気ヘッドと紙上トナー
との摺擦によって生ずるトナーの削れ、及び、摺擦熱に
よるトナー表層面の軟化による磁気ヘッドへのトナー付
着による汚れが原因で生ずる。この現象をトナーで改良
するには、トナーを硬くしさらに印字トナー表面の滑性
を向上させ、ヘッドとの摩擦力を低減できる様にするこ
とが必要となる。
【0011】第二に、有価証券類が使用者間で流通して
いる場合に生ずる折り曲げによるトナーの紙からの離脱
及びリーダー・ソーターに通紙される場合に生ずる折り
曲げによるトナーの紙からの離脱を防止することを、信
頼性確保の観点から考慮する必要がある。この現象を防
止するには紙との付着性の良好なトナーにする必要があ
る。
【0012】第三に、MICR文字の印字で高度な認識
率を達成する為に、一般に使用されている磁性体よりも
相対的に大きな残留磁化δrを有する磁性体を含有した
トナーにする必要があり、必然的にトナーの残留磁化も
大きくしなければならず、トナーの現像能力が抑制さ
れ、画像濃度が低下する傾向を有し、その為の対策も考
慮しなければならない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナー及び磁性
インク記号識別方法を提供することにある。
【0014】すなわち、本発明の目的は、低温定着性,
耐オフセット性及び画像特性に優れた静電荷像現像用ト
ナーを提供することにある。
【0015】さらに本発明の目的は、高温・高湿環境下
の耐久においても感光体ドラムへのトナー融着がない静
電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0016】さらに本発明の目的は、画像濃度が高く紙
への付着性が良好で、紙から離脱し難いMICR文字を
形成する静電荷像現像用トナー及び磁性インク記号識別
方法を提供することにある。
【0017】さらに本発明の目的は、MICRリーダー
・ソーターに繰り返し通紙されてもスメアリングの発生
がなく、リーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染するこ
となく、なおかつリーダー・ソーターの認識率の良好な
MICR文字を形成できる静電荷像現像用トナー及び磁
性インク記号識別方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、下記
構成によって前記の目的を達成する。すなわち、本発明
は、少なくとも結着樹脂及びワックスを含有する静電荷
像現像用トナーにおいて、テトラヒドロフラン(TH
F)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィ
(GPC)で測定される分子量分布において、分子量1
×103未満の領域A及び5×103〜1×105の領域
Bに少なくとも一つのピークを有し、領域Aの最大ピー
ク高さをHA,領域Bの最大ピーク高さをHBとした場
合、下記条件 0.25≦HA/HB<1 を満たし、かつ1×106以上の領域が6〜30%であ
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーに関する。さ
らに本発明は、磁性トナーを用いて転写紙に磁性インク
記号を印字し、印字された磁性インク記号を磁性インク
記号リーダー・ソーターの磁気ヘッドに摺擦させて、磁
気読取り及び識別を行なう磁性インク記号の識別方法に
おいて、該磁性トナーは、少なくとも結着樹脂、ワック
ス及び磁性体を含有しており、該磁性トナーのテトラヒ
ドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションク
ロマトグラフィ(GPC)で測定される分子量分布にお
いて、分子量1×103未満の領域A及び5×103〜1
×105の領域Bにそれぞれ少なくとも一つのピークを
有し、領域Aの最大ピーク高さをHA,領域Bの最大ピ
ーク高さをHBとした場合、下記条件 0.25≦HA/HB<1 を満たし、かつ1×106以上の領域が6〜30%であ
ることを特徴とする磁性インク記号識別方法に関する。
【0019】本発明において、トナー組成物、後述の樹
脂およびワックスの分子量分布はGPCによってそれぞ
れ次の条件で測定される。
【0020】<トナー組成物及び樹脂のGPC測定条件
> 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温度 :40℃ 溶媒 :THF(テトラヒドロフラン) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.05〜0.6重量%の試料を0.1m
l注入
【0021】<ワックスのGPC測定条件> 装置 :GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:GMH−HT(東ソー社製)の2連 温度 :135℃ 溶媒 :o−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール
添加) 流速 :1.0ml/min. 試料 :濃度0.15重量%の試料を0.4ml注入
【0022】以上の条件で測定し、試料の分子量算出に
あたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した
分子量校正曲線を使用する。更に、ワックスの分子量
は、Mark−Houwink粘度式から導き出される
換算式で換算することによって算出される。
【0023】またGPCにおける分子量1.0×106
以上の樹脂成分の含有量は、樹脂成分のクロマトグラム
の積分値に対しての分子量1.0×106以上の積分値
の比率を求めて算出することができる。
【0024】本発明の第一の特徴は、1×103未満に
明確なピークを有している点である。1×103未満の
分子の構成は、結着樹脂の元々の構成成分,結着樹脂成
分の一部がトナー製造時の溶融混練時に機械的な剪断力
により分子鎖が切れて低分子化した成分,及び,ワック
スの元々の構成成分,ワックス構成成分の一部がトナー
製造時の溶融混練時に機械的な剪断力により分子鎖が切
れて低分子化した成分から複合されていると考えられ
る。
【0025】本発明のピークに相当する重要な構成要素
は、後述する脂肪族炭化水素系ワックスであり、このワ
ックスが本ピークの主構成要素を形成することで、上述
の複合低分子量成分に独特の耐熱特性とシャープメルト
性を付与させている。これによって、本発明のトナーに
従来の静電荷像現像用トナーに見られない低温定着を達
成すると同時に、この低分子量域にも感光体へのトナー
融着,オフセット及びスメアリングに対する防止効力を
付与させている。
【0026】第二の特徴は、5×103〜1×105にピ
ークを有し、本ピークの高さをHB,1.0×103未満
のピークをHAとした場合、0.25≦HA/HB<1.
0を満足する点である。5×103〜1×105の領域の
分子量成分は、本発明に使用した結着樹脂のメインピー
クに依るものであり、トナーは良好な剛性を有すること
となり、良好な帯電特性,現像性を有することが可能と
なる。高分子側と低分子側双方のピーク高さを規定して
いるのは、基本的にトナーの定着性と現像性のバランス
を保持させる為である。このバランス調整は、使用結着
樹脂の分子量分布及び先述のワックス量を考慮しなけれ
ばならない。HA/HBが0.25未満の場合は、十分な
低温定着性能を有することが出来ず、HA/HBが1以上
の場合は、現像力の低下がみられる。好ましくは0.2
5〜0.85の範囲であり、より好ましくは0.3〜
0.8の場合である。
【0027】第三の特徴は、1.0×106以上の成分
を6〜30%含有している点である。これによって耐オ
フセット性,耐ブロッキング性,MICR特性である耐
スメアリング性が改善される。好ましくは7〜27%の
場合であり、より好ましくは8〜25%の場合である。
【0028】さらに本発明のトナーは、後述するTHF
不溶分を30〜70重量%含有している場合がよい。不
溶分としては、結着樹脂が元来保有していた成分と溶融
混練時に結着樹脂のカルボキシル基と荷電制御剤として
用いられる有機金属化合物との化学結合(混練時架橋)
により生成した成分が考えられる。この様な場合、上記
のトナーの剛性アップがさらに達成され、耐オフセット
性,耐ブロッキング性,耐スメアリング性の一層の向上
が達成される。
【0029】また、混練時架橋を生じる場合は、特に混
練時、溶融粘度を下げることが容易となり、樹脂とワッ
クス分散性向上が達成される。これによってトナー中の
ワックス含有量をある程度増やしても分散性は良好な状
態が維持できる。不溶分量が30重量%未満では、上述
の顕著な作用効果はみられず、70重量%を超える場合
では、トナーが硬くなり過ぎ、粉砕性が低下して製造上
好ましくない。より好ましくは35〜65重量%であ
る。
【0030】本発明での静電荷像現像用トナーのTHF
不溶分とは、トナー中の樹脂組成物中のTHF溶媒に対
して不溶性となったポリマー成分(実質的に架橋ポリマ
ー)の重量割合を示し、架橋成分を含む樹脂組成物の架
橋の程度を示すパラメーターとして使うことができる。
THF不溶分とは、以下のように測定された値をもって
定義する。
【0031】即ち、トナーサンプル約0.5g(W
1g),を円筒濾紙(例えば東洋濾紙製No.86R)
に入れ、それをTHF溶液が約100ml入った容器中
に密閉した状態で約30時間含浸させる。その後、円筒
濾紙をTHF溶液より取り出し、約6時間放置し、さら
に100℃で約90分真空乾燥し、秤量し、THF可溶
樹脂成分量(W2g)を求める。トナー中の磁性体ある
いは顔料の如き樹脂成分以外の成分の重量を(W3g)
とする。THF不溶分は、下記式より求められる。
【0032】THF不溶分(%)=((W1−(W3+W
2))/(W1−W3)×100
【0033】次に本発明に良好に用いられる結着樹脂に
ついて説明する。本発明に用いられる結着樹脂は、JI
SK−0070に準じた5〜50mgKOH/gの酸価
を有することが好ましい。酸価が5mgKOH/g未満
の場合には混練時架橋反応が十分に進行せず、また50
mgKOH/gより大きい酸価を有する場合には混練時
架橋反応が進み過ぎてしまい、前述のTHF不溶分の説
明と同様の弊害を生ずる。好ましくは5〜40mgKO
H/gの範囲であり、より好ましくは10〜30mgK
OH/gの範囲である。
【0034】JIS酸価は以下の方法で求めることが出
来る。
【0035】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、エタノール:ベンゼン=1:
2の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。溶解性
が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよい。指
示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10カ性カリ−
アルコール溶液で滴定し、カ性カリ−アルコール溶液の
消費量からつぎの計算式で酸価を求める。
【0036】 酸価=KOH(ml数)×f×56.1/試料重量 (ただしfはN/10 KOHのファクター)
【0037】さらに結着樹脂は、一種の結着樹脂から構
成されるよりも、主なる作用効果が異なる二種の結着樹
脂を混合して用いる場合が好ましい。本発明の目的とす
る、たとえば低温定着性と現像性、さらにMICR特性
に関係する紙への付着性と耐スメアリング性という一般
的に両立も難しいと考えられる要求性能を共に高いレベ
ルで達成させる為に、この様な樹脂混合が好適である。
【0038】本発明で好ましく用いられる結着樹脂は、
GPCにおいて1×103〜1.5×104未満にメイン
ピークを有する結着樹脂と、1.5×104〜1×105
未満の領域にメインピークを有する結着樹脂の混合樹脂
として用いる場合が良好である。
【0039】前者の樹脂は、主に低温定着化,紙への付
着性に効果的に作用するものである。メインピークが1
×103未満では、オフセット,ドラムへのトナー融着
等の弊害が生じ易くなる。1.5×104以上では低温
定着化,紙への付着性の効果が減少する。特に好ましく
は、さらに懸濁重合法により得られたもので、THF不
溶分を10〜50重量%含有し、耐オフセット効果を有
するものである。
【0040】後者の樹脂は、主に現像性向上に効果的に
作用するものである。メインピークが1.5×104
満では、現像性向上効果は期待できない。1.0×10
5以上では、トナーが硬くなりすぎ、粉砕性低下を生
じ、生産コスト的に好ましくない。特に好ましくはさら
に溶液重合法により得られたもので、THF不溶分を含
まず、酸価を10〜50mgKOH/gを有するもの
で、有機金属化合物存在下において混練時架橋を生じ、
ワックス等他材料との相互分散性向上,高レベルの耐オ
フセット及び耐スメアリング効果を期待できるものであ
る。
【0041】この様に単独で用いたとしても、結着樹脂
としての基本性能を有し、かつ主な作用効果を異にする
二種類の樹脂からなる混合樹脂を用いることで、本発明
の静電荷像現像用トナーは、両樹脂の併合効果を期待で
きるものとなる。
【0042】二種類の樹脂の混合比率は、 [1.0×103〜1.5×104未満にメインピークを
有する樹脂1]/[1.5×104〜1.0×105未満
にメインピークを有する樹脂2]=1/4〜4 の範囲内にあることが好ましい。樹脂1/樹脂2が1/
4未満になると低温定着,紙への付着性が満足できなく
なり、4より大きくなると現像性,耐スメアリング性が
低下する。より好ましくは3/7〜7/3の範囲であ
る。
【0043】本発明で用いられる結着樹脂のTHF不溶
分は、下記の如く測定した。樹脂組成物約0.5g(W
1)を秤量し、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R:2
8×100mm)に入れて、ソツクスレー抽出器にか
け、溶媒としてTHF200mlを用いて6時間抽出し
た。ソツクスレー抽出器におけるTHFの抽出サイクル
は、約4分間で1回の割合であった。
【0044】THFにより抽出されたTHF可溶成分を
エバポレートした後、温度100℃で減圧乾燥し、TH
F可溶分の重量(W2)を秤量した。
【0045】
【数1】
【0046】本発明に係るトナーの結着樹脂としては、
ポリスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及び
その置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビ
ニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル
共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル
酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチルア
ミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、
スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−
メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、スチレン
−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエ
チルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン
共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン
系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリビニルブチラール、シリコーン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
アクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テンペル樹脂、
フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳
香族系石油樹脂、パラフィンワックス、カルナバワック
スなどが単独或いは混合して使用できる。スチレン系共
重合体及びポリエステル樹脂が現像特性,定着性等の点
で好ましい。
【0047】本発明に用いられる結着樹脂は、カルボキ
シル基含有単量体或はカルボキシル基から誘導された基
を有する単量体を構成成分としていることが特に好まし
い。
【0048】例えば、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル(例えば、モノ−n−ブチルマ
レート)、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラ
コン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハー
フエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケ
ニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハ
ーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き
不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン
酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸ジエステル
が挙げられる。
【0049】さらに、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸
無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水
物;該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アル
ケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルア
ジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステル
が挙げられる。
【0050】これらの中でも、マレイン酸、フマル酸、
コハク酸の如き構造をもつα,β−不飽和二塩基酸のモ
ノエステル類が本発明で使用される結着樹脂を得るモノ
マーとして特に好ましく用いられる。
【0051】本発明に用いられるワックスは、(i)〜
(v)のワックスを用いることができる。
【0052】(i)アルキレンを高圧下でラジカル重合
あるいは低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量の
アルキレンポリマー (ii)高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得
られるアルキレンポリマー (iii)石炭ガスから得られた一酸化炭素,水素から
なる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸
留残分を水素添加して得られる合成炭化水素の如き材料
から特定の成分を抽出分別した炭化水素ワックス (iv)チーグラー触媒を利用したアルキレンポリマー
より得られると考えられる完全な長鎖飽和炭化水素を主
鎖とするアルコールワックス (v)(iv)で得られたアルコールワックスから誘導
されるカルボキシル基,エステル基,エーテル基,スル
ホニル基等の官能基を有する脂肪族炭化水素
【0053】本発明に好ましく用いられるワックスは、
示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、
90〜120℃の範囲内に少なくとも一つの昇温時の吸
熱ピークが存在し、該吸熱ピークのピーク温度±9℃の
範囲内に降温時の最大発熱ピークが存在することを特徴
とするワックスである。
【0054】90〜120℃の範囲内に、昇温時の吸熱
ピークが存在するということは、この温度領域でワック
スが融解することで、離型効果が発現し、MICRリー
ダー・ソーターに繰り返し通紙されてもMICR文字が
かすれたり、欠落したりしにくく、さらにMICRリー
ダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染しづらい。
【0055】90℃未満のみに昇温時の吸熱ピーク温度
が存在する場合には、ワックスの融解による可塑効果が
低温から発現し結着樹脂の機械的強度を著しく低下させ
ることを示す。この場合には、MICRリーダー・ソー
ターに通紙されたときに離型効果は発現するものの、結
着樹脂の機械的強度の低下によりMICRリーダー・ソ
ーターの磁気ヘッドとの摺擦時にMICR文字のかすれ
が生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚染し好ましくない。
【0056】この昇温時の吸熱ピークは、120℃を超
える領域に存在してもかまわないが、120℃を超える
領域のみにこの吸熱ピーク温度が存在する場合には、ワ
ックスの融解する温度が高すぎ、MICR印字におい
て、紙との離型性も増すことによりMICRリーダー・
ソーターに通紙された場合、磁気ヘッドとの摺擦により
MICR文字が欠落し易く、結果的に磁気ヘッドを汚染
し易い。ここで、90℃未満の吸熱ピークが最大のピー
クとなると、この領域のみに吸熱ピークがある場合と同
様な挙動を示すので、この領域に吸熱ピークが存在して
もよいが、その場合は、90〜120℃の範囲の吸熱ピ
ークより小さい必要がある。
【0057】降温時には、ワックスの冷却時の変化や常
温時の状態を見ることができ、ワックスの凝固、結晶
化、転移に伴う発熱ピークが観測される。降温時の発熱
ピークで、最大の発熱ピークは、ワックスの凝固、結晶
化に伴う発熱ピークである。この発熱ピーク温度と近い
温度に昇温時の融解に伴う吸熱ピークが存在すること
は、ワックスの結晶構造、分子量分布の如き物性的な面
でより均質であることを示しており、本発明において
は、その差が9℃以内であることが良く、好ましくは8
℃以内である。この差を小さくすることで、ワックスが
シャープメルト性を有することになり、すなわち、低温
時には硬く、融解時の溶融が早く、溶融粘度の低下が大
きく起こることになり、優れた離型効果が発現し、MI
CRリーダー・ソーターに繰り返し通紙した場合にも、
MICR文字がかすれたり、欠落したりしにくく、さら
に、MICRリーダー・ソーターの磁気ヘッドを汚染し
づらい。最大発熱ピーク温度は85〜115℃、好まし
くは90〜110℃の領域にあることが良い。
【0058】本発明におけるDSC測定では、トナーの
熱のやり取りを測定しその挙動を観測するので、測定原
理から高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測
定する必要があり、このような測定器としては、例え
ば、パーキンエルマー社製のDSC−7が利用できる。
【0059】測定方法は、ASTM D3418−82
に準じて行う。本発明に用いられるDSC曲線は、1回
昇温させ前履歴を取った後、温度速度10℃/minで
降温、昇温させた時に測定されるDSC曲線を用いる。
各温度の定義は次のように定める。
【0060】吸熱ピーク温度:DSC曲線のプラス方向
を吸熱としピークトップの温度をいう。
【0061】発熱ピーク温度:DSC曲線のマイナス方
向を発熱としピークトップの温度をいう。
【0062】本発明に用いられるワックスの分子量分布
で好ましい範囲は、数平均分子量(Mn)が550〜1
200であることが好ましく、重量平均分子量(Mw)
が800〜3000であることが好ましく、より好まし
くは900〜2500であり、さらにMw/Mnが3以
下であることが好ましく、より好ましくは2.5以下で
ある。このような分子量分布を持たせることにより、ト
ナーに好ましい熱特性を持たせることができる。すなわ
ち、上記範囲より分子量が小さくなると熱的影響を過度
に受けやすくトナーの耐ブロッキング性,流動性の低下
がみられ、またMICR特性においてはスメアリングが
生じ易く、同時に磁気ヘッドを汚染し易い。上記範囲よ
り分子量が大きくなると、紙への付着性が悪化し、その
結果MICRリーダー・ソーターに通紙された時等に生
ずる紙の折れ曲げがあった場合、紙からトナーが離脱す
る場合があり好ましくない。
【0063】ワックスの含有量は、結着樹脂100重量
部に対し5重量部以上20重量部以内であることが好ま
しい。5重量部未満の場合は上述の効果が発現し難く、
20重量部を超えると、トナーの流動性低下,結着樹脂
との分散悪化がみられ、好ましくない。
【0064】また本発明で用いられるワックスは、下記
一般式 R−Y [R:ゲルパーミエーションクロマトグラフによる重量
平均分子量が3000以下の炭化水素基を示す。
【0065】Y:水素原子,水酸基,カルボキシル基,
アルキルエーテル基,エステル基,スルホニル基を示
す。]を有する化合物を含有するものであることが好ま
しい。
【0066】具体的な化合物例としては、 (A)CH3(CH2nCH2OH(n=約20〜約20
0) (B)CH3(CH2nCH2COOH(n=約20〜約
200) (C)CH3(CH2nCH2OCH2(CH2mCH3 (n=約20〜約200,m=0〜約100) (D)CH3(CH2nH(n=約20〜約200) (E)CH3(CH2nCH2COO(CH2mCH3 (n=約20〜約200,m=0〜約100) (F)CH3(CH2nCH2OSO3H(n=約20〜
約200) 等を挙げることができる。これらの化合物は、(A)化
合物の誘導体であり、主鎖は直鎖状の飽和炭化水素であ
る。化合物(A)から誘導される化合物であれば上記例
に示した以外のものでも使用できる。上記ワックスを用
いることにより、本発明のトナーは低温での定着性,紙
への付着性,耐スメアリング性,現像性を満足し、また
一方では感光体ドラムへのトナー融着を防止する効果を
有する。
【0067】上記化合物の中でも特に(A)式CH
3(CH2nCH2OH(n=約20〜約200)で表さ
れる高分子アルコールを用いたトナーは、極めてすぐれ
た上記作用効果を発現する。
【0068】また、分子量分布的にはMnが200〜2
000であることが好ましく、より好ましくは230〜
1800であり、Mwが400〜3000であることが
好ましい、より好ましくは420〜2500である。さ
らにMw/Mnが3.0以下であることが好ましく、よ
り好ましくは2.5以下である。
【0069】この様な分子量分布をもたせることによ
り、トナーに好ましい熱特性を持たせることができる。
上記分子量より小さい場合は、スメアリングが生じ易く
なり、大きい場合は定着性が悪化する。Mw/Mnが
3.0より大きい場合には感光ドラムへのトナー融着及
びスメアリング防止効果が低下する。結着樹脂100重
量部に対するこれらのワックスの含有量は、前述のDS
C曲線に特徴を有するワックスの場合に準ずる。
【0070】本発明のトナーには、荷電制御として有機
金属化合物を用いることが好ましい。有機金属化合物の
うちでも、特に気化性や昇華性に富む有機化合物を配位
子や対イオンとして含有するものが有用である。金属イ
オンと配位子や対イオンを形成する有機化合物のうちで
上記のような性質を有するものとしては、例えば、サリ
チル酸、サリチルアミド、サリチルアミン、サリチルア
ルデヒド、サリチロサリチル酸、ジtert−ブチルサ
リチル酸、などのサリチル酸及びその誘導体;例えば、
アセチルアセトン、プロピオンアセトン、などのβ−ジ
ケトン類;例えば、酢酸塩やプロピオン酸などの低分子
カルボン酸塩などがある。
【0071】このような金属錯体としては次に示した一
般式[I]で表わされるアゾ系金属錯体がある。
【0072】
【化1】
【0073】式中、Mは配位中心金属を表わし、配位数
6のCr,Co,Ni,Mn,Fe等があげられる。A
rはアリール基であり、フェニル基、ナフチル基などが
あげられ、置換基を有してもよい。この場合の置換基と
しては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシル基、アニ
リド基及び炭素数1〜18のアルキル基、アルコキシ基
などがある。X,X’,Y,Y’は−O−,−CO−,
−NH−,−NR−(Rは炭素数1〜4のアルキル基)
である。K+は水素、ナトリウム、カリウム、アンモニ
ウム、脂肪族アンモニウムを示す。
【0074】次に該錯体の具体例を示す。
【0075】
【化2】
【0076】
【化3】
【0077】
【化4】
【0078】
【化5】
【0079】
【化6】
【0080】
【化7】
【0081】
【化8】
【0082】あるいは次の一般式[II]に示した塩基
性有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発
明に使用できる。
【0083】
【化9】
【0084】
【化10】
【0085】次に該錯体の具体例を示す。
【0086】
【化11】
【0087】
【化12】
【0088】
【化13】
【0089】
【化14】
【0090】
【化15】
【0091】
【化16】
【0092】
【化17】
【0093】
【化18】
【0094】
【化19】
【0095】
【化20】
【0096】これらの金属錯体は、単独でも或いは2種
以上組み合わせて用いることが可能である。
【0097】また、該金属錯体のトナー粒子への添加量
は、トナーバインダーの種類、キャリア併用か否か、或
いはトナーを着色する顔料、更には該金属錯体のバイン
ダーに対する反応性によっても異なるが、未反応のもの
も含めて、バインダー100重量部に対し、0.01〜
20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0098】また、上記金属錯体は、バインダーと溶融
混練時に反応させることにより、分解・反応性に富み、
かつバインダーとの相溶性或いはバインダーへの分散性
に優れ、トナーとして安定な帯電性が得られるといった
利点がある。
【0099】本発明においては、架橋成分である金属化
合物にトナーとしての荷電制御性を持たせることは可能
であるが、必要に応じてこれとは別途に荷電制御剤を使
用することもでき、従来公知の負或いは正の荷電制御剤
が用いられる。
【0100】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0101】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0102】例えば有機金属錯体、キレート化合物が有
効で前述した様なモノアゾ金属錯体、アセチルアセトン
金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカル
ボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキ
シカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその
金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェ
ノール誘導体類である。
【0103】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0104】例えばニグロシン及び脂肪酸金属塩等によ
る変成物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒド
ロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアン
モニウムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウ
ム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオ
ニウム塩及びこれらのレーキ顔料。トリフェニルメタン
染料及びこれらのレーキ顔料。(レーキ化剤としては、
りんタングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングス
テンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子
酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂
肪酸の金属塩、アセチルアセトン金属錯体。ジブチルス
ズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘ
キシルスズオキサイドなどのジオルガノスズオキサイ
ド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、
ジシクロヘキシルスズボレートなどのジオルガノスズボ
レート等であり、これらを単独で或いは2種類以上組み
合わせて用いることができる。これらの中でも、ニグロ
シン系、四級アンモニウム塩の如き荷電制御剤が特に好
ましく用いられる。
【0105】本発明の静電荷像トナーに磁性体を含有さ
せる場合に用いられる磁性体としては、フェライト、マ
グネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケル等の強
磁性の元素より成る金属、又はこれを含む合金もしくは
化合物、或いは強い磁性の元素を含むものではないが、
適当な熱処理等によって強磁性を示すようになる合金、
例えばマンガン−銅−アルミニウム、又はマンガン−銅
−錫等のマンガンと銅とを含むホイスラー合金と称され
る種類の合金、或いは二酸化クロム、その他を挙げるこ
とができる。かかる磁性微粒子を黒色又はかっ色顔料と
して兼用することも可能である。
【0106】特に本発明のトナーをMICR用に用いる
場合には、かかる磁性体の保磁力Hcは10,000エ
ルステッドの磁界において、130≦Hc≦300の範
囲にあるのが好ましく、140≦Hc≦280エルステ
ッドの範囲にある場合が更に好ましい。また、残留磁化
σrは10,000エルステッドの磁界において12≦
σr≦30emu/gの範囲にある場合が好ましく、更
に好ましくは14≦σr≦28emu/gの範囲にある
場合である。
【0107】しかし、この様な磁性体を用いた時に生ず
る画像上の不具合(例えば画像濃度薄,カブリ)を改善
する目的でケイ素とアルミニウム元素を含有させること
ができる。
【0108】磁性体に対してケイ素元素はSiO2に換
算して0.1〜1.0重量%、アルミニウム元素はAl
23に換算して0.1〜1.0重量%含有する場合が好
ましく、更に好ましくはSiO2に換算して0.15〜
0.9重量%のケイ素元素及びAl23に換算して0.
15〜0.9重量%のアルミニウム元素を含有する場合
が好ましい。前記ケイ素元素及びアルミニウム元素は、
本発明に係る磁性体を湿式法で合成する過程及び/また
は合成後に添加することができ、また湿式合成後にさら
に加熱酸化処理及び加熱還元処理を行う場合では、その
段階で添加することもできる。
【0109】本発明の磁性トナーによれば、カブリ,ブ
ロッチの発生がなく、画像濃度の向上が達成される。
【0110】またMICR文字の印字に使用する場合に
おいても、磁気信号強度を向上させることができ、MI
CRリーダー・ソーターでの認識率の良好なMICR文
字を印字することが可能となる。
【0111】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉と混合比はトナ
ー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは、0.5
〜10重量%、さらに好ましくは3〜5重量%が好まし
い。
【0112】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能である。例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体及びこれらの表
面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂あるいはシリコーン系
樹脂の如き樹脂で処理したものが挙げられる。
【0113】本発明のトナーにおいては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上の為、無機微粉体を添加す
ることが好ましい。
【0114】本発明に用いられる無機微粉体としては、
例えばシリカ微粉体、酸化チタン、アルミナ等が挙げら
れる。この中でもBET法で測定した窒素吸着により比
表面積が30m2/g以上(特に50〜400m2/g)
の範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100重
量部に対して無機微粉体0.01〜8重量部、好ましく
は0.1〜5重量部使用するのが良い。
【0115】また、本発明に用いられる無機微粉末は、
必要に応じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的
でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリ
コーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカッ
プリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、そ
の他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処
理剤で併用して処理されていることも好ましい。
【0116】他の添加剤としては、例えばテフロン、ス
テアリン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデン、シリコーンオイ
ル粒子(約40%のシリカ含有)の如き滑剤が好まし
い。或いは酸化セリウム、炭化ケイ素、チタン酸ストロ
ンチウム等の研磨剤、中でもチタン酸ストロンチウムが
好ましい。或いは例えば酸化チタン、酸化アルミニウム
等の流動性付与剤、中でも特に疎水性のものが好まし
い。ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズ等の導電性付
与剤、また逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性
向上剤として少量用いることもできる。
【0117】さらに、図3を参照しながら、本発明の画
像形成方法及び装置を説明する。
【0118】一次帯電器302で感光体表面を負極性に
帯電し、レーザ光による露光305によりイメージスキ
ャニングによりデジタル潜像を形成し、磁性ブレード3
11および磁石を内包している現像スリーブ304を具
備する現像器309の一成分系磁性現像剤310で該潜
像を反転現像する。現像部において感光ドラム301の
導電性基体と現像スリーブ304との間で、バイアス印
加手段312により交互バイアス、パルスバイアス及び
/又は直流バイアスが印加されている。転写紙Pが搬送
されて、転写部にくるとローラ転写手段302により転
写紙Pの背面(感光ドラム側と反対面)から電圧印加手
段314で帯電をすることにより、感光ドラム表面上の
現像画像(トナー像)が転写紙P上へ静電転写される。
感光ドラム301から分離された転写紙Pは、加熱加圧
ローラ定着器307により転写紙P上のトナー画像を定
着するために定着処理される。
【0119】転写工程後の感光ドラムに残留する一成分
系現像剤は、クリーニングブレードを有するクリーニン
グ器308で除去される。クリーニング後の感光ドラム
301は、イレース露光306により除電され、再度、
一次帯電器302による帯電工程から始まる工程は繰り
返される。
【0120】画像性の評価は耐久(約5000枚)の中
でチェックを定期的に実施し評価を行なった。以下、評
価方法及びその基準を記す。
【0121】(1)定着性テスト…LJ−IVを定着機
温度を可変できる様に改造し以下の温度の調査を行なっ
た。
【0122】定着開始温度…評価機が環境(23.5
℃,60%)になじんだ状態から紙上のトナーコート量
をそろえた状態で連続して10枚ベタ黒画像を複写し1
0枚目を評価に用いた。このベタ黒画像上にドラフティ
ングテープを貼り、その上から図2に示す様な治具(荷
重約0.6kg/cm2)で10往復こすり画像濃度の
低下率より評価を行ない、低下率が30%以下を維持で
きる温度を定着開始温度とした。
【0123】高温オフセット発生温度…定着テストに
おいて、定着機温度を上昇させた場合、画像上半分がベ
タ黒,下半分がベタ白となる様な画像を複写し、ベタ白
部に汚れが生ずる温度を高温オフセット発生温度とし
た。
【0124】(2)感光体へのトナー融着…高温・高湿
環境下(32.5℃,85%)において5000枚連続
画出し後、ベタ黒画像から評価した。○…全く融着見ら
れない,○△…A4ベタ黒中に1〜3点の融着,△…A
4ベタ黒中に4〜9点の融着,×…A4ベタ黒中に10
点以上の融着とした。
【0125】(3)画像濃度…高温・高湿環境下(3
2.5℃,85%)において初期〜5000枚まで20
0枚毎の計26サンプルをマクベス濃度計より測定し、
その平均値をもって画像濃度とした。
【0126】また、MICR特性に関する評価は以下の
様にして行なった。
【0127】(1)付着性…先述の定着テストにおいて
180℃のデータを付着性の代表値とした。数字の小さ
い方が付着性が良好であると判断できる。
【0128】(2)スメアリング…JIS C 625
0−1980の記載に従いMICR文字の印字を100
0枚行ない、この1000枚の印字物を市販のMICR
リーダー・ソーター(IBM製3890型機)に20回
パスさせたサンプルの非印字部分(図1参照)のDma
x値(非通紙白地部のDmax値を差し引いた値)をマ
クベス反射濃度計で測定した。
【0129】(3)誤読率…JIS C 6250−1
980の記載に従い、MICR文字の印字を1,000
枚行ない、この1,000枚の印字物を市販のMICR
リーダー・ソーター(IBM製3890型機)を用いて
調査した。誤読率は以下の式より算出した。
【0130】
【数2】
【0131】
【実施例】「部」は「重量部」を意味する。
【0132】実施例1 結着樹脂(A) 50部 結着樹脂(B) 50部 磁性体(Fe34) 90部 モノアゾ染料クロム錯体(本文中の錯体[I]−2) 1部 サリチル酸クロム錯体(本文中の錯体[II]−9) 2部 ワックス(a) 7部
【0133】上記構成材料中の結着樹脂(A)は、スチ
レン,nブチルアクリレート及びマレイン酸モノブチル
の溶液重合より得られたポリマーを、スチレン,n−ブ
チルアクリレート,マレイン酸モノブチルモノマーに溶
解し、ジビニルベンゼンで架橋・懸濁重合したもので、
GPCにおいて6450にメインピークを有し、酸価が
17.0mgKOH/gであり、ゲル分を39%有し、
可溶分のMwが4.2×104である。
【0134】結着樹脂(B)は、スチレン,アクリル酸
ブチル,アクリル酸及びスチレンマレイン酸モノブチル
をジビニルベンゼンで架橋溶液重合したもので、GPC
において35400にメインピークを有し、ゲル分を有
さず、酸価が18.0mgKOH/gで、Mwが3.3
×105である。
【0135】磁性体は、10000エルステッドの磁界
における残留磁化δrが18emu/gで、Hcが19
0エルステッド、透磁率μが2.5であるものを用い
た。
【0136】ワックスに関しては、アーゲ法より得られ
る直鎖の飽和炭化水素を主成分とするものであり、Mn
=820,Mw=1260で、DSC特性において吸熱
ピーク温度が105℃,降温時の最大発熱ピーク温度が
104℃であり、Mw/Mn=1.60である物(以下
ワックスaと称す。)を用いた。
【0137】上記構成材料を、ヘンシェルミキサーで混
合分散し、二軸エクストルーダーで溶融混練を行った。
混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた粉砕
機によって微粉砕し、更に風力分級機械を用いて分級
し、重量平均粒径8μmの磁性トナーを得た。得られた
トナーのGPC及び樹脂とワックスの構成内容を表1に
示す。
【0138】該磁性トナー100部に対して、疎水性シ
リカをヘキサメチルジシラザン処理後シリコーンオイル
処理したものを1.2部加え、ヘンシェルミキサーで混
合し磁性現像剤とした。得られた磁性現像剤をLJ−I
Vを用い一般画像及びMICR文字を印字し、電子写真
特性及びMICR特性を評価した。結果を表2に示す。
【0139】実施例2 ワックス以外の構成材料は実施例1と同一のものを用
い、また混合重量比も実施例1と同一とした。
【0140】ワックスに関しては、約80%が本文中の
化合物(A)で表わされる成分と、残り約20%が主に
本文中の化合物(D)で表わされる成分で構成されてお
り、平均的な組成を示す分子式はCH3(CH248CH
2OHで表わされ、Mn=450,Mw=880,Mw
/Mn=1.80で、DSC特性において吸熱ピーク温
度が98℃,降温時の最大発熱ピーク97℃であるもの
(以下ワックスbと称す。)を用いた。以下、実施例1
と同様の製造法で重量平均粒径8μmの磁性トナーを得
た。得られたトナーのGPC及び樹脂とワックスの構成
内容を表1に示す。さらに実施例1と同様に外添を行な
い磁性現像剤とし、実施例1と同様に評価を行なった。
結果を表2に示す。
【0141】実施例3 結着樹脂(A) 30部 結着樹脂(B) 70部 磁性体(Fe34) 90部 モノアゾ染料クロム錯体(本文中の錯体[I]−2) 1部 サリチル酸クロム錯体(本文中の錯体[II]−9) 2部 ワックス(b) 5部
【0142】上記の様に結着樹脂A,B及びワックスb
の含有量を変えた。以下実施例1と同様の製造法で重量
平均粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーの
GPC及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さ
らに実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実
施例1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0143】実施例4 ワックスbの含有量を変更した以外は実施例3と同一の
処方構成である。以下実施例1と同様の製造法で重量平
均粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーのG
PC及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さら
に実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実施
例1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0144】実施例5 ワックスbの含有量を12部とした以外は実施例3と同
一の処方構成である。以下実施例1と同様の製造法で重
量平均粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナー
のGPC及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。
さらに実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、
実施例1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0145】実施例6 結着樹脂の含有比(Aを80部,Bを20部)を変えた
以外は実施例2と同様の処方構成であり、以下実施例1
と同様の製造方法で重量平均粒径8μmの磁性トナーを
得た。得られたトナーのGPC及び樹脂とワックスの構
成内容を表1に示す。さらに実施例1と同様に外添を行
ない磁性現像剤とし、実施例1と同様に評価を行なっ
た。結果を表2に示す。
【0146】実施例7 ワックス以外は実施例6と同様の処方構成である。
【0147】ワックスに関しては、約80%が本文中の
化合物(B)で表わされる成分と、残り約20%が主に
本文中の化合物(A)で表わされる成分で構成されてお
り、平均的な組成を示す分子式はCH3(CH248CH
2COOHで表わされ、Mn=350,Mw=910,
Mw/Mn=2.50で、DSC特性において吸熱ピー
ク温度が105℃,降温時の最大発熱ピークが98℃で
あるもの(以下ワックスcと称す。)を用いた。
【0148】以下、実施例1と同様の製造法で重量平均
粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーのGP
C及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さらに
実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0149】比較例1 結着樹脂としてBのみ100部とした以外は、実施例1
の処方構成と同じである。
【0150】以下、実施例1と同様の製造法で重量平均
粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーのGP
C及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さらに
実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0151】比較例2 結着樹脂としてAのみ100部とし、ワックスaを4部
とした以外は実施例1と同じである。
【0152】以下、実施例1と同様の製造法で重量平均
粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーのGP
C及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さらに
実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0153】比較例3 ワックスのみをワックスdに変更した以外は比較例2と
同様の処方構成である。
【0154】ワックスdとはプロピレン−エチレンの共
重合体で、Mn=3000,Mw=15300,Mw/
Mn=5.1で、DSC特性において吸熱ピーク温度が
125℃、降温時の最大発熱ピークが110℃であるも
のを用いた。
【0155】以下、実施例1と同様の製造法で重量平均
粒径8μmの磁性トナーを得た。得られたトナーのGP
C及び樹脂とワックスの構成内容を表1に示す。さらに
実施例1と同様に外添を行ない磁性現像剤とし、実施例
1と同様に評価を行なった。結果を表2に示す。
【0156】
【表1】
【0157】
【表2】
【0158】
【発明の効果】本発明は、特定の結着樹脂とワックスを
含有することで、低分子領域から高分子領域に非常に広
い範囲の分子量分布を有するトナーである為に、次の様
な優れた効果を発揮するものである。
【0159】(1)低温定着が達成され、感光ドラムへ
のトナー融着の発生もなく耐オフセットに優れた静電荷
像現像用トナーを提供できる。
【0160】(2)高温・高湿環境においても画像濃度
の高い静電荷像現像用トナーを提供できる。
【0161】(3)紙への付着性が良好で、紙から離脱
し難いMICR文字を形成できる静電荷像現像用トナー
を提供できる。
【0162】(4)MICRリーダー・ソーターに繰り
返し通紙されてもスメアリングの発生がなくリーダー・
ソーターの磁気ヘッドを汚染することなく、なおかつリ
ーダー・ソーターの認識率の良好なMICR文字を形成
できる静電荷像現像用トナーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リーダー・ソーターテストで小切手等でMIC
R文字が印字されている部分及びスメアリング発生部分
を模式的に示した図である。
【図2】付着性テストで使用した治具及びその状態を模
式的に示した図である。
【図3】本発明に好適な画像形成方法及び画像形成装置
の一具体例を模式的に示した図である。
【符号の説明】
301 感光体 302 帯電手段 303 転写手段 304 トナー担持体 305 潜像形成手段 306 イレース露光 307 加熱加圧ローラー定着器 308 クリーニング手段 309 現像手段 310 磁性現像剤 311 磁性ブレード 312 バイアス印加手段 313 電圧印加手段 P 転写紙
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−118703(JP,A) 特開 平6−118702(JP,A) 特開 平6−118714(JP,A) 特開 平6−118704(JP,A) 特開 平1−219769(JP,A) 特開 平3−87839(JP,A) 特開 平4−254863(JP,A) 特開 平2−311851(JP,A) 特開 平1−219771(JP,A) 特開 昭63−223014(JP,A) 特開 平2−134648(JP,A) 特開 平4−204543(JP,A) 特開 平4−97163(JP,A) 特開 昭63−188158(JP,A) 特開 平5−80582(JP,A) 特開 平4−362954(JP,A) 特開 平5−249734(JP,A) 特開 平5−341561(JP,A) 特開 平6−43689(JP,A) 特開 平5−249729(JP,A) 特開 平5−281778(JP,A) 特開 平5−346678(JP,A) 特開 平5−297629(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂及びワックスを含有
    する静電荷像現像用トナーにおいて、テトラヒドロフラ
    ン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィ(GPC)測定される分子量分布において、分
    子量1×103未満の領域A及び5×103〜1×105
    の領域Bにそれぞれ少なくとも一つのピークを有し、領
    域Aの最大ピーク高さをHA,領域Bの最大ピーク高さ
    をHBとした場合、下記条件 0.25≦HA/HB<1 を満たし、かつ1×106以上の領域が6〜30%であ
    ることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 該トナーはTHF不溶分の含有量が30
    〜70重量%であることを特徴とする請求項1に記載の
    静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 該結着樹脂の酸価が10〜50mgKO
    H/gであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷
    像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 該結着樹脂が、GPCにおいて1×10
    3〜1.5×104未満の領域にメインピークを有する樹
    脂1及び1.5×104〜1×105未満の領域にメイン
    ピークを有する樹脂2の混合樹脂であり、かつ混合比
    [(樹脂1)/(樹脂2)]が1/4〜4であることを
    特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 該樹脂1は、懸濁重合法により得られた
    樹脂であり、THF不溶分を10〜50重量%含有し、
    該樹脂2は、溶液重合法により得られた樹脂であり、T
    HF不溶分を含まず、酸価が10〜50mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項4に記載の静電荷像現像
    用トナー。
  6. 【請求項6】 該ワックスが、該結着樹脂100重量部
    に対して5〜15重量部含有していることを特徴とする
    請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 【請求項7】 該ワックスが、示差走査熱量計により測
    定されるDSC曲線で、温度70℃〜130℃の領域に
    少なくとも一つの昇温時の吸熱ピークがあり、該吸熱ピ
    ークのピーク温度の±9℃の範囲内に降温時の最大発熱
    ピークがあることを特徴とする請求項1に記載の静電荷
    像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 該ワックスが、下記一般式 R−Y [R:GPCによる重量平均分子量が3000以下の炭
    化水素基を示す。Y:水素原子,水酸基,カルボキシル
    基,アルキルエーテル基,エステル基,スルホニル基を
    示す。]を有する化合物を含有することを特徴とする請
    求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 【請求項9】 該ワックスが、下記化学式 CH3(CH2nCH2OH (n=2〜200) で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項
    1に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 【請求項10】 該静電荷像現像用トナーが磁性体を含
    有しており、該磁性体は、10000エルステッドの磁
    界における残留磁化δrが12≦δr≦30emu/g
    の範囲であり、保磁力Hcが130≦Hc≦300エル
    ステッドの範囲であり、かつ透磁率μが2.0≦μ≦
    4.0の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のい
    ずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 磁性を有する文字による情報を磁気読
    み取り機を使って読み取る磁性インク記号識別システム
    に用いられる文字を印字するのに用いられることを特徴
    とする請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 【請求項12】 磁性トナーを用いて転写紙に磁性イン
    ク記号を印字し、印字された磁性インク記号を磁性イン
    ク記号リーダー・ソーターの磁気ヘッドに摺擦させて、
    磁気読取り及び識別を行なう磁性インク記号の識別方法
    において、 該磁性トナーは、少なくとも結着樹脂、ワックス及び磁
    性体を含有しており、該磁性トナーのテトラヒドロフラ
    ン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィ(GPC)で測定される分子量分布において、分
    子量1×103未満の領域A及び5×103〜1×105
    の領域Bにそれぞれ少なくとも一つのピークを有し、領
    域Aの最大ピーク高さをHA,領域Bの最大ピーク高さ
    をHBとした場合、下記条件 0.25≦HA/HB<1 を満たし、かつ1×106以上の領域が6〜30%であ
    ることを特徴とする磁性インク記号識別方法。
  13. 【請求項13】 該磁性トナーはTHF不溶分の含有量
    が30〜70重量%であることを特徴とする請求項12
    に記載の磁性インク記号識別方法。
  14. 【請求項14】 該結着樹脂の酸価が10〜50mgK
    OH/gであることを特徴とする請求項12に記載の磁
    性インク記号識別方法。
  15. 【請求項15】 該結着樹脂が、GPCにおいて1×1
    3〜1.5×104未満の領域にメインピークを有する
    樹脂1及び1.5×104〜1×105未満の領域にメイ
    ンピークを有する樹脂2の混合樹脂であり、かつ混合比
    [(樹脂1)/(樹脂2)]が1/4〜4であることを
    特徴とする請求項12に記載の磁性インク記号識別方
    法。
  16. 【請求項16】 該樹脂1は、懸濁重合法により得られ
    た樹脂であり、THF不溶分を10〜50重量%含有
    し、 該樹脂2は、溶液重合法により得られた樹脂であり、T
    HF不溶分を含まず、酸価が10〜50mgKOH/g
    であることを特徴とする請求項15に記載の磁性インク
    記号識別方法。
  17. 【請求項17】 該ワックスが、該結着樹脂100重量
    部に対して5〜15重量部含有していることを特徴とす
    る請求項12に記載の磁性インク記号識別方法。
  18. 【請求項18】 該ワックスが、示差走査熱量計により
    測定されるDSC曲線で、温度70℃〜130℃の領域
    に少なくとも一つの昇温時の吸熱ピークがあり、該吸熱
    ピークのピーク温度の±9℃の範囲内に降温時の最大発
    熱ピークがあることを特徴とする請求項12に記載の磁
    性インク記号識別方法。
  19. 【請求項19】 該ワックスが、下記一般式 R−Y [R:GPCによる重量平均分子量が3000以下の炭
    化水素基を示す。Y:水素原子,水酸基,カルボキシル
    基,アルキルエーテル基,エステル基,スルホニル基を
    示す。]を有する化合物を含有することを特徴とする請
    求項12に記載の磁性インク記号識別方法。
  20. 【請求項20】 該ワックスが、下記化学式 CH3(CH2nCH2OH (n=20〜200) で表わされる化合物を含有することを特徴とする請求項
    12に記載の磁性インク記号識別方法。
  21. 【請求項21】 該磁性体は、10000エルステッド
    の磁界における残留磁化δrが12≦δr≦30emu
    /gの範囲であり、保磁力Hcが130≦Hc≦300
    エルステッドの範囲であり、かつ透磁率μが2.0≦μ
    ≦4.0の範囲であることを特徴とする請求項12〜2
    0のいずれかに記載の磁性インク記号識別方法。
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